Tnguc さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
【お気に入り】 恋のドキドキ10連コンボ
~
ゲームに馬車馬な少年・ハルオと、同じくゲームが大好きな無口の少女・大野、そしてゲームと恋に初心な女の子・日高の3人が、ゲームセンターを通して青春をするラブコメ作品。原作者・押切蓮介(おしきり・れんすけ)の、ゲームセンターに対する情報量は決して漫画のためにリサーチをしただけではない等身大のゲーム愛がハルオを通して描かれているのがまず分かる。あの頃のゲームセンターの雰囲気をハルオたちと一緒に懐古したり共感したりすることが本作の醍醐味の一つであるが、この作品の人気の心臓部は決して「ゲーム」だけではないのが面白いところ。版権の問題を起こしながらもついにアニメ化にまでたどり着いた本当の理由は丁寧に描かれた青春や恋愛の描写が評価されたからだと思う。ハルオを想う大野と日高の恋心はもはや少女漫画顔負けで、やっているゲームは殴り合いの男臭い趣味ばかりなのに本心はやっぱり女の子なんだなと思わせる一面の数々。大野は仕草で、日高はモノローグで、ゲームバカ一代のハルオを「好き」になるまでの過程を、ゲーム作曲家・下村陽子(しもむら・ようこ)による劇伴と共に初々しく映し出されていてとても甘酸っぱい。されど決してハルオの前では発露しない初恋特有のもどかしさ。そんな2人を通して映るハルオも何だかカッコよく見えてくるから困る。最近のアニメは一目惚れよりも単純な理由で主人公を好きになったり、挙句には最初から発情していたりする中で、本作の恋模様は素直に感情移入できるだけのパワーがあり、当時のゲーム史なんて知らなくても十分に惹きつけられる王道のドラマ性がこの作品にはある。
個人的評価:★★★★☆(4.0点)