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「虐殺器官(アニメ映画)」

総合得点
74.2
感想・評価
252
棚に入れた
1857
ランキング
934
★★★★☆ 3.8 (252)
物語
3.8
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.6

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虐殺器官の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

クワル さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

いい映画でした。

SFというか、戦争映画。

何か高尚な理想のために戦う悪役なのかと思いきや、正面切ってのエゴでした。
でもそのエゴは現代にも共通するものだったり。第一世界と第三世界の対立。

情報量が多いので、頭を使います。グロもそれなりに。

欲を言えば、主人公はもっと渋めのキャラデザと声だったらよかったかな。

映画を観た後に原作を読んだのですが、エンディングは違いましたね。でもこれはこれで良い終わり方だと思います。

投稿 : 2024/10/18
閲覧 : 260
サンキュー:

1

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

SFとしてはハリウッド並みに頑張ってはいる

日本人では初めて、アメリカのSF文学賞「フィリップKディック賞」を受賞している享年34歳で亡くなった小説家伊藤計劃のデビュー作であり、「死者の帝国」「ハーモニー」次ぐ、アニメ化第三弾「虐殺器官」

原作の小説は未読で、元来SFが好きなので「死者の帝国」「ハーモニー」は劇場で視聴済み。

で、今回で伊藤計劃作品最終作な訳ですが、アニメ元請け制作会社が倒産し企画が倒れかけていたにしては非常に良質なアニメーションで、演出も作画も撮影も上手い。特に3Dの使い方は最近のSFアニメやロボットアニメを凌駕するぐらい自然に違和感なく使われていて手練ているのが直ぐにわかったし、攻殻機動隊ARISE以来の電脳空間も理解しやすく、設定やデザインに抜かりがないのには驚いた。
以前に見た「ハーモニー」のグダグダがまるで嘘の様に感じたのが正直な感想だ。値段以上のものは観れた。

脚本の方だが、全体を通して見終わったときの感想は。。

「。。。。これって黒沢清の「CURE」に似てね?」

だった。

1997年に黒沢清監督が役所広司主演、萩原聖人助演で撮ったサイコスリラー「CURE」に非常にプロットが似ている。というか、SF要素を抜けばほぼ同じである。

黒幕が言語でまるで催眠をかけたように人を操ったり、猟奇的になったり、現代の社会問題に悩んだりするところがそっくりである。(笑)

しかし、社会問題の定義に関しては、2017年現在、アメリカ合衆国で行われているドローン技術や対テロ活動、戦前のような内向きの世界経済状況、まるでナチスドイツのようなトランプ政権などを見ていると、一切笑えないから困る。現実がフィクションの世界を越えようと動き出しているからだ。

そう考えてこの映画を見ると、非常にタイムリーな作品であるし、現実を直視できるという意味では、「今」見るべき映画のひとつと言えよう。

三作品の中ではダントツでSFとしても映画としても極めて上質だ。

亡くなられた作者も、このレベルでアニメ化すれば納得できるだろう。

ただ、内容を理解するには「攻殻機動隊」並みに予備知識が必要なので、間違っても恋人と一緒に行ってはいけない。(笑)

あと、説明ゼリフや静かな演出で眠気に誘われる場合もあるので、睡眠を充分に取ってから観ることをおすすめする。まるで押井映画のように脳をフル活用するからだ。

声優に関してはあまり触れないでおこう。可もなく不可もなくといったところだ。

投稿 : 2023/06/06
閲覧 : 768
サンキュー:

28

ネタバレ

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

政治哲学の実践

ハーモニーもそうだが、この作品もフーコーとかアガンベンとかそのあたりの政治哲学をラディカルな形で実際に具体化して作品を作っている。
(あんまりその類の知識を持ち合わせておらず、孫引き的な表面的な知識で語っているため、注意)


アガンベンは著書で「ホモサケル」という存在について言及している。「ホモサケル(聖なる人)」は古代ローマの法律で規定されていて、特定の罪状のために、「その人物を殺しても罰せられない」「その身体を宗教儀式の供物に用いることができない」という2つの戒めを受けた人々のことを指す。要するにホモサケルは共同体に内在しながら法律のもとの権利からも義務からも無視された秩序の外の例外的存在である。
ホモサケルは「剥き出しの生」と呼ばれることもある。というのも、権利や配慮による防御が全くなく、丸裸の存在だから。
アガンベンはこのような共同体に内在しながら秩序の例外である存在が西洋社会には常に存在していたと言う。例えば、中世にはある種の無法者は法律で守られておらず、人間扱いされず、殺されても構わないとする考えは根強く存在していた。
政府組織は国家の配慮すべき対象に対しては権利を守るが、配慮の外、秩序の外の存在と一度認定したものに対しては明確に残虐的行為を行使することがある。例えばテロリストの疑いがあるものへの強権的な措置やナチスのユダヤ人虐殺、収容所における囚人の過酷な環境などがある。

政府の管理から逃れて、非人権的にと虐殺される「計数されざる者」はホモサケルを具体化した存在である。そして、紛争地帯で主人公らが無感情に虐殺する現地の兵士、少年兵たちもまたホモサケル的なものの例示である。

アガンベンは政治は例外状態の締め出しによって内部の秩序を保つことで行われると言う。別の言い方をするなら、政治とは線を引いて秩序を作り、秩序の内側のセキュリティを保ち、秩序の外側を冷酷に排除することだということだ。
これはそのまま、ジョンポールの夢想する自国の平和のための遠方国への虐殺の締め出しと対応し、また秩序のため、現地人を罪悪感なしに無心で虐殺する主人公らの行動に対応する。
「人間は虐殺器官を備えている」という意味はこのように人間社会は秩序の外の存在への排他を伴って成り立っていて、状況により、本当に冷酷な方法でその排他を遂行しうるということなのだと思う。(今日のキャンセルカルチャーの隆盛やミルグラム実験などについて、考えてみてほしい)

背景にあるテロリズムに対抗する安全保障のための監視社会という情勢設定自体もアガンベンの研究テーマだった例外状態の政治哲学の具体化である。

そんな感じで現代の政治哲学研究を色々近未来SFの形で具体的に取り出してみたよ、というのが本作なんじゃないかと門外漢ながら思う。

結構ボリューミーな内容を詰め込んでいる感じがあり、ジョンポールの意思などについてなどは消化不足な気もするし、最終局面での主人公の振る舞いについても投げっぱなしの感がある。原作を読めばもう少ししっかりしたものなのかもしれない。

やや若書きでチープな部分もあるけど物語としてもセンスが結構ある良い仕上がりだと思う。

投稿 : 2022/02/11
閲覧 : 180
サンキュー:

2

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

村瀬監督作品なので途中まで見ました・・・・

dアニで配信中なので、分割の1話だけ見ました。感想・・・政治的な話で、残酷場面が多くて、わかりづらくてあまり面白くなかったです。向こうの洋画それも最近の作品が好きな人には受けるかもと思いました。ほとんど実写ミリタリー作品みたいで、CGの使い方も最先端風です。しかし作画とかリアルで、気持ち悪いと思う場面もあり、あまりにも先鋭的でついていけないと思いました。作画はうまいとは思います。話題になっている次回作の「ガンダム 閃光のハサウェイ」もこのノリだと、ちょっと苦しいかもと思いました。時間があれば続きも見るかもしれませんが、今のところ気持ち的に消極的です。ディストピア風の近未来世界も、見ていてしんどい感じだったです。

投稿 : 2020/12/21
閲覧 : 292
サンキュー:

5

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

全部本能なら贖罪はない

先進社会をテロから守る、ジョンポールの方法はアヘン戦争前の戦略だ。こんなテーマで小説書き下ろしとは、時代性があったとはいえ、大したものだと思う。

言葉による表現で虐殺/ホロコーストは制御できたりしない。フィクションとはいえ間違ったメッセージを発信している。

そういう意味で物語性はない。

戦闘シーンやメカには力が入っている。シューティングゲームをやる感覚で、ハラハラするが、それ以上ではない作品。

投稿 : 2020/08/10
閲覧 : 249
サンキュー:

6

ネタバレ

クタクタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

必要悪としての虐殺

どんな生活を送ってきたらこんな凄い物語を作れるんだろうか。


人は選択の中で生きている。そしてその選択によってどんな自由を得るか。ジョン・ポールは虐殺を選択することで、先進国に住む何も知らない、知ろうとしない人々の自由を得ようとした。それに異議を唱えたのが、主人公のシェパードとルツィア。
結局のところ見えているのに見ようとしない、何もしようとしない人々こそがすべての元凶なのかなと。
といってもだからどうすればいいのか。1人が現実を見ようとして異議を唱えても何も変わらないんじゃないかとも思う。だからこそ最後にシェパードが大々的な告発をしたのか。でも、そうなる前はどうする?世の中はとっくの昔から既にそうなりつつある?

世界はグローバル化したのに、自分の国こそがなによりだと人々が内向きになりつつあるから、こんなおかしなことが起こるのかなとも思える。でも自分の国こそがなによりと考えるのは当たり前のことじゃないか、、、


作中のジョン・ポールを捕まえるための兵士(子供)を倒していくシーンは、、、
時折視点が主人公になるのもまた。これもまた結局は任務のためであるというが、虐殺と変わらないんだろうなと。子供が兵士に駆り出されているという現実を見ようとすれば防げた?


箇条書きみたいな感想になってしまいましたが、とにかく考えさせられる、とてつもない威力を持った作品だなと。
兵士の感情をテクノロジーによって意図的に抑え、どんな任務でも実行させてしまうところをみると、本当にテクノロジーの進化が人々に幸せをもたらしたのか。
考え出したらもう色々と止まらない笑

ただ個人的にはやっぱりジョン・ポールの誰かを守るための虐殺は許せないかなと。虐殺に利用された側はたまったもんじゃないし、自分の立場が逆転しないという保障も一切ないなと。
それら防ぐための言葉、話し合い、政治ではないかなと。

投稿 : 2020/05/25
閲覧 : 291
サンキュー:

1

ネタバレ

kazz さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

虐殺を引き起こすものは?

原作既読。
この世界は自分の想像以上に残酷であるということは分かっているつもりです。
しかし実際にそれを見つめることは、自分にはできません。某過激派組織が人の首をはねた動画を公開したとしても見ようという気は起りません。戦争、紛争、テロ、虐殺はカメラの向こう側の世界のもの、どうしようもないという意識、そしてそれに甘んじて何もしない自分の弱さを揺さぶられる作品でした。せめて募金を見かけたら少しでもしようかなと思って生きています。
余談ですが、繁華街や駅前でフラッと寄ってきてメッセージカードを見せながら募金を迫る東南アジア系の方は詐欺なので気を付けてください。無垢な予備校生の頃、1000円やられました。まだチラホラ見かけます。

投稿 : 2020/03/04
閲覧 : 254
サンキュー:

3

ネタバレ

ドリア戦記 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

言葉が狩るもの

原作からして人を選ぶ作品。SFが難しいとか内容が高度とかそういうのではない。
ちょっと癖のある作家なので読みにくい人がいるのでは。
アニメも原作の「分かり辛さ」を踏襲している。

内容を簡単にまとめると特殊部隊に所属する主人公が
言語に隠された「虐殺の文法」を駆使し
世界中でテロを起こすテロリストに遭遇する話。
自分の周りさえ平和であれば良いという人々の身勝手さと社会的無関心が
テロや戦争を他国に追いやっているという主張。


社会批判性を内包した小説やアニメは多くあるが
社会描写を積み重ねるより、登場人物による観念論の乱れ打ちなので
世界観の把握に人によっては苦労するかも。
例えばホーガンの『星を継ぐもの』のように
1つ1つの検証を積み重ねていくSFが好きな人なら
ちょっとこの作品は合わないだろう。

知り合いは「セカイ系」と評していたけど、
セカイ系が「僕とあなたの閉じられた世界」で収束するのに比べ
こちらは主人公の延々と続く内的思索であり
読んでいると言葉に翻弄されそうになる。
客観的事実の積み重ねではなく
良くも悪くも「ボクの思索がすなわち世界へと続く」という作風。
また「虐殺の文法」という飛び道具を出したにも関わらず
見切り発車で詰めが甘く、結局「虐殺の文法」とは何であったのか
多方面からツッコまれた経緯を持つ。
読んでいればなんとなくだが、おそらく言葉の持つ危険性について訴えたかったのだろう。
言葉を操るものが人を操り、如いては戦争に追いやるという歴史の事実
(実際は経済的側面が強いが)
を強調するためのガジェットとして「虐殺の文法」を設定したのだろうが
SFとしても論理的な詰めの甘さが目立つ。

雑と言えば雑なのだが、社会批判性を孕む場合
目前の客観的事実に捉われると視野狭窄
もしくは長期展望のない短期的な見方に陥りがちだが
内容やテーマは茫洋としながらも
今現在、アメリアや世界で起こっている「分断」を
結果的に10年以上前から予測していたことになり、ジャーナリスティックな側面を持つ。
皮肉を言えばどうとでも解釈できる主観的な点もジャーナリスティックと言える。

ただこの作品の主張である、人は自分と自分の周りさえ平和であれば
充足を感じる生き物であり、メディアで報道される他国の国民の不幸は所詮他人事、
国内でも集団に分かれ、
その集団に所属するもの同士の存続と充足がSNSを通して強化されつつある現在
作者の主張やテーマは無視できないものとなっている。
人は自分の見たいものしか見ないと言ったのはカエサルだが
情報もたとえ手を尽くして検証したとしても
己の見たいようにしか解釈しないのが人というところか。

投稿 : 2019/12/09
閲覧 : 244
サンキュー:

2

ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

あら、意外とシンプルなストーリーね

世界の紛争地を飛び回る米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉に、謎のアメリカ人の追跡ミッションが下る。その男はジョン・ポールという名で、紛争の予兆と共に現れ、その紛争が泥沼化するとともに忽然と姿を消してしまう。かつて有能な言語学者だった彼が、その地で何をしていたのか。アメリカ政府の追求をかわし、彼が企てていたこととは…?

虐殺の王ことジョン・ポールの正体や目的は徐々に明らかになっていくが、主人公であるクラヴィス・シェパードのことは明かされない。映画化するにあたり、クラヴィスの内面にまつわる描写をあえて省いたと、村瀬修功監督がインタビューで明言しているらしい。

ジョン・ポールは言語学者で、虐殺の文法を使い、後進諸国に虐殺を広めて回っている。そして、ジョンと関係を持つ女性、ルツィアも言語学者。クラヴィスはプラハでルツィアと、そしてジョン・ポールと接触し、言葉を交わす。この接触が、クラヴィスに如実な変化をもたらす。

原作を読むと面白く感じられるそうだ。

冒頭でいきなりセッ○スしてるんだけど、多分、ジョンかな。ルツィアと不倫していて、その際に妻と娘が死んでしまった。以来、平和な自分たちの世界を守るために、後進国のテロリストが先進国に攻撃する前に後進国内で殺し合いをさせることを選択。最後はルツィアとジョンとクラヴィスがこのことを告発しようと会話しているところで、ウィリアムズにルツィアがヘッドショットされるシーンは心が痛んだ。

全体的に伏線らしきものがあるようには感じられず、そんなに難しい話もしていなかった。捻りが欲しかった。無駄に長かった。虐殺器官は自らの母語ではない言語を文法滅茶苦茶で断片的にしか話せない者たちの子孫が教えられていなくても、整った文法で話すことができるように、人間には本来、文法を生み出す能力が備わっており、虐殺も人間に刻まれているのではないかということをテーマにしていた。

マングローブが倒産したせいで、本来は最初に公開される予定だったのに、最後に公開されることになってしまった。

主題歌はEGOISTでリローデッド。かっちょいい。

投稿 : 2019/02/17
閲覧 : 308
サンキュー:

6

ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

苦悩する世界

なんともおどろおどろしいアニメタイトル。
観る前からわかっていましたが、とにかくえぐいです。
ということで、グロ排除でレビューします。

現代~近未来サイエンスフィクションアニメ。
2015年のサラエボ消滅から始まる奇妙な虐殺連鎖の黒幕はジョンポール?
アメリカ暗殺特殊部隊クラヴィスの眼を通して描かれる物語は残酷かつ陰鬱です。
いかに任務とは言え・・・そこまでするのか・・・

物語後半に訪れるクラヴィスとジョンとの冷静なやり取りがクライマックス。
遺伝子に組み込まれた人の生存本能を脳科学的に議論します。

テロとの戦いにより浮き彫りとなった持てる国と持てざる国。
その対立により始まった世界的な新たな混沌。
自己保存のために指導者が行う教育、ひいては洗脳。
宗教等を利用しながら人の深層心理を支配する危険性を暗示しているように思います。

投稿 : 2018/11/25
閲覧 : 397
サンキュー:

20

ネタバレ

K さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

難しい

作画も音楽も声優さんの演技もすごくてとても引き込まれました。ただ難しくて何度か巻き戻して見て、っていうのを繰り返しました。
殺人マシーンと化した軍人が切なくて怖かったです。スタバやピザなど、便利なものは世の中に沢山溢れているけれどどれだけの犠牲が別の場所であるんだろう?けれどそれは知らなくていいことなのか?
難しいです。面白かったです。

投稿 : 2018/09/30
閲覧 : 316
サンキュー:

1

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

近未来SFと現実と絶望の哲学

食料難などの原始的な群れの存続危機を回避するため、

仲間を虐殺する器官(心臓とか小腸と同種の器官の一つという意味)を人間は持っていて、それを解明し、悪用する犯人を追う話。

言語という音の連なりを、ある一定の並びで聞かせると、人間は虐殺のリミッターが外れやすくなるという設定が面白い。

脳内マスキングが衝撃だった。痛覚、恐怖の部分を脳にこないようにマスキングした軍人同士が戦闘するとどうなるか。

互いがミンチになるまで戦うはめになる。こんな未来イヤだなと感じた。正直怖い。

グサっと来たセリフを一つ

「すべての仕事は良心を麻痺させるためにするんだよ」

仕事でなかったら、ナチスの軍人はユダヤ人を大量虐殺しなかっただろう。

普通の仕事は人を殺したりしないから、そこまで深く考えなくて良い。

しかし、拡張していけば、一般の仕事も同じなんじゃないか。

仕事は便利な言い訳だが、使ってはいけないんだなと感じた。

投稿 : 2017/03/08
閲覧 : 257
ネタバレ

tinzei さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ドーナツ

人の頭がドーナツになります。ヒロインも最後ドーナツになります。終わった後ドーナツを食べたくなります。

投稿 : 2017/02/13
閲覧 : 245
サンキュー:

3

ネタバレ

esso-neo さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

僕は、知らない

伊藤計劃曰く、我らの世代の絶望とは週末が続くこと。発展も滅亡も許されない日々のこと、だそうで。
つまりは読者にとって警鐘という形になる作品を映像化。制作会社がぶっ倒れようが彼らは意地を通して上映させたようで。ありがとう
いわゆるSFの構造である知的好奇心の快感、世界変革のラストなんてものを踏襲しつつ主人公の一人称視点で話を進めていく。原作から生い立ちや「メタヒストリー」という単語をオミットしてなおかつ軸はぶれていない。こいつはいい、他とくらべればあまりにも伊藤計劃であり、アニメでありながらロトスコープに迫らんとする写実性に突き進んでいる。普通逆だろ。
迂闊な変更がないからこそ、そこに選ばれた画面の1つ1つが布石として効果を最大限発揮し俺の胸をかき乱した。たまらんばい

投稿 : 2017/02/06
閲覧 : 210
サンキュー:

5

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

今だから、より大きな意味を持つのかも

 原作は未読。
 原作者の伊藤 計劃氏作品のアニメ化の「Project Itoh」の3作目だが、スチームパンク的
だった「屍者の帝国」、ガゼットなどに未来感が強かった「ハーモニー」と較べて、現代より
少し先の世界といった感じで、一番現実味を感じる。
 それぞれの雰囲気、世界感こそ違うものの、「ハーモニー」のレビューでも書いたように、
人間の心や意識の問題に焦点を当てるというテーマ性は変わらず。まあ、この辺は伊藤氏のみ
ならず、最近のSFではこのテーマを扱った作品は多く、それだけ掘り下げ甲斐のあるテーマ
なんだろうなと思う。
 あくまで局所的描写に留まりながらもその影響は世界全体を変えてしまうようなスケール感の
大きさも三作品に共通したところかな。

 本作の主要なファクターである虐殺器官と、それを活性化させる虐殺文法がまず興味を
そそる。
 種の保存のために同族を殺す生物は幾らでもいるわけで、人間にも種の安定化のために同族を
殺す機能があったとしてもおかしくはない。
 また洗脳などに代表される、言語による意識のコントロールも存在するわけで、虐殺器官や
虐殺文法自体は作者の創作したものだろうが、真実と虚構が入り交じった嘘と
いった感じで、やけにリアリティを感じてしまう。

 そして、虐殺文法の利用により、テロの要因となる国家に内輪もめを起こさせて、アメリカを
テロから防ぐという計画だが、これは一種のアメリカとの分断政策。
 本作は制作会社のマングローブの経営破綻により完成が遅れたわけだが、アメリカが
ドナルド・トランプ政権となった今、より大きな意味を持つ作品となった感が強い。
 原作自体はおそらく911とそれ以降のテロの多発に影響を受けて書いたのかなと思うが、
現在のアメリカを予見していたかのような伊藤氏の凄さを感じてしまった。

 主役のクラヴィス・シェパードが特殊部隊の隊員であるため、戦闘描写が多く、ミリタリー
ものの側面もある。
 本作自体は特に電脳化、ネットワーク社会などに焦点を当てていないため、いわゆるサイバー
パンク作品ではないが、ミリタリー関係で登場する各種装備は「攻殻機動隊」などのサイバー
パンク系アクションものに共通する部分があり、その辺も興味深かった。

 いわゆるアニメ作品としての作画、キャラ立ちなどは割と平凡。
 殺害シーンは割とグロっぽいが、これは3作品いずれも共通するところか。

投稿 : 2017/02/06
閲覧 : 256
サンキュー:

8

ネタバレ

zu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

「虐殺器官」って、今のアメリカとテロの現実がリンクしてるんじゃないのかなぁと思ったり・・・

待ちに待ってました!

アニメ制作会社のスタジオmanglobe突然の経営破たんから制作が中断、新設のジェノスタジオが引き継いで制作再スタートをして、当初公開予定から約1年3ヵ月遅れて、全国公開されたProject Itohの最後の作品「虐殺器官」を公開日と2日目のレイトショーで2回観てきました。

2回とも客席はほぼ満席で「ハーモニー」「屍者の帝国」の時よりも期待して待ってた方が多かったんだなぁと実感!!

原作は以前に読んでいたんですが、映画を観る前にもう一度読み直してから鑑賞してきました。

その感想ですが、基本的には原作に沿った作りになっていましたが、映画としての尺の都合だと思いますが、主人公「クラヴィス・シェパード」の母親の話、「死者の国」の悪夢などはバッサリとカットされていたり、細かなところの改変がありますが、そのおかげで作品のテンポを良くして、映像作品としてのエンターテインメント性が高められていて、原作を未読でもある程度はわかりやすくなっていると思います。

改変の一部ですが、序盤で虐殺を行っている元准将とジョン・ポールの暗殺作戦中に現地語のわかるクラヴィスの部下アレックスがラジオから流れてくるプロパガンダに織り込まれている「虐殺の文法」よって汚染されてしまいクラヴィスが尋問中の元准将を虐殺してしまい、異変に気が付いたクラヴィスに射殺されてしまうのですが(原作ではクラヴィスが元准将をナイフで殺害していて、アレックスは2年後に自殺している)このアレックスが汚染された事が、中盤くらいのクラヴィスとジョン・ポール会話の中の伏線になっていたり、ジョン・ポールのセリフが元愛人だったルツィアに変わっていたりしていたけど、作品においてもっとも重要な会話は残し、時には別の場面のセリフを早めに表示してメリハリをつけるなど、原作からの選別と再構成が見事でした。

グロさに関しては、市民の虐殺、少年少女の民兵と戦闘(腕、足、頭が吹っ飛ぶ)痛覚マーキングをした軍人同士の戦闘(特にクラヴィスの部下リーランドの下半身が無くなっても戦っている)シーンなどは、かなりグロかったけど、ルツィアの最後の描写は分かっていても音と映像でビクっとしてしまった!

それでも原作の文章として読んでいる方がインパクトが大きく感じたので、映画を観たあとに原作を読んでみる事をお薦めします。


映画の公開延期でタイトルのようにアメリカのトランプ大統領が誕生して、テロ関連国家からの入国拒否、移民制限、貿易制限といった極端な一国平和主義になろうとしているとは、偶然とは思えない絶妙なタイミングで、この時を狙っていたかのようにすら感じたし、原作者の伊藤計劃は、まるで10年前に現在を予測していたのでは?と思えた作品でした。

ジョン・ポールのCVが櫻井孝宏さんで、その言葉使いと雰囲気が「PSYCHO-PASS サイコパス」の槙島が年をとったらこんな感じかなと思えたのは、自分だけでは無いはずですw

最後に個人的には、原作の最後の「ぼくはソファでピザを食べる。」「けれど、ここ以外の場所は静かだろうな、と思うと、すこし気持ちがやわらいだ」のところまで、映像として観てみたかったなぁ(^^♪

投稿 : 2017/02/05
閲覧 : 274
サンキュー:

31

hiw さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/25
閲覧 : 5

kuroneko さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2024/04/14
閲覧 : 11

FJSDR37436 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/12/21
閲覧 : 12

ぽたお さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/06/14
閲覧 : 14

kiyoshiro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/06/12
閲覧 : 16

あまつ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/02/26
閲覧 : 16

老倉育 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/11/30
閲覧 : 19

長風呂 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/11/15
閲覧 : 18

もっちょん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2022/09/03
閲覧 : 16

atsuman さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/08/08
閲覧 : 17

しょう さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

投稿 : 2022/08/03
閲覧 : 16

kkkkk54 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

投稿 : 2022/06/05
閲覧 : 17

anikorepon さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/05/24
閲覧 : 20

ゆうた さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/03/14
閲覧 : 26
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虐殺器官のストーリー・あらすじ

世界の紛争地を飛び回る米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉に、謎のアメリカ人の追跡ミッションが下る。その男、「ジョン・ポール」は、紛争の予兆と共に現れ、その紛争が泥沼化するとともに忽然と姿を消してしまう。かつて有能な言語学者だった彼が、その地で何をしていたのか。アメリカ政府の追求をかわし、彼が企てていたこととは…?(アニメ映画『虐殺器官』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2017年2月3日
制作会社
ジェノスタジオ
主題歌
≪主題歌≫EGOIST『リローデッド』

声優・キャラクター

中村悠一、三上哲、石川界人、梶裕貴、小林沙苗、大塚明夫、櫻井孝宏

スタッフ

原作:伊藤計劃『虐殺器官』(ハヤカワ文庫JA)、キャラクター原案:redjuice、 監督:村瀬修功、脚本:村瀬修功、デザインワークス:荒牧伸志/山根公利/臼井伸二/神宮司訓之/山田正樹、美術監督:田村せいき、撮影監督:山田和弘/中西康祐、色彩設計:茂木孝浩、CGディレクター:増尾隆幸、アフレコ演出:長崎行男、編集:長坂智樹、音楽:池頼広

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