当サイトはアリフィエイト広告を利用しています

「思い出のマーニー(アニメ映画)」

総合得点
67.0
感想・評価
341
棚に入れた
1783
ランキング
2651
★★★★☆ 3.8 (341)
物語
3.8
作画
4.2
声優
3.5
音楽
3.8
キャラ
3.7

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

レビューを絞り込む
☆の総合評価
文字数
サンキュー数
視聴状況
表示形式
キーワード
この条件で絞り込む

思い出のマーニーの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

想いやりで紡がれる "思い出"

本作をひとことで言いあらわすなら・・・。
"センシティブなフィロソフィーに満ちたナラティブアプローチ"。
そんなふうにも言えそうな雰囲気です。

出自への傷心を癒し、誇りを掲げるのなら、背すじを伸ばすような逸話や物語が必要です。
どんなに手探りしても、疲れはてて倒れても、そのきっかけさえ掴めたら、いつか全てを肯定し、やがて未来へと向かわせる泉が湧き出します。

そんな作風がベースなので、ボーイミーツガールを擽(くすぐ)るようなエッセンスは皆無です。
事前に一部で噂されていた百合フレーバーも、見事なまでに肩透かしだったようです。


米林監督が、原作の "When Marnie Was There"(1967年)をリスペクトしたわけは、自律への歩調と、自立への歩幅をとろうと必死にもがく、12歳の少女の心情を溢れるほどに表現したいと思われたからではないかと、私は思っています。

イングランドの北海に面したノーフォーク州の小さな港町に "Anna" 原作の舞台があります。
そのステージを、札幌と釧路湿地帯の入り江の町に置きかえて、"杏奈" の {netabare} ガールミーツグランマ {/netabare} が描かれます。

自然風土も地域文化も社会制度も、ぜんぶを日本向けに改変して、「わたし、もらわれっ子なの」という杏奈の人生を描き出し、問いかけてくるのです。


呻吟にあえぐ杏奈の内面世界を描きだそうとするのが本作のストレングスです。
でも、もう一つ大切なのは、胸のつかえばかりのマーニーの心頼りが、杏奈その人に委ねられたということです。

作品に没入するのなら、彼女の青みがかった瞳と、マーニーの真っ青な瞳に目を向けることがまず第一歩です。(どうにも真っ当な伏線と演出ですね。)

両者とも疎外を感じるポジション、抑制されたパフォーマンス、塗り固めたペシミズムが感じられ、それぞれのナラティブも読み解けもできそうです。


イメージボードで、彼女たちが背中で交わしあう姿には、いったいどのような意図があるのでしょう。

マーニーが杏奈に許しを求めた答えが "そこにある" のだとしたら・・・。

過去をそっと掬い取る手立てと、未来を晴れやかにしたい足がかりを、お互いに求めあおうとしているのかも知れませんね。



~      ~      ~



ひとつ整理しておきたいのですが、杏奈が引っかかっていた "お金のお話" は、生活保護費ではなくて、里親制度の養育費です。

{netabare}
昭和22年、児童福祉法第27条にエビデンスがあります。
「家庭での養育に欠ける児童等に、その人格の完全かつ調和のとれた発達のための "温かい愛情" と "正しい理解" をもった家庭を与えることにより、"愛着関係"の形成など児童の健全な育成を図る」とされています。

本制度の意義は、「子どもが成長する過程においては特定の信頼できる大人との間での "愛着形成" がとても重要」で、「より多くの子ども達が "家庭と同じような環境" で生活することができる里親やファミリーホームにおける養育を推進」するところにあります。

杏奈のおばさん(佐々木頼子)にお金が支給されるのは、こうした「社会的養護(="愛着形成" )を支え推進する責任が、国にあるからにほかなりません。
その意義と目的からして、頼子が支え手でいられるための支援費の支給は、当然至極のものです。


里親制度が、里親のボランティアイズムや、個人の収入でできる手合いと思うのでしたら、それはちょっとした(実は大きな)勘違いです。

本来、子どもは社会全体の宝です。
大人がそっと見守り、賢く導くことで、彼らの可能性を広げられるのです。
そんな未来に飛躍していただくためには、社会責務としての納税とその活用が肝心です。

今日、日本では「家庭を持たない子どもたちが40,000人を超えており、児童養護施設などで暮らして」います。
ちなみに札幌市を例にとると、186人の子どもたちが里親さんと過ごしています(令和3年度)。

そんなわけで、どうしたってお金は必要です。
ですから、視聴の場合には、制度への理解や、その運用への期待が、本作理解への重要な鍵になると思います。
そうでなければ、視聴する側の気持ち一つで、作品のクオリティーに "線を引いて" しまいかねません。

個の権利意識やユニバーサルサービスに対して、長年にわたって歴史を積み上げてきた英国や欧州には遠く及びませんが、日本でも「もらわれっ子」が大事にされることは、決して出過ぎ行き過ぎだとは思えないのです。


ところで、里親制度に似た言葉に養子制度がありますが、法的に決定的な違いがあります。
養子の場合は、遺産相続権が発生するかわりに、国からの支援はなくなるのですね。
{/netabare}


~      ~      ~



肌や、髪や、瞳の色や。 
世間とは違う生活習慣も。
親の生きかたとか、子どもの育てかたとか。
血統からの断絶だったり、愛情からの乖離だったりとか。

そんなことで、少年少女の心が押し潰されたり、ましてや大人や社会に憎悪を抱いたりなど、いいわけがありません。
それらの捉え方や感じ方っていうのは、詰まる所、当事者の幼げな気持ちに大人がどう寄り添うのか、どうリカバリーを支援するのかってことだと思います。


12歳の杏奈は「魔法の輪の外側にいる」と言います。

魔法なんて意味不明なものの言い方で世界に関わろうともせず、ひたすら頑なに拒絶するだけの自己を崩そうとしない彼女。

そのくせ、孤絶する態度に欺瞞を感じて、息さえも詰まらせています。
杏奈が喘息を患っているのも、そこに精神的な根拠が見つけられそうです。


山下医師の判断は、大人設計の制度と、生身の児童心理とのマッチングの難しさを意図させていますし、転地による緩和を促したのも、双方にとって必要なタイミングと見計らったからでしょう。
時には第三者の目に頼るのもいいことなのかも知れませんね。


大岩夫妻が杏奈に設えた部屋は、いつか大人に向かうきっかけをつかむための最適な舞台装置です。

自分ひとりの自我では、どうにも受け止めきれない発達プロセスの危ういローリング。
それを思いやるのは、線引きなど微塵も感じさせない大岩夫妻のオールさばき。

杏奈が手にする自由の一挙手、規律の一投足というお作法の世界を、部屋のうちそとが優し気に成熟してくれるのですね。


湿地に足を滑らせたり、ボートにグラグラ振られたり、草の茂みや道ばたやサイロの隅で眠りこけるのも、杏奈が杏奈のままいられるための必然の成り行きでしょう。

無口すぎる十一も、気のいい彩香も、マーニーを知るという絵描きの久子も、二人の因果を縒り合わせていく大切な人たちですね。

一つ一つにちゃんとした意味のある、珠玉のようなステキな演出のように感じます。


~     ~     ~


さて、「思い出のマーニー」です。

振り返れば、マーニーとの思い出づくりに埋められた杏奈のひと夏のバケーションです。


もしも彼女が札幌にいるだけなら、先の青春はどんな色合いになっていたでしょう。
人との関わりを持たないままでは、彩りある思い出も何もなく愛着障害にこじれてしまいそう・・・。

おばさんの頼子の胸の痛みがそこにあったからこそ、遠く釧路まで杏奈を出向かせたのですが、あたかもそれはマーニーが娘の絵美里を寄宿舎に入れてしまったのと同じように感じられたのかもしれません。


だって、頼子は、絵美里とは年齢も近いようですし、それなら見知った間柄だったのかもしれないのですから。
いいえ・・・、たぶん・・・、血筋を同じくする直系、あるいは傍系といった近親者という捉え方のほうが私にはスッキリくるのです。

絵美里が杏奈にできなかったこと、マーニーが絵美里にも杏奈にもできなかったことを、頼子はどんな思いをもって杏奈に接していたことでしょう。


杏奈が「許してあげる」と語るのは、一族郎党にくすぶった暗い軋轢と、負の歴史遺産への "赦し" につながったのかも・・・。

「お母さん!」と呼び掛けられた頼子も、魂から救われたと感謝し、安堵する気持ちに胸を撫で下ろしたようでした。

そう思うほどに、マーニーが杏奈に "ステキな思い出" を作ろうとして、どうにかして屋敷に呼び寄せようと "画策" したのも頷けます。

三つ子の魂にも届かぬ孫を天涯孤独の身に置いたまま死に別れるなど、マーニーはグランマとしてどれほどの心残りに咽(むせ)んでいたでしょう。


マーニーが、杏奈の心にたくさんの彩りを与えたのは、彼女たちが双方にリカバリー(救済)を得るためには絶対に欠かせないプロセスでした。

お互いの生い立ちやあどけなさをしっかりと伝え合い、受け止め合うことはもちろんのこと、一族郎党の過去さえも丸ごと許すことに至ったグランマと杏奈の愛の交流。

「思い出のマーニー」とは、そんな、いかにも英国文学らしいフィロソフィーにあふれた作品でした。

こういう主旨の作品は、映像作品で目にする機会はそんなに多くないと思いますし、娯楽性を前面に打ち出すアニメではまずないことです。


そんなわけで、できればもう少し評価されてもいい作品かなって、私はひそかに思っています。



おまけ。
{netabare}
本作をもう少し深掘りすると、この物語のキャラの関係性には、家族・家庭形成においての "加害者と被害者" という特異な相関性が見受けられると思います。
詰まる所、それは "愛着形成の不全" を通底としながら、輪廻もしていると言えそうです。

マーニーは、彼女の親御さんの被害者であり、絵美里からみると加害者でもある。
おばさんの頼子にしてみると、マーニーにも絵美里にも、そして杏奈にも、似たような感情が、とても複雑な感情があったとみて間違いないでしょう。

ただ、杏奈だけは、純粋に被害者の立場に置かれているのですが、留意すべきはここ。
彼女の自我は、まだ、加害者の立ち位置には立っていないということですね。


このような負の連鎖は、単に二人の少女性のふれあいを描くだけでは、清算されにくい社会的な根深さがあります。

だからこそ、ひときわ文学的に、更には、時を同じくする魂の交流に昇華させることで、血統の穢れを心理的に浄化し、純化に至らせたのですね。

加害者は死してなお償いようのない罪の意識を孫子に抱え、被害者はそれを知らぬままに、何の因果応報の罰かと心を腐らせてしまう。

この重い病苦を根治させるには、まだ加害者に至っていない杏奈の「許してあげる。」のひと言に込められた無辜の愛のほかには、特効薬に足る純然な処方箋には、決してなり得ないのですね。


この世には目に見えない魔法の輪(廻)がある。

本作は、生者と死者が、渾然一体となって、それぞれに社会からの抑圧を解きあい、お互いのプレゼンスを社会のなかにエンパワメントしあっていくという、とても不思議で、至極真っ当なもの。

そんなふうに腹に落とせるものかと思います。
{/netabare}

投稿 : 2023/01/23
閲覧 : 285
サンキュー:

10

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

彩香が影のMVPだと思いました

「風立ちぬ」と「かぐや姫の物語」の後、ジブリがもう一度子供のための作品をということで制作された作品。

内向的で暗く病弱な主人公アンナもさる事ながらミステリー仕立ての展開などはあまりジブリらしくないけど、宮崎駿監督や高畑勲監督の時代とは違うものを目指そうというスタッフの意気込みが感じられ、ジブリとしてもいろいろ模索しているのかもしれません。

アンナとマーニーという二人のヒロインの友情を描いており、ファンタジーな雰囲気といい、オチも含めて妙な既視感を感じるなと思ったら幼少期に読んだ「トムは真夜中の庭で」という児童書を思い出しました。

それにしても悪役的存在のばあやが微妙だった印象で、これはアリエッティでもふと思ったことだけど、無理にこういう悪役キャラ作らなくてもいいんじゃないかなと感じました。

個人的には、後半に登場するメガネの女の子彩香がいい味を出していたのが印象的で、彼女の登場した事により、物語の雰囲気が良い意味で少し変わったのは良かったですね。

投稿 : 2023/01/14
閲覧 : 127
サンキュー:

4

ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

話も作画も悪くないのに、面白くする要素を欠いました。追記します。

 やりたい事はわかります。ですけど、なぜでしょう。まったく面白くありません。
 プロット…つまりあらすじは良いと思います。童話かなにかの原作付きなのでストーリーの幹はしっかりしているのでしょう。

{netabare} マーニーが杏奈を孤独にさせないために現れた屋敷についた亡霊なのか、時間が繋がったのかわかりません。最後のおばあちゃん=マーニーが赤んぼの杏奈に語りかけている内容からいって杏奈の夢の可能性もあります。 {/netabare}
 どれであってもマーニーが杏奈の救済になったということいいと思います。

 マーニーとの友情が不自然でしたが、ここは血のつながりというか、子供のころの記憶で引っ掛かりがあったのかもしれません。ここは演出的なことを入れたほうが伏線としては面白いですが、まあ、最後の種明かしで気にするほどでもないでしょう。

 一方で、養育費的なものを自治体からもらっていたことになぜ反発するのか、おばちゃんが杏奈に対してすまなく思うのかがわかりません。もともと養育の目的が金銭みたいなところってありましたっけ?親の愛情に疑う余地がないと思いましたが。喘息で療養って理解してるのにやっかい払いって?

あとはマーニーの親と杏奈の親がクズだった問題ですね。これが唐突というかなんというか。杏奈も喘息もちが理由か逆なのかわかりませんが決して、思いやりのあるいい子ではないです。むしろ、マーニーだけが特殊だったということ?この4代にわたるこの一族のクズっぷりの遺伝子はなんなんでしょう?何が描きたいかよくわかりません。前提条件ということ?でも、そこを描かないと、マーニー杏奈のつながりに意味が出ません。

 それと、友達との関係性とかがまったくストーリーに活きていなかったかなあ。マーニーのおかげで友達付き合いができるようになるとか、お互いが救済になるような感じがありません。結果的に彩香とであい、富子と和解したので何かあるのかもしれませんが読み取れませんでした。

 あとは杏奈がマーニーの救済になっているような感じが見えなかったですね。晩年のマーニーがもっと杏奈の幸せを信じて、短い時間だったけどものすごく充実していたような場面があってもよかったかなあ。この部分が弱いので本作のオチが{netabare} 杏奈の夢オチ{/netabare}になると明言しているようなものです。

 本作のつまらない原因は、まあ、そういったキャラと時間の無駄使いもある気がしますが、だからといってそんなにつまらないストーリーではない気がします。マーニーという血縁の時を超えた救済と、血のつながらない親の愛ということで、プロットは良いと思います。

 つまらないのは、キャラがジブリ的すぎてどうしても劣化宮崎駿に見えるという欠点を結局打開できませんでしたね。
 そしてキャデザ以上に原画というか動きですね。歩き方走り方、手の握り方体重の乗せ方。演技、演出、構図、色使い。それがすべてジブリです。声優さんのしゃべり方まで、ジブリ演技ですね。これが非常にノイズになりました。

 声優さんのレベルが低いと言っているのではありません。間と言うか演技が本当にいつものジブリでした。
 過去の舞台もマーニーも、自然なアニメ演出が出来ないなら無理に外国人設定いれなくても…と思いました。

 ジブリだからジブリなのは当たりまえですけど、ジブリはブランドです。ブランドとは約束です。数多い映画作品の中からジブリと言う名前を信じて作品を見ます。ですから相当高い品質を要求されることを覚悟すべきです。
 ブランドである以上、最低宮崎駿監督の「風立ちぬ」のアニメーション技術レベルでなければ満足はできません。その覚悟がないならジブリブランドを冠して作品を作らないでほしいと思います。

 それに加えて、ジブリ的な作品作りが全体のバランスを崩して、かえって非常に悪い方向に退屈になってしまっています。劣化した模倣は、そこそこのオリジナルに負けるということでしょう。

 多分普通に作ってたらもっと評価していたと思います。

 また、全体のストーリーとプロットはいいんですけど、盛り上げ方です。マーニーとの出会いは劇的じゃないし、友情の育み方、そして別れのきっかけとなった場面。盛り上がりませんでした。

 なによりも最後の久子の語りですね。これは何とかならないのでしょうか。セリフで全部説明されてもなあ。語らないで、考えると分かる仕掛けにするなど、ストーリーの中に織り込めなかったのでしょうか。青い目というところで察しはつきますけど、実の両親の痕跡とか、マーニー祖母バージョンのフラッシュバックとか、小物を使うとか。

 総評すると、ストーリーは大筋悪くない。ジブリと言うことで作画はまあまあ高水準。なのにアニメの面白い部分を創り出す要素が、欠落している気がしました。

 テーマ性やキャラへの感情移入という点で、個々のキャラ造形とパートパートのエピソードが不自然で弱すぎました。何を焦点にしてみればいいかが、最後にセリフで説明されても…

 また、子供向けとして見ようと思うとすると、対象年齢がわかりません。子供が見て楽しいところってどこだったんでしょう?子供騙しと子供向けと寓話は違います。そして本作はそのどれでもないような気がしました。
 いっそのこと時を超えたファンタジーで、理屈抜きの出会いにした方が、深い話になったと思います。

 ということでここの評価システムだと点数を引きようがないのですが、映画…アニメ映画の出来としては、主観採点で40点くらいかなあ。



追記 この映画がなぜ面白くないのか言語化できました。理由は杏奈が自分で執念をもってマーニーを追わないからです。
 どうしてもマーニーと会いたい→昔の人だと知る→マーニーはなぜ私のところに?どういう人だったの?→思いが時を超えるファンタジー→友達に心を開く→おばの愛情の再発見→マーニーのすべてを理解する。

 というプロセスが無かったです。別に違ってもいいんですけど、こういう結末に向けての「展開」が弱くて視聴後感は悪かったです。逆に前四分の三はある意味まあ高水準だったかもしれません。

 点数は物語とキャラは3は無いかなあ。作画で調整して3をちょっと割るくらいがいいかも。

投稿 : 2022/12/03
閲覧 : 201
サンキュー:

4

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

愛情が伝わって希望になる話。

【概要】

アニメーション制作:スタジオジブリ
2014年7月19日に公開された103分間の劇場版作品。
原作は、ジョーン・G・ロビンソンによる児童文学作品。

監督は、米林宏昌。

【あらすじ】

札幌市の12歳の少女の佐々木杏奈は、両親が事故死、2歳のときに祖母に先立たれ、
親戚は言い争って誰も引き取ってくれなかった記憶がトラウマとなっていて、
人間不信が根付いていて人と仲良くなれない。里親の頼子は親切で良い人だが、
ある理由で彼女への不信感が芽生えていて、そしてそんな自分も杏奈は嫌っている。

常にストレスを抱えて生きている杏奈は校外授業での写生中に喘息の発作で倒れて、
療養のために夏休みの間、頼子の親戚である大岩清正・セツ夫妻のお世話になりに、
道内の海辺の田舎の村に赴いて滞在する。

村祭でも人付き合いに失敗した杏奈が泣きながら走って逃げ出した先の入り江には、
湿っ地屋敷(しめっちやしき)」と呼ばれる廃屋があり、
そこで杏奈は夢の中で見た金髪の少女・マーニーと出会うのだった。

【感想】

ジブリの代替わりを本格的に意識した今作品では宮崎駿っぽさが抜けて、
90年代の世界名作劇場っぽいキャラクターデザインと空気。

ティザービジュアルの背中合わせで手をつなぐ、杏奈とマーニー。

『あなたのことが大好き。』と書かれた文字から、ジブリで百合?との疑惑が。

杏奈は最初は嫌な子として描かれていまして、
マーニーとの出会いで精神的に安定して更生していく話ですが、
ジブリにしては野暮ったくないキャラデザの質と背景の美しさにも関わらず、
彼女ら二人の不幸自慢で傷の舐め合いのような会話などが、とても辛気臭い雰囲気。

なので、杏奈とマーニーだけを観てれば幸せともいかず、
杏奈と親切な大岩夫妻の日常や、湿っ地屋敷でのパーティーなどを見ていますと、
これはジブリのどの作品でも共通ですが、他のアニメ会社と比べて、
大人に首根っこを掴まれているかのような子供の描かれ方に、
閉塞した空気がキャラクターから感じられるのは被害妄想でしょうか?

それとは別に、夢のない言い方に変えればメンヘラや精神病とも解釈可能な話ですから、
途中が爽やかな空気にならないのは当然かも知れませんが。

マーニーの正体などを書くと重大なネタバレになりますので書きませんが、
杏奈とマーニーの出会いは実はこうだったんだ!とのネタバラシのある、
終盤の15分間だけは確かに感動はしたのですが、
そこにいたるまでの展開のすべてが前置きであり、
見てても面白くもないですし長過ぎでもあるのですよね。
(レビュー内容に比べて点数高いのは終盤の良さ故)

単純に作画の美しさや日常芝居や演出方面で上位互換と言える作品が今では存在していて、
この作品での売りの一つである映像表現は確かに丁寧でクオリティはあるものの、
上位のアニメ会社の映像の表現力がインフレしている今の時代に、
同じ方向性での魅力を強く感じられなかったことに、
特に目立って優れたものだとは自分では思わなかったですね。
なので、このアニメから得られる感動が薄れてしまった。

巨匠のためのスタジオであり、個の才能への依存が強すぎるがために、
社で共有する映像の新しい価値を作ったり外部から取り入れてこなかったりした、
そのジブリが伝統の名のもとにトレンドから取り残された存在であり、
業界でも際立って特別だった時代はやはり終わってしまったのだなというのが、
このアニメ映画を見ていて強く思ったことですね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/10/19
閲覧 : 154
サンキュー:

17

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

GLものだけど、心に染みる

これも映画館で見ました。米林監督作品では「アリエッティ」が先なんですけど、「マーニー」の方が好きなので先にレヴューです。

これも原作を図書館で予習しようとしたんですけど、ななめ読みして、だいたいそんなもんかと思って映画館に行きました。なにしろ原作の舞台を日本の北海道に変えていると聞いて、たぶんまた違う話になるんだろうと思っていました。しかしこの作品はあまり原作とは差異がありません。かなり原作通りだと思います。

まずヒロインの杏奈の設定が、不登校生みたいな設定で、今の世の中に多い感じなのが刺さりましたです。特に冒頭の15分間は刺さりましたですね。すでにここで私の涙腺は緩みました。ただ母親と別れて北海道の親戚の家に行くだけの場面が、どうしてこんなにも悲しく見えるんでしょうか。ほんと絵コンテがうまいと思いました。杏奈の焦燥感や孤独感がひしひしと感じられるシーンになっていました。それで、ボートからマーニーに出会う場面ですが、非常に印象的なシーンになっていました。マーニーは白人金髪の設定で、普段の私なら気恥ずかしくなってしまう設定ですが、この映画ではそういう具合に思わなかったです。シナリオがよかったと思います。しかしここから太目の女の子が邪魔をする話だったのが、ちょっと見ていてよくなかったです。あれは必要なエピソードだったのでしょうか。しかし話には紆余曲折は必要だから、ああいうキャラも登場させねばならなかったのでしょう。

後はパーティの場面、塔の場面と、うまくつないでいたと思います。最後にマーニーの昔の境遇が明かされて、マーニーは亡霊だったとわかるのですが、それも怖い感じでなく爽やかに演出されていてよかったと思います。いわゆるGLものに分類される作品ですが、杏奈の心の成長もうまく表現されていて、いい映画だったと思います。マーニーの館が特によかったと思いますね。背景画を担当された方の本を読みましたが、考えて演出されていた事がわかり、ためになりましたです。主題歌もとてもよかったです。

投稿 : 2022/03/21
閲覧 : 188
サンキュー:

5

ちあき さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良い

考察することも、それを作中で紐解いてくれるのも作品の良さ。

素直に観ていても楽しめますが、考えながら観ていても楽しめます。


『借りぐらしのアリエッティ』を手掛けた米林宏昌監督のジブリ作品。
この方はうまく映画の時間内に話をまとめてくれます。
内容も理解しやすいし、ストーリーも良いです。

投稿 : 2021/10/25
閲覧 : 314
サンキュー:

6

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

2度目の視聴を終えて

設定自体は悪くはなかったと思います。
しかし、なぜ微妙な作品になってしまったか、そこがこの作品の問題なのです。

ここからは私個人的意見ですが、そもそもアンナに感情移入出来なかったこと。主人公としての魅力に欠けていたこと。この2つが大きな原因かなと思います。

そして何より、ファンタジー感にしろ、ストーリーにしろ、宮崎駿さんの後を追った、劣化作品にしか感じられなかったことが、このような結果になってしまったのかなと感じました。

投稿 : 2021/09/02
閲覧 : 205
ネタバレ

byGar61324 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:途中で断念した

意外と奥深い

映画館で見たのですが、
最後のエンディングの途中でトイレに行きたく退出してしまいました。
未だに悔やまれます。
内容は文句なしに面白いです。
暗い少女が明るくなるようなお話ですが
その後がとても気になりますね。

投稿 : 2021/02/19
閲覧 : 218
サンキュー:

3

tinzei さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

嘘だと言ってよ、マーニィ!

この主人公、他人からの干渉を嫌うくせに好奇心で行動して人に迷惑かけるから害悪でしかない。


一応子供向けジブリらしいけど、どうみても大人向けだろ(笑)

投稿 : 2020/12/12
閲覧 : 217
サンキュー:

2

ネタバレ

tomledoru さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

瞳の青っぽい杏奈

思春期の子どもたちは得てして
「白昼夢」を見るものだと
何かの心理学の本に書いてありますが
それとはちょっと違うのだと思います。
(中二病といっしょにすると
ただのオタクアニメになってしまうので)

杏奈(アンナ)という名前自体,日本人と外国人
の両方に使える名前で,

杏奈の瞳は「青っぽい」ところから察して
すでにマーニーに関係する女の子だということが分かります。

不揃いな家庭環境もあるでしょうし,
義母の愛情に疑問を持つのも当然の年頃です。
精神的に内向的なのも,喘息もちであることも
杏奈の不安を象徴しているかのようです。

内向的なのが悪いとは決して言いません。
それも人の個性の一つですから,
ただ,友達付き合いでは損をする時もありますが…

杏奈は,田舎町へ行くことで,魔法の輪の外から
内側へ入ることができるように
なったのではないでしょうか。

杏奈にとってマーニーは,実在の女の子として
実体があったのだと思います。

マーニーの視点からすると,小さな幼少の孫娘を
残して他界しなければならなかった贖罪と郷愁の
念があったに違いありません。

杏奈からすると,マーニーに会って,
ただの成長物語です。おわり。

ということではなく
「自分探し」,自分の「ルーツ」を
することになっていくのだと思いました。

そうそう短期間の間に性格がコロコロ
変わるはずもありません。

久子さんや十一さんも幼少期のマーニーを
知っていて杏奈の魔法の秘密を解いていきます。

魔女の宅急便のキキとほぼ同い年(中一)の
設定ですが,魔女の宅急便を「陽」とすると
「陰」のような印象を受けますが,
こちらの方が,よりシットリとした味わい深い
女の子同士の独特の心の交流があり,
細かいところまで見落とせない魅力がありました。

投稿 : 2020/07/01
閲覧 : 227
サンキュー:

5

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

国際標準的なアニメ

ピクサーの「リメンバーミー」に構造がよく似ている。それは悪い意味ではなくジブリアニメが国際標準として一定の水準のものを提供していることであり、宮崎駿などの天才には劣るものの、脚本も構成も作画も非常に良く練られている。

「思い出のマーニー」はラストになるまで話の矛盾しか目に付かいないが、見終わったあとはそういったことはどうでもよくなるくらい何か暖かさを感じることができる。

感動の押し売りはあまり好きではないのだが、誰にも必要とされていないと思い込んでいた女の子が、実は見えないところで深い愛に包まれていたことに余韻が残る。

最後にマーニーが手を振って主人公を見送るシーンは、今後この少女が大人へと成長する過程で重要な思い出になっているということが可視化して万人に伝わる良いラストだと思う。

苦言を呈するとするならば、そこまでの過程がやや唐突なのと、「千と千尋」や「リメンバーミー」のように導入の部分で不思議な異世界へと誘うような描写が薄いので観る側が混乱してしまうことだ。娯楽に徹するのであればもう少しそこを気遣っても良いと思われる。

投稿 : 2020/04/18
閲覧 : 458
サンキュー:

13

DB さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

絵は綺麗だった。ただ、出来すぎのお話の上にいろいろな疑問が沸いてきた。なんだか表面上とは違う、どす黒いものを伝えたいのかと感じる作品だった。自分は感動できなかったし、メンヘラは遺伝するとでも言いたいのかと思った。

投稿 : 2020/01/01
閲覧 : 200
サンキュー:

1

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

北海道舞台にしたジブリのユリ映画!?

北海道の札幌から田舎へ療養のために移り住んだ少女アンナとその古い屋敷出であった金髪の少女マーニーとの友情を描いた作品です。
ユリ要素はそんなにないので、ジブリ映画としても楽しめます。
ちなみに宮崎さんではなく米林さんの作品です。

投稿 : 2019/12/15
閲覧 : 353
サンキュー:

10

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

海辺の町で出逢う奇跡の夢

唯一の血の繋がりだった孫娘の幸せを願い続け、この世を去っていったマーニー。
愛する孫娘への想いを幻想的に描き、一枚の写真によって二人の想いが再び繋がる
美しい物語。

広大な湿地の片隅に建つ古い洋風の屋敷。そこで出逢う少女との華やかで楽しい夢
の中のひと時。「愛してる」と語り掛ける少女の気持ちを受け止め、後に今は亡き
実祖母の想いを確信し涙する杏奈。

病の苦しみや境遇で陥る、嫉みや自己の卑下を無事に克服し、里親を「母」と呼ぶ
その姿に、微笑むマーニーを思い描く。

プリシラ・アーンが歌うEDSong「Fine On The Outside」。
切なく哀しい歌詞と優しい歌声が心に響きます。

投稿 : 2019/08/31
閲覧 : 199

三毛猫メリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

アンナとマーニー

過去に視聴済だが原作が面白かった割に
アニメの記憶が薄かったので
2019.8.28再視聴。

悪くはないんだけど、日本を舞台にする必要性を感じない。
暴言のシーン主人公が悪い様になってるね・・・
実際違うし、あのエピソード要るだろうか?
一番の不満はアンナの名前の由来が描かれていないこと。
かなり重要部分です、気になる方は是非原作を読んでください。
相変わらずのジブリの声優嫌いで演技は微妙。(上手い人もいる)

投稿 : 2019/08/28
閲覧 : 201
サンキュー:

11

ネタバレ

ShouyouACL さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

The story is good, really interesting. Divided into four segments, the story follows its course to completion.
  The first segment is the introduction of the main character and what drives her to move inland.
  The second segment would be what the protagonist knows Marnie, which character is the lever for the third segment.
  The third segment is that of the great discovery. Commenting on it would be spoiler, so I just decided to say that this is where the movie starts to be worth it. After this segment the anime leaves for clarification and closing. What can we consider a complete segment or one two small segments that complement each other.
  The last segment clarifies the mystery created in the third segment and ends the protagonist's summer. In this segment we have the revelation that can be speculated at the beginning of the fourth and end of the third segment.
  The characters are cool. In themselves, the most worked are the protagonists as expected. The assistants are cool. Some charismatics and others are just extras with dialogue.
  The relationship between the protagonists seems a little too fast at first, which would be a problem if it were not for the justification presented at the end of the feature film.
  Speaking a little about the protagonist herself, she is not in itself a very good protagonist, but is still necessary for the overall of the feature. Without her Marnie wouldn't be as good as she is.

  The animation of the anime is good, not much to comment was the minimum expected from the studio. The animation doesn't have many featured scenes to comment on.
  We have CGI in animation, in scenes that could easily have been replaced by a few fewer frames.

  The design is cool. Character design is a bit tiring as Guibli doesn't usually change that much. It's like a colorful studio animation, but with little color saturation. The same goes for the colorful studio.
  The scenarios are beautiful, really undisputed, Guibli knows how to make beautiful scenarios, what compromises the scenarios here are the cuts and angles chosen by the story-boarder. Lifeless angles aren't bad, just lifeless. But as everything has its exception, from half to end the film can improve this aspect. The angles have improved, and the colors become more vivid.

  The music is reasonable, nothing special in the music. There are some violin compositions that stand out from the others, especially in the window scene. However reasonable.
  Sound mixing is good, no mistakes to comment on and no special scene to comment on either.
  The closing song for being original film work is worth your comment here. By the way the music is very good, composition in the English language with just a background guitar, beautiful.

  The voice acting is cool. The problem of voice acting is in a specific scene. This is where the tone of the voice used in the conversation does not fit the context of the scene, let alone the distance between the characters.

  Omoide at Marnie

  History- 9
  Animation- 8.5
  Design- 8.5
  Music- 7.5
  Dubbing - 7.5

  Final grade - 8.2

投稿 : 2019/08/18
閲覧 : 291
サンキュー:

0

ネタバレ

Marsa さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

不幸な生い立ちの少女の成長を描いた、巧みな演出のやさしい物語。

原作(小説)未読。2013年アニメ映画。

Wikiによると宮崎俊が一切関わらない初のジブリ映画らしい。
しかし、話、演出が、よく練られていて、細部までこだわって
巧妙に丁寧に作られた印象を持ちました。
話や人物同士のつながりや心理描写とその変化など、
ジブリは健在だなーと思いました。

比較的パンチの効いた作品が好きな私には、ヒロインが不幸な
生い立ちであっても、やさしい話だなーっと、やや物足りなさを
感じたりしましたが、そのやさしい演出は観やすさにつながる
ものでしょうし、観た方がいい秀作かなって、思います。

投稿 : 2018/08/09
閲覧 : 361
サンキュー:

15

ネタバレ

ダリア さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

自己を肯定するための物語

随分と前に予告で百合の気配を感じ取り録画したものの、いつまでもHDの肥やしにしているのも勿体ないと思って視聴しました。

この評価は考察をメインにしていきたいので私の感想はサラっと済ませますが、個人的には結構好きな路線でした。ベタな演出ではありますが、杏奈がおばさんの事をひさ子さんに紹介する時、「母です」と堂々と言った所ではウルッときてしまいました。杏奈は中々賛否の分かれる娘ではありますが、個人的には聡明で、ちょっと自罰的で繊細な大人の女の娘だと思います。マーニーの生涯と同じように、決して明るい事ばかりではない人生であっても最期まで懸命に生きる、強い女性になるのでしょう。

{netabare}

☆条件について
さて、海辺での暮らしで見つけた屋敷、そこは長らく誰も住んでいない空き家。しかし杏奈は七夕祭りの夜、のぶ子に酷い言葉を浴びせてしまった後マーニーと出会います。彼女と会うためには
・夕暮れ時
・満ち潮
・小舟で
屋敷まで向かう必要があります。昼間、干潮の状態で屋敷に行っても荒れ放題の空き家があるだけ。美しい使用人も煌びやかな祝宴もない描写がありましたね。

☆夢を見ている時の杏奈
この作品は安奈の心象にある精神世界と現実を複雑に行き来するという特殊な性質上、解釈を視聴者に委ねる場面が割とあります。基本的に見えているものはあくまでも杏奈の精神世界。
少なくとも作中で描写されている客観的描写では、杏奈は第三者に道端で熟睡している状態で発見される描写が数多くあります。その割には服装は泥で汚れ、失くした靴は翌日屋敷へ向かう道中で見つかる等、ただ大人しくジッと寝ている(つまり全て夢だという説)ではないよう。身体が眠っているのであれば夢遊病のような状態だし、そうでなければ夢と現実でそれぞれ別々な行動を意識を持ってしている?

☆忘れる、という事
作中何度か、杏奈とマーニーはお互いに忘れられてしまう事を恐れるような発言をします。また、大岩さんの所でゆっくりとして、マーニーの事を忘れかけてしまう杏奈の描写も。
軽くググってみると、原作のアメリカの児童文学では長い尺をかけて、前半後半と、湿地の屋敷の事、マーニーの事が思い出せなくなっていくという対になる描写がされているらしいです。映画では尺不足で消化不良の未回収な伏線として放置されてしまったのかな。

☆貴方が羨ましい、の意図
マーニーの細やかな言動には、少なからず杏奈のそうであって欲しい、憧れる在り方が反映されているのではないでしょうか。自己を肯定出来ない杏奈から見て、かつての祖母のビジュアルと自分の理想そのものな内面を掛け合わせたハイブリッド美少女マーニーは、羨ましくて当然。
そんな羨望の眼差しを向けられるマーニーに、「私は、貴方が羨ましい」と言われる事によって自己を肯定できるようになっていったのではないでしょうか。
杏奈の理想そのもの、なんならこのシーンのマーニーは杏奈の光の部分。自己を肯定出来ない状態の闇の杏奈と抱き合うのは冷静に意味合いを考えればちょっと宗教的ですらあります。そうして杏奈の中で一つに混ざり合うのかな。後述するマーニーの別れのシーンとは対照的に、杏奈がマーニーをわかりやすく作って脚色している部分と言えます。

☆サイロでの出来事
サイロに行く道中、雷雨の吹き荒ぶサイロの中、マーニーは何度か杏奈の事を幼馴染の和彦と呼び掛けます。そしてマーニーは迎えに来た和彦と共に、杏奈を置いて二人サイロを去って行きます。
これに関しては、割と説明がつく謎だと思います。杏奈の体験した事は、全て遠い記憶の彼方の祖母、マーニーその人が語ってくれた思い出話であったという種明かしがされます。そのエピソードの中の登場人物、幼い日のひさ子さんと和彦が、杏奈の中で明確に区別出来ておらず混濁した結果だと思われます。前半は祝宴で和彦と踊るマーニーに嫉妬する描写からひさ子さんの追体験、後半、互いに世界で一人だけの理解者だと水辺で抱き合うシーンあたりからは和彦の追体験をしていた状況とすれば、心象世界で状況を作っておきながらそれを自覚できない杏奈が混乱していたのは割と納得のいく落としどころです。

☆幼き日の杏奈の人形
幼き日に、親戚同士押し付けられていた杏奈が手に持っていた金髪の人形。これは単なるミスリードだったのではないかと思います。ファンタジー路線で進めるのならばマーニーは人形が意思を持ったイマジナリーフレンドになります。私は視聴中ずっとそのオチを疑っていたのでまんまと引っかかったわけです。

☆マーニーとの別れ
高熱を出して苦しむ杏奈は、作中でも珍しく明確に夢の中という描写で「何故自分を置いてサイロから出たのか」と糾弾します。
そんなつもりじゃあなかった、だってあの場に本当は貴方はいなかったと返答すマーニー。あなたとはさよならをしなくてはならない、だから許すと言って欲しいと許しを乞うマーニーを赦す杏奈。そして、貴方の事をずっと忘れない、私も貴方のことが大好きと、涙ながらに強く言い放ちます。
しかし夢から覚め、見舞いの品を持って訪ねてきた彩香に、「マーニーの事をよく覚えていない」と話す杏奈。これはまた解釈の分かれる所ですね。個人的には、サイロに置いて行ってしまったことへの謝罪ではなく祖母としての状況への謝罪だったのかなと思います。このシーンだけはマーニーがどこか客観的に見えたり。詳細は後述。

☆マーニーの容姿
そもそもの話として、杏奈が実際に会っていたのは晩年のマーニー。幼い頃の彼女の容姿など、何か写真でもなければ分かる筈がない。なのに、ひさ子さんは杏奈の描いたマーニーを見て、よく似ていると評していました。

☆作品が描いているのは、一人の少女の挫折からの再生
思い出のマーニーが描いているのは徹頭徹尾、再生の話。終盤、マーニーを赦した杏奈は精神的に大きな成長を遂げます。自己をしっかりと認識しつつ肯定できるようになり、自分の不始末を片付けに居候している間にのぶ子に謝罪しに行ったり、自分を引き取ってくれ無償の愛を持って育ててくれるおばさんを自信を持って母と人に紹介したり、杏奈なりに出来る事をしています。

つまりマーニーとの別れでの"赦す"という言葉は、当時幼かった杏奈を孤独にして死んでしまった不甲斐ない祖母マーニーを赦してくれないかという、時を越えたマーニー本人からの謝罪だったのではないかという事。他のシーンのマーニーは全て杏奈がエピソードから深層心理で作り上げたとしてもおかしくない発言、行動をしている気もしますが、そうにせよここだけはおかしいんです。
「貴方は本当はあの場にいなかった」
これは明確に杏奈の意思に背いた、反逆の言葉です。この言葉を告げてしまえば、杏奈は心地良いひさ子さんと和彦の追体験という夢から覚めてしまう。だから、このシーンのマーニーは確実にマーニー本人でなければ成立しない。

総じて、結果論だけを言えば、「杏奈はかつて祖母に聞いたエピソードを元に、現実から逃避するため精神世界で妄想の追体験をし、そこで自己と向き合う事によって自己を肯定できるようになった」という話なのですが、私は前述の通り、全てが全て杏奈の妄想だったわけではないと思っています。夢をみていた時の杏奈には少なくとも行動していた形跡がある事、実際にマーニーと遊んでいたエピソード元であるひさ子さんとマーニーの正しい容姿の認識を共有していた事、更にマーニーのラストシーンでの「貴方はあの場に本当はいなかった」という極めて客観的な発言。
杏奈は、あの屋敷で本当にマーニーの、祖母の幻を見たのかもしれません。それはとてもロマンチックな話だと思いませんか?

{/netabare}


☆蛇足
ちなみにですが、この映画では妄想説、私が前述している本当に会った説の両方を解釈できるように作られていますが、原作の童謡では明確に"タイムスリップ"と描写されているそうです。時空を超えて会話しているので、大岩さんの事を思い出そうとしたりマーニーの事を思い出したりしようとすると、魂の在りかが二つの時間軸の狭間で曖昧になってしまうため忘れてしまったりするとか……夢でもなんでもなく、過去のおばあちゃんに普通に会ってるやんけ!

投稿 : 2018/05/19
閲覧 : 292
サンキュー:

4

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

歴史的傑作

ひとことでは言えない、
「愛」にまつわる複雑なテーマを扱っている、
非常に丁寧に作られた作品で、
内外ともにこれだけのクオリティを持った映画作品というのは稀なので、
ぜひ見てもらいたいとおもっています。

{netabare}
物語の最初1時間くらいは、すごく丁寧に作られているけれど、
内容自体は童話くらいのものなのかな、とおもっていました。
しかしサイロのシーンから突然物語の含むテーマが、
急速に膨張しはじめて驚きました。
{/netabare}

投稿 : 2018/05/03
閲覧 : 214
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ジブリベスト10のためのレビュー

【あらすじ】
喘息の療養を兼ねて夏休みの間、田舎に遊びに来た少女。彼女は複雑な家庭事情に自分を見失っていた。そんな中、水辺に立つ朽ちた洋館に彼女は何かを感じる。そこに住むと話すマーニーという少女は何者なのか。

【成分表】
笑い☆☆☆☆☆ ゆる☆☆☆☆☆
恋愛☆☆☆☆☆ 感動★★★★☆
頭脳★★★★☆ 深い★★☆☆☆

【ジャンル】
ジブリ23作目(2014)、謎解き、少女成長もの、家族

【こういう人におすすめ】
ジブリかどうかはさておき、ちょっと凝ったストーリーのアニメ映画見たいと思っている人。

【あにこれ評価(おおよそ)】
66.7点。あにこれ点数順では第17位。

【個人的評価】
普通に楽しめたジブリ作品の一つ。

【他なんか書きたかったこと】
 ルパンベスト10を作った流れでジブリベスト10とコナン映画ベスト10に挑戦中。一般人でも分かるアニメ映画シリーズのベスト10があれば、私自身を理解してもらいやすいかなあと。

 ジブリ作品に共通するテーマとして「水の表現」と「対立」と「内包」があるというのをどっかで聞いた気がします。まあ水なんて2時間分のお話作ったらどっかで絶対出てくるし、対立と内包なんて曖昧な言い方したらなにかしら無理やりこじつけることは可能だと思いますが、その辺を踏まえてみてみるといいかもしれません。

 ↓以下一言くらいの感想
{netabare}
 宮崎駿監督引退後の作品。ジブリ作品としてはかなり対象年齢が高い印象。私はながら見してしまったが、「マーニーは何者なのだろう」と考えながら見ると、推理好きにはかなり楽しめる作品だと思う。

 ジブリの系譜として「冒険」と「少女の成長」があると思うが、この作品は後者に特化している。冒険要素もなくはないが、壮大さはない。それも加えればさらにいい作品だったかもしれないが、そうなるともう原型がないのでこれでいいとおもう。

 正直ジブリのベスト10に入れる人は少ないと思いますが、これを入れないと「千と千尋の神隠し」以前の作品ばかりになりそうで、あまりに偏った懐古厨のベスト10になりそうだったのでランクイン。


 9位10位辺りでこれと迷った作品が多数あるのでメモしておきます。
「ハウルの動く城」結構意見が割れる作品ですが、女性では好きな人が多い。
「猫の恩返し」うちの家族イチオシ。お察しの通り彼らは細田監督も好き。
「借りぐらしのアリエッティ」近年の冒険ものならこれか。でも世界がちっさい…。
「風立ちぬ」私は割と好き。でもなぜかもう一回見る気が起きない。
{/netabare}

投稿 : 2018/03/03
閲覧 : 311
サンキュー:

12

こっとん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

マーニーとの、淡く切ない年頃の機微がよく描かれていると思います。

独特の雰囲気を持った作品です。ラピュタとかナウシカのようなゴリゴリのファンタジーやインパクトとは違う、淡くて切ない感情に溢れたアニメでした。おもしろかったです。

投稿 : 2018/02/28
閲覧 : 230
サンキュー:

2

藤乃 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

思い出のマーニー

「借りぐらしのアリエッティ」を手掛けた米林宏昌監督作品。原作はイギリスの児童文学で、制作はジブリ。
北海道の湿地の町を舞台に、療養で訪れた内気な主人公が不思議な少女マーニーと出会い、成長していく静かな物語。

作画はとてもキレイで、舞台となる北海道の湿地の優美な自然が繊細に美しく描かれています。
もちろん自然だけでなく、家の中のインテリアから小道具、食事など、本当に細かいところまで丁寧です。
繊細な表情変化や人間の細かな所作までよく再現されており、映像はとてもクオリティが高いですね。

音楽は全体的に穏やかで優しく、作風にぴったり合っていて、キャラクターの心情をうまく表現していると思います。
主題歌:プリシラ・アーンさんの「Fine On The Outside」もとても素敵で、優しい歌声が心にジーンとしみます。
有村さんの太い声がキャラに合っていない気もしますが、主人公2人とも自然な演技で良かったともいます。

観る前はあまり期待していませんでしたが、序盤からスーッと物語に引き込まれて見入ってしまっていました。
マーニーの正体に着目していると物語に入り込めず、途中で正体が判明するので面白くないかもしれません。
でも、主題は心を閉ざしている主人公の成長で、思春期の繊細な少女の心情がじっくり丁寧に描かれています。
全体的に起伏は少ないけれど、心あたたまるラストには胸がいっぱいになり、感動しました。
人によって評価が別れそうですが、最後にグッとくる、とても素敵な作品だと思います。

投稿 : 2018/02/17
閲覧 : 216
サンキュー:

3

DEIMOS さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ジブリ制作最後の最小スケール作品。

宮崎駿引退後の若手育成を兼ねて作られたジブリ制作最後の作品。結果、やはり、宮崎駿の穴は誰にも埋められないのだと多くの人が落胆しただろう。

主なストーリーは、釧路に療養に行った少女が、幽霊の金髪少女マーニーと夢の中で友情?を培う話。舞台は道東、湿っち屋敷のモデルは軽井沢。主に話は、この屋敷の周辺で完結する。つまり、スケールが非常に小さい。森や町に舞台を絞り込むことはあっても、斬新なカットの応酬で視聴者を飽きさせないのがジブリ作品の特徴だが、本作は、とにかく見慣れた景色の中でなかなか話が進まないため、見る者をイライラさせる。退屈。

ジブリの超優秀なスタッフが、宝の持ち腐れとなっている。コンテと脚本が酷すぎる。作画面では、動くところが少ないのが残念すぎる。夢の中の世界の表現力がテレビアニメレベル。風立ちぬの飛行機に乗っている夢想シーンといかに違うか。

この作品の制作後、ジブリは、制作体制の休止を発表。この作品の手応えから、満足な品質のアニメを制作できなくなったと鈴木敏夫ら上層部は感じたのだろうか。

投稿 : 2018/01/15
閲覧 : 214
サンキュー:

0

筒井筒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

夢か、うつつか?

もし、テレビのない世界で、あんなことがあったらと思うだけで、わくわくしてきます。

投稿 : 2018/01/05
閲覧 : 305
サンキュー:

2

ネタバレ

狗が身 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

雑感。

回想の杏奈が抱えてた人形が僕にとってはミスリードだった。完全にファンタジー路線だと思ってたんだもの。
マーニーの正体は人形ではなくて実の祖母だったという驚きのオチ。

マーニーの「赦してあげるって言って!」とは、序盤の頃に杏奈が言ってた「自分を一人ぼっちにした祖母や両親が憎い」という問題に対する気持ちの変化を表わす重要なシーン。
…なのだけど、杏奈の気持ちの変化がいまいち伝わってこなかった。

杏奈の抱える闇は、周りの環境によって解決する類いのものではない。
杏奈は養母の愛情を疑っているのではなく、愛情を疑ってしまう自分を嫌っているのだ。
それはもう、自分の気持ち次第でしかない。
だからこそ、本作の物語は大部分が杏奈の妄想の世界でのやり取りであり、田舎町の人たちとの交流では無かった。

でもな~、「マーニーって何者?」という疑問によって最後の方までミステリーっぽい作品としての面白みはあったものの、杏奈が心を開くようになる様を中心にしたハートフルあるいはハートウォーミングな作品としては弱かった。


全体的に落ち着いた作風の中で、さやかちゃんが本作における癒し要素だったな~。

投稿 : 2017/09/24
閲覧 : 324
サンキュー:

8

fu+i さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ちゃんとジブリしてた

なんでこんなに複雑な話にする必要があるのか、気になったが、最後まで観たら、納得した。

投稿 : 2017/08/14
閲覧 : 259
サンキュー:

2

ネタバレ

みいちゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

主人公の頭がやばい

めっちゃネタバレだけどこんなかんじ

{netabare}
孫(女)が、死んだおばあちゃんを妄想で美化して、美化した妄想のおばあちゃんに恋をするお話。
{/netabare}

頭おかしくね???

絵はうまいけど、たいして動きもしない作品なので視覚的にも楽しくない作品。

投稿 : 2017/07/27
閲覧 : 250
サンキュー:

2

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

えーおもしろいじゃんか!

昨日テレビでやってるのんたまたま見たんですけど。

いや、その前に実はDVD借りて見たんですけども、そんときはなんとも思わなんで。
てゆうかどっちかゆうたらおもんないなーて思たんですわ。


ほて、昨日みたら・・・。
がーに泣いてますわ!ボク。


特に『ゆるしてあげるって言って』からの下りよ。
最後までみると、そのときそおいったのはそおゆうことだったのかあ!とさらにカンドーしてすごい泣きます。


それはどんなひとにでも思い当たる節があるんとちゃうかなとか思うわけですよ。

ああ、あん時ひどいこと言っちゃったな・・・とか
良かれと思ってやったんだけど、結局傷つけてしまったな・・・とか。

そおゆう過去が多かれ少なかれ誰ぞにもある思うんですよ。

そのひとを大切に思うからこそ、の過ち。
それは『ごめんなさい』ではないはずですよ。

『許してあげるって言って』だと思うな。


いやー。とにかくええ映画でした!
米林監督やるやん!アリエッティはおもんなかったけどな!



それはそうと。

松島奈々子も黒木ひとみもあ"か"~ん"!!
キャラに合うてへんー。

てか、キャラを喰ってしもて、松島奈々子がこんなおばはんなわけないやんけ!とか黒木ひとみがこんな地味なわけないやんけ!とか思いまくってしまっていかん。

もーこのへんの大女優だしたら女優のもってるイメージを変えられへんからややこしいことになるーぅ。


とかいっても、若手の米林監督がその気がなかったとしても、もはやどうすることもできんかったんだろうなとは思うな。

こおゆうところでジブリの終わりフラグが見え隠れしてるところがまあ盛者必衰のなんたらやないですが、こうなっちゃうのかやっぱり的な。

いい作品なだけに、大人の事情がぶち壊した感が否めませんな。


今年公開されてるメアリと魔女の花はそおゆうくだらない大人のしがらみから脱した米林監督の自由なやりかたで表現した作品で合ってほしいなと説に願うのであります。

終わり

投稿 : 2017/07/15
閲覧 : 245
サンキュー:

7

ネタバレ

※アニをた獣医師 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

自分の思う自分でいいんだよ…

主人公のあんなちゃん、昔は明るい子だったけど、喘息、そんな病のせいでいつしか自分の感情を面に出さなくなった。自己嫌悪をしてしまうのも頷ける。
そんな彼女は、空気がキレイなところで療養。
車のシーン、千と千尋みたいだね。
血が繋がっていない。そう呟く彼女は哀しげだった…

返事をする彼女はまるで心がないように、空虚な感じ
この町はキレイで、彼女はその時は嬉しそうなのであった。おじさんとおばさんは普通に、いつも通りに接してくれているのだろう。少し戸惑う彼女。そんな彼女が郵便局へ行くなか、委員長とおぼしき誰かに出会う。彼女は思春期らしい反応をすることもあれば、大人のように自分を偽ることも多い子なんだな…

そしてあんなはお城を見つける。興味本意に中へ入る
それは廃墟なのだろうか?誰もいない。そんなことを思いながらここで寝てしまったのだろうか?満ち潮となって船へ乗せてもらう(少し戸惑うあんなちゃんぐうかわ) 
誰かがいたのだろうか?

夢を見た。金髪の少女。誰なのだろうか、あの城にいたあの子は誰なんだろうか?

あんなに優しいトイチさん。相変わらず絵がうまい!
歳が近い子に会いたくないんだろうな…

おばさんに言われたら断れないんだろうなぁ…
やりたくないことからは逃げたいんだろう。
そして今度は自分と同じように絵を描く人を見つける

彼女は再び夢を見る。潮が退いていた。なにかを表しているんだろうか?
人と話すのが苦手、というより嫌なのだろう…
自身を冷めた目で見てしまっている。普通に生きたい
どういうことだろうか。
触れられたくない。だから…また自己嫌悪。具合も悪くなる。
皆にたらい回しに扱われ、それが自己嫌悪に繋がった
でも太っちょ豚はやめなさい(笑)

船へ乗ってついた先に夢の中の少女がいた。
世界が、時代が違うように。少女もあんなをみていたという。 二人のことは永久に秘密。約束を交わし…

(このばばあ!それと違いおばさんいい人過ぎるだろ!ちゃんと叱るとこも!)

少女の名前はマーニー。(きまし あら~^)
3つずつ質問。なんかロマンチストだな!

似た境遇の二人なんだね~♪ 

これは夢か現か?思い出せない、自分のこと。
きまし!あら~^  

ばばあ、無理すんな。寝てろ(笑)

マーニーは楽しそうに躍り、あんなはお酒を飲む!
はっは~。 あんなの嫉妬かな?

あらあら、こんなとこで寝ちゃって。お転婆~♪


そしていつかはいなくなってしまう。そんな気がしていたんだ。

マーニーが昔書いていたんだろう…それはあんなとマーニーの不思議な出会い。それは幻ではなかった。
他人はそれを夢だというのかもしれない。マーニーはあんなが作った少女。
でも確かに彼女はそこにいたんじゃないかな?

二人は互いに求めあったんだな…自分にないものもってるんだもん…

あんなは自分が必要とされてないと思っている、それを気にする自分を嫌悪する。疑心暗鬼になる。
二人は…


キレイな物語だった。これ以上ないくらい自分に正直な子達だと思った。自分のことを見つめ直せ、そして自分だけじゃなく他のことも見て、そんな感じの話。
お互いを求めあった女の子二人のお話。


いつまでもマーニーはあんなのことを見てるよ、見守ってるよ…ありがとう…

投稿 : 2017/07/14
閲覧 : 209
サンキュー:

8

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

英国児童文学原作

結構しっかりした原作があり
設定を日本に合わせて物語なども変えていくわけですが
難しいでしょこれ、簡略したくなる部分等あって当然ですが
敢えて難しい方へ舵を切り頑張って作成している感、
原作の良さも巧く惹き出してるんじゃないでしょうか。

物語が決まれば作画は所謂定評、安定安心して観られるわけですし。

良い作品でした。

投稿 : 2017/07/11
閲覧 : 247
サンキュー:

9

次の30件を表示

思い出のマーニーのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
思い出のマーニーのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

思い出のマーニーのストーリー・あらすじ

この世には目に見えない魔法の輪がある。

海辺の村の誰も住んでいない湿っ地(しめっち)屋敷。
心を閉ざした少女・杏奈の前に現れたのは、
青い窓に閉じ込められた金髪の少女・マーニーだった。

「わたしたちのことは秘密よ、永久に。」

杏奈の身に次々と起こる不思議な出来事。
時を越えた舞踏会。告白の森。崖の上のサイロの夜。
ふたりの少女のひと夏の思い出が結ばれるとき、
杏奈は思いがけない“まるごとの愛”に包まれていく。

あの入江で、
わたしはあなたを待っている。
永久に―。

あなたのことが大すき。(アニメ映画『思い出のマーニー』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2014年7月19日
制作会社
スタジオジブリ
主題歌
≪ED≫プリシラ・アーン『Fine On The Outsid』

声優・キャラクター

高月彩良、有村架純、松嶋菜々子、寺島進、根岸季衣、森山良子、吉行和子、黒木瞳

スタッフ

原作:ジョーン・G・ロビンソン『思い出のマーニー』(松野正子訳・岩波少年文庫刊)、 監督:米林宏昌、脚本:丹羽圭子/安藤雅司/米林宏昌、作画監督:安藤雅司、美術監督:種田陽平、音楽:村松崇継

このアニメの類似作品

この頃(2014年7月19日)の他の作品

ページの先頭へ