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「風立ちぬ(アニメ映画)」

総合得点
71.8
感想・評価
815
棚に入れた
4289
ランキング
1270
★★★★☆ 3.8 (815)
物語
3.9
作画
4.3
声優
3.3
音楽
4.0
キャラ
3.7

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風立ちぬの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 1.0 音楽 : 5.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

夢を追い続けることの残酷さ

宮崎駿先生の長編アニメーション引退作品



小さい頃から飛行機に憧れていた二郎は夢を追い続ける
二郎は美しい飛行機を作るために犠牲を出している


飛行機を作る費用さえなければ国の貧しさも少しは解消出来るだろうし
菜穂子の寿命を考えればとれた行動もあるでしょう



美しい飛行機を作るという夢。


私個人的にはジブリには夢をみせてもらってばかりでしたので
この二郎の一生の物語には驚きました「美しい飛行機を作るための残酷さ」
それを分かっていてもそれでも「美しい飛行機」を追い続ける二郎は夢を
追わないではいられないんですからね。
音楽や作画は文句無しの五点。松任谷由実さんの曲は時代背景によく
あっていると思います。

物語どうこうではなく宮崎駿先生の最後としては残念でありました。

投稿 : 2014/07/05
閲覧 : 440
サンキュー:

28

ネタバレ

ヘルワヘルワ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ジブリか〜

ジブリにしては、大人すぎる題材ですね。
爆弾級な物語を作品にした。
みたいな。
かなり、深い深い作品だと思います。
真の意味を理解するには、あと3回は
見ないとわからなそうです‼︎
しっかり、見ないと、ですね。
一度は見て欲しい作品です‼︎

投稿 : 2014/06/26
閲覧 : 258
サンキュー:

2

ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

堀越二郎の半生を良くも悪くも丁寧に描いた作品で人によっては地味で味気無さが目立つ作品になると思う。ドキュメンタリー映画を観てるような印象でした。

宮崎駿監督の長編アニメーション引退作品。
有終の美を飾るに相応しいかどうか賛否両論になりそうな内容に感じました。
宮崎駿監督はアニメは子供のためのものであるという想いから
本作の映画化はまったく考えてなかったらしいです。
内容からいえば当然だと思います、
子供には難しいだろうし、そもそも子供が興味でる内容ではないです。
実在の人物をモデルにした作品なので興味でないとかあまり言いたくないのですが
僕が子供の頃に「風立ちぬ」を観て楽しめてる姿がイメージできません。
子供向けではないので監督自身も映画化は考えていなかったのだが
紆余曲折あり映画化にいたったみたいです。
本来はこういった作品を映像化したかったのかもしれませんね。
ある意味、宮崎駿監督はオタクやマニアの類なんだと思います。

さて、内容のほうですが主人公は堀越二郎という男性で子供のころから飛行機に憧れを抱き、
航空工学を学び技術者として設計に没頭する日々を描いてるのが本作です。
良くも悪くも彼の半生を描いていく流れが丁寧で淡々としてるんですよね。
今までのジブリ作品のようなエンタメ性は乏しいです、
盛り上がりどころというのもありませんし、
盛り上がるというよりは心にしみわたる系のお話です。

堀越二郎の声優さんはエヴァンゲリオンで有名な庵野秀明監督です。
日ごろから親交があったのは知ってましたが
まさか自身の作品の主人公に抜擢するとは予想だにしてませんでした。
宮崎監督の主人公のイメージでは滑舌がいいらしいけど、
庵野さんはお世辞にも滑舌がいいとは言えなかったね。
最終的には存在感で選んだらしいからまぁいいのか。
最初はちょっと気になりましたが観てるとそんなに気にならなくなります。
徐々に世界観にキャラクターが浸透していくイメージでしょうか。
堀越二郎というキャラクターは勉強ばかりしているインテリ系に見えて、
実は腕っぷしも強かったり人柄もよく、良くも悪くも人をひきつけるタイプでした。
ちょっと融通のきかなさそうなところもあるけど、
簡単に自分の意思を捻じ曲げる人より好感がもてます。

物語の世界観は雰囲気的にコクリコ坂にちかいかもしれません。
ああいった戦後復興して間もない印象の街並みや雰囲気です。
個人的に好きな世界観ですね、古き美しい時代の日本です。
イメージ的には火垂るの墓とコクリコ坂の間くらいの内容かな?
火垂るの墓ほどシリアスではないけどコクリコ坂ほど陽気でもない。
一番最初に書きましたがアニメーションというよりは、
ドキュメンタリーです、堀越二郎の半生をアニメーションという枠を借りて描いてるにすぎません。
淡々と描写しながらもアニメーションだからこその演出はされており、
ジブリらしい夢と現実の境界をうまく再現した見せ方だと思います。

そんな堀越二郎が航空学に没頭するなかで出会ったのが里見菜穂子。
後に相思相愛になる二人ですが菜穂子は架空のオリジナルキャラクターみたいですね、
このように忠実に再現してるわけでもなく宮崎駿監督独自の脚本も加わっております。
菜穂子という女性は繊細さと気丈さ、そして何よりも美しさを併せ持ったキャラクターで
まぁ実際にこんな女性がいたら好きになってしまうだろうなぁ、と(笑)
こういったキャラを見るたびに思うけどこんな綺麗な言葉づかいで、
男性に寄り添うようにそばにいてくれる女性なんているんかいw
ストレスフリーな感じでとても素晴らしい女性だと思います。
結核を患ってるということですが二郎に苦しんでる様子など微塵も見せず、
自身の美しい部分だけを二郎に見せてくれてましたね。
女性の意地というか矜持というか彼女のたくましさを堪能させてもらいました。
なにより可愛かったしね!甘え上手な女性でした。

この作品は大きくわけると飛行機と恋を描いた作品になるんじゃないでしょうか。
その二つを描いたドキュメンタリーなのです。
子供のように飛行機への想いを、夢を語る二郎だけど言ってしまえば戦争の道具なわけです。
自身の設計した飛行機と結核と戦う菜穂子を通じて生きるとはどういうことか?
二郎自身が、そして視聴者たちが考えさせられるような内容になってます。

「生きねば。」
純粋なハッピーエンドという感じでもありませんが
上記のキャッチコピー通り前向きな終わりのようにも思えます。
そもそも人間の半生を描いた作品なので幸せだったかどうかなんて
それこそ生涯を終えるその時までわからないでしょう。
いい人生だったと断言するためにも彼は「生きねば。」

堀越二郎の「生きねば。」という想いの原動力は里見菜穂子という一陣の風でした…

「風立ちぬ、いざ生きめやも」

【B+75点】

投稿 : 2014/06/19
閲覧 : 343
サンキュー:

9

ネタバレ

jun123456 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

お疲れ様

普通に面白かったとは思います。ただそれ以上は何もありません。
宮崎駿監督最後の映画ということでハードルがあがりすぎていたのかもしれません。 正直中途半端なイメージで、何も残りませんでした。      
後奥さんの架空設定と夢ネタは...正直引いてしまいました。

恋愛要素をなくして、アニメでなく実写の2時間ドラマや映画で見たかったかなー

投稿 : 2014/04/03
閲覧 : 208
サンキュー:

1

ネタバレ

rurube さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:----

ジブリ最高。

今までジブリ作品で一番好きなのは『千と千尋の神隠し』だったがこの作品は間違いなく越えた。
正直映画館で何回泣きそうになり嗚咽を我慢したか分からない。

自分は映画も好きなのだがいわゆる普通の日常をテーマにした作品に何かしらのメッセージを入れるのは非常に難しい。なのでハリウッド映画を観れば分かるがいわゆるエログロの作品が多い。それはメッセージ性の作品を作る時にエンターテイメント部分を補うのが楽だからである。

例えば『明日に向かって撃て』は無法者を主人公にする事でメッセージである時代に取り残されていく人々(しかしそれは彼らに能力がないのではなく時代の変化についていけない人は一定量必ず出てしまう)を残しつつエンターテイメントとしても成り立たせている。別に職業を鍛冶屋にしても良いのだろうがそれだと映像として面白くない。実際に鍛冶屋だったら人気出なかっただろう。

この作品が素晴らしいのは対した話では無いのにも関らずエンターテイメントとしての体裁を整えなおかつメッセージを残している点である。
さらに最初のシーン(屋根を登るシーン)でジブリ特有の背景が動く作画にすることによりジブリ映画だという主張をしている。これを後半に持って来ない所一つが監督の苦悩を表していると思う。内容がジブリらしくない中でジブリ作品だというのを印象付けるそのために最初にこの作画手法を持ってくるのが本当に素晴らしい。

またキャラクターの良さも光る。この主人公は間違いなく少しおかしい。
肺炎の奥さんを上司の家に住まわせるのだから。不死の病で周りの人に移る病気なのだからわけがあるにせよ普通は言えない。それを言える人間像になっているのが無理のないストーリー展開なのだと思う。
この主人公は将棋の棋士の様だ。少し変わっているし気が付かない点もあるが職人はだから職人になれる。人生の短い時間で何かをしようとすればそれ以外の能力の欠如はしょうがない。

それと奥さんが好きになったのも分かる。奥さんの実家はかなり豊かみたいだし昔の話だから恋愛結婚なんて無かった。軽井沢で娘を下さいシーンがあるのだがいつ死ぬか分からない・いつ移るか分からない病気を抱えている娘に対して明らかに全てを理解出来ていない(要するに好きだから一緒になるのだとしか考えていない、いわゆる世間体とかの社会的弊害に全く気が付いていない)主人公の人となりに人間性を見つけている。

これって当たり前の様で当たり前ではない。例えば人って個人もあるが社会の中での立ち位置もあるし本来二つを合わせて個人と言える。今回の場合は病気が奥さんの社会での立ち位置になってしまっている。彼女は彼女だが社会的に考えれば病気の女でもある。そしてそういう観点から見るのは間違った見方ではなく現実である。

奥さんとの最初の出会いは地震の中であった。そのときに主人公は彼女がどういう人だか(実家が裕福)知らなかったが知った後も態度を変える事は無かった。そういう主人公の人となりに気が付いていたからこそあの綺麗で裕福な人は主人公に恋をしたのだろう。

たまに何でこんな奴に好きになるのだろうかってキャラがいるがこの作品にはそれが少なくても自分には無かった。

最後に声優の話をしたいが自分は基本的に声優があまり好きでは無い。特別下手でなければ気にならない、むしろアニメ声の方が違和感がある。特に日常をテーマした作品でアニメ声を出すのが不可思議だ。日常をテーマにしているのにアニメ声という非日常を入れるのは作品としてどうなのか?
監督が完璧性を求めていない結果としか思えない。
今回、主人公を庵野秀明にしたのは彼が職人だからだろう。むしろ完璧ではないのが完璧なのだ。実際の職人に声を出させているのだから文句は言えない。それと実際に少し違和感があるのが主人公の性格を現していて良い。

投稿 : 2014/03/31
閲覧 : 280
サンキュー:

7

ネタバレ

(´◉◞౪◟◉`) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

AA

これで引退作・・・引退会見で、韓国の人はお金を払って見て下さいって言ってたのがさすがだなっと思いました。

※深い意味はありませんのであしからず・・・

宮﨑駿監督、復帰しないかなぁ~(´◉◞౪◟◉`)
庵野さんにこれ以上負担かけないで!エヴァ作ってくれなくなるんだからっ

って独り言な妄想でした(´◉◞౪◟◉`)

投稿 : 2014/03/13
閲覧 : 189
サンキュー:

0

ネタバレ

蜂須賀 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

評価の難しい「良作」

※当レビューは全て個人的な感想であることをご理解下さい。



なんとレビューして良いものか、非常に評価に困る作品である。

まずなんといっても「宮崎駿」というだけで、大なり小なり、プラスなりマイナスなり何かしらの先入観を完全に排除することは不可能だろう。
私もその例にもれず、未だに「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」「もののけ姫」といったような過去、もしくは現在ドハマりした作品の幻影を追っているのだとわかった。


物語自体は良い。尺の問題か、私の理解力の問題か、時折場面転換に戸惑うこともあったが、ラストシーンからエンディングにかけての演出には涙腺が緩んでしまった。

キャラクターも良い、と思う。特に主役の二人にはそれぞれの心情を想像する余地も残され、また非常に魅力的な「人間」として描かれている。

声優の評価は非常に迷ったが、個人的な判断はともかく、まぁ上手くないことはまず確実だと感じるため評価を下げた。しかしながら、それが良い味を出していることも事実であり、キャスティングや各声優に対する批判等に繋げるべきではないだろう。

作画と音楽は言わずもがな。特に述べる点はなく、流石としかいいようがない。


ここまで、それぞれの評点に対して一言ずつ理由を述べたが、全体的な感想としては良作、良い映画だった、という印象だ。傑作というほどではなく、かといって観たことを後悔はしていない、という感じ。これは偏に、好みによるものではないかと思う。


ファンタジーではないため例えば「もののけ姫」などにみられる、物語全体を利用した壮大なメッセージ性は感じられず、世界観で魅せるような作品ではない。また主役の二人が他作品に比べ精神的に成熟しているため、作品を通しての精神的な成長や、冒険、発見などといったワクワクする要素もない。
故に、宮崎監督の他の作品と単純に比較することは難しいし、私など上述した要素が大好物なため、作品自体に魅力を感じることが出来なかったのではないか。


しかしながら、これらの先入観、嗜好を排除すれば、純粋に素晴らしい作品であると考える。

特に後半、随所で見られる死の気配。コレが、観る者の心を掻き立てる。

そんな中で、
仕事の為菜穂子と離れ離れになることを容認した次郎。
菜穂子が会いに来た際、病院に帰すのではなく、近くで暮らす決断をした次郎。
療養のため、次郎と離れ、故郷を離れることを選んだ菜穂子。
療養所を飛び出し次郎のもとに行った菜穂子。
に代表される様々な事象の結果訪れる結末。

何が正しく、何が間違っているのか、なぜあのような行動を取ったのか、自分であったならどうするだろうか。
ほぼ全てのシーンでこのような考えにさせられ、やってくるラストには鳥肌が立った。
苦悩することは若者だけの特権ではない。
むしろ大人の方が、日々苦しみ、悩み、嘆き、正解のわからない選択を続けている。
戦争の時代を描きながらそれに関わる描写がほとんどないことも、現代の私たちが自分を重ねることのできる理由だろう。

この二人は、「等身大の人間」である。
それも、社会的責任を負った大人だ。次郎は有能であるが故に、それも殊更大きいだろう。
時代を超えた共感と、涙腺を緩ませる物語。
たとえアニメに求めるものが違ったとしても、たまには、こんな物語も良いものだと感じるばかりである。

投稿 : 2014/02/26
閲覧 : 197
サンキュー:

4

ネタバレ

お きゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 1.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

個人的感想備忘録

●個人的に、船と飛行機が中心の話は大の苦手。本で読んだら意味が分からなくなる。映像なら大丈夫だろうと思ったが、やっぱりダメだった。どうも一切の興味がないらしい。
●噂の声優さんは個人的にはナシでした。最後まで人物と声が乖離してた。今までのジブリ作品の声はなんだかんだ味があってすきだったんだけどな。
●SEが耳元で獣に息吹きかけられてるような生暖かい気持ち悪さを感じた。賛否分かれてるのかよく分からないけど個人的には生理的嫌悪感。(効果音が人の声だったらしい)
●病弱な女性の儚さが見どころだったような気がする。
●やっぱりジブリの絵は美しいです。

投稿 : 2014/01/31
閲覧 : 230
サンキュー:

3

ネタバレ

もずくず さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

語られるべき世界観。

去年の作品ではありますが、一人一人によって思うところは別れると思います。


{netabare}

巨匠の最後の作品。

今までのファンタジーや純愛物とは別のお話です。ジブリという感じはしませんでした。

何かと話題作ではありましたが、それほど期待はしていない状態で劇場に足を運びました。

結核という当時最悪の病気と闘う一人の女性と、零に全てをこめた設計者の恋のお話。

まず描写。

タッチとリアル感はジブリ感満載です。
驚く部分や悲しむ表情が印象的です。

ストーリー性は、賛否両論つけがたいと聞いていましたが、私は素直におもしろかったです。

彼女の死んだシーンの描写が深い内容でした。

夢の中でまた会う、明確に死というものを理解するのに時間がかかりました。

しかし、その伝え方こそが、心に伝わってきて、ああ・・・・これは泣けるな・・・と。


戦争という描写は最後にはそれほど残っていませんでした。

しかしながら、何度もいいますが、戦争を知らない人、少し進んだ考え方でみることができる映画のような気がします。

投稿 : 2014/01/19
閲覧 : 205
サンキュー:

3

ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ありがとう…ありがとう…!

時代背景、堀越二郎という人物、結核という病気…事前に予習をばっちりしていったので、一度目に観たときの感涙はやばかった。

庵野監督が主演声優という不安もあったが、彼はまさしく二郎だった。唯一、菜穂子と再会したときのセリフ「あっ!あの時の!」だけはなんか笑えたが。


物語として
二郎の夢に向かう情熱的な姿も印象に残ったが、最も心打たれたのは、やはり2人の愛の形だった。

二郎と菜穂子、2人に残された時間はあまりにも短かった…。だけど、短くともたしかに存在するその時間を2人は大切に、懸命に生きた…。この時代には、結核の抗生物質は無い。また、結核は空気感染の危険もある。文字通り、命がけの新婚生活だ。
映画を観た人の中には二郎の妹のように、菜穂子がかわいそうだと思った人もいるだろう。でも、それが2人の選んだ生き方だったんだから、妹も私たちも口出しできない。
菜穂子も、一緒に暮らせるとは考えてなかった。最初は、病院を抜け出し、二郎に一目会えたら帰るつもりだった。どうしても彼が愛しくて、会いたい。駅での再会のシーンは久石さんの音楽の素晴らしさも含め、涙無しには観られなかった。

病院を抜け出してきた菜穂子、その気持ちに対する二郎の答え・覚悟が「一緒に暮らそう」というものだった。菜穂子はさぞ驚き、嬉しかっただろう。二郎の覚悟に対し、菜穂子もまた覚悟を見せる。
2人の強い覚悟を黒川さんも汲んでくれた。二郎を家に匿ったり、結婚式を準備してくれたり、彼は本当にいい上司だと思う。

結婚式のシーン、二郎のもとに向かう菜穂子はジブリ作品の中でも屈指の美しさを感じさせた。
あの横顔、佇まいは現在の女性にはあまり見られない凛とした美しさがあった。だけど、見ている側はその命の儚さを知っているから、その顔がどこか切なく見えて、涙を流さずにはいられない。
結婚式が始まってからの
二郎視点で描かれた華やかで美しい菜穂子も素敵だったが、このシーンには敵わないと思うのです。

「ふたりが暮らした。」
ハウルのときのキャッチコピーですが、この作品にも合っているなーと思います。
仕事に行く夫を見送ったり、帰ってきた夫の着替えを手伝ったり、一緒に眠ったり…こう書くとありふれた時間のようだけど、2人にはかけがえのない大切な時間だったんですよね。
なんかミスチルのsignとも合ってる気がします。

そして、そんな幸せな日々にも終りが来ます。九試単戦の飛行テストに向かう二郎を見送った後、菜穂子の表情が切なげになるんですよ。もうこの時点で涙が…
彼女は自分の病状が悪化していて、もうこれ以上一緒に暮らせないことを悟っていたのでしょう。

ひとり山奥の病院へと帰っていく菜穂子。彼女の気持ちを汲み取った黒川夫人の
「美しいところだけ好きな人に見てもらったのね」というセリフに涙腺を砕かれました。

そして、ラストシーン。随所でキャストの方が
セリフが変更され、良いラストになったと語っていました。

絵コンテ集で確認したところ
菜穂子のセリフが
「あなた、きて…きて」から「あなた、生きて…生きて」に変わっており、最後のカストルプ氏のセリフは
「私たちも行かねばならん」から「君は生きねばならん」と変わっていました。

最初は、二郎が亡くなった後、天へと導かれる感じの終幕だったのでしょう。しかし変更後は、二郎がこれからも生きていくことを示しています。素晴らしい性能を誇るゼロ戦を作ったが、結局戦争に向かった機体は一機も戻ってこなかった…。打ちのめされた二郎だが、それでも菜穂子の言葉で生きていくことを決意します。
実在の堀越二郎は、戦後に国内初の旅客機を設計しています。
きっと映画の二郎も美しい夢を追い続けるでしょう。

あ〜良い映画だったと思ったら、エンディングで流れるひこうき雲にまたやられました。
40年も前に作られた曲ですが、本当に映画に合っています。この曲を元にして映画ができたのではないかというくらい。
実写、アニメ、映画、TV…今まで観てきた全てのエンディングの中に、これほど泣いたものはありませんでした。
飛行機が美しい夢なら、映画もまた美しい夢です。
こんなにも美しい夢を見せてくれた宮崎監督はじめ、スタッフの皆さんに感謝いたします。
最後(?)に素晴らしい作品をありがとうございました。

投稿 : 2014/01/12
閲覧 : 310
サンキュー:

5

ネタバレ

sdkfz_251 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

時代背景が分かるとなお面白い

見るまでは庵野起用に不安を感じていたが、いざ見始めたら1時間経過するまで主人公の声優が庵野だということをすっかり忘れるていた。
そんな事が起きる程度にはハマり役だったと思う。
エンジニア特有の人の話を聞いてない感じがよく出ていた。

話の流れは時代が時代なので、中学社会、歴史の分野がある程度把握できていないと中々掴みづらいと思う。
軍ヲタなら問題ないだろう。
実は、作中に登場する汽車が時代が進むに連れて段々立派になっていくので、鉄道ヲタクの人にもオススメだ。

作中に登場する大人の男は皆カッコイイが、俺としては主人公・堀越の上司たる黒田が一押しだ。
堀越には無茶な注文をするがしかしそれだけでなく、仕事ぶりを正当に評価し(図面を見た時の「完璧です」と勉強会を除いた後の「感動しました」あたり)、彼が窮地の時は自宅に匿うなど、男としてかくありたいと思わせる。

また、堀越を導く役目たるカプローニ伯爵。
堀越に「日本の少年よ」と語りかけるくだりが良い。


総評としては、私の中での最高傑作たる「紅の豚」には及ばぬものの、宮﨑駿の最後の作品にふさわしい良作であると思う。

投稿 : 2013/12/26
閲覧 : 172
サンキュー:

1

ネタバレ

Nakayan@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

風立たちません。

今年の8月映画館で見てきました。

まあ面白かった感じ・・・。
今回のジブリ作品が宮崎駿の引退作品となってしまったことについて少し遺憾に思っています。

内容は良かったです。戦前・中のとある工場?製作所?で働く一人の若い男性が飛行機の設計に携わるお話です。このアニメに出てくる主人公は、過去に実在している人「堀越二郎」をモデルとして制作されたと聞いて感動しました。

投稿 : 2013/12/01
閲覧 : 192
サンキュー:

1

ネタバレ

水音 秋 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

今までと違う

風立ちぬは、今までと違い大人目線。
もっと言うと夢を追いかける男性目線。

昔の日本。昔の男女といった映画です。

飛行機の話なので、機械とかの話に疎い私は理解できたとは言えないかもしれません。

ですが菜穂子の気持ちがとてもよくわかって、感情移入してしまいました。当時付き合っていた人に、二郎を重ねてしまったことも感情移入した理由ですが...。

荒井由実さんのひこうき雲がとても合った作品でした。

投稿 : 2013/11/17
閲覧 : 193
サンキュー:

3

ネタバレ

ほほえみみ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

空にあこがれた人。ぬるい感想。

ジブリらしくない作品でした。
本当はジブリ、っていうか宮崎駿監督はこういう人なんだけど、今まで隠してて、この作品ですっごい自分を出したのかなーって感じる作品でした。

今までジブリって、わくわくして、楽しくて、元気になれたり、ちょっと切なくなったり。でもやっぱり楽しいエンターテイメント!って感じでしたが、これはつらい、重い、切ない、悲しい。たまにすがすがしい気分にもなりましたがそれは映像のおかげで話では私まっっっったくすがすがしくなりませんでした。

主人公の堀越二郎はいい意味でも悪い意味でもずっと子供、少年でした。彼の純粋さは飛行機に注がれ、結局周りは顧みず、そこにヒロインも惚れたのでしょうがもっとうまくやれば菜穂子はあんなことにはならなかったのかなあって思います。
少年時代の堀越二郎はものすごい可愛いです。敬語萌え・・・(´ω`*)

菜穂子は可愛くて、いい人でした。でもやっぱり最後まで生きててほしかったなあ。じゃなきゃ風立ちぬはこんなに切ない映画にならないからあれなんだろうけど・・・。
ちなみに菜穂子の麦わら帽子が売っていました。高いけど、可愛かった。いい、ほしい。

途中に出てくるカストルプさんが謎すぎて???。なんのために?出てきたん・・・?

本庄さんはイケメン枠でした。西島さんの声もまたいい・・・!素敵ィー!!!ちょっとタバコ買ってくっからよ!みたいな感じで嫁もらってくるわ!って言った時はまじびっくりした。そんな近所で買い物してくるわみたいなノリで言われても・・・。

上司の黒川さんは最初やなやつだったけど、後半はもう本当に本当に素敵な人だった。あんな上司に恵まれてよかったよ二郎。仲人をしてくれるシーンは菜穂子の次に黒川夫妻が本当に素敵だった。ずんずん歩く姿はトトロのメイちゃんみたいで可愛い。


映像、とくに風立ちぬってだけあって風が吹くシーンはどれも本当にキレイだった。思い出せば出すほど風が吹くシーンが頭に残っています。
田んぼの緑も、空も本当に綺麗!全体的に色は抑え目で、昔の日本だから建物も色鮮やかじゃないけど、だからこその美しさ。

音楽も、CMで散々流れてたからかすごい残っています。ユーミンの曲でまた泣ける・・・!!!

ジブリで号泣したのは初めてでした。
千代ちゃんが菜穂子さんの手紙読んで泣くところで私も号泣。もう切なくて苦しくて。どんな思いで菜穂子さんは山に帰ったのかなあって。それと引き換えに飛行機は飛んで、飛行機と菜穂子さんどっちが大切?飛行機を優先して何が残るのねえ!!!!ってすごい・・・なんかすごい切なくなりました。

夢と現実が交互に入っていて、場面展開についていけないって人の声をよく聞きました。人によって面白い、面白くないがきっぱり別れると思います。私は好き。でも何回も見れる映画じゃない・・・。

余韻がものすごいアニメでした。

今回のジブリ飯は、特筆してこれ!っていうのはなくて、たばこをすごいおいしそうにふかしていました。吸うと体の筋肉が弛緩してぐでーってなるのがなんかよかったです。たばこ嫌いだけど。
あとシベリア!すっごい甘そう・・・。でも寒い日にお茶とかと食べると美味しそうかなーって。でも甘そう。甘すぎそう。
それとカストルプさんが食べていた雑草・・・じゃなくてクレソン。私的にはあれが一番おいしそうだった。すっごい緑でもっさもっさばっくばっく食べてて美味しそうな雑そ・・・サラダでした。

投稿 : 2013/11/13
閲覧 : 288
サンキュー:

21

ネタバレ

雷撃隊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

さらば、宮さん。ご苦労様でした

酷評です。あくまでも私見なのでご容赦下さい。でもどうしても書かずにはいられなかったので。

まずアニメに関わらず昭和初期の映画や戦争映画に言えることだが、子供がカッコイイと感じてはいけない。用兵論やメカアクションはオタク向けと言われる。軍人や技術者の国家的使命の栄光、国防論は翼賛的とぶったたかれる。客がアメリカやかつての交戦国に敵愾心を持ってはいけない。また外国人の客を刺激してはならない。つまり周りの顔色伺いながら当たり障りの無い映画しか作れないのが日本映画の現状だ。本作も例外ではない。主人公は零戦の設計者の堀越二郎だが、この映画を一見さんが見たらよく判らない人も多いのでは? あくまで宮崎監督の妄想、フィクションといってしまえばそれまでだが実在の人物を出す意味がない。ドキュメンタリーとしては間違ってはいないし概ね正しいが抜けている箇所が多すぎて肩透かしだ。なんか病気の奥さん抱えたサラリーマンのホームドラマでこのシナリオだったら二郎本人である必然性がない。しかも奥さんは架空の人物だしこれなら三菱の平社員で十分だ。

もう一人、二郎の相棒として本庄季郎が登場するが、この人は96式陸上攻撃機の開発者だ。零戦は真珠湾攻撃を成功させるが96式はマレー沖海戦でイギリス戦艦を撃沈する。ほぼ同日に戦果を上げる、そして地獄の扉を開けてしまう。堀越、本庄が開発した飛行機とその運命にテーマを絞り、ハワイ・マレー沖海戦に繋がるならまだ分りやすいが、二郎を架空の奥さんと結婚させたことでシナリオは分断。現代的な「仕事と家庭」の話になってしまい魅力半減。もっと語るべきことあるだろうに。

航空開発史の光と影、夢と狂気、天国と地獄というテーマはよく出来ているが対比が弱い。終始美しい映像ばかりで地獄の苦しみの部分があまりにも弱くナマヌルイ。5分10分でいいから子供が怖がるような戦闘シーンがあれば全体が引き締まるがこれじゃ中途半端だ。暴力描写も痛々しい精神描写も皆無。食べ物に例えると上品な薄味の料理で毒の成分も辛いスパイスも無し。挑戦的、挑発的な暴力性が全く感じられないのは残念この上ない。初代ルパンが懐かしい。また零戦の登場がラストだけなのはまだしも9試二号機が集大成として登場するのは違和感がある。あれは96式戦闘機のプロトタイプであり、ゼロの先祖なのは確かだがゼロの直接の親は12試艦戦である。一見さんに誤解を与えるだろう。分りやすさを求めるならクライマックスは12試艦戦にするべきだろう。また日本軍機の構造的欠陥のひとつに装甲の薄さとガソリンタンクの巨大さが上げられるが、あれは航続距離ばかり追求した軍令部や航空本部の誤った用兵思想であり、二郎たち設計者はずっと警告を続けていた。本庄が少しだけガソリンタンクに関する台詞を口にするがそれだけだ。この辺をもっと詳しく突っ込めば「負けの原因」の説明になるのだが・・・

あと堀越二郎は白人の人種差別と戦った人物でもある。当時の日本の航空技術は「たかが黄色人種」だの「未開民族の猿マネ」だの現代では考えられないほどの差別と偏見に晒されていた。このあたりは司馬遼太郎の「坂の上の雲」を参照されたい。外国人相手の商売ではもはや絶対描けない歴史の真実だ。しかしゼロの技術は戦後の日本を工業大国へとのし上げた。この点も描くべきだろう。希望の象徴としてYS11(二郎が戦後に開発した国産旅客機)を出せば現代にも繋がるのに・・・

多くの人がジブリ・宮崎のブランドが最高峰と思い込んでいる現在の状況はもはやアニメのみならず日本映画にとってマイナスだろう。日本のアニメ業界には監督、脚本家、デザイナー、作曲家、声優に至るまで良質の映画人、カツドウ屋が沢山いるのにジブリ・宮崎ブランドの巨大すぎる知名度が邪魔をして多くの人から「知る機会」の妨げになっている。この状況をなんとかしないと周りが伸びないだろう。誤解の無いように言うが宮崎監督は偉大だしジブリも必要不可欠の会社だ。しかし最高峰ではなく「数ある良いものの一つ」である。全てが名作ではなく名作、駄作の玉石混交である。でもそれこそが大事だと多くの人も認識すべきだ。

文句ばかり言ってきたが、観て損した気分にはならなかったし引退宣言ないし遺書としては納得できた。最後に一発暴言かまして欲しかったけど。これまで多くの傑作、駄作をありがとうございました、監督。日本映画史になくてはならない仕事の数々、お疲れ様でした。

投稿 : 2013/11/10
閲覧 : 228
サンキュー:

10

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梅干し大好きトッシー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

さすがです

男女の理想が描かれていました
感動した

投稿 : 2013/10/15
閲覧 : 201
サンキュー:

1

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 2.5 作画 : 5.0 声優 : 1.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

申し訳ないけど・・・

とりあえずわかったこと。3点あります。

1、宮崎駿は本当に飛行機が好きであること
2、日本男性は結局病弱のゾッコンヒロイン好きであるということ
3、日本のプロ声優さんたちは本当にすごいということ

ぐらいです。
まあ、なんとなくわかると思いますが、
ジブリ映画にある名作感はなく、
本当に純粋に飛行機好きの監督が造ったアニメという感じでしたね。
厳しすぎたらごめんなさい・・・

投稿 : 2013/10/05
閲覧 : 160
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jinjin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

よかった

まず、ジブリっぽくないなーと思った。

「君はピラミッドのある世界とない世界、どちらを選ぶか」この言葉は確かに重みがあると感じた。
映画全体を通しての主人公の「美しさ」への追及は宮崎駿自身のものなのかな…わからないけど。


あと声優の庵野さん。確かに最初はかなりの違和感を感じたもののいい味出てたと思う。宮崎駿は庵野さんの起用について「正直な声の持ち主だったから」というようなことを言っていた気がする。
それもなんとなくわかるような気がするけど(わかった気になっているだけかもしれないが)要はこの作品は宮崎駿にとって正直な作品のようだ。だからやっぱり主人公は「ピラミッドのある世界」を選ぶし宮崎駿も同じなんだろう。

投稿 : 2013/09/28
閲覧 : 181
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1

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イルミ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

いつかまた見たい。

登場人物が「何か」に突き動かされていて生きている映画でした。

投稿 : 2013/09/28
閲覧 : 169
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1

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tanakaDX さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

たしかに感動作ではあった、が

エンタメチックな作品ではないので、お子様には向かない映画と以前から聞いていた。この転換は嬉しかったし、本気でジブリ映画を楽しむ気で映画館に行くことにした。

たしかに、この映画を観ている間は登場人物の心の動きに感動し、涙をこぼしそうになることもあった。

しかし、いざ振り返ってみると「この映画、結局何を言いたいのだろう?」と思ってしまった。かつてのジブリ映画にあるようなメッセージ性やユニークな世界観はなく、ただ飛行機好きな映画監督が、その発明者の一生をつらつらと見せていただけのような気がしてならない。

ラブストーリーという観点からしても、中途半端。細やかな描写によって表現される妻の愛も、彼の棒読みによって夫自身がそれを汲み取っているのかどうか、全体的に見てよくわからなかった。

もし「ジブリ」のブランドがなければ、興味のない話を延々と聞かされ続けているのと同じような退屈な映画だっただろう。宮崎駿もここらが引き時かな。

投稿 : 2013/09/20
閲覧 : 148
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1

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runa21 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

やさしい気持ちにしてくれる何か

最近いろんなことがあって、
不眠だったのですが、
(寝れても30分おきに起きちゃったりとか・・・)
この作品見た後は、
不思議とぐっすり眠ることができましたwww



ゼロ戦作った人の話
と聞いていましたが、

ただ、飛行機を作りたくて
それだけを追い求め続けた人の話でした。


どこかの国の人が
ゼロ戦を設計した人を
主人公にした作品なんてけしからん!
ようなことを言っていたと聞きましたが、
その人はこの作品を見たのでしょうか?

貧しい国で、
飛行機を作るためには、
軍事的なものでなければならなかったのです。


それだけでなく、
この作品全体には、
戦争的なものよりも、
ずっとやさしい何かが満ちているんです。


まず、堀越二郎そのものが、
とてもすばらしい青年だからです。
いじめられている子どもを
見てみぬフリはすることはできないし、
地震で足を折ってしまった女の人を
担いで神社まで連れて行き、
家の人を呼びました。
また、
所々に見られる、
彼の知識の深さにはとても驚かされます。
ドイツ語はなせちゃうんですよ!!
それに
何回も失敗するのですが、
それでもあきらめずに、
「美しい飛行機」を追い求めるすがたもかっこいいです。



彼の生きた時代よりも
恵まれているはずなのに、
私たちの時代は恥ずかしいほどに
すさんでいますね・・・。

いじめは
見てみぬふり。
困っている人が居ても
見てみぬふり。
外国語も
話せればいいなぁで終わり。


彼のように
まっすぐ突き進んでいく人には
あまり出会いませんね。

もちろん自分も反省しなければですが。


そして、
やさしいのは
彼だけではないのです。

彼を応援する奥さんもすばらしい人です。
彼女のからだのことを考えると、
空気の良いところで静養した方がいいのですが、

彼の飛行機に向ける思いを知っているので、
何も言わずに密かに支えてるんですよね。


ラスト
夢の中で飛行機の残骸の中を
二郎が進んでいきます。
憧れの人を目の前に
「地獄かと思いました」
とつぶやいていました。

自分が作った飛行機が
国を焼いて、そして特攻隊として
戻ってこなかったことを言っていましたね。

その中で奥さんの
「生きて」のセリフはやっぱりいいですね。


もう一回見たいなぁ。
宮崎監督最後の作品だし。

コレが最後の作品だと思ってみると、
さらに感慨深いものがある。

例えば、
10年でどこまでできるか~
見たいなセリフがあったり、

ライバルで同じものを作ってはいけない
見たいなセリフがあったり、

宮崎監督と、高畑監督のことかなぁ
とかちょっとかんぐってみたり、

確かにこの作品は
堀越二郎の半生をつづったものかもしれないが、

宮崎監督も似たようなことを
経験したのだろうか?
夢を追いかけて、たどり着いて、
そして最後がこの作品だったことは
なんかいろいろと考えさせられるな。

投稿 : 2013/09/15
閲覧 : 327
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19

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もぐりん。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

生きて!

原作:漫画  未読  監督:宮崎駿さん
製作:スタジオジブリ 劇場で視聴  約120分  

久しぶりに劇場で見たアニメ映画が宮崎監督の引退作品になるとは、なんだか
思い出深い作品となりました、ジブリと言うと大人も子供も楽しめる作品って
イメージなんですが、この作品はどちらかと言うと大人が楽しむアニメに
仕上がっていますw 対象年齢が高めなんですかね? 入っているお客さんも
かなり高齢な方も見えてこの作品の関心度の高さが覗えましたw

堀越二郎と言う実在する人物が主人公で、ノンフィクションと思いきや、実際の
エピソードを背景に、宮崎監督独自の解釈を加えたフィクション作品w 

尚、作中で後に二郎の妻となるヒロインの里見 菜穂子は本作のみの架空の人物。

映像は宮崎アニメらしく色彩が淡く美しいです、こと【飛ぶ】ことに関しての
表現は監督らしく素晴らしい、飛行機の浮遊感、挙動にいたるまで精細に再現
されていますw    エンジンの動きや振動、排気管から吹き出すガスや炎、
二郎の夢の中に出てくる一部の機体以外は実機が存在していて全てがリアルです。

時代背景は戦前のためノスタルジー、セピア色が似合う風景や町並みなど、どこか
懐かしく思えます、試作した飛行機を工場から飛行場へ運ぶのに牛車を使ってた
とは知りませんでした(笑) 

序盤で二郎が汽車で移動しているときに関東大震災が直撃しますが、最初は二郎が見る
夢の中の出来事のように感じていました、そのくらい地面や線路が波打ち、衝撃波が
伝播するような表現がすこし大げさのように感じましたが、ひょっとしたらその位の
揺れはあったのかもしれません、その後の火災の炎の熱で上昇気流が竜巻のように
舞い上がっていたりするシーンは震災の恐ろしさが伝わってきて見入ってました。

作中では二郎が菜穂子と偶然出会うシーンから再会して恋に落ちるシーン、その後
結婚から別れまでを描く純愛ラブストーリーのよう、菜穂子は結核を患っていて、
人里はなれた病院で療養中でしたが、ある手紙を受け二郎の元へと走ります。

その後二郎と取り急ぎ結婚するのですが、そのシーンが感動的でした、目に飛び込んで
くる菜穂子の衣装の色彩がいつもの淡い色調から二郎視点で鮮やかに変わっていて
一気に引き込まれました、 実はこのシーン以前から目頭が熱くなるところが結構
あったんですが、このシーンでぶちまけました(T T)

このお話、二郎と菜穂子だけでなく、サブキャラがいい味出してましたw 二郎の会社の
上司で黒川ってのがいるんですが、厳格で特に仕事にキビシイ人間で部下になったらイヤな
上司になるんでしょうが、二郎に限らず部下の良き理解者であり人間としても上司としても
最高に信頼できる良い人でした、 今はこんな人なかなか居ないですよネ(;^_^A

お話の進行は二郎のリアルに夢の中の世界が交互に入り込んで展開していきます、夢の
中の出来事、出会いかな? これが二郎の一生を決めたと言ってもいいでしょうw
その位重要なパートになっていると思います。

二郎は試行錯誤を繰り返して、最後には最高の機体を作り上げます、その後また夢の中の
話になってラストになるのですが菜穂子は・・・・

面白いと言うか、心に残る良い作品でした、さすが宮崎駿監督!これが最後の作品だと
思うと名残惜しいです。 


主題歌:「ひこうき雲」
作詞・作曲・歌 - 荒井由実
20年位前にもっていたユーミンのCDに収録されていたのを覚えています! なんとリリースは
1973年! 40年前の曲です、良い曲は何年たっても良い曲ですネ(´▽`)


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一部ネットで話題になっていた、主人公堀越二郎のCV庵野秀明さん、たしかに声優
としては「?」で、違和感は少しありましたが言うほどおかしくは無かったですよ^^
ボク的には アリ! ですね、あの声質で心のやさしい二郎像が成り立ってると思いますw
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

投稿 : 2013/09/09
閲覧 : 333
サンキュー:

21

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sherlock さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

生涯最後の作品に込めた願い…

まず初めに…
宮崎駿監督、35年間映画監督業お疲れ様でした

実のところ、風立ちぬのレビューを書くつもりはなかったのですが
9月6日に宮崎駿引退ということで書かせていただきます

本作の主人公は堀越二郎
彼はある日夢の中で、彼が最も尊敬する人物…ジャン・カプローニ伯爵と出会い
近眼で飛行機の操縦ができない二郎に『飛行機の設計』という夢をカタチにする仕事の素晴らしさを説く
そこから彼の飛行機の設計人生は始まる…

1923年
彼は関東大震災という悲惨な大災害が契機となって
後に生涯を共にする相手、菜穂子と出会う
これを観たとき僕は
良い出会いが必ずしも良い巡りあわせから生まれるとは限らないのだなと感じた

次に登場するのは二郎と同じ大学の航空学科、本庄である
彼は映画の中で日本と世界の技術格差を強く主張し
仕事の同僚として二郎のライバルであり仲間で、切磋琢磨して互いを高めあう存在であった

この後はしばらく二郎の飛行機設計への奮闘が続く
さらに、ここで同時に映されていく時代背景によって
貧しい人々がいる時代で大金を注ぎ込み人殺しのための道具を造っている悲しい現実を深く印象づけた
そして、ただ美しい飛行機を造りたいだけの二郎に対して
彼の夢の中で出会ったカプローニ伯爵は
素晴らしい飛行機を殺戮や破壊の道具として利用しているのだと呪われた現実をつきつける

ある日、二郎は風のおかげで菜穂子との再会を果たす
またその日の夜、レストランにてソ連のスパイ『リヒャルト・ゾルゲ』をモデルとしたカストルプが登場するが
僕は最初、このシーンがこの作品においてなぜ重要なのかを理解できていなかった
しかし今考えると、彼は今まで呪われた現実を嘆いていた二郎が結核と必死に闘っている菜穂子との交際で
前向きに生きていくことを決意したことを示唆するために非常に重要な役割を果たしているのではないかと思う

ここからは主に二郎と菜穂子の恋愛模様が描かれる
ただし、この作品はノンフィクションならではストーリー展開で
二郎は菜穂子を大切に想っている一方、仕事にも一生懸命で
彼女もそんな彼を理解し、一人で闘病生活を送っていた
ただある時、彼女は自分の余命を悟りサナトリウムを抜け出し二郎の元へ会いに行った
この後からがこの作品の僕の好きなところで
彼女は自分の死を覚悟し、残りの人生を好きな人と一緒に一日一日大切に生きることを決意した

そして…最後に美しいところだけを好きな人に見てもらって山へ帰って行った…

この作品はスタジオジブリの長編作品で初めて実在の人物をモデルとし、約三十年という半生を取り上げている
また、派手な戦闘シーンはなく大人の純愛をクライマックスとしている
だから僕は、この作品には今までのジブリ作品とは違うメッセージ性を深く感じた
従って、完全に大人向けのアニメとして製作した意図を考えるとやはり
【Le vent se lève, il faut tenter de vivre.】(風が吹いている。私たちは、生きる努力をしなければならない)
が大きなテーマなのだと僕は思う
我々は現在の平和な世界を当たり前だと考え命を粗末に考えすぎているが
二郎の時代には国のために死を選ぶ人や愛する者のために生きたくても生きられない人がいたことを忘れてはならない

{netabare}現在の幸せがあるのはこのような昔の人の辛い過去があることを理解し
これを受け止め力を尽くして生き続け、後生に受け継いでいくべきだ{/netabare}ということこそが

この作品へ込めた『想い』ではないかと思う

は~い、少し重い雰囲気になってしまいましたが
この作品は学ぶべきことが多く後生の人たちにも観てもらいたい作品なので
興味がある方はぜひ観てみてください!!(*´ω`)
(ちなみに僕はまだ20歳で、考えが浅はかかもしれないので何か至らない点があれば気軽にメッセージ下さい!!(^O^)/)

投稿 : 2013/09/06
閲覧 : 280
サンキュー:

17

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せんせい さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

宮崎駿監督がやりたかったこと

前評判が、安定していなかったのと
「千と千尋」や「もののけ姫」といった、ファンタジー要素はあまりないといった点から

過度な期待をしないでに観に行きましたが、僕としては何とも心にくる作品でした。

たしかに、ストーリーは急緩がないものでしたが、そこは作画と演出が補っていました。
そして、宮崎駿監督が描きたかった、次郎という主人公の生き方がしっかり伝わってきました。

太平洋戦争というものを批判的または肯定的にとらえることもなく、飛行機という観点から客観的に切り込んでいったのもとても高印象でした。

監督がやりたかったことが、しっかり詰まった懇親の映像作品だと思います。

投稿 : 2013/09/04
閲覧 : 210
サンキュー:

4

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リアっぴ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

大好き!+加筆

テレビ番組の「笑ってコラえて」で
この映画の裏舞台とかの特集も見ていたおかげか
いつものジブリ作品より、ここは苦労しはった所なんやなとか細かい所の凄さを実感できた気がします。

見終わってからすぐに
サントラ買いに行きました(笑)
好きなジブリ作品はサントラ買わずにはいられません。

自分の中ではジブリ作品の1,2を争うぐらい好きな映画です。
それに、ジブリで初めて感動して泣いた作品です。身体が熱くなるほどぶわっと感動しました。

ただ、見終わった後に「何にそんなに感動したの?」と言われれば答えに困ります。私が、言葉にするのが下手なのせいもあるでしょうが、見ていた時はもっと細かに覚えていたのはずなのですが、いざ言葉にして説明しようとすると出てこないという感じです。

コレが!とは言えないけど、何か心を揺るがすものが、残るものが、訴えかけてくるものがあるのだと思います。

あと、作品を見ててふと思ったことは
宮崎駿さんって
昔の街が好きなんだなぁ
街灯も今よりずっと少ない時の
星がよく見える時の日本が好きだったのかなぁ
とか、思っちゃったり。

声優さんがエヴァンゲリオンの監督さん
と聞いて、えー?この人で大丈夫?って思ったけど
最後の最後には、この人である理由が分かった気がします。


全く関係のない話なのですが
アニメで基本メガネキャラ大好きなんですが
堀越次郎は口数少なくて、無駄に(?)人に親切すぎて大好きです(笑)あそこまで丸いビン底メガネが似合う青年もいないでしょう。

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2013.9.3 加筆

姉と母と一緒に見に行ったついでで
2度も見ることができたので
1度見た時と比べて、緊張とか事細かに見よう!
などなく、リラックスして見て気付いたことをチラッと
書いてみようかと思い、書きくわえてみました。

2度目見て気付いたことは
やっぱり、次郎さんはカッコいいってこと!笑
いやー、なんだろう
背が高くて、心優しくて、メガネ男子で・・・
ははは、あげるとキリがないですが
リアルにあんな人いたら惚れます!

上にも書いてある通り
サントラを買ってよくiPodとかで聴いたりしているんですが
サントラばっかり聴きまくった後に
もう一度映像と一緒に久石嬢さんの曲と合わせて見ると
それだけで、もう感動しますね。
2度見た時に
「(宮崎駿さんと久石嬢さんのタッグは)これぞジブリマジックだ!」って感じました。

2度見ると、前とは違った視点で見る事が出来て
新しい発見もありましたが、事細かには忘れました(笑)

あとめっちゃネタバレなんですけど
個人的に好きなシーンは
{netabare}菜穂子と次郎が駅で抱き合って、そのあと
次郎が「帰らないで・・・」ってところで{/netabare}
心の中で「ギャーーーーーッΣ(ノ∀♡)!!!!」
って叫んでましたよw

もひとつ、{netabare}寝てる菜穂子と仕事してる次郎が
手を繋いで 「タバコ吸いたいからちょっとだけ手を離してもいい?」{/netabare}
ってところが、可愛いというか、面白いというか(笑)



最後に、もうニュースとかで皆さんもご存じだとは思いますが
とうとう、宮崎監督が引退をするそうですね・・・。
正直ショック過ぎて、まだ現実を見れていません。
ネットとかでは、「またウソなんでしょ?」
って言われているそうなんですが、そうあって欲しいと私も思いたいんですが
駿さんも、それなりな歳なので仕方ないのかなぁと思いつつ
でも、死ぬ直前まで作品を作って欲しいとわがままなことを思ったり
本当に、宮崎駿さんの作品が見れなくなるのなら これほど寂しいことはありません。
でも、駿さんが死ぬわけじゃないので、何かしら違う形で出会えることを信じたいと思います。

余談だけど、このあにこれβの「風立ちぬ」の他の人の映画レビューで
『この作品は駿さんからの遺書だと感じた』的なことを書いていたことは
あながち間違っていなかったんだなぁっ、て思いました。

投稿 : 2013/09/03
閲覧 : 241
サンキュー:

9

ネタバレ

matmas さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 1.0 音楽 : 4.5 キャラ : 1.0 状態:観終わった

主人公に魅力がない

主人公の成人男に全く魅力がない。
冒頭の子供時代で視力に悩んでいた様子にはグッときたが、成人してからの様子には共感できない。往年の宮崎駿さんが神業的に描写していた世のため人のために生きる主人公たち、とは全く異なる、人のためではなく自分のために生きている主人公。思考が単純で深みがなく、つまり幼稚で、好きになれない。もちろん話し方や声にも魅力がない。
したがってヒロインが主人公にあそこまで惹かれる様子にも共感できない。大地震で助けてもらったのは単なる偶然にしか見えない。かつ再会も偶然だ。
結核の女房の寝床で煙草を吸う態度に共感できない。
要するに私の好きなタイプではない人間が主人公で全く残念である。(コクリコ坂の海ちゃんは大好き)
往年の宮崎駿さんのことは天才だと思うし世界一だと思うし、敬愛してやまない。未来少年コナンから千尋まで、魅力的極まりない主人公たちについては奇跡だと思う。
が、しかし、ハウルの頃からの作品群については私の理解力が追い付かず楽しめず、主人公たちにも感情移入できない。
音楽家もスポーツ選手も生涯に渡って最盛期というわけにはいかない。芸術家しかり。特にクリエイターならなおさらだ。
私にとって、未来少年コナンから千と千尋までの宮崎駿さんは、どれだけ心震わせたか知れない唯一無二の世界一の日本の至宝であることに間違いはない。
この作品を最後に引退というのは、全くもって正しい選択だと思う。

投稿 : 2013/09/02
閲覧 : 180
サンキュー:

2

ネタバレ

わんだー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

大人向けというより大人用

まず、この作品は子供が観てもサッパリな内容だと思います。
他のジブリ作品とは全くの別物。お子さんと観に行くのはオススメできません。喫煙シーンがみたくない方にもオススメできません。ただ、昭和生まれの私は感動し涙しました。これは昭和という時代を生きた男の一生を描いたドキュメンタリーのようなものです。天才だったのかもしれないけれど、決して完璧でない人間味のある主人公と、その男を愛した妻の。




(ネタバレ)





喫煙シーンについて一言

結核の妻の横で煙草を吸ったことがやたら批判されているが、
あのシーンを理解していればそんな無粋なこと言えるはずがない。煙草を吸いに外にでようとした主人公に対して、あまりいっしょにいられる時間が少なく、自分の命が残り僅かなことを分かっている妻が、少しでも長い時間いっしょの時間を過ごしたいと思い、ここで吸ってほしいと願って吸ったのだ。吸わなければいいと言う意見もあるだろうが、ここで主人公が吸わないと言えば、逆に妻は辛いだろう。自分は病気で夫の重荷になっていると思っているのに、さらに夫に迷惑をかけてしまうことになるのだから。二人の覚悟に水をさす指摘はいただけない。

投稿 : 2013/08/26
閲覧 : 204
サンキュー:

8

ネタバレ

SOAL さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 1.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

声優って大事ですね。

一人の声優がすべてをぶち壊している映画。

ここまで雰囲気をぶち壊せるということに驚きました。
他の声優さんがうまいだけにとても浮いている。
素人演技に慣れることもなく、終始イライラしっぱなしでした。正直あの演技に耐えられる人を尊敬します。

映画の雰囲気としては昔の日本を感じられ、作画もとても良かったと思います。ストーリーはとても盛り上がるようなクライマックスはないですが、お嫁さんに感動しました。また、一人の男の人生を描くという意味ではとてもよくできていると思います。


総評としては期待が高かっただけに裏切られた気分。監督の自己満足と仲間内で勝手に盛り上がっている印象を受けました。本当に残念です。
ですが、何だかんだいっても心に響く映画だと思います。やはり日本人的に一瞬の美や儚さに胸を打たれる人は多いのではないでしょうか。一途な想いは素晴らしいと感じさせてくれる映画でした。

投稿 : 2013/08/23
閲覧 : 269
サンキュー:

1

ネタバレ

barbon85 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これまでとは異なる作風

ジブリ作品最新作ということで期待して見に行きました。

ファンタジー的要素を取り入れつつも、愚直に飛行機の設計に向き合うというドキュメンタリーの要素も含めた作品で、少し大人向けの内容となっています。
小学生が見るには少し難しいかも・・・・・。
これまでの作風とは少し異なっていて、ジブリ作品にしては斬新さを感じました。

飛行機を完成させるまでの苦労や菜穂子との悲しい別れなど、テーマ性もあり、なかなか良かったのではないかと思います。
病の床に伏している菜穂子の引き際は見事で、当時の女性の美学を表現できていたと思います(ありきたりに感じた人もいたかもしれませんが・・・)。

声優についてはいろいろ話題がありましたが、個人的には特に違和感なく観賞できました。まあまあ良かったのではないでしょうか。

最後に1点つけたし。
テーマがテーマだけに政治的要素を含んでいるため、隣国が騒いだりしているみたいですが、そんなに問題になるような表現はなかったように思います。

投稿 : 2013/08/21
閲覧 : 199
サンキュー:

5

ネタバレ

カズくん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

最近では最高のジブリ作品!大人向けだよ

今、映画館で見てきましたw

多少、あにこれで感想を見ていったのですが・・・。
自分的には最高の出来だと思います。

飛行機、空を飛ぶことに夢を持つ少年!
しかし、少年は近眼で空を飛ぶのではなく、空を飛ぶ”飛行機”を作ることに夢を持ちます。

いろいろ制約はあったのでしょう?(心無い国による日本の右傾化批判等)

主人公の二郎の夢の中と現実が交差しながら話は進んでいきます。

戦闘描写もなく、軍人はほとんど出てません。

この映画で戦争賛美とか、軍国主義復活とか言っているバカ国は上映すべきではない!マジ腹がたちます(ーー;)

映画の感想としては”すばらしかった”

少年二郎の大空に対する憧れ!
夢の中で合う飛行機技術者のカプローニと邂逅します。
「今は爆弾をつんでいるが、いずれ人を乗せる飛行機をつくる!日本の少年、待っているぞ!」と・・

時代背景は不景気で暗くなりがちながら、空の澄んだ青さ、真っ白な雲、柔らくて優しい木漏れ日などの映像が暖かく美しくしていると思う。

そして菜穂子との運命の出会い!
自分の設計した飛行機が空中分解したショックを癒すために来た旅館?で昔、地震の時、助けた少女と出会う。

菜穂子との紙飛行機のやりとりなど微笑ましく、綺麗だったなあ。
菜穂子の「風があなたに巡り合わせてくれた」だったかな?
に少しグッときましたw

しかし、菜穂子は結核に蝕まれていて・・・

二郎の飛行機に対する思い。
二郎の菜穂子に対する思い。
両方共が画面を通じて伝わってきます。

菜穂子が自分の死期を悟り、二郎が91式(ゼロ戦の前身機)を完成させた後、誰にも告げず電車にのります。
91式の飛行大成功時、風がそれを告げたように二郎はあらぬ方向を見つめます。
黒川夫人の「行かしておやり!綺麗な時だけを二郎さんに見てもらいたかったのよ。」
切ない!切なすぎる!!

やべ~w涙腺が・・・

最後の夢の中での再開!おそらく死んでいるであろう菜穂子
の言葉「あなたは生きて!」

エンディングでのユーミンの歌詩でまたしても涙腺が~w

最近、涙もろくなりましたww

思いっきりネタバレしましたが許してくださいww

投稿 : 2013/08/17
閲覧 : 207
サンキュー:

10

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風立ちぬのストーリー・あらすじ

かつて、日本で戦争があった。大正から昭和へ、1920年代の日本は、不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに生きるのに辛い時代だった。そして、日本は戦争へ突入していった。当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、後に神話と化した零戦の誕生、薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く──。堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて。生きねば。(アニメ映画『風立ちぬ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2013年7月20日
制作会社
スタジオジブリ
主題歌
≪ED≫荒井由実『ひこうき雲』

声優・キャラクター

庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、スティーブン・アルパート、風間杜夫、竹下景子、志田未来、國村隼、大竹しのぶ、野村萬斎

スタッフ

原作:宮崎駿、 監督:宮崎駿、脚本:宮崎駿、音楽:久石譲

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