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「MONSTERモンスター(TVアニメ動画)」

総合得点
77.6
感想・評価
636
棚に入れた
3522
ランキング
611
★★★★☆ 4.0 (636)
物語
4.3
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.0

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MONSTERの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

青星アーツ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

明日はきっと良い日になる

 1990年代のドイツなどを舞台に、少年ヨハンを救った天才脳外科医ドクターテンマと、その後連続する事件に関わるヨハンを追った話で、先が気になる物語運びでした。サスペンスや人間ドラマの作りが巧みに感じられましたが、最後の話に至るまで盛り上がりや緊張を欠くことがなく、物語を追うことができました。

 ヨハンはどうやって生み出されたのかといったことはわかりやすく明かされていないと思います。彼はなにかしらの経験から変貌を遂げたのか、もとから常人とは別の見方を持っていた人間なのか、その両方であるのか。また、511キンダーハイムでは何が行われていたのかといったことも気になりますが、最終話でもヨハンがおそらく警察病院から逃げ出して幕を閉じ、描かれない話を想像するようなところがあったと思います。大人な作品だと感じますが、少年漫画らしいくといいますか、最後にはドーンと決着をつけてほしいという願いもありました。

 最後、平等に死を振りまく青年ヨハンを再び手術するテンマ。彼も彼の医者として目覚めた部分をぶらさなかったということなのかとも思います。ヨハンという人物は最後まで計りきれないところがありました。作品は硬派な、人情やドラマの多いものであり、話運びでも驚きがあったと思います。

投稿 : 2023/12/23
閲覧 : 96
サンキュー:

3

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

お、浦沢さんの本格サスペンス?面白そー。。。全部観てぐったり。。

浦沢直樹さんは好きです
パイナップルアーミー、マスターキートン、YAWARAなど
何回も原作読み返したり。

こちらも原作持ってましたが、なんかある時期全部売る。
最後の方覚えてない。
ってんで視聴。

冒頭の命の重さ、救ってしまったために多くの命が。
兄が犯人とわかっていて止めるために追う妹。
追いかける狡猾な警部。

っとわくわくでしたが
徐々に飽きる

最後の方の60話くらいから早見
またテンマはけりをつけると銃を構えて他の人助けて終わるのか
またニナはけりをつけなきゃと銃を構えて、発狂して(発狂した理由を言わず)逃すのか。。。

んー既視感

映画がお好きだと思うので
マスターキートンで培ったかどうかは知りませんが、
母親が重病と知り逮捕を見逃す警官や、
逮捕した息子を今でも悔いている定年退職した警官夫婦とか
ジーンとする話はちらほら

しかし。。。
50話過ぎても新キャラや、新キャラのエピソード見せられても。。。
起承転結と綺麗に割り切れないですが、四分の三すぎたらメインキャラで追い詰めたり心理戦とかやってほしかった
エヴァが撃ったにやけ男のくだりとかいるかなぁ

てかハリソンフォード。。いやルンゲ警部とかもっと活躍させればよかったのに、相手になりきって推理するって出産した娘をすっぽかしてカラオケ行ってもりあがらないって、ピエロすぎる。。。



漫画だからとは思わず考えると
・いろんなところに出入りしているヨハンの顔を誰も覚えていない。
・ニナはおそらくヨハンが危険な人物だから犯罪等を止めようとしているのに最後は許したって。。。あの流れだと取り違えたのを許したみたいになってるし。
・街一つ巻き込んだラストの意味がわからないし
(ホッペが住んでるだけではなく、実験に加担した人達が他にもそこでぬくぬく過ごしているならまだわかる気がするが。。。)

・ロベルトの方が銃も使えるし弁護士だしってヨハンより有能なような。。。
・結局ヨハンは人心掌握術などでいろんな人を操っていたと思われるが、どうやったのか?ウィスキー飲ませて飛び降りさせた探偵のとこくらいしか見せてないし。


あと考えすぎですが、女装を準備し、女装して男を誘惑しているヨハンを想うと不憫でした。


------
トータル
出だしすごくワクワクして
たまにはさむショートストーリーはぐっと来たのですが。
結局気が付いてる言い出しっぺのテンマとニナが許すといって犯罪しまくった(おそらく推定無罪でしょうが)ヨハンを許して生きているのがふに落ちず
それだとこの漫画の中で死んでいった人達は何だったんだろうと。。。

永井一郎さんや 小山茉美さんがタップリ聞けたのでそれは良かったかな。小山さんのヤサグレぶりはいいなぁ。。。
もう一度は観ないかなぁ。。。

作画・声優は良かったです。

投稿 : 2023/08/22
閲覧 : 207
サンキュー:

2

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

名前のない怪物

 全74話。原作はアニメを見終わった後に最終巻のみ読みました。

 もともと浦沢作品は20世紀少年とプルートウのみ読んでいました。思春期の頃に読んでいたため、それなりに思い入れはあります。ただ本作のMONSTERやマスターキートンなどは読んでいなかったですね。。。

 全部見終わるのに半年ほどかかり、55話あたりからは全部一気に視聴しました。個人的には退屈に感じる話はなく、全話面白かったですね。テンマがヨハンを追うメインストーリーも良いし、その他その街で出会う人たちを描いたサブストーリーも見応えありました。
 僕の好きなキャラはグリマーさんかな。段々感情を取り戻していって、そして彼の最期のシーンは感動的でした。

 最後の展開に関しては賛否両論と聞いて、気持ちもわからなくはないと思いますが、個人的には「アリ」だと思います。再び命をテンマに救われて、母親の話を聞いたその後のヨハンはどのように行動するのか?改心するのか、はたまた再び「モンスター」になるのか、視聴者に委ねる話は僕は好きです。

 漫画も最終巻のみ読みましたが、アニメの作画や雰囲気、曲、声優さんとアニメのクオリティは高かったですね。OP、EDのレトロで神聖な雰囲気が好き。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2023/03/22
閲覧 : 194
サンキュー:

11

ネタバレ

Lilac さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

圧巻の一言

圧巻の一言。サスペンスアニメにおける最高傑作と言っても過言ではない。ドイツで天才脳外科医としての評価を受ける日本人Dr.テンマ、そして周囲の人々の人生がある事件を機に大きく変わっていく重厚壮大な物語。ベルリンの壁崩壊後も残る旧東ドイツやチェコスロバキア/社会主義・共産主義の闇をベースに、児童虐待等様々な人道的問題を炙り出す。これが本作における「怪物」とは何か?について、考えさせる重要な鍵にもなっていて非常に高い社会性を持ち、世界史としても多くの学びがあった。浦沢先生の表情で魅せる演出を、アニメで表現出来ていた所も良かった。作者の持ち味を崩さず、丁寧にアニメ化出来ているのが素晴らしい。謎と余韻を残すラストに暫く放心状態が続く作品。

投稿 : 2023/02/17
閲覧 : 213
サンキュー:

8

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2022.4.12

2022.4.12

投稿 : 2022/04/12
閲覧 : 247
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0

ネタバレ

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:途中で断念した

原作を知っているので断念しましたがクオリティは高いです

再放送している時に1話だけ見てみました。古いアニメはスタッフの名前が懐かしかったり、今の大物が小さな役回りをしていたりするのが面白いですね。伊藤智彦が制作とかしてたり。能登麻美子が脇役だったり。

内容ももちろん面白いです。MONSTERの序盤は本当に傑作ですし。中盤以降グダグダになったのがアニメでリファインされているとかなり良くなるでしょうけど、さすがに内容を知っている以上そこまでは見守れないかな。

興味深かったのは最初に漫画で読んだ時と今とでテンマの行動への気持ちが変化していること。昔漫画で読んだときは100%テンマに共感していたはずなんですよ。しかし今見るとテンマはちょっと青すぎるな、と思ってしまう。

人の命は平等じゃないんだよ。金や権力を持っている奴ってのは、それだけ努力してきて、多くの人に認められて、多くの人に役に立っているんだから、そこらの人より生きる資格があるんだよ。と思ってしまう。
年を取って青さを失った、擦り切れた考えなのかもしれません。20代から何も変化していないつもりで、結構変わっているんだなーと興味深かったです。

投稿 : 2020/07/07
閲覧 : 283
サンキュー:

4

ネタバレ

mew99 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

んー微妙な演出

原作は大好きです。しかしアニメ版は駄目でした。
演出がホラーっぽくなってしまってるため安っぽい。ヨハンの目が開いただけであの効果音はないかな…
そういうアニメじゃないのに誤解されてしまうし、色々と演出が間違ってると思うんだよ。せっかく原作がいいのにな。ホラーミステリーみたいになってしまってる。

投稿 : 2019/04/19
閲覧 : 327
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3

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

サスペンスミステリーをベースに様々な要素が盛られた傑作

 原作は既読。
 全74話で、クールで言うと6クールとかなり長尺の作品。最近は原作がそれなりの長さで
あっても1クールや2クールに押し込まれてしまう作品が多い今としては、かなり贅沢な印象が
ある。
 長尺ゆえに多少の冗長さを感じられる部分があるものの、その分キャラの掘り下げが
ていねい。

 殺人の濡れ衣を着せられた医師が、警察から逃げつつ、真犯人を追い、その過程で様々な人と
出会うロードムービー的要素など、基本的な設定はアメリカのテレビドラマ「逃亡者(原題
「The Fugitive」)に影響されたものだと思うが、話はより緻密に、スケールはより大きく、
人間ドラマとしてはより深みを増したものに仕上がっている。
 よくこんな話を作れたなと、改めて思う。
 形としてはサスペンス、及びミステリー作品ではあるが、その中に医療問題、東西統一後の
ドイツの社会問題、共産主義政権下の闇、家族を軸としたヒューマンドラマなど、様々な要素が
盛り込まれて飽きさせない。

 長尺作品ゆえにキャラ数もかなりのもので、単なるゲストキャラかと思いきや、後にその
キャラの存在が別の部分で活きてきたりと、とにかく気が抜けない印象。
 このキャラ同士が思わぬところで結びついたりするのもよくできた話という印象がより
強まる。
 また主人公のケンゾー・テンマを始め、一連の事件を通して、変わっていく展開も見どころの
一つといった印象。
 中心となるのはテンマ、ヨハン・リーベルト、ニナ・フォルトナー(アンナ・リーベルト)の
3人だが、その他にも印象深いキャラが多々。
 あえて触れるなら全編を通じてストーリーに関わってくるハインリッヒ・ルンゲと
エヴァ・ハイネマン。いずれもテンマにとっては障害となるキャラではあるが、その心情たるや
単純なものではなく、ある種の歪みを持ったキャラゆえにいずれもドラマに厚みをもたらして
いる。
 ただルンゲに関してはメタ的にテンマを追う役目を負わされたためであろうが、テンマ犯人
説に囚われている部分はお馬鹿さんな印象で、敏腕刑事という設定にあまり信憑性が
感じられない。
 後半のキーパーソンであるヴォルフガング・グリマーも忘れがたいキャラで、後半においては
第二の主人公的存在でありつつ、ヨハンやニナとは違う形の悲劇の子供の代表格といった
側面も。

 話数としては前の方になるが、展開としてはハンスとカールのシューバルト親子が絡む
ミュンヘン大学の図書館の放火事件までが前半、以後が後半といった感じ。
 この前半は話数が少ない分、サスペンスミステリーものとしてのテンポ感が良い。
 後半はヨハンとニナのルーツ探しの側面もあり、濃厚な印象を持ちつつ、多少のだるさも
あったりする。
 この後半ではヨハンがニナに扮するというトリックがあった。原作を読んでいた時はそれほど
気にならなかったが、アニメのように声がついてしまうとさすがに無理があったかなあ。
 最終的には多くのキャラがドイツの田舎町であるルーエンハイムに集結することになる。
前半のミュンヘン大学もそうだったが、それぞれが違う道を辿りながら、一つの場所に集まって
くる過程はゾクゾクさせてくれる。
 この集約していく展開は凝縮された緊張感とも言うべき魅力を感じるが、スケールが大きく
なってしまった話を畳むために無理矢理押し込んだ感も。

投稿 : 2018/01/28
閲覧 : 420
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5

ネタバレ

ハヤブサ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

大長編ミステリー

全74話完走しました。
これだけの長編ミステリーアニメ化をやりきった事自体、賞賛に値すると思うしそれだけの価値ある作品だと思います。
途中飽きずに観れた要因として、テンマの真っ直ぐな生き方とテンマやその他キャラの成長が描かれていたからだと思います。
どんな逆境の中でも優しく強いテンマが大好きでした。
中盤解り辛いところもありましたが、総じて素晴らしい作品でした‥さすがにもう再視聴する気になる事はないでしょうが‥

投稿 : 2017/12/02
閲覧 : 409
サンキュー:

12

ネタバレ

anime さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

モンスターを追跡する外科医

ドイツで活躍する日本人で天才外科医のドクター・テンマによってかつて命を救われた少年ヨハンが恐ろしい殺人鬼であることが判明。再会とともに殺人の濡れ衣を着せられたテンマはヨハンの追跡を始める。

スリルあふれる逃亡・追跡劇とともに、様々なキャラクターが織りなす人間ドラマが素晴らしく、74話という大長編でも飽きずに見れました。

旧東ドイツの孤児院で行われた洗脳実験という「ありそう感」あふれるところをベースに謎が謎を呼ぶ展開が描かれているところが特によかったんじゃないかと。

ラストについては、個人的には「ヨハンはテンマに撃ち殺されるのかどうか?」よりも「最後の最後にヨハンは何を語るのか?」に注目していたところがあったので、やや不満が残りました。そこに触れずにぼやっと終わってしまったのは残念。

とはいえ、これだけ中身のある大長編を振り返れば、多少ラストが甘いことくらいは問題なしって感じ。続きが気になってしょうがない系で週末をまるっと過ごしたい向きにはピッタリの良作だと思います。

投稿 : 2017/07/08
閲覧 : 335
サンキュー:

0

ネタバレ

uSe さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:今観てる

1度見始めると止まらない

再放送を機に見始め、今60話を過ぎた辺りだが全然飽きない。伏線が多く張られており、謎が解けていく度に声を上げてしまう。またどのキャラクターも非常に魅力的で、ヨハンのカリスマ性には見てるこっちも引き込まれそうになる。
作画も音楽も良く、毎話毎話が楽しみだ。

投稿 : 2017/03/04
閲覧 : 319
サンキュー:

0

ネタバレ

まああ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

面白かった。なかなか良い作品。

投稿 : 2016/04/04
閲覧 : 302
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0

ネタバレ

217 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

一気に見れる作品!

作品のテーマや内容がとても緻密に計算されていてどんどん先が見たくなる。残虐なシーンや辛い場面も多くあったが、その中で懸命に命を救う主人公。見応えがあって面白かった。

投稿 : 2016/01/05
閲覧 : 259
サンキュー:

0

ネタバレ

takashi氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

命を救う者と命を奪う者

原作未読で視聴。ただ自分にとって納得出来る事をした。命を救う事は医者の使命であるが、救った相手が今後凄惨な事件を繰り返す恐ろしい人間だったのである。
非常に良く出来たストーリーで、ラストハラハラしながら衝撃でした。

投稿 : 2015/07/18
閲覧 : 220
サンキュー:

3

ネタバレ

†よっぴ† さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

絵柄も物語も大人向けで、萌え要素など全くないこのアニメですが、ただ一つ、非常に萌えたポイントが。
どの回かは忘れてしまいましたが、{netabare}ルンゲ警部が日本人になりきるために(かどうかは定かではありませんが)日本人の挨拶「どうも」を自室で真似るシーン。{/netabare}
これがわたしの中での唯一のMONSTER萌えポイントでした。
とても可愛かったです。

投稿 : 2015/05/03
閲覧 : 194
サンキュー:

0

ネタバレ

karinchaco さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

重厚なテーマだが飽きは来ない。素晴らしい作品。

浦沢直樹の漫画が原作のアニメ。

舞台は東西冷戦後のドイツやチェコなどの東欧を舞台とした6クール74話で描かれる本格ミステリー作品です。
この作品に内包するテーマは冤罪や医療倫理、ベルリンの壁崩壊前後の混乱や児童虐待、人体実験など多岐にわたります。難しいテーマを扱ってはいるもののシナリオが魅力的なので長丁場でも飽きが来ない素晴らしい作品です。
長いシリーズにありがちな、アバンでおさらいをして冒頭5分以上物語が始まらないという尺稼ぎもないです。

この作品最大の魅力は登場する多彩なキャラクター達です。中には唐突に物語の中に登場する者もいますが、何らかの形で主人公のDrテンマか物語のキーキャラクターのヨハンらと必ずつながっていきます。それがまた別の回の伏線になっていたりして非常に面白い作りになっています。
また、登場人物の多くが中年や高齢者が多いということもあって、あまりアニメでは聞くことのない吹き替えに主軸を置いている声優さんが数多く登場します。
{netabare}私が一番好きなのは、この物語の原因の一人フランツ・ボナパルタ役の野沢那智さん。この劇中でヨハン・ニナ兄妹に対して「人間は何にだってなれるんだよ」というセリフがたくさん出てきますがこの不気味さと言ったらないですね。なかなか物語の中で彼の動きは描かれてはいませんでしたが、終盤ルーエンハイムでホテルのオーナーとしてのうのうと隠遁生活を送っている彼を見つけたときはようやく出てきたかといった感じで見ていましたよ。{/netabare}
また、重厚な声優陣に交じってニナ役の能登さんの演技力もすごいですね。非常に難しい立ち位置の役を見事に演じ切っています。能登さんを知ったのは同時期に放送されていたケロロ軍曹ですが、彼女のファンになったのはこの作品を見て以降です。

この作品は2004年の作品ですが、1クール中心。せいぜい2クールが精いっぱいの現代の深夜アニメではこのクオリティの作品は登場しないでしょう。ジョジョ3部も分割4クールですしね。

投稿 : 2015/03/31
閲覧 : 281
サンキュー:

17

ネタバレ

もじゃくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

すごい早かったw

確か70話くらいあるけど、観だしたら止まらないアニメ。最近よくあるアイドル声優さんやアイドル的人気なキャラクターはこの作品にはいません。また女性の美しさや可愛さエロティックもほぼ皆無。男なんてオッサンばかりでカッコよさも無い。だけどキャラクターの魅力に引き込まれるのは何故だろう?やっぱりストーリーが良いから全部良く思えるのかな。登場人物は結構多いけど、それだけストーリーもあって全然ネタ不足な感じがせず、尻切れ的に終わるようなこともなくどっしりと最終話まで飽きもせず満足しながら見続けられた。最終話はその後どうなるんだ?と気になる終わらせ方して想像に任せる的な感じだったけど、まあ全般的に良かったね。ほんと、あにこれβの順位と自己評価は全然違うね。と改めて思った。余談だけど、この作品に出てくる料理で「若鶏のマレンゴ風」というものが出るけど、あまりにも美味しそうだったのでレシピ探して自分で作って食べました。食べるシーンがよく出るけどどの料理も美味しそうだった。これもストーリーに吸い込まれていたから美味しく思えたのかな?

投稿 : 2014/07/03
閲覧 : 308
サンキュー:

0

ネタバレ

ちんとんしゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

monsterとは..

ずーっと前に友達から原作を途中までかりてて、最後まできちんとみてなくってきになってました。本当に前だったけど、マンガ読んだ部分は大まかなあらすじやキャラもよく覚えていて、自分でも印象深かったんだなーと感じました。monster...とても強烈で、濃いお話で、そこが本作の魅力だと思います。キャラクター(とくにメインでない方々が)人間臭くて、ちょっっとくせはあるけどずっとみていくうちに愛着がわいてくるというか。とっても長いけど、人物描写もとても丁寧で、それぞれの生き様みたいなのが伝わって来る感じ。だから、無駄な回とかはなかったんだと思う。終盤まではとっても楽しめたし、とてもこわかった。でも、ただ最後まで見たらとてもあっけなくて、この物語が何を伝えたかったのか私はなんとなくわからなくなってしまった。…周りがとっても人間っぽいのに、メインの2人、とくにヨハンは全く人物像がわからない。途中からずっとヨハンをおっているから、間接的にはヨハンのイメージは与えられるけど、直接的な描写はほとんどなくって、ぽっかり穴があいたようになんの印象も残らなくって。最後もあっけないし、あんなにひどいことしたのに、怖いとか憎いとかより「なんだこのひと。。。」という感じ。なんでああなったのか、全然わからない。ほんとに穴があいたようになんも印象がのこらないキャラ…名前をもたないって、そういうことなのかな??テンマもあまりにストイックで万能で、いい人で精神力強すぎて人間味ありそうだけど感じられない、、ヨハンとは対極だけど、とっても似ているのかも??ヨハンもテンマだけは終わりの世界みえるってゆってたし。。むつかしーな。
でも私はニナが一番怖いっておもった。なんか、最後までみたらヨハンよりも彼女がかえってこわい。そして劇中で彼女が悲鳴をあげたり、倒れたりするのも怖かった…なんか、呼び起こしてはいけないものが頭をもたげているようで。
ストーリーは特に核心にせまるほどはっきりしなくて(あるいは私が理解しきれなくてかもだけど…)、私としてはなんであんな凄惨な事件がおこったり、なんでこんなことになったのかしっくりこないことも多いけど、この作品は人間を描くことにすごく頑張っているなって思った。人間を深く描き出す事で直接はとらえられないmonsterを描こうとしているのかも。。自分でも何が言いたいのかよくわからなくなってきたね。

投稿 : 2013/12/26
閲覧 : 287
サンキュー:

9

ネタバレ

yoh123 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

面白いが長い、集中力が続かないかも?

鏡に映った虚像が怪物の姿を映しとり、怪物は自分を始末する
基本コンセプトはシンプルに子供と愛情
でも人はいつも其れを忘れる
そういう話

愛だの友情だのを解決者然として安っぽく持ち出すフィクション程酷いものはない
此の世にそんな都合の良い魔法は存在しないし、肝心な所を其の非現実性に逃げながら描かれた物語は酷い出来である事が殆どだ
MONSTERは其の僅かな例外か、安っぽくないかのどちらかなのかも知れない

怪物は苦界を彷徨し似た手触りの円環を幾つも作っては壊していく
あれでもない此れでもないと世界を食い散らしながら彷徨い、残骸と食い残しからはやがて芽が生える

人の覚悟や想いは、其れが当初どれ程のものであれ、必ず錆付き腐って落ちる
意志や意欲や意図は波の様に寄せては返しを繰り返しながら遠退いていく

ヨハンの中にはニナが、ニナの中にはヨハンがいる
かつてニナに芽生えた怪物をヨハンは一緒に食べた
二人が混ざれば、少なくとも怪物は世界に一人ではなくなる

ニナが薔薇の屋敷行きに選ばれたのはヨハンの所為ではないし、ヨハンが511孤児院行きに選ばれたのはニナの所為ではない
双方の事情に違いがあるとするなら、ヨハンの怪物が解き放たれた時、ニナの怪物は鎮められていた事だけ
双方に共通する事は、最早耐えられず二人の手を離してしまった哀れな母が昔いたという事くらいだ

そしてニナはヨハンに怪物を見て、赦す事すら思いつかず怪物を撃つ
怪物のいない世界をニナは手に入れる
「全部アンナのもの」此れはそういう意味だろう

報われない話としか言い様がないが、物語が此れで終わらなかった事からMONSTERという物語は始まる
作中ヨハンの事件は様々に起こるのだが基本的に上記を同類形に反復する
無論、状況や事情はそれぞれに異なるが

個人的に混乱したのは2つ
1つ目は、ヨハンの中に折り重なっていた絵本は2~3では無い事
時を経る毎に大量の絵本を取り払っていき、其の度に方向性を変えるという事
恐らく最後に重なっていたのがニナ

吸血鬼の家でニナの方にその原型の描写がある
赤い薔薇の屋敷で折り重なる死体の様に、双子のスケッチがばら撒かれていて、かつてと同じ様にその間際に立ち、ニナの語りがぶれ始めヨハンとの境界が滲むシーンだ
雨の描写で二度書きしながら怪物が泣いており、ヨハンも其処で最後の重なりを解いた事が解る
其の下にあったのが、母の込めた憎しみか、名前に込めた祈りだったのかは解らない

2つ目は、怪物に食われた者と、怪物に食われる事を望む信者とがおり、双方は全く違うという事
食われた者は別ものになる、ニナ、テンマなど(将軍も?)
信者の方は自分の思い描く怪物を頂き、その影響を勝手に追従して破滅していく、こちらは例を挙げればキリが無い

原作者は、読者の中にも後者の如く展開に大きな破滅の様なものを期待する人間のいる事を、解しながら描いたとしか思えない、そんな節すらある

なお、前者の原型は双子の母がポッペの怪物を食った事かも知れない

教育や矯正は人の性質全てを覆う事など到底出来ない
当たり前の話だが、いつも人は其れを忘れる
御大層な誰かの円環を頭上に頂き、其れに成った積りで自分も円環をどこぞの誰かに授けたり、方法論を論ったり…
いつの時代の人間も、あれも此れも何もかも~すべきだと喚くのだ

其の輪廻の途切れない事を最後のシーンで見た気がした
勿論、私の方も勝手にそう思ったという話だが

因みに、EDをフジコ・ヘミングが歌ってたりする^^

投稿 : 2013/09/21
閲覧 : 275
サンキュー:

3

ネタバレ

jbg さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

いい出来です

原作途中投げ出した人でもアニメなら最後まで見れるかもという出来上がりです。

良いアニメは音響が良く、このアニメもしかり。そして、数多あるアニメのOPのなかでこのOP曲は全74話で変えられることがなくそれでいて最後まで新鮮さを保てるほど質が良い。

ストーリーは角が立ちそうな内容にもかかわらず、巧みなプロットと脇役の子供の登場によりまるくなっている。

時間に余裕があり、たっぷりとサスペンスアニメを堪能したい人にはお勧めです。

投稿 : 2013/08/18
閲覧 : 207
サンキュー:

3

ネタバレ

Mr.D さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

謎が謎を呼ぶとはこのことか

その日、死ぬはずだった1人の少年の命を救ったことで、それまで順風満帆だった男の人生は狂い始めた・・・。

小さい頃に見てあまりの不気味さに見るのが怖くて途中でを辞めたいと思いながらも、ストーリーの面白さに怖いけど見てしまっていた自分がいました。OPやEDもなんともいえない不気味さがあり物語の世界観に惹き込まれました。

物語の内容は、ベルリンの壁崩壊当時の複雑な政治内情も絡み合ったストーリーになっているようですが、そんなこと全然知らない私でも十分楽しめました。登場人物のほとんどが何かしらの関係があり、色々な場面で物語が繋がっていく事に感動しました。悲しい物語の中に、ほんの少しの希望。

暗い話しや、怖い話しが苦手な方にはおすすめ出来ませんが、ほのぼの系が好きな私でもつい見入ってしまうほどのストーリー展開なので是非怖いもの見たさで見てみるのもいいと思います。

全74話という長編にも関わらず最後まで飽きる事なく、常にドキドキした気持で見れました。ミステリーの最高傑作と言っても過言ではないと思います。

投稿 : 2013/08/06
閲覧 : 221
サンキュー:

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リンゴあめ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

助けるだけでは終わらない

スコープから覗くヨハンの顔は忘れないぐらいゾッとした。「名前のない怪物」物語はストーリーにマッチしていて良かった。観ていない人は是非ご覧あれ!!数日の余韻あり作品個人的には面白かったかな

投稿 : 2013/07/27
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レスザンゼロ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これぞ浦沢直樹!

今では考えられない話数(完結まで)だったり、インストのテーマ曲だったりと、日テレのアニメは一味違うぞと思わせた作品です。
話は映画『逃亡者』風で始まり、中~終盤にかけてはまさに「浦沢ワ-ルド」。
木内さんと磯部さん、ルンゲ警部、フジコ・ヘミングウェイでそれぞれ加点。

投稿 : 2013/07/05
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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

ベルリン壁崩壊前後のドイツが作りだした怪物の話。エリート脳外科医が怪物を倒そうと追いかける事で連続猟奇殺人の犯人として追われる身に。
全74話と長いだけあって、心理描写など丁寧に描かれていると思う。話としては興味深い内容で、15話あたりからは面白かった。天馬が出てこない部分は特に良かったと思う。

1話~14話 部分ストーリー評価 3点
大筋の事件に巻き込まれていく原因になる4話目あたりからの天馬の行動が不自然すぎて、話に気持がついていけなかった。不可解で共感できない行動の結果、殺人犯と疑われる証拠を残してしまう。天馬の印象は人柄が良くいい医者だがあまりにも浅はかで無謀。大事件の中では、まるでとってつけたストーリーテラーの様だ。大筋は1話目から先が読めるありがちなもの。良く言えば、随所わかりやすく作られている。見所はストーリーが進む中で関わる人間模様か。

15話~39話 4.5点
ニナが再登場し話が進み始め18話目から本格的にサスペンスらしくハラハラドキドキの展開。ヨハンの暗躍ぶりが徐々に表面化し真の姿に迫っていく。
天馬の行動は相変わらず理解に苦しむ。目標達成の為に、つかまることは出来ないわけだから慎重に行動するものじゃない?指名手配されてるのに本名名乗るし指紋ベタベタ残すし、捕まえてというような場所で怪物狙うし。

40話~ 4点
511キンダーハイムMONSTERを作り出す施設、関わった人物とMONSTERの核心にせまっていくのだが、話しを引き伸ばしたいのかと思うようなスローテンポの部分もあった。

ラストシーン。その終わり方はないだろー・・・・・・。極悪人が鉄格子もない部屋で療養?幾ら意識がなくてもそんなに甘いもの?
最後まで見て天馬の印象は変わらない。何しにきたの?最初ひっかかったところを天馬の気持ちにもっと寄り添って見てみようと見直してみたが受けた印象は変わらず、更に、ご都合主義な事件の起き方や進行など余計に気になる点が出てきてしまって、見なおさなければ良かった。面白いしよく出来ているけどもう一度見たいとは思わない。

投稿 : 2013/06/01
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ねころん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイトルなし

以前に1話見て面白くないと思って切ってしまったんですけど、時間ができたので続き見始めたらはまってしまいました。
海外ドラマみてるみたいに見ごたえあります。
こういうアニメもっと見たいです。

投稿 : 2013/04/13
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1

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hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これぞ超大作。好き嫌いはあれど、この作品の完成度は見過ごせない。

全74話の大作。ミステリー&サスペンスアニメ。
「人の命は平等か?」というテーマを常に提示しつつ、舞台であるドイツとチェコスロバキアを中心にチェコスロバキア秘密警察を絡めての政治工作と止まらない殺人事件の真相を描いている。
始まりはベルリンの壁崩壊前に行われていた東ドイツの人格改造実験まで遡り、その結果として生まれた一人の怪物、ヨハンとそのヨハンを追う天才外科医Dr.テンマの物語。

この作品、初めの40話は確実にアニメ史に残るであろう至高の完成度に達している。
無関係に見えた数々の殺人事件が見事に繋がることで隙間無く伏線を回収していく。テンポ、伏線の張り方、次回への持って行き方、新しいキャラを登場させ、死なせるタイミング。これらの要素が完璧なまでに洗練されている。
物語の進め方という点では同時期に放送されていた攻殻機動隊Stand Alone Complexをも凌駕するだろう。

だが、40話以降その歯車が少しずつ廻らなくなる。新キャラクターの登場のさせ方が雑になっていくのだ。
次から次にヨハンやベルリンの壁崩壊前に何が行われていたのかについて知っている人物が登場してくる。

一つの可能性や事件からヨハンという人物像を探って行く40話までの展開がここで終わる。

話が話なだけにこうなるのは仕方がないのだが、事件の全貌を知っている人物がいきなり登場してしまうと、今まで主人公が必死に調べて来た苦労はなんだったんだ?と思わずにはいられない。
いや、まぁ事件を調べたから全貌を知る人物の存在も知ることができるんだろう。だが、向こう側から接触してきた日には「何だこりゃ」と思ってしまう。

そしてこの作品がもっとも面白く無くなるのは大量の回想シーンが登場する60話以降だ。ヨハンの妹であるニナ・リーベルトの失われた記憶を取り戻そうとするのだが、ここの回想シーンが多過ぎる。しかも、ニナ役の能登さんが頑張り過ぎててニナの苦しむ場面や発狂する場面毎に私は見ていて気分が悪くなる始末。
もうちょっとマイルドにことを運べなかったのか。

他にも主人公とヨハンのライバル関係が成立しているため74話を使っても終わり方がだいたい予想できてしまう点や記憶という曖昧なものを頼りに真相を追っている部分がある為最後まで釈然としないものが残る点で終盤は面白みに欠ける。

だが、それらの悪い点全てを考慮してもおつりが来るぐらいに洗練された作品と言えよう。
74話という話数を使うとこれほどまでに複雑かつ魅力的な作品を制作できるのかと感心せずにはいられない。

投稿 : 2013/01/29
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無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「善悪」とは何か?そんな答えようのない問いが作中ではいくつも見受けられた。これだけ人間関係をいじくりまわした作品も稀有だろう。

全74話で構成される長編アニメーションの傑作。
深夜枠でよく74話もやり見事に完結させたな、というのが率直な感想です。
常に先の展開が気になってしまうのがミステリー作品の強みだよね。
気がつけば1日で40話も観てしまったw
今まで1日で40話もアニメを観たことなんてありません。
全74話を2日で視聴を終えました。
そこまで奇をてらった無茶な展開もなく全体的に丁寧です。
自然な流れで話を膨らませていく構成はさすが。

物語の概要は将来を約束された若き天才医師、天馬賢三、
彼の元に双子の兄妹が運びこまれたところから全ては始まるのです。
院長の娘エヴァというフィアンセもおり順風満帆かに思われた彼の人生ですが、
双子の兄ヨハンを助けたことにより歯車が狂ってしまいます。
ヨハンはかなりの重症で助けられるのはテンマくらいでした、
しかしタイミングの悪いことに院長を支援してくれてる市長が運びこまれてきて
院長はヨハンではなく市長のほうの手術を執刀するように命じるのです。
しかしテンマは命令を無視しヨハンを救ってしまう…
彼が「怪物」だとも知らずに…

ヨハンはこの物語の核心の部分を担っており、
全編にわたって物語最大の「敵」として存在してます。
すべてを失ったテンマは自身が生き返らせてしまった「悪魔」を
今度は自らの手で殺すためにヨハンの動向を追うことになるのです。
10話くらいでヨハンの幼少のころの話しとかあって、
結構な核心の部分に近づいてるように思えたのですが
実際は全然でしたね、しょせん全74話のうちの10話でした。
ここからが長いのです。

中盤まではヨハンもほとんど登場せず謎の存在として描写されていますが、
中盤くらいからヨハンの行動を
その時ヨハンと接触していた他のキャラクターの視点から観る事ができます。

どこでどうやったかは知りませんがヨハンには多くの支援者が存在してました。
崇拝にちかいかたちで信者でしたね、ヨハンは人心掌握の術を知っています。
端正な顔立ち、やわらかい物腰、あふれんばかりの知性…
彼はどれをとっても完璧でした、
正直私は彼を「怪物」と恐れる人の気持ちをわかりますし、
「指導者」だと崇拝する人の気持ちもわかります。
ヨハンには妙な安心感をおぼえるんですよ、これがカリスマ性というやつでしょうか。

この作品はヨハンを倒すというよりはヨハンのことを知っていくというのがメイン。
最初のころは彼がなぜ無感情に人を殺してまわっているのか、
皆目検討もつきませんが物語が進むうちに徐々にそれらは紐解かれていきます。
最後のほうではヨハンが可哀想に思えてきたなぁ、
彼のしてきたことを考えれば絶対に哀れむべきじゃないんだろうけど。

今回の事件を一言で表現するならば
ヨハンが妹のアンナを大切に想うあまりに発生してしまったことにも思える。
ヨハン…彼は本当に「怪物」だったのだろうか?

主人公のテンマとは別に物語中では複数の人物をメインに据えたお話があります。
テンマ、ニナ、ルンゲ…テンマは主人公ですが他の二人も主人公クラスの登場人物です。
他にも主人公っぽい活躍をするキャラはいますが
序盤から終始物語に関わっているという意味ではこの三人になるでしょう。

テンマはヨハンが殺した殺人事件で犯人にされてしまい指名手配されます。
エリート街道まっしぐらだった彼の転落が一番最初の山場。
メスを握っていた彼の手には銃が握られヨハンを追います…
最初のほうの印象とは違ってどんどん逞しくなっていくキャラ…
と言えば聞こえはいいですがヨハンを殺すことにとらわれてしまった彼もある意味、
ヨハンと同じ「怪物」に近づいていたのかもしれません。
しかし結局テンマはヨハンを殺すことができませんでした。
彼は人です、医者なのです。
テンマにできること…それは救ってあげることだけでした。

ニナはヨハンの妹アンナです。
彼女もまたヨハンを殺すためにテンマとは別行動でヨハンを追います。
ニナはヨハンの妹ですからテンマとは違った楽しみかたができました。
彼女には忘れてしまっていますがヨハンと過ごした記憶があります、
ヨハンを追うと同時にそれらの記憶を取り戻していくのが
ニアのお話のメインになっています。

ルンゲは連邦捜査官というエリートですがテンマと関わったばかりに彼の人生も転落します。
テンマが言うヨハンを彼の妄想だと一蹴しヨハンとはテンマの別人格だと
的外れな推理を展開しテンマを追い詰めていく人物。
ヨハンとは違った意味で宿敵といえる存在かもしれません。
彼がヨハンの存在を認識したとき物語は多方面から動き始めます。
個人的にルンゲはある意味ヨハン以上に狂気じみているというか、
テンマに固執しすぎていて怖かったです。
お前がやったんだ…
お前が殺した…
ヨハンとはお前のことだろ。
そんなふうにテンマを苦しめたルンゲが
終盤でようやく自身の非を認め謝罪する姿は感慨深いものがあります。

ミステリー作品としてワクワクするのはもちろん感動します。
作中でいくつも感動できるお話があるんですよ。
テンマが旅を続ける中で多くの出会いがあり別れがありました。
孤独なテンマが人に優しくされている…それだけで泣けてきます…
どこまでいっても人は人でしかない…怪物なんかじゃないんです…
テンマのだす答えとは…

テンマはヨハンを追ううえで射撃訓練を受けました、ニナも同様です。
しかし二人とも作中で誰一人とて殺しませんでした。
自分自身では覚悟がきまってたはずなのに
お互いがお互いで罪人にならないように声を掛け合っていたのです。
「ニナ撃つな!」「テンマ撃たないで!」
僕がやるから君は撃つな…
私がやるからあなたは撃たないで…
自分の名前を呼んでくれる人がいるから二人は人を殺さずにこれたのかもしれません。

ヨハンはどうだったのかな…
自身の存在を知っているものすべてを殺してまわり、
彼が存在した事実をなくそうとしていました…
彼には名前がありません…ヨハンですらないのです…
彼に名前をつけたのは誰…
モンスターという名前をつけたのは誰…
彼をモンスターにしたのは誰…
「なまえのないかいぶつ」にしたのは……

【A82点】

投稿 : 2013/01/21
閲覧 : 312
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4

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seannyboy さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

絶対人生の見方変わるよ!

リアリティに忠実で、ホリウッド級のミステリー・ストーリーに、強い心を持つ主人公の冒険で人間の本質をさらす、アクションが以外とある超お勧めアニメです。

実際にあってもおかしくないアニメで、ヨーロッパを舞台とした物語です。主人公の天馬は世界有数の脳外科医であり、病院の院長の娘と婚約までしていて、誰からも慕われる天才医師です。ストーリーは昔助けた少年の陰謀に翻弄され、結果、天馬が旅に出るお話です。僕は何よりも、この天才医師のキャラに魅せられました。ストーリーの流れで彼は周囲から通常では考えられないほどの圧力、軽蔑、などを受けながらも、自分の信念に忠実に従う強さを持っています。当時の身分差別の多い社会をハイライトしたり、人間の本質をよく物語った作品です。アクションも、リアルに拳銃やライフルを使ったもので、結構おもしろいですよ。

投稿 : 2013/01/17
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5

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たんたんたぬき さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

浦沢マジック

浦沢直樹の一番の魅力と言えば、数話完結の小話みたいのが一番面白い気がする。脇の人間のドラマが面白い。この作品は全体の話がかなりスローな始まり方で始まる。元ネタの逃亡者のスタイルをとってるから多分進まないんだと思う。徐々に見えてくるヨハンの像。これを数話完結の話を組み合わせる事で進めていく。本筋からはかなり薄い物語が多い。でも面白い。マスターキートンで培った数話完結の話作りが綺麗に出ている。ここに大きな話しの伏線をぶち込んでいく。こういった作品のスタイルは小説ではありがちだが、漫画アニメではやりにくい。初期に読者が飽きてしまうから。それを数話完結のドラマで見事に補ってそこに全体の話しの伏線を張っている。ストーリーテイラーといてヒット作品を作るだけの事はある。浦沢直樹の話作りは退屈させない。人間ドラマがあまり好きじゃない人はそれほど高い評価にならないかもしれないけど。前半の数話完結の人間ドラマがかなり面白い。

ただそれらは特に優秀な部分を上げただけで、賛否両論の部分の面白さはやはりこの先どうなる?の期待の持たせる浦沢マジックこそ本当の売りだとは思う。ただこれは20世紀少年もそうだけど、どうも期待をインフレさせすぎていつも期待バブルがはじけて終る感じが強い。しかし20世紀少年は漫画だけど、比較としてそのはじけたがあまり無いモンスターが必然的に高く評価できる。この浦沢マジックと似たものとしてアニメオリジナルで言えばエヴァンゲリオンが一番適当だともう。スタートの期待は何が始まるんだ?のワクワク感で一杯。ただ20世紀少年よりはそれなりに面白くまとまってると思う。

何故終りがやや微妙だったかと言うと、始まりはサスペンス的娯楽作品として始まったけど、終わりはヨハンと言う悪を描くテーマ性の様なものを出てきたから。神の対極と悪魔がいて、そういった抽象的な悪をえがかなくいけなくなってそれが究極と言う定義をもつものだから、どうしても不満が出るんだと思う。結局ヨハンと言うのは底が見えない故の怖さこそが売りであって、その底がどういうものであるか?を描く事は文学としては重要でも娯楽としては蛇足だと言う事になる。一番分かりやすい例がガンダムのニュータイプだと思う。浦沢自身は満足してるようだが、富野監督はあんなの期待だけ持たせるだけの小道具だったと白状している。思わせぶりなキーワードこそが目的であり、ヨハンもそうやって与えられたキーマンだっただけだったと言う事になる。前半と後半でヨハンの与えられた役目が変わってしまったと言う事かと。

浦沢の描く良心的な主人公はいつも惹かれる物がある。不思議と鼻に付く善人臭さが無い。全体的に暗い流れが続く話しの中で天馬は癒しを与えてくれるような気持ちになる。全くストーリー展開派違うけど、どこか夏目友人帳と良く似た部分がある。

投稿 : 2012/10/02
閲覧 : 361
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おにあに007 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

オリジナルストーリーではないけど…

ベースは、海外TVドラマの「逃亡者」でヒッチコックなどの有名「サイコサスペンス」のシーンを上手くミックスしたストーリー。
オリジナル性は、感じられないけど面白い作品に仕上げている。
映画好きは、このシーンはあの映画…なんてツッコミを入れて観るとかなり楽しめる。
アニメファンより、映画ファンにオススメのアニメだ。

「教育」=「洗脳」なんて深い意味も含まれている。
現実にありそう(ある)で怖い…かも?
でも、何があっても自分を見失わず前向きに生きる。
そんなメッセージが最後に残る作品…。

投稿 : 2012/09/04
閲覧 : 240
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MONSTERのストーリー・あらすじ

1986年、西ドイツ・デュッセルドルフのアイスラー記念病院に、頭部を銃で撃たれた重傷の少年が搬送されてくる。天才的な手術の腕を持つ日本人外科医・ Dr.テンマは、院長の命令を無視してまでオペを担当しその少年の命を救う。「死」を生む悪魔と「生」を生む医者が出逢ったことで、陰惨な物語の歯車がごとりと廻り始める。
東側の世界では西ドイツ社会を混沌の世界に突き落とすという異常な策謀が進行していた。チェコスロバキア秘密警察のフランツ・ボナパルタらは、子供たちを次々に西側諸国へ送る戦闘要員として教育していく。その過程でヨハンという怪物が生まれた…。
数年後の1995年、テンマと数年ぶりに遭遇したヨハンは確実に巨大な怪物に成長していた。テンマの患者ユンケルスを目の前で何の躊躇もなく射殺するヨハン。自分の中で何かが弾けたテンマは、ヨハンを追いかける。
果たして、テンマはヨハンの殺戮を食い止めることが出来るのか…。ヨハンを衝き動かす『なまえのないかいぶつ』という絵本は何なのか…。ヨハンは何故殺戮を繰り返すのか…。物語はベルリンの壁崩壊後のドイツとチェコを舞台に展開されていく。(TVアニメ動画『MONSTER』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2004年春アニメ
制作会社
マッドハウス
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/MONSTER
主題歌
≪ED≫フジ子・ヘミング『Make it Home』

声優・キャラクター

木内秀信、能登麻美子、小山茉美、磯部勉、佐々木望

スタッフ

原作:浦沢直樹(小学館・ビックコミックス刊)、 監督:小島正幸、企画:大澤雅彦/大島満/久保雅一、プロデューサー:中谷敏夫/田村学/油井卓也/丸山正雄、キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる、キャラクター原案:高坂希太郎、シリーズ構成:浦畑達彦、アニメーションプロデューサー:吉本聡、音楽:蓜島邦明

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