DEIMOS さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
GONZOの代表的大人向けアニメ。
初期GONZOの大人向けアニメ路線を確立した名作。
のつもりだったが、改めて見ると、退屈の一言に尽きる。
何よりストーリー展開が単調。運送業を営む飛空挺パイロットの少年少女が戦争に巻き込まれて戦争が終わるまでを描いた話なのだが、彼らの行動原理が十分に描かれないため、淡々と戦争が進行しているものを傍観しているような気になる。キャラクターの個性も平凡。主人公も戦争の中においては第三者に過ぎず、目立った活躍があるわけでもなく(作中ではあると主張しているが無いと考えるのが妥当)、感情移入なく、作り物の世界の出来事をただ呆然と眺めている感覚を得る。
世界観は、近代ヨーロッパ風。銀英伝に近い。この手の設定は珍しくない。
絵作りは、初期GONZOのアクのない造形とCGをフル活用した飛空挺アクションが見もの。途中、キャラクターのバトルシーンなど作画面で盛り上がるところもある。
本作の成功の後、GONZOは、巌窟王、ロミオとジュリエットなど、一連の大人向けアニメを作ることになるのだが、個人的には、ピークは上場前後の巌窟王あたりだと思う。本作では、ストーリーがより分かりやすく、絵作りもさらに洗練されて奇抜になっている。その後、瀬戸の花嫁あたりから迷走が始まり、近年はグロス受けの業務が増え、劇場作の制作からも撤退している。寂しい限りだ。