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「Witch Hunter ROBIN-ウィッチハンター・ロビン(TVアニメ動画)」

総合得点
66.1
感想・評価
206
棚に入れた
1310
ランキング
3023
★★★★☆ 3.6 (206)
物語
3.6
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.6

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Witch Hunter ROBIN-ウィッチハンター・ロビンの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

シボ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

序盤は・・・だけどいつしか引き込まれるように面白くなりました。

一見普通の人間として社会に紛れている
不思議な能力を持つ、持ってしまった現代の魔女。
人類の敵を狩るウイッチハンターと呼ばれる組織SNT。

その組織の日本支部SNT-Jに派遣されてきた凄腕ウイッチハンター
15歳の少女ロビンの物語です。

序盤はこの作品の舞台や世界観が良くわからないまま
そもそもウイッチとはどういう存在なのか
ウイッチハンターのロビンや組織の仲間達の活躍を通して
描いていきます。

様々な能力を持ったウイッチによる犯罪を解決していく展開は
基本1話で完結なんで観やすいんですけど
若干暗くて重い空気感なので少々退屈する場面もあります。
もしかしたらここで脱落してしまう人もいるかなと・・。

それでも中盤以降にウイッチの悲しい運命に組織の陰謀などが
絡んで話が繋がってくるあたりから俄然面白くなっていきます。


{netabare}
狩る者と狩られる者との境界は曖昧で
見た目だけではどちらが正義か判別できないウイッチを追っていく展開は終始薄暗い感じで映画ブレードランナーを思い出しました。
(と思ってたら鶴の折り紙置いてくまんまじゃんってシーンが
ありましたww)

能力を悪用する者を取り締まるってのは必要だとは思うのですが
得体のしれないものを恐れるのが人であり
それは歴史上の魔女狩りからずっと変わらないんですよね。

次第に居場所のなくなるウイッチ達は迫害される様々な人達と
重なります。

ハントする側だったロビンがいつの間に追われる立場となり
追い込まれていく終盤。
特にロビンが何故に驚異的な能力を持っているのか
が次第に明らかになっていく展開は引き込まれました。
{/netabare}

癖のあるキャラが多かった本作、
ヒロインのロビンは独特な髪型や雰囲気で印象に残ります。
15歳っぽいあどけなさも持ってて、助けてあげたくなるような
可愛い娘でした。
対するパートナーの亜門はクールすぎてイマイチ掴みづらいキャラ。
自分は私立探偵の凪羅のおっさんのほうが好きだったかも。

OP 「Shell」 / 葉菜
この作品のカッコ良い世界観にあったロックな楽曲で
良かったです。

あにこれのレビュアーさんのお勧めで
手に取った2024年より20年以上も前の作品です。
最近dアニメに登録されたのをきっかけに観ることが出来ました。
ロボものではないサンライズにこんなのもあるんですね。
個性的で後半尻上がりに面白くなっていく良作でした。

投稿 : 2024/04/12
閲覧 : 79
サンキュー:

12

ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

原罪の「種」

村瀬修功監督作品、サンライズ制作。

当時のサンライズはガンダムSEEDの話題ばかり、
私は地味ながらもこちらが好きでした。

魔女狩りをモチーフにした世界観と、
ゴシック調の衣服、美術、黒魔術、
ケルト文字やルーン文字など、
魔女(ウィッチ)の犯罪に立ち向かう、
ハンター達の活躍を描くサイキック推理活劇。

古来より反社会的な超常能力を持つウィッチ、
そして世界を影ながら守ってきたソロモン。
日本支部(STNJ)に15歳の少女ロビンが、
派遣されてくる所から物語は始まる。
{netabare}ロビンは発火能力を持つクラフト使いで、
前半はSTNJの活躍、中盤以降はソロモンの謎と、
ロビンの出生の秘密が語られます。{/netabare}

ウィッチ、異能、覚醒した力、
力に溺れる心を見逃すことは出来ない、
その血脈が人類の原罪となるか希望となるか、
正義の所在が問われるのだろう。

魔女×サイコパス、ぜひ楽しんで頂きたい。

投稿 : 2022/08/08
閲覧 : 1194
サンキュー:

34

ネタバレ

祇園 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

ウィッチが人間と同じように、神に選ばれた者たちだったとしても?

評価高めだったので視聴。

完全に雰囲気アニメ。
キャラの行動理由が曖昧で滅茶苦茶。
キャラが物語の中で生きているのではなく、
物語の都合上キャラが人形のように動いているようにしか見えない。

投稿 : 2022/06/27
閲覧 : 197
サンキュー:

1

ネタバレ

にゃわん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

個々のキャラがいい味をだしてる

ストーリー性はいいが、同じ話題を先延ばして26話までに
する必要があったのかと言いたい
22〜24で間に合った…最終話はハッピーエンドなんだろうが
イマイチパッとしないので何が起きたのかあの5秒くらいで
理解しろとは難しい
ロビンの相棒、アモンはすごくいいキャラなのに
声優の棒読みでキャラを生かしきれてない気がする
性格的には合う声なんだろうけど所々滑舌が悪く
何度も数秒前に戻って聞き返した。
スパイや裏切りなどあったがいい感じに
味方でいてくれたので主人公の味方チームすき
結局、ロビンが嫌われていた理由が魔女の子供だから
ウィッチが産んだ子供=能力持ちで生まれたため
実の祖父に殺されかけたが生きらせた。
あの話6話くらい続く必要はないと思った
音楽はとてもいい!

投稿 : 2021/10/15
閲覧 : 284
サンキュー:

1

種馬 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

話も絵も洒落ていて面白い作品です。

リアルタイムて観てました。当時観ていた中では印象深い作品です。
今回バンダイチャンネルで一話を再視聴できたのでレビューします。
音楽と絵のタッチから来る雰囲気がいいんですよね。
総合的な演出が面白く、最近の作品にはない味がありますね。
基本一話完結ですが、話自体も最後まで飽きずにみれます。
見返すと当時のゲーム、パラサイト・イブみたいな雰囲気がありますね。音楽とか特に。
今風な中でいうと、ちょっと無理矢理ですが、サイコパスなんかがちょっと近いかもしれませんね。

うけつけない人はすぐ切るでしょうが、気にいる人にはかなりツボる作品だと思います。BANDAIチャンネルで1話無料でしたので、気になる人は是非。

投稿 : 2021/05/03
閲覧 : 286
サンキュー:

1

ネタバレ

lll1 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 2.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

村瀬修功は合わない、それは分かっていた筈だった。

 タイトルの通り。村瀬修功の『Ergo Proxy』は合わなかったのに、何故かかれの初監督作である『Witch Hunter ROBIN』を見た。そして、やはり合わなかった。Wikipediaによると、かれはテレビアニメ監督作は『GANGSTA.』を含め、三作品らしい。幸運にも私は全て観ている。そして全て駄目だった。
 久々の感想であるのに、新年一発目でもあつのに、実に酷い出だしの感想だ。

 『Witch Hunter ROBIN』についてだが、実に古臭く時代に取り残された作品という印象だった。ビバップやlainのように10年後、20年後などまるで見据えていない。キャラクターもストーリーもまるで駄目だった。

 面倒なのでネタバレでのみ本作の感想を書く事にする。
{netabare}
 第一話。「わたしたちはウィッチを殺さず、生きたまま捕まえる。人道的でしょ」というセリフがある。当時、これは通用したのだろうか。何処からどう考えても「あとで、非人道的なことをしてるやつではないか」と察しがつくもの。あきらかに怪しいやつらも出て来るし。
 
 一話でとっくに察しがついているのに、本作はそれを最終話目前で、「衝撃の出来事!!」のように明かす。遅すぎる、いくらなんでも遅すぎる。退屈だった前半の一話完結といい、なんだこれは。「非人道的な実験」をしているのはせめて中盤ぐらいでやってほしい。

 悪役もいまいちだった。悪役を出す上で大切なことは、いかに魅力が有るかだと思う。悪役が魅力的な作品はきまって、人気作になる。本作の悪役に魅力はあるだろうか、いや残念なことに、ほんの少しもない。

 そしてキャラクターについてだが、まぁ造形が古い。当時の頃は知らないが、再放送でちょっと観た『HERO』ととても被る。いまでは良くある刑事ものみたいな、新奇性の全くないもの。これでは、未来には通用しない。

 あと音楽も最低だった。主題歌は良かったと思う。音楽によって、何か効果的に表現できないのであれば、使わなくてもいい。音楽をほとんど、それか全く使用しない傑作はいくらでもある。アニメは少ないとは思うが。
 音楽そのものがノベルゲームのような質なのに、使用頻度がまぁ高い。同じ曲を何度も。これはしんどい。
{/netabare}
 
 短いが、これで終わる。

 最終評価は 3 / 10点です。

投稿 : 2021/01/17
閲覧 : 410
サンキュー:

0

ネタバレ

tinzei さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

亜門以外は10代ってのは無理ないか?(特に烏丸)

特殊な能力を使うウィッチと呼ばれる魔女の末裔が存在する世界、ウィッチを監視・抹殺する組織であるソロモンはハンターと呼ばれるウィッチからなる実働部隊STNを設立しウィッチたちを捕獲していた、ソロモンはSTNの日本支部STNJに追加要員として火を操るハンター、ロビンを送り込む。


主人公ロビンがSTNJの仲間と共にウィッチたちを狩り、自分の出生に関わる陰謀に巻き込まれていく。
前半と後半で話が分かれる。
前半はSTNJの仲間と共に様々なウィッチを狩る。
後半は仲間たちと別れソロモンの襲撃や財前の野望と戦う。

正直言って話が難しい、ウィッチやらシードやら専門用語がたくさん出てくるし後半(メイン)の話の進みが早すぎる、しかも人間純血主義だったりウィッチに対する個人的憎しみだったり話自体もまあまあ重い、本当に「ザ・大人向け」って感じ。


ストーリーはそれなりに面白かった、前半のいろんなウィッチとの戦いも良かったし、後半のオルボの正体や財前の目的も面白かった。
唯一不満を言うなら死体や惨殺シーンを明確に描いてないとこかな、別に戦闘での怪我とか死に方までリアルにしろとは言わないけど、せめてカプセルに入ってる死体(?)ぐらいは明確に描いてくれ、髪の毛ちらつかせて終わりっていうのはちょっと・・・・・・まあこの作品の見どころは中身だから良いんだけどさ、伝わり方をもうちょいリアルにして欲しかった。


声は微妙、さすがに素人(俳優専門)な人はいないけど、あまり名前を知られてない人の方が多い。


終盤瞳子は出てこなかったけど、財前の言われた通りどっか行っちゃったのかな?最後狂った財前を瞳子が殺すオチだと思ってたんだけどなぁ・・・・・



1→主人公がstnjへ来る
2→同僚を呪い殺した男、チャペルで決着
3→蜂でウィッチの生気を吸い取り長生きしたウィッチ
4→過去の公園での切り裂き事件、絵を描く女
5→消息を絶ったウィッチ探し、金木犀の匂いと人の不安を煽る能力
6→傘を貸してくれた人が死ぬ、人形を操るウィッチ
7→強盗事件の容疑者が死ぬ、物を動かす子供と犯人のおじさん
8→悪人の命を奪い子供たちに与える医者のウィッチ
9→ロビンと似た能力で姉の仇を討つウィッチ
10→マスターの息子がウィッチで張り込みで店の店員になる
11→組織に追われていた人間が突然ウィッチになる、謎の老婆
12→11で出会った老婆に会い、ウィッチの話を聞く
13→異端審問官が来る、物を潰すウィッチを審問
14→ロビンが襲われる、瞳子が巻き込まれ重傷
15→stnj襲撃、メンバー拘束、ロビンはアモンに助けられる、ロビン逃走
16→メンバーは無事、ロビンは法律事務所に、堂島とロビンが会う
17→シードの子供を預かる、堂島の頼みで烏丸たちの仕事を手伝う
18→凪羅が教授と呼ばれるウィッチに捕まる、ロビン教授を倒す
19→知識の欠片を夫婦に聞く、夫婦と親しくなるが連れていかれる
20→ソロモン本部のハンターがロビンを狙う
21→次のハンターが狙う、ロビンが倒す
22→次のハンターが来るがファクトリーが捕獲、亜門の痕跡で藤堂にいきつく
23→亜門の過去明らかに、亜門とロビン和解、サカキがファクトリに襲われる
24→烏丸以外のメンバー集結、調査開始、研究者を奪還するが流れ弾で死ぬ
25→ジュリアーノが来てロビンの正体を明かす、ファクトリー潜入
26→オルボの正体が分かる、財前を追い詰め藤堂がロビンを作った意味を知る

投稿 : 2019/06/27
閲覧 : 385
サンキュー:

1

塩谷ナオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 3.0 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.0 状態:途中で断念した

タイトルなし

<3話で断念しました>

投稿 : 2018/08/18
閲覧 : 503
サンキュー:

0

ASKA さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:今観てる

1話視聴。とりあえず魔女というよりは特殊能力者の犯罪者を捕まえる警察もの?

1話視聴しました。サンライズ制作で2002年放送ということで16年前なんですね。1話見た限りではなんだか海外のドラマみたいです。(舞台設定は日本ですけどね。)あとウィッチ=特殊能力者、特殊能力で犯罪を犯すものということでいいのかな。それを捕まえる組織がSTNJということで、主人公が派遣されてきたということです。

1話は主人公というよりもSTNJの日常というかメンバーの紹介回だったのかな?日常も見せつつウィッチハンターの様子も描いていました。

投稿 : 2018/06/27
閲覧 : 465
サンキュー:

6

藤乃 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

Witch Hunter ROBIN

中世の魔女狩りをモチーフに、近未来の日本で繰り広げられるウィッチと人間の戦いを描く超能力サスペンス。
作画は丁寧ですし、キャラクターは皆ミステリアスで魅力的。
OP・EDの渋いハスキーボイスと漂う哀愁が、ハードボイルドな作風にぴったりです。

前半は一話完結のオムニバス形式で、暗い雰囲気のまま淡々と物語が進みます。
一話一話のクオリティは高いのですが、戦闘シーンも地味ですし、スローテンポのため少し冗長的にも感じます。
中盤に事態が大きく動いて物語の核心に迫っていき、ぐっと面白さが増しますが、結末は若干物足りなさが残りました。
ディープで重いテーマを常に問いている、哀愁を帯びた大人向けアニメです。

投稿 : 2018/02/11
閲覧 : 437
サンキュー:

7

ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

狩る者と狩られる者

舞台は近未来の日本。国際機関「ソロモン」に属するウィッチハンターとウィッチの対立、犯罪捜査、組織内の陰謀を描くサスペンスドラマ。SFに加えオカルトものの側面もある一風変わった作品です。

全26話。前半15話までは1話完結の色が強く、後半16話からは概ね続きものという構成。

本作における"※1ウィッチ"とは、パイロキネシスやテレキネシス、サイコメトリーといった特殊な能力を操る、いわゆる超能力者の事。体制側に組みするウィッチである"ウィッチハンター"達は犯罪者を追う猟犬の如く、もとい刑事よろしく、反社会的存在と見なされたウィッチを次々と探し出し狩っていきます。

超能力者(ウィッチハンター)対超能力者(ウィッチ)という図式だと、何となくバトルものを想像される方もいるかも知れませんが、徒党を組むウィッチハンターに対して、ウィッチは常にと言って良い程孤独ですので劣勢は必至、捕り物としてはあっさりと片が付いてしまう展開が多くなっています。

また、ハンター達が携帯している"※2オルボ"という液体の威力も彼等の優位性を高め、狩るものと狩られるもののパワーバランスを不動のものとしてしまってい感があります。オルボには※3ウィッチ能力を弱体化ないしは無力化する効果があるのです。

いずれも反社会的存在となり得る可能性を秘めているという点で、ウィッチとウィッチハンターの関係は、後に製作されたアニメ「PSYCHO-PASS」における潜在犯と執行官の関係に類似しますが、両作における管理者に相当するもの、ソロモンとシビュラの違いに目を向けると、前者が目に見える力を、後者が目に見えない力を脅威の対象としている点で異なる事が分かります。

権力者が力そのものを危険視し、それの所持を制限する法を定める事が体制の維持に有益である事は、古来からある刀狩や現代における銃刀法などを見ればなんとなしに分かりますが、それでは"力"とは具体的に一体何を指すものなのでしょう?

銃や刀剣等の武器の類は既に上で触れたので除くとして、それ以外のものを羅列してみると、知能、美貌、体躯、知識、金、人脈、社会的地位、モノに視点を移すと、(ネット接続した)PC、自動車、といったところでしょうか。

人の情動さえも管理の対象としてしまうのが「PSYCHO-PASS」のシビュラですが、本作のソロモンはそれを含まず、あくまでも上に挙げたものの延長上にある力を監視、管理する程度に権力の行使を留めている点で、ファンタジーながら一定のリアリティを感じさせます。(現代の倫理観から大きく外れてはいないという意味で。時代設定は2056年との事)

力が、例えばわたしの目の前にあるPCや、より古典的な技術で作られた自動車でさえ、人の心を増長させる危険があるという証拠は、その辺を見渡せばそこかしこに転がっているもので、特に探さずとも容易に見つけられます。ネット上でなければ、しょっちゅう暴言吐いて回ってる人とか滅多にいませんし、徒歩でベル(クラクション)鳴らして怒りを露にする人だって、まずいませんものね(笑)

力そのものが人の心を歪める可能性があるのだとしたら、本作における、生来の超能力を持った"ウィッチ"は、わたし達(非超能力者)以上に堕落しやすい存在とも言え、ソロモンによる彼等の監視、管理は、正当か否かは別として、犯罪やテロ抑制の手段として、合理的と言わざるを得ない気もします。ですが、それでは、そのソロモンに管理された"力"は一体どこへ行くのでしょう?

ある者は飼いならされ、ある者は消され、またある者は……。権力者が被支配者層に対して冷酷である様に、ヒトがそれ以外の生物に対して残酷である様に、ウィッチの力を掌握するソロモンもまた、その業の報いを受け、必然の結果として、堕落する宿命を負う事になるのです。

本作のテーマの一つである「正義の所在」を問う、後半にかけての目まぐるしく流転する展開に注目されたし!

※1~3
{netabare}
※1:ウィッチ(Witch)って日本語でも"魔女"って訳される事が多く、女性名詞扱いになっていますが、元々は男女双方を指す言葉だったりします。なので作中における使い方は本来の意味に忠実。

※2:ハンター達が首から下げているシリンダー型のペンダントトップに充填された、きらきらと輝く緑色の液体。オルボを身に付けていると自身のウィッチ能力をも無力化してしまうので、任務遂行に役立つ能力の持ち主であるロビンだけは、これに頼らず自身の力を用いて任務に当たる。製造方法はSTNJ(ソロモン日本支部)内でも極秘となっている。

※3:本作において、"ウィッチ能力"は生まれ持っての力"魔法"であるのに対し、"クラフト"は知識や技術によってその運用を円滑にする"魔術"に近い意味を持つ。そんななので後者は英単語のwitchcraftとほぼ同義。
{/netabare}
キャラについて、登場人物の殆どが腹に一物抱えている様な人たちなので(汗)ストレートな感情表現とは縁遠く、謎めいた印象を漂わせます。表情、口調の端々、その立ち居振る舞いからおぼろげに心情が汲み取れる様になっています。丁寧な作画の成せる業ですね。こういった奥ゆかしい表現はキャラの魅力を大いに引き立てます。
{netabare}
ツンデレだとかシャイだとか言ったら身も蓋もないんですが(笑)特に亜門とマイケルの行動や表情からそれとなく読み取れるロビンへの愛情表現はとても心地良く感じられました。元ネタは多分、海外ドラマ「※4NIKITA1997」に出てくるマイケルとバーコフ、って知ってる人多分少ないですね(汗)

※4:スパイ活動や暗殺などを秘密裏に行なう対テロ組織「セクション・ワン」に所属するエージェント達の活躍を描く実写ドラマ。アクションの他に尋問シーンや人間ドラマにも重きが置かれたハードな作風。拷問担当のマデリーンが超コワイ(汗)
{/netabare}
物憂げな表情やゴシック調のロングドレスを身に纏った奇抜な外見とは裏腹に、人との関係を一生懸命模索するロビンの、たどたどしくも真摯な姿勢にも心打たれます。以前ちらっと見た時にはロビンって不思議ちゃんのイメージが強めだったんですが、改めて全編通して視聴してみると印象が大きく変わりました。びみょーに違う気もしますが、多分彼女は萌えキャラと呼ばれるものです(笑)

名前の後に続く、敬称および接尾語のあれこれも、友情らしきものはあるけれども友人未満の、キャラ間の微妙な距離感を表している様で、とてもスマートな表現になっていたと思います。※2ちゃん、君、さん、様、氏とか(笑)

音楽について、OP「Shell」ED「half pain」は、けだるい感じのジャズ風味。葉菜さんのハスキーボイスが渋い! 作中BGMは自己主張は控えめの、視聴者を無闇に煽る様な事はしない上品な映画音楽という趣きで、両者とも作風にぴったりです。

この作品の翌年に放映されていた「キノの旅(無印)」と、今放映している「キノの旅 -the Beautiful World-」のOPなんかを聴き比べると歴然としていますが、この当時の深夜アニメは、音楽面に限った事ではありませんが、視聴者に媚びる所が少なくて、作品そのものを非常に大事にしている事が伺えます。

総評として、SFや刑事物としてのシナリオの緻密さにはやや欠けるものの、サスペンスとしての十分な牽引力、クールな表情に隠された熱い想いが交錯する重厚なドラマ、ロビンの成長物語としての魅力、それらが見事なバランスでまとまった、落ち着きのある大人向けアニメと評価する事が出来るのではないでしょうか?

たとえ体制側に付く身だとしても、ひと度イレギュラーのレッテルを貼られてしまえば、瞬く間に狩る者から狩られる者へと転じてしまう、そんな人間社会の危うさを、中世の魔女狩りになぞらえて暗喩的に描き出す物語。

狩る者としての宿命に抗うロビンの、亜門の、ウィッチハンター達の葛藤と優しさ、括目してご覧下さい。

投稿 : 2018/01/18
閲覧 : 689
サンキュー:

25

askima さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ミステリアスなダークファンダジー

異能力者=witch
witchを狩るもの=hunter
hunterではない異能力者=witch

世は異能力者が存在する世界。
主人公であるRobinはhunterで不思議な子。
間の抜けてる感じもするし、しっかりしてる気もするし、脆い感じもするし、強いところもある。

Robinの成長を見守るのがことアニメのポイントかな。

サンライズはロボとかヒーロー系のイメージが強いけど、こんな感じのミステリアスなのも行けるんだな、と思わせてくれた作品。

意外と予測通りの展開になってしまったのはマイナスポイントだし、最終話も強引さを感じたし粗探しをすれば結構出てきてしまうけど、そんなつまんない見方はしなければいいのであって。

偏にRobinを見守りたくなるか否かで最後まで視聴するか決めればいい、主人公依存型のアニメだね。
私は最後まで見守れましたよ。

投稿 : 2017/03/12
閲覧 : 236
サンキュー:

3

らん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ロビンがかわいい

ロビン(主人公)がかわいいアニメ。
ロビンがかわいいだけで全話見れた。

OPの曲とロビン(かわいい)がマッチしてすばらしかった。

投稿 : 2016/08/18
閲覧 : 398
サンキュー:

2

もってぃ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

タイトルなし

2話まで視聴

投稿 : 2016/05/12
閲覧 : 256
サンキュー:

0

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

個人的には非常に好みな空気感です

 リアル寄りなキャラクターデザイン、突出したキャラクターも存在しない非常に地味な作品です。

 しかし、淡々とストーリが進むさまは海外ドラマのようで、アメリカ(もしくはイギリス?)で連続ドラマ化してほしいとも個人的には思っています。※アメリカにおけるNOIRの実写ドラマ制作が、事実上中止となってしまったので是非!

 似ているわけではないでのすが、攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEXシリーズを地味にしたような感じの空気感を持つ作品です。

 あと、渡辺明乃さんの囁くような演技が最高です。

投稿 : 2016/04/26
閲覧 : 357
サンキュー:

7

双真 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

★★★★★☆

おもしろかった!

投稿 : 2016/04/15
閲覧 : 230
サンキュー:

0

ちょっとななめ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

見応えあり

全体的に絵が暗い。内容もそんなに明るいものではないけど。
幻想でもフィクションでもどの世界でも、理想があって矛盾もあってゾッとするようなその世界での解決法もあって。。。現実と同じ。
面白かったけど、最後はその直前の会話と噛み合わない気がした。
続編あれば、観たい。

投稿 : 2016/02/26
閲覧 : 211
サンキュー:

2

ネタバレ

樹奈 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

なんというか…

主人公ロビンの初戦闘ではちょっと期待を持ったけどあっさり戦闘終了で
物足りなかった感がかなりあった。


その後の主人公の活躍もあまり見られず、
序盤で断念…。

見る人によっては面白く感じると思うので
自身の目でたしかめてみては?

投稿 : 2016/01/05
閲覧 : 221
サンキュー:

0

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:----

異端者

キャラのタッチと
作中の潰滅的音楽から醸し出される雰囲気は上質っ!
ロビンは...特に昨今の...萌えねらいの絵柄では表現できありませーん・・・っ!!ゼロゼロゼロ・・・っ!!可愛さがありますっ・・・!し...!
クラフト使い・・・というあたりジョジョの奇妙な冒険のスタンド使いを連想してしまったのは私だけでは...皆無っ・・・・・・!はず...!個人ナイス個人の能力の個性化がもっと図られていればもっと堪らない作品になっていたと矜持ませーん・・・っ!ゼロゼロゼロ・・・っ!っ・・・・!それでもこの世の中、馬鹿な真似ほど… 狂気の沙汰ほど面白い…!作品の評価を...最高にしているのは上で上げた作中の雰囲気ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!がそれをねじ曲げたら…なにがなにやらわからない…を補って余りあるからですっ・・・!っ・・・・!
クラフト...!ウィッチという定義が曖昧な感じがしたのが少し圧倒的・・・!圧倒的不満っ・・・・・!がかなり楽しめた作品でしたっ・・・・!さりげなくお笑いポイントも圧倒的点在している作品ですっ・・・!...!
ナイス笑い所ではゼロゼロゼロっ..ありませ~~んっ...の…基本も基本…大原則だっ…!うが賭博黙示録の冒頭で亜門にナイスハントされたウィッチ...!ウィッチ能力をナイス発言させたときのあの表情で爆笑してしまいましたっ・・・・!スラムダンクの「いっ」っ・・・・・!かゲヘへヘヘヘ・・・・アリウープを仕掛けるような
エンディングもなかなか余韻の残るぐにゃ~だったと矜持たのだっ・・・・・!...!潰滅的終盤どこか駆け足の...ように見えたナイス作品でしたが深夜のいたずらに時間だけが流れていく…!帯に放送されるアニメ圧倒的・・・!圧倒的作品としては良作の部類に入ると矜持ませーん・・・っ!

投稿 : 2015/12/22
閲覧 : 234

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ロビン

ワンピースではない


現代版"魔女狩り"をコンセプトとした能力バトルアニメです。
主人公は炎使い!噛ませじゃない!
絵の作りも暗めで、登場人物のテンションも暗い、とにかく始終暗い作品です。
私が本作で特に印象に残ってるのは、6話の人形使いの回と8話の命の交換を行える能力者の回です。

雰囲気が暗いのもそれはそのはず、村瀬修功監督作品です。
「Ergo Proxy」や「GANGSTA.」の監督なんかをやってますね。
何気にサンライズアニメということで、工藤昌史さん、西田亜沙子さん、恩田尚之さんなど有名な方々が参加してて作画も良かったと思います。

渡辺明乃さんですね!大人の女性って感じが出てました!
まぁロビンは15歳なんですけどね・・・

OPもEDも三重野瞳さん作詞、鈴木Daichi秀行さん作曲、歌は葉菜さんです。
OP「Shell」は曲の進行がほんとかっこよくてたまに聞きたくなります。
"調布FM 2014真夏のアニソン特番"でも流れていますね。

基本的には能力バトルアニメのオムニバス形式を踏襲しています。
瀬名ロビンがメインで活躍する訳ですが、ビジュアルはいかにも外国人ですね。
セクシー系ですよね、眼鏡掛けた姿とかもお洒落。
でもあの変な髪飾りはなんなのでしょう。


静かですが燃えるアニメです。
結構マイナーなのかな?

投稿 : 2015/11/24
閲覧 : 255
サンキュー:

5

ネタバレ

Lovin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

観た感じ

■概要{netabare}
 原案:矢立肇、村瀬修功

 監督:村瀬修功
 キャラクタデザイン:高橋久美子
 制作:サンライズ
 話数:2クール全26話

 OP:「Shell」
   by 葉菜(Bana)

 ED:「half pain」
   by 葉菜(Bana)
{/netabare}
■感想
 DVDを視聴。WitchをHuntする話。

 15歳の少女のロビンと、その少女が関わる組織の人間関係が描かれる。

 まず私にはボキャブラリーが無い。なので「クラフト」と言われて真っ先に思い出すのがチーズなのだが、この作品で言う「クラフト」とは炎のことだ。ウィッチクラフトワークスを観たので「クラフト」と言う単語に違和感は持たなかったが、そんなレベルの視聴者が書くレビューだと言うことをご了承頂きたい。

 15歳の少女である主人公のロビンが何故このような仰々しい組織に属しているのか、その事実は終盤で明らかになるが、フランケンシュタインを連想させる髪型にデザインされた理由は明らかにならない。その彼女が所属する組織「STN」とは、人間が所持するべきではない特殊な能力を持つ「ウィッチ」が起こす事件を扱う。

 前半はSTNJ(STNの日本支部)の仕事振りを中心に描かれる。刑事ドラマのような展開だが西部警察のように事件解決後にコニャックで乾杯、と言うようにスッキリすることは無く後味の悪さが残る。毎回ではないが、事件解決後にSTNJのメンバーが訪れる、HEROで言うところのマスターが「あるよ」と言うバーのような店もある。この作品のバーのマスターはおねぇだが。

 後半はある事件をきっかけにロビンの立ち位置がハント「する」側からハント「される」側に追いやられてしまう。その結果、ロビンの活動拠点もSTNJからアンダーグラウンドに変わる。そしてその発端の事件に登場する老婆を巡り男達が血で血を洗う抗争を繰り広げる(正確には老婆の残したものであるが)。また、ウィッチに関する研究者が残した記録を目にしたロビンが、自分自身の生い立ちについて追求していく。

 作風は終始ハードボイルド。キャラクタデザインもリアリティを追及したもので、不必要に瞳が大き過ぎたりしない。カウボーイビバップのEDのようなブルースのOPとEDも作風には凄く合っている。Wikipediaにもあるが、サンライズの代名詞ともいえる有人型ロボットは一切登場しない。

 そんな作品なのでツッコミどころを探したりしないで観ていたが、第10話のバーのカウンターでロビンが氷を砕くシーンで冷や汗をかいて我に返った。そしてSTNJの同僚に日本語がおかしいと指摘されるシーン、指摘する本人の関西弁もおかしい。GA的にはあれは関西弁ではなく中部弁なのかもしれないが。

 書きたいことはまだまだあるのだが、普段なら観ない系統の話でもこれ以上ネタバレすると、もし「今から観たい」と考える方にとっては作品が面白くなくなる。多少ミステリアスな部分を残したほうが、この作品は面白いと感じられると思う。ハードボイルドと、後味の悪さを残す話が好きな方にはお奨めしたい。

■蛇足{netabare}
 「ロビン」を英訳すると「ROBIN」と言う綴りになるのだが、

 私のHNである「Lovin」も「ろびん」と読ませることになっている。

 しかし普通「Lovin」と書くと「らびん」と読まれてしまう。

 ラジオで投書を読まれたときも「らびん」と読まれた。

 でも実は元ネタがあり、それを知る人も最近は少ないだろう。
{/netabare}

投稿 : 2015/09/08
閲覧 : 423
サンキュー:

24

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

隠れた傑作

 2002年にテレビ東京で放映されたものの、映像が地味なせいかあまり評判にならず、低い知名度に甘んじている作品だが、『FLAG』や『ライドバック』などと並ぶ隠れた傑作として高く評価したい。
 この作品で取り上げられるのは、中世ヨーロッパの魔女狩りを思わせる超能力者に対する排斥活動。作中でウィッチと呼ばれる超能力者は、犯罪性向の高い危険な存在として、STN(ウィッチと対抗し得る超能力者を擁する組織)の専従班による捕縛・抹殺が進められている。物語は、STNの日本支部に、失われた超能力者の交代要員として、パイロキネシス(発火能力)を有するロビンが着任するところから始まる。
 魔法使いとは異なるリアルなキャラとしての超能力者は、進化論と遺伝学の知見が普及する20世紀になって生まれたSFの華である。超能力者をフィーチャーした最初期の作品であるステープルドン『オッド・ジョン』(1935;SFファンなら必ず読んでおくべき傑作)で早くも社会から異端視される姿が描かれ、新人類・スランに対する弾圧を描いたヴァン・ヴォークト『スラン』 (1946;今読むと悲しいほど時代を感じさせる)が人気を呼んだことから、「超能力者の排斥」はSFの定番テーマとなった。日本では、竹宮恵子『地球へ…』、萩尾望都『スターレッド』など、漫画に傑作が多い。『Witch Hunter ROBIN』もこの系譜に属する作品だが、『スラン』以降の諸作に目立つ表面的な派手さを追い求めず、排斥がどのように行われるかを淡々と描き出す点に特徴がある。
 前半(~第15話)では、ロビンを含む対ウィッチ専従班によるウィッチハントのエピソードが1話完結スタイルで紹介されていくが、何を考えているかわからない寡黙なリーダー・亜門をはじめ、事なかれ主義の署長や遅刻サボリの常習者であるギャルなど、特殊犯罪の撲滅を目指すチームとは思えない覇気のなさが目立つ。しかし、エピソードを重ねるにつれて、登場人物の多くに何か裏があることが少しずつ示され、さらに、魔女狩りの歴史に触れたエピソードを経て、第15話「Time to say Goodbye」で話の流れが一変する。視点がハントする側からハントされる側へと変わり、それとともに、STNという組織自体が抱える内部矛盾と、ウィッチハントを巡るさまざまな謀略が明らかになってくる。前半は、後半に備えて伏線を張り巡らす準備段階にも見えるが、それだけでなく、日常的な光景をきちんと描き込むことによって作品世界の奥深さを際だたせ、後半のテーマを明確にする役割がある。この部分で作者(監督の村瀬修功と考えて差し支えない)の意図を正しく読み取れなければ、ミステリアスな雰囲気だけのアニメと誤解し、最終回で明かされる真相を肩すかしだと憤る結果になるだろう。
 『Witch Hunter ROBIN』最大の魅力は、ヒロイン・ロビンのキャラにある。イタリアの修道院で育てられたハーフという設定で、強大な能力を持つにもかかわらず、生真面目でストイック。世間ずれしていない故のささやかなミスも可愛い(私は、第25話でソバを配るエピソードが好き)。ふだんは足下まである黒のロングコートというゴシック風ファッションを身につけているが、邪魔にならないように縛った髪をほどくと、驚くほどあどけない少女の顔立ちになる。夜、全裸で寝る姿は、妙に色っぽい(裸で寝る風習は欧米では珍しくなく、ネグリジェのような虚飾をまとわないという意味もあって、彼女が修道院育ちであることを思い出させる)。後半では、ロフトに敷かれた寝具以外には剥き出しのバスタブと便器しかないガランとした部屋で生活するが、彼女の禁欲的な精神世界を反映しているようで、愛しい。
 ロビンの持つ超能力が、炎を操り全てを焼き尽くすパイロキネシスだという点も重要である。超能力者をメインに据えたアニメは数多くあるものの、私が優れた作品と評価するのは、本作と『DARKER THAN BLACK』くらいで、それ以外(盛り込みすぎの設定が上滑りした『スクライド』『ギルティクラウン』、人物描写にリアリティがない『とある魔術の禁書目録』『新世界より』など)は、あまり高く買わない。このジャンルに優れたアニメが少ないのは、小説や漫画のように地の文で超能力の実態を説明できず、激しい爆発や光の明滅といった視覚効果が優先されて、人間と超能力の関わりに深く踏み込めないためではないかと想像するのだが、その点、パイロキネシスは、何が起きるかイメージしやすく、小説・漫画よりもむしろアニメの方が迫力を出せるので、ストーリー展開を阻害しないというメリットがある。さらに、炎が宗教的な浄化作用を思わせることもあって、ストイックなロビンに相応しい能力である。本作における超能力者同士のバトルが、しばしばあっけないほど一方的になるのも、超能力が何を象徴するかを考えれば、きわめて当然と言える結果である。
 …ところで、ロビンが15歳というのはともかく、烏丸の19歳は冗談ですよね?

投稿 : 2015/06/27
閲覧 : 546
サンキュー:

6

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

人種差別と重いテーマ

ソロモンと呼ばれる組織が「ウィッチ」たちから人々を守ってきた
ウィッチとは反社会的な超常能力者である
日本でも犯罪を行うウィッチが増加
これに対しソロモンの日本支部であるSTNJは
「オルボ」と呼ばれる薬剤を用いてウィッチを
無力化・捕獲する戦術で捕獲していた
そんな中、発火能力を持ったクラフト(能力)使いロビンは
チームの一員としてウィッチ狩りにをしていく


~感想~
キャラに暗く影を落とす部分があったのに好感が持てました
それらには自分がウィッチであるということが根源にあると思います
堂島・マイケルに関しては別の理由でしたが…
亜門は能力の発現を嫌悪していたのに対して
榊は能力の発現を求めていたのが
ウィッチであっても考えることはまったく違うんだと面白く感じました
ちなみに私はマイケルが一番好きでした

全体の雰囲気が暗いのにどこかほのぼのしています
日本ではなく海外のゆっくりした時間の流れを感じた気がします

キャラクター・雰囲気・設定どれも好みですが
ストーリーにうまく入り込めず面白さがあまり感じられませんでした

サンライズ・能力という単語に惹かれて観たアニメでした

投稿 : 2015/04/15
閲覧 : 444
サンキュー:

10

ネタバレ

uppo さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

悪魔の子となるか希望となるか・・・

とりあえずキャストに世代の波を感じました。
たった13年でこうも変わるかと。
13年後はどうなってるやら。

完全に大人向けアニメですね。
エピソードの奥にあるテーマを考えながら見ないと何も面白くないです。
そういう意味で色んなテーマをぶち込んでくるこの作品は忘れる事のない作品になったと思います。


OP、EDはどっちもこの作品に哀愁漂ってる感じとか合っていると思います。
どっちもオススメです。

前半は1話完結。
で大体テーマが組み込まれてると思います。
にしても毎回後味の悪さは常軌を逸してたような気がする。(褒め言葉)
以下ネタバレ。

{netabare}
前半は主人公ロビンが狩る側、後半からは狩られる側に・・・。
前半で特に印象に残ったのは7,8話です。
7話は子供のウィッチが不遇過ぎてきつかったですね。
子供が大人へとなる為の「環境」があまりにも・・・。
それ故にかなり子供ながらぶっ飛んだ子になっちゃってましたよね。
銀行から盗んだ金を自分の金と言い、子供なら人殺そうがすぐ許されると思っちゃってるし、殺す事に罪悪感が微塵もない・・・。
もっと愛のある環境であればと思うと切なくなります。
この子もオルゴの材料になってるかと思うと余計にね。

8話はたまにあるテーマかな。
黒澤の能力は命を奪い、他の命を救うというもの。
それを運命と呼んでいた。
正直わからないでもないです。
急にそんな能力が芽生えたら使い方としては「そうするしかない」だろう。
ただ、罪のある命は簡単に切り捨てればいい。
罪のある人間でも生まれた時から悪ではない訳で少しでもそいつの人間ドラマに触れられないのかなと思うのが正直な所。
人間は感情で生きる生き物だから見方が変わる事があるかもしれません。
何だかんだ言って答えが出せないです、このテーマは。
ただ黒澤達の誰かを救いたいという想いが生かされた子供達に受け継がれている事を願うだけです。
そして「君は従うのか?自分の運命に・・・。」というロビンに投げかけた黒澤の言葉は終盤にロビンに返ってくる言葉だと思います。
こんな感じでたった一言ながら重みのある言葉が散らばってるのがこの作品の魅力の一つであると思います。

大きなテーマとして「純血」という存在がある。
ウィッチと人間の共存する世界、財前が考えたウィッチを排除した世界。
どっちが良いなんてのは正直わからない。
ただ、前者はロビンのような存在が必要なのだろう。
どっちが上だの下だの関係無くお互い歩みよれればいいんだけどね・・・。
最後はロビンと亜門で世直しの旅にでも出たと考えればいいのかな?
{/netabare}

投稿 : 2015/04/09
閲覧 : 346
サンキュー:

6

ネタバレ

mvus さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

追う側と追われる側が逆転する。

最初はいまいちかなーと思ってみていたけれど
中盤から引き込まれました。

追う側と追われる側が逆転する。
相手が敵か味方か分からない。
疑念と信頼をいったりきたりする心理描写がよかった。

亜門さんが味方と分かった時の安堵感…
いや分かってたけどね。
亜門さんが敵だったら救われないよこの話。

投稿 : 2014/10/12
閲覧 : 273
サンキュー:

2

ネタバレ

移リ木うらら さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 3.0 作画 : 2.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

海外のTVドラマっぽいアニメ

最初から最後までドラマっぽい話でした。

特に印象的な場面もないのですが……。
見終わってああ、そういう話だったのか。という感想。
とても綺麗な終わり方に胸きゅんしました。

前半は1話完結。
後半は徐々に内容が明かされていく作りになっています。

OPもEDも全体的に一貫した雰囲気があっでそこも良かったです。

可もなく不可もなくといった感じですね。
ロビンのキャラデザとあと、キャラクター性がもう少し魅力的であれば好きになれたかな……と思います。

こういう雰囲気を楽しみたいなら海外ドラマ探せば良いかなと個人的には思いました。

投稿 : 2014/04/16
閲覧 : 398
サンキュー:

1

ネタバレ

takekaiju さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

深いテーマのある超能力アニメ

中世の魔女狩りをモチーフに、現代日本で繰り広げられるウィッチと人間の事件を描くサンライズの超能力アニメ。

{netabare}
物語は中盤を境に大きく変化していく。
前半は、ウィッチを中心に犯罪が起き、ロビンをはじめSTNJのハンターたちがウィッチたちを狩っていく。後半からは、STNJの本体であるソロモンとソロモンに追われるロビン、STNJメンバー、対ウィッチ薬であるオルボを使い普通の人間によるウィッチ狩りを画する財前の複雑に関係が入り組んだ組織劇が始まる。対立図や動機がはっきりしないまま進展していくので、よく理解できないシーンも多数存在した。
{/netabare}

超能力をテーマの一つにしているが、本作品の主題は違うところにあると思う。人間種の尊厳を守るためにウィッチ根絶に腐心する財前は、「いき過ぎた種の純潔思想」(最後まで財前の動機はわからなかったが)。ロビンの誕生の謎からは、「遺伝子操作の有無」。ウィッチやクラフトといった超能力の存在からは、「種の共存」。非常にディープで重たいテーマが主題になっている。

そうしたテーマや魔女狩りというモチーフからもはっきりしているが、作品を通して暗いイメージが強い。夜の街中や屋内の描写が多く、昼間であってもうらぶれた裏通りや曇天模様が多い。

もう一つ面白いことに登場する人物はほとんどが日本人という設定であるにもかかわらず顔立ちは日本人っぽくない。というか日本語の看板や地名などがなければ、どこかヨーロッパを想定しそうなくらい欧米人の顔立ちをしている。女性キャラの目が大きくないところからも一般受けはしないだろう。

作画は放送当時としては普通なレベル。
OPは衝撃的なほどにかっこいい!!タイアップではないアニソンでこんなにかっこいい曲はそうそうないと思う。

投稿 : 2014/01/15
閲覧 : 416
サンキュー:

5

未来堂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

すごくすきです

かなり昔に見た作品で内容までは覚えてないんですが
雰囲気などがものすごく好きでいまだにタイトル等は覚えていた作品です。
結構おきにいり!!

投稿 : 2013/10/21
閲覧 : 230
サンキュー:

0

YU---KI さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

なかなかww

面白かったです!!
独特の世界観でした。

内容的には見やすいものとなっていると思います。

最終的にどうなったのかは
想像にお任せしますという感じでしたが・・・

私は好きですねww

是非!!

投稿 : 2013/05/31
閲覧 : 245
サンキュー:

0

kanata445 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良作です

全体を通して地味ではありますが、
刑事物の連続ドラマのような趣があって私好みでした

キャラに多くを語らせず、
あっさりしつつも余韻を持たせた話の締め方がシブいです

投稿 : 2013/05/01
閲覧 : 779
サンキュー:

2

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Witch Hunter ROBIN-ウィッチハンター・ロビンのストーリー・あらすじ

数千年もの間、ソロモンと呼ばれる組織が「ウィッチ」たち("witch"とは本来魔女のことだが、本作品では反社会的な超常能力者を指す)から人々を守ってきた。近年、日本でも能力を使って犯罪を行うウィッチが増加、これに対しソロモンの日本支部であるSTNJは、「オルボ」と呼ばれる薬剤を用いてウィッチを無力化・捕獲する戦術で、彼らと拮抗した戦いを演じていたが、主力メンバーの一人が謎の死を遂げ、戦力不足に陥る。代替要員としてソロモンから送られてきたのは、発火能力を持ったクラフト使いである、15歳の少女ロビン。彼女はチームの一員としてウィッチ狩りに力を発揮し始めるが……。(TVアニメ動画『Witch Hunter ROBIN-ウィッチハンター・ロビン』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2002年夏アニメ
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/Witch_Hunter_ROBIN

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