nyaro さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ガイナ×シャフトの美少女萌え系微エロ戦闘メイドSF感動もの。
なんとガイナックスとシャフトの共同制作でした。で、監督が 山賀博之氏です。見ていた頃は制作会社とか全く気にしてなかったです。今知ると、なるほどなあ、という感じです。多分、2006,7年ころに見たと思います。当時としてもちょっと古い雰囲気はありました。
2001年制作ということでガイナックスはエヴァの劇場公開の熱が冷めた時期かと思います。シャフトも知名度の高い作品はほとんどなく、両社の唯一のメジャー?なアニメだったんですね。
原作は既読です。なお、1期はほぼ原作準拠ですが、2期はエンディングが違います。とはいっても流れはほぼ一緒です。肌色が結構でてきますが、コミックスよりはマイルドです。手元に原作がないので最後のどこが違うかははっきりとは覚えていません。
プラグスーツ的な戦闘美少女がメイドをやるというエヴァが意味的に解体されて、エロ要素が露骨になってアキバ的なゲーム萌えのような時代という感じでしょうか。自分でも何言ってるかわかりません。エロゲ的なキャラデザも当時のアニメの特徴だったと思います。
当時のオタクスノビズム的な引用、つまり宇宙戦艦ヤマト的な「まほろ停止まであと○○日」とか、「マジンガーZ」のジェットスクランダーや「バビル2世」のロデムモドキなどが出て来たり、セルフパロディで「来週もサービスサービス」もありました。
そういう雰囲気の本作ですが、このオタクたちのSF的な情熱が感じられる作りで、基本の設定はかなり面白いです。
本作は、AI戦闘ロボットものの名作「ビートレス」やAIと人間の交流を描いたこれまた名作の「プラスティックメモリーズ」などの原型と言えます。
AIそのものの人格の獲得問題や人間との差異などにはテーマが及ばないものの、使命と寿命そして人間との心の交流を描いたエッセンスだけ抜き取るとかなりレベルの高い作品です。
ストーリーそのものは分かりやすいですが、一方で設定と破綻のないストーリー構成のレベルが高いので、その点で言っても決して浅い話ではありません。
日常、学園、微エロ、エプロンドレスというアキバ系のメイド喫茶のようなエッセンスで出来上がっているのに、ちゃんとSFで戦闘美少女で感動もあるのが当時のアニメ(原作コミックス)のクリエータのレベルの高さがうかがえます。
ですので、深読みしなくてもSF戦闘美少女の感動ストーリーという見方だけで十分に楽しめる作品です。
2期あるうちの前半なのでまほろの素性と敵が本格的に開示される戦闘で終わっていますので、本作だけでの評価は難しいですが、初めの日常系的な雰囲気からどんどんシリアスが加わってくる構成は話として良かったと思います。
2001年の作品、しかもガイナックスですので、作画レベルは高いです。キャラデザや線の感じで今より劣って見えるかもしれませんが、特にヒロインまほろの作画はなかなかです。
雰囲気は当時の萌え絵「ギャラクシーエンジェル」「エンジェリックレイヤー」「鋼鉄天使くるみ2式」の時代と言えばわかっていただける人には分かってもらえる感じです。
ということで、アキバ系の肌色多目の萌え絵と当時のラノベ的ワルノリに拒否感がなければ、楽しめるでしょう。私は秀作だと思っています。