101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
歴史エンターテイメントの楽しさが詰まった良作
原作ライトノベルは未読。
古今語り継がれる歴史には人々の願望に応じて尾ひれが付くのが常。
東洋の武将に有りもしなかったマントを装備させてみたり、
超人的な奇跡を起こしたと伝説を美化してみたり……。
よって歴史物語は尾ひれを掻き分けて真実に迫るタイプと、
英雄伝を夢見る人心を是として盛り上げるタイプに大別されますが、
織田信長を始めとした戦国武将たちを続々「姫武将」化して
躍動させている本作は清々しいまでに後者。
「姫武将」「姫大名」らが天下を争覇する
パラレルな戦国時代にタイムスリップして来た高校生少年、
即ち信奈に仕え、時にツンデレな蹴りを喰らうw「サル」からして、
サバイバルの頼みの綱は、現世で没頭した戦国ゲームの攻略知識。
自身の介入もあって改変されていく歴史を目の当たりにしても、
“フラグ管理”等の豊富なゲームプレイ経験から解決策を見出していく様は、
歴史のifこそ満喫する、賢者の域に到達!?
視聴していると歴史書読むより、歴史ゲームで時代を引っ掻き回したくなりますw
形ある偉人や兵器、物品は大体、女性転換、萌えキャラ化したのではないのか?
と言う位、女体化、女性化が著しい2010年代のトレンドを形成した一角でもある本作。
私は何でも萌えキャラ化する流れには安直さを感じる方ですが、
本作には不思議とこうした不快感は抱きませんでした。
戦国武将一人一人について、キャラ要素として使える物を
しっかり整理してある前提がまずあって、
そこから女性キャラ化するとしたら何ができるのか。何か追加すべき要素はあるのか。
など本作のキャラ作りにはキチンとした計略を感じます。
ヒロインの信奈にしても、三流ドラマの企画者なんかがやると、
信長を単に女性化しただけで凡作化するのみですが、
本作では金髪美少女化するなど、魅力あるラノベキャラとして、
しっかりと、時に大胆にアクセントを付加して来ます。
本作は決して安易な女性化作品ではないと思います。
本作で私が一番良い仕事だな~と感心したのは意外と
{netabare} 美濃のマムシこと斎藤道三をおっさんに据え置いたことだったり……。{/netabare}
好きなキャラは蜂須賀五右衛門。
秀吉の配下と大盗賊を合成したと思しき合成ロリ忍者キャラ。
{netabare}男性と接触→即気絶wの弱点もさることながら、
呂律が回らないカミカミな台詞回しもクセになります。
公式設定で最長でも30文字以上喋ると噛むってw
口上で所属とフルネーム名乗ったりしたら、後は大体噛みっ放しやないか~いw{/netabare}
こんな風に戦国の予備知識が無くても気軽に楽しめるエンタメ作品。
もちろん歴史物としても、合戦での高勝率の割に意外とピンチシーンの印象も強烈な
織田信長公の人生イベントと信奈のキャラ属性との絡め方も上手い。
({netabare} 信奈の孤独が“第六天魔王”化を招く{/netabare}と言う設定、説明もかなり好きです)
2010年代、これまた乱立した、信長エンタメ作品群の中でも、オススメできる良作です♪