冒頭の21世紀初頭の映像や,
「ミノシロモドキ」の発言を
聞く限り,SFファンタジーといえど
リアルなな世界と
1000年後の世界は,
つながっていると言えるでしょう。
人口の0.3%
1億人ならば30万人が,サイコキネシスを
持つ世の中で,超能力を「善行」や
「科学の進歩」に利用しなかったのが
世界の終わりにつながったと思います。
つまりは,超能力は人間の悪に触れるだけの
「性悪説的」な使われ方をして,
文明世界は,一度滅びます。
1000年後の世界で描かれている,
男女5人の生徒が中心の世界は,
人類は「呪力」と呼ばれる超能力
を持つものの,人が人同士を傷付け合わない
「攻撃抑制と愧死機構」のように,
あらゆる知恵を出し合ってきた種族で
ボノボの生態を真似た行為
(若いころの同性愛の意義=
人口の余分な増加と攻撃性の抑制)
を認めた社会や
他人を攻撃できないようにするための
心理学的な方策や教育の徹底などが
語られます。
そのために,危険因子をはらんだ子どもを
消してしまう(学校から突然いなくなる)
ことも平然とできてしまうこともあります。
無意識のレベルまで悪意が探られます。
「瞬」が「業魔」になった理由がそうです。
ここで注目したいのは,「呪力」と
呼ばれる超能力を持った人間を
含むわずかな種族だけが生き残る
事実に注目したいと思います。
攻撃抑制と愧死機構のキーワードは,
「呪術」と,それを利用した
「遺伝子操作」にあると思います。
1000年単位では,アニメや小説に
出てくるような動物の突然変異は
起きません。
大雀蜂と塩屋虻コロニーといった
化けネズミや,見たこともない
生き物たちの発生は,「遺伝子操作」に
よるものだと解釈しています。
先にネタバレになってしまうのですが
化けネズミが,呪力を持たない人間の
成れの果てだということ。
化けネズミたちが,反旗を翻して
はじめは「神様」と呼んでいた
人間に抗おうとした理由も
わからないでもありません。
「偽りの神に抗え」とは,
業魔や悪鬼の出現に怯えるあまり,
人が,自分を守るために遺伝子操作や
マインドコントロールが当たり前になった
影の管理社会「新世界」
を作り上げたことへの自業自得的
比喩であると自分は解釈しています。