どらむろ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
男女含め高校生の日常あるあるコメディー。「でも少しこの風泣いています」
全12話。日常系というよりも、日常系に見せたギャグコメディーです。
「銀魂」の高松信司監督作品、ショートエピソードを連発する構成で、ボケツッコミをテンポ良く繰り出す作風は、声優(杉田智和さん)も相まって銀魂っぽいノリも。
タイトルに反し、女子高生のネタも面白いです。
…正直、ネタの面白さにバラつきあり。でも…
「文学少女」は必見です!
文学少女「でも少し…この風…泣いています…」
…の元ネタです。とりあえず1話が最高です♪
{netabare}『物語』
「日常系は女の子」と誰が決めたんだ~♪
「おバカで子供っぽい男子高校生」が、特に恋愛とかのイベントも無く、気の置けない友達同士でおバカな日常過ごしていく。
とはいえ日常系ではなく、あくまでもギャグコメディー。
くだらないけれど、楽しそうな悪ふざけ。それをボケツッコミでギャグに。
「男子高校生あるあるネタ」も結構ありつつ、でも「ねーよ!」とツッコみたくなるシュールさが持ち味か。
…破天荒過ぎる事は無く、意外にハメを外し過ぎない絶妙なライン。
パロディーは同じスクエニ作品という事で、ドラクエやガンダムネタ多し。
けど一番笑えたのはキン肉バスターだったり(銀魂でも見たような)
ネタ的に80年代知ってる人向けな感じも。
タイトルに反し女子高生も大勢登場するのですが、その描かれ方が独特なシュールさ。
あえて表情が分からない表現も含めて「男子高校生にとって、女子は未知の生命体」な感じでしょうか。
「謎の彼女X」の「男性から見た女性の情動の不可解さ」というテーマと共通する意匠を感じます。
「女子高校生は異常」も、男子から見た女子の一面を、マンガ的に誇張した感じなのかも。
本作の場合、これを女子の視点からも、認識のミスマッチでギャグにしていくスタイル。
視聴者は中立の視点で、男子と女子の高校生のアホっぷりを笑う。
(…ねーよ!)と思わずツッコみたくなるトンデモさありつつ、でも(でも女子って確かにこうかも?男子ってアホだよなぁ…)
ここら辺の描かれ方がマンガ的誇張なギャグと割り切れれば面白い。
…本作はかなり女子が暴力的なんですが。
本作に限れば、別に目くじら立てる気にならない。
ギャグに徹しているのと、女子側もアホだとはっきり分かる故に、女尊男卑じゃないから許せる。
自意識過剰女の電車での地味なイタズラを仕掛け返される話とか。
女子側も(精神的な面で)結構テンパるシーン多いので、お相子だと思うのです。
…どっちもおバカ。どっちも微笑ましい。そんな作品って結構貴重です。
本作最大の見せ場は早くも1話。「男子高校生と文学少女」でしょう。
風吹きぬける河川敷。夕暮れ時。
一人の少年が孤独に本を読んでいた。そんな少年に近づく少女。
少女は黙して少年の傍に腰掛ける。互いを意識し、けれど言葉が見つからない。
ふたりの間にただ、風が吹く……。
……おお!これは…何かロマンチックなラブコメの波動を感じる!
ヒデノリ「今日は…風が騒がしいな…」
文学少女「でも少し…この風…泣いています…」
ヒデノリ(ウェヘヘヘヘ!面白れーわこの人w)
…実は単に暇つぶしに本読んでただけのヒデノリが、中二病全開なイタい文学少女ちゃんの為に「空気を読んで」付き合ってあげて…
そこにヒデノリの悪友たちも参戦…オチも含めて爆笑なコントに。
この文学少女シリーズが本作で一番面白い。
特に文学少女ちゃんがテンパりまくって爆笑行動取るシーンは腹痛いですw
この一幕に限れば私が今まで観てきたギャグアニメ史上上位に入ります。
…逆に言うとそれ以外は当たりハズレ激しいです。
他には5話の、友人が女の子と話しているのを、遠方から勝手にアテレコする話。
オチも含めて、男子高校生っぽくて笑える&共感。
5話には、いじめられっ子だったヒデノリの過去エピソードが中々良い話で感動…と思いきやのザンネンなオチ。
オチはザンネンでも、途中までは青春ストーリーとして普通に良かった。
9話でもまさかのラブコメの波動を感じる!なのに惜しい結末が切なくも笑える。
これぞリアル日常系、知らずにフラグへし折りまくってる人生のあるある…
清々しい位ラブコメしないのですが、ヒデノリと文学少女が追いかけっこする話は基本ギャグだけどちょっぴり微笑ましいです。
ネタにバリエーションあり、適時新キャラ投入したりで飽きさせない。
一部の話以外はあまり面白く無い面もありますが、飽きる前にテンポ良くネタ展開され、終始楽しく視聴できました。
物語評価は、文学少女に限れば5点満点で良い位笑える♪
『作画』
地味目ですが、日常系やギャグコメディーとしては申し分なし。
女子は一部除いて表情見えないのですが、それでも可愛く見えるフシギ。
文学少女はかなり好みな美少女、りんごちゃんもかわいい。
『声優』
かなり豪華声優陣。
特にヒデノリの杉田智和さんがМVPでしょう。銀魂の銀さん彷彿。
文学少女の日笠陽子さんのテンパり具合も笑える。
りんごちゃんの悠木碧さんも良いんですが、担任の三石琴乃さんなど結構珍しいはっちゃけぶり。
女子高生は異常の配役も含めて、生き生きしてます。
『音楽』
主題歌はイマイチなんですが…
特筆すべきは「文学少女のテーマ」この曲が流れるだけで既に笑いがw
主題歌は思い出せずとも文学少女のテーマは頭にこびりついてます。
1話EDも爆笑モノ。
知らずに聴くと青春?異能バトル物?の名曲に聴こえ(なくもない)のに、タダクニがその幻想をブチ壊す!
『キャラ』
主人公はタダクニのハズですが、あっかり~ん以上にハブられてる…
実質ヒデノリが主人公でしょうか。
男女ともに愛すべきバカ揃い、個別キャラに拘らずに全体的に好感持てます。
女子が妙に可愛い。見た目と精神年齢幼い生徒会長(18歳)りんごちゃんアホの子かわいい。
モトハルの姉とか、表情省かれてるのに姉萌えを感じる。
ヒデノリとラブコメの波動を感じさせた絵美ちゃんが最萌でしたが、この作品では結ばれる事はムリであった。
МVPはやっぱり文学少女(愛称・やっさん)でしょう。
黒髪ロング作中随一の美少女、だがあまりにもザンネン過ぎる!
…彼女こそ本来の意味での「中二病」
中二病でも恋がしたいの六花ちゃん以来、中二病はフシギちゃんという風潮ですが、文学少女みたいなタイプの中二病キャラだってアリですよ。{/netabare}
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