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「銀河鉄道の夜[グループ・タック](アニメ映画)」

総合得点
72.8
感想・評価
116
棚に入れた
524
ランキング
1099
★★★★☆ 3.9 (116)
物語
4.0
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.8

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銀河鉄道の夜[グループ・タック]の感想・評価はどうでしたか?

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

キャラデザを猫にした事で良さが引き出されている

猫にしたのが当時は賛否両論だった。子ども向けに迎合してる、って意見があったけど、猫にしたことによって無表情が自然になってる、と自分は断然「賛」だった。人間だと無表情は中間的表情というより陰気なイメージになってしまうが、猫だとほんとにニュートラルな表情となり、それが少年の純な心にピッタリする。そして賢治の世界にふさわしい。原作のイメージが素晴らしいんだけど、映画もそれを膨らませている。丘へ上る道が銀河につながっていくところ。静かに繰り返されるレールのガタンガタンのリズム。冒頭を初め、全編を通して振り子のイメージが貫いている。待合い所のメトロノーム、新世界交響楽の駅にも大振り子。ときどき流れ過ぎる輝く正四面体がちょっとつまらないのと、リンゴの皮を剥くとどんどん蒸発していく原作のイメージがなかったのは残念。ジョバンニが自分だけ違う切符を持っているあたりから忍び寄ってくる不安、「どこまでも一緒だよね」と何度も確認するあたりから、もう泣けてしまう。ジョバンニには妹を失った賢治がいるし、カムパネルラには、貧しい農民になれない地主の息子の後ろめたさを抱いている賢治がいる。そういったもろもろを静かな暗さの中で反芻していた賢治は、本当にいいなとあらためて思う。

投稿 : 2024/01/20
閲覧 : 53
サンキュー:

5

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観たい

良くできているとも言えるし、自分の中に広がったイメージに制限をかけてしまうとも言える、「諸刃の剣」的な作品

宮沢賢治の原作も、このアニメ化作品も子供のころに観ています。
今回、あらためて原作を読み、その後、アニメを観てみました。


■原作より
{netabare}
主人公のジョバンニがふと気づくと銀河鉄道(汽車)の客室にいました。
そして、その客室に友達のカムパネルラの姿を見つけるのです。
なぜ、二人は気付くとこの汽車に乗っていたのでしょうか・・・。
読者は、この不思議な疑問を抱えながら、二人の銀河鉄道の旅を見守るのです。
とても美しく不思議な景色の中を汽車が進む情景が目に浮かびます。
さて、この汽車は、いったいどこへ向かっているのでしょうか?
そして、この汽車に乗り合わせた乗客の話からある結論も導き出されてきます。
すると、ぞっとしてきます。
そして、最後は・・・。
{/netabare}


■このアニメ化作品は、原作に比べて難しい
{netabare}
基本的には、原作に沿っているのですが、原作の方が分かりやすいと思いました。
もし、原作を読まずにこの作品を観ると少し難しいかもしれません。

特に主人公ジョバンニの気持ちがアニメだと分かりにくいのです。
原作だとジョバンニの視点で描かれています。
そして、ジョバンニ自身がその時々に感じた気持ちがモノローグで語られます。
気持ちが分かると言うことは、それだけ感情移入もし易くなっています。

一方、アニメだとジョバンニは、無言のまま自分の気持ちは語りません。
その表情から察するしかないのです。
つまり、ジョバンニのその時々の気持ちをすべて想像しなければならないのです。
それが意外と難しく、結果として、ジョバンニに感情移入することも難しいのです。

確かにジョバンニが自分の気持ちを語るのは、このアニメ化では向かない気がします。
そう考えると、この割り切った演出は、悪いことではないとも思っています。
ただ、原作に比べてかなり難しくなっていることは確かなのでなんとも言えないです。
{/netabare}


■アニメ化の残念な点
{netabare}
物語の序盤のことです。
原作では、ジョバンニが「ふと気づく」と汽車の客室にいてそこから旅が始まります。
しかし、アニメでは、汽車がジョバンニのすぐ前までやってきました。
私は、気づくと客室にいたと言う、現実と夢の境界がはっきりしない感じが好きです。
しかし、アニメでは、そこにはっきりと区切りをつけてしまったのが残念です。

物語の終盤のことです。
原作では、ジョバンニが「ふと気づく」とカムパネルラが消えていました。
そして、それによりジョバンニは、すべてを悟り涙するのです。
しかし、アニメでは、カムパネルラが消えるところはドラマ的な演出でした。
カムパネルラとの別れをはっきりさせてしまったのです。

また、この汽車には、いろいろな乗客が入れ替わり立ち代わりやってきます。
原作では、そのうち何人かは、「ふと気づく」とそこにいるのです。
しかし、アニメでは、その出現を描いています。

つまり、アニメでは、これら「ふと気づく」と言う部分が無くなっているのです。
原作では、「ふと気づく」ことにより、「なぜ?」と言う疑問が常に浮かびます。
この「なぜ?」がどんどん積み重なることによりある大きな疑問へとつながります。
それは、そもそも、「なぜ」この汽車に乗っているのか?と言うことです。
そのことが、この物語の独特な雰囲気を作り出していると思うのです。
しかし、アニメでは、それが無くなってしまったのが残念なのです。
{/netabare}


■アニメ化は「諸刃の剣」
{netabare}
原作を読んでいる時は、自分の頭の中に際限なくイメージが広がっていました。
しかし、実際にこの作品を見るとそのイメージに制限がかかったように感じます。

私は、原作では、車窓からの風景はもっとキラキラ光り輝き、広がりを感じました。
しかし、この作品では、どことなく暗く、狭く、銀河と言う感じがあまりしません。
かなり自分が思い描いたイメージとのギャップがあるのです。
もちろんそれは、当然のことです。
なぜなら、この作品の映像は、あくまでもこの作品を作った人のイメージだからです。
当然、自分が抱いたイメージではないからです。

だから私としては、この作品を観て、『銀河鉄道の夜』とはこういう作品なんだとは、
思ってほしくはありません。

原作の中にこんな一節があります。
「みんながめいめい自分の神さまが本当の神さまだというだろう」
それに準えるなら、やはり自分の中に広がったイメージを大切にしてほしいのです。
このアニメ作品のイメージを鵜呑みにしないでほしいのです。
当然、私のイメージを押し付けることもしません。
『銀河鉄道の夜』は、原作を読んで各々が感じたイメージを大切にして欲しい、
そんな作品だと思うのです。

この作品は、分かりにくい世界観のイメージを見せてくれたという点ではすばらしい。
しかし、原作を読むと感じるイメージを狭めてしまいかねない危うさもあります。
それこそ、「諸刃の剣」的な作品なのです。
{/netabare}


■まとめ

この作品は、抽象的な物語のアニメ化としてはよくできていて素晴らしいと思います。
しかし、原作は、それ以上に素晴らしいことをあらためて認識させられた作品でした。
あくまでも私の主観ですが、原作は2倍分かりやすく、3倍面白いです。

投稿 : 2022/06/03
閲覧 : 233
サンキュー:

14

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

文学のアニメ化としてはかなりの秀作。見ておいて損はないと思います。

 原作の雰囲気を良く表現した秀作だと思います。子供または大人でも本が苦手な人に対して、本と同等に銀河鉄道の夜という作品を伝えられていると思います。
 アニメの作りも丁寧です。銀河鉄道の夜を読んだときの幻惑されるような雰囲気がちゃんとあったと思います。

 古典ですのでネタバレもないでしょう。銀河鉄道の夜に関して、やはりモヤモヤするのがジョバンニとカムパネルラの関係ですよね。明らかに仲間外れのジョバンニに対してのカムパネルラの態度が気になります。気にかけている感じはありますけどね。

 死に際して会えた=銀河鉄道にジョバンニが乗れたのは、やはり心ではつながっていたというとちょっと奇麗過ぎる気もします。最後の別れ方も友情をあまり感じませんでした。夢オチ説もあるみたいですが、それは弱いですよね。

 あとはジョバンニの孤独を補うように父親が帰ってくる意味ですね。これでジョバンニは働かなくてもよくなるのでしょうから、イジメはなくなるんでしょう。そしてザネリもカムパネルラに助けられることで何かに目覚めるのかもしれません。このめぐりあわせは?

 その他、我流の解釈ですが、化石で大きな時間の流れの命と死、鳥が食べ物に変化する部分で生命は命を食らうという業あるいは命の連鎖、タイタニック姉弟と家庭教師で死への達観、サソリの話で生命の捨て方、そしてカンパネルラで他人のために命を差し出す、といった感じですべて生死感が描かれていました。

 キリスト教が表現されているのでカムパネルラの母が死んでいるのか、それとも母が象徴的な何かかわかりません。
 そしてまた、カムパネルラの父の達観ですね。時代性なのか宗教観なのかわかりませんが、死がすぐ隣にあった時代なのでしょうか。自分の息子が死んだのにあの落ち着き。命の捨て方に父は誇りをもったということでしょうか。

 とまあ、銀河鉄道の夜は難解で、いろんな解釈があると思います。興味がある方は、優れた解釈が山のようにありますので、そちらをご覧ください。

 で、銀河鉄道の夜は日本の童話史で最重要な物語です。宮沢賢治という詩人の集大成でもあります。映画化、舞台化、その他いろんな方法で表現されてきました。アニメでは銀河鉄道999、輪るピングドラムなどに影響を与えています。そもそも日本のクリエーターの意識あるいは潜在意識の中にはどこかで宮沢賢治の影響はあると思います。

 読書が面倒な方は、本作は非常に出来がいいので、見ておいて損はないと思います。

投稿 : 2021/11/24
閲覧 : 281
サンキュー:

11

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

賢治の童話のアニメ化作品、人間キャラよりも本質を突いていた

宮沢賢治の有名すぎる童話のアニメ映画で、ほとんど説明は不要なぐらい有名だと思います。私はこれ映画館で見ましたが、途中から入場して中盤ぐらいから見た覚えがあります。そういう時代だったんですねぇ。テレビ放映されたビデオは長らく私のフェイバリットフィルムでしたが、ある時実際の映画のものよりも短くカットされていた事に気づきました。私はカットされたものの方が好きです。元のものは中盤が冗長な気がします。しかしそれでも好きな映画には変わりないですがね。

人間ではなくて、ますむらひろし氏の漫画の猫キャラでの映像化は、物語の効果としてよかったのではないかと思います。人間だとBLっぽい感じに見える話がより抽象化され、猫の見た目の哀れな感じが物語の結末の憂愁さをよりいっそう深めていたと思います。終盤であのジョバンニが、カムパネルラが川から浮かんでこなかったとカムパネルラの父に告げられ、肩を震わせ泣きそうになる場面は、脳裏に焼き付いていますから。ああいうちょっとした芝居がこの映画はすごくうまくて、当時はこのような動作のアニメートを丁寧に拾っていたなあと思いますね。ジョバンニが印刷工の仕事をするシーンとか、地味に見える動作を丁寧にアニメートしていたと思います。今はそういう長丁場的な演出は間が持たないという事で、なくなりつつありますね。

まあそれでも、中盤に「ナウシカ」で見たような砂浜とか、「タッチ」のキャラそっくりな女の子とか、いろいろあれな場面もあった作品です。それでも全体をますむらひろし氏というよりも、他の有名絵本作家の方の世界観でまとめられている点が、やはりこの映画が随一に思える所以ですね。細野晴臣氏のBGMも映画とぴったりと合っていました。このBGM集のCDは今もお気に入りの一枚です。この映画はあのエヴァンゲリオンにも深く影響を与えていると思うので、エヴァファンの方は見た方がいいと思います。あと、ジブリの鈴木プロデューサーが、賢治の童話の解釈の仕方が北十字の出し方で間違っているとか言っておられますが、まあ私はこの映画の描写で万人向けでよかったのではないかと思いますね、法華経の実際の解釈など、一般人にはわからないでしょう。この映画のように、キリスト教的にまとめたのはよかったと思います。

投稿 : 2020/10/20
閲覧 : 290
サンキュー:

8

ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

銀河の感じが薄いなぁ・・・

 猫獣人だかの世界で、主人公ジョバンニが星を見上げ寝ていると、記者が空からやってきて乗って冒険なお話だったです。
 何故か?親友のカンパネルラも乗っているという展開です。その時、カンパネルラが濡れているのだけれど、それを覚えていたら最後にその真相がわかると思うです。

 題名からして星を渡るお話に聞こえるけど、私にはどちらかというと空の旅な印象だったです。
 私が幼き頃上映されてたのは、TVCMで見たことあったです。その何年か後に、TV放送されたのを見たことあったです。かなり前なので思い出しながらとある小劇場で、何故か上映されたので見たです。

 主に展開は「銀河鉄道999」のような車両の中で、周りに乗客がいないことが多く、まれにいたりだったです。まれな乗客も不思議か、何か怪しいところも999とにているなぁです。駅に降りて少し散策もあったけど・・・です。
 宮沢賢治の原作ということで、アニメ化はこれが後でも999は、これをヒントに制作されたのかもしれないです。999のほうが、正に宇宙を渡り星から星への旅だったです。
 出てくるのは獣人だけでなく、人間も出てくるです。

 終わり近くに外がやっと、宇宙を思わせる光景が出た気がするです。ここら辺が、クライマックスみたいだったです。

 そこからどうなるのか?この汽車の旅は実はなんだったのか?{netabare} 意外な結末が、見られるかもしれないです。カンパネルラの行動も納得いくです。もしかして、霊界だったかもしてないです。{/netabare}有名な話みたいだから、知られていることではあろうけどです。
 ジョバンニにしてもカンパネルラにしても表情が、同じことが多い気がしたです。音楽は、学校の音楽行事などで聞いたことのあるみたいな感じです。ルフィーの声優さん、このころ若いなぁと思ったです。

投稿 : 2020/03/08
閲覧 : 362
サンキュー:

5

カヲル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

芸術作品

文学芸術アニメ作品ですね。娯楽性は皆無です。そして名作です。
原作は宮沢賢治の未完成の童話。幻想的な世界を主人公と友人が汽車に乗って旅をする話。
純文学的で芸術的で退屈なアニメですが、なぜか見る人の心に残る力があります。名作です。
一度は見ておくべき、特に子供には見せてあげておきたいアニメだと思いますね。

投稿 : 2019/12/08
閲覧 : 245
サンキュー:

1

さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

タイトルなし

小学生の頃に観ましたが、
何でキャラ猫なの?
画面が暗い、怖い。
間が長い、ギャグがない。面白くない。と投げ出してしまった作品の一つ。
今、大人になって見直すと当時気づけなかった面白さに気づけるかもしれません。

子供向けの作品ではないと思います。

投稿 : 2018/02/25
閲覧 : 350
サンキュー:

0

ネタバレ

デュフフ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

不朽の名作ファンタジー

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のアニメ化

ストーリーは言わずもがなさすが名作ファンタジー
とはいえ自分含めて意外と名前等はは知ってても読んだことがない、
内容を覚えてない、よく知らない人も多いかもしれない

光り輝く銀河を旅するという幻想的な夢に溢れた異世界ファンタジー
 当然バトルはない、しいて言えばボーイミーツ系

{netabare}  孤独、逃避の先の幻想第四次(ファンタジー世界)の世界で
 カンパネルラが天上に向う(死んだ)のだと知らないジョバンニは、
銀河鉄道の旅をしながら、カンパネルラとどこまでも一緒に行きたいという願いをもつ。
 しかし銀河鉄道は実は生から死への旅であり、乗客たちの出会いや地上に戻ってカンパネルラの死を知った後、
自分の道をまっすぐに歩いて行く。

(個人的見解)
{netabare}一人孤立しているみじめな自分と、現実社会でのステータスの象徴でもあるカンパネルラとの別れの旅であり、
翻って、裕福や優秀、そういった価値を持つ友人などの持っている持っていないに起因するような表面上の価値や概念、
さらには友人知人、生死といった自己中心の価値と決別し、
自己犠牲や献身による「みんなの幸い」の実現という新しい価値による自己確立の旅だと感じた。{/netabare}{/netabare}

セリフが少なく、抽象的でつかみどころがない
逆に少ないからこそ、わざわざセリフにするだけの、一つ一つに作者の言いたい含蓄があると思わせる
そんな奥深い余韻のある作品だと思った。

例えば『プリオシン海岸』では
{netabare}学者 「ここは120万年前の地層でね、僕らと違ったやつから見てもやっぱりこんな地層に見えるかどうか証明したいんだ」
  120万年(長時間)経っても変わらないもの、そしてそれはだれが見てもそう見えるものなのか(普遍概念?の提起?)

ジョバンニ 「来た時と違ってるね」 工作物(街並)は劣化?変化?

カンパネルラ 「120万年を走り抜けてきたんだ」 その後生物(くるみ)が消滅

物質的なものは変わってしまう?


また近代英知の結集である豪華客船が沈没することはないという物質的価値観は消滅し
物質的乗り物では目的地(父のもと)にたどり着けなかったけれども
「他の子供たちを押しよけることができなかった」(自己犠牲)為に
天上への乗り物である銀河鉄道へ乗り換えでき、天上(人の最終的な目的地)で下車できた。

こう考えると、よく判らなかった鳥を捕る人は「自己の幸い」「物質的価値」の具現であり、
その為に天上へは着けなく途中下車なのかな

「お母さんは、僕を許してくださるだろうか」
天上=許しの世界? だからカンパネルラの天上には許してほしい存在(母)が現れた?


こういった銀河鉄道の乗客たちとの出会いや経験が「みんなの幸い」という価値の確立につながったのだろう
{/netabare}

いやそうじゃないよとかそれぞれの感じ方があると思うが
様々な捉え方を許容しうるだけの幅のある深い作品だと思う。


演出について気になったのは
意識させない間のとり方。
想像を巡らす幅の大きい作品であるこのような作品では
おそらく意識下だけではなく無意識含めて
間やストーリーの隙間の一瞬に様々ことを頭の中でめぐらすことが
作品を楽しむ大きな要素になっていると思います。
原作である童話であれば、
章の変わり目や自分のペースで間を作ることも出来ますが
改めて作品を思い返してみたときに
それが非常によくできていたなと感じました

特に人型のアニメだとあまり気にしていなかったが
猫型のせいで顔以外がより単純化されており
他に目が行く幅が少なくなるからだろうか
視線が顔に集中するのか
瞬きのタイミングや間に都度訴えてくるものあったし、
さらに猫の目は感情は表すというが
主人公を猫にすることによってより、
逆に見えずらい感情の機微やなんかを目でうまく表現されていたと思う。
意外と目につきそうなしっぽや耳、ひげは気にならなかった

もともと未完であり死後様々な解釈があるうえでまとめられたこと
宮沢賢治自体がほぼ死後評価され、生前に作品について語る場はほとんどなく、解釈が多数あること
児童文学的童話であること
作者の作風
そういうもの全てを含めて
想像力を刺激する面白い楽しい作品でした

とはいえ演出やその他が監督の解釈によるとことなるので
これだけの作品なので原作も読もうと思った。

投稿 : 2017/06/04
閲覧 : 379
サンキュー:

5

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ほんとうのさいわい、生きるということ

作品の名前と概要は、どこかで知っていて、でも詳しくは知らなかった作品。たぶん、もともと知っている部分的な内容や、この作品から派生した作品で既視感があったのだと思う。ただ、全体のお話やアニメ映画になっているとは知らなかったので、知れてよかった。
とても幻想的で、詩的な表現をするので、1度見ただけではよく分からなかった。ので、自分の中にストンと落ちてくるまで何度か繰り返し見た。

この作品は、銀河のお祭り(日本でいうお盆の灯篭流しみたいなもの)の日に、主人公のジョバンニが銀河をめぐる旅をするお話。
ジョバンニが見た夢か現か、もしくは、ジョバンニの(ドラえもん的に言うとw)心の友のカンパネルラが見せた夢なのかもしれない。個人的には、カンパネルラが銀河のお祭りに行けないジョバンニのために見せたものかなと思う。カンパネルラ自身も銀河の旅が何か分かっていないけど、思っていたら、同じ場所にいたって感じ。

Φ(..)メモメモ
{netabare} 銀河鉄道の旅は、銀河ステーション→北十字星(はくちょう座/十字架:お墓)・プリシオン海岸(化石発掘)→鳥を捕る人→アルビレオの観測所(はくちょう座)あたり・ジョバンニの切符→わしのステーションあたり(わし座)・306番・タイタニック号・りんご→さそりの火(さそり座)→ケンタウルの村・星祭り(ケンタウルス座)→サザンクロス/南十字星(十字架:お墓)→石炭袋をめぐるお話。

・プリシオン海岸:「僕達は今120万年を一気に走り抜けてきたんだ。風みたいに。」120万年経てば、みんな石になる。今をきちんと生きろということかな。人の人生なんて、あっという間。ちっちゃいことは気にすんな、もっと大きな目で見ろ、て感じ。

・鳥を捕る人:サギ(白い鳥)の脚がクッキーみたいになって、おじさんがそのお菓子をくれる話。おじさん「みんな食べてるじゃないですか?」って。その後、鳥を捕りにおじさんが車外に出ていく。上から下に振ってくるように飛ぶ鳥を捕まえては袋に詰めていく。生きているものを食べるということだと思う。そして、「バーン」と叫んで、後ろに倒れるて消える。上から下に鳥が振りつづける。すると、いつのまにか車内におじさんが戻っている。生き物を殺して食べるのは、身の丈にあった分だけってことかな。他の作品でもこういうのみたことがある気がするんだけど、何か思い出せない。不思議な感覚。

・306番(主よみもとに近づかん):無線技師が何か聞こえると言う。タイタニック号(氷山にぶつかって沈む船)で、最後まで演奏されていた曲。あとで、家庭教師とその生徒の2人の子供が乗ってくる。

・ジョバンニの切符:他の切符と違って銀河のどこへでも行ける切符。まだ、ジョバンニは生きていて、生きている世界へも死後の世界へも行けるということかも?鳥のおじさんもさまよっているのか。消えた。おじさんのことを邪魔のような気がしていたけど、もっと話しをしておけばよかった。と後悔している2人。いなくなった人の言葉は、いなくなった後にはもう聞けない。生きているうちにできるだけ話しておいたほうがいい。
・家庭教師の話:船が沈む中、子供やお年寄り、弱い人を押しのけてまで、子どもたちを助けるよりも、このまま浮かべるだけ浮かぼうとした。一番のさいわいにいたるために、いろいろな悲しみあった、と言う。

・りんご:ひとりでに良いりんごができる約束になっている。とってもいいにおい。りんごは、善悪を知る果実。外には、かささぎ(黒地に白の模様の鳥)。別名:カチガラス。本当カラスっぽい。魔女の宅急便に出てくるカラスにも似ている。七夕の架け橋を作る伝説の鳥らしい。りんごの森。カササギが丸くなり、色が赤くなってりんごに変化する。

・新世界交響楽:とうもろこし畑。STACIO MAIZO/とうもろこし駅。ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の「家路」。よく閉館の合図に流れる曲。死者の旅の終わりが近いことを意味している。家の前に、ジョバンニのような青いネコの男の子が立っていた。小さい男の子って呼ばれているから、ジョバンニの小さい頃。さあ家に帰ろうってことかも。

・さそりの火:さそりが焼けて死んだ火。バルドラの野原で、それまでいくつもの命を獲ってきたさそりが、さそりの命を狙ってきた、いたちに命をくれずに井戸に落ちたことから、神様に「まことのみんなのしあわせのために私の体をお使い下さい」と願った。さそりは、今はみんなを夜の闇から照らすさそりの火となった。

・南十字星:死者のほとんどがここで降りた。天上へ行くところ。ハレルヤ。カンパネルラは降りなかった。降りたくなかった。
・石炭袋:全天で最も目立つ暗黒星雲。ここが、本当の天上らしい。降りるしかないみたい。ジョバンニは、どこまでも2人で銀河鉄道の旅を続けたかった。けれど・・・。カンパネルラは、別れを選ぶ。「ジョバンニ、さようなら」ここの音楽、良きかな。オカリナとマンドリンぽい楽器。

・黒い川:もとの草原で目を覚ますジョバンニ。空には今見てきた星たちと石炭袋。待っている母のために、牛乳を取り、家に帰ろうとした時、カンパネルラは、船から落ちたザネリを助けるために、自らの命を犠牲にしていたことを知った。それに、父も明日帰ってくると。それを知ったジョバンニ「僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなのしあわせのためならば僕の体なんかひゃっぺん焼いてもかまわない。カンパネルラ、どこまでも、どこまでも一緒に行くよ」と悲しみ、誓う。Campanellaは、鐘の意味がある。りんどう(釣り鐘型のきれいな青紫色)の花言葉/悲しんでいるあなたを愛する。{/netabare}

音楽はBGMがとても落ち着いて、世界観に深みを出している。ちょっと怖さもあるBGMがいい!見ると、Y.M.O.の細野晴臣さんのお名前が。そりゃ良いはずだ。
声優さんも聞いたことのある安定感のある声の方ばかり。主人公のジョバンニは田中真弓さん。カンパネルラは、坂本千夏さん。トトロのメイだ。それと、天空の城ラピュタのパズーとポム爺さんの共演がここでも見れたw最後の語り、良い味でてる。
{netabare}後、ドラえもんのアニマル惑星のチッポって、これを見て声決まったのかなぁと思った。こちらではネコ、ドラえもんではイヌの田中さん。それに、序盤の学校を俯瞰する様子が、アニマル惑星に似てる。ドラえもんのOPでなんであんな作画なのか気になっていたけど、この作品を参考にした可能性もあるのかも?アニマル惑星で死んだものも、地球で死んだものも銀河鉄道では、一緒になるていう解釈なのかな?後、星の船って、これにでてくる光る三角標のこと?セリフとかも。もろもろ影響されてそうって思った。
深く考えれば考えるほど、面白くなる作品なのは間違いない。
ただ、仏様の域なので、凡人にはそれを実行できるか、難しい。
追記
しくじり先生で作品解説がオリラジのあっちゃんからあって、なるほどと思ったので、メモ 。「人のために生きることこそが本当の幸せなんだ」
人のために命をなげだすって重たいなって思ったんだけど、こういう大きな捉え方をすれば、なんか身近に感じるし、できそうだし、したいと思った。
{/netabare}

投稿 : 2017/02/04
閲覧 : 398
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

幻想的なFantasy

今まで金曜ロードショーで観ようとすると終わりの10分前だったということが2回あり、初めて最初から最後まで観ました。
(スカパーキッズステーションの映画特集ありがてぇ・・・)

序盤の30分がイマイチ集中出来なくて、
「何故登場人物ネコなんや・・動物ばかり・・あ、いつの間に人間いた」
なんて、感じで観ていましたが、これでジョバンニやカンパネルラが人間で描かれてたら少し生々しくなるかなと思いました。(これで良かった)

銀河鉄道の夜の影響を受けた”輪るピングドラム”に影響され視聴しましたが、他にも影響を受けた作品が沢山あるほど、影響力のある作品だと存じます。
感情の起伏や物語の起伏、展開が激しい作品ではなくて、
あまりに感動して号泣するとかは無いかもしれませんが、
不気味ながらも幻想的で優しいBGMから始まり、別れを激情的に描きながらひっそり静かに終わるストーリーが心に焼き付きます。

紅い苹果が出てくるシーンを見てあまりにも美味しそうで、途中中断してスーパーに買いに行って苹果を切って齧りながら観たほどです。
{netabare} やけて死んださそりの火のエピソード(蠍の火)や車窓に現れた石炭袋、ジョバンニに別れを告げるカンパネルラのシーン、胸に迫るものがありました。{/netabare}

プラネタリウムで”銀河鉄道の夜”を楽しめるそうなので近々行ってみます。

投稿 : 2016/11/02
閲覧 : 541
サンキュー:

26

ネタバレ

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

どこまでもどこまでも一緒に行こう

うん、僕だってそうだ


原作・宮沢賢治とOPのテロップに出てくるのは圧倒されますね。
国語の教科書にも出てくるような有名な作品のアニメ化です。
汽車に捉われた鳥捕り、キリスト教徒の三人を通して想起させる"ほんとうの幸"、とりわけ最後の、銀河鉄道の旅の意味を悟ったジョバンニが悲しみに暮れたあと牛乳を持って駆け出すシーンが象徴的でした。
カムパネルラとお別れするシーンは不覚にも涙しました、大作だけあってやっぱ見ると感動しますね。

宮沢賢治作品は何故か登場人物が猫として描かれることが多い訳ですが、本作もその一つですね。
漫画版も全員猫で描かれていて、ただアニメ版だと猫で描かれてない登場人物もいます。
キリスト教徒の三人がそうです、彼らの背景にはタイタニック号の沈没がモチーフとされているようで、実在の死者です。
アニメ版はタイタニック号の犠牲者がスタッフに居たとかで配慮がなされたという形になっているのですが・・・
三人だけ、影のように現れては消える他の登場人物と違って扉から入って扉から出ていく様子がきちんと描写されているんですよね、確か。
銀河鉄道自体は幻想四次世界にあって、ジョバンニの住まう三次世界から乗車することが示唆されてますが、三次世界も御伽の世界でありそれとは異なる現実世界の存在を思わせる機能を果たしてるのではないかとも思います。
単にアニメの世界に終わらない、という意趣も孕んでいるのかーと。
まぁ分かんないです。

田中真弓さんがジョバンニの声をあてています。田中さんといえば「ワンピース」のルフィ等に代表される元気なキャラが多いんですが、本作では落ち着いて含みのあるジョバンニのイメージ、まさにそのものといった具合で感心しました。

音楽は壮大にして繊細、その場その場の雰囲気に合った楽曲ばかりでした。

ジョバンニなんかは、全身が青い猫の姿で、眉毛がなく目は見開いていて一見恐ろしいように思えるのですが、なんと愛らしいことか。
不思議なものです。


オススメのアニメ映画です。

投稿 : 2016/01/29
閲覧 : 462
サンキュー:

6

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

何故にネコ?

何故か主要登場人物が猫です。
(原作は普通の少年だったはず、、)
そして、私は主人公より友人の
カンパネルラという名前を何時までも覚えていました。

ただ、原作も含めこのアニメ映画も
凄く退屈な作品です。
エンターテイメント性のアニメ映画ではありません。
全体が暗喩的で、、釈然としない作品です。
「イーハトーブ」を含め、多くの造語を作った
宮沢賢治の代表作とされていますが、、、
私は「猫の事務所」や「注文の多い料理屋」等の
方がよっぽど好きです。

投稿 : 2014/09/15
閲覧 : 330
サンキュー:

1

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

死生観

宮沢賢治の世界。
夢の中のようなとても感覚的な物語
幼いころ初めて視聴、その後少女の頃、そして大人になった今観ました。

「雰囲気の評価」があったら間違いなく5.0の満点です。

暗く神秘的、幻想的、底知れぬ怖さ、そんなものが漂います。

前半は主人公ジョバンニの孤独感、この先何か起こるのでは・・という音楽と映像の表現。

物語が進むにつれて、銀河鉄道の幻想世界の中に
生や死を強く感じさせられるような描写になっていきます。
とても怖い。

作品に流れ続ける、深い淋しさ悲しみが幼い私の心の琴線にひどく触れ、トラウマになりました。
けれど、ここまで私の中に入ってくるアニメは他にはないのです。

みんなのうたの
まっくら森の歌、メトロポリタン美術館に雰囲気が似ています。

投稿 : 2014/08/06
閲覧 : 269

キスショット☆ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

今見ても

宮沢賢治、原作。
しかし、作者逝去のため未定稿の作品。

初めて見たのは、幼稚園のころだったと思う。

そう思うと、約20年以上前に観た時の印象は、
わけわからない!
暗くてこわいし、
結局、友達のカムパネルラは、死んじゃったってこと??

だったと思う^^;


最近、猫が列車にのる映画なんだったかなぁと、思い出したのが銀河鉄道の夜で、再度観ました。

が、子供のころの印象と何もかわらなかった・・・(私が成長してないのかな?笑)

というか、よくわからない描写だらけで、理解にくるしむ。

結局、友達がテーマなのか、孤独・死・幸せ。のどれもがテーマなのか、深いとも言えるし

分け分からない感じにして、人によって、様々なことを読み取ってほしい。ということなのか。

なんとでも考えれる作品といえるかなぁと

明治、昭和の時代の小説家は、有名な人が多いけど、私としては、何が言いたいのか、よくわからないことが多いので、これもその一つかな。


余談。
現代と、100年ぐらいしか違わないのに、使ってる言葉は、ちょっと違ったり、言葉の意味が違ったりと、それだけで色々考えさせられるって、なんか、おもしろいですね!

投稿 : 2014/06/18
閲覧 : 549
サンキュー:

13

Mappy さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これはもはやアート

賢治先生の「銀河鉄道の夜」は世界に誇ることのできる物語のひとつだと思います。
子供向けとあなどってはもったいないです。
根底に「死」がテーマとしてあるので、一貫として絵の色合いは暗く、
派手な音が流れたりすることはありません。
音楽もこれ以外にない、というくらいの完成度。
絵と、音楽と、物語のコンビネーションのすばらしさ。
この組み合わせが実現したというのは奇跡といってもいいと思います。
地味で暗い作品なので合わない人には合わないかも。
合う人には生涯の宝物になる作品です。

投稿 : 2014/06/11
閲覧 : 265
サンキュー:

4

ゼルミナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

人間じゃダメなんだ…きっと…

賢治作品の世界観についてどうこういう程の教養があるわけでなし、また、そういう場でもないわけだが、その独特さは周知の事実だろう。

ただでさえ完成された世界観をもった作品を別表現にする事は様々な困難がともなうわけだが、本作はキャラクターを「猫」にすることによって、かなり高いレベルでそれを克服していると思う。

…まぁ、賢治の世界を”どう”感じているかは人それぞれなので
 「ぜんぜん違うよ!」という方もいらっしゃるとは思うのですが…

単体のアニメとして見ても印象的なシーンの多い秀作と言えるだろう。
幻想的としか言いようのない情景立てはアニメという表現の長所を最大限にいかしていると思う。

もし、賢治ファンであるがゆえに敬遠している方がいるならば、触れて見てほしい作品です。

ラス前の「さようなら」で号泣するよね。

なお、マンガに関してはスルーさせてイタダキマス。

投稿 : 2014/06/07
閲覧 : 286
サンキュー:

1

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人を選ぶ作品

学校の先生が宮沢賢治の論文で教授?になった人なんだけどその人の授業好きだったんだwエヴァと同じくらいこの作品には知る楽しさ、考える楽しさがある。

電車に乗っているときに食べた謎のお菓子はなにか、白い鳥はなにかいろいろな説を考えられて面白いんだよw
かささぎもいいし、白鳥説も捨てがたい。白い鳥=お餅とか
詳しいことはめんどくさいので省略

投稿 : 2014/05/19
閲覧 : 234

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

幸福の求道者。

非常に高い評価の杉井ギサブロー監督の「銀河鉄道の夜」だが、私のイメージとはかけ離れたものだった。原作がどうのというより、むしろ藤城清治の影絵劇があまりにも鮮烈的で脳裏に焼き付いているから「銀河鉄道の夜」と言えば影絵しか浮かばない。杉井ギサブロー監督のアニメ版は後々に見たから、イマイチという印象なんだろうと思う。原作も子供の頃飽きる程繰り返し読んでても、記憶に残るのは美しい映像だけ(笑)

アニメはあの煌びやかな世界観や自己犠牲を尊ぶ精神よりも、妹を失った宮沢賢治の死生観・幸福であることを切実に求む心そのものを表現したかったのかなと感じる。影絵の絵本は子供にも読める様に意訳されていて一つの作品として綺麗に完結してるけど、アニメ版の場合は原作同様宮沢賢治の生い立ちやその背景まで見ない事には分からないと思う。

杉井ギサブロー版「グスコーブドリの伝記」の評価をおもくそ低くしてしまったが、本作の続編という位置づけならアリだったのかなと思う。時系列的に見ればむしろ逆だが・・・どちらもストイックな宮沢賢治の裏には脆く崩れかかりそうな弱さも感じられ、むしろそういう部分に共感しちゃったりする。

投稿 : 2013/09/13
閲覧 : 439

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

昔見たが、全く記憶に残っていない

 宮沢賢治の原作にどの程度沿っていたかを含めて、全く記憶に残っていない。沿っていない部分があって、それが嫌なので忘れようとしたのかな。印象に残らないようでは1.0をつけるしかない。声優、音楽も記憶に無いのでこちらは3.0にした。
 キャラクタを猫にしたのが気に入らなった。今も。賢治の他の作品には動物を擬人化したものが多いから本作も動物にしたのだろうが、酷いセンスだ。或は、人間で描いた場合の諸々の批判が怖くて動物で誤魔化したのだろうか(こっちなら、もっと酷い)。
「銀河鉄道の夜」は「健全」な宮沢賢治原作ということで、子供向け映像化の企画としてやり易いのかもしれない。しかしそういう、PTAに容れられるから、という動機が不健全だ。
 

投稿 : 2013/06/10
閲覧 : 257

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

宮沢賢治の傑作ファンタジー

あまりかわいくないネコキャラは当時から異論がありましたが、
私は今みたいな3DCGよりもこのファンタジーにはふさわしいのだと思います。
賢治死後の草稿で遺されたこの物語は、悲しいまでの人間愛に満ち、
さそりの火に象徴されるように自己犠牲の精神は、草稿ではあまりにも惜しいため、多くの方々の研究によって版が重ねられました。
物語は昭和初期(1933)の作品ではあるけれど、未だにその輝きは失われていません。
このアニメではこの物語の良さを伝え切れていないので、できれば原作も読むことをお勧めします。

幸いなことに、この物語を青空文庫で読むことができます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card456.html  (新潮文庫版)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card43737.html (角川文庫版)

投稿 : 2012/09/20
閲覧 : 352
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4

じょーささ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ジョバンニ!!!

みなさんご存知賢治の作品のアニメ。
登場人物がネコ。
めっさかわいい。

で、ストーリーですが、アニメだとどうしても
「読観とって」的なところも出てくるので、
先ず原作読んでからのが面白いかも。
あ、でもどっちでも楽しめます。
てかアニメからで全然OK。

そして評価ですが、
細野晴臣さんが音楽やってます。
劇中の音楽も凄く耳に残る印象深い、どこかノスタルジック
で不思議な感じになっていますので注目です。

投稿 : 2012/05/07
閲覧 : 381
サンキュー:

1

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

小学校で見ました

自分はアニメ→原作の順番でした。

はじめはストーリーがよくわからなかったです。

今考えると"本当の幸せってなんだろう"というテーマだったのですね

原作を見てから見ることをおススメします。

投稿 : 2011/10/03
閲覧 : 398
サンキュー:

1

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

宮沢賢治に出会わせてくれたアニメ

宮沢賢治の童話が原作の劇場用アニメです。
私は小学生の頃にBS2で観たのですが、当時はこのアニメのイメージに圧倒されて、
「注文の多い料理店」や「よだかの星」など宮沢賢治の童話を読み耽ったものです。


このアニメは登場キャラクターの9割は猫の姿で描かれていますが、
残り1割として列車で席を同じくする姉弟とその家庭教師が出てきます。
彼らが銀河鉄道に乗車した経緯の中に現実的な描写が多い分、
他のキャラクターとイメージの対比が出来て、幻想的な世界観を
構築するのに一役買っているのではと思いました。


作画は、日常シーンは少しパッとしない感じがありますが、
銀河鉄道乗車後のシーンはセル画アニメの吸い込まれるような美しい色彩で表現されていて、
鳥を捕る人や南十字のシーンはレビュー前に観直すまでしっかり目に焼き付いていました。
劇中の音楽も映像の独特の雰囲気にしっかり合っています。


物語はジョバンニ(CV:田中真弓)とカムパネルラ(CV:坂本千夏)の二人を中心に描かれます。
全体を通して落ち着いた表現のアニメですが、命の廻りや本当の幸せがどこにあるのかを
真摯に描写しているストーリーに引き込まれました。
南十字の駅を過ぎてからのシーンはやはり涙腺に訴えかけるモノがあります。
特にジョバンニの叫びが哀しく響きます。


「銀河鉄道の夜」を知る人、知らない人問わず、オススメしたいアニメです。

投稿 : 2011/08/24
閲覧 : 767
サンキュー:

13

santaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/10/03
閲覧 : 3

kuroneko さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2024/04/14
閲覧 : 7

ドウ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/06/10
閲覧 : 33

カラタチ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2022/03/31
閲覧 : 32

mlucky さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/10/12
閲覧 : 36

サイバー司教 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/08/06
閲覧 : 40

pon さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2021/07/25
閲覧 : 43
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銀河鉄道の夜[グループ・タック]のストーリー・あらすじ

宮沢賢治の同名小説をますむらひろしがマンガ化し、それを原作として映画を制作したファンタジー。登場人物のほとんどが猫の姿で描かれている。監督は杉井ギサブロー。音楽を元YMOの細野晴臣が手掛けた。まだ小さいジョバンニは苦しい家計を助けるために、学校が終わってから町の印刷所で働いている。遠洋漁業に出ている父が帰らないこともあり、クラスの友だちからいじめられたりもしている。星祭りの夜、ジョバンニは届かなかった牛乳をもらうため、町はずれの牧場へ行き、そこで夜の空から突然降りてきた行き先の分からない汽車“銀河鉄道”に乗ってしまう。汽車にはすでに幼なじみのカンパネルラが乗っていた。ふたりは廃墟の駅“白鳥ステーション”で古代の動物の骨を発掘している現場を見たり、氷山に衝突して沈んだ豪華客船の乗客だった少女らに出会ったりしながら、不思議で幻想的な銀河の旅を続ける。だが、巨大な十字架の前を通り過ぎたとき、カンパネルラが思わぬ告白を…!?(アニメ映画『銀河鉄道の夜[グループ・タック]』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1985年7月13日
wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A8%E3%81%82%E3%8...
公式サイト
www.kadokawa-pictures.jp/official/gingatetsudou/

声優・キャラクター

田中真弓、坂本千夏、堀絢子、一城みゆ希、島村佳江、槐柳二、八代駿、新村礼子、大塚周夫、菊池英博、渕崎ゆり子、中原香織、梶哲也、青野武、倉崎青児、仁内建之、納谷悟朗、金田龍之介、常田富士男

スタッフ

原作:宮沢賢治、原案:ますむらひろし
監督:杉井ギサブロー、脚本:別役実、美術:馬郡美保子、設定デザイン:児玉喬夫、作画:江口摩吏介/猿山二郎、撮影:小山信夫、編集:古川雅士、音楽:細野晴臣

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