テレビ画面が4:3の時代のサンライズの作品です。古ーい作品です。
見られる手段が限られているかもしれません。
「十五少年漂流記」あるいは「蝿の王」
がコンセプトとなっています。
多くの登場人物が,それぞれの個性と行動を演じていて,
一人一人に魂が込められているような,
話の設定は,このアニメを制作した
すべてのスタッフに敬意を表したいです。
航宙士養成所リーベ・デルタに
外洋型航宙可潜艦「黒のリヴァイアス」が
隠されていたという設定は,
話の核だと思われますが,
発想が斬新です。
隔絶された空間の中で,
正常な社会生活を営めるのかという
心理描写はなかなか詳しく
ほぼリアルに描かれています。
戦闘シーンよりも心理描写が見もののアニメだと思われます。
人間群像劇として,見ると…
全員が思春期-青年期の少年少女たちが
487人もいても,登場人物は限られています。
(それでも普通のアニメよりは多いかも。)
主人公は相葉昴治なのかもしれませんが,
だれの視点からも見られるし,
感情移入しようと思えばどの登場人物にもできます。
主人公はだれかというのは愚問なのかもしれません。
極限状態に置かれた少年少女たち。
統制されない秩序。
いわれのない外からの攻撃。
無視される救難信号。
外部の大人たちの裏切り。
一言で言ってしまうと描けるだけ
人の本質を描いた「何でもあり」作品です。
かっこいい,みんなで力を合わせて
状況を打開する
宇宙生活物語を期待すると
肩透かしを食らいます。
理性と私利私欲,利己的な行動の対立
とにかく「後半になるほど鬱っぽい」
人間の心情描写物語です。
全体としては,話のふろしきを
広げ過ぎのように思います。
出で来る登場人物と名前が一致するのに
3回まわりぐらい見ないといけないです。
関係性もです。
ネーヤとマーヤの交渉(やりとり)で,
ころっと敵味方ではなく,
救助されることとなって,
ハイおしまいという簡単な終わり方は,
今迄の話の流れがなんだったのだろうと
不思議でした。
汚れた暴力性も,必要悪も受け入れられる
覚悟がある人が見ると面白い作品です。