魔法少女もののアニメといえば,
魔法というか超能力を使って,
勧善懲悪,正義の味方として君臨して
悪者を退治して,めでたしめでたし,
という話が常道でした。
そこにはかわいいマスコットキャラが付きものでした。
魔法少女まどか☆マギカもそういう話と思いきや,
ダークSFバトル的な鬱展開にだんだんなっていきます。
魔法少女は正義の味方でも何でもありません。
いのちとは何なのか,
本当に大切なものは何なのかを問い続けていくのが,
本作品の主題の一つなのかもしれません。
高い代価を支払って,魔法少女になる代わりに,
自業自得で困難が待ち受けているし,
自分の体と魂が分離してしまうという境遇に陥ります。
きゅうべぇがインキュベーダーの
「曲者で」我々の価値観で言う
「諸悪の根源」という設定なのには驚かされました。
きゅうべぇの目的は地球人には
理解できないもの,宇宙の延長と
やがて魔女になる魔法少女を使って
エネルギーの開放を目指すというあざといもの。
ほむらの思いや時空の反復とは裏腹に,
まどかは,最強の魔女「ワルプルギスの夜」?
から,私利私欲を捨て,「悟り」,
すべてを正常な状態に戻すことを試みて,
魔法少女に最後にはなり,はかない最期を迎えます。
後半になるにつれどんどん引き込まれていく
展開こそが,今でもこのアニメの人気を支えている要素
なのだと思います。
1クールでよくまとめました。
また,魔女が現れた時などの
「切り絵のような世界は」当時見ていて,
不思議さゆえに斬新でした。