nyaro さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
価値はCGアニメ黎明期のレベルを確認するくらいですかね?
原作のレンズマンが何度読み始めてもどうしてもテイストが合わないので、さぼってこれを見たところ、全然原作とは違うらしい、と聞いてがっかりした記憶がよみがえります。原作はスペースオペラとはいえ、結構緻密な作品らしいのです
本作はジュブナイル・スペースオペラという感じで、ティーン向けの作風となっています。1987年の作ということで、すでに「ナウシカ」などはありましたが、まだまだSF宇宙少年ものという感じのチューニングです。
再視聴しましたが、要するにレンズマンになって、敵がきて、事件があって、戦って勝利!みたいな話です。つまり面白くはないですが、単純故に王道なストーリーで集中はできませんが見られます。
画像に対する興味はありましたので苦痛ではなかったですが、話に興味は持てません。
制作はなんとマッドハウスですね。こんな前からあったんだとちょっと感動しました。映画冒頭のCGは、当時の技術水準だと結構なことをしているのではないかと思います。EDのクレジットにはズラリとCGスタッフが並びます。東工大とかも協力しているみたいですね。80年代のアニメ作品だとあまりCGは無かったと思います。もちろん今見れば技術的には過去の遺物ですが、低レベルではないことは画面から伝わってきます。
作画も丁寧だし、SF表現として異星人や宇宙船のデザイン、描き方も高水準だと思います。主要キャラが海外原作だからかキャラデザがあちら風なので、ちょっと日本的アニメの作風とは合わないかもしれません。
で、EDがALFEEでした。桜井氏がネットリとうたっているのがちょっと笑ってしまいます。彼らには合わない感じですね。一応スターシップとか銀河とかそれっぽい歌なんですけど、ラブソングです。
見る価値があるかは人それぞれでしょうが、私の評価ではアニメ史に興味がある人が1980年代のCG黎明期の作品としてみる分には価値はあると思います。
なお、川尻善昭さんという本作の監督がフリーレンの絵コンテをやっているということでちょっとびっくりしました。調べたら御年73歳だそうで。そうやってスタッフの歴史を見るのも悪くないかもしれません。
いずれにせよ、そういう外部からの視点での楽しみがないと、アニメそのものが楽しめるかといえばちょっと厳しいかなと思います。
一応オール3点で作画だけCGの先駆者として敬意を表し4にしておきます。