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「空の境界 第七章 殺人考察(後)(アニメ映画)」

総合得点
75.7
感想・評価
728
棚に入れた
4354
ランキング
783
★★★★★ 4.1 (728)
物語
4.1
作画
4.3
声優
4.0
音楽
4.1
キャラ
4.1

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空の境界 第七章 殺人考察(後)の感想・評価はどうでしたか?

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

UFOテーブルの美しき最高傑作。二人の殺人者に祝福を…。

 UFOテーブルさんといえば鬼滅が話題だが、やはりタイプムーン原作。タイプムーンといってもフェイト以外にも本作「空の境界」シリーズもある。UFOテーブルの武器であるの端正な作画、大得意とする夜の世界、梶浦さんの音楽,それらが血反吐と中2病と歪んだ愛の本作には見事に調和している。


 フェイトと同じく中二病なのだが、そんなに面倒くさい設定がないし、特に本作だと素直に主役二人の愛の結末というシンプルに牽引力ある物語が作品を引っ張ってくれるから見易い。


 二人の愛に集中できるのは、なにより二人のキャラが素晴らしいから。決して解りやすく全肯定できる二人ではなく、弱さと矛盾に満ちている罪を抱えたアウトサイダーな二人。正に夜の淡い光の中に生きる二人の物語だからこそ心から行く末を見届けたくなる。


 作画の良さも、美術の良さも、梶浦さんの音楽も全てはこの瞬間のためにあった!というクライマックスは、全ての要素が積み上げていった物語とキャラの感情の頂点に一致するからこそ感涙ひとしおである。


 そしてラスト、傷を負いながらも這いずって式の元に向かう幹也の姿はこの物語の縮図に見える。派手なシーンの後に、引き算が活きた少ない台詞と音楽で見せるシーンを入れる演出の妙!。


 大文字で誰でも賛成できるような真っ昼間の大舞台な世界での「純愛」(笑)なんて不快なくらいだが、歪んでいても罪深くても痛みを抱えつつ生きる二人の愛、それは綺麗事を超えた美しさに到達している。


 それにしても真綾さんはこういうキャラやらせると本当に最高!。鈴村さんとのコンビは「桜蘭高校ホスト部」でもやっていたが本当に嫌味じゃない上手さやでぇ…。

投稿 : 2024/04/29
閲覧 : 474
サンキュー:

14

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

僕は君を一生・・・許さない(はなさない)

 全100分。

 7章は「幹也と式のラブストーリー」といったところですかね。2章の、結局あれどうなったの?の答えが示されました。

 結局式は無罪であり、犯人はまさかのちろっと出てたあの人だとは・・・犯人はショボい感じはしましたが、まあ仕方ない。今回のメインは幹也と式ですから。

 全体を通して、なかなか責めたエログロがたくさんあり、さらに難解さもあるため人を選びますが、僕はとても良かったと思います。最後はハッピーエンドなため、後味の良い終わりかたでした。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/06/09
閲覧 : 738
サンキュー:

11

ネタバレ

cLzNA78240 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

人殺し

ヒロインが人殺しというとても感情移入できない設定。もちろん人殺しであるヒロインを支える男に感情移入させようとしているのだろうが、全体的に鬱屈とした地獄を彷徨うような内容で視聴するだけで精神的疲労が激しい。これは劇場で公開したアニメでそれをTVシリーズにしたもののようで、私はアニマックスで録画してみたのだが、見なくてよかった。有名作家のものだから見てみようと思ったのが間違いだった。いくらアニメだからといっても好みというものがある。fateに散りばめられた暗黒面を凝縮させたようなものだった。あのアニメの気持ち悪い部分の原点という気がする。原作が1990年代後半ということで時代背景で仕方がないのかなということにしておきたい。

投稿 : 2021/04/11
閲覧 : 231
サンキュー:

0

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

もう本作が最終回でいいんじゃないかな

劇場版・空の境界、7作目。
2作目の殺人考察(前)の続編で、本作でほぼ全ての伏線が回収されます。
殺人考察(前)で発生していた連続殺人の犯人、識が死に直死の魔眼を得る切っ掛けとなった交通事故、そして、式と幹也の関係に結論が出るなど、もう本作が最終回でいいんじゃないかなという感じの内容となっています。

4年前の連続猟奇殺人事件が再度発生したというニュースが流れたある日の話。
黒桐幹也は両儀式の誘いで同じ布団で就寝するのですが、その日を境に式は幹也の前から姿を消す。
依然として続く殺人事件に式の身を案じた幹也は、独自に調査を行う。
犯人は着物の女性だったという証言を聞きながらも、それでも式を信じ続ける幹也と、自分の内なる衝動と葛藤する式の物語です。

ただ殺すだけではなく食人シーンがあり、ビジュアル的な衝撃が強い作品だと思います。
殺した死体を"食べている"というのが明確で、これがOKで、忘却録音がオリジナル展開ほぼカットになった意味がわからない程でした。
尺は2時間あり、劇場版としては普通ですが、空の境界の中では長尺の部類ですね。
バトルシーンが多く、特に本作はナイフ対ナイフで人外の動きをしながら切り合うシーンが多々あります。
目の離せない展開が多かったように思いました。
一方で、中間は結構中弛みがあり、退屈を感じることもありました。
後半頃から面白くなってきます。
式が組み伏せられて全身唾液でびちゃびちゃにされるシーンがあるのですが、唾液量が多すぎて汚い感じなのが残念でした。
どうせならもっとサービスシーンにしてくれたらいいのにと思いましたが、空の境界にそういうのはつくづく期待できないんだなと少し安心したりしました。

展開は分かりやすい方だと思います。
ただ、理解しながら見ないと、4年前の連続殺人は結局誰の仕業だったか、本作でもちょっとだけ出る荒耶宗蓮が何をしたかったかなど、重要な部分を十分な説明なくさらっと匂わせて先に進むので、不明点が後で出てきそうです。
バトルと、幹也にデレる式が見れたら満足という層は問題ないと思いますが、過去作を踏まえて追う必要がある内容です。

次回作で最終回ですね。
後は幸せなキスをして終わるだけな気がしますが、次回作も楽しみです。

投稿 : 2020/07/23
閲覧 : 310
サンキュー:

5

ネタバレ

まつまつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

今までの話がようやく繋がった

終章もあるが、この作品で1章からの話がほぼほぼ繋がった。
難解な話ではあるがここまで見通して良かったと思える作品であった。

内容が分からない部分も映像の美しさやアクションシーン、カメラワーク等がカバーしてくれて見続ける事が出来たのかもしれない。

今作は式の幹也に対する気持ちが良く分かる場面が多く、ツンデレ感満載な所がたまらない。

それにしても幹也、あまりにも弱い。しかも無防備過ぎる。
名探偵顔負けの調査能力にはあっぱれだが、ドラッグが蔓延している路地裏に調査に行ったり、連続殺人鬼を追っているのだから何か護身用の道具くらい携帯しとけよと思ってしまう。
白純の自宅の調査や最後式を助けに行くのはいいが、殺されに行っている様なものだ。

平均的で普通の人間として扱われているが、普通の人間があんな事しない。
お人好しにも程がある。

そして致死量の大麻を飲まされた割に生きていたのは何故?
生命力だけは強いのか。

全章通して荒耶に利用された人物達は何とも言えない悲しさがある。
何だかんだ書いたが、面白い作品であったし、式と幹也には幸せになってもらいたい物だ。

投稿 : 2020/06/24
閲覧 : 292
サンキュー:

3

ネタバレ

ジャスティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

どうしても守りたいやつに...

【視聴きっかけ】
第1章と同様
【良い点】
今までの戦闘の集大成を描いた作品となりましたね。
正直第1章と比べると、全然違う話に見えて話が繋がっていて伏線らしさも感じられた作品になりました。
いつも思っていたことがありました。
それは主人公が主人公ではないことです

どういうことかというと、普通の作品だったら、主人公というのは必ず出てきます。
しかしこの作品では、一応出てはいるものの主人公らしさが感じられないことが多かったです。なので、 主人公がかっこいいとかもなく、ただただシリーズが終わっていくような形が見受けられました。

そして今回のメインはまさかの主人公だった。
主人公というよりは主人公とヒロイン(シキ)と言うべきでしょうか。

(いつもキャラの名前を調べているなんて言えないw)
今回はシキに関することが多かったですね。

主人公とシキの関係がますます良くなり、もうこれ付き合っているでしょ?感覚ですw
個人的には、良い話って感じですがこの作品のシリーズとしては面白さと言うべきでは全くないと思います。
なのでファンサービスみたいなものでしょうか?でもこの結果はとても個人的には良かったのでこれでいいのかなと思っております。

何故今回このグダグダ感があると言うと、実は視聴があまりできていなくて、一応したにはしたんですが、覚えているところがかなり少ないです。
本当に印象が薄かったというのもあるかもしれませんが、朝方に見たというところで、記憶がかなり飛んでいる可能性があります!

その後に、もう一度1カットずつですが視聴しましたが、今回だけはすみません。

投稿 : 2019/07/09
閲覧 : 288
サンキュー:

3

ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

空の境界デビューはこの第七章からでもOK!

2018.08.05記

第一章 『俯瞰風景』 (1998年9月)
第二章 『殺人考察(前)』(1995年9月)
第三章 『痛覚残留』(1998年7月)
第四章 『伽藍の洞』(1998年6月)
第五章 『矛盾螺旋』(1998年11月)
第六章 『忘却録音』(1999年1月)
第七章 『殺人考察(後)』(1999年2月)
終章 『空の境界』 (1999年3月)
『未来福音』 (1998年8月~)

矛盾螺旋とほぼ同じくらいの尺を取った2時間の長編です。
タイトルの通り第二章を受けての答え合わせであり、シリーズのクライマックスに該当する濃密な2時間の展開を楽しめます。

これから空の境界を観てみようかなという方は、原作から入るなり、シリーズ第一章から入るなり、時系列通りの第二章から順番に観ていくなりといったルートが一般的かもしれませんが、この第七章から始めても良いと思います。
正直なところ、シリーズ全般入り組んでけっこう難解な作品なので、どれか一個観ただけではさっぱりわからないです。ただ第七章はシリーズの魅力が凝縮されている回だと思いますので、これを観て世界観やらキャラクターなりひっかかりがあれば他のにも手を出してみていただけるとうれしいですね。

fateあたりが好きなら入りやすいでしょう、というところだと思いますが、けっこう世界観勝負みたいなところがあるので、中身をどうこう言うよりもまず観てみてね、とレビュー放棄を宣言しちゃいます。

劇場版ということもあり当時の年代の水準以上の作画、TV規制がないところでの映像表現の豊かさ(ん!?作画?)、梶浦女史の劇伴とkalafinaのコンボ、
などが見どころでしょうか。
私はkalafina結成の作品でしたよ、というのが鑑賞のきっかけでした。

{netabare}
「根拠はないんだ けど、僕は式を信じ続けるんじゃないかな
君が好きだから信じ続けていたいんだ」
{/netabare}

なお、あいかわらず両儀式さんの魅力はハンパありませんでした。
というよりもブーストかかっておりました。お腹いっぱいです。


-----
2018.08.14追記
《配点を修正》

投稿 : 2018/08/14
閲覧 : 429
サンキュー:

14

ネタバレ

ヒルス・ラギリー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

趣味全開

本当は全てにレビューしたいのだけどキリがありませんのでここで。
私の趣味にどハマリでしたわ。あの中二病全開なところとかナチュラルに狂ってるところが。まずヒロインが二重人格(複合個別人格?)というところがもうすごい。式ちゃん可愛いし幹也くんもかっこいい。確か中の人結婚されてるんですよね。( 厂˙ω˙ )厂
音楽もとても良かったですわ。梶浦さんほんと好きですわ。確かKalafinaが出来たのもこの作品だったのですよね。

投稿 : 2018/02/24
閲覧 : 301
サンキュー:

4

フロー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

式。 君を――――一生、許(はな)さない。

第7章は1999年2月
殺人考察(前)→伽藍の洞→痛覚残留
→俯瞰風景→矛盾螺旋→忘却録音→殺人考察(後)


3年前の殺人考察(前)を彷彿とさせる連続殺人が
1999年2月に発生していた
すると嫌でも思い出すのは3年前の両儀織
式はその殺人犯を殺すべく動き出し
幹也も独自に事件の調査を開始する
幹也は最近出回っている新型の麻薬の情報を入手する
そして動向が怪しかった式との連絡がついに途絶えてしまう

この物語は章分けされているタイトルの中では
あらゆる面で最後なので
これまでの物語の謎があらかた紐解かれるお話です
そして
人を殺せない殺人鬼に訪れたかつて無い危機と言えるでしょう

今まで少なかった式と幹也のモノローグが描かれていたり
貴重な章になっています

投稿 : 2017/10/07
閲覧 : 414
サンキュー:

7

ネタバレ

※アニをた獣医師 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

式が男前、そして儚くもかわいい!

もっと評価されるべきだと思う。最後の式は可愛くてヤバかった♪
1~7の映画全ては見た目は長く感じられるが1度引き込まれると最後までとまらないね♪
あと結構古いのに作画がキレイで古いと感じさせなかったのはすごいとおもう❗

何回も見て理解を深めたいと思える作品だと思う❗
ふとしたときにみるのはおすすめかも♪ しっかり見よう!

投稿 : 2017/02/25
閲覧 : 417
サンキュー:

7

ネタバレ

チョロ松 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

過去への決着

これまで、式と幹也の過去を各所に伏線として散りばめていたのを、
回収し全ての解決へと向かっていきます。

幹也はとある事件の解決の為に裏社会で出回っている麻薬を使い事件解決への糸口をつかもうとし、式はこれまでの出来事から事件を解決しようとし。

二人が同じ犯人にたどり着きそして
式の過去の出来事や過去に起こった事件が解決へ、
しかしその中で幹也の目が。

今までの伏線や謎が解決すると思いますので、
最後まで観てほしいです。

投稿 : 2017/02/03
閲覧 : 264
サンキュー:

6

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

そんなに唾液でないだろ。(笑)

とりあえず全部観たけど好みの作品ではなかったです。

投稿 : 2017/01/14
閲覧 : 217
ネタバレ

ヨシタカ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

おもしろいけどむずい

原作読まないで見たからかなり難解でした。が、原作読まないで考えるのも1つの楽しみ。最初は式可愛い!!!から入ったんだけどどんどん内容にも引き込まれた。式が可愛くなかったら見てなかったかも笑

投稿 : 2016/06/19
閲覧 : 249
サンキュー:

3

ネタバレ

leojojo さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

七章+エピローグ+未来福音構成の劇場版の七章目で時系列でいうとほぼ最後らへん。時系列がぐっっっちゃぐちゃの作品なのでそういうのが嫌いな人は注意。(TV版は七章分を13話にまとめたもの)

{netabare}
式ちゃんと黒桐くんお似合いですね
{/netabare}

投稿 : 2016/05/29
閲覧 : 212
サンキュー:

3

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 1.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

終わり方

終わり方が僕好みではありませんでした。
嫌いなんです。ダークに描いといて最後だけ都合よくハッピーエンドって。
こんなにエグいストーリーなんだから、最後もグチャグチャにして終わって欲しかった。
多分僕の性格が捻くれてるだけなのですけれど。

僕的には、最後、シキが、コクトウは殺されたのだと勘違いし生きる意味を失ってその場で自害。その直後に実は生きていたコクトウが自害したシキを目の当たりにする、っていうエンディングを期待していました。

別に僕はダークな絶望的なエンディングが好きな人間、ってわけではないですし、報われるとか幸せっていうアニメもとても好きです。ただ、このアニメに関しては1章から6章までダークな展開で貫き通してます。そこまでダークな印象を与えといて、エンディングだけ桜咲き誇ってもらっても困ります。そんな都合のいいハッピーエンドは綺麗事の塊だし、ダークな人生の先にダークなエンディングを迎えてしまった世の中の死者達は憤怒するでしょう。世の中そんなに綺麗じゃないし、美しくもないです。
結局はアニメなんでしょうがないですけどね。

よーするに、僕的には、気に入らないエンディングだったということです。共感してくれる人いますかね、、、。

投稿 : 2016/04/08
閲覧 : 232

mrt さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

異常者

異常であるが故に異常者を極めた 話です。
〆に相応しい作品だと思います。
幹也の、式の、橙子の
それぞれの終着点がみどころです。
殺人……ってなんなんでしょうね?
殺人を考察する話:後編です。
起源という向きには逆らえない。
それは混沌の衝動だから。

投稿 : 2016/02/23
閲覧 : 274
サンキュー:

3

Takaさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

殺人考察(後)

第二章『殺人考察(前)』の続き

再発する連続猟奇殺人事件の中、
幹也、先輩の白純里緒、式の3人が中心に進んでいく話。

戦闘や里緒先輩が狂っていくうシーンよりも、
やはり、幹也と式の最後のシーンが一番の見所かなっと。

全体的には、『おぉぉっ』と思うぐらいで、
深い所までは分からなかったけど、ファンの人たちはすごく楽しめたのでは?

投稿 : 2015/10/24
閲覧 : 269
サンキュー:

3

ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

空の境界の集大成。式と織の夢の行方は如何に

「空の境界」は奈須きのこによる、同人誌に掲載された長編伝奇小説である。全7章で構成され、本作は第七章「殺人考察(後)」が映像化された。「そらのきょうかい」でも「くうのきょうかい」でもなく、「からのきょうかい」なのでお間違えの無い様に。略称は「らっきょ」。


「空の境界」は奈須きのこの小説だが、奈須きのこと武内崇の所属する同人サークル(現在は有限会社Noteのブランド)「TYPE MOON」の作品に「月姫」、「Fateシリーズ」などがあり、「空の境界」と世界観を共有している。奈須氏によると「微妙にズレた平行世界」とのこと。

劇場版「空の境界」は圧倒的な映像美、迫力満点の戦闘シーンと、難解且つ素晴らしい世界観を、原作小説を忠実に再現し映像化したufotableの力作である。
本作のメインテーマは「境界」である。相反する二つのものに関するメッセージが緻密に組み込まれている。
その各々に対する矛盾もまたテーマの一つだ。
奈須氏の命の重さ、禁忌を主題とした本作の完成度には脱帽するばかりである。
「生」と「死」、「殺人」と「殺戮」などについて考察するわけだが、テーマがこれであるから必然的にグロテスクな描写がある(しかも美しかったり)。
また、難解な言葉(辞書的意味では用いない)や、時系列のシャッフルにより、物語の理解はやや困難である。
しかし、この時系列シャッフルこそが「ミステリ」における叙述トッリクとして作用しているのである。
決して時系列の通りに見てはいけない(2度目からはご自由に)他にも、原作にはなかった「色分け」が行われている点も魅力的だ。式の服の色や、月の色なども見てみると楽しい。
全7章に渡って展開される両義式と黒桐幹也の関係も素晴らしい。
設定はここで説明するとつまらないので、作品を視聴することをお勧めしたい(丸投げであるが(笑))
副題のThe Garden of sinnersは直訳すると「罪人の庭」と言う意味。sinには(宗教・道徳上の)罪という意味があり、guiltの(法律上の)罪とは区別される。
Theの次のGardenが大文字であることから、これはギリシアの人生の目的を心の平静(アタラクシア)に見出した精神快楽主義のエピクロス学派を意味する。よってThe Garden of sinnersは快楽主義に溺れた道徳的罪人という意訳が適切ではないか。

===============================================

第七章の本作は「空の境界」の時系列で、全7章のうち7番目にあたる作品だ。本作の視聴で第一章から第六章までの展開や伏線について、九分九厘解明され、当然ながら本作の集大成といえる章である。第二章は殺人考察(前)ということもあって、本章の前日譚であり話の関連性が多く見られる。しかし、二章の他にも本章への伏線は張巡らされているので、注意深く視聴して欲しい。二章から本章まで七章作品があるが、五章で述べた通り、荒耶の野望としての側面は五章までで、六章・七章は彼の残滓・置き土産との戦いである。
本章は置き土産2号との戦い(笑)
そして空の境界の式と幹也のラヴストーリー性が最大に際立っているのが本章である。
式、幹也が各々の方法で4年前からの事件に決着を付けるべく行動する。彼らの葛藤とその意味、事件の真相と結果が見所。
また、本章視聴後、是非、終章空の境界も見て欲しい。こちらを見る事によりより深く、作品を理解することができると思う。
副題の not nothing heartは「空虚な心でない」といった訳だろうか。二章と対照的。
考察←観る前に見ない様に。

{netabare}
時系列:7/8
1999年2月
両儀式:19歳 職業:高校生
黒桐幹也:19歳 職業:大学中退 伽藍の堂に勤務

原作との相違:小
原作との尺の比 210P:120min=1:0.83(1分当たり1.75P)
(一番原作との尺の長さの比が合致していると判断される2章の比を基準:1とする)
(原作の頁数は講談社文庫を用いる)

・「白純里緒」について
黒桐幹也の高校時代の先輩であり生徒会に属していた目立たない生徒だった。幹也は六章で述べた通り、誰にでも普遍的に接し、交際範囲が広く、彼は一人の先輩としての位置づけだが、彼は幹也に常軌を逸した親愛の情を寄せる。
両儀式に惚れて告白するも、「弱い人は嫌いです」と振られてしまう。彼は潔癖症で人間嫌いだったが、式に惚れた理由は、式が男性と女性の要素を兼ね備えていたからだろう。彼は天性の女性的嗜好家で、式よりも織に惚れていたきらいがある。月刊コンプティークのインタビューで、奈須氏は「里緒は性同一性障害であり、織に惹かれ、幹也に惹かれた」と答えている。
強い自分になるべくゲームセンターで幅を利かせていた不良を挑発し、木材で遭えなく殺害してしまう。死体処理に困った揚句に死体を摂食して処理することを思い付き、之を食らう。処理中に荒耶宗蓮に認められ「食べる」という起源(後述)を覚醒する。
彼には自身の行為の異常性の認識があったものの、荒耶に「君はすでに常識に不在している」と言われ、道徳に縛られない、常識という世界において異常者は罪に囚われない(罪に問われないわけではではない)という観念に没頭する。
起源覚醒時に荒耶に「りお――おしいな、一字違えば君は獅子だったのに」と言われ、獅子を模す為に金髪に染めている。(レオ=Leoとはラテン語で獅子、ライオンを意味する。性質と名前の関連で言えば両儀式は完璧と言える。性質と名前の一致は重要と思われる。)
二年前の殺人事件でも式に模した格好で殺人を連続して挙行しており、彼女の殺人衝動を刺激して、彼女も自分と同じ殺人鬼にすることで、自らの欲望を満たそうとした。
(防衛機制に於ける式と自身の同一視という見方も出来る。)
他にも、薬屋の息子だったこともあり、自分と同じ起源覚醒者を製造する為に、荒耶から貰った大麻を安価で頒布し、見込みのあるものには、自分の血液を混入したブラッド・チップというドラッグを頒布した。
荒耶宗蓮の所有するアパートに居住し、部屋には両儀式コレクションがある。薬の製造も此処で行われた。
式が殺人に踏み切れない理由を「普通」や常識に囚われていること、それらと式を繋いでいる対象を幹也だと看破し、式を自分と同じ異常者に誘う為に彼を殺害しようとした。
彼は、式に振られてから犯した殺人を堺に、自分は異常だから、狂っているから異常な行為をするのは当然と、自己を正当化する為に狂った振りをして、言い訳をして、自分から、現実から逃げていた。
「・・・・・・生まれた時から理由もなく殺人を嗜好してしまう式と、自分を守る為に殺人を嗜好していると思い込んだ白純里緒」という幹也の台詞は簡潔で正鵠を射ている。
「空の境界という伝奇作品」のラスボスが荒耶宗蓮ならば、「式と幹也の恋愛物語」のラスボスは彼だろう。

・「壊れていない人間が殺人後に採る行動」について
白純里緒は前章の境界式で荒耶に「そうか。それは、君が特別だという事だ。殺人という極限状態において選ばれた選択には余分なモノがない。おおかたの人格はその時点で自らの罪から逃亡する。だが君は、君にしかできない方法でそれに立ち向かった。たとえそれが常識という範疇から”壊れている”方法だとしても、それを非に思う事はない」と言われ、自らの特別性を認識する。

奈須きのこが神様(月姫読本Plus Period 漢話月姫第七回より)だという京極夏彦の説を引用すると、
(魍魎の匣p.88より)
動機は後から、便宜上他人がつけるようなもので、犯罪を犯罪たらしめるために、社会通念上動機という理由が必要である。
動機は皆持っており、特殊なことではない。犯罪者と一般人を分かつものはそれが可能な状況や環境が訪れるか否かの一点にかかっている。
正常異常で分けるのなら、精神状態が一番異常になるのは犯行の後である。些細な衝動、殺した後に物凄い非日常的な状態に気が付く。
この状況を脱する、日常に戻る為の方法は二つ
 一つは後悔、反省、自首などの矯正をする。
 一つは社会に見逃して貰えば良いと、犯行を隠蔽する。バラバラはこの工程で合理的判断から行われるが、良心の呵責から、結局は警察に露見してしまう。

蛇足だが、監察医里村の意見だとバラバラは殆ど頭・胴体・両腕・両足の6つに分解されるが、そこまでする時間があるのならば、もっと細かく、肉は細切れにして、骨を砕いて、飼料にでも混ぜて畑に撒けば絶対に分からない。
絶対に捕まりたくないと思えばここまでやるだろうが、深層心理の何処かに捕まりたいという思い或いは遺しておきたいという思いがあるのかもしれない。

この考えでいけば白純が異常だったのは死体を摂食しようと思ったこと一点であり、荒耶の罪は重いと言えるだろう。


・「起源」について
起源とは生命体が生命の根底にもつ衝動で、始まりの因で発生した方向性であり絶対命令である。生命の存在意義であり、人格の形成に影響を与える。人格よりも肉体に対する支配力は強いが通常は自覚することが無い為、強い作用には至らない。起源を覚醒した人間は徐々に起源に飲み込まれ人格は消滅するが、強大な力を得る。荒耶宗蓮は螺旋した人の性を覆す為の人間のルーツの探求中に、起源覚醒の術を得た。覚醒には、荒耶と起源覚醒者の双方の同意が必要。


・「四年前の事件の真相」について
前半は省略。詳しくは、二章殺人考察(前)を参照

式は黒桐幹也を求める心と壊してしまいたいと思う心(ambivalent)に苛まれながら幹也を刺殺すようとするも、愛情と夢を叶えたいという想いから躊躇し、殺すことしか出来ない彼女は、自らの命を絶とうと自刃しようとする(一章の逃避行動の内の飛行)。しかし、五章矛盾螺旋で述べた通り、式の肉体の成熟を見守っていた荒耶に妨害される。幹也の傍を離れるべく逃走し幹也に追われるも、結局は自動車に跳ねられる。ここからは詳しくは四章伽藍の洞を参照して頂きたいが、昏睡から目覚める際に六章忘却録音で述べた通り、織は織と幹也の思い出、事件当夜の記憶を目覚めた後の式の理性によって解釈を改編されぬように(これは一種の防衛機制における抑圧とも解釈出来る)永遠の忘却の彼方に送った。そして織には叶えられぬ「普通に生きる」という夢を式に託し、消滅した。

・「殺人と殺戮」について
式の祖父は彼女と同じ二重存在者で、自らを痛めつけ、潰しあい、否定して、自己が曖昧になってしまった人物で、二十年近く座敷牢に幽閉され、何十年と正気でなかったが、式が六歳になり道具さえあれば何かを殺してしまえる体になったころ、今際の際に式に遺言を残した。
「人は一生に一人分の死しか背負えない」

祖父「人は、一生に必ず一度は人を殺す」
式「そう、なの?」
祖父「そうだよ。自分自身を最後に死なせるために、私たちには一度だけ、その権利があるんだ」
式「じぶんの、ため?」
祖父「そうとも。人はね、一人分しか人生の価値を受け持てないんだ。だからみんな、最後まで辿り着けなかった人生を許してあげられるように、死を尊ぶんだ。命はみんな等価値だからね。自分の命だからって、自分の物ではないんだよ」
式「じゃあ、おじいちゃんは?」
祖父「おじいちゃんはだめかな。もう何人も殺してしまった。殺してしまった彼らの死を受け持っているから、自分の死は受け持てない。おじいちゃんの死は、誰にも受け持ってもらえないまま、空っぽのところへ行く。それは淋しい事だ」
式「いちどしか、だめなの?」
祖父「ああ。人を殺せるのは一度だけだ。そこから先はもう意味のない事になる。たった一度きりの死は、大切なものなんだ。誰かを殺してそれを使い切った者は、永遠に、自分を殺してあげることができない。人間として、死ねないんだ」
式「・・・・・・おじいちゃん、苦しそうだよ?」
祖父「うん、これでおわかれだ。さよなら、シキ。せめてキミが、穏やかな死を迎えられればいいんだが」

人は一生に1人分の死を背負うことができる。つまり、自分が死ぬ際に、自分の死を受け入れるためのある種の一人一票的権利と形容できよう。人を殺した場合、その次の死を受け入れることはできない。処女は二回目は処女でないように、死を自分の体験として処理する際に慣れが生じる。最初の死は、処女喪失に等しい壮絶な体験であり、二回目に同等のものを得ることはできない。
式は殺人の痛みを誰よりも知っている。自分が殺人を嗜好していても、殺人を耐えずっと我慢してきた。

殺人・・・相手に抱く感情が、自己の容量を超えてしまった時、恋愛であれ憎悪であれ、その感情が自己の器から溢れてしまったとき、感情は苦痛に変化し、相手の存在に耐えられなくなる。それを何らかの手段で自分の中から遠ざけなければならず、対策として忘却したり、離れたりするが、手段が極端になると殺人となる。自分を守る為に道徳は消え、仮初の正当性をも手に入れる。殺害後は人を殺した、という意味も罪も背負う。

殺戮・・・殺人と違い殺す相手を特定しない。よって殺害される対象に特別性は無い(通り魔の対象が不特定多数であるように)。殺された側は人間だが、殺した側は人としての尊厳がない。あとの意味も罪もない。事故の様な物である。


・「一連の連続殺人事件の真相」について
四年前の事件(二章殺人考察(前)参照)では六人の殺害で式が昏睡状態に陥った為、白純里緒の無差別通り魔殺人事件は両儀式への見せしめ、誇示、示威が目的だったことから幕を閉じた。しかし、式が目覚めたという情報を察知した彼は、荒耶宗蓮が居なくなった秋から、再び連続通り魔殺人を挙行する(荒耶には白純は失敗作扱いされていた為、式を陥れる駒という役割を与えられなかった)。前回とは違い今回は、式に発見してもらう為に、「着物を着た人物」の目撃者を作るという証拠を残した。前回は織が夜に、誰かと殺しあいたいという願望を持って徘徊し、死体を発見し恍惚としていたが、今回は式が自身の殺人嗜好から殺人鬼と殺しあいたいという願望、四年前の事件に決着を付ける為に犯人を捜した。幹也は式が犯人でない事を証明し、安堵する為に捜査を行い、白純里緒が犯人だと断定した。白純は彼女を縛る対象を幹也と断定し、だんだんと起源と本能に埋没していく。
式は白純と戦闘するも、幹也との約束を守り、彼の左腕を殺しつつも、人殺しだけは行わなかった。しかし、白純に幹也が殺された旨を聞かされ、彼を殺してしまう。幹也は命からがら式の元に辿り着き、式が生きていることを嬉しく思い、傷心している彼女に、三章での「式の罰は、僕が代わりに背負ってやるよ」の言葉の通り、「・・・・・・でもかまわない。言ったろ、君のかわりに背負ってやるって」と彼女を慰めた。


・「seventh heaven」について
両儀式が黒桐幹也により変化していく様子イメージして奈須きのこ監修の下、梶浦由記によって作詞・作曲された。「君が光に変えて行く」の続編である。
Seventhは英語で7番目、heavenは英語で天国という意味の名詞。
Seventh heavenつまり第七天国はアブラハムの宗教(ユダヤ・キリスト教、イスラーム)における天国の階層の七番目。第一天ヴィロン、第二天ラキア、第三天シェハキム、第四天ゼブル、第五天マオン、第六天マコン、第七天アラボトがある。第七天国は天国の中心らしいseventh heavenは「至福」を意味するらしく、式と幹也の至福を祝っているのだろうか。

本作は第二章「殺人考察(前)」から続く式と幹也のラヴストーリー色の最高潮の作品で、二章の「君が光に変えて行く」の「こんなに哀しい景色を 君が光に変えて行く」という歌詞続きとして「こんなに明るい世界へ君が私を連れてきた」という歌詞からも分かるとおり、式が幹也によってだんだんと解放されてきていることを歌っている。
「もう一人じゃない ずっと 二人で行く まほろば」(「まほろば」は日本の古語で素晴らしい場所や住みよい場所を表す)

・「殺人考察(後)」という作品について
四年前、白純里緒は両儀式が好きだった。性同一性障害を秘めていた彼は男女両方に見られる彼女に惚れていたが、「弱い人は嫌いです」と振られてしまい、強くなるべく、喧嘩をしようとしたら、相手を殺してしまった。「自分は異常だ、特別だ」と思い込むことにより自我を保ち、荒耶に認められて起源を覚醒する。夜に徘徊する織の近くで殺人を繰り返し彼女を外から壊していったが、彼女が事故から昏睡してしまい、荒耶に失敗作の烙印を押されてしまう。荒耶の消滅後、式が目覚めたことを知り彼女に分かるように殺人を挙行した。式は四年前の事件に決着を付けるべく殺人鬼を追い、幹也も式が犯人でないことの証拠を掴む為に調査を開始する。白純は殺人鬼というネーミングに酔いしれながら、だんだんと起源に飲み込まれていった。式は彼が犯人だと突き止め、殺人衝動を押し殺して彼の挑発を受け流した。幹也もドラッグ方面の調査から白純が犯人であることを突き止め、説得を試みるも失敗。式に傷付いて欲しくない思いから式は幹也に戒められたが、式は幹也を殺されたと思い込んで白純を殺してしまう。幹也は式の罪を背負うことを伝え、彼女を生涯放さないことを決意した。



・名言(原作より抜粋)

荒耶―たわけ、そのような崩壊を望んだ訳ではない

荒耶―まだアレを破壊するのは早い。相克する螺旋こそが、アレに相応しい終焉だ。

式「おまえを消せないのなら――わたしが、消えるしかない」

白純「・・・・・・ダメだ。ボクは特別だから」

幹也「先輩を殺したら、僕は一生君を許さないからな」

幹也「・・・・・・君は誰も殺さないよ。たまたま誰も殺していないだけだって?笑わせるな、そんな偶然が今まで続いているもんか。君は自分の意志で、いつだって耐えていたんだ。人間の嗜好はそれぞれだろ。式はたんに、それが人殺しだっただけじゃないか。でも、ずっと我慢してきた。ならこれからも我慢できる。絶対だ」

式「・・・・・・おまえは変わらないね。コクトー。言っただろ。式はさ、おまえのそうゆう所が大嫌いだったって」

織―ありがとう。君を殺すことなんて、できない。

橙子「そうか。なら止めるのは少し野暮だね。――行ってらっしゃい黒桐。縁が続けば、また明日」

式「――そっか。殺人鬼が本当にいるのなら、私は、殺人鬼じゃないんだもの」

式―あいつがいないと、わたしは、生きてさえいけないんだ――。

幹也「・・・・・・殺人鬼なんて呼び名は間違っていたんだ。式が抱く苦しみを、あなたは持っていない。捨てたくても捨てられない感情、その隔たりがあなたにはないから」
幹也「だから――あなたは式と同じなんかじゃない。まったく正反対の人間だ。人を殺して、その罪を自分のものと認められない。ただ逃げて、殺人者にも殺人鬼にもなりきれない逃亡者。――それがあなたの正体です、先輩」

式「・・・・・・ああ。死んだのか、おまえ」

式―たとえば雨。霧のように降りしきる放課後、きみの口笛を聴いていた。
式―たとえば夕暮れ。燃えるような景色の教室で、きみとボクは語り合った。
式―きみがいて、わらっているだけで、幸せだった。
式―きみがいて、あるいているだけで、嬉しかった。
式―ほんのひととき。木漏れ日が暖かそうで、立ち止まっただけ
式―いつか、同じ場所に居られるよときみは笑った。
式―その言葉を、ずっと、誰かに言ってほしかった。
式―それはほんとうに。夢のような、日々でした。
式 ありがとう。でもごめんなさい。

幹也 君が、人を殺す事だけは許せない。
幹也 他の誰かが誰かを殺しても、かまわない。僕はただ、式にだけは人を殺してほしくないんだ。
幹也 君が好きだから。
幹也 君を好きでいたいから。
幹也 君に、幸せになってほしいから。
幹也 これ以上、傷ついてほしくなかっただけ。

幹也「・・・・・・でもかまわない。言ったろ、君のかわりに背負ってやるって」

幹也―僕が、君を殺そう。

幹也「式。君を―――一生、許(はさ)さない」

式「だからね、幹也。今の式は、そういうの嫌いじゃないって言ったんだよ」


感想

式が異常者として生涯に幕を閉じることがなかったことは、偏に幹也の功績である。式に異常者であることを強く認識させ、「普通」の代名詞たる自分との乖離を無意識の内に強調する事により、結果的に両儀式の人格破綻を招き、織を殺してしまった。しかし、彼の真っ直ぐな主義主張と愛情は首尾一貫して式の拠り所となり、織の式が普通に生きるという夢を最終的に叶えることと成った。式と幹也の純愛物語として、一章から七章の波乱万丈の物語も見ごたえがあって、見終わった後の感慨深さも一入である。式の消えてしまった織を忘れて欲しくないが為の男性口調や、反動形成、時たま幹也にだけ見せる女性らしさが愛おしい。式の胸に空いた伽藍洞にはしっかり幹也が納まっている。
式の言う「弱い人」とは五章で述べた通り、自我を保つ為に他人と違うことを強く望み、自分が特別であることを強調する人だろう。だから正反対の幹也に惹かれたのかもしれない。
両儀式は特別を持たない青年、黒桐幹也の特別となった。空の境界の一側面は幹也による両儀式の救済物語である。彼女の空っぽの心は、彼の愛に満たされたのだから。{/netabare}
===============================================

この七章は、「空の境界」の集大成である。是非、一章からの物語を反芻して、本作の神髄を味わって欲しい。

本作は考察のし甲斐があり、非常に面白い。また現代人への処方箋のような役割を果たし、私達にカタルシスを与える。

私は全章視聴後原作を購読したが、読み応えがあって大変面白い。アニメを観た人は補足の為にも、お勧めしたい。
未視聴の方は、是非挑戦していただきたい作品である。

投稿 : 2015/08/24
閲覧 : 1076
サンキュー:

35

ネタバレ

chelsea! さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

素晴らしい!

 最後めちゃ感動しました。式のデレの破壊力やばかったです。
空の境界の雰囲気は最高です。

投稿 : 2015/04/05
閲覧 : 309
サンキュー:

3

ダリア さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

最終章は、倒錯と純愛

二章とセットで空の境界全七章に終止符を打つ最終章。
今までと打って変わって、前半は今まで描かれることの無かった社会の闇、ダークな部分となります。普通に生涯を過ごしていれば縁の無いような闇に果敢にも踏み込んでいく幹也。性的倒錯者、薬物売買、終盤に待ち受ける幹也のアレ......何度視聴しても不快になります。
そして後半は、「愛」の話となります。二章の雪降る中の初対面から始まる二人の愛は、ひとつの結末を迎えることになります。積み重ねてきたこと全ての集大成からのモノローグ、ここぞというタイミングでの劇伴(BGM)もまたいい。流石の梶浦さんです。
七章の解説に外せないのは、ラストにふさわしい異常、性的倒錯者、原初の起源覚醒者白純里緒の存在です。過去のどんな敵よりも卑怯、卑劣、悪逆な手を使って、最も確実に式の精神を蝕んでいきます。
けれど、それも誰かに向けられた歪んだ「愛」の形でした。演じられた保志総一朗氏の見事な怪演で視聴者の印象に強く残る魅力的な必要悪となったキャラクターだと思います。
アクション、心情描写、背景美術、どれを取っても高水準に纏まっていて、空の境界作品群のラストを締めくくるにふさわしい作品です。

投稿 : 2015/03/28
閲覧 : 295
サンキュー:

4

ネタバレ

オキシドール大魔神 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

敵が変態

とにかく敵の変態さが印象的な今作。ただ、実力的にはそれほど強くなかったのは少々拍子抜けだった。
ゲスト声優が保志だったのは嬉しかった。

投稿 : 2015/03/21
閲覧 : 362
サンキュー:

7

くかす さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

感想

空の境界の映画の7作目
爽やかな良いラストで感動しました
式とミキヤ、2人ともかなりかっこいいです

投稿 : 2015/03/19
閲覧 : 282
サンキュー:

4

ネタバレ

眠夢 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

りおキモイ

投稿 : 2015/02/02
閲覧 : 270
サンキュー:

0

つきひちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

こんがりがりました…私は\(◎o◎)/

2章だったかと思いますが、殺人考察(前編)の続きになります。

実際は若干時が経っているのでただの続きとは違いますね。
この時間軸などの演出や裏に隠された脚本家の想いやフラグの回収が他のアニメとは一線を画したものだと私は思ってはいるのですが…その分難しいですね。(・д・;)

ハマる人はとことんまでハマってしまう作品だとは思いますが、一般ウケがいいのかと聞かれると首を傾げてしまうと思います。

何度も見ないと恐らく理解できない、かなり玄人さん向けの作品だと思います。

私くらいのにわかアニメファンにはちょっとレベルが高いですね(汗)

投稿 : 2015/01/14
閲覧 : 263
サンキュー:

4

ネタバレ

MuraBustan さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

やっぱりグロ注意

ここまでの七章の中では一番見ごたえがあった。でもやっぱりグロひどい。痛い。

投稿 : 2014/12/07
閲覧 : 443
サンキュー:

1

ネタバレ

ミサキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

1章から7章までのレビューを書くのが邪魔くさいのでここで書いてしまいます。

ヒロインの式の能力が真月譚 月姫の主人公と同じという設定のアニメ映画です。

グロい部分も多いですが、すごく映像が綺麗でシナリオもすごく練られていたと思います。
今まで見たアニメの中でもかなりの上位に入るアニメですね。

一番すごいと思ったのは5章の「矛盾螺旋」ですね。
これはすごいと思いました。
文章を書くのが下手なので伝わらないかもしれませんが、必見のアニメだと思います。

好きなキャラは黒桐鱗花ですw
実の兄が好きっていうのは・・・どこかで見たような気がしますが、そこがいいですねw

投稿 : 2014/12/05
閲覧 : 359
サンキュー:

13

ネタバレ

latte さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

黒桐かっこいい

殺人考察(前)から4年後の話でした。前でよくわからず終わっていた部分は、半分解けて半分は謎のままな感じ。

黒桐がすっごく頑張った話でした。式と黒桐は本当にお互いが大切なんだなぁっていうのが伝わってきて感動しました。信頼していても信じるのってきっと難しくて、信じるために黒桐は必死だったんだろうなと思います。違ってたらごめんなさい!

今までは黒桐は調べ上手な一般人みたいに思っていたけれど、今回のを見て実は黒桐も人並み外れてるのでは??と思いました。よく生き残ったな…と。

最後は心温まる感じに終わって良かったです。

投稿 : 2014/11/19
閲覧 : 241
サンキュー:

3

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

あれから何年たったのだろう。そして今あの時が動き出す・・・

奈須きのこによる長編伝奇小説を原作とする

劇場アニメ全八章の第七章です。原作未読。


式と幹也が出会ってから四年。あの時自らを殺人者

という式に対し、幹也は式を信じると言っていた。

そんな中式は幹也の前から姿を消した。それと同時に

猟奇的殺人が多発を始める。そうして幹也は式を

信じ、無実であることを証明すべく行動し始める。

ある麻薬事件によってことは大きく動き出すのだった・・・。


第二章であった幹也と式が出会った頃にあった事件

のその四年後の物語です。四年前と同様に式がいなく

なってから猟奇的殺人事件が多発し始めるのですが

幹也はそれは彼女の仕業じゃないと動き始めてから

大きく物語が動き出し、それまでの真実が明らかに

なっていく様はとても引き込まれ、あれよあれよと

いう間に時間が経っていくようでした。

ひとつの事件にとある共通点があると考えていける

幹也はさすがでだてに今までやってきたわけじゃない

と思わせる感じでした。そうして幹也が事件の真相

にどんどん近づいていく中、式もその事件の正体に

近づいていき、二人の行動が相反するようでありながら

もどこか通じているようで見ていてどこかで二人が

激突してしまうんじゃないかと思いました。でも

そのぶつかりそうで交わりそうでを繰り返しながら

先へ先へといくのはとてもよかったと思います。


最後、幹也が怪我から復帰するときに式が見せた

様子がああ、そこから遂に動き出し先に進もうと

するのがわかって、その想いがここに向かうんだ

となってよかったです。ここまで来るのにそれまでの

章を見てないとそこに至るものが見えないので

章を順に見て頭で時間を補正するとかなりよく

見えるのでそういう形で視聴していくのがいいのかな

と思います。次の終章では一体どんな話があるのか

楽しみに思います。

投稿 : 2014/11/11
閲覧 : 335
サンキュー:

18

イカちゃん☆休止中 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

☆素敵なエンディング

式と幹也の愛の物語として良かったです。


ただテーマは殺しとか人間の深い闇を描いているので
重いテーマです。映像は素晴らしいですね(*^^*)♪

2009.8.8公開


主観的評価(A)



追記欄_

投稿 : 2014/10/08
閲覧 : 308
サンキュー:

4

ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

描写仕掛け

{netabare}時を戻して殴りに来てください。{/netabare}


茶番。


言葉には歴史がある、文脈がある、対象がある、思いがある。

悲しいな。

思いは届かない。

送り主は受け取り手。


強いな。

強さってこういうことなんだ。



私は弱過ぎた。
何も詰まっていない、空っぽだよ。

弱過ぎる。
何も持たない、何も持てない。



第一章 http://www.anikore.jp/review/1013001/
第二章 http://www.anikore.jp/review/1013003/
第三章 http://www.anikore.jp/review/1013683/
第四章 http://www.anikore.jp/review/1013686/
第五章 http://www.anikore.jp/review/1013689/
第六章 http://www.anikore.jp/review/1014944/

投稿 : 2014/08/23
閲覧 : 314
サンキュー:

9

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空の境界 第七章 殺人考察(後)のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
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空の境界 第七章 殺人考察(後)のストーリー・あらすじ

1999年2月。両儀式が黒桐幹也の前から姿を消した。そして、それに合わせる様に再発する連続殺人事件。3年前、自らを人殺しと称した式。信じ続けると誓った幹也。幹也は式の無実を証明するため、殺人事件の捜査を始める。そんな中、幹也はある麻薬事件をきっかけに高校時代の先輩・白純里緒と再会する。(アニメ映画『空の境界 第七章 殺人考察(後)』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2009年8月8日
制作会社
ufotable
主題歌
≪ED≫Kalafina『seventh heaven』

声優・キャラクター

坂本真綾、鈴村健一、本田貴子、藤村歩、中田譲治、保志総一朗

スタッフ

原作:奈須きのこ『空の境界』(講談社ノベルス)、キャラクター原案:武内崇、 監督:瀧沢進介、脚本:平松正樹、キャラクターデザイン・作画監督:須藤友徳/高橋タクロヲ/小船井充、音楽:梶浦由記、美術監督:池信孝、撮影監督:寺尾優一/松田成志、3D監督:中村慎太郎、色彩設定:千葉絵美、音響監督:岩浪美和、制作デスク:鈴木龍、制作プロデューサー:近藤光

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