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「プリンセスナイン 如月女子高野球部(TVアニメ動画)」

総合得点
64.2
感想・評価
21
棚に入れた
125
ランキング
3935
★★★★☆ 3.5 (21)
物語
3.4
作画
3.2
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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プリンセスナイン 如月女子高野球部の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

レトスぺマン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

衛星アニメ劇場放送の隠れた良作

長文かつネタバレ多めであるため本文はネタバレタグで隠します。

{netabare}
90年代後半のNHKBS2にて放送される「衛星アニメ劇場」はNHKの中でも人気があった番組である。

その中でもカードキャプターさくらや過去作の放送といったラインナップは特に人気を放つものであったが、本作「プリンセスナイン」はオリジナル作品であるが故、そういったメジャー作品の影に隠れているようにも見え、知名度としてもマイナーの極致とはいわないまでも知る人は少ない現状だ。しかし、友人の勧めもあり実際に視聴してみたのだがこれがなかなか面白かったのである。

第一に、本作は【女子野球部】を題材にしているから、未視聴であってもこの時点でスポ根物語が展開される流れを想像するに容易い。
しかし、本作がただのスポ根ものではないといえるのは、弱いチームが能力的に強くなっていく過程よりも、もともと強い能力を持つ者が一堂に会し、そこで衝突がありつつも、だんだんとチームワークが深まっていく部分の方がクローズアップされたことではないだろうか?

そこで重要となってくるのが本作における「恋愛」の要素であり、これによって女の子特有の「か弱さ」と「危うい面」が露呈されていく。それによって能力的に高いからこそのキャラクターの意外な部分を見たときに、一気にそこへの好感度が上がる仕組みになっていくわけだ。

だから、本作はスポ根物語として燃える展開があるのと同時に、キャラクターの心情も読み取っていく必要がある点においては少女漫画にも近い側面がある。つまり、スポ根物語をあまり見たことがない人でも少女漫画的な作品に親しみがあれば、不思議とスラスラ見れてしまう良さがあるのではないか。そして、オーケストラをメインとしたBGMの数々はより強い演出となって作品を引き付けてくれる素晴らしいものであったことも印象深い。

次に、キャラクターの良さについてもう少し深堀していこう。
まず、本作に登場する女子キャラクターは、能力的においてもセリフの観点からしても男性より強いキャラクターが多い。確かに、この点だけを見ると登場するキャラクターに好感を持ちづらいと思えてしまうかもしれない。しかし、ここでもしっかりと好感度を上げるものとして個々のキャラクターの「生来の育ちの良さ」が表現されていることは個人的に強く印象に残るものとなった。

まず、主人公の涼は下町の商店街にありそうな古いおでん屋さんの娘であり、あまり裕福とは言えない家庭で育っている。しかし裕福ではなくとも母親の深い愛情を受けて育っているからこその健気な明るさに何度も救われる部分があり、これは「育ちが良い」ことに含まれるのではないかと思える。

そして、涼以外の仲間においてもほとんどは実家がお屋敷のような建物であることに加え、大阪出身のヒカルに関しては親からの電話で「お見合いの話」が来ていることと、
沖縄出身の陽湖も東京に出てきて長期に渡ってオーディションを受ける余裕があることから、実家の様子が映らずとも出てくる女子キャラクターのすべてが比較的上級の家庭で育ってきていることがわかる。

だからこそ、そういった家庭で育ったとは思えないような強さやセリフを見たときに、視聴者としては「なぜそうなってしまったのか?」と気が気でなくなってしまうわけだ。

この原因や答えを物語道中でどんどん見せていき、これは上述の恋愛部分やキャラクター自身のトラウマとミックスさせることによって、キャラクターへの感情移入がより深まる見方ができたことは、本作視聴における一番の収穫だったと思う。

次に、キャラクター同士における「コミュニケーションの多さ」も特筆するべき点だろう。本作は女子野球部の話だけあって練習や試合のシーンも多いことが特徴だ。ただし、作画面におけるスポーツ描写に関していえば、ハイクラスの躍動感・爽快感があるアニメーションとは言えず、この動きではなんとなくもの足りないと思えてしまう評視聴者もいるのではないかと個人的には感じてしまった。

しかし、このスポーツ描写が足りないことを埋め合わせている、と言い切ってしまうのは違うのかもしれないが、とにかく本作は試合中のセリフの数が多いのである。

これは試合中にそれぞれのキャラクターがどういったことを頭の中で考えているかがわかりやすいものであり、動きの描写に足りないものがあってもそれを補完できてしまう良さがあったわけだ。むしろ、このコミュニケーションを見ることが試合の楽しみになっていたことに加え、試合中のケンカやお色気作戦といったものは一種のお笑いとして昇華されていることにも通じる面白さがある。

最後に、男・女キャラの明確な違いや双方の思いの伝わりづらさが表現できていたことも挙げたい。本作は、恋愛描写があることに加えて、女性より弱い立場となる男性キャラも魅力的だった。中でも学園中のスーパースターである高杉君に関しては能力にしても女性の扱いにしても現実ではありえないほどの天才であったが、天才であるが故の優柔不断さやある種の鈍感さにより、彼によって女子の関係をギクシャクさせてしまう展開は大変スリルがあるものだ。ただしこれにより、高杉君の許嫁でもあったいずみの不憫さが目立ってしまったことは実に惜しい部分である。
逆に、涼の幼馴染である誠四郎君や、飲んだくれの木戸監督にはまともな考えがあるキャラだからこそ、この作品の癒しともいえる存在であったと感じるぐらいだ。

そして、いずみの母親でもあり、学園理事長でもある桂子は本作の女性キャラの強さそのものを表しているといえそうだが、学園の改革や高野連加盟といった事案をありとあらゆる手段を使い、もはや策士とも呼べるレベルで実行する様は男を辟易させる怖さもある。

このような形で、男性が女性を振り回したり、あるいはその逆の描写が多いのも本作の特徴ではあるのだが、最後の試合で告白が行われたことを考えるに、男・女キャラそれぞれに思いがだんだんと伝わっていく過程を全体的に捉えながら明示しているとも言え、これはこれで作品の醍醐味とも呼べる部分ともいえるのではないかと思えたことは大きかった。

上述した通り、本作は女子野球の話であるため最初はどういう物語となるのかがスポ根以外見当がつかなかったが、蓋を開けてみれば、キャラクターの心情を読み取っていくような流れがあり、キャラクター中心で動いていく物語は見ていてとても楽しい。ただ、本作の最も惜しい点はここまで面白い物語を展開しても、最後の試合で敗北し、明らかに打ち切りとわかってしまう物語の終わり方をしてしまったことだろう。

しかし、敗北で終わったからこそ優勝まで続けてくれるのではないか、という期待感を持たせてくれたのは事実であり、続編が作られずとも自分の妄想で後のストーリーを考えてしまうくらいのインパクトはあったわけだ。だからこそ、本作に対しては評論にありがちな作品に対する分析欲求よりも、久々に作品やキャラクターへの愛情の方が勝るような見方をさせてくれたことに対し評価をしたいと思えたのであった。
{/netabare}

投稿 : 2023/09/03
閲覧 : 111
サンキュー:

2

ネタバレ

ぽに さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

掘り出し物見つけた。キャラは立っている。

女子の野球選手を初めて扱ったアニメは、恐らく「野球狂の詩」でしょう。しかし、女子チームにスポットをあてたのは本作がパイオニアじゃないでしょうか? 間違ってたらすみません。

物語を要約すると、前半は「ラブライブ!」のようなメンバー集めプロット、エロゲー原作アニメの恋愛三角関係展開みたいな感じです。後半の展開に古くささはありますが、私は好きです。面白いと感じました。

タイトルは「プリンセスナイン」ですが、チーム構成が9人+マネージャーなので、10人の女の子の物語です。才能に溢れたエースピッチャー(主人公)、主人公にライバル剥き出しのお嬢様、体は大きいが気が小さい捕手、元陸上のスプリンターなどなど、個性豊かな女の子達が「甲子園」を目指して奮闘します。

ここで大事なのは、彼女達が目指す甲子園というのが女子大会ではなく、正真正銘本物の甲子園だと言うことです。

現在、野球協約によって女子選手が出場することができない全国高校野球選手権大会ですが、この物語はその辺もちゃんと反映しており、女子選手が大会に出場出来るように協約改正するか否かというシナリオが含まれています。

主人公の早川涼は、野球のセンス以外は普通の女の子であり、各シナリオでは素直に感情移入の出来るキャラクターです。その点に不満はありません。

問題はチームメイトでライバルの氷室いずみ。かなり我が強く、一見すると非常にわがままで、イライラさせられるキャラになってしまっています。もの凄い努力家ですし、実は仲間思いでもあるのですが、印象を好転させるには不足でした……。もう少し性格を柔らかくして普通のツンデレキャラだったら、今でも視聴に耐えうる話だったのになぁと残念でなりません。

1998年といかんせん古い作品ですので、現代にはそぐわないプロットであることは否めません。もしこの作品が今制作されたら、「球詠」や「八月のシンデレラナイン」がそうであるように、恋愛要素はバッサリカットされてワンクールになっていたでしょう。

野球描写に関しては、ほとんどテクニカルな描写はありません。何せ、主人公はストレートしか投げませんので(変化球も投げられるがキャッチャーが取れない)。配球がどうこうという話を期待すると馬鹿を見ます。

ただ、「巨人の星」から始まった魔球が登場するファンタジー野球から、「メジャー」「おおきく振りかぶって」に至るリアル野球の間に存在するこの作品は、野球が好きな方であれば一見の価値があると思います。

投稿 : 2021/04/21
閲覧 : 321
サンキュー:

0

ネタバレ

みつぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

全26話

前半はチャレンジ的で結構面白かった

後半に入るとグダグダ恋愛三角関係で壮絶な鬱展開に突入

スポーツアニメというよりドロドロ恋愛劇じゃないかと思うくらい

地区優勝出来るのか?興味で最後まで見てしまったが

結局ドロドロクダグダのせいで負けてしまう展開で終わる

結構古いアニメでこの当時って恋愛ドロドロ嫉妬系が流行っていたのだろうか

記憶の限りそんな気がする鬱展開は強すぎるとみてるほうもイライラしてしまう

評価点60点かなり低レベルと判断

投稿 : 2019/02/23
閲覧 : 571
サンキュー:

0

ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

NHK衛星で放送された、元祖女子野球アニメ。大正野球娘の良さが分かりますw

1998年にNHK衛星第二の「衛星アニメ劇場」枠で放映されたアニメ。
女の子が野球で男子に挑むといえば大正野球娘が有名だが、本作はそのプロトタイプとも言える。
現代(多分90年代後半)が舞台で、女子高生たちが女子禁制の野球で男子に挑んでいく。
「野球に対する女子禁制の壁」が大正野球娘より厳しいのが特徴、またスポコン要素+後半はラブコメ重視だったり、青春ジュブナイル要素重視のストーリー。
大正野球娘に比して、萌えは全く期待出来ない上に、男尊女卑の悪意や、部員集めやキャラ掘り下げに終盤まで手間取るテンポの悪さもマイナス。
光る面はあるものの、NHKアニメの中でも評価は高くないです。
ストーリー面では酷評、あらゆる面で大正野球娘の方がオススメです!


{netabare}『物語』
時代背景は大正より後の平成初期のハズだが、アニメ作品的には大正野球娘の先輩に当たる、女子野球アニメ。
男尊女卑の壁を乗り越えて女の子達が野球で男子に挑む基本プロットが共通している。
が、全般的に大正野球娘(以降、「たいやき」)に比べて厳しい。
女子が野球などとんでもない!という頑迷な人々の悪意が根強く、素直なスポコン+青春ドラマとしては気分良く楽しめない。
たいやきはこの点のストレスが皆無、時代が昔のハズなのに、大正の方が進取の気風があるのは皮肉だと思った。
また、主人公が野球始める目的が主体的でなく、理事長の意地であるのもマイナス。
それよりも致命的なのは、2クール物で20話近くまで部員集めに手間取り、キャラの掘り下げのテンポが悪い事か。
一人一人のドラマを丁寧に掘り下げたい狙いかも知れないが、終盤に至るまで、チームの一体感が持てなかった。
という事はつまり、女の子同士の萌えも殆ど期待出来ないという事で…。
ライバルの男子と主人公が恋愛関係なので、後半ラブコメ要素あり。
淡い恋愛要素は中々だが、ラブコメとしては薄め、この辺も期待薄。

魔球が出てきたり、トンデモ野球物としての面白味が見所かも知れない。


『作画』
90年代のアニメにしても良い方では無く、萌えはあまり期待出来ない。
まあ、結構可愛い子はいたりするが。
野球シーンには力入っているが、却って不自然さが目立つ。
まあトンデモ野球物と見れば許容範囲かも。

『声優』
本作の一番の褒め所。NHK特有の声優の豪華さ。
若かりし頃の川澄綾子さんが良かった気が。
主人公のライバルポジの美少年役に子安武人さん、少し若いイケボですw

『音楽』
OPが主題に沿っていて、女子野球熱血ソングとして中々カッコイイ。
ちょっと古臭いけれど、まあアニソンは古臭いくらいが好きです。

『キャラ』
主人公の早川涼ちゃんは可愛く、熱血さと優しさ備えた良い子。
ナインは個性派で中々粒揃いの美少女多いので、視聴するとそれなりにキャラ層は厚い。
が、キャラ集めと掘り下げのテンポの悪さが響いてしまっている。 {/netabare}

投稿 : 2014/09/19
閲覧 : 741
サンキュー:

13

pikotan さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/08/29
閲覧 : 3

ASKA さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観たい

投稿 : 2019/01/09
閲覧 : 79

ひみこ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2018/04/25
閲覧 : 78

sarari さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2016/05/11
閲覧 : 87

AKIRA777 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2015/09/30
閲覧 : 92

タクボン さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2014/11/20
閲覧 : 114

CrMO さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2011/11/07
閲覧 : 233

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プリンセスナイン 如月女子高野球部のストーリー・あらすじ

早川涼は天性の野球の才能を買われ、名門お嬢様学校「如月女子高校」に特待生として入学する。理事長・氷室桂子は女子だけの野球部を創設し、男子と対等に甲子園で闘うことを狙っていた。しかし、足りない部員、野球部創設を快く思わない人々、大会参加に女子を認めない高校野球協会、涼や周囲に降りかかるトラブルなど、様々な困難が野球部の前に立ちふさがっていた。涼は大酒飲みの監督・木戸と共に、まず部員集めから始めていくが……。(TVアニメ動画『プリンセスナイン 如月女子高野球部』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
1998年春アニメ
主題歌
長沢美樹・金月真美『プリンセスナイン』長沢美樹・金月真美『PASSIONATE DAYS』

声優・キャラクター

長沢美樹、金月真美、子安武人、岩永哲哉、榊原良子、島本須美、石井康嗣、氷上恭子、永澤菜教、矢島晶子、川澄綾子、笠原留美、飯塚雅弓、進藤こころ、川田妙子、井上和彦

スタッフ

原作:伊達憲星、 監督:望月智充、企画・総合プロデューサー:山木泰人、シリーズ構成・脚本:丸山比朗、キャラクターデザイン・作画監督:橋本義美、キャラクター原案・エンディング作監:山下明彦、美術監督:加藤浩、色彩設計:脇喜代子、撮影監督:安原吉晃、編集:西山茂、音楽:天野正道、音響監督:吉田知弘、アイキャッチ:下笠美穂、エンディング原画:釘宮洋、イナズマボール原画:吉田徹

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