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「放浪息子(TVアニメ動画)」

総合得点
70.3
感想・評価
660
棚に入れた
3573
ランキング
1613
★★★★☆ 3.7 (660)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.7

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放浪息子の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

come-on Y さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

色々なことを感じる傑作

以前視聴して大好きになった「青い花」の作者である志村先生原作の別作品。
こちらの監督はあおきえいさん、シリーズ構成は岡田麿里さん、総作監が牧野竜一さん、
音楽が神前暁さんとこれまた私好みのスタッフ。

簡単に作品内容に触れるなら「男の子になりたい女の子」と「女の子になりたい男の子」、
そしてその周りを取り巻く人々のお話。

題材の違いもあるのでしょうが、志村作品の魅力を「青い花」アニメスタッフとはまた
違ったカタチで引き出してくれたスタッフには感服しました。{netabare}特に最終回の締め方は
オリジナルらしいのですが、とても素晴らしかったです。
{/netabare}
こちらのOPやEDも「青い花」同様、映像・楽曲ともに素敵なものに仕上がってます。

ぜひ「青い花」と一緒に色々な人に見てもらい、色々なことを感じてとって欲しい
作品ですね。

投稿 : 2014/02/22
閲覧 : 269
サンキュー:

6

1061000you さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

マイノリティーの日常

マイノリティーの日常が淡々と綴られた作品。

ただ、この作品の雰囲気で
「ボクは可愛い」って言い切れる主人公が
何と言えばよいか…うん。

投稿 : 2014/01/31
閲覧 : 225
サンキュー:

0

まるよえゆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

全体的に非常に奇麗で繊細な作品

自分の性別に悩む少年少女を主人公とした作品。
水彩画のような作画や、繊細な心情表現が作品全体を奇麗に見せている。
ストーリーもしっかりしており、リアル路線なのが良い。なかなか考えさせられるテーマである。
なかなか珍しい良作だと思う。

投稿 : 2014/01/05
閲覧 : 170
サンキュー:

2

ネタバレ

あんこちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

好きです

こうゆう、一般人受けしないのが本当にいい。
主人公の子女の子みたいで可愛い!
自分と葛藤するかんじ、誰もわかってくれない感じ、誰もわからなくていい、私は私の生き方をする!したい!でも他の人の目が気になる、すごいすごいわかる!

投稿 : 2013/11/24
閲覧 : 244
サンキュー:

0

ネタバレ

ごはんちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

原作を

読みたくなる作品です。

投稿 : 2013/11/23
閲覧 : 281
サンキュー:

1

あにも さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイトルなし

髪が伸びる、背が伸びる、声変わり・・・ 。子供が『変身』してゆく過程の愛おしさがつまった作品であった。 とくに「10+11話」は、鳥肌もの。

女の子になりたい男の子のニトリ君と、男の子になりたい女の子の高槻さんの物語としては 僕はあまり興味を持てなかったが ニトリ君のようないわゆる『変人』と社会との関わりという視点から、 楽しむ(?)ことの出来る作品ではあった。

映像的には、まずやっぱりレイアウト・背景のクオリティの高さに圧倒された。 全画面を覆う白っぽいフィルター効果、キャラクターのハイライトや陰影のぼかしなど、 淡い、水彩画のような効果は、統一感・(他のアニメとの)差別化という意味でも 他のTVアニメとは比較にならないほどハイクオリティなものであったと思う。

主人公たちの心の抑揚を、心地よい距離感で写し取っているな、と感じた。 「思い出・過去の記憶」を見ているよう、体感的に。 おもひでぽろぽろの思い出編を思い出す。

視聴後、原作コミックも読んだ。 漫画でもアニメでも、千葉さんが好み。

投稿 : 2013/11/22
閲覧 : 229
サンキュー:

2

mikosaya さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

評価5

投稿 : 2013/10/30
閲覧 : 258
サンキュー:

0

milkysunse さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

人による、かな

(※アニメ視聴後1日後のレビューです)

なんの予備知識もなくこのアニメを見ました。
見ると衝撃を受けました笑

まあ、そんなとこです。
江國 香織の「きらきらひかる」を読み、
性同一性障害に関して少し理解があったのが
良かったのかもしれません。
知らない世界を垣間見た気分です。

あと、このお話ですごく共感できる人は、もしかしたら…

投稿 : 2013/10/24
閲覧 : 235
サンキュー:

2

gagaga123 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

大変おすすめ

青い花と制作会社が違うが、こちらも名作の志村貴子原作。
登場人物の気持ちの機微、切なさ、悩みがよく描かれていて、群像劇として楽しく見れた。水彩画風の絵作りもぴったり。

青い花にも言える事だが、原作から入るより、アニメから入った方がいい。
原作から入ってると、長い行間について混乱していただろう。

投稿 : 2013/10/24
閲覧 : 272
サンキュー:

4

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

非日常系日常アニメ

水彩画調の絵柄は好きなのだが、全体的に白っぽいので、1話観終わると目が疲れる。
紙上のイラストならばイイのだが、液晶画面上ではこの作画は向かないようだ。
内容も「性同一性」を扱い、変な恋愛なので共感できず、休み休みの視聴。
そういった内容にもかかわらず、イジメとか陰湿なところがなく、登場人物達が前向きなのがいい。

投稿 : 2013/10/09
閲覧 : 224
サンキュー:

4

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイトルなし

見終わった後の爽快感たるや。
だけど何故か胸が苦しくもなる矛盾。
素晴らしい作品だと思う。
背景は美しく言葉に余計な飾りがない。
だけどその言葉に伝える物がこれほどまでもかと言うほどにたくさんある。ありすぎて両手では支えられない。
女の子になりたい男の子と
男の子になりたい女の子。
一見単純な恋愛の物語かと思いきや深いメッセージ性が溢れていた。
二鳥、高槻、千葉の複雑な人間関係とまこちゃんとの友情。
あんなちゃんとの展開も意外だし、土居くんの中学生っぽさよ。
お姉ちゃんと瀬谷くん、ゆきさんとしーちゃんの関係はなんだかほっこりした。
二クールとか、もっと話が続いたり細かく描かれていても中だるみせず観られたと思う。
絵の綺麗さだけでなく見た後に大事なものを教えられる最高の作品だと感じた。
原作もぜひ読んでみたい。

投稿 : 2013/09/23
閲覧 : 187

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

現実的な話だと思う

女の子になりたい男の子
男の子になりたい女の子

実際やってみる
他人から批判される
軽蔑される
否定される

内容はいいけど絵が綺麗だからか
人間の心も綺麗だった気がする
こうゆう内容がいいものは汚い人間の心も出すべきだと思うんだよね

なんかなんとなくで見てなんとなく過ぎ去ってしまったんよね
いい話だとはおもうんだけれど
そこがおしい

投稿 : 2013/08/06
閲覧 : 225

カルメル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

放浪:あてもなくさまよい歩くこと。さすらい。

放蕩息子かと思ったら、放浪なんですね。
いわゆる「男の娘」のお話です。

私はこの作品を見ている間中、心がザワザワして落ち着きませんでした。
中学生特有の危うさというか、不安定さみたいなものが、見ていて自分の精神も不安定にさせられるような感じがして落ち着きませんでした。

それはこの作品の主人公、二鳥君のはっきりしない感じに起因するわけなのですが、これがなんというかもう形容し難く、見ていてイライラする方も多いんじゃないかと思います。
エヴァのシンジ君を見てイライラする人は、間違いなくイライラすると思われます。

で、この二鳥君の悩みというのが、女の子になりたい(女装したい)ってことなのですが、その理由がまたなんともはっきりしない。
性同一性障害ってわけでもなさそうだし、自分がカワイくて女の子の格好が似合うというのを思いっきり自覚していて、なんだか冷静に考えるとすごく贅沢な悩みなんじゃないかと思えてきます。
で、当然顔が良いので女の子にはやっぱモテるわけで、やっぱり贅沢としか言いようがない。
相方の、有賀君を見習えと言ってやりたい。

しかしまぁ、悩みの大きさというのは比べられるものではなく、本人にとってはやっぱり大きな問題なわけで、迷走するんですね。
まぁだから、「放浪」息子なんだろうなと。

この作品、主人公はまぁこんな感じで、好き嫌いは分かれるところでしょうが、脇役がかなりよくて、物語に安定や救いを与えています。
この脇役たちがいなかったら、最後まで見なかったかもしれません。
千鶴と佐々ちゃんは影の功労者だし、アンナちゃんは可愛いし。

まあいろいろ書きましたが、かなり丁寧に作ってあるし、物語としても結構見どころはあると思いますので、興味のある方は見て損はないと思います。
そしてその時は、最後まできっちり見ることを強くお勧めします。

投稿 : 2013/08/03
閲覧 : 451
サンキュー:

9

TDD さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

「声優が豪華」ってあんまり使いたくないですけど、このアニメは本当に声優に拘ってるのがひしひしと伝わってきました。

作画、演出も一級品でアニメとしての質は高いです。

物語はかなり特殊なテーマを扱っている割には意外と普通な話ですので、そこまで観るのがしんどい作品ではありません。


ただし、中途半端な所から始まって中途半端な所で終わるのでそこが唯一欠点です。

投稿 : 2013/07/27
閲覧 : 209
サンキュー:

2

coldikaros さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

批判も沸いただろう

これが普通に放送されていたころは全く存在を知らなかったんですが、これは批判も沸いたでしょうね。
間違いなくいい作品だとは思います。しかし、かなり理想を描いているところがあるので見る人によってはあまりいい気持ちはしないでしょう。
人間関係はそれなりに複雑ではありますが、自分への理解者や自分との類似者が特殊な環境ではないにも関わらずあまりにも多すぎること、これらが物語をかなり柔和にさせ、危機感や背徳感を感じさせることがかなり少なくなっています。
たしかに、理想はこうあって欲しいですね。まわりの抵抗もこの程度であって欲しいですね。原作者の願望が伝わってきます。
この問題は本当に難しいです。自分のように捻くれた人間はこういう感情があるということを知ってはいるし、学んでもきたものの、それでも受け入れられません。
そんな人は世の中に五万といるはずです。
しかし、認めなければならない。その必要があります。
これは本当に難しい。個性というものは他人には到底受け入れられないものもあります。
また、昔どこかの誰かさんが言ったように「女のような男、男のような女が氾濫するようになったとき国家は破綻する。」というのも、おそらく真実のひとつでしょう。
国家が人で形成される以上、この個性に関わる問題は、おそらくどこでも腫れ物扱いで、慎重に取り扱われている問題です。
アメリカなどは自由ではあるものの、偏見がないわけではないです。
そんな問題を真面目に取り扱ったこの作品の存在はそれだけで素晴らしいものがあります。
映画などではそれなりに取り扱われてきたテーマですが、自分が知らないだけかもしれませんが、ついにこういう大衆がみる枠のアニメで扱ったというのは、アニメというコンテンツ自体の大きな進歩だと思います。
ただの娯楽にならそんな要素はいらない訳ですから、何かを伝えるものとしての発展は賛美されるべきことだと自分は考えます。
まぁ行きすぎるとプロパガンダのようになってしまう訳ですが。
とにかく驚きました。こんな真面目に取り組んだ作品だとは^^;
作品としても面白いので、強い嫌悪感を抱く人以外にはおすすめできると思います。

投稿 : 2013/06/15
閲覧 : 302
サンキュー:

9

クロッシー(・з・) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

中性的なやんわり描写

放浪息子はノイタミナ枠ではなかなかのよろしいアニメだった気がする。EDはrie fuのfor you。かなりいい曲ですね。
中学生から始めたというのもなかなかの高評価だったと思います。何にせよ中学生というのはいつの時代も悩ましい時代と言いますが悩みが多い思春期ですからね。
そして主人公が男なのに女装が趣味で女の子は男装が趣味な子。どちらも葛藤がいい感じに表現されています。
あと一応愛ということで主人公が好きな先輩とデートするときとか所々で葛藤があったりフラフラと揺らめく感情をうまく岡田麿里さんが描いています。
あと監督のあおきえいさんはなかなか信頼できる監督で今まで名作を何度か作っていらしてますが、放浪息子は私自身とてもアニメを介して原作をより楽しむことが出来た作品なので見ていない方は是非見て欲しい。

投稿 : 2013/06/11
閲覧 : 317
サンキュー:

3

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

心情描写が見事!にとりんは私の憧れです。

私はにとりんの生き様に惚れました。
このにとりんの生き様はEDによく表現されています。
原作の漫画も含め、私の価値観を作っている作品の一つです。

この作品の魅力は、なにより映像と音声を巧妙に使ってなされた心理描写だと思います。
漫画でも文学的な心理描写が魅力的でしたが、アニメでは二鳥くんに焦点を絞り、より臨場感のある心理描写になっていたともいます。
高槻さんをはじめ他の人物たちも、それぞれの考えで生き方を模索していることがよく描写されていました。

テーマとしては「おんなのこになりたいおとこのこ」「おとこのこになりたいおんなのこ」といったセクシュアルマイノリティーを扱っていますが、作品から受け取れるものはもっと普遍的な思春期の悩みに対する考え方だと思います。

映像も志村貴子先生の原作漫画の水彩画のような世界をよく表現していました。
その技術には日本映画テレビ技術協会映像技術賞の奨励賞が贈られています。

余談ですが、全話岡田磨里脚本、全話の半数に当たる6話分であおきえい監督がコンテに関わっているというのは、気合の表れなのでしょうか?
スタッフが確保できなかったのかもしれませんが(^^;)
あと、この作品で高槻さん役の瀬戸麻沙美さんのファンになりました。
畠山航輔さんも好きです。

{netabare}
にとりんは控え目な男の子ですが、ここぞというところで度胸が据わっています。
そしてなにより「おんなのこになりたい」という他の人とは違う望みを持っているがために、自分の生き方を探ることに対して真摯です。
あらゆる人との関わりの中で、自分の生き方を問うにとりんの姿に私は惚れました。
先程述べた思春期の悩みということに合わせ、自分の生き方を他の人との関わりの中で模索していくということも、この作品が持つ普遍的なテーマだと思います。 {/netabare}

投稿 : 2013/06/06
閲覧 : 200

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良質

性同一性障害のお話。
これだけ書くとどうなの?って思うかもしれないなぁ。

最初は、面白くないかも…と思いながら見たけど
3話くらいから徐々に面白くなって
後半はもうなんというか。
余韻が残る作品と言えばいいのかな。
些細な、本当に当たり前の事でも
瑞々しく描かれているこの作品は個人的に好き。

もしかしたら万人受けしないかもしれないけど
凄く丁寧に心理描写がしてある。
絵も水彩っぽく淡く綺麗で。
裏腹に人間描写は複雑で。

受け入れられる肯定感って
性別関係なくきっと人には必要なんだろう。
否定的に生きて行きたくはないよね。
それが例えアニメでも何でも。

割と淡々と話が進んでいくから
起伏やテンポやらを求める人には向かないかもしれない。
でも、ラストまで見れば心にいいものが残るよ。

出来ればそれを感じて欲しい作品です。

投稿 : 2013/05/30
閲覧 : 330

イブわんわん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

何か涙が出そうなくらい感動しましたが、私だけでしょうか?

こう言うアニメは私にとって度ストライクです。

作品全体を通して空気の流れが柔らかく暖かいものを感じ,
物語も無理なく肩の力を抜いて最後まで見れました。

この作品については、評価が分かれるかもしれませんが、私はまだまだこのアニメ見たいと思うくらい高いです。

各キャラはしっかり立ち位置、心理変化、距離感がとても繊細かつしっかり表現されていますし、中学生という繊細かつ不安定な時期の男の子、女の子の様子がよく描かれています。

「女の子になりたい男の子」「男の子になりたい女の子」が肉体的な変化に不安を覚えながらも、すこしづつ成長して行く過程に惹かれてゆきました。


余談ですが私が男子校に通っていた頃、やはり主人公のようなクラスメイトがおりました。

さすがにセーラー服で通学したことはありませんが、いつも綺麗な白いハンカチを持ってました。
三年間クラスの皆は特別視することなく、普通に接していましたし、よく帰りに喫茶店や本屋に立ち寄る事もありましたよ。

当時付き合っていた彼女より、仕草や話し方性格はとても女の子らしい男の子でしたし、顔も名前も女の子と間違われても仕方が無いレベル。

卒業後数年経ちクラス会に来た彼は、薄化粧したOLでしたが、違和感は全然ありませんでした。

その時私は、心のどこかで安心した記憶があります。

勝手に創り上げられた「男らしさ」「女らしさ」って言う概念は一体何だろうね。

ちょっと脱線してしまいましたが、このアニメはもっと多くの人に見て欲しいです。

投稿 : 2013/05/15
閲覧 : 320
サンキュー:

13

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

やわらかい

原作未読。
作画が淡くやわらかいタッチで作品全体のイメージを主人公の気持ちに同調させてフワフワさせている。
アニメは中学からで小学時代からの秘密を共有している友達と思春期の男女の微妙な関係と特殊な関係への悩み、葛藤を中心に展開していきます。
常識的に変…そんな事はわかってる…でもいけない事なのか?皆さんはどう思いますか?

私のツボ:姉ちゃん負けるな

投稿 : 2013/05/05
閲覧 : 252
サンキュー:

2

ネタバレ

ギータ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

思わず「やめたげて!」と言いたくなります

設定が斬新です。性同一性障害とまではいかないと思いますが、異性へのあこがれ、願望というテーマを扱っていて、触れたことが無いジャンルでしたが、みるみるうちに引き込まれていきました。見てない人で視聴を考えている人には、是非見てもらいたい作品です。
原作未読ですが、原作では小学校からスタートし、アニメ以降のエピソ-ドもあるので、なんとか読みたいなと思っています。
逆にアニメは小学校編をばっさりなくし、しかも実際の10話と11話を編集して1つの話にしています。それでも物語に支障を与えないで進め、小学校編がなくても、とくに違和感を感じなかったため、アニメスタッフの構成力の高さを感じました。

作画が全くと言っていいほど毎回同じです。半端ないくらい安定していて、特に背景がとてもきれいです。まぁ動きがとても多いアニメではないわけですが、心、内面をテーマとした内容のため悪しからず。

設定は特殊ですが、各キャラクターの書き分けがしっかりされていて、自分が本当はどうしたいのかまだよくわからないというように、単に設定を強調するのではなく、リアルな葛藤も描かれています。むしろ伝えたいのは、その葛藤などの自己決定までの過程、そして最終的な答えというような、キャラクターの心情変化や成長ではないかなと思います。

以下少し特殊な登場人物の紹介を少しだけ
{netabare}
男だけど街中を女装して歩くほど、それでも好きなのは女の子という二鳥
男だけど女装したり、声変わりに恐怖し、それでいて自分は男が好きなのかなと悩むまこちゃん
女だけど女の格好が本当に嫌で男子に生まれればよかったと思う、それでも自分の名前、一人称をわたしということに何にも違和感を持たず、誇りに思っている高槻さん
男だけど女として生きていくことを決めたユキさん

ユキさんは完全に道を決めた人ですが、似鳥や高槻さんは色々悩んでいて、ユキさんや友達に相談したり、自分で決意したりと、葛藤しながらも現実に立ち向かって、自分なりの答えを探して進んでいきます。
{/netabare}

話は、見ていてこっちが恥ずかしくなるというか、実際でやっていたら間違いなく黒歴史確定だなというようなことをガンガン盛り込んできます。
そんな見ていて不安になるような展開でも、最後には良かったなと思える、ある意味親の視点に近い見方をさせられた気がします。

このアニメを構成する上で、千葉さんの存在が大きかったなと思います。中学生の未発達で不安定な心情の持主代表みたいな扱いの千葉さん、その千葉さんが二鳥や高槻さんを巻き込むことによって、千葉さん以外も中学生の未発達な感じをうまく描写できていたと思います。もちろん千葉さん抜きにした悩みもたくさんありましたが、千葉さんがトラブルメーカーになっていたことは否定できないですよね。ただ単に、異性の問題ばかりを取り上げるのではなく、その問題の上で、あるいはその問題を抜きにして心の葛藤や成長を描いていました。

見ていてとても歯がゆい気持ちにはなりますが、不思議と引き込まれる作品です。

投稿 : 2013/03/04
閲覧 : 297
サンキュー:

4

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

感想

全11話。女の子になりたい男の子の人間関係と恋のお話。

思春期の葛藤を描いた作品でした。

作画(特に風景)が結構綺麗でした。

また、ED曲がこの作品にあっているような感じで、中々良かったです。

総合的に楽しめました。

投稿 : 2013/03/02
閲覧 : 165

粟島二武 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

 特殊な題材を扱いながら、淡い色彩や作画の美しさなどにより、極力違和感の無いように描かれていた。作る側の丁寧さを感じた。
 通常、ある種の障害をもつ主人公のドラマがあるとすれば、見る側にとっては社会の厳しさなどのリアリズムを本能的に期待してしまう。リアリズムにこだわる人にとってはこのアニメに対して物足りなさを感じるかも知れない。実際、主人公の周囲は性同一性障害に対して理解のある人間ばかりに見える。このアニメではある種のリアリズムを捨てる代わりに、主人公と仲間達が成長してゆく姿を叙情的に描くことに重点を置いているように感じた。

投稿 : 2013/02/23
閲覧 : 294
サンキュー:

1

ネタバレ

まいちー☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

テーマがテーマなので

なんとなく構えて見始めましたが
なんだかとても見やすかったです。

女の子になりたい男の子と、男の子になりたい女の子。
二人を軸にしていますが周りの登場人物も魅力的だったし
悩みながらも主人公が進んでいく姿が良かった。

現実ではこんなに上手くはいかないんだろうなーとは思ってしまうが、なんとなく観終わった後に暖かな気持ちになれる気が。
良い作品だったと思う。

投稿 : 2013/02/17
閲覧 : 268
サンキュー:

3

kiji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これわw

主人公が女装好きってのも珍しいような。

しかも女装するとその辺のお姫様より全然かわいすぎるとか
設定がすごい。

女装好きのかわいい男の子に中学生時代からの女友2人と姉さんの友達が絡むラブスト~リ風。

面白み結構あるのでお勧めします。

投稿 : 2013/01/30
閲覧 : 265
サンキュー:

1

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:今観てる

「わからないもの」に、どうして、わたしたちは感じ入るのか

 すばらしい。
 いままで観た、すべてのサブカルチャー系の作品のなかでもダントツだった。
 人のこころの複雑さを描くということについて、これほどしっかりと見られる作品には他にであえていない。

 *

 自分は、いまは、このアニメの主人公ほどにセンシティヴな人間ではないにもかかわらず、かつて、このアニメの主人公ほどにセンシティヴだった中学生の頃を思い出してしまった。
 言葉の一言一言があまりにも暴力みたいに機能してしまう、やっかいな自意識で生きていた日々のことを思い出してしまった。

 他の人のレビューを読んでいて、なるほど、と思ったのは、この作品の登場人物たちの動機が「わかりにくい」と言う人が意外に多かったことだ。
 「わかりやすい」ものではないことは確か。でも、それは描写が稚拙でわかりにくいのではなくて、描写が複雑だからわかりにくい、ということだ。
 この作品の登場人物たちは、いつまで経っても悩み続ける。たとえば、宮崎駿の『千と千尋』のように、わかりやすい成長を遂げない。この作品の人々の感情はいつまで経ってもわかりにくい。
 ただし、わかりにくい、ということは彼/彼女らがいつまで経っても「成長」を遂げないということではない。成長とは、わかりやすい覚悟や、わかりやすいものになることではないのだ。
 たとえば、こういう話を紹介したい。(※1)

(引用ここから)
ハーバード大学にかつてローレンス・コールバーグという心理学者がいました。彼は子どもたちの知識の発達を6段階に分けて評価するために実験をしています。

 まず、物語を聞かせます。こんな内容です。

「ハインツという男がいます。ハインツの奥さんはガンで死にかかっています。お医者さんは最近売り出された特効薬を使うしかないと言っています。その薬の開発者は、開発費の10倍の値段を付けているため、薬はとても高価です。ハインツは募金を集めましたが、値段の半分しか集められませんでした。ハインツは開発者に交渉しましたが、色よい返事をもらえませんでした。ある日ハインツは、愛する妻のため、薬のある倉庫に忍び込み、盗み出しました」
上田: さあ、この行為をどう考えるか。子どもたちに答えさせます。
 コールバーグは、男の子はより高い段階で判断を下していてスコアが高く、女の子は判断が下せずに、スコアが低いという結論を導き出しました。中には「開発者の所有権とハインツの奥さんの生存権のどちらが高いかという問題だから、そこを決定すれば正しい答えが出る」などと大人顔負けの論理を導きだす11歳の男の子まで現れます。

 ところが、この結果に反発したのが、キャロル・ギリガンです。この物語で設定した問題は、現実に起きたとしたら算数のように一つの答えで解けはしないのだから、「答えは出せなくて当然」というわけです。

 ちなみにコールバーグの実験ではスコアが低いとみなされてしまう、11歳の女の子の答えはこういうものです。

「製薬会社をちゃんと説得する方法はないものだろうか、もっとお金を集めることはできないのか。奥さんのためにと盗みを働いた夫が捕まったら、自責の念にさいなまれた奥さんは病気が重くなってしまうのではないか……」

 11歳の女の子はこういったプロセスを考えていて、結論が出せませんでした。コールバーグのやりかたではこの11歳の女の子の発達段階は低いと評価されてしまいます。

でも、ここで11歳の女の子が思いを巡らせているのは、ガンで死にかかっている奥さんを救おうとしているハインツのとった方法が正しかったか間違っていたか、についてではありません。ハインツの奥さんが助かるにはどうしたらいいだろうか、という具体的な状況に対するコミットメントのあり方であり、結果としてなるべく誰もが傷つかないで、最良の結果=奥さんが助かる道筋を円滑に見つけてこうとすること、つまりケアの仕方なのです。


 そこまで思いを巡らせたがゆえに安易に答えを出せなかった11歳の女の子を「発達段階が低い」と断ずるのは間違っているのではないか? それがギリガンの指摘でした。

(引用ここまで)

 「成長」というのは、「わかりやすい」ものになることであることもある。しかし、それだけが成長なのではない。そのことを、わからない人はいつまで経ってもわからない人はわからない。この国の中枢の、とてもあたまがいいはずの人でも、このことがわからない人はわからない。
 これはとても、悲しいことだ。

■二鳥くんは、「性同一性障害」と名付けられればいいわけではない

 「結局、二鳥くんが女の子になりたいのか、女の子のかっこうしたいだけのかがわからなかった」という人がいた。
 なるほど。そういう「わかりかた」をしたいのだな、ということはわかる。
 二鳥くんは、女の子になりたいのかもしれない。あるいは、女の子の格好をしたいだけなのかもしれない。物語がすすんでいき、それがどちらかの方向に結実することはあるだろう。しかし、それは、「ああ、結局、二鳥くんはそういうことがしたかったのね」というように「わかった」ことになるのだろうか?
 そうではない、とわたしは思う。

 この話は要するに、二鳥くん本人にも、自分の欲望の状態がわからない、という話だ。二鳥くん自身、女の子になりたいのか、女の子の格好をしたいのかがわからない。
 だからこそ、この話は悩ましいのだ。
 欲望の状態がわからないからこそ、いっそう生き辛く面倒くさいのだ。
 そのことがわかるか、どうか。
 この作品の魅力はその一点にかかっているといってもいいだろう。

 主人公の二鳥くんは「もしかしたら自分の欲望はアブノーマルなものなのかもしれず、しかしながらその欲望にどのように、どこまで、どうむかっていけばいいのかわならい」ということで悩む。
 と同時に、思春期特有の誰でももつ悩み「自分が何者なのかわからない。何者でありうるのかわからない」という二つのことに同時に悩む。
 前者の悩みは、いささか特殊な悩みではあるが、後者の悩みは、ごく一般的に多くの人が経験したもの――あるいは、今まさに経験しているもの――かもしれない。単に「悩み」の話として捉えれば、この話は二鳥くんの特殊性によって、かなり変わったものとも見えるだろうが、ごく誰でももっている悩みを増幅させているだけ、と捉えることもできる。
 だから、この作品の悩みは、実はけっこう「特殊なもの」として、自分と切り離さずとも見ることができる……とわたしは感じている。



 二鳥くんはもっと、「わかりやすい」ものになることはできるだろう。
 「わたし、オカマなの」って言われたほうが、世間的に対処しやすい。
 「はっきりとしたもの」になるだろうけれど、そういう「はっきりしたもの」になってしまった存在っていうのは、実はもうすでにその時点で、別のものなのだ。

 むかし、確か村上龍だったか誰かが、「自分が何者であるのかを、自分で位置づけることができる人間」=「大人である」ということを「大人」の定義のひとつとして言っていた。
 「あなたは、どうしたいの?」
 「あなたは何者なのか?」
 それが説明できることが大人なのだ、と。

 でも、「自分が何者であるかを言える」ことはさまざまな「成長」のあり方のヴァリーエションの中の一つでしかない、とわたしは思う。
 それによって、そっちの方が生きやすくはなる。生きやすくなることをもって「成長」と呼びたい人は呼べばいいと思う。それを直接には否定しようとも思わない。だけれども、それだけが成長だ、と考える人がいるならば、それは違う。
 確かに、「何をしている人か」「何がしたい人か」ということがわかれば、社会的に処理しやすい存在にはなるだろう。
 仕事の上での効率性があがる。メンタルな安定性はあがる。仕事の上では確かに対処しやすくなることが多い。コミュニケーションコストは低くなる。本人も、楽になることが多い。だから、そういう状況のことを人は「成長」と呼びたがる。
 そのような「成長」を経験しないという点では、確かにこれは「成長」の話ですらない。

 だけれども、実は「何者であるかを宣言してしまう」「わかりやすいものになる」ということは、それ以前の、繊細な悩みを捨ててしまうことでもある。それは、繊細な問題を捨てきれずにずっと、一生を過ごしてしまう人にとっては、鈍感な暴力として機能するような言葉を投げかけやすい存在になりさがることも忘れさられるべきではない。(とらドラ!のマルオくんのスキー教室のときのアレみたいなもん。)

 当人の問題としては、「生きやすい」ものになったほうが楽でいいかもしれない。
 だけれども、誰かが生きやすい仕方へとスライドできたとしても、それによって生きにくかった頃の悩みが世界から消えるわけではない。それはやっぱり残る。しかも、「わかりやすい」「成長した」生き方を選んだ人たちが、「生きにくい」「未熟な」人々に「君はもっと、はっきりしないさい」「きみは何がしたいのかわからない」という、無神経な言葉を投げかけたりする。
 これは、とても不毛で、残念なことだ。

 この「当人が楽になるための処方」の問題と、「ここにこういう悩みがあって、この悩みは重要な話です」っていう問題は一緒のはなしだと思っているひとが多い。それは「未熟な人が成長をしていない」。そういう話だと思っている人が多い。
 悩みは成長すれば、解決するんじゃない。
 悩みのかたちを強引に処理しやすいものに変えることで、悩みのありようが変わるのだ。それを、多くの人は「成長」と呼んでいる。
 それでいい場合もあれば、そうでない場合もある。
 多くの場合はそれでいい。でも、だいたいな、7割ぐらいじゃないのか。それでいいのって。

 「わかりやすいものになれない人々」「まだ、自分が世界にとっていかなる価値があるかわからずに悩んでいる人々」
 こうした人々を救い出すためのメジャーな方法の一つは、いわゆる、
 「あなたはそのままでいいんだよ」
 と言ってあげることだ、という人もいる。
 それは、確かに対処療法としてはいいし、言われた方は気がラクになるのだが、
 そういう通り一遍な手法は、単に通り一遍な手法でしかなく、結果としてメンタルをこじらせることにもなりやすい。
 こういう手法は「コンプレックス商法的」と言われて、批判されることもよくある。



 だけれども、志村貴子は、そういう安易なコンプレックス商法的な方法による救いを書かない。
 「自分の価値に悩み続けるあなた」
 を無条件に肯定したりしない。

 「わかりにくい」ことでしかありえないことの、やるせなさを、ずーっと描きつづける。

 それによって、救われるのかどうかは、よくわからない。
 救われないかもしれない。
 だからなんだ、って思うかもしれない。

 だけれども、悩むということはそういうことでしかないし、そういうことの連続のなかで、
 生きることなんだ、と了解するしかない。

 その、もっともやっかいな悩み方を、志村作品はずっと提示し続ける。
 そういうものがある。
 そういうものがあるのだ、ということを、ただひたすらに提示する。

■娯楽の手法。「文学」の手法。
 
 本作の「わかりにくさ」を、別の切り口から、駄目だという人もいるだろう。
 「問題が繊細なのはわかった。しかし、その繊細さを描く手法は、もっといい方法があったのではないか」と。
ハリウッド的な物語作法からすれば「誰がどういう欲望を抱いているのかはわかりやすく書きなさい」ということになっていて、そっちのほうが物語を見るうえで、とても楽でわかりやすい。
 たとえば、その手順をもっともクリアーに踏んでいるのは、『とらドラ!』での岡田麿里の仕事だろう。とらドラ!は、物語前半においては、わかりやすい動機をもっていた人々が、物語後半に行くにしたがってそのこころのありように、より複雑にこころにヒダを刻んでいく。
 そのプロセスの丁寧さゆえもあり、『とらドラ!』は多くの人に支持されたと言ってもいいだろう。
 確かに、その指摘は一理ある。

 だけれども、そういう『とらドラ!』のような手法は確かに多くの人にわからせるためにはとてもいいのだが、あたりまえながら、前半パートに使う比率が長くなるので、複雑な描写は後半の数話で少しするだけで終わってしまう。
 しかも、『とらドラ!』の前半パートのようなものは、ああいう描写が耐えられない人もいる。ステレオタイプな人物描写が前半パートでは続くわけで、そもそもああいう人物描写は辛い場合、というもけっこうあるのだ。
 だから、まあそこは、好みの問題でしかないところがあるとは思う。ただ、まあ『とらドラ!』が偉かったのは、それはそれで事実だろう。

 しかし、こういった女性のめんどくさそうなところを細かく描いた作品はほんと男は、こういう作品がかけない。残念なことに。



*追記1:とりあえず原作9巻まで読んだ。

*追記2:『敷居の住人』全巻よみおえた。志村貴子すばらしいな…!

*追記3:
 ほかの方のレビューを読むと「気持ち悪い」ということを書いていらっしゃる方がたくさんいて、素直におどろいた。
 はるな愛、ピーコ、美川憲一、美輪明宏 のようなトランス・ジェンダーの人間がこれだけテレビに出まくっている現在の日本においても、いまだに性的にやや特殊な願望をもった人間がこれだけ忌避されるものなのか…。
 もちろん、わたしが「同性に迫られたら」それは、わたしはそういう性的嗜好をもっていないから、その場合にはようやく「気持ち悪い」ということは思う。でも、それはチカンされたら気持ち悪いのといっしょで、気のない人から迫られたら気持ち悪い、ということでしかない。そういうこととしてではなく、単にその存在が。その欲望そのものが「気持ち悪い」というのは、わたしは正直もはやわからなくなってしまった。
 「気持ち悪い」と感じることが悪いとは思わない。それは感覚だから、悪いとかいいとか、そういうことを問えるものではない。でも「気持ち悪くて当然であり、わたしは正しい」とは判断してほしくない。感覚と判断は、分けてほしい、とわたしは思う。感覚そのものに対して社会的な良し悪しは問われないし問われるべきではないけれども、事象に対する判断や政治的な言説には良し悪し問われる。
 この国の人々はとても優しいし、オタクの人々は輪をかけて優しいので、ゲイやオカマの人を前にして、ひどい対応はほとんどとらないだろう。だけれども、感覚的には、いまだに性的に、ごく保守的な土壌が完全に温存されたままである、ということを、しみじみと思いしる。
 二鳥くんが、これほどに悩まなければいけない場所である、ということ自体がきわめてかなしいことだと思う。30年後には、「こんなことで悩んでいた時代があったのか」と思えるような。そういう時代になっていてほしい。
 その意味で、本作が「古い時代の問題」になることを祈りたい。


*追記4 文学バカ

 まあ、この作品でやられているようなことは、「文学」のなかでも一部の人たちがずっとやってきたことではある。
 それはもう確実に。

 ただ、いわゆる、古典的な「文学」における多様な人々の生の肯定、系のテーマが、文学部に行っちゃうようなタイプの人々のメンタルに対して一種の自縛作用みたいなものも持ちえちゃっていて、それはそれでややこしい問題もあるのだけれども。文学しか読まない文学バカっつーのも大量にいる。でも、この作品は確実にそういう「文学バカ」にもベタに好評なはずの作品で、「文学バカ」にほめられると、ちょっと微妙な気持ちがしてくるということもある。
 実際問題としては、いわゆる一般的な「わかりやすい成長」みたいなものも、それはそれで価値はあると思うのですよ。そういう価値を全否定する必要はない。ないどころか、けっこう肯定していい。だけれども、ザ・文学みたいな人の話を聞いていると、一般的な「わかりやすい成長物語」そのものを目の敵にするような人というのも、かなり沢山生息していて、それはそれで藻前ら、ちょっともちつけ…。と言いたくなることもある。経済学とか経営学とかも、それはそれで面白いんだぜ?フィフティ・フィフティでやってけばいいだけだと思うんだけどね。
 文学部の人々の就職難というのは、ここらへんで自縄自縛しているようなところがあるよなぁ、と感じるので、文学バカの文学絶賛!みたいなノリで、褒めたいというような気力は個人的にはない。というか、もし、典型的な文学バカが、この作品を褒めているのをはじめて観たのだとしたら、わたしはたぶん、この作品に対する印象がもう少し悪かったかもしれない。







※1
上田紀行による紹介
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20120605/232978/?rt=nocnt

投稿 : 2012/12/28
閲覧 : 1926
サンキュー:

36

ネタバレ

turn999 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

誰もがくぐるこの気持ち……

第二次性徴期真っただ中の中学一年生。
保健の教科書的には男女の境界・違いが、外面的にも内面的にもできてくる時期だとされます。
お互いを男と女とみはじめ、彼氏(カレシ↑)・彼女(カノジョ↑)をつくったり、セックスを意識します。


女 の 子 に な り た い 男 の 子 、 二 鳥 修 一
男 の 子 に な り た い 女 の 子 、 よしの


一般的に”男女の境界ができる”といいますが、「男女の境界は動いている」のほうが合っているのかもしれませんね。
その激しい動きの影響を受けて「自分ってなんなんだ?」主人公にとりんなら「男ってなんなんだ?」と葛藤する中学生を描くのがこの『放浪息子』。

たまたま、にとりんは”性別”に悩んだだけであって、土井くんのように人付き合いに悩んだっておかしくありません。みなさんだって、家族、血縁、お金、異性、同性、勉強、転校、病気、死別、ルックスなどなどで、悩んだり劣等感をもったこと、一度や二度じゃないですよね?(笑)わたしは数えられないほど味あわされた!!

この作品は中学生タイムリーな感情をあつかっているので、わたしには「そうだったなぁ…」としか今はもう感じれません……。中学生がこれをみて、どう感じるのか聞いてみたい気もします。(女装!オカマ!とか返ってきそうだけど ^^:)




ちなみに聖書に「放蕩息子のたとえ話」というのがあります。
補足ついでに、どうぞ♪

” ある人に息子がふたりあった。弟が父に、『おとうさん。私に財産の分け前を下さい。』と言った。それで父は、身代をふたりに分けてやった。 それから、幾日もたたぬうちに、弟は、何もかもまとめて遠い国に旅立った。そして、そこで放蕩して湯水のように財産を使ってしまった。何もかも使い果たしたあとで、その国に大ききんが起こり、彼は食べるにも困り始めた。それで、その国のある人のもとに身を寄せたところ、その人は彼を畑にやって、豚の世話をさせた。 彼は豚の食べるいなご豆で腹を満たしたいほどであったが、だれひとり彼に与えようとはしなかった。しかし、我に返ったとき彼は、こう言った。『父のところには、パンのあり余っている雇い人が大ぜいいるではないか。それなのに、私はここで、飢え死にしそうだ。立って、父のところに行って、こう言おう。「おとうさん。私は天に対して罪を犯し、またあなたの前に罪を犯しました。 もう私は、あなたの子と呼ばれる資格はありません。雇い人のひとりにしてください。」』こうして彼は立ち上がって、自分の父のもとに行った。ところが、まだ家までは遠かったのに、父親は彼を見つけ、かわいそうに思い、走り寄って彼を抱き、口づけした。息子は言った。『おとうさん。私は天に対して罪を犯し、またあなたの前に罪を犯しました。もう私は、あなたの子と呼ばれる資格はありません。』ところが父親は、しもべたちに言った。『急いで一番良い着物を持って来て、この子に着せなさい。それから、手に指輪をはめさせ、足にくつをはかせなさい。 そして肥えた子牛を引いて来てほふりなさい。食べて祝おうではないか。 この息子は、死んでいたのが生き返り、いなくなっていたのが見つかったのだから。』そして彼らは祝宴を始めた。 ”
新約聖書 ルカの福音書(15:11~24)より引用。

投稿 : 2012/12/09
閲覧 : 284
サンキュー:

2

ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

放浪というのは、つまり試行錯誤ということなんだね

未読なのだが、志村貴子による漫画作品が原作で、
小学校編から始まって、中学高校へと進み今も連載中らしい。

男の子になりたい女の子、女の子になりたい男の子というとすぐ
「性同一性障害」と決めつけ、しかも同性愛などと並行して混同
されやすいのだが、そういうテーマを持ちながらもこの作品は、
そこをハッキリ断定して重く描くのではなく。
声変わりや初潮を迎えるなどの性的な変換期であり
精神的にも子どもと大人の中間にある中学時代に焦点を当て、
自分らしさや願望について真面目に、かつ明るく
優しく向き合っていたのが好印象だった。

<おもな登場人物>

■二鳥修一
小学校の頃から、かわいいものや女の子の服が好きで
時々身につけたりもするが、好きになるのは女の子という男子。
なので単純に女装を好む異性装者のようだが、女装しても一人称は「僕」であり
言葉遣いも女言葉になるわけではなく、
{netabare}それでも「女の子になりたい」とか
「女の子として高槻さんを好きでいたい」と言っているので、{/netabare}
実は一番複雑な精神構造の持ち主。
大人になっていく過程でまだまだ何度か変化しそう。

■高槻よしの
小学校のときからの修一の同級生であり、時々男装をして
女装した修一と街に出るなどの行動をする、男の子になりたい女子。
{netabare}今作では好きになる相手の性は明らかにされていないし、
本人もまだよくわかっていない様子ではある。{/netabare}
言動から推察すると、性同一性障害に一番近い人物に思えるが、
ハッキリそう表現されてはおらず、まだ思春期の成長段階なので、
そのあたりは断定できない。

■千葉さおり
修一やよしのと小学校からの同級生で、修一に女装をさせるきっかけを
作った人物であり、良き理解者なのだが、その想いはなかなか複雑、
というかなり繊細な美少女。

■有賀まこと
修一のクラスメイトで、唯一の男友達。かわいいものが好きで女装もし、
「大人の男性が好きだから女になりたい男の子」だが
今のところ、一人称は「僕」であり言葉遣いも一般的な男子。
でも数々の言動から、将来はオネエになる可能性が大きいと推察できる。

■更科千鶴
自由奔放な振る舞いで、いつも底抜けに明るい無邪気な女子。
男子の制服を着て学校に行ったりすることもあったが
単なる気まぐれであり、男になりたいわけでもない自由人。

そのほか、大人の友だちとしてニューハーフのユキちゃんや
その彼氏であるしーちゃん。
クラスメイトのモモやかなぶん。
修一の姉や両親、姉のモデル仲間など。

------------------------------------
観ている間の感想を一言で言うなら、とても微笑ましかった。
声変わりへの恐怖から、今のうちに録音しておこうと
修一とまことが今の声を録音してみたり、
修一とよしのの女子トイレでの会話とか、
文化祭での男女入れ替わった役を演じる倒錯劇、
嬉しそうにかわいいヘアピンを手にしている様子などなど。

そして、最終話で見せるさおりの、自室の鏡の前で修一へ語る想い。
このときの、微妙に変化していくさおりのせつない表情が忘れられない。

物語の中に、かつての自分に近い人物がいて懐かしくもあった。
大人の今なら似たような仲間達がいるものの、
中学時代に彼らのような理解ある仲間や友人がこんなにいたら
どんなにか楽しかっただろうなとも思った。

ただひとつ、9話で修一のお父さんが言った一言は
おそらく「優しく理解を示す父親」を表現したかったのかもだが
「間違えちゃったのかな」は、場合によって傷つける言葉でもあり
ちょっといただけなかった。もう少し違う台詞言って欲しかったかも。

ヴィジュアル系ロッカーだと、男のメイクやゴスロリファッションも
ファンからは認められ、男装する女子も百合も比較的受け入れられやすく、
ニューハーフを代表するゲイ分野の人々がTVなどで活躍し
一般的にもかなり市民権を得た感のある昨今、女装男子である「男の娘」も
一部では理解されているものの、まだまだ大多数の人からは誤解と偏見に
さらされているのが実情で、現実はなかなか厳しい。
実際、性に関してのアイデンティティは基準が「性愛の対象は何か」で
決定付けられるので、なおさらなのだろうね。

中学生という一番多感な時期の彼らを、比較させるように描きながら
細かい部分は断定せず、あくまでも観る者に考えるきっかけを与える。
そういう姿勢が、全体通して表現されていた淡い水彩画タッチの
作画そのものに集約されている気がしたし、
この作品が言いたいことはすべてOPの歌詞に詰まっていたと思う。

投稿 : 2012/10/26
閲覧 : 719
サンキュー:

39

努努 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

男の子と女の子ってむずかしい

自分の性に悩む主人公と聞いて重たい話かなぁと思っていたけど
爽やかな感じでさくっと見れました!
色々考えさせられる場面も多かったです。
あと周りにたくさんある萌えアニメよりこのアニメの方が萌えましたww

投稿 : 2012/10/09
閲覧 : 244
サンキュー:

6

Irregular さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

怖いもの見たさで手を出して正解だった

登場するほとんどのキャラクターにしっかりとした個性があって、なんか楽しい。
主人公の周囲の友達は男女,女男を受け入れてはいるのだが、手放しで受け入れている感じではなくて理解しようと努力している感じが好印象で世界に入り込みやすかった。

男女の修一に好意を寄せている「さおり」の微妙な空気がなんとも言えなかった。

投稿 : 2012/09/17
閲覧 : 249
サンキュー:

3

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放浪息子のストーリー・あらすじ

「女の子になりたい男の子」二鳥修一はその気持ちを押し隠していたが、あるときクラスメイトのさおりに女装しているところを見つかってしまう。以前から修一に好意を持っていたさおりは、それから修一に積極的に女装させるようになるが、今度はよしのにも女装がバレてしまう。しかし、よしのは「男の子になりたい女の子」だった。(TVアニメ動画『放浪息子』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2011年冬アニメ
制作会社
AIC
主題歌
≪OP≫ダイスケ『いつだって。』≪ED≫Rie fu『For You』

声優・キャラクター

畠山航輔、瀬戸麻沙美、南里侑香、南條愛乃、千葉紗子、豊崎愛生、井口祐一、水樹奈々、堀江由衣、松岡禎丞、水原薫、中井和哉、藤原啓治、本田貴子

スタッフ

原作:志村貴子(エンターブレイン『月刊コミックビーム』連載)、 監督:あおきえい、シリーズ構成・脚本:岡田麿里、キャラクターデザイン・総作画監督:牧野竜一、メインアニメーター:サトウミチオ、美術監督:伊藤聖、美術設定:児玉陽平、小物設定:松本昌子、色彩設計:大内綾、コンポジットディレクター:加藤友宜、3D:サンジゲン、オフライン編集:右山章太、フォーマット編集:ソニーPCL、音楽:神前暁/岡部啓一、音楽制作:アニプレックス/フジパシフィック音楽出版、音響監督:明田川仁、音響効果:中野勝博、録音調整:根岸信洋、音響制作:マジックカプセル

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