お茶 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
私の中のエヴァンゲリオン
新世紀エヴァンゲリオンって何なんでしょうね。これがなんというか、怖いんですよね。レビュー書く事自体が怖い。それが私自身のエヴァンゲリオンに対する評価なのかもしれない。
しかし急にエヴァのレビューを書きたくなったので、
新劇と旧劇で主に違いを感じるのは、旧劇の時にあった陰鬱な艶。アスカなど動きの多いキャラクターは新劇にはえる。レイやカヲルは旧劇の方がミステリアスさに奥行がうまれている。キャラクターだけではなく静止画による印象的なカットの繋ぎとかそこにピシャリと合うようなセリフやモノローグが特徴的でワンカットの切れは半端ではない。
本作において特撮モノの音や仕込み、エヴァフォントと呼ばれるマティス-EBなど、どれだけの試行を凝らしているか想像の余地もつかない。それが分からないとしてもなんとなく他にないものを感じるのは確かなことで、
私は幼い頃から絵を描いていて、エヴァの作画集を買ってたまにデッサンします。他のアニメも描いたりしますが、エヴァの画は描きたい衝動に駆られる。一番好きなカットは旧劇の初号機に掴まれて、死ぬ直前のカヲル君の微妙な笑み。これが中々上手く描けない。上手い下手とかの問題ではないんですよね。OP曲で流れる一枚絵だって今も鮮明に思い出せる。これは絵の力なのか、作品自体にひきこまれた自分の補正なのか、多分どちらもだろう。
これがあなたが救った第三新東京市よ踏切のシーン生活感あふれるミサトさんの部屋これらの幾つものシーンが、いつの日もこの胸に流れている。レイの無機質な部屋でさえもレイの匂いを感じる。エヴァンゲリオンの考察なんてできないけれど、これが自分の中にあるエヴァンゲリオンなのだろう。新劇になってポカポカした綾波も、少し距離ができてしまったアスカも全て、
新劇の中でひたすら挑戦の輪廻を続けるヒトのように、新たに創造されたセカイ「Q」のAを、いや続きを、ヒトの補完というまだ見ぬ境地を目指す監督の挑戦をずっと見届けたい。