映画の全体的としては一時間とちょっと短く、物語シリーズ特有の掛け合いも少なめで、少々物足りない感じがしたというのが第一の感想。
しかしながら、化物語シリーズで一番の謎であった阿良々木君の吸血鬼化や、個人的には引っかかっていたエピソード君の正体?的なものが分かるなど、いろいろ見どころがあり、まぁ満足!といった感じでした。
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ここからは内容からは、はずれるのですが、素人ながら演出とは何なのだろうか?と考えさせられる映画でした。
そのため、演出についての感想をちょいと書きたいと思います。
以下、長文失礼...
今回の映画の演出として一番の特徴としては、三次元的に描かれた背景を二次元的に描かれたキャラが動くいうところにあるように思います。
アニメ物語シリーズでは、完全に二次元的な作画であり、更に建物などの細部に関する作画(平坦に塗りつぶされているなど)は必要最低限まで抑えてあって、映像から得られる情報量という観点からみると、映画のほうがかなり多くなっています。
この情報量という観点からみると、演出のもう一つの大きな要素である音楽に対しても、伴奏とメロディによるひとつの曲のようなBGMで音源にも厚みがあるように感じました。
アニメ版のBGM「色ボケ猫」「素敵滅法」「廃墟」などの様な単調な曲と比べると情報量はやはり多いと思います。
ここからが本題。
化物語シリーズは言うまでもなく会話の掛け合いや言葉遊び的な部分が見せ所ですが、そもそもこの要素に情報量が多く脳内の多くが情報処理に使われていると思います。
そこで、今回の映画ですが、三次元的な背景とそれに伴う色彩の多様性、また、音楽も分厚い。
このような、掛け合い以外の情報に対する脳内の処理速度が追い付かず、本来の醍醐味である言葉の掛け合いに集中できない。
それが、今回の映画の物足りなさの原因なのではないかと思いました。いや、物足り過ぎて微妙な感じだったのかも,,,
(映画の最中に何考えてるんだよと自分でちょっとつっこんでしまいました(笑))
また、そのように考えると、アニメ化物語の独特の演出は、掛け合いや言葉遊びの要素を最大限に生かす、程よい情報量の演出だと思います。
むしろ、独特で面白いと思っていた演出は、演出で視聴者を惹き付けようとしていたのではなく、掛け合いというこの物語の要素を際立たせるために、自然とそのような演出にせざるを得なくなっていったのではないか?と感じました。
以上のようなことに思いを巡らせると、演出という仕事って面白そう!そして(今回の映画なんだかなーという感じでしたが)シャフトってすごい!と思いました!!!
以上、ご拝読ありがとうございます!!