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「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険(アニメ映画)」

総合得点
74.7
感想・評価
263
棚に入れた
1631
ランキング
881
★★★★☆ 3.9 (263)
物語
4.0
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
4.1

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クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険の感想・評価はどうでしたか?

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

しんちゃん映画の醍醐味。近年見失われがちな「しんちゃん映画」の最適解。

 しんちゃん映画といえばなんといっても「オトナ帝国」という意見も勿論わかる。私も大好きな作品だからだ。しかし、初期からこのシリーズを見続けた者としては、本作を個人的には推したい。


 しんちゃん映画の醍醐味とは、それはタイトな時間の中に集中した笑い、アクションというエンターテイメント要素だろう。ホロリとさせるところや、テーマ的なところがあっても勿論良いが、そこはメインではあるまいて。ジャンル映画の割には感動やテーマ性も備えて立派だから評価しようみたいな考え方は、ジャンル映画を、エンターテイメント魂を、しんちゃん映画を低く見た考えであると断言したい。


 本作ではホロリとさせるところは本当に慎ましいが実に効果的に作用している。それはトッペマが魅力的だからだよぉ~!。しんちゃん映画に限らずドラえもん映画でも毎回ゲストキャラが登場するのはお約束である。そういったキャラたちでも、メインキャラと肩を並べるくらい魅了的なキャラが登場すると、断然1話限りの物語に対する熱中度が変わる。今更気付いたが、トッペマの正体が花のお姫様なのは「ウテナ」繋がりか!。


その点、魅力的な脇役を多く輩出したしんちゃん映画の中でもトッペマは特に印象的。デザイン的にも簡素でスッキリしなながらもセンスが光り、アクションも格好良く、萌えに走らない自然な可愛さがあり、あの戦いの後のシーンの悲しさと切なさ、そしてちょっと驚きのラストまで備えている素晴らしさ。


 敵役のマカオとジョマも素晴らしい。二人との世界を賭けたババ抜き対決、その後の追いかけっこの活劇の素晴らしさは、記憶に残るアニメ名場面の一つとしたいくらい。ギャグでは、アクション仮面、カンタムロボ、ぶりぶりざえもんが勢ぞろいという豪華さ!。そしてちょっと怖い、他のしんちゃん作品にはあまり見られない静の描写まである。


 短い時間内でいかにお客さんを楽しませるか?、エンターテイメントとは何か、ここまで考えて努力してこそ真に人の心を打つ物になる。海原雄山の「人の心を感動させうるのは、人の心だけなのだ!」という金言が胸に響く。感動させますよ~って姿勢は、全否定しないけど如何なものか、という感じである。特にしんちゃんだとね。

投稿 : 2024/09/10
閲覧 : 481
サンキュー:

10

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2021.8.25

2021.8.25

投稿 : 2021/08/25
閲覧 : 180
サンキュー:

0

ネタバレ

sibusibuka さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

観終わりました

両親の偽人形とか怖すぎますね。

ストーリーでは適当に流されてますが倒された際に正体の人形の姿をあらわしながら爆砕四散したクレイGやチョキリーヌも散々トッペマを人形扱いしてたけどお前らが人形だったんかいという

クレイGの人形可愛かったけどチョキリーヌの人形がキモくて怖い

投稿 : 2020/03/23
閲覧 : 669
サンキュー:

1

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

キャラがキレッキレ!

監督は本郷みつる氏
絵コンテには原恵一氏や湯浅政明氏が名を連ねる。

キャラクターの設定メリハリ素晴らしく
声も良く合っていた。

特にトッペマがgood!

クライマックスの追っかけも醍醐味有りましたね。

面白かったです。

投稿 : 2019/06/10
閲覧 : 360
サンキュー:

7

ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

変だ変だよ、ヘンダーランド!ウソだと、思うなら、ちょいとおいでぇ~~♪

1996年公開の劇場版クレヨンしんちゃん・第4作目の作品。

クレヨンしんちゃん大好きな友人が
「これは完璧なクレしん映画!」と絶賛していました。

私はこれまで「オトナ帝国」しか見たことがないのですが、

「オトナ帝国」は大人の方が受けがよさそうなのに対し、
こちらは大人も子どもも楽しめそう。

ただ、この作品の魅力はそれだけではありません♪
なるほど、友人が絶賛するのも納得でした。

90分ほどの作品です。


● ストーリー
群馬県に新しくできた遊園地、“ヘンダーランド”。

幼稚園の遠足でヘンダーランドに行ったしんのすけは、
みんなからはぐれ、テントに迷い込む。

女の子の人形、トッペマ・マペットと出会い、
ヘンダーランドの正体は、オカマ魔女の城であることを知る。

オカマ魔女はトッペマの故郷を征服し、
次は地球の征服を企んでいた。

「スゲーナ・スゴイデス」と唱えると何でも願いが叶う魔法のトランプを使って、
オカマ魔女の野望を阻止してほしいと頼まれるしんのすけ。

しかし、怖さからそれを断り、
トッペマと決別してしまう。

トッペマが去った後、
しんのすけの手元には魔法のトランプが残されていた。


あらすじから察するように、
ゴールはオカマ魔女をやっつけることなんだけど、

しんのすけが協力を断るなど、
本題に入るまでの伏線や寄り道がなかなか面白いです。

ひとつの展開をダラダラ続けないので、
見ている方も飽きませんでした。
 

≪ クレヨンしんちゃんの面白さ ≫

たくさん見てきたわけではないので、
あくまで個人的な印象ですけれど。

・しんちゃん個人のハチャメチャさとギャグ。
・幼稚園の友だちの幼稚園児らしくない可愛げのなさ。
・時々年相応さを見せるしんちゃんの可愛さ
・野原一家への親近感と、いざという時には腹をくくるかっこよさ。
・しんちゃんに振り回されたり影響を受けたりしたキャラの、キャラ崩壊。

こんな魅力があるのがクレヨンしんちゃんという作品なのかなと、
この作品を見ながら考えていました。

そしてもちろん、
この作品ではどれもしっかりと味わえます♪

ちゃんとしんちゃんの魅力を詰め込んでいるからこそ、
しんちゃんファンからの支持も厚いのでしょう^^


≪ 見事!な伏線たち ≫

どの作品でも仕掛けはあるものですが、
この作品の伏線は見事でした!

「ああ、あれが伏線になっていたんだ。」と気付くと同時に、
「なんてきれいな伏線!」と感心させられるものばかりだったのですよ。

例えば…
{netabare}
オカマ魔女が「クールな男になりなさい。」とかけられた呪いで、
王子は雪だるまになっていた。確かにクール!
{/netabare}

{netabare}
「いつまでも幸せに暮らすなんてありえない。」
「おとぎ話なんて子供だましだ。」と騒ぐしんちゃんたち。

だけどそれが一番のハッピーエンドであることに、
文句のつけようがなくなるオチ。
{/netabare}

などなど…。

私は夢を感じられたので、
オチへの伏線が一番好きでした♪


● 作画
ラストシーンの、
オカマ魔女と野原一家の追いかけっこは名シーンだと思います。

追いつかれたらどうしよう!なドキドキなシーンのはずなのに、
面白くて笑えるってどういうことww

野原一家の常人離れした動きもだけど、
細かなギャグが散りばめられていて、笑いっぱなしw

作画がきれいだとか、動きが滑らかだというわけではないけれど、
このシーンは魅了されました。

ああ、あとは野原一家の阿波踊りの情熱にも魅了されましたw


● 音楽
【 OP「パカッポでGO!」/ 野原しんのすけ(矢島晶子)】

久しぶりにこの曲聴きましたが、
今聴くとすごく好きなんだけど。笑

歌詞のぶっ飛び具合は、
子ども向けとしてNGと言われてしまうのも納得ww

しんちゃん声で歌う矢島さんのすごさに脱帽しました。
しかもうまいし。改めて、すごいわ。

OPのクレイアニメもすごかった!


● まとめ
しんちゃんファンの友人が絶賛してたから見てみましたが、
確かに脚本が完璧だというのは納得でした。

間延びさせずに時間を展開に有効に使う。
ファンタジーあり。
キャラの個性をちゃんと見せる。
シリアスな場面もシリアスすぎない。
一つの場面の緩急のつけ方が完璧。

そして、大人も子どもも楽しめる!
しんちゃんシリーズが長年愛される理由がわかりました。

今のところ、劇場版クレしん全部楽しめているので、
このまま他の劇場版も楽しみたいと思います^^

投稿 : 2019/06/08
閲覧 : 4109
サンキュー:

13

さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

エンターテイメントの金字塔

群馬県に新たなテーマパークがオープンした。
ヘンダーランドという。
だが、どこか怪しげなヘンダーランドにはある秘密が・・・
しんちゃんはひょんなことから、ヘンダーランドの秘密に巻き込まれ、そこの主であるおかま魔女と対峙することになる。
登場する人物の誰ものキャラが立っており、面白い。

生き方に美学があるおかま・ホラーでコミカルなスノーマン・しんちゃん
カンタムロボ・ぶりぶりざえもん・アクション仮面

しんちゃん映画の中では、勢いで押し切ってないところがあり、無音の描写、敵の正体のわからないおどろおどろしさなど小さい頃見たら若干トラウマになるかもしれない。。


最初の都会のカットバックから、埼玉の平凡な住宅街へのカット、
下から見上げるような子どもの視線まで落としたアングル、そのどれもが秀逸。

最後の15分のババ抜きと追いかけっこは必見。

湯浅政明氏による作画、物語ともに最高。

何回も見たくなるし、何度でも元気になれる。


そんなしんちゃん映画の原点。

投稿 : 2019/03/30
閲覧 : 605
サンキュー:

5

ネタバレ

さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

・保志、王子様か
・光が濃いのがどことなく不穏な画面
・ヘンダーランドの場所が群馬なのは安定の群馬の扱いだなw
・チーターくんがレギュラーぽいw
・群馬にあんなでかい湖あったっけw
・クレしんシリーズの映画って細かい所の演出が色々似てるよな
・ヘンダーランドのキャストのお姉さんがキョンシーぽくて良い
・デザインがどことなく不気味なのが良い
・名前には力が宿るのかなぁ
・決意したしんちゃんは強いなぁ
・ゴーマン王子って性格傲慢なのかな裏設定で
ス・ノーマン・パーはゴーマン王子の性格を引き継いでるのかどうなのか...


〇風間くん
・「こんな若い2人がずっと幸せにやっていけるなんて信じられない」
・「男はお金が稼げないとね。十分お金があって、初めて幸せがなりたつのさぁ」
・ガイドブックを暗記するまで読みこんでいる
・好きなものに対するマニアな知識がすごい


・なんだかんだ風間くんで始まり風間くんで終わる

投稿 : 2019/02/21
閲覧 : 361
サンキュー:

1

ネタバレ

狗が身 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

雑感。

ゲストキャラからの協力要請を一度断ったり、敵がしんのすけの住む地域に潜入してくるという展開だったりと、中々凝ったシナリオが面白かった。
しかし、ボスキャラとの決着がなぁ…トランプを嵌める為の攻防はそりゃ観てて楽しかったけど、普通に考えて、自分たちの本拠地であるヘンダーランド内でトランプ以外の魔法を使えないって、どうなの?

まあ実際にはマカオとジョマが本来存在している世界じゃないから、魔法の使用に制約があるのは頷けなくも無いけど、それにしても間抜けな印象は拭えない…。
おまけに今回、いつものオカマキャラなマカオとジョマよりもス・ノーマン・パーがキャ的に魅力ありすぎたせいで、どうにもこの二人の印象が薄かったことも問題かな。

野原家でのしんのすけとス・ノーマン・パーのやり取りは、間違いなく本編中で一番笑えたシーンだ。

投稿 : 2017/11/05
閲覧 : 366
サンキュー:

4

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

変だ変だよ、ヘンダーランド

第4作目!!

最後の15分くらいが面白い映画。
中盤怖い、というのはあまり感じなかったけど
しんちゃんが年相応の怯えを見せるのは物珍しくて可愛いかった。

ただ結構退屈な映画でとくに興味の引く展開があるわけでもなかった。
しかし最後の盛り上げという点では、他のしんちゃん映画より突出している。
ババ抜きも面白いが唐突に始まった追いかけっこはものすごく動くし
大人たちが必死に邪魔しまくるのはみていて楽しい。

満足感は決して高くないが、最後きっちり締めてくれたのはよかったかな。

投稿 : 2017/02/26
閲覧 : 431
ネタバレ

ぱ(・ω・)こ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ハマったきっかけ(少し長めです

子供の頃初めて観たアニメ映画でインパクトが強く、ノスタルジーも相まってるので評価が甘いかもしれません。


あらすじとしては、
しんのすけの住む地域あたりに大きなテーマパーク(ヘンダーランド)ができます。
そこは実は世界征服を企むオカマ魔女マカオとジョマの潜伏場所だった。
そしてヘンダーランドで出会ったトッペマ・マペットというマリオネットに、ある理由から魔法のトランプを使って世界征服を止めてほしいと頼まれる。
しかし、しんのすけは怖さあまり拒否をします。
トッペマは諦めきれずその魔法のトランプをしんのすけの手元に残し1度去ります。
しかし世界征服には魔法のトランプが必要な魔女は、トランプを取り返すためしんのすけの元に手下を迎わせます。
しんのすけはトランプの力を使い1度は追い払いますが、そんなこととは知らないみさえとひろしに連れられ再びヘンダーランドへ行く事になります。
その後何事もなく家路につきますが、実はみさえとひろしはテーマパーク内で連れ去られ、しんのすけと一緒に帰ってきたのは魔法により姿を似せただけの人形だったことが発覚。
みさえとひろしを助けるため、しんのすけは魔女を倒すことを決意、決闘の地、ヘンダーランドへ....

といった感じです。
1番の魅力は不気味さ。クレしんはアニメ版でも稀にホラー回がありますが、この映画はダントツの魅力的な不気味さ。
ホラー部分が日常の生活中に埋め込まれているので、妙にリアルなとこがいい。

でも笑い要素も忘れない。ホラーとギャグの畳み掛け、何でもないようなシーンの演出、頭に残る歌。好きすぎてキモくてごめんなさいww

あっ、クレしん映画初期によく見られる、魅力的な敵キャラも見どころです。全映画共通で、なんかアホ。すげー強いのに結果アホ。てゆうか全キャラアホ。
だから皆かわいい。

クレしん映画興味出たら、必必必見です!

投稿 : 2016/05/24
閲覧 : 309
サンキュー:

6

ネタバレ

なる@c さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

外堀を埋めるホラー&怯えからの脱却(背動もあるよ)

2016/03/15
終盤の、オカマ魔女マカオ、ジョマとの追いかけっこシーンが感想の大部分を占める。
該当シーンは湯浅政明が絵コンテ・作画を担当している。一目瞭然。

地球を賭けた競争にもかかわらず(現状スゲーナ・スゴイデスの魔法以外に対抗手段がないので、野原一家の敗北はオカマ魔女による地球制服を意味する)、その中でユーモアが詰まっていて、観るものの頬を緩ませる。脚を引っ張ったり、名刺をジョーカーに見立ててわざと投げ捨てたり、タンスにマカオのサスペンダーを取り付けて妨害したり。子供向けアニメなので血も暴力シーンもない(後のオトナ帝国はかなりハードな内容となっている)。

また、背景動画をこれでもかと盛り込んでいる。最初の階段を駆け上るシーン、マカオが名刺を破ったあとみさえがしんのすけを連れて坂を上るシーン、しんのすけを先に行かせて別の塔に移るシーン、しんのすけが脱出口に向かって駆けるシーン。以上だろうか。疾走感とともに、人物が画面上で大きく動かないため、何をしているのかがわかりやすい。また、パースの変化で建物が歪むため、ただでさえ素晴らしく独創性の高いヘンダーランドの絵がより一層充実感の高い絵になる。気がつけば、映画に没入している。あ、そういえばマカオとジョマが互いの名を呼び合うシーンも背景動画だ。あのシーンも、この絵コンテでなかったらここまで没入できなかっただろう。初登場シーンでは視聴者の笑いを誘うキャラクターであったのに、消滅シーンではなぜか少し切ない。愛されるキャラである証だと思う。



では、残りの感想はどのようなものか。大きく二つある。
一つ目は、しんのすけが珍しく歳相応の怯えを見せるところ。もう一つは、劇場版クレしんで1、2を争うホラー演出の濃さだ。要素の大部分は、ス・ノーマン・パーという雪だるま風の悪役によるところである。この二つを解説する。

しんのすけがトッテマ・パペットの話を聞いて遠足から帰宅したあと、風呂でトッテマと再会し、魔法のトランプ スゲーナ・スゴイデスを託される。人形のトッテマより、人間のしんのすけが使った方が強力というのが理由だ。この能力を使い世界を救ってくれと言われるしんのすけ。しかし答えはノーだった。当然だ。幼稚園児がいきなり世界を救えと言われても、何が何だかわからない。

しかし、この後再びトッテマと会うと、しんのすけの答えは変わっていた。怯えについては一時中断して、ここからはホラー表現について。

遠足からしんのすけが帰ったあと、トランプを取り返すために春日部駅にス・ノーマン・パーが現れる。待ちゆく人に声をかけ、いじめられるマサオを助け、教育委員会の人間を騙って幼稚園に忍び込み、雪だるまギャグをかましながらみんなと遊ぶ。大らかで竹を割ったような性格の良い人だと周囲に認識される。
みんなと分かれて幼稚園のトイレで用を足すしんのすけ、するとス・ノーマン・パーが入ってきて、自分の正体を明かす。その日、周囲に「ス・ノーマン・パーは悪いやつだ」と説得するが、聞き入れてもらえない。ただ1人、最初に出会ったマサオは彼に対して不気味な怖さを感じているという。
帰ると、家にはス・ノーマンパーがいた。みさえは彼に対して警戒心をもっていない。一度は帰るが、帰宅途中のひろしと意気投合し、再び野原家へ。睡眠薬入りの酒を飲ませ、しんのすけとふたりきりになったところで、狂気を露わにする。「テメーのそのじゃがいも頭ブチ割って脳みそストローでチューチューすするぞガキ!」 と、子供向けアニメの域を逸脱した暴言で劇場の子供を震え上がらせた。古川登志夫の容赦無い名演である。
ス・ノーマン・パーの恐ろしさは暴言の恐ろしさと暴言シーンでの影がかかった作画にもあるが、なによりも「外堀を埋めていく怖さ」である。自分以外の誰も危険意識を持っていない恐怖。むしろ自分の頭がおかしいと言われてしまう恐怖。おそらく子供は、この映画で単に怖い画だけがホラーではないということを思い知るはずだ。現に、ス・ノーマン・パーがトラウマになった人も多い。

ス・ノーマン・パーからもらったチケットで、野原一家は再びヘンダーランドに行く。既にテーマパークの内情を知っているしんのすけの浮かない顔と、全力でアトラクションを楽しむ野原夫妻のギャップが恐怖を煽る。夫妻は帰り際にトイレで誘拐され、人形とすり替えられる。無表情の人形は家でしんのすけを襲う。遠足の時点でホラーは既に表面化していたが、トッテマとの決別で日常に戻ったとしんのすけは思っていた。しかしそれは突然しんのすけに牙を向いたのだ。現れたトッテマの機転によって、人形は機能停止した。そして、トッテマは再度、地球を救うため、そして何より誘拐されたしんのすけの両親を救うために力を貸して欲しいと懇願する。しんのすけは、勇気を振り絞ってイエスを答えた。

世界を救うなんて大それたことはわからないが、今そこにある両親の危機に黙っていられないという幼稚園児らしさはある。そして、そのために1人で電車とヒッチハイクでヘンダーランドに向うしんのすけの成長が、物語をポジティヴな方向にイメージさせるのだ。これ以降のしんのすけに怯えは見られず、マカオとジョマとのババ抜きでもジョマと談笑する余裕がある。

しんのすけの良さとして、外見と内面を切り離して考えられる点がある。褐色のお姉さん、チョキリーヌ・ベスタに最初は味方しそうになってしまうものの、その内面の悪性を認識すると頬の赤らみも消え、敵対心を示す。子供の特権、失敗と成長というものを考えると、クレしん映画は子供の教育上非常によろしいものだと思う。そう思いません?PTAの皆さん。

ババ抜きのシーンは笑いあり感動ありの名シーンだが、皆さんが語っている以上の感想はないので割愛する。
しかし、大塚芳忠さんと田中秀幸さん始め物語の最初から最後までベテラン声優が土台から支えているアニメだなと思った。
ぶりぶりざえもんは全く役に立たないが、塩沢兼人さんの声も久々に聴けてよかった。

このアニメは暗黒タマタマ大追跡、オトナ帝国の逆襲と並び、クレしん劇場版の御三家と呼ばれている。
……僕の中でだが。

※追記 2016/03/16
言い忘れた。
あっさりとした終わり方が素晴らしかった。
僕のような素人であれば、ラストに姫との別れを感動的に演出してしまっていたところであろう。しかし、いくらトッテマ・マペットに心が乗り移っていたとはいえ、姫の素顔を見たのはラストシーンが初。感動的にはしにくい。結果として、しんのすけの勇気に対して「ほっぺにキス」というごほうびはとてもバランスの良い、納得の終わり方だったと思う。安易な感動でしんのすけの成長の物語に水を差さなかった監督、脚本家に拍手である。

投稿 : 2016/04/16
閲覧 : 405
サンキュー:

2

Hiraku8 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

 

日常と非日常の切り替えやホラー的演出が見事

投稿 : 2016/03/12
閲覧 : 338
サンキュー:

0

ネタバレ

りゅぅぞぅ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

嘘だと思うなら、ちょいとおいでー(*´ω`)

 サブタイトルをつけるなら

『おかま魔女マカオ・ジョマ VS 野原ファミリー』

おかま魔女にとある国の王と王女が呪いをかけられる(;'∀')

そんな、おかま魔女の本拠地がヘンダ―ランド

ふたば幼稚園はそこに遠足に行くの

そして案の定 しんちゃんはスタンドプレーにはしるのん

そこでトッペマという人形からお願いを聞いてもらう代わりに

最強の魔法のトランプをもらうけど

しんちゃんちきって何もせず、トランプを奪おうと魔女の手下

雪だるまのスノウマンが襲いかかってくるけど

そこで、勇気をだしたしんちゃん トランプ発動

いつものあいつらが現れる ここも見どころ!!

 そこから、なんやかんやあって

ヘンダ―ランドにのりこみ おかま魔女を倒すことに

そこでの見どころはババ抜き

この作品も実に面白い作品だったためぜひとも視聴していただきたい♪

投稿 : 2015/11/10
閲覧 : 332
サンキュー:

2

ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

スゲーナスゴイデス!!

・監督:本郷みつる
・サブキャラ:トッペマ・マペット
・敵:マカオ、ジョマ、クレイ・G・マット、チョキリーヌ・ベスタ、ス・ノーマン・パー

4作目。ギャグに特化した作品だが、ホラー色もある。

ヘンダーランドにて迷子になったしんのすけがひょんなことから敵の秘密を知ってしまう。トッペマと出会い、スゲーナスゴイデスのトランプ(魔法)を使って、マカオとジョマと戦っていく話。

後半まではしんのすけとトッペマの孤独な戦いで、ス・ノーマンが家にまで来るあたりは結構怖い。

ヒロシとみさえを人質に取られてからのしんちゃんがかっこいい。
ぶりぶりざえもんは安定のおもしろさ。

野原一家が集結してからの劇画ババ抜きや、追いかけっこはアニメ史に残るほどの痛快さだと思う。
再三に渡り衣装があだとなるマカオが超おもしろい。
子どもの頃何度も腹を抱えて笑った思い出の作品。BGMも素敵だし、まさに傑作。

投稿 : 2015/08/13
閲覧 : 430
サンキュー:

2

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

最高。キャラクターが最高。もうね、最高なんだよ。
トッペマの可愛らしさ、ぶりぶりざえもんの清々しいクズっぷり、マカオとジョマの【凄いオカマ】感。
そして、彼ら彼女らに増して魅力的だったのが、ス・ノーマン・パーだ。

見た目、雪だるま。
口調、江戸っ子。
性格、良い人。

なんだよこいつ、キャラ濃すぎんだよ……。
何気にセリフのセンスが抜群。
「ばあさん、死ぬまで生きろよ」
「へい彼氏、手抜きのアニメみたいにボーっとしてんじゃねぇぞ」
で僕はすっかり彼に魅了されてしまった。

しんのすけとの絡みではやはり、野原家襲撃時のやり取りはどこを切り取っても面白いし、中でも「作戦たーいむ!」「認める」のくだりは大笑いすること間違い無し。


ストーリーに関しては、ス・ノーマン・パーによって【日常に溶け込んで忍び寄る魔の手】の演出は実に見事。
しんのすけがヘンダーランドの魔法使いと対峙する決意を固めるまでの描写もしっかり描けていた。
また、野原一家VSマカオとジョマの攻防も腹を抱えて笑える出来であり、ギャグの完成度、シリアスな演出ともに傍らしい出来ではあるものの、設定としてはやや違和感を覚える点も少なくはなかったかなー。
気になるのはやはり、城内ではマカオとジョマは魔法を使えない、という設定か。あれは本当に謎というか、ご都合主義感がね……。


そこを除けば、言うことがない。トッペマ可愛いし。

投稿 : 2015/07/26
閲覧 : 289

たこたこ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ヘンダーランドの曲を未だに覚えている

この映画の作画が凄く好きで、しんちゃん達が城を昇っていくシーンとか凄く好きです。

投稿 : 2015/01/02
閲覧 : 319
サンキュー:

0

ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ハラハラ、ドキドキ、ワクワク!笑いあり涙ありアクションありのクレしん映画の冠に恥じぬ作品でした。

子供たちに大人気の遊園地「ヘンダーランド」に幼稚園の遠足で遊びに来た
しんのすけが「ヘンダーランド」の真の姿を知ってしまったことにより、
悪者に狙われ、苦しみ、怯え、家族を守るために立ち上がり戦う物語です。

今回も前作「雲黒斎の野望」に続き戦うヒロインが登場します。
悪の親玉オカマ魔女・マカオとジョマにとらえられていたからくり人形の女の子トッペマ・マペット。
彼女をひょんなことからしんのすけが助け出してしまいそこから騒動に巻き込まれていくのですが
前作の吹雪丸も戦ってたけど今回のトッペマもよく戦います。
飛んで跳ねてバリアはってプロペラみたいなのまわしたり魔法のトランプ使ったり大忙しで戦います。
しんちゃんのお助けキャラとして十分な魅力を発揮してくれたんではないでしょうかね。

オカマ魔女・マカオとジョマやその配下に対抗する手段として魔法のトランプというものがあります。
トッペマが隠し持っていたのですが彼女が言うには人形の自分じゃトランプの真の力は引き出せないらしく
ハートのある人間こそトランプを使うに相応しいとかなんとか…
そんなこんなでしんちゃんがトランプを所持することになるのですが
このトランプというのが思ったことがそのまま具現化するという素晴らしいアイテムなのです。
雲黒斎の野望の三回お助け機能の上位互換みたいなやつですかね。
トランプの枚数が50枚くらいあるので使い手によっては敵を一瞬で屠れそうな印象でした(笑)

知りたくもない真実を知ってしまったしんちゃんは敵に狙われ毎日をおびえて過ごすことになるのですが
ここらへんはしんちゃんといえどもやはり五歳児なんだなと感じさせられました。
敵の刺客が地元→幼稚園→自宅と徐々に距離を縮めていく感じは怖いものがあります。
敵が友達と仲良くなりひろしやみさえとまで仲良くなる様は作品としてはコメディ色なんだけど
しんのすけの心情を考えるとかなり怖いというか不気味です。
そういえばこの作品はいつものようなドタバタしたスタートではなく、
静かで嵐の前の静けさを象徴してるかのような始まりだったのが印象的でした。
キャラクターはギャグなのにそいつらが醸し出す雰囲気は薄気味悪かったように思えます。

ギャグと言えばしんのすけはトランプを使い
度々アクション仮面、カンタムロボ、ぶりぶりざえもんの三人を呼ぶのですがこのシーンは笑いましたw
やっぱぶりぶりざえもんってすごいなぁ…大人になっても面白いというか
大人になった今だからこそあのクズっぷりがたまらなく愛おしい。
しんのすけもふくめた四人の息もぴったりだし掛け合いが観てて楽しかったです。

それと個人的に印象に残ったのは風間くんなんですよね。
他の皆よりも大人ぶろうとしてそれを抑えられずにヘンダーランドで興奮してしまう風間くんに萌えてしまった。
こんな可愛いキャラクターだったんだなぁとしみじみですよ僕は…

トッペマの助けを「怖いから嫌だ!」と断ったしんのすけが
捕まったひろし&みさえを助けるためにトッペマを待つ時間すら惜しみ
単身助けに行こうとするのはグッときます。
家族愛はクレヨンしんちゃんの永遠のテーマだと個人的に思ってます。

野原一家VSオカマ魔女・マカオとジョマのシーンはダンスバトルやババ抜きといった
笑いのエッセンスも散りばめられていてクレヨンしんちゃんの本質を見失ってなかったのも好印象。
たしかに感動できるクレしん映画は面白いですが笑いがあってこその感動なのでそこは忘れてほしくないですね。

クレしん映画の面白さの基準作品になりえる良作でした!

【A80点】

投稿 : 2014/12/07
閲覧 : 424
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まさたろう さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

クレしん映画は面白い

クレしん映画は大概面白く出来てます。

最近のはわかりませんが、過去の作品はどれも見ごたえあります(*^-^*)
ヘンダーランドの世界観好きですねぇ(*´ー`*)

投稿 : 2014/10/12
閲覧 : 321
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ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

『この馬鹿ブタ……、脳みそあるのか…。』『…少し………。。。』

劇場版クレヨンしんちゃんの第4作。
1996年公開。


【前置き】

「ヘンダヘンダよ~~♪、ヘェエンダ~~ランドォ~~♪」

本作をよく覚えていなくても、このフレーズは記憶にある方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。

劇場版第4作は、前作の戦国時代を描いたものから一変、シリーズ屈指のファンタジーをド直球に描いた作品となっております。

ちなみに、第1作から監督を務め脚本にも手をくわえていた本郷みつるさんは、本作以降は監督を降板。
(16作のみ再び監督をされますが。)
次回作以降は、これまで脚本を務めていた原恵一さんに監督をバトンタッチするのでした。


本作の魅力としては、しんちゃんらしい笑いも勿論なのですが、直球なファンタジー性に隠れた『敵が忍び寄る恐怖』の描き方もまた良いんですよね。

あと、個人的に大好きな「ぶりぶりざえもん」が、シリーズ内でも一番彼らしい快演をするという点に置いても、イチオシです。



【あらすじ】

しんちゃん達ふたば幼稚園のメンバーが、群馬に新しく出来た「ヘンダーランド」という遊園地に遠足で向かいます。

しかし実はそのヘンダーランドは、異世界に住む2人のオカマ魔女『マカオ』と『ジョマ』が潜む城であり、元いたヘンダーランドの住民を支配した彼ら……(汗)いや彼女らは、この現実世界をも支配しようとしているのでした、というストーリー。



【論じてみる】
{netabare}
冒頭は、ふたば幼稚園のいつものメンバーで遊園地を楽しむシーンが続きますが、考えてみればふたば幼稚園のメンバーが映画でこれだけ絡むのは本作が初めてでしたね。

本作では、いつものメンバーにさりげなく一緒にいるバラ組のチーター君が良い味を出してました。
運動能力抜群で高飛車な言動が目立つ彼ですが、風間君にも冷静なツッコミを入れられる園内でも一番の常識人な気がしました。

先生達も皆、本編以上に良い味を出して笑わせてくれます。
特に好きなシーンは、アトラクションで檻に入れられた園長先生に対し、よしなが先生がうっかり

「園長先生、よくお似合いですわ。」

というところですね、酷い言い草ですwww

あと、まつざか先生がそのグラマラスを全面に出した格好で、園内の『猿』を虜にして、冷やかされるシーンも好きでした。
ここでも、よしなが先生が

「お猿さんの電話番号聞いた?」

と、いじり倒します。
ここで

「うっかりしてて聞きそびれたわ(怒)」

と返す辺り、まつざか先生もシャレが利いてますね。
仲のよろしいことで。



本作は、(個人的に見てですが)笑いの質がシリーズ中でも高く、「笑いたいなら本作を!」と押したくなるのですが。
もう一つの魅力として、私は敵キャラの雪だるま

『ス・ノーマン・パー』

の、異質で不気味な存在感を押したいですね。

遠足の途中、園内で偶然出会う人形「トッペマ・マペット」から、ヘンダーランドの真実と、魔法のカード「スゲーナスゴイデス」を受け取るのですが、これを取り返しに来るのが、この「ス・ノーマン・パー」なのです。

見た目は、誰でも描けそうなぐらいの、まさに絵に描いたような雪だるま。
江戸っ子染みた言葉遣いと、明朗活発な応対で他者に取り入るのが非常に上手く、不審に気付いたしんちゃんを尻目にドンドンと周りの信頼を勝ち取っていき、しんちゃんに忍び寄ってきます。

そして、いざ本性を見せるとシリアスかつドスの効いた声色で、しんちゃんを脅しつけてくるのです。

これは、声を担当された古川登志夫さん(うる星やつらの諸星あたる等)の絶妙な使い分けが、凄まじいギャップを醸し出すことに成功しているのだと思いますね。
加えて、顔がシンプルで表情に乏しいのが、余計に相まって恐いのでした。


しかし、そこに現れたのが、カードの力で登場した「アクション仮面」「カンタムロボ」、そして救いのヒーロー「ぶりぶりざえもん」。
彼らが出てきたことで、妙な安堵感を憶えました。

家が壊れたり火事になるのをお構いなしに攻撃を繰り広げる2人。
そして、それを尻目に寝返る、ぶりぶりざえもん。

その目に余る行動から袋にされ、あげくヒーローである2人から

「このバカ豚……」
「脳みそあるのか……」

などと、およそヒーローらしからぬ暴言を吐かれるも、

「少し……。。。」

と返すしか出来ない、ぶりぶりざえもん。
やはり、ぶりぶりざえもんがいると笑いのクオリティが飛躍的に上がりますね。
他にも定番の、

「私は常に、強い者の味方だ。」

「救い料1億万円、ローンも可。」

こういった彼の言動や行動、そして渋さと情けなさを兼ね備えた声。

「ぶりぶりざえもん」は、私がクレヨンしんちゃんを大好きたらしめた要因だと言っても過言ではないです。
{/netabare}



【しんちゃんの成長が見える終盤】
{netabare}
終盤、これまた不気味なマリオネット人形と、両親を入れ替えられたしんちゃん。
2人を救う為一人で、埼玉から群馬のヘンダーランドに向かいます。

ここでのしんちゃんは、とても5才児とは思えない一面を見せ、最後にトラックで送ってもらったオジサンからは

「しっかりしてるねぇ…。」

と言われるほど。
いつも呆けているしんちゃんですが、実はちゃんと出来る子なんですよね。

負傷を負ったトッペマとの一連のシーンでも、それを横で見ていたひろしはこう言います。

「みさえ…、今俺達の息子が少し大人になったところだ……。」

大人になって見返すと、しんちゃんの視点から見ていた本作が、いつの間にかひろしとみさえの視点になっていて、しんちゃんの成長になんかちょっとホロッときちゃいました……。


ただ、やっぱり最後はクレヨンしんちゃん。
最終戦の、JOKERのカードを奪い合う

『野原一家VSマカオとジョマの追いかけっこ』

は、劇場版屈指の面白さでした。

特に、ひろしが投げたカードを必死に追いかけたマカオが手にしたのが、実はひろしの名刺だったとところは爆笑しちゃいました。

360度の如くグルングルン回る勢いのある作画も、非常に見映えがあり凝ってるなぁ~と思わせてくれますしね。
{/netabare}




【総評】

シナリオとしては正直、いつも以上にご都合主義が見える点は残念なところ。
魔法を使えるカードはトランプ分の枚数ありチートレベルだし、対してヘンダーランドを根城にしているマカオとジョマは城の中では魔法を使えない謎設定。
その倒し方も含めて、首を傾げてしまう点は多いです。

子供向けだからと逃げるのは簡単ですが、大人が見ても面白いと評価される初期しんちゃんシリーズなので、そこは厳しめに……。。。

しかし、見た目の強烈なマカオとジョマと、見た目とは裏腹に圧倒的な存在感を放つ「ス・ノーマン・パー」の印象値。
そして、ぶりぶりざえもんを始めとした室の高いギャグは、それを差し引いても十分に余りアリ!!


あと、雛形あきこさんが歌う「SIX COLORS BOY」という主題歌は、シリーズの中でも大好きな曲で、今でも聞いています。
実は作中でもイチイチ本人登場してますしね。
(毎回言うプロフィールのせいで、お雛が「A型の水瓶座」って覚えちゃったよwww)


あぁ…、総評と言いながら語りたいことが溢れ出ちゃいますね。
笑いのクオリティと、密かに迫る恐怖が魅力な、そんな作品がヘンダーランドです。


ではでは最後は、ヘンダーランドのCMにちなんで、

『嘘だとっ♪ 思うなら♪ ちょぃと見ておいでぇ~えぇ~えぇ♪』

読んでいただき、ありがとうございました。


次回作は、第5作「暗黒タマタマ大追跡」です。


◆一番好きなキャラクター◆
『ス・ノーマン・パー』声 - 古川登志夫さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『トッペマ・マペット』声 - 渕崎ゆり子さん



以下、低俗な駄文なので〆ます。
{netabare}
作中に登場する、これまた劇場版キャラで高い人気を誇るヒロイン、トッペマ・マペット。

愛らしい見た目と声や意外と勝ち気な面も含めて、魅力たっぷりなキャラクターです。


なにより、ゼンマイで動く人形である彼女は、動きが止まると…なんと


『ケツにゼンマイを差し込み、捻り込む』


という手法で、復活するのです。


久しぶり本作を見返した私の、新しいお気に入りのシーンとなりました。

本当にありがとうございました。


コレは……、初心者は真似しちゃいけないぜ…(*´Д`)ハァハァ
{/netabare}

投稿 : 2014/06/16
閲覧 : 1692
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21

ネタバレ

かずなみ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

今なお何度でも見れる一作ですwww

クレしん映画といえば、オトナ帝国という神作が存在するせいでどうしても他作品が陰に隠れがちですが。。。

ヘンダーランドはそんななかでも特に笑える。
そしてある種、クレしんシリーズ最強の敵が登場します。


群馬の山奥にヘンダーランドなるアミューズメント施設ができた。ふたば幼稚園の遠足で訪れたしんのすけは、その中でヘンダーランドの秘密に直結する部分を目撃してしまう。
その後、ヘンダーランドを仕切るオカマ魔女から刺客が送り込まれ・・・


この、刺客が問題なのですよ。
{netabare} ス・ノーマン・パーという、外見は雪だるまにしか見えない男?は、なんとまず手始めにふたば幼稚園の研修員として近づき、次にひろしと飲み友となって堂々と野原家に侵入。その後ひろし・みさえを始末したあと、しんのすけと一回目の対決で破れますが、帰り際にポストにヘンダーランドのチケットを残し、見事何にも知らないひろし・みさえはしんのすけがどれだけ「悪いやつに騙されている」と叫んでも「5歳の息子がいつものように変なことを言っている」と相手にせず、わざわざ敵の城であるヘンダーランドに遊びに行ってしますのです。しんのすけが5歳児にすぎないのを利用し、周りの人には普通の大人が普通に接してきてるだけに見える、恐るべき戦術だと言えます。あれをやられると、しんのすけは完全にただの5歳児扱いです。物語の主人公が全く周囲の人間に相手にされなくなるこの状況には衝撃的でした。{/netabare}
クレしんどころか、アニメ界きっての敵と言えるでしょう。

後半、オカマ魔女との対決がありますが、この内容は実に笑える。
また、その後の謎のレース?も笑えて、中だるみなしで楽しめる映画だと思います。

投稿 : 2014/05/05
閲覧 : 532
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1

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

何回観ても飽きない面白さ*

しんちゃん映画好きの私にとってヘンダーランドの冒険が
一番心に残る作品です*
オカマ魔女達の強烈なキャラ、可愛いトッペマ、
ス・ノーマンとのハチャメチャな対決。見所満載で
時間があっという間に過ぎてしまうくらい夢中になって
観れた作品です。

特にアクション仮面、カンタムロボ、ぶりぶりざえもんの
登場が笑えました(笑)塩沢さんが演じるぶりぶりざえもんを
観れる貴重な作品でもあります。
最大の見所はオカマ魔女達とのおいかけっこ笑笑
湯浅ワールド全開なシーンですね♪

ひまわりが生まれる前のしんちゃん一人で頑張る姿が
レアなんじゃないかなと思います。

投稿 : 2014/03/04
閲覧 : 266

お抹茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

笑えて、ある程度シリアスありトラウマもある作品

1996年に公開された映画です。

まず、この作品の特徴として敵に対抗するために使われるカードにより、仲間として、カンタムロボ・アクション仮面・ぶりぶりざえもんが登場します。
しかし、出るたびにぶりぶりざえもんは裏切るし、カンタムロボとアクション仮面は真面目に戦ってるのに相手にならないという(笑)
でもこのメンバーが集まるとなんか微笑ましくて見てて楽しいです。

トッペマが消滅する場面は当時子どもだった自分も子ども心にくるものがありました。

偽ひろしと偽みさえとしんのすけがお風呂に入るシーンは当時のトラウマです。

そしてなんといっても、一番の見どころは野原一家とマカオとジョマのババ抜きと追いかけっこですね。ここは大爆笑しました。

個人的にクレヨンしんちゃんの映画でトップに入るほど好きな作品です。今でも時々見たくなります。

投稿 : 2014/01/25
閲覧 : 357
サンキュー:

4

ヴァッハ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

クレヨンしんちゃんギャグの方の映画最高傑作だと思う

これは終始ギャグです。
しんちゃんにおけるギャグの良さが存分に引き出されていて面白かった。

投稿 : 2013/11/20
閲覧 : 424
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ネタバレ

小豆マメマメ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

昔、映画館で見て

みさえ ひろしが人形になってお風呂にくるシーンが軽くトラウマだった

投稿 : 2013/09/07
閲覧 : 250
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0

77k さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

名作

映画版クレヨンしんちゃん第4作目の作品

初めて観たのは僕が幼稚園の時ぐらいだったと思いますが
今観てもやっぱり昔のクレヨンしんちゃんは面白いですね

トッペマの歌やスノーマンとの戦い、ババ抜き
マカオとジョマとの追いかけっこ等w

この作品は観た後に記憶に残る場面が多いです。

笑いとシリアスとちょっとホラーな感じがうまく混ざった感じがする(^_^;)

投稿 : 2013/09/06
閲覧 : 287
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4

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

大人になっても面白い

子供の頃見たときに思った感想と、少しばかり成長して
から見た感想を比べてみるのも楽しみ方の一つです。

大人が見ても面白いとお勧めできます。
独特の笑いのテンポがよく飽きる事無く見る事ができるし
子供の立場から見るしんのすけと、成長して大人になり見る
しんのすけはどこか違く見えるのではないでしょうか。

また、野原一家の活躍、カンタムロボやアクション仮面
ブリブリざえもんなど、懐かしのキャラクターも出ています。

友人とご家族とお子さんと一緒に見るのにお勧めの作品です。

投稿 : 2013/07/29
閲覧 : 234

ひろゆう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

しんちゃんの映画では怖い方

夜中に出てくる雪だるまとか
人が変わる両親とか
いろいろ怖いね

ラスボスのあの変態ミステリアスな感じは
ラスボスにしては珍しいー

個人的に
「へんーだ、へーんだよ、へーんだぁらんどー、嘘だと、思ったら、ちょっとおぉいぃでー」
の歌が忘れられない(笑)

投稿 : 2013/06/16
閲覧 : 578
サンキュー:

1

ネタバレ

ちゃいにーず☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これでしんちゃんを好きになった!

へんだへんだーよへんだーらんどー
この曲が頭から離れなくなる楽しい映画!

投稿 : 2013/04/21
閲覧 : 341
サンキュー:

2

ネタバレ

★ほのぽん★ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.0 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

家族の絆。

前半部分では、野原一家としんちゃんの日常と
ヘンダーランドでのトッペマとの出会いを描き
後半では少しホラーを混ぜつつ
家族の絆と悪者たちとの戦いを描いています。

良かった点はテンポです。
ダレることなく、最後まで観ることができます。
加えてシナリオも、王道ですが見せ方が上手く
また子ども向けだからといった子どもだましや
手抜きは一切ありません。

ただ、悪かった点では、やはり、オカマ魔女との対決です。
ここにギャグを持ってきたのはかなり痛いと思います。
シリアスな感じで進んでいたのに
ここにだけ違和感を感じます。
ス・ノーマンパーとの戦いの時もギャグはありましたが
トッペマが停止した後にやったのはまずかったと思います。やはり雰囲気は統一すべきでした。

投稿 : 2013/03/28
閲覧 : 319
サンキュー:

2

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クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険のストーリー・あらすじ

しんのすけたちは幼稚園の春の遠足で、新しくできたテーマパーク“群馬ヘンダーランド"へ出掛けた。ふとした拍子にみんなとはぐれたしんのすけは、サーカス小屋のテントに迷い込み、そこで檻に入れられた可愛い女の子を見つける。彼女はメモリ・ミモリという異次元王国ヘンダーランドの王女で、オカマ魔女のマカオとジョマによって閉じ込められてしまったのだった。王女を助けようとしたしんのすけだったが、オカマ魔女の手下クレイ・G・マッドとチョキリーヌ・ベスタの妨害にあい、人形のトッペマ・マペットの助けを借りてその場から逃げ帰るのが精一杯だった。トッペマは魔女の魔法のトランプをしんのすけに託し、ヘンダーランドを救ってほしいと助けを求める。(アニメ映画『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1996年4月13日
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%A8%E3%83%B3%E3%81%97%E3%82%93%...

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