ちょま さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
雰囲気アニメ
キャラ重視が基本のアニメ界では珍しく比較的腰を据えてじっくり世界観、というか雰囲気を味わうタイプのアニメだったと思う。
話の構図としては幼い少年を狙う謎の集団・それと敵対する武士団・少年を守る流浪人の3勢力が交差する感じなんだけど、正直ここは面白くなかった。
主人公ポジションは明らかに少年と流浪人なのに、全体的な話は他ふたつの勢力側で展開されるため、少年と流浪人が添え物状態。無愛想とガキンチョの男の友情みたいなのを感じ取れるのに完全に話のウェイトが軽い。もっとこの二人を中心に見たかった!
2つの勢力側にもその陣営のメインとなる人物がいるのだけど、ナナシとコタロウに比べると固いというか組織の一人物感があって魅力が足りなくて残念。
こんな感じでキャラとお話のバランスがあまり良くない、という欠陥があるのだけど、これを見事にカバーしてるのが作品全体の雰囲気。どこか退廃的な日本が舞台で、鮮烈な一枚絵があるわけじゃないけど、侘び寂びのようなものを感じさせるものがあった。この侘び寂び感がむしろお話のバランスの悪さにあっていたように思う。音楽もマッチしてるのよホント。作画も文句なしの最高峰レベル。ラストバトルはマジでいい(語彙力)。
なんていうかもう、腰を据えてお茶をすすりながら見るのがベスト。
あと流浪人ナナシの声をTOKIOの長瀬さんが担当されてるのだけど、このアニメ内で言えば一番うまかったと思う。素人感がもろに出てしまうシーンもあるけど、ある意味自然体で棒っぽい話し方、8割くらいはナナシの無愛想で静かに、でもうちに何かを秘めているキャラにピッタシだった。作品全体の雰囲気にも合ってたし、スタッフロールで名前を見て「マジで!?全然わからんかった!」っていうくらい。
声優力で言えば明らかに同じく参加されてる山ちゃんや大塚さんとかそうそうたるメンバーのほうが明らかに上手いんだけど、このアニメの雰囲気でいうと声だけが存在感ありすぎて逆に浮いていた。こんなこともあるんだなぁ。
なんか疲れてるんだけどゆるふわ萌えアニメとかじゃなく静かにじっくりアニメが見たい…そんなときに是非見てほしい