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「PERFECT BLUE -パーフェクトブルー(アニメ映画)」

総合得点
78.1
感想・評価
656
棚に入れた
3054
ランキング
579
★★★★☆ 3.9 (656)
物語
4.2
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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PERFECT BLUE -パーフェクトブルーの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

AO さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

面白い

ストーリー展開が衝撃だった、怖い

作画や演技はかなり昔の作品で評価が難しいのでとりあえず星4にしましたが当時としてはハイクオリティだと思う。

投稿 : 2024/06/28
閲覧 : 38
サンキュー:

1

ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

感動。整理がつかないほど、呆けてしまうほど、

【First】
 ずっと観たかったんです。
 『千年女優』を観てから、『パプリカ』を観てから。
 リバイバル上映で観ることができました。感謝しかない。音の良い劇場で大きなスクリーンで。

【Synopsis】
 アイドルを目指して上京した主人公はメンバーの中でも人気が高くセンターをつとめていた。
 彼女の努力が実り、世間から注目されるようになると、女優としての仕事が入ってくるようになる。
 アイドルから女優への路線変更を事務所と話し合い、選択をするも・・・

【Review】
 監督は今 敏さんで原画を担当する面々は今やレジェンドともなっている人たちがクレジットされている。
 一度機会があり、今さんの絵コンテをデータで見たことがあります。
 背景の書き込みがラフ原画並みで鳥肌が立つ。本当に天才ってやつはいるんだと感じた瞬間でした。そのままトーン貼れば漫画になるレベル。

 さて、今回のレビューのタイトルの通りですが、整理がついてません。ぶっちゃけ言語化するなんて無理なんじゃないかって思っている次第ですが、気になった点や自分なりに考えた事を書きなぐっていこうかと思います。

 テーマには社会派といっても良い、ストーカーって奴ですかね。ちゃんとおためごかしなしで気持ち悪く描いていて好印象。
 そして、テーゼは虚構と現実。ともすれば、作家の筒井康隆的なメタを感じさせる仕組みが映像の中あったように思う。
 古い作品ですがネタバレは無いほうが楽しめると思いますので、基本的には無しで頑張りたいと思います。


 劇場を出たあとで、歩道を歩いていた私は、落涙していた。
 レビュータイトルにあるように整理がついていない、呆けてしまうだけで、なんの涙なんだ? 今さんの新作が一切作られる事がないことへの絶望か、物語に圧倒されたのか、作画に、演技に、演出に圧倒されたのか。
 きっとどれもだ。少しずつなのか、まとめて全てなのかは分からない。整理できないからだ。
 ただ、いくつかの事柄があたまの中にある。それを羅列していこう。

●アイドルという像
 アイドルは踊るが、ガムシャラには走らない。後ろに手を組んで跳ぶんだ。
 これは、当時のアイドル像がそうであった。アイドルはウンコをしないなんて冗談が思い込みの力により、信じられるように(もはや宗教に近い)。
 アイドルに興味はないんだけれど、現代のアイドル像との違いを意識させられてしまった。
 現在のアイドルはガムシャラだし、大口を開けて笑いもする。もちろんウンコすることは当たり前。
 これを今更ながら感じたわけだけれど、虚像が現実に近づいてきたのか、現実がメタバース的に拡張された結果そうであって欲しいという願望が新しいプラットフォームへ移行したのかどちらだろうかと考えさせられる。
 無知な私は現在のアイドル像がもしかしたら次のステージに進んでいて気づけていないだけなのかもしれないが、そう浮かんでくるのだった。
 分かりやすいメタバースはネット上に拡がっていて安心なのだが、こっちの方は少し恐怖を覚える。そういう意味では、今作品はSFの香りがして私に刺さった理由のひとつなのかもしれない。

●背景はどこから?
 この場合の背景は人物のバックグラウンドという意味ではなく、背景美術の背景です。
 作品が制作された当時はセル画の時代だっただろう。現代のデジタル作画との違いは色味だったり柔らかさだったりすると思うのですが、その結果として背景とセルの違いが上手くいってないと浮いてしまっていたりして、作り物感(実体感の反対語として)が出てしまう。

 前述したテーゼに戻ると、虚構と現実じゃないかなーっていう感じですが、背景とセルの境目を曖昧にする演出によって作品内で逆に実体感を出すことに成功しているように思える。
 どういう方法をしているのかに言及しなければ、っていうのがレビューを書く上での誠実さかなと思うので書いておきます。間違えている可能性もありますが…って予防線張っちゃう辺りはダサダサ。

・方法とはすっごい単純ですが背景として必要なものを減らすこと。
 主人公の部屋の中を例に挙げると(どこまで正確に思い出せるか…)タンスやテレビ、ぬいぐるみ、小物類をセルで描いてるっぽい。背景は後ろの壁や窓だけ。みたいな。
 これはコントロールするのがめちゃ難しいと思う。描く人によって空間把握が違う可能性があるし、カメラにによっても変化するからだ。
 何でこんなことが可能なのかについてはさらに話を戻して、絵コンテの話になる。
 どうして可能なのか、その答えは今監督本人が完璧にコントロールしているように思えるからだ。
 たとえば、原画さんにカットを発注する際に「ここに小物があります。設定の通りにお願いします」コンテ上で後ろが真っ白になっていて、キャラだけのコンテっていのはかなり難題でしょう。これはセルなのでこれくらいの大きさでみたいな具体性が必要なるんじゃないかな。
 このときに原画(動画?)を担当していた磯光雄さんもこの影響を受けてコントロールしてるんじゃないかなって感じる作品もある。
 もしかしたら業界内では当たり前の演出であるもののできるかどうかは力量次第なのかもしれない。
 3Dレイアウトからの原画だったとしてもこの手法は関係ない。どこをセルにして、どこを背景にするのかの選択だからだ。
 この取捨選択はアニメーターの負担との相談になるんだろうけど、作品内でここまで影響を感じるなんてと個人的には驚いた。
 映像の中のレイヤーを増やす(今も増やす傾向)のをこの当時から当時の技術で成し遂げている点でめちゃくちゃ作画を評価するしかない。

【あとに】
 作品には胸糞展開があり、視聴する際には注意が必要ではあるけれど、観ないと損をしていると感じるレベルですごいです。
 もう、Blu-ray買うよ。

 作品とは関係ないのですが、SNSにおいて手抜き作画がーっていうのを聞いた。
 『セリフがあるキャラなのに顔がかかれていない』ってやつね。
 うん、確かに手抜きなんですよ。
 でも顔を描かないのがではなくて、どんな場面かすでに見せているんだからカットを変えるか、もしくはスライドしたりという工夫もできたのでは・・・って話をしたいんだと思う。
 でもそれをちゃんと書かないからいけないんであって誤解を与えかねない事を理解しておいた方が健全だろう。
 こういったレヴューっていうのは簡単じゃないなって思います。
 なので、個人の感想です。間違えもあるよって事を再度書いておこう(ダサダサ)。

 ふぅ少し書いたことで整理できたかもしれないけれど、ヒッチコックの『めまい』よろしくめまいを感じる稀有な作品でした。
 近郊でリバイバル上映があった際には是非劇場で。

 それでは、よしなに。

投稿 : 2023/12/05
閲覧 : 118
サンキュー:

6

ネタバレ

ShouyouACL さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

PERFECTLY DRIVED

Perfect Blue:

A film about how projections can change the way a person sees himself, for better or for worse. About what you become when you're asked what you are, and how disoriented that can make you.

The story follows Mima, a pop idol who finds herself changing her life to something totally different than what she was used to. And, with this exchange, problems are caused around them, problems that generate frustrations for secondary characters, such frustrations that end up becoming the main theme of the film. The agent and the stalker are characters who created a perception of the protagonist and forced her to see this vision of herself, however, these visions disturb her so much that they end up breaking what would be reality. Would reality be what people see of me, or what I see of myself. What if the lies people tell were so widespread that they became the truth, to the point where I would become confused in my purpose and goals.
The film addresses this idea of projections very well, since we ourselves, viewers, create projections about the characters, they are wrong, however, for us, it is true. The cat's jump is in the idea that the protagonist is in such a disturbed mental state that she can no longer locate herself in the world, she doesn't know if the life she lives is real, she doesn't know if she is being true to herself and ends up breaking mentally. These approaches are perfectly projected into the film, with a script that is purposefully confusing and open to interpretation, a masterclass in narrative coordination and character creation, an absolute classic.

投稿 : 2023/01/10
閲覧 : 120
サンキュー:

4

ネタバレ

publica さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

今敏

投稿 : 2022/02/17
閲覧 : 159
サンキュー:

1

ネタバレ

にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

大人の人向けのミステリー映画だと思う。。けど卒業のおはなしかも

あらすじはあにこれのを見てね☆

ある人が書いたレビューを読んで
気になって見てみたんだけど。。
(よく分からないところとかあって80分だから2回見た)

この前に見たのが
ちょっとほんとにありそうなアイドルたちのおはなしで
なんだかつづき見てるみたいでフシギな感じがした。。

アイドルって自分がヤダって思っても
お仕事だからまわりの人にめいわくかけちゃうとか思って
やりたくないことでもやらなくっちゃいけなくって
たいへんだなぁって思った

でも
学校だって卒業ってあるから
アイドルだってやっぱり卒業しなくっちゃいけないのかな?

レイプシーンのときに未麻が泣いて
マネージャーさんもいっしょに泣いてて
あぁ。。卒業しちゃうってかなしいなぁって
(そうゆうおはなしじゃないんだけど。。)

それで
あらすじに幻影見るってあったけど

にゃんも見てて
どこまでほんとでどこから夢かって
だんだん分からなくなっちゃって
出てるドラマもごちゃごちゃになってきて

ときどき
わっ!ってなっちゃう
ホラー映画みたいだったり

ミステリーなのかな?
それともぜんぶ幻影なのかな?って
それともぜんぶドラマ?
それも分からなくなっちゃって
ちょっと頭がふらふらして気もちが悪くなっちゃった。。

昔のアニメみたいだけど
絵が写真みたいできれい
でも
ふつうの人の顔とかってわざと気もち悪くかいてるみたいで
それはいやだなぁって思った

終わりのほうは
すごくこわくってドキドキしちゃったけど
さいごのほうはドキドキが急に感動して泣いちゃった。。

未麻もアイドルのままでいたいって思ってたけど
あの人ってきっと
未麻が思ってるのよりずっと
アイドルの未麻がやめてほしくないって思ってたんだよね。。

さいご未麻が
{netabare}「わたしは本物だよ」って言って
それってちゃんとアイドル卒業したってゆうことかな。。
EDの歌詞でも卒業って言ってたから{/netabare}
きっとそうゆうおはなしだったんじゃないかな。。

投稿 : 2021/09/07
閲覧 : 1173
サンキュー:

116

ネタバレ

Bハウス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ラジオドラマ版は怖かったこちらはポカンとした

その昔ニッポン放送でもアニラジのワイド番組があった
本作はその前段階としてラジオドラマを先行放送
劇中劇「ダブルバインド」がモチーフになった

得体のしれない恐怖を上手く音で表現していたので
本番となる劇場版に期待していたのだが

物語としては両方共通
元アイドルで現在は女優をしている主人公

女優としての仕事でヌードやレイプシーンがあったため
アイドル時代のファンから失望を受ける

事務所の方針で転向した事もあって
主人公自身も段々と今の仕事に疑問を感じ始めていた

すると主人公の名前が付けられたHPが立ち上げられ
そこには誰かが成りすまして書かれた日記が更新されている

自分ではない自分に振り回され
主人公はどんどんと精神的に追い詰められていく

ストーカーによる被害が増加した世相が背景があるので
この作品もサスペンス要素として
ストーカーが現れ主人公を襲う

自力で回避した主人公の前に現れたのは
アイドル時代の主人公の衣装を着た
担当の女性マネージャーだった

事件の黒幕がそのマネージャーで
ここからしばらく主人公との追いかけっこが
展開されるのだが

マネージャーの体系がぽっちゃりで
主人公のサイズと違うのによく破れないなと
変な感心する位滑稽で

急にホラーテーストの緊張感がなくなるから
劇場でこれ見たいと思っていないんだがと思っていた

マネージャーも元アイドルで
主人公に思いを重ねていたことから
女優としてアイドルのイメージを傷つけた事に
憎悪しやがて自分自身が主人公に同化してしまっていた

サイコサスペンスとしては古典的でよくある話だけど
それでもマネージャーの体系がなぁ~(T_T)

エロマンガだが「パレードパレード」の方が
同じ設定でも良くできた物語だった

投稿 : 2021/08/24
閲覧 : 193
サンキュー:

3

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

サイコスリラー。

【概要】

アニメーション制作:マッドハウス
カナダでは1997年7月、日本では1998年2月28日に公開された劇場アニメ。
原作は、竹内義和による小説の『パーフェクト・ブルー 完全変態』
監督は、今敏。

【あらすじ】

主人公である霧越未麻は、トリオのアイドルグループ「CHAM」で2年間活動していたが、
ドラマにちょい役で出演するようになり、連ドラのレギュラーを打診されたのをチャンスにと、
アイドルのままだと頭打ちだと考えた事務所の社長・田所の方針に流されるがままに、
アイドルグループを脱退・卒業しての女優への転身をステージで発表。
そのことで、【裏切り者】と脅迫のFAXが未麻の自宅に届く。

女優業に専念の未麻であったが、アイドルのイメージが強すぎて使いづらく、
当初は台詞が一言だけだったり数カットの出番のみの端役。
歌をアイドルを辞めてまで、こんなので良いのか?とマネージャーのルミは不満を顕にする。
事務所の社長・田所の営業により、未麻のアイドルのイメージから脱皮を企図した路線を模索。
そんなときに、未麻宛に送られてきた手紙が爆発して、
開封しようとした社長が手に怪我を負う事件が起きる。

一方で、何者かが自分になりすまして「未麻の部屋」というホームページを運営していることを、
ファンレターで知った未麻は、パソコンを購入してルミに設定をしてもらい、
いざそのページを見てみると、詳細に未麻を調べているなりきりどころか、
未麻本人しか知り得ない日常生活がつぶさに書かれていることに、
自分は監視されているのではないか?との恐怖を未麻は感じる。

未麻は女優としての活動が上手く行ってないことや、
自分が抜けてデュオになった「CHAM」の人気があがってきたことで、
現実とは逆にアイドルを続けている自分の妄想に一瞬囚われたりする。

ドラマの中で暴行される性的に過激なシーンを演じたことで注目を浴びて、
女優業が軌道に乗って人気が出始めた未麻。

だが、これは本当に自分がやりたかったこと違う!と、
未麻は強いストレスを感じて、アイドル時代の自分の幻覚を見るようになる。

取材のカメラの前ではアレは仕事だと割り切った女優を演じる未麻。
だが、未麻の前にアイドル未麻の幻覚が現れて、
本当は今でもアイドルに戻りたいと思ってるけど汚れちゃった!と未麻をからかう。
そんな幻覚を必死に否定する未麻ではあったが、どちらが本当の未麻の心なのだろうか?

そんな折に、未麻の過激なシーンを書いたドラマの脚本家の渋谷貴雄を始めとして、
続いて、未麻のヘアヌード写真を撮影したカメラマンの村野など、
アイドル時代の未麻のイメージを壊す仕事をした業界人が殺される事件が続発するのだった。

【感想】

『新世紀エヴァンゲリオン』『機動戦艦ナデシコ』らより後に制作されたのに、
絵柄のせいか、発表年代より古臭く感じられる作品。

このアニメの製作者であり、2010年に46歳で亡くなった今敏監督といえば漫画家出身であり、
大友克洋氏のアシスタントを経てからアニメ業界に入っただけあって画力が堪能。
そのまま絵として商品になりそうなぐらい背景にいたるまでコンテをびっちり描き込むのは、
完璧主義者なのかな? アニメーター視点では、指示がはっきりしていて仕事しやすいのか、
ここまで描かなくて良いんじゃない?と思ったのか、ちょっと聞いてみたいですね。

今敏作品では、監督は漫画家先生でスタッフはアシスタントみたいな関係かな?
で、アニメ作品を数多くの才能の競作の結果として見るよりも、
監督のクリエイターとしての我や個性の強さを尊ぶ類のアニメファンからは、
宮崎駿や押井守と並んで評価されているアニメ演出家の一人であると思います。

氏のこだわりの一つである背景のリアリティは、20世紀末の時代感を醸し出していますね。
ですが、未麻の私室のテレビやデスクトップパソコンのモニターのノートパソコンみたいな、
そのサイズに、え?当時ここまでブラウン管ディスプレイは小さかったっけ?
と今の液晶モニターに慣れてると、記憶を掘り返してみたくなりますね。

さて、90年代後半当時は現実では安室奈美恵、深田恭子、広末涼子らが大人気だった時代。
アーティストであったり、女優業がメインの人気タレントであった彼女らと比べると、
アニメとはいえ、アイドルとしての未麻は昭和を引きずってて古臭い。
岩男潤子さんのアイドル喋りもぶりぶりして気持ち悪いなと思ったり。

アナクロ過ぎるアイドル像の未麻に、これがリアリティ?と思ったりもしたのですが、
創作の物語の世界では、例えば戦国時代ドラマでは、
作品ごとに石田三成が良い人だったり悪役だったり毀誉褒貶が激しいように、
作品で表現したいシナリオやテーマに沿って人間の描き方が変化するものです。

今敏作品を数本観たところでは、監督の描きたい世界観がそうなのか、

『古くさいというより、古びた価値観にいまだに憬れているのかもしれないが。』

と本人の言葉にあるとおりに、『千年女優』で古き良き昭和を情緒的に描くいっぽうで、
平成の時代の人間模様を、性別や年齢に関わりなく薄暗く描く傾向が強いですね。

このアニメにしても、もともと芸能界に対して含むところが監督にあるために、
ウケ狙いで低俗に走りタレントを消費する安直なTV業界であると批判気味に描いており、
まともな神経ではついていけない場所。アイドルとて生々しいただの人間であって、
少なくとも「CHAM」はファンが憧れる可愛くて眩しい特別な存在でもないですし、
だからこそステージの上でも客を魅了するカリスマ性のかけらもなく、
ぱっとしないあまり売れてない時代遅れの凡庸なアイドルの未麻が、
話題作りで注目を集めて事件を経て大人の女優に脱皮する。
そんなコンセプトでキャラが作られていますね。
だから、岩男潤子さんの演技は最初は過剰なまでにぶりっ子気味ながらも、
女優になるにつれて、サスペンスシーンなどで甘さが抜けた演じ分けがされています。

アイドルのファンも、先鋭化した一部の厄介衆でなくても冴えないオタク衆って感じで、
アイドルオタクが、90年代タッチの眼球が異様に大きい萌え絵のアニメポスターが貼られた、
オタクショップに入ってアイドルを上から目線でDisったりしながら駄弁っているシーンなど、
美少女アニメやオタク文化に対してのネガティブさに溢れていますね。
同氏の他の作品を見ても、萌え文化に対する抵抗感が表れていて、
そこらあたりは、漫画『編集王』の原作者の土田世紀氏に感性が似ていますね。

実際のところ一部のオタクは作品で描かれているとおりであって、
アニメが対象の場合はtwitterではあまり見かけませんが、
売れていようが売れていまいが自分の思い通りのものと違うだけで正論と自称して、
ク○扱いしてネットの掲示板で叩きに熱中するマニアのたちの悪さと似たりよったりで、
この手の連中のネガティブな支配欲をよく見ているなと感じました。

自称アイドルファンも決してアイドルの味方ではなくて、
自分が満足するためにアイドルを応援してお金を払って消費していく存在。
だからこそイベントに来るファンの期待を裏切ってアイドルを卒業した未麻と、
アイドル未麻を見られないことに落胆して辛口になる元ファンの意識のズレが何度も描かれている。

この作品内での事情では、ファンや周囲の業界人の感情の押し付け、理想と現実のギャップで、
アイドルでなくなった未麻の葛藤の材料になっている…といったふうに、
と、すべての配役やシナリオを計算して作ってる、
汚しなどにこだわったジオラママニアみたいな凝り性な監督に思いますね。

それが美学なのか、他の作品を見てもキャラの造形はまず否定から入る。
それは歯の形であったり、目つきであったりの歪さで、人柄が外面に表れる。
しょーもない人たちであることを前提に、この作品では不気味さを、
コメディである別作品ではユーモラスであるなどと、役割をトッピングする形。

ですので、個人的にはキャラに興味持ったり好きになることも無いのが常ですね。

未来に可能性を夢見て生きる若者に『人生は甘っちょろくない』と、
冷水をぶっかけるみたいなのが今敏氏の作風。人間はきれいな存在でもない。
何年も付き合いのある仲間らでも情誼が厚くなかったりで、馴れ合いも自己満足。
また、重すぎる感情は押し付けや足かせにしかならない。
自他の区別をつけて、人間は程々が一番に見えたりもする世界。

生きていくのに仕事や生活に必死な者は、
泥と汗にまみれて辛酸を嘗めてその日その日を凌いでいる。
弱さ故に道を踏み外し、容易にクズとして転がり落ちる。
ホームレスなどを数々の作品で好んで登場人物に用いもする。
かと言って成功してる人たちも、まっとうな人種でないケースが多い。
といったおじさん目線の世界観で人間模様を蟻の行列のように観察する。

そんな世界でささやかな幸運を掴んだり苦労や危険を乗り越えようともがくという物語で、
うまく行かないことが本当に多いというオチ。目指しているのはヒューマンドラマですよね。

それがサイコサスペンスである当作品であれ、
人情物である『東京ゴッドファーザーズ』であれ、
そういう人間模様を泥も汚れも楽しむ娯楽作品として頷ける人には、
面白いものであるかもしれませんね。

この『パーフェクトブルー』では、業界の汚れや歪んだ愛情や執着心にさらされて、
どんどんヒロインの未麻が精神的に追い詰められておかしくなって、
「現実と虚構の曖昧さ」や「理想と現実のギャップ」で、
本人の認識する世界が、どこまで現実でどこからが幻覚なのか区別がつかなくなる、
と異常な状態を表現した映像世界に視聴者がどっぷり浸って楽しめるかが全てでしょう。

連続殺人事件の真犯人が誰なのか?などの予備知識無しで視聴した場合のみ、
計算されたシナリオと演出が、出口のない迷路であるかのように、
映像の緊迫感に引き込まれて楽しめるかもしれませんね。

監督のリアリズムゆえにこだわりに溢れた作品ですが、
あくまでも人間の心がもたらす狂気を楽しむエンターテイメントであって、
この作品はドキュメンタリーではありませんね。

だって、真犯人の動機とか奇行とか常軌を逸していてリアルじゃないですから。
フィクションはフィクションとして、クリエイターの作りたい世界が、
どのように表現されているか?千差万別でこれはこれで面白いとは思いますけどね。

そこらも含めて人間のブラックな部分やホラーさをB級娯楽として理解した上で、
観てる人は楽しめたら良いなと思いました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2021/01/06
閲覧 : 323
サンキュー:

32

ネタバレ

mkt03 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

極上のサスペンススリラー!

内容は、とある女性アイドルが女優に転身し、理想と現実とのギャップに
苦悩していく中で、異常なストーカー被害や連続殺人事件に巻き込まれる
というもの。主人公は徐々に精神を狂わせていき、幻さえも見るように
なってしまいます。

とにかく怖かったです…。
ストーリーや演出は当然のことながら、
出てくる人物が皆どこか不気味で得体の知れない感じを出しています。
なので、普通の日常的なシーンですら怖く感じてましたね。

サスペンス部分も素晴らしく、犯人はいかにも怪しいストーカーなのか、
それとも精神を狂わせた主人公自身なのかといったところで、
真犯人は親身に支えてくれていたはずの女性マネージャーでした。

この女性マネージャーがまた怖かったですね…。
終盤の追いかけてくるシーンはもう完全にホラーでした。
このマネージャーは元アイドルで現在は普通のおばさんという感じです。
それで、最初主人公には、追いかけてくるマネージャーがアイドル時代の
自分に見えてるんですよね。でも、鏡とかにちらっと映る姿は、
その普通のおばさんがアイドルの格好をしているというもので、
この現実と虚構の入り混じったチェイスシーンにはゾクゾクしました。

そして、印象的なのがラストシーン。マネージャーは精神病院に入り、
見舞いから帰る主人公が車のミラー越しに一言「私は本物だよ」と言って
作品は終わります。
ここはいろんな解釈があると思うんですが、
私は監督の言葉なのかなと思いました。
というのも、ここの主人公はこれまでとガラリと印象が変わっており、
例の台詞をいたずらっぽく言うところなど凄く違和感があるんですよね。
なのでこの台詞は、主人公本人であるというストレートな意味と同時に、
疑心暗鬼になっている観客に対して「これでようやく物語は終わりです。
どう?怖かったでしょ?」なんていう監督の悪戯心に溢れたメッセージが
込められているんじゃないかなと思いました。

ということで、まだまだ暑いこの時期にぴったりの作品だと思います!

投稿 : 2019/03/23
閲覧 : 463
サンキュー:

20

ネタバレ

シルメリア さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

「本格サイコホラーサスペンスアニメ」

また、凄い作品に出逢ってしまった…。∑(OωO; )
正直、キャラデザが好みじゃ無い場合は
あまり手に取ることはしない主義なのですが
。あらすじ、見て面白そうと感じて視聴開始しました。
現実と非現実の境界がわからなくなる演出で
誰が犯人なの?と引き込まれますね。
たぶん、あの人(主人公含む)なんじゃ無いかなぁとミスリードの仕方が巧みで視聴者を惑わします。B級アイドルが、アイドルを卒業して
女優1本でやっていく事を事務所の方針で
展開が進行。
新人女優としてやっていくわけですが
未麻が、やっているドラマと現実で起きる事件とのリンク性も相俟って混乱します。
自身が殺人をやっているのか?
ファンが殺人をやっているのか?
いわゆる、二重人格者の疑いも出て来たり、
ドラマもそういう内容なので凄まじいですね。
「未麻の部屋」という自身がやっていないHPの存在、自身しか知り得ない事の書き込みの日々。
やりたくないレイプシーンの撮影、
ヌードグラビアの関係者が殺されていきます。
日本ではR15指定みたいで
世界だと18禁になっているみたいです。
「Another」とか好きな方はハマるかも知れません。過激な描写が結構多いので不快になる方も出ると思う。なので、耐性が低い方には
お薦めは出来ません。
ネット社会初期とストーカーという
事件が世間を賑わせていた頃の作品です。

投稿 : 2018/02/18
閲覧 : 382
サンキュー:

9

ネタバレ

春原最高! さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

一回見ただけではよくわかりませんでした

私は私よ。

それはいいとして、結局、各事件の殺人犯って誰だったのか。事件が複数あって、さらに主人公の精神が不安定な状態での主観からしか物語が見えないので、一回見ただけでは流石に頭がついていかなかった。

この頃の作品はこういった抽象的演出が流行ってたのだろうか?エヴァなりレインなり、自分がこの頃の作品を見るとこういった謎作品に出会うことが多いのは偶然か?
ただ自分は、こういった雰囲気で謎が残る作品は見返すたびに味が出るから好きな部類であるし、今作もかなり楽しめた。というより、これからも楽しめそうだ。

物語はまだ一回見ただけでよく理解できていないため、そこまでの高評価はできないが、作画、曲がとても自分の好みだった。

特に作画面において、裸体シーンが割とあるが、現代の媚び媚びしてツルツルな作画ではなく、立体的かつ質感はそのままの素朴な肌艶で、色気があるというよりか美しい。現代の作品ではあまり見られない良さがある。
それでいて体の動かし方がリアルで、この時代の作品としては滑らかな方だと思う。

あにこれで中々の高評価を得ているのも納得な作品。
最近のアニメを見飽きた人にはいい刺激になるはず。

投稿 : 2018/01/28
閲覧 : 319
サンキュー:

4

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

完全な青

青色は、好きだね。
空や海。



他にある意味は、憂鬱。
ルールにとらわれる、自分をおざなりにする…。
くそ真面目。
あー…。

主人公もこんな感じっぽい。

普通の女優さんが脱ぐ仕事って物凄い覚悟なんだよなって、改めて…有り難や( ̄^ ̄)ゞ

最後の

私は本物だよ。

が、元気で良かった。


話は、ミステリーであっと言う間に終わるぐらい面白かった。
理解可能な話。

投稿 : 2017/02/28
閲覧 : 264
ネタバレ

アヤコ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

今敏監督にまんまと踊らされた!

もし、今からパーフェクトブルーを見る方に言っておこう。
この恐ろしく出来の良い素晴らしいサイコホラー作品は、今敏監督の初監督作品という事を…!

(私は今敏監督の新参ファンであり、パプリカ、千年女優、妄想代理人を視聴済みである。)


◉あなた…だれなの?◉

まず大まかなあらすじ説明だけをしようと思う。(ウィキ見た方が早いけどね)

主人公の未麻(ミマ)は、ちょっとオタク達に人気なアイドル。
全国的には有名ではないが、ミマリンと呼ばれ人気を博していた。
ミマはあるコンサートで女優になる為に、所属するアイドルグループを脱退する事になる。
実は、ミマはアイドルに窮屈さを感じていた為でもあった。
ある日、ミマはパソコンに《未麻の部屋》という名の身に覚えのないブログを発見する。
そのブログは誰かがミマの振りをしているだけだと思いきや、ミマ本人でなければ知らないような非常に個人的なものまで書かれていた…。
そして、ミマを中心に負傷事件や殺人事件が起こり始める…。

というもの。
なんと、アニメ初のサイコキラーものらしい。

20年前のアニメの為、絵柄やアイドルが古いのは仕方がないが何気に曲は名作揃い。
カラオケに無いのが残念である。

ストーリーについて。

伏線の回収やどんでん返しがとてもおもしろく、視聴者に背中をぞくっとさせる演出が上手い。

これからどうなるのか、犯人は何がしたいのかなどを考えていくとより一層パーフェクトブルーを楽しめること請け合いであろう。

◉パーフェクトブルーを見てない人はネタバレを見るのを死んでも、避けよう!◉

現実と劇中劇とミマの幻覚やら、妄想の区別がつかない時は、少々混乱するがちゃんと区別をつけるヒントが散りばめられている。

現実と妄想?を見極められた時ほどスッキリするものは無かった。

序盤のシーンで未麻の部屋を見た後、ミマは不安になって家のカーテンを開けて窓の外を見る。
もちろん、ストーカーがいるんじゃないかという疑惑の為であろう。

この時の窓の外の景色を、視聴者に擦り込ませるよう、より印象的に不安にさせてくる監督は罪深い!!!

アイドルをやめてスッキリしたミマが、自分のアイドルグループのポスターを剥がすシーン。

いつのまにか死んでしまった可愛がっていたペットの魚達。

しっかり目に焼き付けて覚えておこう!

次は、冒頭のシーンから登場している主要人物、Me-mania さんについて。
(本名はウィキにのってたけど、忘れちゃった)

ミマのマニアのMe-maniaさん。
彼は背も高く顔はハッキリ言って、宇宙人のような気味悪さ。

彼の薄暗い部屋にはミマリンのポスターがぎっしり…。
彼の世界はミマリンを中心に回っていた。

ここで興味深かったのは{netabare} ~ ミーマニアさんとルミちゃんの犯行の違いを見極める事。

作中では気の毒な事に数え切れないほど、ミマの周りで事件が起きる。

その事件の全てがミーマニアか、ルミちゃんのどちらかがそれぞれ行った事件。

恐らく、ルミちゃんは元アイドルの熱意をミマに自己投影して、いわゆるステージママの病んじゃったバージョンなんだろう。

最終的にはミマリンそのものになりきろうとするほどに。

そのため、ミマを穢す者たちをそんな目でミマを見ないでという事でアイスピックで滅多刺しという方法で人々を殺害していく。

恐らくこの殺人方法でゆけば、脚本家とカメラマン、ミーマニア、田所さんはルミちゃんが殺害したのだろう。

ミーマニアは、典型的なストーカーなので裏切り者がぎっしり印刷されたメッセージ、田所さんが間違って開けた爆発する手紙、ミマリンに缶を投げつけた男をひき逃げ、最後のミマを襲うところ。

ミーマニアがした犯罪行為は以上であろう。

ルミちゃんが黒幕だとは、気づかなかった。
鏡に映るはみ出た肉を物ともせず、かわいいアイドル衣装に身を包んだルミちゃん…

そして《♫恋はドッキドッキするけど、愛はらぁぶらぁぶするからァ〜♫…ね?完璧でしょう?》
ここで、ドン引き必須!

確かに汚されたミマに泣いたシーンは悲しいんだなと共感さえ出来たが、まさかこんな事までするほど病んでしまったとは思わなかった。

普段のルミちゃんのあまりにもしっかりしたマネージャーぶりが余計に混乱させた。

{/netabare}

大事な事柄なのだが、この作品はR–15。
海外では18禁。

それもそのはず、がっつりヌードや女性の襲われるシーンがあります。
殺害シーンは痛々しく、恐ろしいです。

その手のものが苦手な方はブラウザバックを推奨。

監督も襲われるシーンはやり過ぎたと反省する程、生々しいです。
死んでもまだマッサラな子供には見せないで下さい。
トラウマ必須ですから。

悲しいのは、ミマが素のミマでも普通に可愛らしい純粋な女の子という事。

下品な事を言う元メンバーとは違って、素直で頑張り屋で好感が持てる性格。
それだけに、ミマがアイドルと女優の狭間で衰弱していく様はなかなか辛いものがありました。

BGMは多くはなく、アイドルらしい曲なども使われますがその多くは目立ちはしません。
しかし上記で述べた通りかなりの名曲揃いですので。

私は今のところ、今敏監督の中で1番総合的にスキな作品です。

リアルと幻覚の違い、話のどんでん返し、ドキッとする巧みな演出、伏線の見事なまでの回収。

何をとっても初監督作品とは思えない程の完成度でした。

オススメです。

投稿 : 2016/09/26
閲覧 : 306
サンキュー:

7

ネタバレ

赤坂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

アイドル物でホラーでサイコスリラー?

極限に写実的な作画/人物描写、そして全体的に暗く不快感を煽る雰囲気で好みが分かれる作品だが、リアリティを突き詰めるアニメを好む人間なら外せない一本。ストーリーも複雑怪奇で、ネタバレせずに説明するのは非常に難しい。
アイドルユニットを抜け、ソロでデビューする不安や、ストーカーからの被害に悩む主人公が徐々に追い詰められ、現実と妄想の境が曖昧になっていく終盤部分、そしてそれまでの雰囲気を断ち切らんばかりの爽快なエンディングはなかなか消えない後味を残す。

投稿 : 2016/02/15
閲覧 : 256
サンキュー:

3

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

いやーおもしろかった、本当に。

投稿 : 2016/02/15
閲覧 : 183
ネタバレ

Crysiss さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

とにかく気持ち悪い

気持ち悪いっていろいろあると思うけど
この作品は得体のしれない気持ち悪さに満ちている

{netabare}
最初はME-MANIAの見た目の気持ち悪さから始まり
敢えて一言も喋らせないことで何を考えているのかわからない
徐々に得体のしれない気持ち悪さへとシフトしていった。

見ている側はストーリーを理解する為に、意識的にしろ無意識的にしろ
主人公ミマの現実を追いかけると思いますが
作中でミマが出演しているドラマのセリフとミマの現状とが
上手くリンクしていて現実とドラマの境界が曖昧になり
ジャーキングに近いような不安を感じずにはいられません。
{netabare}
そんな不安と気持ち悪さを湛えたまま、物語は終盤へと向かうのですが
主人公ミマにとって一番身近で信頼できる人が真犯人だったことで
作中の登場人物が誰も信用できなくなるような感覚に陥り
全てが解決してからラストにミマが言う
「私は本物だよ」の一言も意味深に聞こえてしまいました。
本当はすべてミマが仕組んでやったことじゃないのかと
疑ってしまうほどに。
{/netabare}
{/netabare}

全体を通して得体のしれない気持ち悪さと
不安を駆りたてる演出が散りばめられているので
ホラーとして楽しむのならお勧めの作品だと思います。

投稿 : 2015/08/29
閲覧 : 737
サンキュー:

5

ネタバレ

あじかん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

本当の自分

とても今敏監督らしい作品。

人は日々、成長、退化を繰り返して変化している。
そんな中で自分らしさをどう保っているのか。改めて考えてみると難しいことなのかもしれない。

自分の短所やコンプレックスを拒絶してしまった瞬間に、「自分であって自分じゃない」。もう一人の自分ができて、本編のようにゲシュタルト崩壊を起こしてしまう。

そうならないためにも、逃げずに自分の嫌な所とも向き合っていかなければならないと思う。
この作品をきっかけに自分自身を見直せて良かった。

投稿 : 2015/07/22
閲覧 : 280
サンキュー:

2

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

可もなく不可もなく

とりあえず
最後まで見ました

投稿 : 2015/05/04
閲覧 : 242
ネタバレ

くかす さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

感想

アイドルを辞めて女優になった女性の話
簡単なあらすじはそれなんだけれども、この作品は見ないとわからない不気味な怖さがある
ある人を殺したと思ったら夢、真相が分かったと思ったら映画の話、などどれが現実かがわからなくなるようなかんじで場面が途切れ、今度はどんな展開があるかとドキドキしてしまう
ラストもゾクっとするような不気味な終わり方でした
かなり面白かったけれど不気味なので視聴注意です

投稿 : 2014/09/21
閲覧 : 247
サンキュー:

8

ネタバレ

HG anime さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

これが社会の裏か・・・

主人公未麻をめぐる殺人事件の物語。未麻は物語序盤はアイドルをしていて、中盤から女優に転身し、年齢や心境に応じた立場を模索する。女優に転身した後、名を上げるために内心は拒絶しているレイプシーンをすることとなる。そのレイプシーンは正直ゾッとした。あのシーンはドラマの撮影のワンシーンで本当にレイプされるわけではないとされていたが、未麻にとっては本当にレイプされたかのような喪失感があっただろうし、すごく現実味がある話なので私は男として気が滅入ってしまった。作画と声優さんの演技には感服です・・・
その後のペットであるテトラが死んでしまうシーンで慟哭した未麻の心中では、テトラの死からアイドルとしての自分の死を連想していたと思う。

未麻の周りに被害者が出始め、脚本家の渋谷が殺された時点では、左目を前髪で隠しているストーカーが犯人なのかなと思っていた。
宅配ピザを届けに来た未麻がカメラマンの村野を刺殺するシーンまで観た時点では、未麻が多重人格のサイコパスで、それまでの被害者を殺した張本人だろうと思った。
しかし終盤に予想外の展開が待っていた。
未麻のマネージャーのルミが一連の事件の真犯人だった。ルミはマネージャーであると同時に、あのストーカーにも勝るようなド変態で熱狂的な未麻の信者だったのだ。未麻のアイドル時代のようなコスプレから贅肉をはみ出させながらアイスピックを振るう様は凶器の権現。背筋が凍るような展開に圧倒されてしまった。

未麻はルミの襲撃を切り抜けて九死に一生を得る。ルミは精神病院のようなところに収容されていて、未麻が見舞いに来ているというのが最後のシーン。ルミは時折ルミに戻るが、普段はいまだにアイドル未麻のままだという。未麻は「彼女がいたから今の私がいる」と言い、過去の出来事を未来を生きる強さのための昇華材にして強くなった女優未麻が描かれていて、レイプシーンから沈んでいた私の心も少しほくほくした。

何度も観たくない作品だけど、観て良かったと思える作品だった。

投稿 : 2014/02/14
閲覧 : 451
サンキュー:

14

ネタバレ

みみ汰 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ホラー。

ホラーだと知らずに見た作品でした。

色々グロい、エロい、そしてなんとも言えない気味悪さ。
マネージャーが多重人格であるという衝撃がすごかった。

すごい作品で何度も見直す度に違う解釈が生まれる、ですがDVDとして家には置いて置きたくないような・・・

とにかく、すごいとしか言いようがないです。
見る方は覚悟して見てください。

投稿 : 2013/12/10
閲覧 : 236
サンキュー:

2

ネタバレ

ヴァッハ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

怖い、気持ち悪い、不気味で暗い

やはり今敏さんはこういった雰囲気を作り上げる天才です。
ストーカー男の狂気と熱意(悪い意味の)が伝わってきて本当の恐怖を感じました。
やはり一番怖いのは霊的なものではなく、人間ですねwww

投稿 : 2013/11/20
閲覧 : 469
サンキュー:

3

ネタバレ

SAKUchan さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ここここここ怖すぎた…

泣くかと思った。
怖すぎて。

だけど、面白かった!!

内容は言いたくない。
あまり、知らずに観て欲しい。
恐怖を感じて欲しいです。

投稿 : 2013/10/17
閲覧 : 227
サンキュー:

2

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

未麻のストーカーをはじめ男の人物を気味悪く描いている。
レイプシーンやヘアヌード等もそれと同じで未麻のトラウマとして印象深く視聴者に見せるよう工夫されている。
途中で未麻が夢と現実、自分と虚像の区別がつかなくなるが似たシーンが繰り返される事で見ている側も段々と本物の未麻がわからなくなるようになる。
そうしたエログロ描写と気味悪い印象を利用して騙して混乱させ明かされた意外な結末。
あらゆる恐怖を含んだカットも巧妙で展開も好きだった。

投稿 : 2013/08/29
閲覧 : 188
ネタバレ

ちゃいにーず☆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

今敏監督の世界観が楽しめる作品!

パプリカ、東京ゴッドファーザーズに続いてみてみました!

やっぱり世界観がすごくて途中理解に苦しむところもあったけど、最後までみたら、ほとんど理解できました!

でも、なんでこんなことになってしまったのだろうと映画を見ていて悲しい気持ちやすっごい考えさせられました。

気軽に見るという感じじゃなくて、できれば没頭して見てほしいですね☆

投稿 : 2013/07/23
閲覧 : 327
サンキュー:

20

ネタバレ

koko さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

鬱アニメの金字塔

いわゆる鬱アニメ「リヴァイアス、ファフナーなど」複数見てきましたが、この作品の鬱度はトップクラスです。
個人的にはクライマックスが物足りなかったですが・・・。

ただこの作品は万人に勧められる作品ではないですが、
今監督がお好きな方は是非。

投稿 : 2013/06/02
閲覧 : 263
サンキュー:

2

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

1998年のアニメ映画

リアルタイムで見てみたかったなぁ。
きっとクオリティの高さに感動できただろう。
当時は理解できる年齢ではなかったけど。

エンドロールが流れても頭の中があまり整理できていなくて、「どういうことだ…」って考えてたら、あぁなるほど奴が黒幕なのか…と理解(してるはず、あまり自信はない)。
そう考えれば女優になってしまった未麻を守ろうとしている必死な姿も、優しさや未麻に対する情だけではなかったのかーとかなんとか色々深読みできて楽しいです。

ストーカー男はある意味被害者ではあるのかな…。
気持ち悪い犯罪者ってことには変わりないけどね!

投稿 : 2013/04/27
閲覧 : 237
ネタバレ

福亀堂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

良い意味で裏切られたww

予備知識なしで見始めてありゃ?借りるアニメ間違えた?と思っちゃいましたww
ちょっと消化不良なとこもありますが、なかなかハードなサイコサスペンスでした。

投稿 : 2013/04/24
閲覧 : 245
サンキュー:

3

ネタバレ

南のエデン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

サイコスリラーみたいw

人気アイドルからの脱退、脱アイドルを目指して頑張ってる
みまちゃんに降りかかる「悪意」の物語です。


ストーカーの怖ささが浮き彫りで本当に嫌な演出だったな。


私ならそうまでして、チャレンジはしたくないかもw


自分の生活が変わるのは精神的にキツイから、やっぱり芸能関係なら、しっかりしたマネジャーが必要ってことだよねw


この作品は人のエゴを浮き彫りにして、あまり気持ちは良くなかったな><。


だけど人はそれでも頑張るからすごなwって感じました^^

投稿 : 2013/01/09
閲覧 : 286
サンキュー:

12

ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

一途な想いは穢れた狂気へと変貌し、それまでの日常を壊す…「あなたは…誰ですか?」

アイドルから女優へ転向した霧越未麻の身のまわりでおこる異変を
ストーカーや猟奇殺人という実際ありえなくもない設定をまじえ描写することにより、
視聴者の不安を煽ってくるサイコホラーアニメーション。

現実的なお話をアニメにしてるので地味に感じるかもしれないが
つくりは丁寧で心理的恐怖の煽り方がお上手。
オチは序盤で予想したとおりだったが逆に予想どおりで安心しました。
あまりしないほうがいいかなぁ、と思いつつもオチは予想しちゃうんですよねぇ。
それは別に同じ展開を予想したことで優越感に浸りたいわけじゃなくて
こうであってほしい!というオチを予想してその通りだったら自分でも予想したオチだし納得できます、
逆に良い意味で予想を裏切ってくれたらこれ以上のワクワクはありませんからね。
この作品の場合は前者で予想したとおりの真相だったので納得できました。
ただBADエンドだと予想していたのに思いのほかさっぱりした終わり方でしたね。
終盤の車からかばうシーンで「え、そうくる?」と思わされました。
なぜあの状況でかばえるのか…屈折してはいますが恐らく未麻の一番のファンはあの人でしょう。
今までファンに支えられてきた彼女が、
今度はファンを支えてあげるという構図ができあがったわけです。
どんなときでもファンを大切にできる彼女はアイドル、女優の鏡じゃないでしょうか。

そしてストーカーに狙われる女性の気持ちがわかったなどというと安直かもしれませんが、
多少なりとも見えない敵から狙われる恐怖というのは伝わってきました。
自分の生活スタイルが筒抜けでネット上にアップされるとか怖すぎます、
この時代はインターネットというものが普及したての時代でしょうし、
インターネットを一種の媒介にしたストーカーというのはそんなにいなかったんじゃないかな。

未麻にとってアイドルから女優への転向は正解だったのか?
本当に女優がやりたかったのか?アイドルへの未練は?
敵はそんな未麻自身が抱えてる心の隙をついてくるのです。
敵が望むのは女優としての未麻ではなくアイドルとしての未麻…
歌わない彼女は敵にとって偽者であり穢れの象徴だったのかもしれません。
アイドルとしての未麻を崇拝してたのだとしたら女優に転向しなければ事件はおこらなかったのかな?
まぁ生涯女優はできても生涯アイドルは難しいし遅かれ早かれ避けられぬ出来事だったのかも…

現実、夢、幻覚など場面がコロコロ変わり観てる側も混乱します。
観てるうちに「いま現実?」などと自問自答することもあるかもしれないね。

作中のシーンで未麻のストリップシーンがあるんですが妙にエロかった。
そのあとすぐお芝居のレ○プシーンになっちゃうんだけど
もう少しストリップシーンを楽しみたかったくらい艶やかでしたな。

デジタルアニメもいいが個人的好みで言えば私はセルアニメのほうが好きなんでしょう。
それを再確認させてくれたアニメでもあります。
ストーカーの顔が劇的に気持ち悪いんですよ、
この汚らしさはセルアニメだからこそという印象を受けました、
必ずしも綺麗になるのがいいわけでもないんだな、と。
こういった汚らしい表現はセルアニメの武器だったのかもしれません。
まぁセルアニメどうこうじゃなく顔のつくりが単純に気持ち悪いですw
もうね、あきらかに意図的にああいうキャラデザにしたというのがまるわかりなくらい気持ち悪い。
たぶん生理的に気持ち悪く感じるようなデザインをわざとねらったのかもね。
なんか潰れた蛙みたいな顔してるの…

この作品を視聴しての率直な感想は理想の押し付けです。
結局求められてたのはアイドルという依り代であって霧越未麻ではなかったのでしょう。
アイドルとしての自分も一連の騒動も最終的には
女優、霧越未麻の肥やしになったのかと思うと彼女が少し恐ろしいです。

【A80点】

投稿 : 2013/01/03
閲覧 : 293
サンキュー:

7

ネタバレ

まるこめX さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ザ・ベスト・サイコスリラー

とにかく観てるだけで鳥肌ものである。ゾクゾクした。

投稿 : 2012/09/15
閲覧 : 232
サンキュー:

2

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PERFECT BLUE -パーフェクトブルーのストーリー・あらすじ

アイドルグループのチャムに所属する霧越未麻(きりごえ みま)は突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させ(つつも事務所の方針に流されるままに)、ドラマ出演でレイプシーンを演じる。さらにはヘアヌードのオファーが来るなど、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく未麻。しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。(アニメ映画『PERFECT BLUE -パーフェクトブルー』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1998年2月28日
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%...

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