AO さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
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PERFECT BLUE -パーフェクトブルーの感想・評価はどうでしたか?
AO さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
青龍 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
【本作の紹介】
『パプリカ』、『千年女優』、『妄想代理人』などで有名な今敏監督による初のアニメ映画(1997年)。
竹内義和の小説『パーフェクト・ブルー 完全変態』を原案とするが、竹内から「主人公がB級アイドルであること」「彼女の熱狂的なファン(ストーカー)が登場すること」「ホラー映画であること」という3点さえ守れば、好きなように話を作り替えても構わないという許可を得ていたため、内容は大幅に異なる(参考:wikipedia)。その他様々な事情が重なって、今監督に共通する「虚構と現実、その境界の曖昧さ」というモチーフが誕生し、それが世に出るきっかけとなった作品とされる。
あらすじは、B級アイドルグループに所属する霧越未麻は、突如グループ脱退を宣言し、その演技の才能を買われて女優へ転身する。しかし、歌を歌うことが好きで田舎から出てきてアイドルになった未麻は、女優への転身を頭では理解しつつも、完全に受け容れられなかった。そんな折、アイドル時代の自分になりすました何者かが、ウェブ上で、辞めたはずのアイドルの未麻として日記を更新し続けていた。そして、女優として活動していく中で、アイドルとしての未麻のイメージを傷つけたと思われる者たちが次々と殺されていくというお話。
テーマは、単純にいえば、主人公には、「アイドルとしての理想の自分」と「女優としての現実の自分」があって、ストーカーに精神的に追い詰められることで、その境界が曖昧になること。なので、本作は、サイコホラーに分類されるが、殺人の犯人探しのサスペンス要素もある。
もう少し掘り下げるなら、理想の自分と現実の自分のギャップに悩んで自分らしさを見つめ直したり、また、人格の同一性は記憶の連続性に支えられているが、精神的に追い詰められることで妄想と現実が混濁して記憶が曖昧になり、その記憶の連続性に嘘はないのかと疑い始める。
特に後者のテーマは、私がここでレビューを書くようになって、アンドロイドが出てくるようなSF作品で結構書いてきた内容と重なる部分が多い。
だから、本作は、電脳世界を描いたSFアニメとの相性がよく(今監督の『パプリカ』もそこに行き着く)、アニメ以外にも、いろいろな作品に影響を与えているのもわかる。
また、1997年と古い作品であるが、パソコンのモニターがブラウン管だったり、スマホじゃなくて携帯だったりするくらいで、テーマの内容自体に古臭さは感じないので、古いからと敬遠されてる方は心配ご無用。
テーマがテーマだけにわかりにくい作品が多い今監督ではありますが、本作と次に作られた『千年女優』は比較的わかりやすいと思うので、興味を持った方は、とっかかりとして観てみてはいかがでしょうか。
【感想】
本作は、アイドルオタクをステレオタイプに描いているので、型にはまった表現だという批判はできそう。もっとも、私は、単に監督がアイドルオタクに共感できなかったからだと感じました。アイドルオタクに対する表現に全く愛が感じられないので(笑)。実際、上にあげた原作者からの縛りでアイドルを題材にしたにすぎず、監督自身は、アイドルに興味があったようではないようです。
また、本作は、難解なテーマではあるものの、いったんカラクリが分かってしまえば話の筋自体(※細かいところは除く)はシンプルに理解できるので、無闇に謎めいた抽象表現が多いわけでもないと思います。
ただ、内容については、上にあげた点を含めて今観ても賛否ありそうだし、実際当時も賛否があったらしい。特にラストに関する解釈は分かれそう。
今監督自身、ラストについては、「すべてが嘘だったからではなく、人生とは苦難を乗り越えれば完全に成長できるという単純なものではなく、何度も同じことを繰り返して成長するものであり、正面から捉えてしまって確定してしまうことを避けるという意図」(引用:wikioedia)と言っているらしい。
監督のコメントや批判をみたとき、私は、次の『千年女優』で上手く昇華されているように感じました。私は今監督の作品の中で『千年女優』が一番好きです。
shino さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
今敏監督、マッドハウス制作。
解離性同一障害を扱うサイコスリラー。
アイドルグループ「CHAM」を脱退し、
新人女優として活動を始めた霧越未麻。
未麻は華やかな女優業とは懸け離れた、
ヘアヌードや過激なドラマの仕事に戸惑い、
やがて理想と現実の狭間で自分を見失い始める。
{netabare}衆人環視の不安と緊張、ストーカー、ペットの死、
やがて彼女の周囲では不可解な事件が続発していく。{/netabare}
今敏、お得意の虚構と現実が入り交じり、
{netabare}劇中劇、妄想、解離性同一障害などをモチーフに、
未麻の精神は歯車が狂い始め疲弊していく。{/netabare}
これは後にも繰り返し反復される、
監督にとって終生のテーマであったのでしょう。
短編「オハヨウ」が顕著な例ですが、
ここに「心と身体」の問題を付け加えて頂きたい。
より良く生きると言うことは、
心も身体も健全でなくてはならない。
ここで故人を偲びたいと思います。
パラノイアにもっと魅せられたかった。
waon.n さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
にち さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
いやはや、すごく面白かった。これは本当にネタバレを見ずに観てほしい作品だと思う。二十年以上前の映画とは思えないほどすごかった。(ネタバレになるので)内容は言えないけど、脚本もすごいし、キャラクターの雰囲気もすごい。
個人的には夢が現実か分からなくなるような感じがすごく好きなので(サイコ系とかも)後半からの感じがすごくドキドキして楽しかった。一部苦手な人も多そうなシーンがあったけど、それ以上に楽しめる作品だとは思った(一人で見た方がいいかも)。
下の人の言う 『looking glass of…』は映画内のラジオドラマcd…かな?映画見た後に楽しめるかも。
Hahaha さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:----
あなた、誰なの?
米麹米子 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
米津さんのLIVEで
新曲としてタイトルもないし
出すかどうかも不明な曲と
紹介されてたけど
いい曲で気に入った
昔使ってたハンネも入ってたから
すごく気になってた
もしかしたら
出ないかもしれないでしょ
せめてここに
残しておこうと思って
それでこのアニメ思い出した
パプリカも
今敏監督だったよねって
内容はというと
サイコホラー映画です
ホラー祭り開催中なのと
推しの子見ててついでにこれもと
凄く良く出来てる作品なのよ
これに影響された作品も結構
あると思う
アイドルから女優に転身して
色んなオファーが来るけど
現実か虚構か妄想かと
混ざって足下から世界が
崩れていくような感覚を
映像にしました的な
1998年製作とはいえ
今でも充分通用する名作です
今敏監督作品は凄いのですと
絶賛してみましたw
ShouyouACL さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
nyaro さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
心理系のサスペンスとしては、アニメのみならず映画や小説含む創作物の中で最高峰といっていいでしょう。日本のみならず、欧米の特に映画関係者に衝撃を与えたようです。
真偽は定かではないですが、本作をそのままパクったと言われるような映画もあります。映像のオマージュを明言している作品も存在します。
アイドルから女優という転身による不安。女性を切り売りして行くという葛藤。自分のやりたい事とやっている事のギャップ。自分が誰だかわからないアイデンティティの喪失あるいは分裂。そういう芸能界に生きる女性としての葛藤とファン心理、ストーカー心理を描いた素晴らしいストーリーでした。
鏡の多用による2つの自分という演出が、心をざわつかせます。今敏独特の画面・色合い、何よりもキャラデザでアニメなのか実写なのかわからなくなるような感覚になります。自分の存在の不確かさというテーマによく合っていました。
ヌードシーンも多々ありますが、本作においては女優を描いていますので必然に感じます。感じますが、同時に女優のヌードで安易な作品作りをしているような、あるいはそれを喜んでみている我々大衆心理まで、描いている感じです。アイドルファンの醜い側面からの描き方もリアリティがあります。
そして、そのヌードシーンやレイプシーンの評価・人気と清純のギャップがヒロインそしてファンの歪みの原因になってゆきます。
本作は1997年。1983年とちょっと離れてますが、松田聖子さんがファンに鉄パイプで襲撃された事件があったのでそこからの着想もあったのでしょうか。
芸能界という虚業を、制作者、演者、ファンの3方向を心理的な裏側から見たとき、どれだけ歪んだ世界なのかという描写が素晴らしい作品でした。
この映画が81分ですか。信じられないですね。濃密すぎて見終わったあと、疲労で脳みそがクラクラします。息をするのを忘れるからでしょうか。
キービジュアルのデザインのセンスもすごいですね。ジグソーパズルで表現されたアイドルでもなくヌードでもなく…残念ながら「パーフェクトブルー」の意味が考察しきれてません。ブルーの心理は憂鬱ですが、それだけでしょうか?ブルーフィルムならポルノ画像の事だし…改めて考察してみます。
それとラストの一言ですね。これは見た人各自が考察すべきでしょう。
それにしても、素晴らしい作品です。今敏氏。本当におしい人を失いました。改めて今回視聴しましたがいや、良いですね。本当に世界で認められておかしくない作品だと思います。
私は氏の最高傑作は「パプリカ」かと思ってましたが、初監督のこの作品が最高傑作だったかなあ、という気がしました。そして「妄想代理人」は本作の焼き直しな気もしました。
Dkn さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
時代を切り取ったアイドル像、そして普遍的な解離性を表す題材
アイドルから女優へと転身する主人公“霧越 未麻”
事務所社長から女優に向いてると言われ、役者の道に進み出し始めるところから物語が始まります。主人公の印象としては世間知らずの生娘で、流されやすく主張をしない、八方美人とも言える
{netabare}
作中でペットである熱帯魚が死に、はじめて激情的に不満を吐露する。主人公である彼女を追っている筈のストーリーで、作中の登場人物はおろか視聴者側にも己の本心をぶつけるようなシーンがここ迄無く、彼女の性格がよく分かるシーン
{/netabare}
この作品で扱われる主題は二面性。“霧越 未麻”という女性と、カメラに映し出される女性。アイドルである自分と女優である自分。自我と非我。作品の中で更に“演じる”行為は、ミラーハウスで幾重にも写し出される自分を俯瞰的に見ているようで、観ているこちら側も境界が曖昧になっていき、映像に組み込まれていく感覚がある
{netabare}
ストーカー(本当はマネージャー)が作成したホームページで、未麻自身が書いたような日記を見て、テレビに映るパブリックイメージの自分と、他人が書いているはずの本心を吐露した文章を対比したシーンがあります。一種の煽動から、書いてあることが本心ではない筈なのに夢遊病者のように自分が書いたものではないかと錯覚していく。勿論彼女自身にも後悔や葛藤があるのでしょうが、周囲の声に流されやすく、対外的な場所に重きを置いてしまっている未麻だからこそ嵌ってしまう
徐々にエスカレートしていく過激な仕事に、もう一人の自分と乖離していき、日常が白昼夢のように過ぎて演じている時と現実が混ざり合っていく。作中で未麻が出演する連続ドラマと、自身の身の回りの出来事がリンクする
ラストシーンに向けて、最後に起こる出来事に対しての映像の違和感を少しずつ無くし、視聴者側に目の前の映像を理解させる作業を与えて先を予想させず、伏線の回収もスムーズ
二面性という言葉が未麻だけに掛かるものでは無かったという事だった
視聴後も晴れやかで面白いものを見たと、作中での雰囲気とは真逆の感覚になるようなエンディングが印象的
「私は本物だよ」という未麻の台詞は、作中で何度も写った過去の自分。アイドル衣装を着た彼女にいわれた言葉対するアンサーで、彼女の自己を肯定する儀式で、時間がない中でもたまに病棟へ足を運んでいるのは確認なのかもしれない
未麻という女性は過去を克服した(もしくは途中)かもしれないが、監督からは「どっちの出来事がホントか?」と言われてるようにも見え、夢(芝居)と現実の反転が起こった事が実はウソで、ホントの未麻は夢で見たような殺人犯だとしても、それはそれで面白いかもしれない
ビデオ屋のサイコスリラー映画に対する監督のボヤキなど、主題含め、時代特有の風潮や事象を皮肉に取ったようなメッセージが何度か投げかけられている作品
{/netabare}
監督(今敏)が書いた最後のブログを読み、
間違いなく日本のアニメーション作家の中でも特筆すべき作家であったし、これからも変わらない
彼が捧げたアニメーションという世界、そして作品に、1つの曇りも無いと今でも思っている
たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
一言で傑作である。
ダーレンアロノフスキーの一連の映画や、特にナタリー・ポートマン主演の「ブラックスワン」はここからとってきたといっても過言ではない。
今から20年前のアニメ映画にも関わらず、海外の映画マニアは国内のDVDを買い求めにやってくるくらいだ。(マジでバイトしていた時はそうだったよ)
エドガーライト監督のイギリス映画「ラストナイトインソーホー」も同じテーマを扱ってますね。
今敏監督の海外の影響は凄いです。
publica さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ひろたん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
このタイトルの問いに対して、この作品では、こう答えています。
記憶の連続性だけをたよりに一貫した自己同一性と言う幻想を作り出している、と。
幻想、つまり、自分は自分であるというのは思い込みであると言うことです。
この作品は、このことを様々な演出(仕掛け)で実体験させてくれて面白いです。
主人公は、歌うことが好きで上京し、アイドルをしている女性です。
しかし、売れないB級アイドルのため、会社の方針で女優に転身します。
ただ、本人は、心のどこかでは歌を続けたいと思っていました。
女優の仕事はとてもハードで、主人公は、精神的に追い詰められていきます。
そして、あることがきっかけで自分の中のもう一人の自分が顔を出してきます。
つまり、この物語は、仮面(ペルソナ)の話です。
今の自分は、本物の自分なのか、それとも仮面をつけている自分なのかです。
はたして今、女優として役を演じている自分は、本物の自分なのか?
実は、女優を演じている自分であり、本物の自分は他にいるのではないか?
心のどこかにしまったはずのもう一人の自分が独り歩きしているのではないか?
主人公は、どんどん自分が分からくなっていきます。
それに呼応するかのように、主人公のまわりでは、次々に殺人事件も起きてきます。
当然、主人公自身も巻き込まれていきます。
そんな中で、主人公は、さらに記憶が曖昧になっていきます。
これは、夢なのか、現実なのか。
この記憶は、事実なのか?
これは、自分がやったことなのか、他人がやったことなのか?
主人公の精神崩壊にあわせて、これらの境界線がどんどん曖昧になっていきます。
また、これでもかって言う演出(仕掛け)の数々は、視聴者をも欺いてきます。
たった今、自分が観ていたシーンの記憶が曖昧になってくるのです。
自分は、今、だれが、どこで、なにをやっていたシーンを見ていたのかと・・・。
次々に仕掛けに翻弄されていきます。
この作品の仕掛けとは、記憶の連続性を意図的に遮断することです。
主人公は、精神崩壊によって記憶の連続性が壊されます。
これにより、自分は自分であるという幻想が打ち砕かれます。
視聴者は、独特な演出によって記憶の連続性が壊されます。
これにより、主人公と視聴者は、完全にシンクロした状態にさせられます。
これで準備が整いました。
そして、いよいよ主人公の中にいる二人の自分の生存競争が始まるのです。
それは、どちらが本物かをかけた必死の戦いです。
もちろん視聴者自身もその中に否応なく巻き込まれていくのです。
この作品は、サイコホラーなので、恐怖を心理的にうったえかけてきます。
しかも、R-15指定だけあって、内容的には結構エグいです。
でも、最後はスカッとする終わり方なので救われます。
キャラデザにクセがあるのは難点ですが、話はとても面白かったです。
このような作品は、なかなか無いので観ても損は無いと思います。
にゃん^^ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
Bハウス さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
蜜爺 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
何度も見てる。もうこの映画大好き!!!!!昔の作品って感じられる声優さんの声質がたまらないです!!!
ガバ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
多分、この映画は私のストライクゾーンではない。見ていて気持ち悪くなるような作品である。しばらくは見返したりはしないと思う。正直内容も100%理解しているとは言えない。(特にラスト15分くらい)
ただ面白かったと思う。
芝生まじりの丘 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
【劇中劇】
自分は劇中劇が大好きだ。我々は映像作品をみるときPCや、テレビや、劇場のスクリーンをまんじりと見つめる。そのぼけーっとした様は外から観察していればさぞかし恥ずかしいものだろう、そういうことを自分はよく考える。また、自分はおたくとして、忙しい現実的日々の合間を縫ってせっせとアニメや小説の観賞に没頭する。その結果、現実においても、自分はその時はまっている物語に影響されて、ものを見る。また、当然、現実の経験も、物語の批評に影響を与える。
僕は日々現実を生き日常的なあるいはドラマチックな些事に追われ、同時に作品の中を彷徨っている。
一体現実の出来事と、フィクションへの没入、どっちが自分の多くを占めるのか、わかったものではない。
そんな傾向があるのは日々作品作りに奔走するアニメ制作者たち、あるいは俳優たちもかわらないだろう。
自分が劇中劇が好きなのはその物語と現実の倒錯が自分に親しいものだからかもしれない。
でも、アニメでこういう劇中劇ものって意外とあまりないと思う。声優や漫画家、アニメ制作の仕事にスポットをあてる作品などはある。でも、そういうアニメで学ぶ〇〇のお仕事みたいなのではなく、それを背景にメインディッシュとなるしっかりしたストーリーがある、という作品は少ない。あくまで、その設定をどう料理するか、という範疇のものばかりだ。もっと劇中劇、増やして欲しいなあ。
例えばアニメーター界での殺人事件、とか書いて欲しいなあ。まあ妄想代理人でそんな話もあったが。
【リアルな人間味とグロテスクさ】
自分はアイドル的なモノにはまったためしがないのでわからないが、アイドルというのは、多分アニメのデフォルメイトされた「可愛い」キャラクタのように(無論元来の個性というのはあるが)本質的に偶像的な可愛さが求められるものだと思う。そういった職をテーマに、人間以上に生々しい今敏らしいキャラクタデザインがほどこされ、そのコントラストが心地よい。
またこの作品には何人か本当に気持ち悪いキャラクタが登場する。美が芸術であるの同様、醜悪さも芸術たる。そういう存在感のあるグロテスクさを現実感とともにフィクションに内包させているのも好感がもてる。
【けして華美すぎない】
この後の今敏作品群は、個性的な画風がさらに洗練されカラフルになっていくように思うが、この作品ではもう少し穏当で素朴な画風。これがまた良い塩梅。
【総評】
とにかく自分の中ではアニメ作品の最高傑作。
二足歩行したくない さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
今敏の初監督作品であり、氏の出世作。
原作小説がありますが大幅に今敏アレンジされているようです。
元アイドルの「霧越未麻」は事務所の意向もあり、女優への転身を謀るが、与えられたドラマのセリフは一言だけで、焦った事務所は脚本家に頼み込み、結果、未麻はレイプシーンを演じることになってしまう。
続けてヘアヌードグラビア撮影の仕事が入り、過去のファンからも白い目で見られ始める。
一方で、役者としての仕事は軌道に乗り始めるが、アイドルだった自分が未麻の前に幻影としてチラつき始める。
さらにインターネット上には自分の生活が細部にわたり記録されている自分の日記サイトが公開されていて、書かれている内容がアイドルだった自分の想いと重なり混乱する。
そして、未麻の仕事で関わった人物が殺され始める。
現実とドラマの自分が混ざり合い、自分がどこにあるのか、悪夢のようなシーンが繰り返され、気が狂ってしまったのか、自分は役者だと思い込んでいるレイプされたストリッパーなのか、自分が殺したのか、何が本当なのか。
途中までは一本道で分かりやすく、アイドルを続けていたらということを思い感情が揺れる様を描いた作品と思って見ていたのですが、どんどん内容がサスペンスホラーになっていき、やがて今見ている場面がどのシーンなのか分からなくなっていきます。
ショッキングなシーンの後、フトンで目覚めるシーンが多々あり、夢か妄想か記憶が飛んでいるのか、視聴していて分からないです。
油断して見ていましたが、ちゃんと今敏らしいからくりのある内容でした。
ただ、きちんとオチがつけられていて、結局よくわからないまま終わるようなものでは無いのは良かったと思いました。
スッキリとはしきれないところがありますが、意外な結末が待っていてラストは驚きがあります。
セルアニメの時代の作品ですが、今見ても作画など違和感なく楽しめました。
作品自体が15Rなだけあり、エロとショッキングなシーンがあるので、少し注意が必要かなと思います。
今敏作品では比較的まとまっていて、クセはもちろんありますが、今敏作品の入口としておすすめします。
蒼い✨️ さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
tinzei さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
作画の5.0は陰毛分。
鸐 さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
複雑なストーリーは1回ではわからないのですが、2回、3回と観てもやもやしたものに一つの解が見つかった時に感動が現れる、そんな物語。
脚本ももちろんすごいのですが、視聴者に考えさせたり、不気味さだったりの見せ方が洗練されている。
これが生きていれば宮崎監督を超えたと言われる今敏監督初監督作品ですよ!
一見の価値はある。
でも、私は東京ゴッドファーザーズの方が好き。
kabaj31 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
R15指定のアニメ映画。
81分。
実写の方でも、パーフェクト・ブルーという映画があるようですが、
そちらは原作が別で、内容も全然違うみたいです。
原作の竹内義和さんは、かつてあった関西の1008KHzみたいな周波数の日曜の深夜にやっていた某ラジオ番組の人という印象です。
最近は怪談の語り手なんかもやっているようです。
内容はアイドルから女優に転向した主人公のお話です。
かなり複雑な内容です。
・オタクから見た視点
主人公はきっと女優という仕事を不安がっているはずた、という勝手な思い込み
アイドルに戻って欲しいという願望
・主人公の視点
女優という仕事への不安はあるが、前向きな姿勢
濡れ場も頑張って挑戦してみる、これも前向きな姿勢でいる
しかし、心の深い部分では大きなストレスを抱えている?
オタクの願望と主人公の不安、
この2つの方向性が”別の主人公”を生み出していく感じです。
全然上手く説明できません。
ドラマの撮影スタジオや舞台裏が中心で、その辺がシナリオに上手く絡んでいると思います。
これはドラマの撮影なのか現実なのか、そういった部分の見せ方が映像的な面でも上手いと思いました。
メタ演出のようなものは無かったと思いますが、
精神的に気持ち悪くなるような怖さ、不安を煽るような演出があります。
あと、エログロもかなりあります。
声に関しては、普通に上手いと思います。
名前を見たら有名な人でした。
あと、北野誠がレポーター役で友情出演していたのが少し笑えました。
全体的に非常に気持ち悪く、気持ち悪いものを見たあとは気持ち悪いです。
あんまりお勧めはできませんが、気持ち悪くなりたい人は止めません。
セシウス さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 2.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
女優に転身した元アイドルが、ストーカーに追い詰められ自分を見失っていく様をリアルに描いています。
物語が主人公目線なので主人公が精神的におかしくなっていくにつれ現実に起こっていることが何なのかわかりにくくなっています。
しつこいストーカーの怖さと、自分がおかしくなると周りの人が正常かどうかもわからなくなってくる怖さを二重に感じました。この辺は画面の見せ方も上手だったと思います。
事実と想像の境界が曖昧でラストで全てが明らかになったあとも微妙にもやもや感が残りました。
サスペンス的な雰囲気が好きな方は一見の価値はあると思います。
ちなみに海外では18禁だそうです。特段エロいわけではありませんが、主人公が女優として演じる劇中劇の中のシーンのせいだと思います。日本ではさすがにR-15ですが、子供と一緒に見るアニメではありません。
退会済のユーザー さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アイドルから女優への転身、仕事上の世界観の変化からの情緒不安定。方向性どころか現実まで定まらない不安感、精神崩壊が狂気の世界を誘う。
今更ながら、今敏監督作品を初鑑賞。
20年前に観れば異なる感覚を得ていただろうが、今観ても強烈な作品ですね。
後半は観てる側の神経さえ狂わせて来る辺りは、凄まじい押しの効いた展開で、凄いの一言です。
容赦の無い描写、演出、そして裸体のラインなどは秀逸かと。時間を感じさせない程、引き込まれました。鑑賞後は迷った迷路から抜け出せた様な感覚に襲われました。もう一度鑑賞有りかと思います
観る人によっては…だと思いますが、個人的には自分の中で纏める事は出来たと思います
けいP さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
この映画が上映される前に
ニッポン放送の
アニメガチャンとかいうラジオ番組で
このパーフェクトブルーのスピンオフラジオドラマ
みたいのやってて全部聴いてから
この映画観たんだけど、
確か劇中の主人公が出演する
ドラマをそのラジオドラマでやってたんだよなぁ
うる覚えだけど。
そのラジオドラマを聴けば
映画をもっと楽しめる
とか言ってたけど
正直そうは思わなかったw
退会済のユーザー さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
何年かぶりに 観かえしました。
正直、今敏監督は苦手です。
が、この作品は、『原作者』の叫びが聴こえてくるようで好きです。(キャラクター原案、江口寿。最高です。)
お話としては、『あなた、誰なの?』に始まり『私は私よ』で終る。
まず、
未麻子の部屋が 強烈に目に飛び込んできます。
きっと
普通の女の子の普通の部屋。
まるで『覗き』をしているかの様な錯覚を覚えます。
(いいよ、狙いにハマってあげましょう…)
私は覗き魔になる。
そして
女優としての未麻の初の濡れ場のシーン。
レイ◎される未麻はとても美しい。ゾクッとする。
デフォルメのない、正確な躰のライン、
男の『in out in out』の動き…リアルでエロティック。
私は未麻を犯す男優になる。
どんどん不安定になって行く未麻
『解離性障害』という病
『ストーキング』(あえてあたしは偏愛と言いたい)
それらの『不安要素』が絡みあっての
ラストへの疾走。
私は思うのです、
この作品は、誰にでも有り得るであろう『迷い』からの脱出劇ではないの?と。
この作品を、『グロ』と思って欲しくない。
先入観で敬遠して欲しくない。
心の話、愛の話、そう思う人が一人でも多くいて欲しい。
『罪』を
人は 気づかないうちに犯している。
『こうあって欲しい』という願いが高じて
人を傷つけたり
無意識に自分を傷つけたり
今 自分に
『私、誰なの?』と問う
『解らない』と応えることしかできない
一生
応えられないかもしれない
それでいいと 思ってる
今監督の短編映画『オハヨウ』
こちらも合わせて視聴してみてください。
人の中に潜む、複数の『私』
複数が『ひとつ』になって
『自分』が完成する。
さて
今日の『私』はどの子とどの子?
ぺー さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
オリジナルアニメ劇場版
『東京ゴッドファーザーズ』が面白かったこともあり、続いての今敏監督作品2本目を視聴。とりあえず公開年度順に追っていこうと思います。
初めにお断りすると、作品内容には触れたか触れてないかよくわかんない感想なのできちんとしたのをご希望ならば他の方のレビューをあたったほうがいいです。
それでは、
アイドルグループの一人(ヒロイン)が女優に転身を図り、どうかと思う仕事(いわゆるヨゴレ)をやってるうちに、気持ちと反比例して評価は上がりーの、となると精神のバランスが保てなくなって、、、
とあらすじ見ててもサイコ感プンプンな本作。普通の娘さんが壊れていくさまを見るのは忍びないがこれもまた真なり。という物語です。
仕事が女優とあり劇中劇としての撮影シーンと物語がシンクロする構成です。81分の上映時間ながら密度は濃ゆいと思われるサイコサスペンスの良作でした。
公開は1998年です。
“解離性同一性障害”
“ストーカー”
“インターネット”
現在では一般化した言葉も認知されたかどうかといったお年頃。
解離性同一性障害は1995年のビリー・ミリガンの事例を境に認知されだした言葉でしょう。桶川ストーカー事件が発生するのは1999年。また通信費の兼ね合いでインターネットを利用する人は限られてました。
ISNテレホーダイが最新鋭の回線サービスで、それでも通信速度はISDNの128kbps程度と、スマホ月々〇〇ギガの足元にも及ばぬしょっぱめの環境で、せいぜい竹野内豊主演『WITH LOVE』でのメールのやり取りできゅんきゅんしてたのが1998年なのです。
さらにアイドル冬の時代。安室奈美恵全盛期で10代のSPEEDはアーティスト寄り。アイドル系譜のモー娘はまだモーニングコーヒーを飲んでいて、日本の未来にYEAH!YEAH!するのは翌1999年だったりします。
も一つ脱線すると、宮沢りえの『Santa Fe』(1991年)で“ヘアヌード”というエロの表現方法が提示され、その後玉石混淆の写真集が出尽くして菅野美穂の『NUDITY』(1997年)で一区切りをつけた時期でもあります。
ストーカー一つとってみても、本作ヒロイン未麻ちゃんがちょっと脇が甘く見えてしまったり、事務所もう少しガード固めろよとツッコミを入れたくなりもします。しかしそれはリアリティの欠如ではなくこれがこの時代のリアリティだと言えましょう。
時代背景の色が濃く出てるため古臭くも感じますが、同世代を知る者には懐かしく、一方で、扱うテーマが人間の内面であり、作品が持つ時代の先取り感がハンパなく、今をもってしても色褪せない力強さもあわせもっているのでした。
短い時間の作品なのであまり内容には触れまいと思いつつ二点ほど。
■普段は二次元のエログロは平気なのですが・・・
よくグロい表現があるので閲覧注意!ってありますけど、アレ全く気になりません。「所詮二次元じゃんへーきへーき」と思う人です。実写の比ではないからです。
エロにしても二次元に欲情した経験はありません。めんどくさくて思い通りにいかない現実の女性が魅力的だと思う人でもあります。
そんな自己紹介は不要とお叱り受けそうですが、今回はそのエロのほうで惹かれるところがありました。{netabare}脱いだ時の{/netabare}肉の付き具合と体のラインが現実のそれに近い。心の動きは言わずもがなです。
■乖離する人 同調する人
サイコはサイコでとても人間くさい登場人物たちです。
まさに映画公開された頃合いは、学生ながら夜な夜なお酒を提供しお客さんの話し相手をする側におりました。※ホストやキャバクラのボーイではありません
客にはキャバ嬢さんや音楽関係の人が多く、売れないアイドルも付き合いで来店という空間です。
それでですね。。未麻ちゃんみたいな子は実際いるんですよね。{netabare}ルミさんもしかりです。{/netabare}この作品を観ても二人ともメンヘラの一言で片付けられないんですよね。
人間って実際こうだよな~と感じます。陳腐な物言いですが“リアル”ということなんだと思います。
一方でアニメである必要がどれだけあったかはよくわかりませんね。
あえてアニメ的表現ぽかったのは、{netabare}妄想アイドル{/netabare}未麻ちゃんの軽やかなステップぐらいでしょうか。実写ではCGじゃないと難しい動きでした。
{netabare}となると軽やかに追跡してた“中の人”は動けるデブってこと? きっと日夜トレーニングに励んでたかもしれない!と思うと怖さも増します。{/netabare}
本作公開から20年。実写・アニメ問わず゛虚実ないまぜ” 似たようなプロットの作品に触れてきてる身としては既視感を覚える作品ではあります。こっちが先だよというのは置いといてですよ。
1998年でヒロインが21歳の設定ということはおおむね自分と近い世代です。同年代の女の子がWINDOWS OS('95か'98)に四苦八苦している様がむしろ印象に残りました。あー、俺と一緒やん、と。
勝手に小難しそうな作品を作る監督かも?とイメージしてましたが見やすくて面白かったです。
さらにご新規さんはもちろんリピートさんも着目してみると1998年という時代が透けて見えてくるでしょう。この点は本作の付加価値です。
2019.02.15 初稿
2019.08.03 修正
ももも さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
早世された今敏(こんさとし)監督のデビュー作品。
初監督だったっていうのはググって知りました。
原作は一般小説で、ジャンルは多分サスペンスホラー(またはミステリー)になるんだと思います。
ジャンル的にネタバレ=死なので内容は一切書きません(´・ω・`)
この作品を見たのは多分15年くらい前です。
当時思ったのは「これ実写で良くね?」という感想だったんですが、その後色々なアニメを見て考えは変わりました。
当たり前ですが、アニメは実写ではないです。どんなに緻密に描いてもそこには描き手(または作画監督)の意思が入ります。
その意味で、本作は「日常の中に入ってくる違和感」というものを、かなり制御して描いていたんじゃないかなぁと思います。
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