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「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊-ゴーストインザシェル(アニメ映画)」

総合得点
86.7
感想・評価
1106
棚に入れた
6549
ランキング
190
★★★★★ 4.2 (1106)
物語
4.2
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

情報化と言うテーマに対して、こうゆう方向性もあるのだ、と感じさせられた作品。

一言で言えば、独立したAIが人格(のようなものを持ち始め)、幼少の頃より全身サイボーグの女と情報を共有しようと言う話(ただ、ここでの情報とは肉体を持たない女にとっては存在そのもの)。幼少の頃より肉体を持たない人間にとって人格【ゴースト】とは?極度に成長したAIの人格【ゴースト】とは?その融合の先に見える物は何か? 
それが、映像美と国の政治機関の枠組みの中でせめぎ会う姿が描かれている。
劇場で見た頃は内容が現実離れして、面白いが一般の人がこの作品を受け入れるのか?と疑問に思ったものだが、劇場公開後1年後にパリに言った際、シャンゼリゼ通りのHMVの正面入り口に大きく【甲殻機動隊】と漢字で書いていたのは痺れた。
※TVシリーズと違って9課のメンバーで出番があるのはバトーのみ。

投稿 : 2014/03/19
閲覧 : 328
サンキュー:

4

ネタバレ

(´◉◞౪◟◉`) さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

S

度肝抜かれた印象だったな(´◉◞౪◟◉`)

投稿 : 2014/03/14
閲覧 : 213
サンキュー:

1

JJunuJJ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

世界的に評価の高い作品

1995年公開の作品。

まだ、インターネットが一般的に普及していなかった時代に作成されたとは思えない世界観。

その後、色々なSF映画に影響を与えた名作。

珍しく、原作を先に読んだことがあったけど、雰囲気は全く別物!
TVシリーズ(SAC)とも別物で、パラレルワールド的な?扱いなのかな?

好きな作品です。

投稿 : 2014/03/12
閲覧 : 250
サンキュー:

1

1061000you さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

見る順番で失敗しないために

私は〈攻殻機動隊シリーズ〉を見る順番を間違えたために、初見では あまり楽しめませんでした。orz

私の二の舞になる人が減るように〈攻殻機動隊シリーズ〉を見始める前の超基本的な予備知識をまとめました。


原作は士郎正宗の漫画『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』(1991年発売)

  ①GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(アニメ映画) 
  ②攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(テレビアニメ)
  ③イノセンス -INNOCENCE(アニメ映画)
  ④攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG(テレビアニメ)
  ⑤攻殻機動隊S.A.C. Solid State Society(OVA)
  ⑥GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0(アニメ映画)
  ⑦攻殻機動隊S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D(アニメ映画)
                                ※①-⑦は製作年の順番

①③⑥は 押井守 監督作品。
 原作を基に制作されており、③は原作を下地にしたオリジナル展開をしている。
 ①⇒③でストーリーがつながっている。⑥は③のリメイク版。

②④⑤⑦は 神山健治 監督作品。
 キャラクターの外見や基本設定は①と原作を取り混ぜ、物語の舞台設定は①や原作とは違うパラレルワールドとなっている。
 各シリーズ毎に主題が有りながら、それのみで展開される訳ではなく 各キャラクターの過去や性格に触れられた1話完結の事件が織り交ぜられている。
 ②⇒④⇒⑤でストーリーがつながっている。⑦は⑤のリメイク版。


これらをふまえて、見る順番を決める時は
“監督別”かつ“製作順”(①⇒③と②⇒④⇒⑤)に見ることが シリーズを楽しむための最低限の条件だと思います。

さらに、どちらの監督作品を先に見るかは 理解力や好みによると思います。

個人的には、押井監督の作品は神山監督のものより小難しいので 前半で挫折する可能性がある分、神山監督作品を先に見る方が無難かと思います。
神山監督の作品は①を取り入れた部分があるとは前述しましたが、見ていなくてもそれ程問題は無いかと思います。
(もし、神山監督作品を先に見て 解りづらい部分や知らない言葉・設定があったとしても、多分 それは①でも説明されていません)



ちなみに、私は全く予備知識が無かったので⑤→③→②→④→①の順で見ました。
偶然とは言え、超楽しめない順番で見てしまったと思います。

投稿 : 2014/03/05
閲覧 : 229
サンキュー:

2

ネタバレ

HG anime さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

遺伝子のルーティーン

日本のインターネット普及率がまだ6%くらいだった1995年のアニメ映画。インターネットやデジタル化の可能性に人々が瞳を輝かせていた当時としてはタイムリーであると同時にユニークな視点からデジタル化に焦点を当てているこの作品には、当時赤ん坊だった私には今になっても分からない魅力があるのだろうと思う。しかし、そんな私でもこの映画は楽しめた。

物語の概略(ミスリードがあったらすみません)↓
ガベル共和国旧体制の統領である革命児マレスは日本国に亡命しており、日本国はODAを要請してきたガベル共和国新政府に対して、①ODA要請を受諾し、マレスを引き渡す②ODA要請を拒否しマレスを引き続きかくまう の二択を迫られている。日本国外務省は米国のニュートロン社と作った『プロジェクト2501』というハッキングプログラムを使ってマレスを犯罪者に仕立て上げ、国内外の反発を最小限にして選択肢①を採ろうと図った。しかし2501が自我を持ち暴走する、というのが中盤までの展開。政治の黒い『調整』が描かれていて面白い。終盤はちょっと味気が変わり、“電脳化人間の子孫と人間の子孫の比較”“人間という存在における『世代(生死)』があることの意味・役割”といったことがテーマといえると思う。プロジェクト2501と素子は融合という形で子孫を残したんだと思う。エンディング直前の幼女義体の電脳人間は2501と素子の子孫だと私は読み取った。
まぁ正直ミスリードがあるかもしれない。この作品は原作ファンにとって過剰説明のないものとなっている気がするから、原作を読んでいない人には不親切な作品だと思う。でも原作を読むつもりもないし、上記のように読み取って満足できたのでそれでいいと思っている。こういう作品は人それぞれ感想が違って然りですからね。
素子の気持ち、なんか分かるな~。誰しも『世界中のすべての物質は自分一人のためだけに存在するのかな』と思ったことがあるんじゃかいかな。神のような人知を超えた存在が自分を取り巻く環境を作っているような気持ち。親や兄弟や友達もすべてプログラミングされているかのような気持ちの悪さ。素子が自分の存在をどこまで信じたらいいのか分からない憂鬱ってそういうことなんだよね。それには自分だけでは答えが出せないと思う。でも人との触れ合いの中で自分の存在に価値が見いだせるのなら、前を向いて歩こうと思える。それでいいんだと思う。

他人にはなかなか切り出せないけれど、人間にしかできない贅沢な悩みを映画にしたような作品。名作だと思う。

投稿 : 2014/02/19
閲覧 : 282
サンキュー:

12

ネタバレ

MuraBustan さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

深い

難解、でも時代を感じさせない。

投稿 : 2014/02/16
閲覧 : 254
サンキュー:

0

ネタバレ

OZ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

名作は色褪せない

1995年に公開された
攻殻機動隊の原点となる作品。

■色褪せない名作■
現在の技術と比べると
見劣りする部分はあるものの
丁寧な作りや拘った音楽
改めて名作は色褪せない
と実感させてくれた。

今回の『Gohst in the Shell』
続編の『イノセンス』は
草薙素子が人形遣いと出会っている世界。

対して『SACシリーズ』は
もし草薙素子が人形遣いと出会わなかったら
が前提のパラレルワールド。

どちらも攻殻機動隊の世界だが
違和感を感じさせない作りに
脱帽するよ。

今の技術でリメイクした物を
観てみたいね。

一体どんな映像になり
視覚と聴覚を
刺激してくるのかなぁ。

■誰も笑わない■
気になった部分と言えば
出てくる登場人物に
誰1人【笑顔】が描かれていない。

唯一笑みを浮かべるのは
清掃員の住居にあるテレビに
写る女性(妄想上の娘?)だけだ。

電脳化された世界は
くつろぎを感じさせず
世界観がそうさせるのか
殺伐とした空気は
充分に伝わったかな。

この作品の世界は2029年。
電脳化もそう遠くない
先の事かもしれないね。

■あとがき■
振り返ると
警鐘を鳴らし問いかける
不思議な魅力のある作品だった。

独特の台詞回しや間が
更に引き立てのめり込める。

今から18年前かぁ。
凄い作品を作るなと
驚かされたね。

満足度 ★★★★★★☆☆☆☆ (6)

投稿 : 2014/02/11
閲覧 : 280
サンキュー:

23

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

近未来への警鐘じゃなイカ?

深みのあるアニメじゃなイカ?構成力も重厚なSFでゲソ♪不死身の草薙素子は最強でゲソ☆こんな未来がいつか来るのか怖いじゃなイカ?

投稿 : 2014/01/09
閲覧 : 187

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ゴーストのない人形は哀しいもんだぜ。特に赤い血の流れている奴はな・・・

1995年劇場公開作品

西暦2029年。他人の電脳をゴーストハックして人形のように操る国際手配中の凄腕ハッカー、通称「人形使い」が入国したとの情報を受け、公安9課は捜査を開始する

押井監督の攻殻機動隊です
個人的には神山監督のTV版の方が好みだけど、押井監督の攻殻機動隊もサイバーパンク的な雰囲気が漂い独自の良い味が出てると思います

バトーさん演じるは大塚明夫さん
はじめの一歩のブライアン・ホークやパトレイバーの五味丘巡査もやってます

投稿 : 2014/01/02
閲覧 : 388

mikosaya さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

評価8

投稿 : 2013/11/13
閲覧 : 284
サンキュー:

0

ネタバレ

りんのす さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

セル画でこのクオリティ

正直、攻殻は私の文章力では伝えられない傑作なのでいつも評価するのを躊躇ってしまうのですが、軽く触れます。(物語には触れません)

とにかくラストの戦闘シーンが圧巻。
セル画というとAKIRAの凄さが際立っているが(年代はAKIRAの方が前だし)私はGISの戦闘シーンも屈指の出来だと思っている。

戦闘シーンに加え私が特に好きなのははじめの、多分「マトリックス」がオマージュ?(丸パクリ?)している制作関係者の名前が出る映像部分とラスト、{netabare}子供素子が田中さんの声に戻りバトーと別れるシーン。{/netabare}

こちらの素子を見てしまうとTV版(神山監督版)素子は女性らしさが結構あったんだなという印象を受ける。それほど素子の強さがより鮮明に描かれているように思う。

光学迷彩の設定もただ見えなくなるのではなく、よりリアルに考えられている。

2.0と初代どちらも鑑賞したが、個人的には初代の方が好み。
確かに映像や音声が綺麗にはなっているのだがところどころ変更しているせいか、映像に違和感が出てしまうから。
また、2.0では人形遣いの声優が男性から女性に代わっているのだが、それはどちらも楽しめるところだと思う。

攻殻の初映像化作品として最高のものだと思う。

投稿 : 2013/11/05
閲覧 : 265
サンキュー:

4

ネタバレ

roro-k さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ネタバレをアナタに,.....。

吾が舞えば麗し女酔いにけり
吾が舞えば照る月響むなり
結婚に神降りて
夜は明け鵺鳥鳴く
遠神恵賜
名曲です。まさかSF作品のテーマ曲がこれとは、ぶっ飛んでます。婚礼の唄らしい
ですネ、内容は.....。
ネットの海でうまれたAI“人形遣い”は草薙素子に提案します。自分と融合して新たな
“存在”にシフトしないかと。

公安9 課に所属する草薙素子もまた自ら改造(脳を残したサイボーグ化)の涯にたどりついた自己の存在の“揺らぎ”にいいしれぬ不安を抱えていました。この時代、自己の脳に蓄積されているパーソナルデータ(記憶、感情など)さえも外部からのアクセスによって書き換えが可能だったからです。実際、超高度なAIである“人形遣い”は不特定多数の人間に対してこの操作を実行していました(もっとも、自ら選んだパートナー、草薙素子と接触する為の“手段”として行っていたようですが....)。

では、“人形遣い”はどうして草薙素子を選んだのか(コレに関しては本編で説明は
アリマセン。リサーチし続けて決定したのか、ただ、単に素子が“好み”だったのか)。
なぜヒトの意識との融合を望んだのか。それは“自己の存在の意義が確立できなかったから”。AIである“人形遣い”はアイデンティティーを望んだのでしょう。ヒトの自我と融合することでより自己を一個の「生命体」として完成させようと考えたとおもはれます。自己の存在にたいする不安。だからこそ、草薙素子に語りかけるのです。
「ワタシたちは、似たもの同士なのだ」と。

最終的にこの二者は融合を果します。最初に挙げた唄の歌詞はこの“婚姻”を唄っているのかもしれません。“人形遣い”は草薙素子だった「存在」のパーソナリティを手に入れ、草薙素子は“人形遣い”のスペックを引き継ぎネットのセカイのなかの“意識的存在”へとシフトしました。さて、ここまでがこのモノガタリの結末の概要です。

以上、究極のネタバレです。しかし公開されてから18 年も経過している作品ですか
ら、スルーしてくださいナ。今更感満載の内容ですしね。..
この作品は、アクションや美術等のビジュアルもハイレベルですが、ひとたびその内容の考察をはじめたら止まらなくなる、でも、それもこういう作品の愉しみのひとつですよネ。
「我考える故に我考える。」タイプの方には、正に“至高の逸品”かと思はれます。

では、前置きはこのくらいにして本題でありますところの
「富野由悠季、押井守、庵野秀明(敬称略)における“神”の定義と作品に於ける汎用の利便性。」に関しての記述を創めてゆきたいと.....,、「おや、誰か来たようだ。」
                  not continue.

投稿 : 2013/11/01
閲覧 : 343
サンキュー:

7

ネタバレ

teji さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

こらは かなり きてますね

マトリックスが 参考にしたのも うなずける

投稿 : 2013/10/10
閲覧 : 298
サンキュー:

1

ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

世界5分前仮説

押井守監督によるの攻殻機動隊シリーズ劇場版第1作。
劇場版は、テレビ版の「攻殻機動隊 Stand Alone Complex(http://www.anikore.jp/anime/475/)」のパラレルワールドという設定です。
世界観がよく似ているのでどちらから入っても大丈夫です。
しかし、テレビ版から見たほうがとっつきやすくていいと思います。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 → http://www.anikore.jp/anime/1798/

イノセンス -INNOCENCE → http://www.anikore.jp/anime/1864/


人間の脳が電脳化され、ネットワークで接続されるようになった時代。
人形使いと呼ばれるスゴ腕のハッカーが、次々と電脳をハッキング。
それを追う公安9課(攻殻機動隊)の物語。


ガッチガチのシリアスなストーリーです。
テレビのシリーズとは異なり、タチコマという癒やし要素が存在していません。
もともとの硬派なアニメがさらに硬くなりました。


目立つ特徴は独特な間。
多くの時間がBGMと動画だけで占められています。
映像と音楽で表現される「行間」です。

しかし、いったんしゃべり出すと嵐のようなテーマ展開。

キーワードは、

・全と個の境界
・生命の定義
・現実と夢の境界

といったところです。
見るだけでくらくらしますね。
でも、そんな哲学を上手に表現するのが、このアニメの持ち味です。


みなさんは、「世界5分前仮説」ってご存じですか?
文字通り、この世界は5分前に生まれたという話です。

「世界は5分前に、5分前の状態で作られた」

別に30秒でも1時間でもいいです。
要するに、「記憶」は本当にあったできごとなのか、それとも植え付けられたものなのか。
それは証明できないという理論です。

このアニメでも似たようなことを表現しています。

自分という個が昔から確かに存在し、今も存在している。
それを証明する手立てはあるのか?
また、これからも個を存続させることはできるのか?

それに対していろんなアプローチをしているのが本作。
テーマは「アイデンティティ」。
カギとなるのが先ほどのキーワードです。


何やら難しいことを書きましたが、簡単に言えば、
{netabare}
素子(もとこ)「機械化しすぎてワケがわからなくなったけど、自分って本当に人間として生まれてここにいるの?」
人形使い「記憶があるんだから自分は人間と変わりがない。でも、自分をコピーで増殖しても進化がない」

機械に近い人間と、人間に近い機械。
さーて、そんな2者が合体したら答えは出るのかしら?
{/netabare}
ということです。

なかなか面白いテーマだと思います。
2度、3度と見ると、テーマにつながる新しい発見があります。
余韻が残り、いろいろ考えをめぐらせてみたくなる、そんな作品でした。

投稿 : 2013/09/04
閲覧 : 1272
サンキュー:

59

コンス さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

色あせない押井ワールド

古臭さを感じないアニメの一つ。

益体も無い事を書くが商業を意識しているときの押井監督の作品は良質だ。

ときおり作るオ○ニー作品の粗雑さは正直きつい。

監督はいわゆる「狭間の世代」だからなのだろうか、お兄さん・お姉さん達が狂乱した全共闘時代に対する憧れがあるのだろう。

それはさておき当作品は近くて遠い未来のお話。

監督の中に過去から現在、そして未来まで続く観念のようなものが背骨として存在するため、硬派な作りであるが破綻していない。

アニメオタクを自認される方々には是非一度視聴をお願いしたい。

投稿 : 2013/08/25
閲覧 : 218
サンキュー:

1

koji6 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

戦闘シーンがかっこいい

ずいぶん前の作品ですが、戦車との戦闘シーンなどは今見てもすごいなぁと思うし、
SFなのに現実感がある描写が多くて、引き込まれてしまったのを覚えています。

もはや陰鬱な雰囲気が持ち味とも思えるこの作品ですが、
観た後にいろいろ考えていると「ああ、確かになぁ」なんて思えたり、
作者はすごく深い思考ができる人なのかなと思います。

超パソコン依存人間の私ですが、PC・ネットなしの環境で暮らすことになったら
今の自分を保つことは難しいのでは?と、そんなことなどなどを考えさせられる作品です。

そんなわけで、15年以上前の名作として近未来物好きの人や
難しいものも大丈夫というような人には特におすすめできる作品だと思います。

投稿 : 2013/08/25
閲覧 : 208
サンキュー:

1

tib さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

良い意味で気持ち悪い?

公開された当時にみて、SACスタートの時に見てという感じで、各シリーズが始まるたびに見直してました。

公開当初に見た時は、完全に意味不明でした。そして、やたらとリアルな作画で、良い意味で気持ち悪いなぁと・・・

他のシリーズよりは、サイボーグ的な感じを全面に押し出してる(声のトーンとか?)んじゃないかなーって思います。

それにしても、全シリーズ通して少佐かっこいい(笑)

投稿 : 2013/08/19
閲覧 : 231
サンキュー:

1

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

何度でも見たい

何回見ても全く飽きません。見れば見るほど新しい発見があります。
気軽に見ることのできる作品ではありませんが、ハマる人は大いにハマると思います。

投稿 : 2013/08/18
閲覧 : 242
サンキュー:

8

yoh123 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

さいこー

色調、雰囲気、音楽、テーマともに、静謐且つ沈滞な調で抑えつつ、戦後の雑然とした混沌とサイバーパンクが恐ろしく自然に絡んでる

最早古典の部類だが、クラシックと言うコトバがこれほど似合う作品も無い

因みに公開はWindows95が世に出る前後であり、インターネットやPCはもとより、ケータイすら一般的でなかった時代だった

投稿 : 2013/08/13
閲覧 : 223
サンキュー:

2

Gentleman さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

85分

投稿 : 2013/07/27
閲覧 : 195
サンキュー:

0

げば さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

まずはSACを観てから

この作品は決して悪いわけではないが、初見ではまず何がいいたいのかよくわからない。
 
海外で評価を受けた名作ではあるが、その評価されたポイントはこの5つの項目にはない、「緻密な世界観」だろう。
 
今は当たり前のようにネットが普及しているが、当時は黎明期にようやくとさしかかる頃だったと思う。
そんな時代に既に、ネットの進化⇒電脳化という未来図を描いているのはすごい発想力だ。
それを緻密に描いているのが最大の魅力だと思う。
で、そういう予備知識を入れずにストーリーのみを観てしまうと…
ん?何したいの?ということになってしまう…
 
タイトルにも書いたが、見てない人はまずはSACを見てから。
多分、SACは面白いと感じるだろう。
そう思ったらこれを観ることをおすすめする。

投稿 : 2013/07/09
閲覧 : 328
サンキュー:

6

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

現実とネットの境界線

体をサイボーグ化し、頭脳とネットが繋がっている人間が存在する未来の社会が舞台。人間の能力が機械によって発達したため、人間が起こす犯罪も高度化してしまう。ネットから電脳に入り込み、義体を乗っ取るという犯罪が発生する。電脳と義体を乗っ取られた人間は気づかないうちに犯罪の片棒を担がされる。そのため、犯人の特定及び目的が掴めない。それを公安の特殊部隊が頭脳戦と格闘戦で追いつめていく。

サイボーグ化が進んだ世界では人間と機械の境界線が曖昧になり、自己認識を人間であるとする拠り所は脳ミソとそれが造り出すゴーストであるというところが印象に残った。

投稿 : 2013/06/16
閲覧 : 393
ネタバレ

たっくん。 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

個人的な感想

アニメを見た後に見たんで、映像がかなりきついものがあった。

内容も哲学的な部分が強く、アニメの印象が強かったためあまり入り込んで見ることができなかった。
そして正直もう1回見ようって気にもならない。

投稿 : 2013/06/10
閲覧 : 262
サンキュー:

0

h02dvvd さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

普通におもしろいですよ

【萌え】☆☆☆☆☆ 【シリアス】★★★★★
【ヒューマンドラマ】☆☆☆☆☆ 【アカデミック】★★★★★
【ギャグ】☆☆☆☆☆ 【演出】★★★★☆

 前評判を読む限りでは「難しい」という印象を受け、観るのを少々ためらっていた押井版攻殻。しかしその心配は杞憂でした。素直に楽しめなおかつ深い作品です。
 攻殻機動隊の世界が何の説明もなしに展開されるのでシリーズ初見はつらいでしょう。ひとまずSACから見始めることをオススメします。で、SACを好きになったならこの作品にGO!

 神山攻殻が情報ネットワーク・義体が社会にいかなる影響を与えうるかという社会学っぽいことをやってるのに対して、押井攻殻は「人とロボットってだいたい一緒じゃね?ゴーストなんて幻想じゃね?」という身体論っぽい話題を扱ってます。(身体論も社会学の範疇だけど、押井さんの場合は社会が全く入り込んでこないというか、全て個人レベルで話が進んでいる印象。)監督によって攻殻の世界から切り取る要素が変わってくるのも面白いところで、その点ARISEの黄瀬さんはどの辺をぶち抜いてくるのか楽しみ。

投稿 : 2013/06/01
閲覧 : 255
サンキュー:

3

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

攻殻シリーズを観始めました。最初はこれからでいいんだよね?

攻殻ARISEを友人と見に行こうと話していく中でそういえばこのシリーズってまったく手をつけていなかったので視聴。

上映開始が一番古かったのでこちらから見始めることに。

とりあえず前知識がまったく無かったので電脳とか物語の背景がわからなく一時停止してwikiとにらめっこ(笑)

概要が掴めてきて盛り上がってきたところで終了。映画だからこのくらいでいいかもしれませんね。どちらかというとアニメーションよりな作品と感じました。結構昔の作品でしたがそこまで作画は気にならず。

ので今は攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXを視聴中。イノセンスをどのあたりで見るか迷い中

投稿 : 2013/05/30
閲覧 : 289
サンキュー:

7

sawako さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

革命的ではあった。

映画マトリックスなど様々な映像クリエイターに影響を与え、現在も世界で注目され続けている点では、日本アニメの革命的作品
最初見たのは中学とかだったが、とにかく意味不明だった。

投稿 : 2013/05/26
閲覧 : 214
サンキュー:

0

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

原点

個人的に大好きな作品です。
攻殻シリーズは全て視聴しましたが、
TVシリーズはそこまで楽しめたとは言えませんでした。

確かにTVシリーズは面白かったです。
ですが少しエンタメ性を突き詰め過ぎてこの映画独特の世界観がそちらに継承されていたとは思えないのです。

先ず、続編のイノセンスはアクションも比較的多くこちらよりも見やすいかと思います。
正直な話、好き嫌いが分かれる作品ではないかと思います。
なのでTVシリーズが好きな方には詰まらないと感じてしまうこともあるのかもしれません。


まあそんなことは置いておきましょう。

今こうして存在している現在。
自分が自分である不思議。

そんなことを掘り下げたのがこの作品と僕は感じています。
エヴァンゲリオンが「個」と「他」の関わりを表現したものだとしたら
この攻殻機動隊は「私は誰」という深い、泥沼にはまる様な問に対する葛藤や困惑を非常に良く表していると思います。

この攻殻機動隊の様な「個」の思考範囲が電脳という技術によって拡張された世界だからこそ強調される自我の危うさはよくよく考えてみると今現代に生きている我々にも当てはまることがあります。
そもそも本当に何も変わらないものとはあるのでしょうか。
「私は私!」と主張するのは簡単です。
ですがそれを証明することは非常に難しいものです。
後天的に「自分」というものに貼られる「属性」や「関係」のラベルを剥せば何もないことに気付くはずです。
タイトル通り、肉体という殻(Shell)の中に存在するとする魂(Ghost)とは何でしょうか。

メタ的なことばかり羅列しましたが
非常に楽しめる作品だと私は感じます。

ただアクションを期待する方には物足りないと感じるかもしれません。
古い作品ですし作画の劣化を指摘する声もありますが、そこまで気にすることもないと僕は思います。
長くなりましたが「自分って何?」という問いを持ったことのある方にはお勧めしたい作品です。

投稿 : 2013/05/18
閲覧 : 202
ネタバレ

しゅんこう さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ジャパニメーション。

世界に影響を与えた高いクオリティ。
非常に現実的な世界観に魅了される。
CGを初めて大量に取り入れた作品でもある。
ありとあらゆる面でアニメの方向性を考えさせられる作品。

投稿 : 2013/05/09
閲覧 : 244
サンキュー:

2

ネタバレ

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』作品紹介と総評+考察「心と身体の観念①」

士郎正宗の原作漫画のアニメ化作品。
押井守監督の代表作であり、世界を驚かせた作品でもあります。
アニメ好きなら、一度は通らざる終えない作品ですね。

”サイバーパンク”と呼ばれるジャンルに含まれる作品で、電脳化・義体化(アンドロイド化)するのが一般的になった近未来を舞台に、以上犯罪やサイバー犯罪の対策を行う「公安9課」の物語です。

(あらすじ)
他人の電脳をゴーストハックして人形のように操る国際手配中の凄腕ハッカー、通称「人形使い」が入国したとの情報を受け、公安9課は捜査を開始するが、人形使い本人の正体はつかむことが出来ない。
そんな中、政府御用達である義体メーカー「メガテク・ボディ社」の製造ラインが突如稼動し、女性型の義体を一体作りだした。義体はひとりでに動き出して逃走するが、交通事故に遭い公安9課に運び込まれる。調べてみると、生身の脳が入っていないはずの義体の補助電脳にはゴーストのようなものが宿っていた。(wikipedia参照)

”サイバー犯罪追跡”の側面と同時に草薙素子の”義体化故の葛藤”が描かれており、ストーリーは非常に難解な物となっています。それ故に1回の視聴だけだと展開に置いてけぼりになってしまうことが多いと思われます…。設定やストーリーが難解すぎるという点で、敷居が高い様に思われがちですが、作品視聴前にある程度用語や設定の予備知識を持っておけば問題ないと思われます。

作画に関しては細部まで細かく書き込まれ、非常に美麗です。個人的な好みなのですが、押井監督の陰影の使い方がとても好きです。暗がりに光が差し込まれる描写がとても綺麗なんですよね。

また、本作はハリウッドにも多大な影響を与え、ウォシャウスキー兄弟の『マトリックス』は本作を元に作られたと言われています。

さて、ストーリーが難解なこの作品ですが、ここで少し哲学的な解釈を展開したいと思います。
テーマは「人間と機械の境界線」についてです。

{netabare}本作で描かれている素子の葛藤とは、「自分は本当に人間なのか、それを証明する物がない」という物です。脳と脊髄の一部以外を電脳化・義体化を施した素子の身体は、言うならばほとんどアンドロイドも同然。”自分が人間なのか、または機械なのか”ということが非常に曖昧な状態に陥っています。それを証明する物は”ゴースト”と呼ばれる「心・魂」の類いの概念で、残念ながらそれを実感または知覚する事は出来ないのです。

この”心と身体”については、哲学的な観点でとらえると”心身問題”と重なる部分が非常に多い。
この”心身問題”には大きく分けて2つの視点があります。

1.”二元論”=心と身体はそれぞれ存在し、それらの相互作用によって人間の行動は為される(心≠身体)
2.”一元論”=心と身体が存在論的に異なるものだという主張を認めない(心=身体)

本作において、心(ゴースト)と身体(電脳・義体)は別の存在として描かれているため、”二元論”的な観点で考えていきたいと思います。


・”二元論”とは
フランスの哲学者ルイ・デカルトによって「心と身体それぞれが実体として区別される」という”実体二元論”が提唱されています。これは「心と身体の本質はそれぞれ異なり、相互に影響し合う」という考え方です。つまり、心と身体はそれぞれ存在し、それらの相互作用によって人間の行動は為されるという物です。しかし、この実体二元論には「性質の異なる心と身体がどう作用し合っているのか」という事が解明されず、その後の哲学において重要となりました。(イギリスの哲学者ギルバート・ライルはこれを”機械の中の幽霊(GHOST IN THE MACHINE)”と批判しており、これは本作の題名『GHOST IN THE SHELL』の元ネタに思われるます。)

では、その批判の内容とは何か?
簡単に言えば、”心と身体”の相互作用(因果性)は単一ではないということ。それらの因果性には、機械的(行動)なものと心的(感情・知覚)なものと二つがあるからです。つまり、心的状態(心)はある行動を引き起こす傾向に過ぎず、心的状態に因果的関係を認めてはならないということですね。この先は”一元論”の話になってきますので、この辺りにしておきましょうか…。


・素子の葛藤
さて、本題に戻りましょうか。素子の本当の葛藤とはなんだったのでしょうか?
私の考えでは、上記の批判内容が非常に重要に思います。

身体のほとんどを電脳化・義体化した素子にとって、一番の懸念要因は自身の”ゴースト”の存在です。魂は身体と結びつくという二元論的観点からすると、機械の身体に果たして魂は宿るのかということですね。

自身の行動によって”機械的因果性(身体を動かす事)”は実感できても、認識や知覚などの”心的因果性”は実感出来ない。このため、自身がプログラムによって構築された人格である可能性を否定出来ないわけです。このことから、素子は自身の”心的因果性”を模索し、知覚しようと試みます。

その事が露になっている有名なセリフがあります。
「そう囁くのよ…私のゴーストが。」

この”ゴーストの囁き(直感)”こそが魂の存在を自身で実感出来る物であり、自身が”人間”である拠り所となっています。つまり、”心的因果性”への固執ですね。

これは、自身が”人ならざる物”という事を知覚してこその葛藤だと言えるでしょう。その点でも、やはり”人間と機械の境界線”が曖昧になった事が元の発端だとも言えます。


・曖昧になった”人間と機械の境界線”
人間と機械というのは本来は別の存在で、相容れない物だと私は思います。
心臓ペースメーカーを例にとって考えてみましょうか。これは不整脈疾患や心不全治療の為に体内に埋め込むのが通常ですが、”体の一部”とは言えません。如何に生きる上で必要な物であって一心同体であっても、ペースメーカーを自身の意識で作動させる事が出来ないからです。

しかし、本作の世界では自身の意識によって自由に操作・動作出来る”義体”が存在します。果してこの場合の義体は、”自身の一部”なのか?こう聞かれると、非常に曖昧に感じますよね。

しかし、これが曖昧になってしまう理由というのは、ただ単に身体に機械を組み込む事だけが理由ではないと思います。と言いますのも、もともと人間の身体が曖昧な部分が多分にあるからです。

例えば、”伸び縮みする身体”という現象があります。
これは、熟練したドライバーの車幅感覚や経験と実績によって生まれた職人技の様な、所謂”名人技”に見られる現象のことをいいます。人間の身体(主に感覚)は、個人の能力や意識の在り方によって拡張・収縮されるという物です。

いくら形がハッキリとした物であっても、曖昧な物と掛け合わせると、最終的には曖昧な物しか生まれないという事でしょうか。”科学技術が発達したとしても、人体に手を加えてはならない”という警告に近いもの感じました。

人間と機械の境界線が曖昧になって、もう一つ曖昧になったことがあるのですが…この事は続編の『INNOCENCE』に通じる内容になりますので、そちらのレビューにて記述したいと思います。(続く) {/netabare}

(2/10:改稿)

投稿 : 2013/02/19
閲覧 : 443
サンキュー:

29

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

世界は広大だわ

人々が脳をネットワークに接続した未来を描いた世界
そこで起こる犯罪と、これを取り締まる警察組織
記憶すら改竄される可能性のある世界で、人々は個を保つことが出来るのか?

この物語の中で人形使いとの戦いの中、主人公はある重大な選択をするのですが、これは社会に囚われ、個を保つことの重大性を忘れ、自らの道を探すことをしなくなった人々への暗喩となっています。


そう、世界は広大なのです。

投稿 : 2013/02/04
閲覧 : 222
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のストーリー・あらすじ

他人の電脳をゴーストハックして人形のように操る国際手配中の凄腕ハッカー、通称「人形使い」が入国したとの情報を受け、公安9課は捜査を開始するが、人形使い本人の正体はつかむことが出来ない。そんな中、政府御用達である義体メーカー「メガテク・ボディ社」の製造ラインが突如稼動し、女性型の義体を一体作りだした。義体はひとりでに動き出して逃走するが、交通事故に遭い公安9課に運び込まれる。調べてみると、生身の脳が入っていないはずの義体の補助電脳にはゴーストのようなものが宿っていた。(アニメ映画『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1995年11月18日
制作会社
プロダクションI.G
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/GHOST_IN_THE_SHELL_/_%E6%94%BB%E6%AE%BB%E6%A9%9F%E5%8B%...
挿入歌
Fang Ka Wing『毎天見一見!』

声優・キャラクター

田中敦子、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大木民夫、玄田哲章、生木政壽、家弓家正

スタッフ

原作:士郎正宗(講談社刊『ヤングマガジンKCDX』)、 監督:押井守、製作:宮原照夫/渡辺繁/ANDY FRAIN、プロデューサー:水尾芳正/松本健/KEN IYADOMI/石川光久、絵コンテ:押井守、脚本:伊藤和典、演出:西久保利彦、キャラクターデザイン・作画監督:沖浦啓之、作画監督:黄瀬和哉、メカニックデザイン:河森正治/竹内敦志、銃器デザイン:磯光雄、美術設定:渡部隆、美術:小倉宏昌、色彩設定:遊佐久美子、撮影:白井久男、編集:掛須秀一、音楽:川井憲次、音響:若林和弘

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