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「機動警察パトレイバー2 the Movie(アニメ映画)」

総合得点
78.6
感想・評価
357
棚に入れた
1829
ランキング
547
★★★★★ 4.2 (357)
物語
4.3
作画
4.3
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.2

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機動警察パトレイバー2 the Movieの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

だから!遅すぎたと言ってるんだ!!

 全113分。原作は未読。

 かなり良かったですね。。。押井作品の中ではトップクラスに好きかも。

 アニメというよりはハリウッド映画、ドラマであり、アニメっぽい過剰な演出は控えてます。世界観や登場人物の語りがリアルであり、もの静かではあるもののなおかつちゃんと緊張感のある演出がすばらしかったですね。
 そしてメッセージ性にひかれました。「画面の向こうに押し込めた戦争」、「偽りの平和」というところが僕の好みにフィットしました。

 押井作品にいままであまりハマれなかったのは、メッセージ性にのれなかったのがあると思う。例えば「人間と人形の違い」とか「機械化が進んだ人類のアイデンティティ」などは、聞いたところで「ふー-ん、、、だから?」とあまり関心はなかった。だから題材に共感できればすごく面白かったんだと思う。

 会話劇や夜の暗いシーンが続くため、割と退屈っちゃ退屈かもしれないです。会話の内容も難しいため、どういうことなのか理解しながらでないとついていけなくなりますね(ぶっちゃけ僕もあんまりついてけてない)。だから見返すなり解説を読むなり理解できればとても面白いと思います。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2023/03/10
閲覧 : 277
サンキュー:

14

ネタバレ

祇園 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

だから!遅すぎたと言ってるんだ!!!!!

投稿 : 2022/06/13
閲覧 : 143
サンキュー:

2

ネタバレ

tinzei さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

一気に攻殻っぽさが出たな

初期ovaの甲斐みたいな話で思想も少し似てるような?


前作の映画もシリアスだったけど、今作は攻殻に近いような作品。

投稿 : 2021/05/30
閲覧 : 203
サンキュー:

2

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ロボットものというより群像劇ととらえたのね

パトレイバー観なおし

2は昔何度か観たけど覚えてなく
また観たけど。。。また忘れちゃうな。。

パトレイバーというフォーマットを群像劇ととらえ
キャラを役者として
押井さんのやりたいことしたという感じ

パトレイバーじゃなくてもいいかなぁという感想

アニメ夜話がたまにあがってますが
映画の1は基本設定にのっとってくれましたけどね。。あとは。。
っと関係者が語ってましたが、そんな感じ

南雲さんのキャラと声が好きだと思うので実写は実写なのに声優で南雲さんが不思議出演してましたが
押井さんはなんで南雲さんをテロよりにするのだろうか

本作はもう観ないけど
戦闘ヘリ、テロ、竹中直人のキーワードは
実写観るとき少し面白いのかなと

なんか竹中直人さんが演じた荒川は攻殻の合田一人とかぶって見えたのはわたしだけ。。💦

クォリティは今観ても凄いとは思いました

投稿 : 2021/04/24
閲覧 : 243
サンキュー:

3

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

賛否両論あるが僕は好き

最近、北米ハリウッドでは大物プロディーサー、ハーヴェイワインスタイン(タランティーノの一連の作品、グッドウィルハンティングなどのアカデミー賞受賞作多数)が大物女優の新人時代にセクハラを行っていたことが発覚し、アメリカの社会問題にまで発展している。中には本当にレイプされた女優までで出てくるだけでなく、マット・デイモンやベン・アフレック、映画監督のタランティーノまでその事実を知っていたのにも関わらず黙秘していた。。。

この際だから、日本にも当たり前だが芸能界(声○界は特に)というものはほとんど当然のごとく闇の巣窟だといっていい。。。

アニメ以外の仕事は基本的にノータッチなので、あえて伏せるがネットを検索すれば色々載っているので、大半はガセネタだが、一部は事実だ。しかも本人自ら公言しないのでタチが悪い。悪いと思っていないなら本名で行って欲しいものだ。

AV問題もそうだが、こういった業界は基本的に堅気の仕事などでは決してないヤクザな商売だ。作る方はお金で雇われているので納期やら品質やらで大変だが、役者はどうだか。。。

そのことを押井監督は知っているので、敢えてこういった社会批判的な作品を堂々と作れたのは羨ましい。今だったらスポンサーやプロデューサークラスが絶対に許さないだろう。

業界にいた人間にとっては話題に出ないことがない作品。




以降、2008年のイギリスの犯罪映画「THE BANK JOB」(ジェイソン・ステイサム主演)のネタバレ有り







余談だが、これは1970年代のイギリス王室や警察、政治家、官僚が売春やら乱交していた事実を写した写真を当時のイギリス黒人差別撤廃運動家マイケルX(アメリカのマルコムXに影響された人物でありマルコムXではありません)が密かに所持しており、国家機密としてMI5(国家内務保安局)がもみ消すために犯罪組織を雇って所有しているベイカーストリート銀行を襲わせる。という映画であるが、脚色しているものの一部を除いてすべて事実であるらしい。映画ではとあるポルノ業界を締めているイギリスマフィアが警察に賄賂と女をあてがわせていたことを記した手帳も金庫から出てきたりして、主人公(ジェイソン・ステイサム)含む犯罪集団がマフィアからも警察からも追われる羽目になるわけだが。。。

こんな事を書いているからといって僕自身は消されないので安心してください。重要なことは語っていないので(ていうか、辞めたので)

投稿 : 2021/02/20
閲覧 : 692
サンキュー:

13

ネタバレ

saitama さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

いま観てもハマる押井ワールド。これが攻殻機動隊へ繋がる。

劇場版パトレイバーは1も2も面白い。

そうなんだけど、この2はとくに押井守監督の押井ワールドが感じられる。
うる星やつらビューティフル・ドリーマー、そしてこのあとに続く攻殻機動隊。

このパトレイバー2は、画は攻殻機動隊の元なんだけど、演出は明らかにビューティフル・ドリーマー。

結局のところ、ビューティフル・ドリーマーも、パトレイバー2も、攻殻機動隊も、作品として昇華したものが、それぞれ違うだけで、設定というか世界観はすべて押井守。

そこがすごくいい。ハマる人は絶対にハマる。

このパトレイバー2や攻殻機動隊が、その後の実写ドラマや映画にも、さまざまな影響を与えたのをすごく感じる。

例えば踊る大捜査線なんて、押井守作品演出の数々を丸パクリしてる。
本広克行はパクるのが巧かっただけで、才能があったわけじゃないんだなって、押井守作品をみればみるほどわかる。

その押井守も学生時代に年間1000本単位で映画を見ていたそうだけど、やはり若い時代にどれだけ知識を吸収したかがその後の世界観というか、演出の引き出しにつながるのだなと。

押井守もパクリはたくさんしただろうが、それはもっと高尚な、数あるなかからふるいにかけ、洗練されたなかから、形を変え、自分好みを見つけだしたのだろう…。そこが本広克行とは違う。才能レベルが桁外れに違うと痛感する。

押井守みたいな才能を感じさせる人って誰だろうと思ったとき、ギレルモ・デル・トロはそうだなと思った。やはり若いときに蓄積した情報量が圧倒的。そういう人だからこその感性や引き出しの数々。

世界のメジャーになりきれなかったけど、才能だけなら、間違いなく世界のメジャー監督たちと肩を並べるであろう、押井守らしい作品。

投稿 : 2021/01/25
閲覧 : 285
サンキュー:

6

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

まじでおもしろいからみんなみて

近代ロボットを限界までリアリティを作りこみ、
稀代の天才たちが集まった…

とか書きたいけど、
ストーリーとは、
表現とは、
SF、近未来を説得力を持って描くとは
の教科書の様な映画。

じゃなんで、満点じゃないのって言われたら
原作から特車二課がかわっちゃったのがさびしいから笑
あとこの映画も最高なんだけど、やっぱり映画としては
前作の方が好きなんだよねぇ…

一つだけ、
見てすらいないのに最低評価つける奴って
まじで幼稚すぎるよ…評価つけられない様にか
BANしてほしいわ…
原作が嫌いだから~とか、生理的に受け付けない~とか…
評価って見てからするもんでしょう?
ただの嫌がらせじゃん…
アニメから何を学んでるんだ…

投稿 : 2020/08/23
閲覧 : 234
ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2回目2016.12.31以前

2回目2016.12.31以前

投稿 : 2020/04/24
閲覧 : 194
サンキュー:

0

ネタバレ

狗が身 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 2.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

完走した感想。

劇場版の前作が素晴らしい内容だったのに比べて、本作はイマイチだった。
作品のリアリティーや演出といった面だけでいえば相変わらず凄いんだけど、今回はストーリーもキャラも駄目。

今回の敵役である柘植行人は前作の帆場暎一にどうしても見劣りする。
危うい均衡の上に成り立つ日本の【平和】に警鐘を鳴らすも、聞き受けてもらえないからいかにその平和が脆いものかを実感させてやる! という話なんだけど…所詮、妻子がいるにも関わらず自分が開いた学校の研修生と不倫関係に堕ちる程度の人間なので、何を喋っても軽いんだよなぁ…。

せめて南雲隊長との関係が戦地で、とかならまだしも…。

で、最終的に柘植を選んだ感じの演出になった南雲隊長にしてもそこまで柘植を思うに至るものが全然見えてこないから、正直かなり後味が悪かった。

全体的になんというか…あんまり見所のなかった感じ。キャラに自分の主張を喋らせるのに夢中でキャラクターらしさも弱くなってしまっているし、パトレイバーという作品の面白みにも欠ける。
「そういうのは自分のオリジナル作品を作る時にでもやって?」と言いたくなった。

投稿 : 2019/01/09
閲覧 : 288
サンキュー:

4

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

パトレイバーじゃなくて良いよね!

アニメーション制作:Production I.G
1993年8月7日に公開された劇場版アニメ。
監督は、押井守。

【概要/あらすじ】

1999年。紛争地域となっている東南アジアの某国で、PKO部隊として参加中の日本の陸自レイバー小隊は、
武器の使用の許可が降りないがために反政府軍の敵襲に無防備を強いられて壊滅。

2002年の冬。横浜ベイブリッジを爆破されるという事件が勃発。
当時の状況が撮影されたビデオカメラには戦闘機らしき飛行物体の機影が映っていた。
それが自衛隊の所属機体であるとして、容疑がかけられる。

その一方で、南雲課長代理と後藤隊長へ面会をしに陸自の情報部員の荒川という男が特車二課に訪問する。
荒川が言うには事件の首謀者は3年前の例のPKO部隊の隊長であった“柘植行人”だとして捜索協力を依頼する。

そしてまた、事件が起こり、
自衛隊の国家への叛意を警戒する警察 vs 冤罪なのに国に汚名を着せられたという形の自衛隊 の対立が深化。
相互不信で不穏な空気が増していく東京。
それは、平和ボケした日本人の危機感を煽るために柘植が描いた「東京戦争」のシナリオの内なのであった。

【感想】

私から観たパトレイバーというのは警察を舞台にしたロボットエンターテイメントであり、
泉野明巡査の、乗機のイングラムに対する情の深さとレイバー乗りとしての成長の物語。
そして、特車二課のイングラムと、シャフト製の黒いレイバー・最強の敵であるグリフォンの対立軸。
ゆうきまさみによるノンポリ指向の漫画版が正しくそうなのでありますが、
本作品では特車二課は代替わりして今までのメンバーは後藤隊長と山崎ひろみ以外は蚊帳の外。

この映画では、特車二課第2小隊の隊長である後藤喜一警部補を主役に異常事態となった首都・東京を舞台に、
物語の6割がオジサン達の『この国は~』『平和とは~』のイデオロギー問答に費やされる。
終盤に泉野明たち旧メンバーが再結集しての戦闘シーンがあるものの、彼女たちの出番はおまけ程度。
レイバーの役割が武装装甲車となんら変わりなく二足歩行の手足がついたロボットアニメとしての醍醐味が皆無。
対米追従の日本政府の拙い対応が事態の深刻化を引き起こす。組織の論理で正義が存在しない警察。
平和ボケした日本と権力への批判色が強く、完全に政治論議が目的のアニメ。

1990年代前半の日本で考えうるハイテク描写。ロケに基づくリアルな東京の街並み。
空自F-16Jの飛空シーンなど映像の完成度は高く、緊迫感のある画面。
モブやガヤに声優の素人を起用してリアル感を演出するなど、
実験的な試みが多く映像作品としては凄いと思える部分が多々なのですが、
頭でっかちに過ぎて、エンタメ成分に勝ちすぎている感じ。
内容も押井節が全開過ぎて、だからこそ熱烈なファンがいるのも頷けるのでありますが。

アニメ作品というより押井守監督作の日本映画を観ているような感覚。

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』に引き続いて作品のガワだけ借りて、
押井守の頭の中にある理論の具現化に終始している作品ですよね。パトレイバーでやる必然性が皆無。

同世代の他アニメ作品と比較しても非常に卓越した作画や演出の高さは理解できますが、
個人の感性として、とっつきにくい内容であると思いました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2017/03/29
閲覧 : 293
サンキュー:

34

ネタバレ

赤坂 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

シリアスなアニメ映画の最高傑作

サウンドトラック、作画スタイル、作画のクオリティの何もかもがシリアス。所謂「90年代のアニメ特有のTV版と対照的に無駄にシリアスな劇場版」の一つで、その中でもダントツにシリアスな部類に入る。展開、作画面ではパトレイバー劇場版一本目で残っていた「アニメらしさ」も更にそげ落とし、しかしアクションエンターテインメントとしても高水準に位置する作品。

サウンドトラックに関しては、「取り憑かれる」と言った表現が最適な美しい曲が揃っていて、是非高級なヘッドホンで埋没したい。

架空の部隊である特車二課のみならず、自衛隊の登場するシーンもスクリーンタイムを大幅に占める。渋いミリタリーオタクには堪らない部分だ。

プロットは押井守特有の意図的な難解さ、哲学的表現の引用が見られるが、基本的にはシンプルで筋の通った分かり易い物になっている。

ロボットでは無く人間ドラマが主役のパトレイバーシリーズの劇場版として正当でありながら、これまでのパトレイバー作品とは百八十度違うシリアスなストーリーを描ききった名作だ。

投稿 : 2016/02/15
閲覧 : 257
サンキュー:

4

ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

★激烈硬派!?日本社会派サスペンス作品

■評価
テーマ性  :★★★★★ 5.0
エンタメ度   :★★★   3.0
シリアス度   :★★★★★ 5.0
緊迫度   :★★★★★ 5.0
おススメ度 :★★★★☆ 4.5

■ストーリー
ある日、横浜ベイブリッジが突如爆破される事件が発生する。
特車2課後藤隊長や南雲隊長はこの事件にPKOに派兵され行方不明となって
いる元自衛官の柘植が関係している事を突き止めるが、はたして柘植の
テロの目的とは何か?日本の戦争と平和について問う社会派サスペンス作品

■感想
本作は1993年に日本の『戦争と平和』というテーマを、当時発生した事件を
元に作成された作品であり、今そこにある危機をシリアスに描いた社会派
作品です。

本作はパトレイバー作品にも関わらず夢も希望の欠片もありません。
ただこの作品はテロの真相を捜査していく過程で、後藤隊長を中心に終始
日本の戦争と平和について語られる圧倒的なセリフまわしから『日本は既に
戦争をしてしまっている』という明確な事実として存在する『現実』を突き
つけてきたのには正直驚かされます。この事実と現実を前に刻々と事態が
悪化していく先の見えない話こそが、不正義の平和を享受してきた日本人の
倫理観と、虚構の正義を掲げる世界の倫理観との狭間でゆれる先行き
不透明な現代日本の姿と重なってみえます。

この突きつけられた現実をお説教として受け止めるかは視聴した方それぞれ
ですが、これほど現代の日本の戦争や平和への倫理観に深く踏み込んで強い
メッセージと危機感を問う作品は希少に思います。
作品が製作された時代背景を思えば、ここまで政治臭や軍事臭が漂う作品を
緻密な脚本と作画でアニメとして表現している点も非常に興味深いです。
また登場するキャラに対しても、本来のパトレイバーという作風からは
大きく外れていると思いますが、後藤隊長や南雲隊長の様に組織上層部の
矛盾や汚点を容赦なく指摘し、正しい方向に修正しようとする。
こういった本来現場にいてほしい正義漢として描かれている事にも好感が
持てます。悪い点は頭の切れすぎる後藤隊長のセリフから、押井流のナルシ
ズムやニヒリズムといったものが端々に垣間見えるので、一歩距離を置いて
しまう方もいると思います。

総じて個人的には説教くささは感じず、何かシリアスなドキュメンタリー
作品を見た様な感覚です。この作品が提示する現実を本気で考える機会を
与えてくれる作品と感じます。お気軽には見れませんが、現代を少し考えて
みたい方にはおススメいたします。一旦ここでレビューをしめさせて頂き
ます。ご拝読有り難うございました。

最後に本作の元になった事件や時代背景、そして現代の日本が抱える戦争と
平和についての問題点をまとめました。ネタバレや閲覧して不愉快になる
内容も含んでいると思いますので嫌な方は読み飛ばしてくださいm(_^_)m。
{netabare}
■MIG25亡命事件
1976年9月6日:旧ソ連軍(現ロシア)の最新鋭戦闘機ミグ25が、突如北海道の
函館空港に強制着陸し、ミグ25に搭乗していたソ連軍ベレンコ中尉が米への
亡命を要求した事件になります。この事件はミグ25が日本防空網を易々と
突破したという事実が大きな話題を呼びましたが、実はその事後の日本政府
の対応こそが致命的な問題として指摘されています。
この事件の直後、アメリカ政府(大使館)から北方領土にミグ25を奪還&破壊
を目的としたソ連軍特殊部隊(スペナズ??)が集結している可能性があると
いう報せを自衛隊が受けた事を発端に、自衛隊から速やかに日本政府に武力
使用の防衛許可を求める『防衛出動命令書』を嘆願しました。しかし当時の
三木武夫総理の内閣側は国内支持率の低迷と倒閣の危機にあったため、これ
以上の政局悪化を避けるために自衛隊からの要請を無視し続けたのです。
またそればかりかミグ25の警備および捜査権限を警察にのみ与えた事で、
函館空港で警察と自衛隊がにらみ合いを続けるという事態にまで発展しま
した。この成す術もない状況から、当時の自衛隊の幕僚長や連隊長をはじめ
とする現場指揮官達は動かない上層部(政府)を切捨て、自らが戦犯責任を
とる覚悟をもって函館駐屯地の隊員全員を武装させ、防衛出動がなされたと
言われています。結果として特に有事に発展する事はなく事なきを終えまし
たが、当時の政府側はこの事件の真相を隠蔽し、これまで明かされる事は
ありませんでした。利己主義に走った日本政治家によるシビリアンコント
ロールの崩壊や個別的自衛権の曖昧さを示唆した事件と言えます。
後藤隊長や南雲隊長の様な傑物が当時の自衛隊にいた事に少し安心感を
覚えます。

■自衛隊PKO派兵問題
PKOとは国際平和維持活動の略称であり、第三国における地域紛争が
発生した場合に、国際連合各国から派兵される国際平和維持軍(PKF)が
紛争に介入し、紛争解決・停戦監視と治安維持を目的とした活動の事。
日本では1991年に勃発した湾岸戦争で、海上自衛隊がペルシャ湾での
掃海活動(機雷撤去)に参加した事を皮切りに、1992年6月にPKO法案
(PKO協力法)を制定し、同年7月に本作で登場したカンボジアの紛争地帯に
自衛隊を派兵しました。この時に問題となったのが、海外派兵自体が
憲法違反の可能性がある事や自衛隊の武器使用を大きく制限している事が
議論を呼びました。日本は憲法第九条の観点から厳格に武力行使を制限
しているため、武器使用の定義が曖昧であり、他国PKO部隊や海外で活動
する自国民の護衛や自軍への攻撃に対する武器使用も制限されていると
同然の状態となっていました。またこの派兵でカンボジアに文民警察官
として参加していた高田警部補がオランダ軍の護衛を受けてパトロール中に
ゲリラの襲撃を受け殉職されています。
その後も日本は1994年ルワンダ紛争、1999年東ティモール紛争、2001年
アフガン戦争、2003年イラク戦争、2011年~2014年現在も南スーダン紛争
に派兵し、日本は人道支援・物資補給・インフラ整備という形で国際法に
則り戦争に参加しています。こういった国際平和協力という観点で今現在の
日本は集団的自衛権という問題でゆれています。あくまで私の予想ですが、
この様な背景から現状の安部政権はリスク覚悟で集団的自衛権を容認し、
有事の際(中国による侵略)を念頭に国連(特に米)からの軍事協力を狙って
いるのではないかと考えています。

ここまで記載するとあくまで集団的自衛権の承認や憲法九条の改憲に
一方的に誘導している様に見えてしまうため、違う観点での情報も
記載しておきます。

■大国(米国・ロシア)の掲げる正義の戦争とは?
日本が集団的自衛権を容認する事でリスクがあると記載しましたが
それは大国の掲げる正義の戦争に疑問が残るからです。これまでの
日本の自衛隊がPKOに派兵した紛争の要因を調べていくと、米国とロシアの
パワーゲームのための内政干渉や利権争奪が紛争の要因と絡んでいる事が
理解できます。(米ソ冷戦の影響)

◎カンボジア紛争
米はベトナム戦争時に当時中立国であったカンボジア国内に点在する
ベトナム軍基地を攻撃するため、当時の中立派であった国王を軍事クーデ
ターにより失墜させる事をプロデュース。このため国王派と将軍派で紛争が
勃発し泥沼に。またベトナム戦争も元々は米ソの代理戦争です。

◎湾岸戦争
イラン・イラク戦争時に反米を掲げるイランの対抗馬として、米はイラクを
軍事面および金銭面でプロデュース。しかし戦争終結後にイラクから戦費の
返済がない事から米は食料などの輸出を停止。困窮したイラクは石油の
違法採掘を行い石油価格を下落させているクウェートへ軍事進行。それを
止めるために米などが軍事進行し戦争勃発。

◎アフガン紛争・戦争
1978年に樹立したアフガンの共産主義政権をめぐり、両者の石油政策上の
利権から政権側を旧ソ連がプロデュースし、反共産主義のアルカイダを米が
プロデュースする事で内紛が発生。ところが米ソ冷戦が終結にむかうととも
に上記事案を米ソは放置し撤退。途中で放棄した米に恨みをもったアルカイ
ダが2001年に米で同時多発テロを発生させる。これにより米を始めとする
国連軍はアフガニスタンを攻撃し戦争勃発。

◎イラク戦争
イラクがすでに反米となっている事や、アフガン戦争でのテロリストの
支援や大量破壊兵器を所持している事を理由に米がイラクに軍事侵攻し
戦争勃発。結局は大量破壊兵器は存在せず、フセイン大統領がテロ支援
している証拠もなかった。イラクは国連条約を遵守せず制裁対象になって
いたかもしれませんが何のための戦争であったのか疑問に残ります。

◎その他の戦争
特に本件とは関係ありませんが、ロシア(旧ソ連)も今のウクライナ、グル
ジア、チェチェンで発生している紛争やテロについても領土や石油利権が
からんでおり、凄惨な争いを繰り返しています。

もちろん大国(米国・ロシア)の掲げる戦争の大義名分は理解できる部分は
ありますが、正義とは何なのか強い疑問を持ちます。今後こういった事案に
日本も巻き込まれるリスクが十分にあります。本作を通じて日本人として
どう戦争と平和に向き合っていくのか結論をだす時がきているのではないか
と感じています。

毎度長文になり申しわけ有馬温泉m(_^_)m
重ね重ねご拝読有り難うございました。
{/netabare}

投稿 : 2014/08/03
閲覧 : 810
サンキュー:

14

ネタバレ

kiss-shot さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

彼を逮捕して、必ず戻るんだ。俺、待ってるからさ

アニメ版、OVAと観ての劇場版ですが

とても不思議なんです

物語、声優、キャラ、作画、音楽と評価をつけていって

点数が高いのに、楽しくはなかったんです

まあ、扱っている内容が重かったからかもしれませんが

内容的にパトレイバーである必要があったのかなと

小説や、ドラマで観たらまた違った印象なんでしょうが

とにかく監督の色が突出していました

押井監督らしい映像演出です、はい


自分の中でのパトレイバーと作品とがマッチしませんでした

凄い作りこみで練ってあるなとは思うのですが

感心するばかりで感動はしませんでした

ストーリーって大事ですが

もう少し各キャラの活躍が観たかったです

でも、南雲さん綺麗でしたね

投稿 : 2014/06/11
閲覧 : 409
サンキュー:

11

ネタバレ

(´◉◞౪◟◉`) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

AA

2014年・・THE NEXT GENERATION -パトレイバー-

その前に見返さなきゃ!

投稿 : 2014/05/09
閲覧 : 274
サンキュー:

0

ネタバレ

雷撃隊 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

わが青春の中二病アニメ

この映画も「パト1」同様アニメが幼稚だと偏見持った連中にこそ見て欲しい作品だ。トレンディードラマばかり見ている腐れ一般人どもよ、貴様らにこの高尚なストーリーが理解可能DEATHかー?(凸守風に)

当時中学生、そろそろアニメ卒業かなーと思い、洋画(とはいってもキャメロンやバートンとかのおたくっぽい映画だけど)を見まくっていた時期、この映画を見た。結果あまりにも面白すぎて卒業に失敗した。同年のジュラシックパークよりも遥かに強烈だった。

当時社会問題になっていた自衛隊のPKO派遣やソ連崩壊、それに伴う日米関係の変化などタイムリーな政治問題を真っ向から扱った野心作だ。前作よりも押井守の個人作のカラーが濃厚だ。今回の主役は後藤隊長。これまで影の主役だった彼がついに表舞台に立った。おっさんのインテリ会話劇に心酔してしまった。こんなインテリっぽい映画見てる俺ってカッコイイと。今思えばこれが中二病だったのか・・・。

前作の都市論、組織論に加え国防論、国家論までさながら討論番組の如く展開される推理ドラマが最高に魅力的だ。

冒頭、カンボジアで自衛隊のPKO派遣部隊が壊滅、数年後、隊長の柘植行人は首都東京を部隊に戦争を計画する。横浜ベイブリッジの爆破を皮切りに警察と自衛隊は対立。そして東京上空に出現する不審な戦闘機、飛行船、正体不明のレーダー反応の数々。ついに政府は首都に自衛隊の実戦部隊を治安出動させるが事態は悪化するばかり。その混乱の最中、特車2課の後藤喜一、南雲しのぶ両隊長は柘植の存在を察知するが・・・。

後藤さんとしのぶさん、自衛隊の諜報員荒川茂樹とのやりとりが映画の肝だ。「俺たちが警官として、自衛官として守るべき平和とは一体なんなんだろうな、他所の国の戦争に支えられた血塗れの経済的繁栄だ」「真実としての戦争、虚構の平和か、でもね、柘植が作り出した戦争もまた偽物にすぎない。この街はね、リアルな戦争するには狭すぎるのさ」「戦線から遠のくと楽観主義が現実にとって変わる。そして最高意思決定においては現実なるものはしばしば存在しない」「だから、遅すぎたといってるんだ」「しのぶさん、いま降りちゃ駄目だ、勝負はまだついてない」「でもどうやって?もう2課にも戻れないし」「2課は壊滅したよ、でも第2小隊は健在だ」いやー、珠玉の名台詞のオンパレードだ。

風景描写は後の攻殻機動隊に繋がるカメラアングルが多い。公開当時はCGが凄いと評判だったが今見ると作画のレベルがかなり高い。90年代ってCGが本格導入される直前の作画が良かった時期だ。中盤の戦車が東京の各所に配備されるシーンは圧巻だ。死者がでない「静かな戦争」とでもいうのか、異様な迫力だ。前作同様に東京の光と影、虚構と現実を余すことなく表現している。川井憲次の音楽もさらに独特の雰囲気に拍車をかけている。最近はこの人、ひぐらしやFATEでいい仕事してる。


戦闘シーンについて   今回活躍するのは戦車、戦闘機、飛行船、攻撃ヘリといった実在するマシーンがメインでロボットは脇役だ。イロイロなマシンが登場するが実際に発砲するのは攻撃ヘリだけだ。一回見ただけではこの事に気付かなかった。流石だ。NHKやら築地聖路加やら新宿やら見慣れた光景でドンパチやらかす戦闘シーンは異様な迫力がある。この1年後にオウム真理教の事件が起こり聖路加が「戦場」と化したのですげー衝撃的で怖かった。飛行船からガスが噴出す場面とかオウム事件そっくりだ。新型レイバーは斜め上からヘリの機関砲で寝たまま蜂の巣に。これじゃ確かに出渕裕怒るわけだ。河森正治とカトキハジメの車両、航空機だけが大活躍。この演出はロボットアニメに対するアテツケないし揚げ足取りともとれる。人によっては不快に感じるかも。まあ監督のスポンサーのバンダイグループに対するイヤミがひしひしと伝わって来るね。でもイングラムによるECMを使った電子戦は20年前とは思えないほどの先見性で魅力的だ。しにぶさんが3号機に搭乗するのは衝撃だった。

野明や遊馬たちのドラマは最終回特有のお別れムード全開ですげー切ない。あれほどイングラムが好きだった野明が「もう乗らなくていいんだ」とか「あたし、いつまでも女の子でいたくないし自分に甘えていたくないの」と言い切る。さびしいことこの上ない。でもアナログ人間寄りの野明が最新のオートメーションマシンに違和感を感じつつマニュアル車に近いイングラムに一体感を感じるのはやはり安心する。度を越えた機械化は人間性の欠如に繋がる、というのはどの作家も警告する。遊馬は相変わらず情報分析に活躍。第2小隊の頭脳だよ。後藤さんの招集に応じて最後の出動に臨む第二小隊の面々はさながら同窓会のよう。それぞれ別部署に配属されたけど彼らにとっては結局2課こそが本来の居るべき場所なのだと感じられて安心感がある。後藤さん、しのぶさんには振られちゃったけどあなたには素敵な理解者がいて羨ましいですよ。「結局俺には連中だけか・・・」野明たちとの絆、大切な宝物なんだろうな。

この製作チームの警察もの、面白すぎて困る。おいしすぎる料理を食わされると普通の料理じゃ満足できなくなるのと同じだ。どうもわが国では最新の映像技術やSF的設定を利用した社会派ドラマは実写よりアニメのほうが向いているようだ。攻殻機動隊、サイコパスと共にアニメに偏見持ってる人こそ騙されたと思って見て欲しい作品群だ。ちなみにレンタルビデオで見ていたとき、覗き見していた父親が「すげーおもしろかった」と感心していたっけ。

投稿 : 2014/02/11
閲覧 : 316
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15

ネタバレ

フナボリとシブヤ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

戦争

戦争というテーマを未来(既に過去)の東京という都市で展開する内容が非常に面白い。

隊長の会話劇や自衛隊が都市部へ配置されたと相容れない映像が美しい。(アニメ映像で他に見た事がない)

投稿 : 2014/02/06
閲覧 : 242
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0

ネタバレ

bk958 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

『今こそおすすめしたい劇パトⅡ』

◆あらすじ

 テクノロジーが発達し、歩行型作業機械"レイバー"が広く普及した時代。"レイバー"を使用した犯罪が増え、警察は"レイバー犯罪"の専門部署として『特化車両二課中隊』通称『特車二課』を設けた。その特車二課の面々とパトロールレイバー通称"パトレイバー"の活躍を描いた作品。

◆おすすめ

映像化されたものでOVA、TV版、劇場版とあるが、あんまり見過ぎると特車二課に愛着がわきすぎて、『劇パトⅡクソだわ』ってなる確率が上がるのでおすすめできない。
まだ観ていない人は是非、劇場版Ⅰ→劇場版Ⅱ→それ以外という流れをおすすめする。

というのも一作目は、劇場版から入っても十分に楽しめるという完成度の高さで、特車二課やレイバーの活躍と押井さんの作家性が程よくブレンドされバランスが良い。
近年でもアニメありきのファン映画が多い中ではとても貴重な作品。

二作目はより作家性が強くなるが、日本の平和のあり方に一石投じるテーマは憲法改正の気運が高まる今、大いに考えさせられる内容なのでオススメしたい。

↓以下ネタバレ↓
{netabare}

◆ここが良かった

公開当時(1993)に都市におけるテロを取り上げたり、その武器がガス兵器だったりその先見性は相変わらずすごい…
とリアルタイムで観ていない僕が評価するのもおかしいが(笑)、物理的に不可能だったからしょうが無い。今観たらよりリアルという先見性は評価せざるを得ない。だって、実際に起ってるんだもの。

 更に、テロリスト側である柘植という男が都市システムを掌握していく様はかなり見応えがある。特車二課にとって敵であり、あまつさえ主役機のレイバーをヘリでぶっ壊すにもかかわらずあのワクワク感。
押井監督の軍事描写やスクランブルのカッコよさと緊張感はそれだけ素晴らしく、その過程は実験的で面白い。

この作品が気に入るかどうかは、パトレイバーとして見るかにかかっている。劇中で主人公の泉野明が「いつまでもレイバーが好きなだけの女の子でいたくない」と言い放つのは衝撃的で、監督の俺パトレイバーなんてやんないよ宣言でもある。
劇場版からおすすめするのはそのためでもある。


◆南雲隊長の恋愛事情

 ただ、一個だけ苦言を呈したい。こんだけリアリティ溢れる設定、シナリオなのに、それに比べて女性関係のリアリティの無さ!

 能力はあるが左遷されたという設定の南雲さんの過去は、まだ手を付けていないおいしい設定だし、不倫というのもなんか妙にしっくりきた。
だけど、最後に南雲さんが柘植を選ぶというのは断固としてないと言いたい。

 女性が男性を見切るタイミングってすごく合理的だと思うし、今でこそ結婚以外にも社会で生きていく術が多くあるけど、それでもあそこで柘植を見切れない女性なんていないでしょ。
なにより、僕の抱いていた南雲隊長像を返したまえ!

 海外にPKO派兵されて発砲を許可できなかった柘植の悲劇は同情できるけど、それで軍隊のシステムを嘆こうが、上層部を恨もうが知ったこっちゃない。それを日本国民に押し付けるって頭おかしい(笑)し、とてもカッコ悪い。

 しかも、現状の日本に警鐘を鳴らす役割というのがどう考えても押井さん自身にしか見えない。テロリストでありながら妙にヒロイックに描かれてるし。女性はこうあって欲しいという願望に見えて…。
{/netabare}



 ただ、主題に対してこのドラマはおまけ程度でしかないし、20年たっても存分に楽しめるというのはすごい作品だと思うので、目をつぶってオススメするようにはしてる。
同じ押井作品でも、全く共感できなかった『イノセンス』もいつか素晴らしさが分かる日が来るかも知れない。

投稿 : 2014/01/14
閲覧 : 252
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9

ネタバレ

フェーリ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

95点

【総評】
・力作

【良い点】
・リアリティ高く演出が自然
・臨場感、緊迫感が強く余韻の残る音楽
・戦争の虚しさが伝わる

【悪い点】
・警察官僚の視野思考を過小評価しすぎでは・・・
・特車二課主力メンバーはサンデー臭さが抜けない
・素人が声あてたシーンで集中力が途切れる

記入:2013.09.13
変更:

投稿 : 2013/09/13
閲覧 : 222
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3

ネタバレ

sinsin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

意外と楽しめる押井作品。

【良い点】シーンごとのイメージを巧く表現した。

【悪い点】話が、わかりづらい。

【総合評価】この作品は、「パトレイバー」の世界観を用い、リアルな戦争とは何かとゆうことを、問うた作品である。
ある日、正体不明の戦闘機が横浜ベイブリッジを爆撃することで事件は、起こる。その後軍のコンピューターもハッキングされる。
偽りの平和は、終わったのだ。パニックに陥りそのことに過剰反応する日本政府。自衛隊の暴走。
警視庁特車二課の後藤喜一は、陸幕調査部別室の荒川茂樹と名乗る男と、接触。
事件の裏に、テロリスト柘植行人の存在を知る。

そんな、機動警察パトレイバー 2 The Movieの世界観。
東京=戦争が終わり、大地とはかけ離れ人間が生態系の一部であることを忘れ価値観の特殊化。平和の価値を見失う=幻想。
対比
柘植行人=非常事態を引き起こし、東京の人間達に平和の価値を思い出させる=現実。
つまり、平和ボケした東京に住む人達に「平和の大切さを思い起こさせる」ためのテロであった。
南雲しのぶ(後藤喜一の同僚)と、柘植行人は、昔男女の関係があったようだ。後藤喜一との三角関係でもある。
真のテーマは、「特殊化した価値観からの回帰、原点回帰」であると思われる。そのために、平和ボケした日本人を象徴として利用したのだと思う。
そうすれば、本編冒頭のシーンでの異教の神像が見下ろす古代遺跡の伏線の意味も解るような気もする。
なお、この作品に登場する「鳥」は、押井監督に言わせれば「空を飛ぶものは、人間からすれば怖いもの」だそうだ。
やはり、某パニック映画の影響か?
しかし、「鳥」の中でも今作は「鳩」を、強調している。この「鳩」は、「平和」を象徴するイメージ。
同時に、物語ラスト無人でコントロールされる飛行船には、前作同様「カラス」が一緒に飛んでいる。管理、支配のイメージである。

鳩=平和ボケ=無知。
対比
カラス=管理、支配、コンピューター=科学。
本当に、人間とって怖いのは、無知である事と、科学とゆう事か。科学とゆうのは、武器を生み出す。それを、使うのは、無知な人間とゆうわけだ。なるほど。

前作に比べ、キャラクターは、リアルになった。作画による演技も個性を誇張したアニメっぽい演技ではなく、どちらかといえば、立ち居振る舞いで見せる近年の押井作品のような、の大人っぽい演技になった。
意図的に、シーンによって異なる背景、ヴィジュアルイメージで、そのシーンを印象に残る場面として、確立している。前作の延長戦にあり、場面ごとの異なるイメージで表現する事に成功している。前作より進化した。
竹中直人は、深みのあるセリフまわしで、好演。その声は、自然で本職の声優より良かったと思う。
凝った、カメラワーク、センスのいい脚本は、その娯楽性と共に高次元でバランスが取れている。最後のどんでん返しが良い。
同時に、背景に映る異質物、鳥の羽ばたく姿、水槽の魚は、とても繊細に動く。その、良くできた人間ドラマと共にアニメーションとしての面白さも追求している。
「演出」とゆう、観点から見れば、とても優秀な作品。

投稿 : 2013/08/05
閲覧 : 283
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2

ネタバレ

南のエデン さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この作品は評価むずいよねw

劇場版2作目なのだけど、これは異色すぎでしたねw


南雲 しのぶ さんの過去がクローズアップされた作品でしたね。


しのぶさんみたいな人が何故この課に転属になったのかとても不思議でしたが、この作品で明らかになりましたね。


しのぶさんみたいな人でもって思いましたがやはり女性ですよね。


おかげでエリートコース外れちゃいましたけど、後藤さんはすべて最初から知ってたみたいですが。


だけど、今回は主人公の面々まったく、かやのそとでかわいそうでしたねw


後藤隊長は貧乏くじでしたね。隊長としては優秀でした^^

投稿 : 2013/01/31
閲覧 : 330
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13

ネタバレ

ソルバルー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

面白い!!

特に好きな映画。
物語は地味なのですが、警察や色々な機関が動く時ってこんな感じなのだろうなーとリアリズムも感じさせてくれる。
本当に素晴らしいストーリーであり、セリフ回しも押井さんならでわって感じがします。

事件だけを見つめてしまうと、必ずしもパトレイバーである事、アニメである必要はないのかもしれません。
しかし名作。こういう物語を思いついた事が褒められるべし。

投稿 : 2013/01/28
閲覧 : 242
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2

ネタバレ

おかず台 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

「パトレイバー」として異色な作風が良くもあり悪くもある

主人公はいつもの泉・篠原となってはいるが、ぶっちゃけ最初と最後にしか登場せず、実質後藤・南雲の両隊長が実質的な主人公。

「警察」と言う立場に重点を置き、大規模テロという事件を中心に描いているのは面白いが、逆に「パトレイバー」と言うロボットアニメの特色が薄まっており、戦闘は最後に戦車とするだけでレイバー同士の戦闘は一切無し。
そういう意味では別に「パトレイバーでなくても良かったのではないか?」とも思ってしまう。

投稿 : 2013/01/26
閲覧 : 282
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0

ネタバレ

たんたんたぬき さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

押井監督

私はイノセンスがあまり好きじゃない。本当はこっちよりパート1のパトレイバーの映画にしようか迷った。

でも敢えてこっちにした。押井のすごさは映像にあると思う。でも押井節の様な台詞回しがかなり好きなんだ。これは私の個人的な趣味。でも何故押井は原作作品でも原作を超えるのか?と言うと明確な映像哲学と、この自分なりに原作に色をつける個性がある点だと思う。正直イノセンスはやりすぎたと思う。好きなのは好き。でも攻殻機動隊に比べると爽快感が落ちすぎ。SACの方がどちらかと言えば好きなほう。

まずはキャラの使い方、うるせいでも魅せた眼鏡の使い方の上手さ、隊長と竹中直人の使い方の上手さは絶品だと思う。こんな地味なキャラ使って面白いのか?と言うときちんと面白さになってる。イノセンスはちょっと個人的な趣味に走りすぎてるけど、隊長のいぶし銀の働きは多くのドラマで共通するキャラクターの良さがあると思う。昼行灯、必殺シリーズの中村主水を髣髴させる。大人向けのカッコいいと感じるキャラ。理屈を捏ね回す竹中直人のキャラはもろ眼鏡。さすがに押井の得意なキャラだけあって実に見事。これはエンターテイメントとしては他には類似するキャラをすぐには思いつかない。ぱっと浮かぶのが眼鏡。押井の個性だと思う。

後はやはり彼の日常と非日常の境目と言うテーマ性。これに今回用いられたのは橋の破壊。

単純にこれを破壊賛美とは見ない。映画とかってこういうものを吐き出す力があるんじゃないかと思う。殺人事件の話を見てるから攻撃的になるか?と言うとそうでもないと思う。どっちかと言えば、日常にたまりかちな衝動的な気持を上手く散らしてると思う。

だから思う存分こういうのはすっきりさせたほうが良い。橋を壊したいと欲求があるから壊すんだ。青天の霹靂であるから面白い。そこが戦争映画などと違う部分。

原作を知っていると、こういう独自に原作を生かして作り上げるセンスは最高だと思う。こういう監督あんまり居ないんだよな。どうしても独自に作っても原作を超えるものにならない。超えたとは言わないけど、並ぶぐらいの良さはある。アニメの良さってこういう所にあるんじゃないかと思う。

投稿 : 2012/09/09
閲覧 : 265
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4

ネタバレ

宵茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

だから・・・遅過ぎたと言っているんだ!

東京に雪が降るとこの作品を思い出す。

言うまでもなく押井守の傑作。
パトレイバーと銘打っているものの、必ずしもレイバーである必要性は感じられない。はっきり言っちゃうと、レイバーなんて全体で5%くらいしか登場しない。その意味でもこの作品のロボット成分は不適切。なんでこうなってるのか…。
逆をいえば、一切の作品知識がなくてもある程度は楽しめる。

また、ストーリーも総合エンターテインメントたる劇場版1とは決定的に異なり、イデオロギーやら政治やら軍隊やらとキナ臭い内容。この時点でダメな人は本当にダメだろう。途中で寝る人もいる(私の友人は二回チャレンジして二回寝た)

が、紛うこと無き傑作であることだけは保障する。
遅すぎることは無いので視聴を是非オススメしたい。

物語:
例によって構成がうまい。ベイブリッジ爆破から始まり、胡散臭い男の接触、そして…と、淡々と進むようでいて、飽きない構成。単なる制作者の自己満足ではなく、観客のことを最大限意識していることがうかがえる。
ここから激しくネタばれるが、幻の爆撃は何度見ても震える(今、サントラを聞きながらレビューしてるが、ストリングス三連が入ったところでもやっぱり鳥肌が…)
実体を伴わないにも関わらず、当局を混乱せしめ、状況を進行させ、なおかつリアルに影響を及ぼしている(成田、羽田の発着が一時オールクローズ)という点に注目したい。
ありもしないものに踊らされ、他方で、実際に起こっていることには目を瞑る。そうやって都合の良いものだけ取捨選択してきたアンナチュラルシティー東京。

なお、この実体と非実体のボーダーにフィーチャーしたのが攻殻機動隊だろう。

声優:
竹中直人がはまりすぎてて…。ただ、声優慣れしてないせいか、初見のときは「え、なんて?」って思ったところもあった。

キャラ:
後藤と荒川、これに尽きる。
南雲さんも悪くないが、二人の影に隠れてしまうね。

作画:
ちょっと、話は違うが東京をここまで胡散臭く、かつリアルに描いた作品をとんと知らない。
これもよく話題にあがる場面だが、治安出動発令後の街の描写は、フィクションであるにも関わらず、圧倒的にノンフィクションである。この演出だけで星5個あげたい。

音楽:
先に述べたとおりサントラを持っているくらいだから、評価は高い。川井憲次はこの作品で一つの到達点に達している。以降、攻殻機動隊やらNHKの沸騰都市やらに見られるように、社会や都市といった表現において、彼にしか出来ない世界観を構築した。

投稿 : 2011/12/10
閲覧 : 335
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6

さささいと さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/30
閲覧 : 3

クッキー2 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/08/26
閲覧 : 3

ソース さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:----

投稿 : 2024/08/06
閲覧 : 4

Mr.Curry さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/06/18
閲覧 : 3

HJRPV00916 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/06/16
閲覧 : 4

Mio さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/24
閲覧 : 3
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機動警察パトレイバー2 the Movieのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
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機動警察パトレイバー2 the Movieのストーリー・あらすじ

一九九九年、PKFに参加した陸上自衛隊レイバー小隊が、東南アジア某国において全滅した--。それから数年後の東京。突如戦闘機F-61が横浜ベイブリッジを爆破したが、報道ではそれが自衛隊機であったと告げられた。民衆は自衛隊への不信感をつのらせていく。特車二課第二小隊の後藤隊長は、事件の背後に九九年のPKFで行方不明となった柘植の存在を察知する。(アニメ映画『機動警察パトレイバー2 the Movie』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1993年8月7日
制作会社
プロダクションI.G
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E5%8B%95%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E3%83%91%E3%83%88%...
主題歌
≪イメージソング≫MANA『愛を眠らせないで』
挿入歌
≪挿入歌≫美桜かな子『おもひでのベイブリッジ』

声優・キャラクター

冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、大林隆介、榊原良子、郷里大輔、千葉繁、阪脩、西村知道、根津甚八、竹中直人

スタッフ

原作:ヘッドギア、原案:ゆうきまさみ、 監督:押井守、企画:ヘッドギア、脚本:伊藤和典、キャラクターデザイン:高田明美/ゆうきまさみ、メカニックデザイン:出渕裕/河森正治/カトキハジメ、演出:西久保利彦、作画監督:黄瀬和哉、音楽:川井憲次、音響監督:浅梨なおこ、美術監督:小倉宏昌、撮影監督:吉田光伸

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