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「機動警察パトレイバー2 the Movie(アニメ映画)」

総合得点
78.6
感想・評価
357
棚に入れた
1829
ランキング
547
★★★★★ 4.2 (357)
物語
4.3
作画
4.3
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.2

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機動警察パトレイバー2 the Movieの感想・評価はどうでしたか?

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

押井守の最高傑作。空虚な静寂さと引き伸ばされる時。

 エンタメ性と作家性の両立をなかなかしづらい世界の押井さんだが、ovaでやったクーデター話を元にした本作こそ最高傑作ではないだろうか。押井さんの作家性というとテーマの部分が注目されがちだが、一番のポイントは画作りも含めた演出全般の腕の冴えの方だと思える。


 1作めの映画はあくまでキャラの魅力強めなTV版「パトレイバー」の正統な流れを組む良作だったが、本作はもう監督の書きたいこと(大人な後藤さんと南雲さん)により集中する作りになり、かといって攻殻ほど抽象的な作りにならずポリティカルサスペンスの傑作となっている。更に、なにより押井さんの最大の武器である会話、そして世界のそして人の空虚を映すような他には空間と時間の創造。


 言葉に溢れているようで沈黙に近い饒舌


 事物に溢れているようで空虚な時と時間


 バブル期というほんの一時にこそ産まれえた憂鬱

投稿 : 2023/06/03
閲覧 : 210
サンキュー:

4

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

だから!遅すぎたと言ってるんだ!!

 全113分。原作は未読。

 かなり良かったですね。。。押井作品の中ではトップクラスに好きかも。

 アニメというよりはハリウッド映画、ドラマであり、アニメっぽい過剰な演出は控えてます。世界観や登場人物の語りがリアルであり、もの静かではあるもののなおかつちゃんと緊張感のある演出がすばらしかったですね。
 そしてメッセージ性にひかれました。「画面の向こうに押し込めた戦争」、「偽りの平和」というところが僕の好みにフィットしました。

 押井作品にいままであまりハマれなかったのは、メッセージ性にのれなかったのがあると思う。例えば「人間と人形の違い」とか「機械化が進んだ人類のアイデンティティ」などは、聞いたところで「ふー-ん、、、だから?」とあまり関心はなかった。だから題材に共感できればすごく面白かったんだと思う。

 会話劇や夜の暗いシーンが続くため、割と退屈っちゃ退屈かもしれないです。会話の内容も難しいため、どういうことなのか理解しながらでないとついていけなくなりますね(ぶっちゃけ僕もあんまりついてけてない)。だから見返すなり解説を読むなり理解できればとても面白いと思います。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2023/03/10
閲覧 : 277
サンキュー:

14

ネタバレ

祇園 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

だから!遅すぎたと言ってるんだ!!!!!

投稿 : 2022/06/13
閲覧 : 143
サンキュー:

2

ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

戦争とリアル

機動警察パトレイバー、劇場版第2弾。

自衛隊のクーデターを装った、
横浜ベイブリッジ爆破テロを発端に、
自衛隊と警察が入り乱れ、
疑心暗鬼が空回りして、
首都圏が「戦時下」に巻き込まれていく。

現実との不気味なリアリティ。
91年 湾岸戦争勃発、
92年 PKO法案成立、
95年 地下鉄サリン事件、

押井守の目的は都心を舞台に「戦争」という、
状況を作り出すことで明白だ。
{netabare}これは戦場という究極のリアルを体験し、
多くのものを失った柘植行人にとって、
東京のリアルは空虚で耐えがたいものであるのと、
リンクしているのだろう。{/netabare}

この大都市の平和とは何だ!?
本当の主役は東京の風景そのものかも知れない。
{netabare}或るいは戒厳令下に置かれて、
路上に待機する対空戦闘車両を、
喜々として写真に収めるシラケた僕らかも知れない。{/netabare}

虚構の都市を生きることに疲れた人々、
この舞台はミスキャストでいっぱいだ。
戦争はもうとっくに始まっているのかも知れない。
押井守の「戦争論」がここにあります。

投稿 : 2022/04/05
閲覧 : 898
サンキュー:

46

OK! さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

2022/02/13 終了

投稿 : 2022/02/13
閲覧 : 153
サンキュー:

0

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

パトレーバ―ではないが特車2課ではありました。

 湾岸戦争が1990年でした。この戦争の特徴は人がいない戦争、つまり高度に電子化された爆撃機とミサイルによる戦争でゲーム感覚でTVの前で先進国各国ではニュース映像を消費しました。
 ベトナム戦争やフォークランド紛争の帰還兵の中には戦争の中にしかリアルを見つけられない人がいます。東南アジアの紛争を舞台にしていますが、柘植が置かれた状況はこういう戦争現場で生み出された狂気です。
 柘植という人物はこういう時代が生み出したテロリストでした。

 核抑止力が作り出した仮初の平和の次にくるものは、ネットワークによっておそらくより不安定なものになるでしょう。本作の出来事はクーデターのような混乱を作りだすのが、いかにたやすくなるのかを描いています。柘植という個人の思想が日本をまるで内乱状態のように陥れました。

 本作の戦闘シーンや兵器は徹底的にリアルです。三沢から3機爆装した戦闘機が発進するシーンは鳥肌が立つくらいです。本作のテーマである平和の危うさや虚構性は、戦争がリアルに描かれることで我々に迫ってきました。
 戦争というものを平和の内側から描いた本ストーリーは非常に出来が良く、話としても面白かったと思います。ただ、だったらいつもの問いかけになります。なぜパトレーバーなのか?

 ヒューマンドラマとしては、本作においては南雲だけでしたが非常によくできたストーリーでした。南雲課長代理は、水路で発砲できませんでしたし、最後は髪をほどいていました。髪をほどく=女になるということですので、女として柘植に対して過去の落とし前を付けたわけです。手錠をかけますが指を恋人のように絡めます。
 あの斜視の公安の人間は内面が描かれていないのでヒューマンドラマとはいえませんが、謎としては面白いエピソードでした。
 後藤は活躍しますが、どちらかといえば語り部というか押井守の代弁者でした。

 さて、イングラムがほとんど活躍しません。そして野明も。私は名前を借りた作家性というのは好きではないのですが、本作の出来の良さは認めざるをえません。原作の特車2課および後藤という設定、バビロンプロジェクト後の東京という舞台を上手に使っていました。
 官僚主義や特車2課の無力さというのは原作から語られていましたので、その点でも良かったと思います。内海に対する熊耳のような女性としての因縁もマンガ原作からありましたので、南雲の部分も違和感がなかったと思います。

 ただ、やはりグリフォン対イングラムみたいな活躍が見たかったです。そこをいれてしまうと特車2課がヒーローになってしまうので、本作に入れられないのはわかりますが。

 攻殻機動隊との関連ですが、本作冒頭に多脚戦車が出ています。これはパトレーバ―の世界では無用の存在です。本来なら高性能の軍事用のレイバーを出す場面です。そこを敢えて多脚戦車にしたのは、本来押井守はロボットものを描きたくないのしょう。あきらかに攻殻機動隊のオマージュであり、おそらくこの時点で押井守は原作のファンだったのでしょう。電子による虚構が現実を支配するようなテーマを感じました。

 鳥の群れが沢山でてきます。鳥はキリスト的には霊の象徴ですし、白い鳥は平和の象徴です。一方でヒッチコックの鳥のように白目の無い鳥は感情が無い恐ろしさの象徴でもあります。最後のシーンの鳥はそのトリプルミーニングなのでしょうか。

 ということで、要はパトレーバ―ではないパトレーバ―でしたが、特車2課と後藤南雲の両名など、パトレーバ―世界を上手くつかって、テーマが描けていると思います。
 アニメ映画史上でもっともっと評価されていいのではないでしょうか。

投稿 : 2021/09/15
閲覧 : 323
サンキュー:

9

ネタバレ

tinzei さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

一気に攻殻っぽさが出たな

初期ovaの甲斐みたいな話で思想も少し似てるような?


前作の映画もシリアスだったけど、今作は攻殻に近いような作品。

投稿 : 2021/05/30
閲覧 : 203
サンキュー:

2

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ロボットものというより群像劇ととらえたのね

パトレイバー観なおし

2は昔何度か観たけど覚えてなく
また観たけど。。。また忘れちゃうな。。

パトレイバーというフォーマットを群像劇ととらえ
キャラを役者として
押井さんのやりたいことしたという感じ

パトレイバーじゃなくてもいいかなぁという感想

アニメ夜話がたまにあがってますが
映画の1は基本設定にのっとってくれましたけどね。。あとは。。
っと関係者が語ってましたが、そんな感じ

南雲さんのキャラと声が好きだと思うので実写は実写なのに声優で南雲さんが不思議出演してましたが
押井さんはなんで南雲さんをテロよりにするのだろうか

本作はもう観ないけど
戦闘ヘリ、テロ、竹中直人のキーワードは
実写観るとき少し面白いのかなと

なんか竹中直人さんが演じた荒川は攻殻の合田一人とかぶって見えたのはわたしだけ。。💦

クォリティは今観ても凄いとは思いました

投稿 : 2021/04/24
閲覧 : 243
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3

あや さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

押井ワールドです

現在2021年。
ウィルスで緊急事態宣言が出ていますが、人為的に国を混乱させる
という陰謀との攻防が良いですね。
1作目ももちろん面白かったですが、緊迫感は2のほうが上かな。

押井さんお得意の長台詞で思想をキャラに語らせるところは流石です。
そうはならんやろwwとツッコミも入れどころ満載ですけど
ストーリ的にはこんなことがあるかもしれないな、と思わせる展開でした。

局所的ネタバレに近くて申し訳ない。スクランブルの緊迫が大好きです。
なにやら、元現役の方の音声もあるようですが、私は見てしまった
声優さんで十分楽しめていますよ。

投稿 : 2021/02/27
閲覧 : 256
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4

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

賛否両論あるが僕は好き

最近、北米ハリウッドでは大物プロディーサー、ハーヴェイワインスタイン(タランティーノの一連の作品、グッドウィルハンティングなどのアカデミー賞受賞作多数)が大物女優の新人時代にセクハラを行っていたことが発覚し、アメリカの社会問題にまで発展している。中には本当にレイプされた女優までで出てくるだけでなく、マット・デイモンやベン・アフレック、映画監督のタランティーノまでその事実を知っていたのにも関わらず黙秘していた。。。

この際だから、日本にも当たり前だが芸能界(声○界は特に)というものはほとんど当然のごとく闇の巣窟だといっていい。。。

アニメ以外の仕事は基本的にノータッチなので、あえて伏せるがネットを検索すれば色々載っているので、大半はガセネタだが、一部は事実だ。しかも本人自ら公言しないのでタチが悪い。悪いと思っていないなら本名で行って欲しいものだ。

AV問題もそうだが、こういった業界は基本的に堅気の仕事などでは決してないヤクザな商売だ。作る方はお金で雇われているので納期やら品質やらで大変だが、役者はどうだか。。。

そのことを押井監督は知っているので、敢えてこういった社会批判的な作品を堂々と作れたのは羨ましい。今だったらスポンサーやプロデューサークラスが絶対に許さないだろう。

業界にいた人間にとっては話題に出ないことがない作品。




以降、2008年のイギリスの犯罪映画「THE BANK JOB」(ジェイソン・ステイサム主演)のネタバレ有り







余談だが、これは1970年代のイギリス王室や警察、政治家、官僚が売春やら乱交していた事実を写した写真を当時のイギリス黒人差別撤廃運動家マイケルX(アメリカのマルコムXに影響された人物でありマルコムXではありません)が密かに所持しており、国家機密としてMI5(国家内務保安局)がもみ消すために犯罪組織を雇って所有しているベイカーストリート銀行を襲わせる。という映画であるが、脚色しているものの一部を除いてすべて事実であるらしい。映画ではとあるポルノ業界を締めているイギリスマフィアが警察に賄賂と女をあてがわせていたことを記した手帳も金庫から出てきたりして、主人公(ジェイソン・ステイサム)含む犯罪集団がマフィアからも警察からも追われる羽目になるわけだが。。。

こんな事を書いているからといって僕自身は消されないので安心してください。重要なことは語っていないので(ていうか、辞めたので)

投稿 : 2021/02/20
閲覧 : 692
サンキュー:

13

ネタバレ

saitama さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

いま観てもハマる押井ワールド。これが攻殻機動隊へ繋がる。

劇場版パトレイバーは1も2も面白い。

そうなんだけど、この2はとくに押井守監督の押井ワールドが感じられる。
うる星やつらビューティフル・ドリーマー、そしてこのあとに続く攻殻機動隊。

このパトレイバー2は、画は攻殻機動隊の元なんだけど、演出は明らかにビューティフル・ドリーマー。

結局のところ、ビューティフル・ドリーマーも、パトレイバー2も、攻殻機動隊も、作品として昇華したものが、それぞれ違うだけで、設定というか世界観はすべて押井守。

そこがすごくいい。ハマる人は絶対にハマる。

このパトレイバー2や攻殻機動隊が、その後の実写ドラマや映画にも、さまざまな影響を与えたのをすごく感じる。

例えば踊る大捜査線なんて、押井守作品演出の数々を丸パクリしてる。
本広克行はパクるのが巧かっただけで、才能があったわけじゃないんだなって、押井守作品をみればみるほどわかる。

その押井守も学生時代に年間1000本単位で映画を見ていたそうだけど、やはり若い時代にどれだけ知識を吸収したかがその後の世界観というか、演出の引き出しにつながるのだなと。

押井守もパクリはたくさんしただろうが、それはもっと高尚な、数あるなかからふるいにかけ、洗練されたなかから、形を変え、自分好みを見つけだしたのだろう…。そこが本広克行とは違う。才能レベルが桁外れに違うと痛感する。

押井守みたいな才能を感じさせる人って誰だろうと思ったとき、ギレルモ・デル・トロはそうだなと思った。やはり若いときに蓄積した情報量が圧倒的。そういう人だからこその感性や引き出しの数々。

世界のメジャーになりきれなかったけど、才能だけなら、間違いなく世界のメジャー監督たちと肩を並べるであろう、押井守らしい作品。

投稿 : 2021/01/25
閲覧 : 285
サンキュー:

6

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

大人のための映画

万人受けはしないのでお勧めはしないけど、一時代を築いた押井守監督を語る上で不可欠な一本。

前回見た時よりも面白く感じるのは自分が年を取った証拠だろう。
抑揚が最低限に抑えられ、多くを語らない物語は子供にとって退屈でしかない。

逆に言えば、落ち着いた雰囲気で静かに押井守監督の世界に没頭したいときに観る彼の作品の中で、辛うじてエンターテイメント性が感じ取れる物語が今後登場するのだろうか?という話なのだ。

投稿 : 2020/08/29
閲覧 : 304
サンキュー:

10

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

まじでおもしろいからみんなみて

近代ロボットを限界までリアリティを作りこみ、
稀代の天才たちが集まった…

とか書きたいけど、
ストーリーとは、
表現とは、
SF、近未来を説得力を持って描くとは
の教科書の様な映画。

じゃなんで、満点じゃないのって言われたら
原作から特車二課がかわっちゃったのがさびしいから笑
あとこの映画も最高なんだけど、やっぱり映画としては
前作の方が好きなんだよねぇ…

一つだけ、
見てすらいないのに最低評価つける奴って
まじで幼稚すぎるよ…評価つけられない様にか
BANしてほしいわ…
原作が嫌いだから~とか、生理的に受け付けない~とか…
評価って見てからするもんでしょう?
ただの嫌がらせじゃん…
アニメから何を学んでるんだ…

投稿 : 2020/08/23
閲覧 : 234

ゼルミナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

静かに、たゆたう様に交わされる「幻想の戦争」

2020再鑑。もう何度見たことか…(当方押井信者。)

The Movie1にあった「特車二課側」(言わば「若者側」)のラインをばっさりと切り落とし、テーマを深掘りした傑作。
良く言われることだが「パトレイバーでやる意味は?」と言われると困るしかない(笑) まあ、色々とあったんだろう(爆)

真面目に答えるなら、南雲と後藤という出色なキャラクターがいるから、という事になると思う。
The Movie1はもちろん、パトレイバー全編で繰り返し語られた二人の結びつきと、相違点が本作にも大きく影を落としているのだから。

本作は「初見からビール片手に楽しめる」作品では無いと思うが、存分に自分を揺さぶられ、また様々な思考の端緒になる素晴らしい作品だと思う。

正座はしなくて良いけど(笑)、集中して見て欲しい逸品です。


―と、ぶち上げてはみたものの、個人的には、叙情的というか、いっそ詩的と言っていい名シーンが数多くあり、ぼんやりそれを見てるだけでも楽しいんだが、どうじゃろ?(笑)
ラストの「手」のシーンとか、「きゃあ~♪」と黄色い声を上げてしまうわ。

あと、自衛隊がカッコイイぞ。戦わないけど(笑)

投稿 : 2020/07/07
閲覧 : 307
サンキュー:

8

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

稀代の鬼才の異彩の時代

押井作品の最高傑作と言えばコレ。
なのですが。
戦車とビルしか映ってないポスターが存在する
という時点でもうアレですね。
コミカルな少年マンガが映画化されたと思って
ワクワクして見たらトンデモクソ映画になるわな。
誰だって漫画の映画化だと思うよ、そりゃ。
押井版とゆうき版は最初から全くの別物だってのは
一般客にはわかんないですよね。

前作はまだレイバー犯罪を扱った話だったから
レイバーの露出自体はそこそこあったけど、
今作ほぼ映りもしないという…。
最初と最期だけ。対レイバー戦でもないし。
最後の決戦地への侵攻は飛行機や戦車では無理で
歩行兵器としての有用性は描写されてたけども、
そもそも多脚戦車の方が優位だったという…。
多脚戦車大好きだよねこの人。

キャラデザも前作よりも一層漫画版と剥離しており
海外向けリファインとも言えるレベルで違う。
ここも漫画版のファンはキレるよなあ。
そうなんだよね。
押井守がやりたい事に魅力的な主人公は不要。
キャラで引っ張る話ではないからね。

パトレイバーでやる意味はない、とも言われますが
人物や世界観の説明が不要だったからこそ
まとまりのある構成が出来ているのではと思う。
1から説明してたらホントに意味不明だった。

漫画版と映画版はダイバージェンス値が
かなり違う世界線のお話ということで。

そしてこの2年後、
押井守は新たな時代を創造する。
劇場版攻殻機動隊である。



緊張感のある緊迫した画面を創る事に関しては
とてつもない凄い才能だと思います。
本当にゾクゾクさせてくれる。
「押井作品」としては最高峰だとは思うのですが
「アニメ映画」、「パトレイバー」としては
やっぱり前作を推しますけどね。

投稿 : 2020/05/12
閲覧 : 217

tag さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

”昭和おじさんとして、個人的には” 押井守の最高傑作

押井守の作品は、構成的にも、ストーリー的にも手の込んだものが多い。よって嫌いではないです。そしてこの物語は、もはやパトレイバーとは言えないが(設定としては活用)、そんな押井守の、エンタテイメント性と主義主張が、辛うじてバランスした最高傑作と自分では思っています。

押井守は(庵野秀明もそうだけど)、エンタテイメントの創作者というより、「表現者」だと思う。かなり熱く、主張も強い。観客を楽しませるというよりか、観客を自分の側に引き込もうとする。彼は、かつて昭和初期な宮崎駿を共同体を信じていると称し、自分たちは信じていないと言ったりもしていた。平成・令和の現在からみれば、昭和初期も昭和後期も、どっちも同じくらい暑苦しい。ええ、私は好きです。本作には、そんな昭和の表現者感が全方位にでている。

彼の表現者としての「昭和な暑苦しさ」は、これ以後の作品では、どんどん強くなっている。私は嫌いでないけど、エンタテイメントとしては微妙なラインに入ってきていると思ったりする。平成の方々から見れば、本作品も含め「なんとも、まあ、面白いんだが、微妙。。。」ではないだろうか。

さて、問題の中身ですが、テーマは戦争と平和(有事と平時)。押井守自身も戦争を直接は知らない。ただ、今の日本人は、平時における「正常化バイアス」(=「たぶん大丈夫だろう」感)が極めて高い。それは彼も感じているのだろう。海外、特に途上国に行ったりすると、わかっている自分自身でも、この「正常化バイアス」が邪魔をする。この正常化バイアスが物語の主題だ。

ただ、物語としての面白さは豊富に仕込んである。「縦割り官僚制度」「自衛隊とは何か?」「正義の定義」、いやー昭和感満載。

アクションは「リアル感」を前面に。これにより、鮮烈な印象を観衆に与えている。シンゴジラ(庵野秀明)はコンセプトを借用したとしか言いようがないのでは?

忘れられないシーンがある。自分はシーンを切り取って作品を評価するタイプではないが、敢えて。

メインキャラの一人の女性が、ある人に会いに行くシーン。相手からの電話から始まり、そこから音楽(これは、ほんとに秀逸)も始まる。外は夜の雪、暗闇と静寂がシーンを支配、音楽もそれに寄り添う、そして出会いのシーン、メインキャラの背景に暗闇から電車が通る。窓から煌々と漏れる光が相手の顔を暗闇から映し出す。

映画オタクの押井守からすれば、少しこっぱずかしいかもしれない(狙いすぎなので)。しかし、今でも、鮮明に覚えているし、今も見返している。いろんな作品でもこのシーンの対比演出は多用されている。

もう一つ、セリフである。この作品、押井守らしい長台詞や、短いが使えるセリフに溢れている。普通、単にいいセリフと記憶されるのみだが、本作のセリフは、自分の日常でも頻発するようになってしまった。

「出たとこ勝負で」(うだうだ言うな、予測不可能なんだから臨機応変に行くしかないだろう的な局面に多用している。短い言葉だが、全て含んでいる。人生も多分にそうであることが多い。)

「剥き身で」(おいおい、そんなもの見せてどうする?的な局面で。心情を思わず吐露してしまう時など、物理的な開示以外でも使える。)

「まともじゃない官僚には2種類しかいない。正義の味方か、悪党のどちらかだ」(このセリフは少し有名。まさに、おっしゃる通り、「官僚」の部分を置き換えるといろんなケースに利用できる。)

平成・令和の観衆から見れば、少し昭和的なウザさが出すぎて、バランスが崩れているのだけど、昭和な観衆からは、ギリギリで、エンタテイメントと押井の表現がバランスした最後の作品ではとも思ったりしている。

投稿 : 2020/05/11
閲覧 : 372
サンキュー:

11

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2回目2016.12.31以前

2回目2016.12.31以前

投稿 : 2020/04/24
閲覧 : 194
サンキュー:

0

かまいたち さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

イングラムが活躍するのは映画の1/4のみ

批評点を挙げて最後に総評を。

・作画や細かい描写、演出
・濃厚なサスペンス
・ストーリー
・後半の戦闘シーン

短所
●イングラム(主役ロボ)があまり活躍しない
ロボットアニメなのにロボットの戦闘シーンが殆どない。ロボットアニメだと思って見ると“なんだこれ...”となってしまうので注意。

●全体的に暗く、小難しい
良くも悪くも邦画のような雰囲気がある。

●1回見ただけでは完全に理解出来ない
押井守作品あるある。
是非とも1回だけ見ただけで作品を評価するのではなく、解説サイトなど見てもう1回見返して欲しい。

●ある人気キャラの追加エピソード
この作品最大の汚点...は言い過ぎなので個人的にこの作品で一番嫌いな要素と言っておきます。
初めて見た時は気にならなかったものの、他のパトレイバー作品を知ってから見ると“えぇ...”となってしまう...。


初めてパトレイバーを知った作品。
見た直後に評価したんですが、お粗末だったので、改めて。政治や法律、倫理を考えるきっかけになる素晴らしい作品。
(現役引退したイングラムがまた活躍するのも結構胸アツ展開。)

投稿 : 2019/11/16
閲覧 : 256
サンキュー:

3

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

前作とは違い

レイバーが活躍した前作とは違い、テロの首謀者探しをサスペンス風に淡々としていく流れは嫌いではないが、社会的、政治的な思想が強いので、受け入れられるところと、違うだろ!がある。

投稿 : 2019/03/31
閲覧 : 190
ネタバレ

狗が身 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 2.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

完走した感想。

劇場版の前作が素晴らしい内容だったのに比べて、本作はイマイチだった。
作品のリアリティーや演出といった面だけでいえば相変わらず凄いんだけど、今回はストーリーもキャラも駄目。

今回の敵役である柘植行人は前作の帆場暎一にどうしても見劣りする。
危うい均衡の上に成り立つ日本の【平和】に警鐘を鳴らすも、聞き受けてもらえないからいかにその平和が脆いものかを実感させてやる! という話なんだけど…所詮、妻子がいるにも関わらず自分が開いた学校の研修生と不倫関係に堕ちる程度の人間なので、何を喋っても軽いんだよなぁ…。

せめて南雲隊長との関係が戦地で、とかならまだしも…。

で、最終的に柘植を選んだ感じの演出になった南雲隊長にしてもそこまで柘植を思うに至るものが全然見えてこないから、正直かなり後味が悪かった。

全体的になんというか…あんまり見所のなかった感じ。キャラに自分の主張を喋らせるのに夢中でキャラクターらしさも弱くなってしまっているし、パトレイバーという作品の面白みにも欠ける。
「そういうのは自分のオリジナル作品を作る時にでもやって?」と言いたくなった。

投稿 : 2019/01/09
閲覧 : 288
サンキュー:

4

コーヒー命 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

パトレイバーは、すんごい

アニメ見てたはずなのに、実写版の知らない映画見てたみたいでようございました。

投稿 : 2018/11/10
閲覧 : 228
サンキュー:

2

ミュラー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

こんなキャラじゃない

作品としては重厚で見応えもあり、いかにも押井監督らしさが感じられる。
この作品を推す方も多いと思う。しかしながら、ゆうきまさみさんの描く世界は、もっとポップでもっと楽しいものだと思うんだよね。
泉野明をみた瞬間、コレジャナイ感でいっぱいでした。
パトレイバーとして見たら低評価。パトレイバーと切り離してみれば高評価の作品。

投稿 : 2018/05/02
閲覧 : 288
サンキュー:

8

むらさきたましい さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

東京での戦争

20年も前に、この設定を考えられたのですね。
正直一度見ただけでは、解り辛い設定でしたが、とても深いです。
大好きなパトレイバーの中でも、ベストの作品だと思います。

投稿 : 2017/11/29
閲覧 : 282
サンキュー:

7

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

鳥さん

これはあくまでぼくの考察ですが、、、
白い鳥さんが映画の随所に登場してます。リアルに飛んでいたり、テレビの中でも鳥さんが飛んでいたり。とにかくめっちゃ鳥さん出てきますよね。で、たまにカラスが出てきます。

これ、平和の象徴といえば鳩ポッポですが、この作品では白い鳥たちを平和の象徴として捉え、カラスを不吉の予兆と捉えている気がします。白い鳥の登場回数はほんと多くて、他国の戦争をよそに平和ぼけしている日本を皮肉るかのように、しつこいくらい白い鳥を登場させます。
不吉の予兆ということに関してですが、前作でも、ラスト付近では、たくさんの白い鳥の中にいる一匹のカラスの首に666と書かれたプレートがかかっていたり、冒頭のシーン、ジャンピング・ホバのときにもカラスがこれから起こるであろう最悪のシナリオを示唆してました。

まあそういう演出も含め、作画も前作より大分きれいになってましたし、楽しめました。

投稿 : 2017/05/02
閲覧 : 209
ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

パトレイバーじゃなくて良いよね!

アニメーション制作:Production I.G
1993年8月7日に公開された劇場版アニメ。
監督は、押井守。

【概要/あらすじ】

1999年。紛争地域となっている東南アジアの某国で、PKO部隊として参加中の日本の陸自レイバー小隊は、
武器の使用の許可が降りないがために反政府軍の敵襲に無防備を強いられて壊滅。

2002年の冬。横浜ベイブリッジを爆破されるという事件が勃発。
当時の状況が撮影されたビデオカメラには戦闘機らしき飛行物体の機影が映っていた。
それが自衛隊の所属機体であるとして、容疑がかけられる。

その一方で、南雲課長代理と後藤隊長へ面会をしに陸自の情報部員の荒川という男が特車二課に訪問する。
荒川が言うには事件の首謀者は3年前の例のPKO部隊の隊長であった“柘植行人”だとして捜索協力を依頼する。

そしてまた、事件が起こり、
自衛隊の国家への叛意を警戒する警察 vs 冤罪なのに国に汚名を着せられたという形の自衛隊 の対立が深化。
相互不信で不穏な空気が増していく東京。
それは、平和ボケした日本人の危機感を煽るために柘植が描いた「東京戦争」のシナリオの内なのであった。

【感想】

私から観たパトレイバーというのは警察を舞台にしたロボットエンターテイメントであり、
泉野明巡査の、乗機のイングラムに対する情の深さとレイバー乗りとしての成長の物語。
そして、特車二課のイングラムと、シャフト製の黒いレイバー・最強の敵であるグリフォンの対立軸。
ゆうきまさみによるノンポリ指向の漫画版が正しくそうなのでありますが、
本作品では特車二課は代替わりして今までのメンバーは後藤隊長と山崎ひろみ以外は蚊帳の外。

この映画では、特車二課第2小隊の隊長である後藤喜一警部補を主役に異常事態となった首都・東京を舞台に、
物語の6割がオジサン達の『この国は~』『平和とは~』のイデオロギー問答に費やされる。
終盤に泉野明たち旧メンバーが再結集しての戦闘シーンがあるものの、彼女たちの出番はおまけ程度。
レイバーの役割が武装装甲車となんら変わりなく二足歩行の手足がついたロボットアニメとしての醍醐味が皆無。
対米追従の日本政府の拙い対応が事態の深刻化を引き起こす。組織の論理で正義が存在しない警察。
平和ボケした日本と権力への批判色が強く、完全に政治論議が目的のアニメ。

1990年代前半の日本で考えうるハイテク描写。ロケに基づくリアルな東京の街並み。
空自F-16Jの飛空シーンなど映像の完成度は高く、緊迫感のある画面。
モブやガヤに声優の素人を起用してリアル感を演出するなど、
実験的な試みが多く映像作品としては凄いと思える部分が多々なのですが、
頭でっかちに過ぎて、エンタメ成分に勝ちすぎている感じ。
内容も押井節が全開過ぎて、だからこそ熱烈なファンがいるのも頷けるのでありますが。

アニメ作品というより押井守監督作の日本映画を観ているような感覚。

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』に引き続いて作品のガワだけ借りて、
押井守の頭の中にある理論の具現化に終始している作品ですよね。パトレイバーでやる必然性が皆無。

同世代の他アニメ作品と比較しても非常に卓越した作画や演出の高さは理解できますが、
個人の感性として、とっつきにくい内容であると思いました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2017/03/29
閲覧 : 293
サンキュー:

34

ガイアのアース さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

賢くない割に頑張って見ました。

劇場版パトレイバーの二作目。

劇パト1が繰り返し見たい作品なら、これは年一で見たい作品だ。

画面に映る情報量が多いので、食い入るように鑑賞するのもいいけど

なんとなく、ぼぉーっと見たり、作業用動画として使うのも素敵だ。

投稿 : 2016/09/18
閲覧 : 256
サンキュー:

3

ペガサス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

東京の戦争、逆説的にリアルなドラマ

東京に対する都市型テロの可能性をシミュレーションしてみせた、予見的な近未来アニメの傑作。

アニメ特有の記号を切り捨てながら、自らのインナースペースを表現する先鋭的な映画作りを実践してきた押井守の面目躍如である。

東京を舞台として、あらゆる場面に自らの心象風景を散りばめ描いた、魚眼レンズ的な視点、ガラスの反射などの描写力には凄みすらある。

劇場版1作目に続いて、本作も非常に完成度の高い作品となっている。

投稿 : 2016/08/02
閲覧 : 230
サンキュー:

3

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

平和について考えらせられたり。 日本で戦争になったらどうなるの?アニメ映画作品

パトレイバーなんでしょうか?(笑)
主人公の野明は脇役扱いですし
レイバーも申し訳ない程度の登場。
アクション満載のアニメではありませんが、
緊張感がハンパじゃありません。。ハラハラドキドキです

だって東京で戦争起きたらどうします?


・ストーリー
東南アジアでPKO活動中の自衛隊が現地で襲撃されるんですが
自衛隊員が先に手出しすることが許されませんので
多数の死傷者が出てしまいます。。
戦地にいる隊員がらすれば集団的自衛権が足かせですよね
改正を認めない政府に対して自衛隊員はベイブリッジを爆撃して
東京を戦争状態に引きずり込んでいきます。。

前作より事件題材がより身近ですね。。

劇中のニュース映像や政府の対応、
警察、自衛隊の混乱、国民の動揺が鮮明に描写されていて
もし東京で戦争が起きるとこうなってしまうのかという
焦燥感、圧迫感を感じます。。
どうやって解決するんだ?って興味の方が強くあり
先が気になって仕方ありません


・平和
劇中の会話で平和について触れています。
今の日本は過去の戦争あと、超大国の庇護に入り
その軍事力に頼っている。世界中で内戦や紛争が絶えることなく続いて
その戦争の歴史が日本経済繁栄の礎だったことも事実だと

他人の血で日本の平和は維持されているってことですね。
たしかにそうかもしれません。
ミリタリーを題材にしたアニメは好きですが
日本が戦争をするのは嫌です。。
じぶんの手は汚したくない。。身勝手だとわかっていても

武力以外で解決したいとこちらが願っても
相手が納得するとは限らない
納得する相手なら、そもそも戦争状態になりませんし。


『平和』というテーマを扱った
非常に考えさせられる作品です。
面白かったという感想とはまた違いますが
グっと心に残る名作アニメでした。

投稿 : 2016/05/24
閲覧 : 230

ゆっぴー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

今、実際起こりそうなシナリオに脱帽!でも作られたのは20年以上前!

原作ゆうきまさみ
シナリオ ヘッドギア
巨匠 押井守監督作品
制作 ヘッドギア
音楽 川井憲次

当時サンデーで連載していたパトレイバーにオリジナルストーリーを充てた劇場版1作目の続編。
作画、背景美術、音楽めちゃいいです!
1作目よりグレードアップしてます!

1作目の3年後、特車2課の面子も公務員らしく異動してバラバラになった世界。隊長の後藤のもとに、奇妙な依頼がきたところからストーリーが始まります。
1作目で構築された世界観を、壊さず大事にキープしながら、新たなテロへ対峙する後藤隊長へスポットを充て、女房役の1課南雲隊長との過去と向き合っていくストーリーは大人の何とも言えない語らない世界観が出ていて、押井節さく裂!と思ってしまいます。

また、今回もテロを題材にしてますが、危機に直面した際に、自分は何が出来るかを個々のキャラに強く反映させていて、最後は納得の爽快感を得られると思います。
シナリオに関しては、現在の日本が抱える対外国への武力行使スタンスについて考えさせられる面があり、未来予知でシナリオを書いたのでは?と思ってしまいました笑

大人のシリアスなストーリーにバトル、仲間、勧善懲悪、組織、リアルな世界観をご希望な方におすすめします。
ただ、可能なかぎり、1作目、または原作のパトレイバーを観ていただければ、より深く作品を楽しめると思います!

投稿 : 2016/04/28
閲覧 : 264
サンキュー:

8

ネタバレ

赤坂 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

シリアスなアニメ映画の最高傑作

サウンドトラック、作画スタイル、作画のクオリティの何もかもがシリアス。所謂「90年代のアニメ特有のTV版と対照的に無駄にシリアスな劇場版」の一つで、その中でもダントツにシリアスな部類に入る。展開、作画面ではパトレイバー劇場版一本目で残っていた「アニメらしさ」も更にそげ落とし、しかしアクションエンターテインメントとしても高水準に位置する作品。

サウンドトラックに関しては、「取り憑かれる」と言った表現が最適な美しい曲が揃っていて、是非高級なヘッドホンで埋没したい。

架空の部隊である特車二課のみならず、自衛隊の登場するシーンもスクリーンタイムを大幅に占める。渋いミリタリーオタクには堪らない部分だ。

プロットは押井守特有の意図的な難解さ、哲学的表現の引用が見られるが、基本的にはシンプルで筋の通った分かり易い物になっている。

ロボットでは無く人間ドラマが主役のパトレイバーシリーズの劇場版として正当でありながら、これまでのパトレイバー作品とは百八十度違うシリアスなストーリーを描ききった名作だ。

投稿 : 2016/02/15
閲覧 : 257
サンキュー:

4

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機動警察パトレイバー2 the Movieのストーリー・あらすじ

一九九九年、PKFに参加した陸上自衛隊レイバー小隊が、東南アジア某国において全滅した--。それから数年後の東京。突如戦闘機F-61が横浜ベイブリッジを爆破したが、報道ではそれが自衛隊機であったと告げられた。民衆は自衛隊への不信感をつのらせていく。特車二課第二小隊の後藤隊長は、事件の背後に九九年のPKFで行方不明となった柘植の存在を察知する。(アニメ映画『機動警察パトレイバー2 the Movie』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1993年8月7日
制作会社
プロダクションI.G
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E5%8B%95%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E3%83%91%E3%83%88%...
主題歌
≪イメージソング≫MANA『愛を眠らせないで』
挿入歌
≪挿入歌≫美桜かな子『おもひでのベイブリッジ』

声優・キャラクター

冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、大林隆介、榊原良子、郷里大輔、千葉繁、阪脩、西村知道、根津甚八、竹中直人

スタッフ

原作:ヘッドギア、原案:ゆうきまさみ、 監督:押井守、企画:ヘッドギア、脚本:伊藤和典、キャラクターデザイン:高田明美/ゆうきまさみ、メカニックデザイン:出渕裕/河森正治/カトキハジメ、演出:西久保利彦、作画監督:黄瀬和哉、音楽:川井憲次、音響監督:浅梨なおこ、美術監督:小倉宏昌、撮影監督:吉田光伸

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