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「紅の豚(アニメ映画)」

総合得点
86.7
感想・評価
1217
棚に入れた
8083
ランキング
190
★★★★☆ 4.0 (1217)
物語
4.1
作画
4.1
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
4.1

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紅の豚の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

イタリアンダンディ

今までTVで放映されてたのを見てもいつも途中で眠っちゃったりしてて、しっかり全部を見たことがなかった。

こんなに素晴らしい作品だったなんて、というのが率直な感想。
{netabare}
作品全体から温かみが感じられた。空賊とか賞金稼ぎとか物騒なものを描いているのにスリリングさはなくて、優しい画面が終始続くのが特徴的。冒頭の空賊が子どもを人質にとるシーンで子ども達を無邪気に描いたことで視聴者にこの作風が一気に伝わったと思う。

そしてキャラクターがとにかく愛らしい。マルコはもちろん、フィオもジーナも修理工場の女性たちも空賊たちも、みんなかわいい。

この時代のジブリにしては大人な愛が描かれていた。マルコやジーナの複雑な感情やフィオのストレートな思いがなんだかもどかしい。また、戦争で死んでいった者たちへの哀悼の念も感じられた。

作画はジブリなので問題なし、というかすさまじい。特に工場でのエンジンの試運転シーンがすごいと思った。

果たしてなぜマルコは豚になったのか、ラストマルコは人間に戻れたのか、その辺りを詳しく説明しないところも、視聴者の想像力を刺激する要素であったと思う。

悪いところが見当たらない本当に完成度の高い作品だと思う。
{/netabare}

投稿 : 2017/04/30
閲覧 : 348
サンキュー:

7

ネタバレ

ジパミィナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ジブリでは珍しく男性が主人公の作品 71点

「飛べない豚はただの豚」が有名なこの作品。
主人公の名前は知らない方もいるかもしれませんが、このフレーズは聞いたことあるかと思います。

柔らかなタッチで描かれるハードボイルドぽい作品と勝手に思っていますが、作品のメッセージとしては戦争の惨劇や悲惨さが込められており、血を流さないで戦争の虚しさ、愚かさを伝えてくる作品です。

戦争に出兵する人、出兵した人を待つ人、無事に帰還できた人と戦死してしまった人。
国の方針で他国に攻め入る人、祖国の為に参戦する人。
結果として、戦争で利益を得る・得た人、戦争で全てを失った人。
戦争は爪痕を残して行くので、本当の意味での終戦は訪れることは無いと思います。

戦争を肯定するわけではないですが、大切なものを守る為には、戦うという判断は必要だと思います。
綺麗事や理想では、大切なものを失う事はあっても、得られるものは自己満足しか残らないと思います。
失って気付くでは、其れこそ取り返しがつきません。

作品自体としては、ジブリらしさが感じられる動きが多く、空中戦は秀逸の一言です。
一瞬だけ見えるポルコの人間バージョンが堪りません。

唯一好きな作中の戦争に関わる表現は、「戦友」です。

投稿 : 2017/03/11
閲覧 : 387
サンキュー:

5

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

紅い!! ブタも監督も、、、

巨匠が紅いことを痛感させられる作品ですよね。
ただその分、地が出ているので、
遊び心満載ですよね。
それが全ての登場人物や脇役の描写にも現れていて、
本当にいきいきしています。
冒頭から見事なやられ役をしている
マンマユートは幼稚園児の守りに悪戦苦闘しいていますし、、
(そう言えば、マンマユートを追う時に
矢印で行先を示している描写が好きですね)
空族連合のボス達は、ジーナの前ではしっかり赤面していますし、
ピッコロで愛機を作り直す時の工員のお母さん達も
いいですが、やっぱり最高のなのは孫の為に手伝いにきた
ばあちゃん達。

また、巨匠の声優の抜擢は
いつも考えるものが多いですが、
この作品のポルコとジーナは珍しく
直球ストレートで、個人的に大当たりです。
なんせ、「百万本のバラ」ですよ。
ただ、最後にひとつ、、この作品の終わり方
(二人の決着のつけ方)だけは容認できない!

投稿 : 2016/12/22
閲覧 : 361
サンキュー:

7

ネタバレ

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

飛ばねえ豚はタダの豚だ

このジブリは見てないんだよね

投稿 : 2016/11/11
閲覧 : 363
サンキュー:

2

K.S さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

とても面白かったです。

久々に見ましたけど、やっぱり面白かったです。
しかしみんないいヤツだな・・・

投稿 : 2016/05/14
閲覧 : 308
サンキュー:

0

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

宮崎駿らしさってなんだ?

アニメーション制作:スタジオジブリ
1992年7月に公開された劇場版アニメ。

時代は、1929年。第一次世界大戦終結の11年後。
世界恐慌によって不景気真っ只中のイタリア王国には、
飛行艇で大空を駆け船舶を襲い、金品を強奪する空賊がいました。
そして、その空賊をカモにしての賞金稼ぎを生業にしている赤い飛行艇乗りが一人。いや、一匹?
男の名前はポルコ・ロッソ。どうみても豚。ダンディなナイスガイ。豚のくせに!

この映画は、地中海の空に自由とロマンを求めて生きた男たちの物語です。

アニメ界の巨匠、大ヒット作品メーカーとして名高い宮崎駿監督。
本人がどう思っているかはわかりませんが、

『周りの期待に応えて興行的にも大成功を収めなくていけない』
『子供たちのために良い作品をつくって感動を与えなくてはいけない』

巨匠であり続けるのは大変なことだなと勝手な想像をしながら思いをはせつつ、
ジブリでの宮崎作品しては、『紅の豚』は異色の存在だとも。

鈴木敏夫(スタジオジブリ 代表取締役プロデューサー)
によって制作秘話が書かれていますが、それが面白いですね。

当時、ジブリのスタッフは『おもひでぽろぽろ』の制作で疲労困憊な状態に。
(締め切りという概念のない高畑作品は、お金と時間と労力が途轍もなくかかるのです)

会社としては経営的な問題で、こんな大変な大作を制作中でも次回作を視野に入れなければならず、
『おもひでぽろぽろ』で、こんなに疲れてるのに続けて長編映画を作るのは酷だということで、
軽い作品を作ろうと日本航空の機内上映用の当初15分予定のショートアニメとして企画されたのが第一歩。

原作は、宮崎監督が描いたわずか5ページ×3本立ての航空機漫画「飛行艇時代」
当初のアニメの内容は、豚のヒーローが空賊を相手に大活躍して終わり!てな感じで、
ストーリー性も物語のテーマも考えてなかった様子。

ポルコが豚になった理由とか、戦争がどうとか、ファシストがどうとか、
本当は何も考えてなかったのに後付けでいろいろと付け足していったら、
93分もの長さになり、映画館で上映することになったらしいです。


映画冒頭で、ポルコが仕事の依頼を受けて向かった誘拐強盗事件の現場、
ドクロマークの飛空艇に乗って登場した、髭面に毛むくじゃらの大量のオッサンたち、空賊のマンマユート団。
空賊に人質にされた15人の元気いっぱいの幼女たち。

部下「15人もいるんですが、みんな連れてくんですかあ?」
団長「仲間はずれを作っちゃ、可哀想じゃねえか!!」

この会話だけで涙と笑いが同時に出てきますね。

人質のはずの幼女たちは、攫われるというハプニングに物怖じせずに、
喜々としてついて来ては空賊と和気藹々としてますし。
それどころか、お遊戯気分ではしゃいでる幼女たちの面倒を見きれなくて気の毒な空賊たち。
気さくでお人好しな空賊たちが楽しくて仕方ないです。

なんだろな、このノリが懐かしいです。
大監督としての地位を確立する以前の、
TVシリーズの仕事をしてた頃の古き良き宮崎アニメそのもの。
宮崎駿が演出した回の名探偵ホームズに似ていまして、
ミセス・ハドソン人質事件でのハドソン夫人とモリアーティ一味の心温まるやり取りを思い出しました。

この作品の登場人物は全員明るく気持ちのいい連中ばかりでおっさん率が高めです。
女達もよく働き強く生きている、笑顔が素敵な人達です。

うちの父親も、『紅の豚』が大好きだった模様。
この作品って大人の心をくすぐるものがあるのでしょうね。

主人公が(豚ですが)おっさんで、
かつては空軍のエースパイロットで、今は組織に縛られずに気儘に大金を手にする賞金稼ぎ。
女達には年頃の娘たちからも幼女からも老婆も関係なくモテモテ。
男達(空賊)からは、当然のように散々に僻まれる。

これって、間違いなく男の理想の生き方ですよね?ていうか、宮崎監督の願望?
ヒロインのひとりで中年主人公に惚れる純真で健康的な美少女フィオとか、
宮崎監督の理想とする少女像そのものですしね。

ついでに言いますと、映画での本ヒロインでポルコと同年代の三十路のジーナは原作には存在しない後付けであって、
本当はヒロインはフィオひとりだけでした!
36~37歳のおっさんが17歳の少女を嫁にしちゃ映画的にまずいという配慮からジーナが加えられたのでしょうね。

作品のコンセプトは、「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」

なるほどー。大人の男が一番喜ぶツボを大人の男である宮﨑駿監督が心得てるわけでして、
こんな生き方を出来たら楽しいだろうなあ!と宮崎監督は大いに筆が乗ったでしょうね。
結果、子供の為の作品作りを常日頃に信条として公言している宮崎監督は、
自分の趣味丸出しの『紅の豚』を作ってしまったことを無茶苦茶に後悔したのですが、
そんな『道楽の産物』が、21世紀に『理屈っぽく』『子供のためにつくられた』
どの宮崎作品よりも、ずっと面白いというのが皮肉です。

私が『紅の豚』で一番好きなシーン。
それは、フィオが空賊連合を相手に『飛行艇乗りの名誉と誇り』を渾渾と力説する。
空賊のいかついおっさんどもが演説に心動かされる、このシーンを観ていて嬉しくて嬉しくて本当に泣けてきました。
昔の宮崎監督は、本当に素晴らしかったということが実感できる象徴的な場面です。

趣味で良いじゃないですか?趣味のどこが悪いの?
好きなことを活き活きと描かれた作品には魂が宿っています。実力がなければ只の自己満足ですけどね。
うむうむ。結局のところ、小難しく理屈で考えるよりも感性のままに勢いとノリで作ったほうが作品が面白くなることもあり、
『紅の豚』は生のままの宮崎駿を飾らず気取らず出しているからこそ、心を打つのです。

私個人としても、宮崎アニメ映画の中でも最高傑作の一つである名作だと思いました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2016/04/21
閲覧 : 585
サンキュー:

74

kFNFM66461 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

ジブリ作品の中で好き順位2位。空が美しい。ポルコかっこええ。

投稿 : 2016/02/14
閲覧 : 298
サンキュー:

0

ニック さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

一番好きなジブリ映画

とにかく豚で主人公のポーロがシブかっこいい。くさいセリフとかいうんだけど豚だからいいかとなって、素直にかっこいいと思う。
脇役たちも濃いキャラクター性を持っており、物語に色彩を加える。
それになんといっても戦闘機同士の空中戦が死ぬほどかっこいい。
幾つになっても好きでいたいアニメ。

投稿 : 2016/01/09
閲覧 : 336
サンキュー:

3

ガムンダ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

カッコイイとはこういう事さ

大好きです!!カッコイイ!!ジブリ作品随一!!
商業映画としての体裁も完璧です。
まさに面目躍如。
難解さなどないですが、本当の凄さが解るのは飛行機マニアの一部の人だけです(笑)

投稿 : 2015/12/03
閲覧 : 372
サンキュー:

12

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

タイトルなし

主人公のポルコ・ロッソは、見た目は醜い豚で、中身はいい歳した中年男。しかしその声は渋く、深みがある。見た目は豚でも偏見の目で見られず、女性にモテる。野郎どもの「豚のくせに」という罵倒は、単に嫉妬心から出る僻みであって、ポルコの見た目に対する嫌悪感ではない様子。
普段は無人島で気ままな生活。世界の情勢とは、ほとんど無縁な悠々自適な生活。
観る人が観れば、さぞポルコに感情移入と憧れを抱くことだろう……それが悪いかどうかは別として。

で、本作で気になったのが、対照的なヒロインが二人いること。
一方はすごく色っぽい美女で、主人公が自分を求めてくれるのをいつまでも待ってくれている。
片や溌剌とした少女は初対面でも見た目を気にしない器量よし度胸良しでスキンシップもアプローチも盛ん。ストレートに告白し、おやすみのキスまでしてくれちゃう。
ポルコ(自分)を理解してくれる美女と、自分に憧れてくる美少女。
……なんというか、うん。こんなんでよくもまぁ昨今の萌えアニメとか批判したよなぁって思うけど、フィオは実際可愛いので許す。でもこれも妄想っつーか願望だよね。
しかも売上目的で萌えをゴリ押ししたワケじゃなくて、監督の趣味なんだよね……うん。

まぁそれは置いとくとして……で、なんなのこれは?
「カッコイイとは、こういうことさ」がキャッチコピーらしいけど、正直目が点になる。うーん、これを観てもカッコイイとは微塵も思わないんだけど……。
だってなぁ、ポルコってフリーターじゃん。世界大戦が終結した直後で荒廃と混沌の時代で、街では一般市民が不安を抱えながらも働き、夢とか希望をもって逞しく生活している中で、真昼間から酒んで、飛びたい時に飛ぶだけの生活なんだろ? そりゃあ賞金稼ぎで貢献してるだろうけども……。
これがもしも、パイロットとして致命的な怪我を負って軍を退役せざるをえなり、厭世的になったけど飛びたいという気持ちを諦められなくて賞金稼ぎとしてくすぶってる、とかなら分かるんだよ。

でもこのポルコの場合、社会に嫌気が差して軍を抜けた。まぁ現実逃避ですわ。
で、惚れた女の元に入り浸るけど距離はそれ以上近づこうとはしない。「飛べない豚はただのブタだ」――つまり自分は特別だと主張。んでなにをやってるかと言えば権威主義反対で、自由とは名ばかりの自堕落な生活……。
彼に限らず、モブとかサブの空中海賊らが口を揃えて「俺達は夢とか自由を求めてるんだー!」的なことをほざいてた時には流石に絶句した。典型的なフリーターの言い訳です。
というか、夢を追いかけてるんなら子どもを人質にとっていいのかよ……「空と海が心を清めてるから飛行艇のパイロットは良いヤツ」って言ってたじいちゃん、どうかしてるぜ。

早い話がこの作品を構成する大半が、監督の理想とか趣味思想なので、それに近しい感性というか趣味嗜好を持っていないと、視聴するのが結構ツラい。
フィオは確かに単体で見れば可愛いけど、ポルコとの絡みとなると、ウソ臭さが半端じゃない。劇中のセリフでは、どうやらポルコのことは本人に出会う以前に、自分の祖父からポルコの武勇伝を訊かされ、微かに憧れてた様子。
だったら、まず初対面時に豚姿のポルコを見てショックを受ける、という描写は当然あるはず。
こういう描写が挟まれないのは、ポルコを気持ち悪いヤツと思われたくないからだ。なんてったって、監督の理想なんだもの。
そりゃ17歳の女の子だって躊躇いなくキスしますわ。

投稿 : 2015/07/22
閲覧 : 250
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

カッコイイとは、どういうことさ

※H27/05/16
基本的に言いたいことはそのままに、中身をゴッソリと書き換え。

宮崎駿監督作品。スタジオジブリとしては6本目の長編アニメ映画。
俗にいうジブリ作品では2番目に好きな作品。

【カッコイイの二面性】{netabare}
まず、この映画のキャッチコピーだが「カッコイイとは、こういうことさ。」だ。
その言葉に違わず、実にカッコイイアニメである。
だが、そのカッコイイには2面あると思っている

表面:単純なカッコイイ
最初から最後まで単純で分かりやすくカッコイイストーリー。
広がる海、青い空、白い雲。ジブリの描く素晴らしい背景。
爽快感満点な清々しいまでのカッコイイ空中戦。
渋い森山周一郎が声を務める主人公ポルコのキザなセリフ回しに、そのライバルとなるカーチス、アドリア海空挺乗り全てのマドンナジーナ、若くして凄腕の飛空艇技師のフィオと周りを固めるキャラもカッコイイ。

裏面:溢れかえる中年オヤジの”だったらいいな”って欲望願望
ブザマにビールっ腹になっても渋くてカッコイイ。
基本的には優雅なバカンス暮らし。
自分のやりたいことを仕事としており、十分に稼ぎがある。
そんな仕事の中にも”コレは絶対にやらない”というポリシーを持っている。
周りから羨望と嫉妬の眼差しを送られている。
有能なライバルがいる。
昔馴染みの仲間がいる。
女からモテモテ。父親のような力強さに母親のような包容力を併せ持つ、大人の色気ムンムンな女性。才能に溢れ、可愛くて若くて元気でおしりの大きな女の子。ぜんぜん違うタイプからモテモテ。
でも、どっちも選ばず適度な距離感。女に自由を束縛されない。
なのに、ちょっとキスされたら顔を真赤にして倒れちゃう純情派。

はてさて、こんな”だったらいいな”の裏面カッコイイですか?

メチャメチャ、カッコイイのだっ!
大人の男になると、こういうぬるま湯な欲望願望を
「いやいや、俺はそんなことはない。望んでもいない」
と見苦しく否定したくなるもんだが、
「どうだ、こういうぬるま湯状態な男の願望駄々漏れはっ!こういうぬるま湯もいいもんだろう!」
とシッカリと受け入れ、作品として発表しちゃうこの度量。
この度量をカッコイイと感じるのだぜ。


付け加えて
この物語、
「最初の10分、ベースストーリーは変えずに設定変えて良いよ。」
と言われたらどうします?
私なら、助ける相手を深窓の令嬢にします。
で、助けて、港に送って行って、名前を聞かれて
「名前?がっはっは。豚だよ。そう覚えといてくれ」
とか言って、夕暮れになりつつある空に向かってテイクオフ。
”紅の豚”ってタイトル出して、夕方、夜と変わっていく空に飛ぶサボイヤをバックに、主要スタッフの名前出しながらOP。
ホテルアドリアーノに到着してOP終了。
こんな風にすると思います。

何故、深窓の令嬢にするのか。
中年男の自分が、一番にカッコイイと言われたい、カッコイイと思われたい相手を、ストーリーの一番最初に助ける相手にするからです。

で、本作。
一番最初に助けた相手は誰でしたか?
幼女です。
裸になります。
パンツ丸出しです。
しかも、ワラワラと大量にいます。
なんか、もう、ね。
宮﨑駿。最高にカッコイイっ!!{/netabare}

投稿 : 2015/05/16
閲覧 : 597
サンキュー:

16

ネタバレ

CountZero さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

女性がかっこいい紅の豚

さて、押井守監督のスカイクロラのレビューを書いたので、飛行機つながりで紅の豚も書いてみたいと思います。

空への憧れと飛行機へのこだわりは、すでに宮崎駿監督のトレードマークになっていますが、この作品はそんな監督の趣味がたくさん詰め込まれた物語になっています。
なので、飛行機それも第一次大戦から第二次大戦終結までの間に最高潮へと達した、プロペラ機を愛する飛行機野郎たちにとって、紅の豚はマストなジブリ作品です。
{netabare}物語のラストでフィオがホテルアドリアーノへ飛んでくるシーンからもわかりますが、{/netabare} 大戦以降飛行機はジェットエンジンの時代に入るので、飛行機の趣がだいぶ変わってくることを考えると、この作品で描かれている1930年代前後は、飛行機乗りの古き良きロマンチシズムが残る最後の時代と言えるかもしれません。
それだけにこの作品はジブリ作品の中でもとりわけロマンあふれるセリフと描写がたっぷりです。
特に主人公のポルコ・ロッソは当然のようにかっこいいのですが、この作品では女性陣もとってもかっこいいのです(笑)

まず、若きヒロインのフィオ・ピッコロ。
17歳の設計担当で、ポルコの飛行機の新しい翼の設計を任されます。
若くて天真爛漫で優しく賢く積極的なところは、典型的な宮崎アニメのヒロインです。
{netabare}ストレートに「ポルコ大好き!」って言えるところとか、
若いのに「初めての仕事だからきちんとやりたいの」って芯が強いところとか、
同行を断ろうとするポルコに「私はポルコの人質になるの、それで工場のみんなは仕方なく協力したことにすれば、当局に言い訳がたつでしょう」なんて機転が利くところとか、
ポルコの飛行機からの眺めに「綺麗…世界って本当に綺麗」(ナウシカも同じこと言ってたような気もしますねー)って素直に言えちゃうとことか、
でも時には大勢の空賊相手に「意地も見栄もない男なんて最低よ!堂々と戦いなさい!」なんて啖呵切れる度胸もあったり、{/netabare}ううーん!眩しすぎます(笑)

そしてもう一人のヒロインのマダム・ジーナ。
ポルコの幼なじみなので、多分ジーナも30代の大人の女性ということになりますが、このジーナがまたかっこいいんです!
{netabare}「マルコ ありがとう。いつもそばにいてくれて。もう、あなただけになっちゃったわね、古い仲間は…」っていう、お互いのことをよく知っているからこそのしっとり重い感謝の言葉とか、
「マルコ、今にローストポークになっちゃうから。あたし嫌よ、そんなお葬式。」って言う品のいいジョークの効いた皮肉とか、
カーチスに求婚された時の「でもダメ。私がこの庭にいる時、その人が訪ねてきたら…今度こそ愛そうって賭けしてるの」「いけない? ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なの」なんてクールすぎる返答とか、
ダウンしたポルコを奮起させるさせるために「マルコ!マルコ!聞いてる?あなたもう一人女の子を不幸にする気なの?」とか、
最後の「ずるいひと。いつもそうするのね」と不満を口にしつつも優しく許してあげちゃう包容力とか、もう最高です(笑)
ジーナだけがポルコを本名の「マルコ」って呼ぶところに幼なじみの気楽さや愛情も感じます。
{/netabare}あとジーナは仕草やファッションも本当に素敵です。

紅の豚というと「飛ばねえ豚は…」に代表されるポルコのセリフに注目されがちですが、実は女性陣もものすごく魅力的な作品です。
誰でも楽しめるスタジオジブリの名作なので、最近のジブリしか知らない若い方には是非観てほしいなあなんて、ジブリで育った私は心からお勧めします。

あと、個人的に飛行機乗りの物語に心惹かれるようになったきっかけになったのはこの作品でしたが、この紅の豚の中でも涙なしでは見れないポルコの回想シーンの元ネタにもなっている、ロアルド・ダールの「飛行士たちの話」や、飛行機乗りの物語の定番サン・テグジュペリの「夜間飛行」やフレデリック・フォーサイスの短編「シェパード」といった小説も素晴らしいので、合わせてお勧めです(笑)

投稿 : 2015/05/08
閲覧 : 948
サンキュー:

35

コエンマ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

最後の1対1、飛行対決好きです。
ジブリだけあって、まだ平和的な解決でした。
話す豚がいるとは初めて知りました!

投稿 : 2015/05/07
閲覧 : 408
サンキュー:

0

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

飛行する姿は、さすがジブリ作品

飛行機が飛ぶ姿、空中戦のシーンがかなり好き。
飛行シーンは多くのジブリ作品にありますが、浮遊でなく飛行機が飛ぶシーンが印象深い作品。
映像的にはかなり満足度高い作品ですが、作品テーマはボーっとした感じ。

投稿 : 2015/05/05
閲覧 : 217

オールドタイプ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

戦争で稼ぐ奴は悪党だ。賞金稼ぎで稼げない奴は能無しだ。

高校生の時に映画館で観た作品。
久しぶりに観てみたら、なかなか良かった。
シブいね。カッコイイね!



いやぁ、豚肉って本当にいいもんですね~(。・ω・。)

投稿 : 2015/03/09
閲覧 : 388
サンキュー:

2

シフレ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ジブリシリーズ

豚の人間だったころ
めちゃめちゃかっけ~

投稿 : 2015/03/03
閲覧 : 242
サンキュー:

0

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ダンディとはこういうことだ

キャッチ・コピーや予告編に惹かれて映画館へ足を運び、騙された気分になる経験は数多いが、本作にはその心配はない。

「カッコイイとはこういう事さ」

宣伝文句にいささかの偽りもない。
全編にポルコの男臭い格好よさがあふれかえっている。--豚なのに。

空を飛ぶとはいえ、豚がこうまで格好良く見えるのは、アニメという絵空事だから、と簡単に済まされてしまいがちだが、話はむしろ逆ではないかと思える。


現実では、ルックスと格好よさは等号で結ばれているわけではない。
同じように太った体型であっても、「貫禄があって頼もしい」といわれる人もいれば、「ふやけたピザ野郎」扱いの人もいる。
痩せていればいいわけでもなく「研ぎ澄まされてシャープ」な印象を与えられれば幸いで、「貧相でみすぼらしい」とみられてしまう者も多い。

結局のところ、魅力はその人格に依存するもので、ルックスは後からついてくるものだ。

だが、それは、現実に、生身の人間が対面して、人格を感じ取っての話だ。

「アニメ絵」という完全に生身とはかけ離れた抽象化された表現、それも豚を描いた「絵」を格好よく感じさせるのは、その「絵」に人格まで憑依させる、アニメ技術を高度に会得した、卓絶した匠の表現力なくして可能になる業ではない。

この監督においては、「未来少年コナン」のころから、環境問題的なテーマを描こうとするたびにストーリーが破産し、空中分解する物語を超絶的な描写力でかろうじて繋ぎ止めて「作品」の形を何とか保つ、という印象を与えることが多い。

が、テーマ性の希薄な本作では、そのようなアンバランス感に足を引かれることなく、匠の圧倒的な描写力を、心行くまで堪能できる。
空中分解の心配のない物語世界で、ただただ手練の描写力に酔い、アニメ表現の極北に耽溺して、匠の世界に遊ぶ楽しい視聴体験が約束されている。

音楽の世界では、テーマ性を排除して、ひたすら技術性で構築される「絶対音楽」というジャンルがあると聞き及ぶが、本作は、「絶対アニメ」として、表現力に酔って楽しく視聴することが唯一のふさわしい態度に思う。


それにしても、ミラノの街を行くポルコの伊達男ぶりは、これぞダンディという生きた(?)見本のようだ。
そう、ダンディとは、本来は「カッコつけたヤンキー」なんかに使うべき言葉ではないのだと、改めて確認しておきたい。

投稿 : 2015/02/07
閲覧 : 415
サンキュー:

8

suggest@休止 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ジブリ作品で一番好きです^ ^

賞金稼ぎをして生計を立てる豚の主人公ポルコ。そんなポルコと敵対する空賊マンマユート団がポルコのやる事に頭を抱え、凄腕の飛行機乗りカーチスを雇う!
そしてポルコとカーチスの男の戦いが始まる(^^)


物語としての完成度がとても高いです!
イタリアを舞台として船乗りたちのかっこよさが描かれています。最後の終わり方なんかもとても印象に残るような引き方で、物語全体を引き締めてくれます。
所々で流れるBGMも良くて場面を盛り上げてくれます。

面白いところはつい笑ってしまい、シリアスなとこは涙こそ出ませんが、息を飲んで見守ってしまいます(^∇^)
どのキャラも悪い奴はいなくて観ていて気持ちいいものがあります。

観てなかったら損だと思います(^^)本当にかっこいいです!

投稿 : 2015/02/01
閲覧 : 677
サンキュー:

63

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

飛行艇

ポルコ・ロッソ
俺は戦争と人間に心底嫌気がさしたのさ。
豚でいいんだぜ、人間になんかなりかねぇな。
カーチス?カーチスか・・・あいつは表に出すがな・・・俺はそれをいいとは思はねぇ。
だが、
最後は・・・あいつなりの気遣いだと思うぜ。おいおい、これ以上は言えねぇな。
フィオか・・・いい子だぜ、腕もいいしな。
あいつを見てると人間もまんざらじゃねぇって思えてくるぜ・・・いや何でもねぇ。
空賊か・・・やつらは風呂にはいらねぇし汚ねーな。
最初・・・子供の仲間はずれを作らなかった、、バカだな。・・・
ジーナ・・・幼なじみってやつだ。一緒に時代を過ごしてきた。人生の戦友だな。

飛行艇
どうも真っ赤で破廉恥な飛行艇です。フィオ推しです。
彼とは長らくいたため心が読めるのです。
通訳します。
カーチス、あいつは俺に飛行艇に対する暑い心を呼び覚ませてくれた。
態度とは裏腹に気遣いな野郎だ。最後は倒れていてくれたんだろう?愛してるぜ。
フィオ、俺は人間に嫌気がさしていた。だが人間はこんなにも
愛おしいものだと思わせてくれた。俺を人間に・・・あいしてるぜ。
空賊、あいつらは悪だが、心は綺麗だ。安心して空賊を任していられる。最高の悪友だ。やつらに乾杯
ジーナ、俺は恥ずかしがり屋でな・・・ずっと・・・俺だって・・・ジジっジジッ・・・

妨害電波に合ったようです。

ポルコ
おら、飛行艇!!嘘をつくんじゃねぇ!!ドスドス。

飛行艇
本当に心底恥ずかしい奴ですね・・おっと、失礼。
彼はすべてに対して感謝してるのです。それを表に出さないところが魅力なのです。
賭?知ってます。でも内緒です。
私はフィオ推しです。そんなことはどうでもいい?そうですか。

映像、音楽、作画、声優すべてにおいてパーフェクトだ。
そんなどこからともなく訳のわからない電波をキャッチしました。神の奇跡だ。うるわしの湖だ。愛だ愛はアドリアを救う・・・
何ですかこの暑苦しい奴は!!
それではまたの機会がありましたら会いましょう。b

投稿 : 2015/01/08
閲覧 : 297
ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

Porco Rosso and the Sky

※祝ミッション完遂記念! の通知。更新と表示されたでしょうが、ほぼ新規レビューです。

草の根草の根やってきた
飛べない豚タグ撲滅運動は遂に目的を遂げました。
↓過去の活動説明と懇願書
{netabare}
「飛べない豚はただの豚だ」と思ってるやつ!
飛ばない、だよ。より正確には
「飛ばねぇ豚はただの豚だ」
飛べないと飛ばないじゃニュアンスが大違いだから気をつけてください。
できるできないの話じゃない、やるかどうか。
ヤツは自分の意思で飛んでいるからあんなにもかっこいいんだ。
自分のルールに従って生きているから、自由で魅力的に見える。
決して曲げられないこだわりがある。それが豚なのにかっこいいと感じる不思議につながっているのだろう。

普通に考えれば、あの台詞が「飛べない豚は…」だと
ジーナの「今にローストポークになっちゃうんだから。わたし嫌よ、そんなお葬式」に対する返しとしておかしいしね。
我飛ぶ、ゆえに我あり…なのです。

しかし、残念ながらアニメのレビューサイトであるはずの此処あにこれでも
紅の豚のアニメ成分タグを見てみたら
「飛べない豚はただの豚だ」になっていた…。しかも18人もUPを押していて......

好きな作品だし、いろいろ語りたいことを追記しようと思ったけど
それより 取り急ぎこの残念な状態をなんとかしたい!普段はアニメ成分なんて気にしないけど、これが公認されているのはレビューサイトとしていかんでしょう!!

このレビューを読んだあなた!まだNNY(無い内容)に近いこんなレビューにサンキューなんて押さなくていい。ただ
間違ったタグを削除するためには0もしくはマイナスまで下げねばならないようです。
ちょっと手間だけどアニメ成分のページに飛んで
間違ってるタグをダウンして、正しい方をUPするのに協力していただけたなら
ひとりのジブリファン、豚ファンとしてとてもありがたいです。 懇願書[終]
{/netabare}

…キャッチしてくださっている方々を筆頭に、多くの署名があったからこそです。本当にありがとうございました!
ぶっちゃけ 成分タグなんて見てる人がどれだけいるか知りませんが、これで少しでも誤解する人が減れば嬉しいです。


…とは言ったものの、私がこの運動を始めてから投稿されたレビューにも「飛べない豚〜」と誤用されているものがいくつもありました。なんてこった…!
しっかりと本作を観たならば、あり得ない間違いだと思うのだけれど(´・ω・`)
…観終わったといっても
豚の生き様、そのかっこよさの本質を理解されていない方が多いということなのでしょうか?

ならば…私が!
自分なりの拙い解釈ではありますが、豚の魅力を熱弁しようではありませんか!!
(以下は長文なので、余裕のあるときにどうぞ)


風立ちぬに紅の豚…描きたいもの描いた作品は何かが違う?

{netabare}

ナウシカ、ラピュタ、トトロ、魔女の宅急便…
これまでの作品で 昔から宮崎氏の構想にあった物語イメージは描き尽くしたそうだ。
この先は新たな挑戦となる。
そんなときにプラモデル雑誌に連載していた話を元に映画を作らないか?という話が出てきた。
しかしそれはこれまでの子ども向けのものと異なり、同年代向けの作品になる。

「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」
という企画テーマを元に、最初は飛行機内での上映を目的とした短編作品になる予定だった。
長編映画を作り終えたばかりだったので箸休め的な感覚もあっただろう。
しかし、制作していくうちに物語は徐々に熱を帯びていき、ついには長編アニメ映画として劇場公開されるに至ったわけだ。

後に宮崎氏は「個人的な映画を作ってしまった。やはり子どものために作るという方針は大事にすべきだった」といった内容のコメントを残している。

しかし、当初のターゲット層である中年男性だけでなく、私や私の友人(性別問わず)もこの作品のファンだ。
それに知り合いの小学生男子もジブリで一番紅の豚が好きだと言っていた。

最近プロフ欄で「ロボットものは苦手です」と書いてある男性ユーザーをよく見かけ、
ONE PIECEで時々ある 【ロボを見て男キャラは目を輝かせ、女性陣は無反応】ってギャグも現代では当てはまらないのかな〜と少し寂しい気持ちを感じたりしてたけど

こういう子どもが一人でもいるならきっと大丈夫です。

中年向けに作られたとしても、宮崎さんの趣味全開でも
やはりいつの時代も飛行機が飛んでいるだけで楽しめる少年は居るのです。

ポルコも二郎も空に憧れた仲間…いや、宮崎氏の分身といったほうが正しいでしょう。それゆえに、この2作品は熱の入りようがこちらにも強く伝わってくる気がします。
本人は反省したようだけど、作りたいものを作った 好きなものを描いたこれらの作品は実に輝いてると思うし、私のお気に入りです。
{/netabare}


始めは ただ飛びたかった
{netabare}
ただ空に憧れていた若き日の記憶。ジーナを後ろに乗せ、飛ぶことを純粋に楽しんでいたマルコ少年。彼の目に映る青空は何よりも輝いていたことだろう。
飛ぶことが夢であり、飛んでいく先の見果てぬ地も夢であった冒険飛行家の時代。
それは空を飛ぶ男たちにとって夢のような時だったに違いない。
しかし、やがて彼らは時代の濁流に飲まれてしまう。

風立ちぬの場合、市民が貧困に喘ぐ中で自分たちは多額の資金を用いて人殺しの道具を作っている。そのことの残酷さと、それでも作りたい作らねばならないという技術者としての徹底した意志が描かれていた。
だが、彼は実際に戦闘機を操り戦場を馳せた軍人たちとは違う。
凄惨な現場を知らないからこそ貫けた意志…なのかもしれない。

空を駆けた者たちはどうだったか?
最近観た「永遠の0」に紅の豚
状況は違えど、どちらも戦いを拒もうとした。
・愛する家族のために生きて帰りたい
・ただひたすら命を奪い合う愚かな戦争に嫌気がさした
今では理解されるだろうが、そのような考えは当時認められるはずがない。
日本では非国民、イタリアでは豚扱いといったところか。
逃げ出した臆病者と蔑む人もいるだろう。しかし、私はけっしてそのように言うことはできない。

なぜなら
私はその苦しみを知らないから。
それはけっして体験することのできない痛みだから。

ただ飛ぶことに魅せられていた純粋な男が、軍人となり、多くのパイロットが死んでいく様を見せ続けられる…。かつて同じ夢を語った仲間も、同郷なら良き友になれたであろう敵も、皆 命を散らせていく。
空高くに浮かぶ飛行機の群れを見て彼は何を感じただろう。
…戦争など、まともな神経をした人間が耐えられるものではないのだ。
そうしてマルコは軍を去った、心が擦り切れてしまう前に。


戦争を続ける人間の愚かさに呆れ、空を飛ぶために自分がしてきたことを恥じ、彼は豚となった。
なぜ豚ヅラになったかとか、魔法が云々…そういうのは些細なこと。
奴は 人間に、人間でいることに嫌気がさしている、それだけわかれば充分。
{/netabare}


豚は守る、己のルールを
{netabare}

そうして映画冒頭にある、無人島での気ままな暮らしのシーンに歴史は繋がっていくのだ。
何も知らずに見ればのんきな豚にしか見えないが、実際は抱えている過去がある。

とはいえ、あの暮らしは おそらく中年のおじさんが憧れる場面だろう。
「今のすべてを放り投げて、どこか違う場所で悠々自適に暮らしたい」
中年でなくとも、誰もが一度くらい考えたことがあるはずだ。

{netabare}
[余談開始!]
考えたことない人でも、どうぶつの森をプレイしたことがある人ならそんな気持ちがわかるはずだ。
木を揺すって果物を食べて、欲しい家具があったら虫とりをしたり貝を拾ってお金稼いで…そんなシンプルな暮らし。

そういえば、あの世界の村人も動物の顔をしている。彼らもまたポルコのように現実のしがらみから逃れて来た元人間なのかもしれない。表向きはのんきなやつらだけど、過去は人それぞれ…いろいろあるだろうからなぁ。そこに触れないで気ままな暮らしを楽しむことがあの村における大人としての嗜みなのかもしれない。……そんなわけないけどね!!!
[余談終り]
{/netabare}

しかし、雫のお父さんも言っていた。「人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。何が起きても誰のせいにもできないからね」と…!
だから豚は必要以上に多くを語らない。カーチスに撃墜されても
機体の不調だと言い訳したりしないし、そもそも殺されそうになったことに怒りを露わにする場面もない。
ポルコは自由を求める責任と代償を理解し、受け入れたうえで
自分の望む自由な生き方を全うしているのだ。
かつて軍にいた頃の仲間フェラーリンとの会話
「冒険飛行家の時代は終わったんだ。国家とか民族とかくだらないスポンサーをしょって飛ぶしかないんだよ」
「おれはおれの稼ぎでしか飛ばねえよ」
「飛んだところで豚は豚だぜ?」
この会話に豚の豚としての生き様が詰まっていると思う。

このセリフを始め、ポルコには名言が多いが
それらはすべて豚の姿だからかっこよく見えるのではないか。
もしポルコがナイスミドルの容姿でそのようなセリフを言って、女にモテる映画だったら…。さすおに以上に 作者の願望投影が酷いと批判されることになっただろう。


しかし、ナイスガイでなく実際は豚だ。まぎれもなく豚だ。そのユーモラスな見た目と、人生経験を積んだ中年らしい言葉の数々がギャップとなり魅力を生んでいる。豚なのにかっこいい、ではなく
豚だからかっこいいのだ。
さらに
フィオにキスされたり、カーチスに「ジーナはお前を待っている」と告げられて顔を真っ赤にしてしまうところも(いい歳なのに!)
ただダンディーなだけでなく、愛らしい魅力となっている。厭世的で豚面ながらも人間臭いのだ。
女慣れしてるように振る舞っているが、実はウブなのだろう。
そう考えると、今期のオオカミ少女に似ているかもしれない。
{/netabare}

He flies in order to fly.

{netabare}
豚の生き様に話を戻そう。
物語の終盤では
大破された愛機の修理代とフィオの運命をかけた大勝負が幕を開ける。
カーチスも良い腕をしていて高度な空中戦が繰り広げられるが、豚は得意技のひねりこみでカーチスの後ろを取り、勝負は決まったかと思われる…がしかし!
豚は止めをささない。そこで空賊のボスがフィオに説明する。「いま撃つとアメリカ野郎にも当たっちまうからな」「豚は殺しはやらねえんだ。戦争じゃないとかなんとか…キザでいやな野郎だぜ」
そう、止めをさせないのではなくささないのだ。
かつての経験から…

殺すために飛ぶのではない、飛びたいから飛ぶ。それが豚の信念。
自分とフィオの命運がかかった
ここ一番という時でもけっして曲げることはしないポリシー…これをかっこいいと呼ばなかったら、きっと世界に「かっこいい」はない!

ジーナにアクロバットを披露したシーンもそうだが、言葉でなく飛行で意思を示すのがかっこいい!
言葉で伝えるのは大事なことだけど、言葉でなく態度で示したい…それも男の願望、求めるかっこよさのひとつだろう。紅の豚ではそれを最高にかっこよく表現し、なおかつ相手の女性は理解してくれている。まさに理想が描かれているのだ!
{/netabare}


耐え忍ぶも漢の美学

{netabare}
両者、機体トラブルを起こし
男くさい殴り合いの末にポルコは勝利を手にする。

軍にお祭り騒ぎを嗅ぎつけられたことを知り、一目散に島を脱出していく人々。
フィオはポルコとともに行こうとするが、ポルコは彼女をジーナの飛行艇に無理やり乗せて
「こいつをカタギの世界に戻してやってくれ」と言う。それに対し
ジーナ「ずるい人、いつもそうするのね」
ポルコ「すまねえ、行ってくれ」

今までにもいろいろあったのだろうけど、過去を匂わすだけだ。いちいち回想に飛ばない。察しろよ、というスタンスなのはビバップにも似た大人の雰囲気だと思う。

そうして飛行艇が空へ発つ刹那、フィオはポルコにキスをする。そうして去っていく二人の女。
風に舞ったフィオの帽子を拾い上げるがポルコの顔は見えない。しかし、カーチスの台詞から察するに…?


寅さんやカリオストロルパンに見られる、カタギの世界とヤクザな世界を生きる者の別離シーンだ。
本当は一緒に居たい!…だけど、彼女の未来を想えば そうするわけにはいかない……そんなジレンマ。
無法者主人公だから演出できるかっこよさなのだが、ここはかっこいいと思う人とそうでない人に別れそうだなー。私の場合、音楽の盛り上がりもあって とても感動したシーンだけど。
女性視点だと、それでもいいから連れて行ってほしいと思うのかな?
でも、フィオはポルコの気持ちを察したうえでキスしたんだろうし。大切だからこそ、あの選択が正解なんだよね。それにポルコが恋してるのは…。

うん、やっぱ……か っ こ い い!


その後ジーナさんの賭けがどうなったかは私たちだけの秘密。ということだが、エピローグに一瞬だけ赤い機体が映っている。それも昼間のホテルアドリアーノに!
それはつまりそういうことなのか?
だが、インタビューでポルコは人間に戻ったのか?と尋ねられた宮崎氏は「人間に戻ってもまたすぐに豚に戻り、十日くらい経つと飯を食いにジーナの前に現れる」と答えている。
けっきょく明確な答えは無い、秘密なのだ。それが良い。
何もかもが説明されることを望む視聴者もいるだろうけど、匂わすだけで終わるのも想像の余地が残って私は好きだ。
それでも、ただひとつ確かなのは
この先も豚は豚らしくやっている、ということでしょう。

{/netabare}


【好きな飛行シーン】
{netabare}
紅の豚は やはり空を飛んでいる場面が印象的!その中でも特に好きなのは3箇所。
ひとつ目はマンマユートの奴らとやり合った後、ジーナの店へ向かうとき。夕暮れの中を飛ぶポルコの機体はさながら真っ赤な太陽のようだ。

ふたつ目は修理がてらミラノへバカンスに向かうシーン。
雲の切れ目から差した一縷の光がサボイアの真っ赤な機体と青い海を照らし出す。その煌めきによってカーチスに見つかっちゃったようだが、ここは実に美しい光景だった!使用される「Doom-雲の罠-」という曲も美しい旋律ながら怪しげな雰囲気を醸し出していて素晴らしい。

みっつ目はポルコとフィオが修理された機体に乗って飛び立つシーン……も迫力があって好きだが
その後 フェラーリンに軍の警戒網の抜け道を教えられ、低空飛行している場面!
先に挙げたふたつのシーンとは違い、主観的視線&縦の動きの映像となっていて
まるで自分も二人と一緒に空を飛んでいるような気持ちにさせてくれる。そうして、いくつか丘を越えた先に見えたのはアドリア海…そして、この場面で流れている曲の名は「アドリアの海へ」
…もうね、アドリア海の飛行艇乗りたちが飛ぶことに魅せられてしまうのも納得ですよ。
フィオが「綺麗…世界って本当にきれい」と思わず口に出してしまうのも当然!
世界恐慌が暗い影を落とす中でも変わらずに世界は美しいのです。
{/netabare}

豆知識

{netabare}
「レッド・バロン」
マンフレート・フォン・リヒトホーフェン

紅の豚のモデルとなった第一次世界大戦におけるドイツのエースパイロット。赤く塗られた機体を操り空を舞った彼は幾多もの敵機を堕とし「撃墜王」と呼ばれた。

だが、華々しい名声の裏で葛藤があったようだ。ポルコも雲の上での経験が無ければ、彼と同じような最期を辿っていたのかもしれない。
リヒトホーフェンの人生を描いた映画が制作されているので紅の豚ファンなら一度は観ておくとよいだろう。
ただし この映画の主人公は豚でなく、岡田将生似のイケメンだけどね。実際のレッドバロンも写真を見る限り、男前だったみたいだし。
{/netabare}

♪Music
好きな曲については語りだしたらとめどなく長くなりそうなので、サントラについて少し。
これはジブリのサントラCDの中でも特に素晴らしい。名盤と断ずるに些かの躊躇もありません!
「帰らざる日々」この曲が特に好きですね。ポルコとジーナのテーマであり、紅の豚という作品のテーマでもあります。この曲のメロディを元に劇中でもいろいろアレンジされた曲が流れるのですが どれも素晴らしく、一曲一曲 映画の場面が鮮明に浮かんできます。目を閉じてサントラを聴くだけで映画を観終えたような気持ちになる。これはCDであり、映画なのです。それはどのジブリサントラにも言えることですが、特に紅の豚はその感覚が強い…ただ単に私が何度も繰り返し見すぎたせいかもしれませんが。


起承転結のある映画音楽のサントラやコンセプトアルバムなど
CDとして曲の構成がはっきり意味あるものは好きです。

投稿 : 2014/12/02
閲覧 : 394
サンキュー:

26

honoharu☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

かっこいい

ポルコかっこよかったなー♡
名言もあったし!

投稿 : 2014/11/29
閲覧 : 278
サンキュー:

2

ネタバレ

wininng さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

飛ばねえ豚は、ただの豚だ。

豚人間が主人公のちょっと変わった話です

ジブリの中でも変わっています

第一次世界大戦あとの夢を追い求める男達の生き様の話

タイトルはみんな知っている名言?

投稿 : 2014/11/14
閲覧 : 276
サンキュー:

6

ネタバレ

37111 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

スカッとする

ジブリにはこういうのを望む。

見終わった後エンターテイメントとして充足度が高い。
頭空っぽにして楽しめるのが良い。

投稿 : 2014/10/27
閲覧 : 267
サンキュー:

1

頭のなかJET!!! さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

かっこいいとはこういうことさ

小学生の時 風邪ひくたび この映画をみていたw
ジブリで一番すきかもしれない
かっこいいシーンがたくさん マルコかっこよすぎだぜ
ヒロインは魅力的
深く知るとまたおもしろい作品

投稿 : 2014/09/17
閲覧 : 239
サンキュー:

0

節電中 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ジブリ作品で一番好き

加藤登紀子のアフレコが素晴らしい

投稿 : 2014/06/24
閲覧 : 216
サンキュー:

0

トリップル さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

飛べない豚は何とやら

宮崎駿作品では2番目に好きな作品です。
この紅はフェラーリをイメージしたのかな?

投稿 : 2014/05/17
閲覧 : 247
サンキュー:

1

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

カッコイイとは、どういうことさ?

【個人的殿堂入り作品】
昔は嫌いだったな~、この映画。
「カッコイイとは、こういうことさ」ってどこがカッコイイのか分からなかったのですよ。
私は20代の頃は「スマートな大人」ってやつになりたかったのです。
目指していたのは『姿形を含めてダンディーな男』。
でも現実は甘くない。
ある日、程よく中年太りした自分の姿を見て愕然とする訳です。
もう遅い。
ならばせめて内面だけでもダンディーな男でありたい。
そう思った時に観るポルコ・ロッソは本当にカッコイイのです。
「ああ、俺もこうありたい」と心底思うのです。
私は感化されやすいタイプなので、それからしばらくはダンディーな男になります。
そうするとカミさんが笑って言うのです。

『また「紅の豚」観たでしょ』

見透かされてる・・・。
当たり前か。
だってここ数年何回もこんなことを繰り返しているのだから。

【視聴メモ】
宮崎映画にしては珍しく声がハマっている。
だから変な違和感を感じることなく観られる。
表現は結構マンガ的だが、それも楽しい。
宮崎駿作品といては最後の娯楽作品だと思う。

投稿 : 2014/04/20
閲覧 : 214
ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ジブリ作品で最もダンディズム溢れる作品!嫌味なキャラが一人もおらず、ロマンあふれる気持ちのいい作品に仕上がってます。

古い順にジブリ作品を視聴してきましたが今のところ一番好きな作品です!
マルコはかっこいいしフィオは可愛いしジーナは素敵だし、
その他サブキャラも根は良いやつらばかりで嫌味な部分がない素敵な作品です。

戦闘機での空中戦やそれに関連するキャラクターたちの生きざまにプライド。
難しいことはなく非常にわかりやすい設定なのでスッと頭に入ってきやすいです。
宮崎駿監督が語ったように「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」
になっています。
つまりこの作品の面白さが理解できてしまう
=実年齢はともかく中身は中年の可能性がありますのでご注意ください(笑)

魔法によって豚の姿をしているマルコがダンディズムあふれる男でとてもかっこよかったです。
豪胆さと愛嬌を併せ持った気持ちのいいキャラクターでしたね。
随所のかっこいい発言とは裏腹に女性にキスされたりするとすぐ顔が赤くなる可愛いやつでもあります。
もしかして「紅の豚」ってそういう意味ですか?(笑)
賞金稼ぎでありながら殺しはやらないというポリシーもいい。
こういう設定は少し間違えると偽善にしかならないが
マルコは様になってました。

フィオも17歳という若さでありながら、
自分の気持ちや思ってることをストレートに相手に伝えることが出来る素直な子でした。
男勝りなところもありますが年相応の女の子らしいところもあって可愛かったです。
マルコにぐいぐい迫るところも彼女らしいですね。
逆にジーナはマルコとは長い付き合いで二人は微妙な関係?
二人だけにしかわからない線引きみたいなものがあって
フィオとは違う大人の関係に感じました。

魅力的なのは女性キャラに限らず男性キャラクターもいい味だしてます。
しょっぱなから登場する空賊の連中も小さい子供たちを誘拐するにはあまりにも優しすぎる!
口調が子供を怖がらせないようにまさに子供に話しかけるように気をつかってるところが笑えますw
その子供たちもジブリ特有の好き勝手やり放題の子供たちでとても可愛らしい。

この作品でマルコの宿敵というかライバルのような感じで描かれてるカーチス。
マルコを倒して名声を得ようとしてたキャラなんですが女性に惚れやすく、
ジーナにアタックし玉砕した後にはフィオに惚れてアタックしてました。
終盤の決闘ではフィオが賭けの対象になってたりと結構なお騒がせキャラです。
でも実際何考えてたかよくわからないキャラでもあって、
決闘はフィオが賭けの対象なのにマルコとの殴り合いのシーンで
ジーナはお前に惚れてるんだよ!的なことを言いながら殴ってました。
ジーナの気持ちを知ってしまったカーチスがジーナの代わりに代弁してたんですよ。
それを聞かされたマルコは案の定「紅の豚」状態になり、
素敵なパンチをもらっちゃいましたね(笑)
フィオを口説きながらジーナの気持ちを代弁するカーチスには頭が下がります。
最終的にマルコは人間に戻ったみたいですがその姿を唯一確認したキャラクターでもあります。
将来の夢は大統領だとか…

最後どうしてマルコは人間に戻れたんだろうね。
戻る前にフィオにキスされてたけど本当にキスで戻ってしまったのだろうか?
視聴後に色々考察してみても面白いかもしれません。

「私 いま賭けをしてるから―私がこの庭にいる時その人が訪ねてきたら
今度こそ愛そうって賭けしてるの。
でも そのバカ夜のお店にしか来ないわ日差しの中へは ちっとも出てこない」

というジーナのセリフが作中でありましたがラストのカットでマルコの飛行機らしきものが
ジーナのホテル前にとまってるのが見えるんですよね。
ジーナさんは賭けに勝ったのだろうか…

「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」や「飛んだところで所詮豚は豚だぜ」などと作中で言われてましたが
私は思う…豚が飛ぶことに意義があると!
だって豚が飛ぶというだけでカッコいいじゃないか。

「カッコイイとは、こういうことさ。」

【A82点】

投稿 : 2014/04/11
閲覧 : 319
サンキュー:

6

ごはんちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

飛べない豚はただの豚

何度見たかわからないジブリシリーズ。
偉大なる金曜ロードショー様~。

子供の頃はこの、ロマン溢れる作品の素晴らしさが全く
理解できませんでした。ジブリといえばもっとファンタジー!冒険!
がよかったのす。でも大人になってからは、この飛行機に対する愛
だとは、失ってしまった人への愛や、自分への葛藤、そして、また
新しい愛に踏み込む為の勇気などなど!色々なものが、ぎゅっと
圧縮されていて、それを理解するのに、とーっても自分は
時間がかかってしまいましたね。

今となっては、自分自身になくてはならない作品のひとつになりました。

是非見て頂き、アドリアの風を感じて頂きたいです。

投稿 : 2014/04/02
閲覧 : 240
サンキュー:

5

おじゃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

豚がシブイ

豚のくせにクッソカッコイイw

ほのぼのとした笑いとほろっとさせる作りは流石としかいいようがない。

投稿 : 2014/03/16
閲覧 : 237
サンキュー:

1

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紅の豚のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
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紅の豚のストーリー・あらすじ

舞台は、空中海賊が暴れまわっていた第一次世界大戦中のアドリア海。空中海賊退治で活躍していたのが、紅の豚ことポルコ・ロッソでした。イタリア空軍の英雄だった彼は、ある理由で豚になり、社会に背を向けるようになったのでした。あるとき、二人の女性ジーナとフィオを巻き込み、彼女たちが見守る中、ポルコを倒すためにアメリカから来たカーチスと決闘をすることになりました。・・・・・(アニメ映画『紅の豚』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1992年7月18日
制作会社
スタジオジブリ
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E3%81%AE%E8%B1%9A
主題歌
≪OP≫加藤登紀子『さくらんぼの実る頃』≪ED≫加藤登紀子『時には昔の話を』
挿入歌
J.B.Clement-A.Renard、Arr. M.Villard、Jack Lantier『LE TEMPS DES CERISES』

声優・キャラクター

森山周一郎、岡村明美、加藤登紀子、大塚明夫

スタッフ

原作:宮崎駿(月刊『モデルグラフィックス』連載)、 監督:宮崎駿、脚本:宮崎駿、プロデューサー:鈴木敏夫、作画監督:賀川愛/河口敏夫、美術監督:久村佳津、音楽監督:久石譲

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