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「紅の豚(アニメ映画)」

総合得点
86.6
感想・評価
1215
棚に入れた
8071
ランキング
193
★★★★☆ 4.0 (1215)
物語
4.1
作画
4.1
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
4.1

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紅の豚の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

まさに「くれないの豚」という内容

これは私は映画館で見なかったんですよ。「魔女宅」から「耳すま」までは映画館で見ていないんです。このあたりの作品は、こう言うのも何ですが、ジブリ映画でも低調だったと思います。その中で一番話の作りが雑かもしれないと思うのが本作です。

作画はいいと思います。航空機をこれだけうまく飛んでいるように見せる技術は、ジブリはやはりピカイチです。しかしそれだけなんですよね。メカファンだけが喜ぶ作品というのがロボットアニメにはある分野なんですが、本作はそれに当たります。中年男性が喜ぶ映画とか、監督さんは言っておられたようですが、その眼の肥えた中年男性も喜ぶかどうかと思います。ラブロマンスがまったく話の上で進展しないからです。これは二人の女性に思われる「両手に花」がよくないという意味ではありません。要するに物語が存在しない状態なんです。ポルコに昔一緒に飛行機に乗った戦友たちがいた、それを見守っている女たちがいた、それだけの話なんですよ。こんなの年寄りが回想するだけのもので、10分も話せばお釣りがくるというようなものであります。

それでですね、このお題にした「くれないの豚」というのは、確かこの当時こんなタイトルのギャグマンガがあったように記憶しているのですが、まさにこれが掛詞ではなく本作の本質なんですね。海賊のような空賊たちがいる。お宝を狙って出撃したら幼稚園児たちの乗る飛行船だった。ここで観客たちは残らずルパンカリ城の「ゴート札だな、捨てっちまおう」の後の展開を期待する。しかしポルコが「そういうのはな、人間たちでやんな」と言ってこの映画は終わりなんです。お宝は最後まで出ない。なんだそれ、って言っちゃいけない。加藤登紀子さんも参加している、かつて赤旗に集った人々の思い出に捧げられているんです。作画はいいだけに、本当に空疎な映画だったと思います。

投稿 : 2022/03/20
閲覧 : 225
サンキュー:

3

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

飛べない豚

ポルコ・ロッソの言う「飛べない豚はただの豚だ。」と言うセリフは、「アニメを描かない俺(宮崎駿)はただの人間だ。」とも読みとれるセリフである。

当人にもソックリな容姿で現れ、資本主義に浸かりながら、それを否定した生活をしている。。。という、なんとも日本のコミュニスト(共産主義者)らしい設定であり、団塊の世代特有の二ヒリズムを醸しながら空を滑空するのである。

フィオやジーナに人間的なリアリティは一切ないが、それでも大空を翔る男のロマンは一見の価値があります。

投稿 : 2021/10/11
閲覧 : 416
サンキュー:

17

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

時には昔の話を

子供の頃、青年期は
何が面白いんだろう?
と思った作品

おじさんになって
味のある作品だなぁと好きになりました

ポルコの女性には無駄かと思われる?ようなこだわり
修理工場での女性達の活躍
端役で出てきた子供の無邪気さ
加藤登紀子さんが声優のジーナの可憐さ
そして登紀子さんの歌うエンディングの詩の素晴らしさ

一度観て自分には価値がわからない。。
っと思っても
時を経て色んな経験をして観たら
価値がわかった
そんな事を
体現した作品でした

この頃の作画が好きだなぁ

つまらないなぁと思っても
中年以降にもう一度観て観てほしい
だと思った作品でした

投稿 : 2021/06/06
閲覧 : 193
サンキュー:

1

ネタバレ

れるびい さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

時代

先日、主人公ポルコ・ロッソ役の森山 周一郎さんが
亡くなられたというニュースを見ました。
それがきっかけで久々に視聴してみました。
書きたくなったのでレビューを書いてみます。

紅の豚は個人的にジブリでも一番か二番に好きな作品。
小学生の頃はじめて観た時はそれほど好きではなかったのですが、
大人になってから観て、とても影響を受けた作品です。

舞台は第一次世界大戦中のイタリア、アドリア海。
そこで暮らす飛行機乗りたちの物語。
この物語の何に惹かれるのか、最初はよくわかっていませんでした。

現代の方が遥かに文明や科学も発達しているし、個人的に今の時代は嫌いではありませんが、
文明が発展途上で戦争中である作中の時代の方がなぜか自由もロマンも感じます。

飛行機乗りたちはお金や名誉や恋人などのために戦います。
軍隊、空賊、賞金稼ぎなど、所属や戦う理由はそれぞれだけど、
明確な敵や味方という事ではなく、大きな括りで見ると
みんなその時代を必死で生きてきた仲間です。

この作品を見終わった時いつも、
良いやつも悪いやつも最後はどの道老いて死んでしまうんだから、
今できる事を先送りにしたり、出し惜しみしてる暇ないよな、と感じます。

エンディング曲、加藤登紀子さんの「時には昔の話を」は最高です。
先日、ポルコ役の森山さんの訃報をうけて、ジーナ役の加藤登紀子さんが
ご自身のYoutubeチャンネルで「時には昔の話を」を弾き語っている動画を拝見して、
とても感動したとともに、すごい時代だなと思いました。

有名でも無名でも、世界中に向けて無料で映像や音楽を発信できる
それを無料で視聴できてしまう、とんでもない時代です。

そんな歴史上最も恵まれた環境を活かすも無為にするも自分次第。
自分が死ぬ時に、楽しかったと言える時代にしたいものです。

投稿 : 2021/03/11
閲覧 : 236
サンキュー:

10

ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

紅の豚 レビュー

一言では言えないストーリー。飛行機乗りの賞金稼ぎで豚のポルコ・ロッソを主人公とした、空戦ロマンとノスタルジー、自由で芯のある大人達の生きざまを描いた作品。

いつも見ている作品よりも、テーマを決めづらいと感じました。恐らく鈴木プロデューサーが決めたであろうキャッチコピー「カッコイイとは、こういうことさ。」という言葉に従って、カッコイイ大人という視点で書くのでもいいのですが、それはそれでつまらないし、テーマなしで書こうと思います。


まず、ストーリーのあらすじを引用させてもらいます。
こちらはamazonの作品紹介。というかストーリー紹介(旧版)
<ストーリー>
イタリア・アドリア海で飛行艇に熱中する、4人の少年とひとりの少女がいた。彼らはともに大空をめざした。やがて少年たちは戦火の中に、ひとりは青い海に、もうひとりは荒野の果てに、それぞれ手の届かないはるか彼方へと消えていった。そして残されたのは少女と、ひとりの少年。その少年も自らに魔法をかけて、人間であることをやめた・・・。

最新版のストーリー紹介はこちら。
<ストーリー>
1920年代末のアドリア海は、ファシズムの足音と新たな戦争の予感におびえていた。それは決して「古き良き時代」などではなかった。食い詰めた飛行機乗り達は空賊となって暴れまわり、彼らを相手に賞金稼ぎたちは功を競った。その中に、賞金稼ぎとして最も名を上げていた一匹の豚、ポルコ・ロッソ(紅の豚)がいた。イタリア空軍のエース・パイロットだった彼は、自らに魔法をかけて豚の姿になってしまったのだ。ポルコをとりまく女性たち、手に汗握る空賊との戦い、アメリカからやってきた宿命のライバル、そして全編を彩る空を飛ぶロマン。誇りと金と女のために、命を賭けた戦いが今幕を開ける。

私の持っているDVDはおそらく最新版で、上記amazonの作品紹介とは微妙に違うのですが、amazonのストーリー紹介はおそらくDVDの裏表紙の作品紹介を改変したものだろうと、ところどころのフレーズから伝わってきます。

旧版のストーリー紹介は、前日譚のような文章になっています。4人の少年と少女というお話を過去において、この映画の時間において過去の時間に思いをはせるノスタルジーな作品にもなっています。

しかし、昔の私のように、ポルコがなぜ豚になってしまったのか?などという疑問に囚われる魅力を旧版のストーリー紹介には秘められています。最新版のような、「全編を彩る空を飛ぶロマン」「命を掛けた戦い」などといった煽り文句を持ったほうが、何を楽しめばいいのかを、この文章を書いた人の視点を介することによって、多数にわかりやすくかみ砕かれた文章も悪くはないと思っています。


さて、どうでもいいストーリー紹介文章の紹介はこれくらいにして、内容に入っていきましょうか。

まずは登場人物たちの生き様について考えていこうと思います。紅の豚、ポルコ・ロッソは、空賊相手に賞金稼ぎをする凄腕の飛行機乗り。性格は、表面上はスケベで、頑固者で、豚。
どうでもいいですが、周囲がどうやったらポルコが豚じゃなくなるのか、という事を考えていますが、ラストシーンでカーチスが「お前その顔」という言葉を聞いてすぐ顔を隠したあたり、ポルコの本当の顔を見たと思われるシーンからも、ポルコは豚から戻る方法を知っているのではないでしょうか。
それと、作品紹介にもある通り、自ら豚になる魔法をかけてしまったなどというネタバレを食らっており、ポルコにとって豚になる選択と、豚をやめる選択、それはやろうと思えばいつでもできるという問題なのかもしれません。
フィオがキスしたからポルコは本当の顔を取り戻したという説を聞いたことがありますが、ポルコなぜ豚変身論なぜ人間に戻る論は魅力的なテーマかもしれませんが、よしておこうかなと思います。
ただ、豚であることが彼の生き様に直結する話であり、彼が豚でなくなった時、彼がどんな生き方をするのかは、私はそこまで推測して書く勇気はありません。

話をポルコの作品中の生き様に戻しましょう。彼のビジネスに対する姿勢を見ると、義があるか、金になるかなど、正義感とシビアさを持ち合わせています。フィオに対しては、エンジニアとして接するシーンもありつつも、一人の人間に昔話を語ってしまう一面や、異性としてキスされて赤面してしまうような照れ屋な部分ももっています。


ポルコはジーナに手を出さないのは、何故でしょう。
彼は、初めて少年の時にアドリアヌ号にジーナを乗せた際に、後ろに乗っていたジーナに好意を持っていたことが描写されています。
ジーナ自身も、次にポルコが昼間にここに来たら、思いを告げようと思うと言っています。作品の時間中ではおそらく相思相愛なのです。
しかし、なぜジーナはほかの男と3回結婚しているのか、そこを描かないのが、やはり人物の深みになっています。女性の心が移り行く物であり、そんなエゴの上に成り立つポルコとの恋愛、そこに、純粋とは別の深さのある恋愛物としての印象があるのだと思います。
そして、ポルコがジーナに少年時代からずっと手を出さない理由は何でしょう。、ジーナの婚約相手の一人目は4人の少年の中の一人であり、3人目の飛行機乗りともポルコは知り合いでした。
ポルコは好きな人が婚約して失ってを繰り返すのをずっと見てきました。友人が婚約相手だったこともあり、失ったばかりのジーナにすぐに求愛するような失礼な男でもないし、彼の照れ屋という要素も、ジーナに告白できなかった大きな理由なのかもしれません。

さて、ポルコ論は、まだまだ見返せばもっといろいろ出てくるかもしれませんが、この辺で。

ジーナについて、先ほど、ポルコとかかわることで見えてくるジーナという人物は話しましたが、もう少し。
彼女はアドリア海の飛行機乗りの間では有名な美人で歌姫であり、多くの男たちが惚れていました。
ジーナ自身は、3回も結婚をしており、それが彼女の深みにつながっています。4人の少年の中から、1回目の結婚相手がいて、ポルコは選ばれなかった。その後2回の結婚をして、3回目の結婚相手の行方が分かった後、ポルコに思いを伝えたいと、ポルコに恋をしていることがわかります。一途という純粋とは真逆に非常に恋が多く、ポルコへの恋心も、いつから抱いていたのかという疑問も沸く、魅力的な人物です。
ポルコに対して思いを伝えようと機を待ちつつも、ポルコが夜にしかやってこないことを理由に、思いを伝えないジーナ。言葉を介さないコミュニケーションがそこにはあり、ポルコがジーナを思いやっている事、ジーナが昼に来ないポルコにやきもきしつつも、ポルコが心の準備ができるまで待ち続ける、その関係性に謎の魅力を感じてしまうのです。

ジーナとポルコの関係との対比がポルコとフィオの関係です。
フィオは、自分の思う事をかなりストレートに打ち明けるタイプです。
悩んでいたと思う事や、ポルコが好きだという事も。お互いに思いやって未だに好きと言えていないジーナとポルコの関係とはまるで逆なのです。お互いの気持ちを思いやる、成熟した大人の恋愛を描くのと同時に、ストレートに感情をぶつけるフィオの恋愛を描くことで、二つの恋愛のコントラストが素晴らしく、大人でも子供にもモテちゃうポルコのカッコよさを描いているんだと思います。豚なのにというギャップも込めて。
ここで、なぜ豚に変身論ではなく、何故主人公が豚なんですか論に繋がってくるのかなと思います。
中年太りであったりとか、イケメンではなかったりとか、コンプレックスを人は何かしら抱えています。ですが、生き様によってこんなにカッコイイんだぜ、ポルコは豚でもカッコイイだろと、コンプレックスの象徴かつ、やはり生き様を強調して描くための、豚なのかもしれません。

まとめます。全編において空戦シーンの気持ちよさがあり、大人達のノスタルジーをもちつつ、フィオという存在によって青春を取り戻す男を描いた、大人の男に消えかけた空へのロマンと、ポルコのような生き様への憧れを望ませる作品でした。

投稿 : 2020/12/22
閲覧 : 426
サンキュー:

36

ネタバレ

tomledoru さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ちょっとだけ,大人向けのジブリ作品かなあ

宮崎駿監督曰く,
「疲れた中年向けに描いた」作品と。

ラピュタ・ナウシカ・トトロ・宅急便とは
ターゲットも世界観も全く違う世界。

「カッコいいとはこういうことさ」
というキャッチフレーズもあります。

大人向けの作品である証拠に
声優陣で,森山周一郎・加藤登紀子を
採用したところからもうかがえます。

空を飛ぶ飛行機の作品は個人的に好きで
それらしい作品は楽しんで見ています。

「豚は尊敬されないけど、少なくともあんまり憎まれない」
と,宮崎監督は豚に設定した理由を言いますが

なぜ豚になったのか,作中でははっきり語られないんですよね。
諸説あって,いろいろな人が豚になった理由を
語っていますが,

第一次大戦中の戦いで,手練れの3機に
追い回されて逃げる途中で見た「夢」
にヒントがあるんではないでしょうか。

敵も味方も空の飛行機の墓場へ行くシーン

「お前はそうしてずっと飛んでいればいい」
と神様ではなく,自分で豚になるように
魔法を掛けたんだと思います。

豚ならば,煩わしい人間界の「悪」に
触れられずに済むからです。

「悪」とは,戦争や人殺し
煩わしいとは,世界恐慌の不景気と
次に来る第二次世界大戦の足音

「恋」も煩わしいことのうちに
入れているのかもしれません。

「飛ばない豚は,ただの豚さ」という
とおり,アメリカのカーチス(飛行機)と
戦闘を繰り広げるあたりは圧巻です。

ポルコも,フィヨのキスで元にもどり,

最後の「微々たる」カットで,赤い戦闘艇
が,ジーナの店の桟橋に昼間に止まっていることから
ジーナの賭けは勝ったということで
めでたしなのです。

投稿 : 2019/11/17
閲覧 : 254
サンキュー:

9

ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

中年ブタ野郎は、夢見るレディの賭けには負けない。

なんて看板を掲げられるくらい、ポルコは渋カッコいい。

滾るスピリッツと、惚れ惚れする腕前は、
フィオ嬢のためになら、フルスロットルで蒼天を突くのに、
ジーナの店では、宵闇の安穏にグラスを傾けるだけである。

彼が、下衆なブタ野郎を決め込み、
賞金稼ぎをしながら隠遁生活を送るのは、
ジーナが紡ぎえなかった孤愁へのエールであり、
愛憎さえも問答無用で断ち切る戦争へのレジスタンスなのだろう。



ポルコは、かつての友情に、誓いを固く立てている。
スゴ腕は、仲間との絆を切り裂く戦争には供しない。

ジーナの閉じた心を、抉ぐることになるからだ。
アドリア海の魅力に、今も虜になっているからだ。


彼は、強烈なナルシストで、
辛辣なニヒリストでもあり、
クールガイ気取りを足れりとする。

気取られちゃいけないのは、
希代のロマンチストであり、
無類のフェミニストであることだ。
 
そんな張りぼてを彼が被るのは、
祖国の振る舞いが、大空への憧れを台無しにしたからだ。

ジーナの歓びを、奪いとったからだ。
ジーナの幸せを、守れなかったからだ。

タマのやり取りの生々しさに、腐ってしまっているからだ。



ポルコのアイデンティティーは、祖国の英雄として創られている。
だからこそ、自分の痴れ台詞に、酔い痴れているフリをするのだ。

そんな道化を演じていなければ、
自分がしでかしてきたことに、半旗が掲げられないのだ。
そんな流儀を貫いていなければ、
戦争に加担した罪悪感に、真正面から向き合えないのだ。


誰も彼も、彼を酔わせることなどできっこない。
ジーナだって、そのことは十分に分かっている。

夜の帳のほんのひと時、喧騒から離れ、寡黙なエレジーに浸り込むのは、
綯交(ないま)ぜになったままの、愛と青春へのレクイエムの作法なのだ。

カーチスのちょっかいなぞ、酒のつまみにもならない、
甘っちょろいボクちゃん程度にしか思っていないのだ。




それがどうだ。フィオのヤツ。
まんまとカーチスの賭けに乗っちまって。
マンマユート団のやつらも踊りやがって。



誰にだって、夢と自由への真っ直ぐな若さがあったのさ。
ファシズムが、そいつをオトナの忠誠心に挿げ替えたのさ。

その顛末かい?
厚い友情も、仄かな恋心も、バラバラに引き裂いちまった。
  

飛行艇乗りなら、誰だって流した涙のわけを知っている。
だから、俺たちゃ国の勝ち負けなぞ知ったこっちゃない。

火の粉が身内にかかるのも、
火の海に故郷が燃え落ちるのも、
紅蓮の焔が全てを焼き尽くす世界を

空の上から、二度と生み出したくはないのさ。



下らない戦争は、乗り手を降らせる。
降った飛行機野郎の魂は、昇りつめてヒコーキ雲になる。

そこは、鎮魂の天国で
空を愛した漢どもの夢の行き着く果てさ。

そこは、静寂の地獄で
大地を汚した大罪をあがなうとわの檻さ。



だから、俺たち空賊や賞金稼ぎは、中空に茶番を演じてやってるのさ。

アドリアの空が大好きでしょうがなくて、
アドリアの海で遊びたくてしょうがなくて、

皆、心をガキのままにしてバカ野郎どもになったのさ。
皆、大人になれないバカ野郎どもに、夢を預けるのさ。

空賊ごっこの張りあいに、
精一杯の矜持の見せ合いに、

戦争の鬱屈した空気から逃れて、ひと息、気分を晴らすのさ。



俺たちは、青のカンバスに、白い航跡を引きながら、自由の息吹を謳歌するのさ。
自分の生きざまに、国境なんて無粋な境界を持ち込んで何になるっていうんだい。

ジーナの唄と、フィオの未来が、アドリア海の宝ってことなのさ。



賭けには何を賭ける?
漢の生きざまってやつさ。

勝ちの取り分は何かって?
好いたレディの微笑みさ。


・・・ああ、やっぱり漢は仕方のない生きものだなあ。


なら、
勇気は、フィオのために使おうか。
昔話を、ジーナの中庭で語ろうか。


紅の翼を、天上まで高く飛ばすなら、
そんな青臭い台詞がよく似合うってもんだろうよ。



飛ばねえ豚は、ただの豚だ。



長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

本作が、皆さまに愛されますように。

投稿 : 2019/08/22
閲覧 : 373
サンキュー:

21

ネタバレ

タツヤ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

自分的アニメ最高傑作

渋くてかっこいい豚さん
雰囲気からなにからもちろんストーリーも面白い
何回でも見れる

投稿 : 2019/07/28
閲覧 : 264
サンキュー:

3

ネタバレ

anime さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

豚の姿をした罪な2枚目

豚の姿をした飛行艇乗りの主人公は空賊相手の賞金稼ぎ。そんな彼があるとき空賊の用心棒としてやって来たアメリカ人カーチスとの戦いに挑むお話。

主人公の2枚目っぷりが見事。
この役を豚の姿で描こうというぶっ飛んだ発想は脱帽モノですね。
実写じゃこの味わいを表現するのはなかなか無理でしょう。

空中映像にも目を奪われました。空中戦もど迫力でしたが、何気にカーチスとの初戦前に主人公が一人空のドライブを楽しむシーンの映像も大好き。

あと独特の明るさもよかったです。第一次大戦後の独裁政権下という暗い世相の中、子供たちから老人まであらゆる世代の人たちが活き活きと暮らす雰囲気とか生活感が迫ってくる感じも魅力的でした。

細かいとこでは飲み食いするシーンが印象的。なんか普通のコップにワインを無造作に注いでガブガブ飲みたくなりました。

日本のアニメの中でのジブリの別格感をまざまざと見せつけられるよい例かと。
これは時を経ても色褪せることはないでしょうねー。

傑作だと思います。

投稿 : 2019/03/21
閲覧 : 303
サンキュー:

5

ネタバレ

ゼルミナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

個人的ジブリベストアニメ

2014現在、という事になるけどw

戦闘飛行艇。
その後の歴史を振り返れば一過性の存在であった兵器にスポットをあてて、しかもそれが文句なしに美しく、カッコよく描かれているのには脱帽。
流体、とくに風とそれに乗るものの表現に関してはジブリはやはり別格だなぁと嘆息してまうのだ…まぁ、決まり文句ではあるが、それだけに言っておかないと座りが悪い気がしてのう。

個人的に別格として推す理由としてはその抒情的な展開の素晴らしさ。
そもそもポルコが「豚である」という事になんの理屈づけもなく進み、終わるあたりには「考えるな、感じろ」というエライ人の言葉を思い出す。

今でも機会があれば観てしまうのだけど、感想は初見の時から変わらず一つ。
「男ならこうありたい」

…まぁ、現実の自分は男らしさの欠片もない人間(オス)なんですがねww

投稿 : 2019/01/15
閲覧 : 381
サンキュー:

5

ネタバレ

※アニをた獣医師 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

かっこいい男は姿で語る。

飛べない豚は…こと紅の豚。
この時代を感じさせる時代背景。

彼はどうして豚なのか?それも気になりますが、それよりも彼の生き方、女性などの人間関係、過去の話、そちらに興味がわいてしまうでしょう。

そして男性より女性が強いというのもみられます。
強いだけでなく可憐で美しく、切ない。

飛ぶとは。飛ぶことで何を求めるのか。そんなロマンもつまっていて、女性が惚れるのも納得です♪

ジブリはいいですね…

ポルコ(マルコ)がかっこいいのはなおのこと、ジブリは女性はかわいく美しいね。ジーナさんも綺麗だけど、フィオのおてんばさとかわいさがたまらない…

フィオがポルコの心を変える…
それがたまらなく尊いんですよね…

投稿 : 2018/11/02
閲覧 : 497
サンキュー:

10

ネタバレ

筒井筒 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

飛べない豚はただの豚だ!

飛べない豚は、ただの豚だ。
という、チキンなバードボイルドではなく、正真正銘のハードボイルド。
渋いという言葉も、ハードボイルドも、死語化しつつあるけど、かっこいいの代名詞的な時代もあった。意外と、ロマンチストだからなぁ、そのような形容をされる方々は。どこかで、流れ旅でもしているのかな?

話は、空族との果し合いの物語。
ひょんなことで、飛行気乗りのメカニックになった女の取り合いという、情けない面もあるが、男にとっての人生とは。

とか、ちょっとかっこいい気分になれるし、笑えもする楽しいお話です。

投稿 : 2018/01/10
閲覧 : 462
サンキュー:

10

ネタバレ

狗が身 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

おおマルコよ、豚になるとは情けない。

主人公のマルコは豚の外見をしていてポルコ・ロッソと名乗っているけど、豚になった経緯は全く描かれていない。
観てて思ったんだけど、これって要は、とにかく人間以外の生き物であれば豚じゃなくてもよかったんだろうな~。豚にした方が色々面白そうだから、っていうぐらいの軽い考えからじゃないかな。

マルコって、本質は他のキャラクターが言ってるような格好の良い人間じゃないんだよね。
たぶん、戦争によって次々と仲間が死んでいってしまう現実とか、ファシストに傾いていく自国に嫌気が差して逃亡したんだろうし、良い奴はすぐに死んでしまうという持論から察するにマルコはそんな自分の弱さも分かっていて、だから自ら豚になったんじゃないかな。

豚には人間社会のルールは当てはまらない、というような言い訳で立場とか責任、人間関係といったしがらみをのらりくらりと交わしているけど、その割にはラジオで社会に対してアンテナを張っているし、豚になったといってもほとんど顔だけで、手も足も人間の頃のまま。世捨て人と言えるほど人間社会との繋がりは離れていない。
こういうところに、マルコというキャラクターの弱さが表れているよね。
何年もジーナのところに通い続けていてお互いに気が向いているってどこかで分かってるだろうに、一向に進展させることができていないんだもの。
極端な話、マルコという男は奥手で頑固な人間なんだ。そして豚という姿は自己嫌悪を隠す分厚い面の皮ということ。

そんないい歳した頑固で拗ねた男が奮い立つ理由と言えば、それはやっぱり、生気と希望に満ちた若者との交流による刺激となってくる訳で、ここでカーチスとフィオが重要になってくる。
マルコにとってヒロインは間違いなくジーナなんだけど、マルコに影響を与えるのは彼女ではなく、この2人なんだよな~。

この2人が、すごく良いキャラクターをしてるんだよね。
カーチスは若く、大統領になるという大きな夢をもつ野心家であり、女性への求愛も非常にストレートな行動派という、マルコとは対照的な人物。
フィオからのキスに頬を染め、カーチスからジーナの心意を聞かされて赤面するぐらい初心でシャイなマルコのことだ、カーチスぐらいの男でなければ、マルコを焚き付けることなんて出来なかっただろう。
フィオは自分の仕事に誇りを持っていて、無茶をしがちだけどそれは若さが持つ力だ。
彼女の姿はマルコにとって非常に眩しく、羨ましいものだったに違いない。


物語のオチでは結局、マルコがジーナの下に向かったのかは明確に描かれておらず、マルコが人間の姿に戻ったのかも不明瞭に終わった。(カーチスが最後に驚いていたけど、あの時点で体型までは戻ってなかったから、判断に困るところなんだよね)
でも多分、マルコはあの後も相変わらずジーナのところに通い続けて、もっと年月が経てからようやくあの離れに足を運ぶんだろうな~って僕は思ってる。
そういうの、なんか素敵だよね。

投稿 : 2017/05/10
閲覧 : 379
サンキュー:

21

ネタバレ

ジパミィナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ジブリでは珍しく男性が主人公の作品 71点

「飛べない豚はただの豚」が有名なこの作品。
主人公の名前は知らない方もいるかもしれませんが、このフレーズは聞いたことあるかと思います。

柔らかなタッチで描かれるハードボイルドぽい作品と勝手に思っていますが、作品のメッセージとしては戦争の惨劇や悲惨さが込められており、血を流さないで戦争の虚しさ、愚かさを伝えてくる作品です。

戦争に出兵する人、出兵した人を待つ人、無事に帰還できた人と戦死してしまった人。
国の方針で他国に攻め入る人、祖国の為に参戦する人。
結果として、戦争で利益を得る・得た人、戦争で全てを失った人。
戦争は爪痕を残して行くので、本当の意味での終戦は訪れることは無いと思います。

戦争を肯定するわけではないですが、大切なものを守る為には、戦うという判断は必要だと思います。
綺麗事や理想では、大切なものを失う事はあっても、得られるものは自己満足しか残らないと思います。
失って気付くでは、其れこそ取り返しがつきません。

作品自体としては、ジブリらしさが感じられる動きが多く、空中戦は秀逸の一言です。
一瞬だけ見えるポルコの人間バージョンが堪りません。

唯一好きな作中の戦争に関わる表現は、「戦友」です。

投稿 : 2017/03/11
閲覧 : 379
サンキュー:

5

ネタバレ

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

飛ばねえ豚はタダの豚だ

このジブリは見てないんだよね

投稿 : 2016/11/11
閲覧 : 356
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2

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

宮崎駿らしさってなんだ?

アニメーション制作:スタジオジブリ
1992年7月に公開された劇場版アニメ。

時代は、1929年。第一次世界大戦終結の11年後。
世界恐慌によって不景気真っ只中のイタリア王国には、
飛行艇で大空を駆け船舶を襲い、金品を強奪する空賊がいました。
そして、その空賊をカモにしての賞金稼ぎを生業にしている赤い飛行艇乗りが一人。いや、一匹?
男の名前はポルコ・ロッソ。どうみても豚。ダンディなナイスガイ。豚のくせに!

この映画は、地中海の空に自由とロマンを求めて生きた男たちの物語です。

アニメ界の巨匠、大ヒット作品メーカーとして名高い宮崎駿監督。
本人がどう思っているかはわかりませんが、

『周りの期待に応えて興行的にも大成功を収めなくていけない』
『子供たちのために良い作品をつくって感動を与えなくてはいけない』

巨匠であり続けるのは大変なことだなと勝手な想像をしながら思いをはせつつ、
ジブリでの宮崎作品しては、『紅の豚』は異色の存在だとも。

鈴木敏夫(スタジオジブリ 代表取締役プロデューサー)
によって制作秘話が書かれていますが、それが面白いですね。

当時、ジブリのスタッフは『おもひでぽろぽろ』の制作で疲労困憊な状態に。
(締め切りという概念のない高畑作品は、お金と時間と労力が途轍もなくかかるのです)

会社としては経営的な問題で、こんな大変な大作を制作中でも次回作を視野に入れなければならず、
『おもひでぽろぽろ』で、こんなに疲れてるのに続けて長編映画を作るのは酷だということで、
軽い作品を作ろうと日本航空の機内上映用の当初15分予定のショートアニメとして企画されたのが第一歩。

原作は、宮崎監督が描いたわずか5ページ×3本立ての航空機漫画「飛行艇時代」
当初のアニメの内容は、豚のヒーローが空賊を相手に大活躍して終わり!てな感じで、
ストーリー性も物語のテーマも考えてなかった様子。

ポルコが豚になった理由とか、戦争がどうとか、ファシストがどうとか、
本当は何も考えてなかったのに後付けでいろいろと付け足していったら、
93分もの長さになり、映画館で上映することになったらしいです。


映画冒頭で、ポルコが仕事の依頼を受けて向かった誘拐強盗事件の現場、
ドクロマークの飛空艇に乗って登場した、髭面に毛むくじゃらの大量のオッサンたち、空賊のマンマユート団。
空賊に人質にされた15人の元気いっぱいの幼女たち。

部下「15人もいるんですが、みんな連れてくんですかあ?」
団長「仲間はずれを作っちゃ、可哀想じゃねえか!!」

この会話だけで涙と笑いが同時に出てきますね。

人質のはずの幼女たちは、攫われるというハプニングに物怖じせずに、
喜々としてついて来ては空賊と和気藹々としてますし。
それどころか、お遊戯気分ではしゃいでる幼女たちの面倒を見きれなくて気の毒な空賊たち。
気さくでお人好しな空賊たちが楽しくて仕方ないです。

なんだろな、このノリが懐かしいです。
大監督としての地位を確立する以前の、
TVシリーズの仕事をしてた頃の古き良き宮崎アニメそのもの。
宮崎駿が演出した回の名探偵ホームズに似ていまして、
ミセス・ハドソン人質事件でのハドソン夫人とモリアーティ一味の心温まるやり取りを思い出しました。

この作品の登場人物は全員明るく気持ちのいい連中ばかりでおっさん率が高めです。
女達もよく働き強く生きている、笑顔が素敵な人達です。

うちの父親も、『紅の豚』が大好きだった模様。
この作品って大人の心をくすぐるものがあるのでしょうね。

主人公が(豚ですが)おっさんで、
かつては空軍のエースパイロットで、今は組織に縛られずに気儘に大金を手にする賞金稼ぎ。
女達には年頃の娘たちからも幼女からも老婆も関係なくモテモテ。
男達(空賊)からは、当然のように散々に僻まれる。

これって、間違いなく男の理想の生き方ですよね?ていうか、宮崎監督の願望?
ヒロインのひとりで中年主人公に惚れる純真で健康的な美少女フィオとか、
宮崎監督の理想とする少女像そのものですしね。

ついでに言いますと、映画での本ヒロインでポルコと同年代の三十路のジーナは原作には存在しない後付けであって、
本当はヒロインはフィオひとりだけでした!
36~37歳のおっさんが17歳の少女を嫁にしちゃ映画的にまずいという配慮からジーナが加えられたのでしょうね。

作品のコンセプトは、「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」

なるほどー。大人の男が一番喜ぶツボを大人の男である宮﨑駿監督が心得てるわけでして、
こんな生き方を出来たら楽しいだろうなあ!と宮崎監督は大いに筆が乗ったでしょうね。
結果、子供の為の作品作りを常日頃に信条として公言している宮崎監督は、
自分の趣味丸出しの『紅の豚』を作ってしまったことを無茶苦茶に後悔したのですが、
そんな『道楽の産物』が、21世紀に『理屈っぽく』『子供のためにつくられた』
どの宮崎作品よりも、ずっと面白いというのが皮肉です。

私が『紅の豚』で一番好きなシーン。
それは、フィオが空賊連合を相手に『飛行艇乗りの名誉と誇り』を渾渾と力説する。
空賊のいかついおっさんどもが演説に心動かされる、このシーンを観ていて嬉しくて嬉しくて本当に泣けてきました。
昔の宮崎監督は、本当に素晴らしかったということが実感できる象徴的な場面です。

趣味で良いじゃないですか?趣味のどこが悪いの?
好きなことを活き活きと描かれた作品には魂が宿っています。実力がなければ只の自己満足ですけどね。
うむうむ。結局のところ、小難しく理屈で考えるよりも感性のままに勢いとノリで作ったほうが作品が面白くなることもあり、
『紅の豚』は生のままの宮崎駿を飾らず気取らず出しているからこそ、心を打つのです。

私個人としても、宮崎アニメ映画の中でも最高傑作の一つである名作だと思いました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2016/04/21
閲覧 : 575
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74

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

タイトルなし

主人公のポルコ・ロッソは、見た目は醜い豚で、中身はいい歳した中年男。しかしその声は渋く、深みがある。見た目は豚でも偏見の目で見られず、女性にモテる。野郎どもの「豚のくせに」という罵倒は、単に嫉妬心から出る僻みであって、ポルコの見た目に対する嫌悪感ではない様子。
普段は無人島で気ままな生活。世界の情勢とは、ほとんど無縁な悠々自適な生活。
観る人が観れば、さぞポルコに感情移入と憧れを抱くことだろう……それが悪いかどうかは別として。

で、本作で気になったのが、対照的なヒロインが二人いること。
一方はすごく色っぽい美女で、主人公が自分を求めてくれるのをいつまでも待ってくれている。
片や溌剌とした少女は初対面でも見た目を気にしない器量よし度胸良しでスキンシップもアプローチも盛ん。ストレートに告白し、おやすみのキスまでしてくれちゃう。
ポルコ(自分)を理解してくれる美女と、自分に憧れてくる美少女。
……なんというか、うん。こんなんでよくもまぁ昨今の萌えアニメとか批判したよなぁって思うけど、フィオは実際可愛いので許す。でもこれも妄想っつーか願望だよね。
しかも売上目的で萌えをゴリ押ししたワケじゃなくて、監督の趣味なんだよね……うん。

まぁそれは置いとくとして……で、なんなのこれは?
「カッコイイとは、こういうことさ」がキャッチコピーらしいけど、正直目が点になる。うーん、これを観てもカッコイイとは微塵も思わないんだけど……。
だってなぁ、ポルコってフリーターじゃん。世界大戦が終結した直後で荒廃と混沌の時代で、街では一般市民が不安を抱えながらも働き、夢とか希望をもって逞しく生活している中で、真昼間から酒んで、飛びたい時に飛ぶだけの生活なんだろ? そりゃあ賞金稼ぎで貢献してるだろうけども……。
これがもしも、パイロットとして致命的な怪我を負って軍を退役せざるをえなり、厭世的になったけど飛びたいという気持ちを諦められなくて賞金稼ぎとしてくすぶってる、とかなら分かるんだよ。

でもこのポルコの場合、社会に嫌気が差して軍を抜けた。まぁ現実逃避ですわ。
で、惚れた女の元に入り浸るけど距離はそれ以上近づこうとはしない。「飛べない豚はただのブタだ」――つまり自分は特別だと主張。んでなにをやってるかと言えば権威主義反対で、自由とは名ばかりの自堕落な生活……。
彼に限らず、モブとかサブの空中海賊らが口を揃えて「俺達は夢とか自由を求めてるんだー!」的なことをほざいてた時には流石に絶句した。典型的なフリーターの言い訳です。
というか、夢を追いかけてるんなら子どもを人質にとっていいのかよ……「空と海が心を清めてるから飛行艇のパイロットは良いヤツ」って言ってたじいちゃん、どうかしてるぜ。

早い話がこの作品を構成する大半が、監督の理想とか趣味思想なので、それに近しい感性というか趣味嗜好を持っていないと、視聴するのが結構ツラい。
フィオは確かに単体で見れば可愛いけど、ポルコとの絡みとなると、ウソ臭さが半端じゃない。劇中のセリフでは、どうやらポルコのことは本人に出会う以前に、自分の祖父からポルコの武勇伝を訊かされ、微かに憧れてた様子。
だったら、まず初対面時に豚姿のポルコを見てショックを受ける、という描写は当然あるはず。
こういう描写が挟まれないのは、ポルコを気持ち悪いヤツと思われたくないからだ。なんてったって、監督の理想なんだもの。
そりゃ17歳の女の子だって躊躇いなくキスしますわ。

投稿 : 2015/07/22
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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

飛行艇

ポルコ・ロッソ
俺は戦争と人間に心底嫌気がさしたのさ。
豚でいいんだぜ、人間になんかなりかねぇな。
カーチス?カーチスか・・・あいつは表に出すがな・・・俺はそれをいいとは思はねぇ。
だが、
最後は・・・あいつなりの気遣いだと思うぜ。おいおい、これ以上は言えねぇな。
フィオか・・・いい子だぜ、腕もいいしな。
あいつを見てると人間もまんざらじゃねぇって思えてくるぜ・・・いや何でもねぇ。
空賊か・・・やつらは風呂にはいらねぇし汚ねーな。
最初・・・子供の仲間はずれを作らなかった、、バカだな。・・・
ジーナ・・・幼なじみってやつだ。一緒に時代を過ごしてきた。人生の戦友だな。

飛行艇
どうも真っ赤で破廉恥な飛行艇です。フィオ推しです。
彼とは長らくいたため心が読めるのです。
通訳します。
カーチス、あいつは俺に飛行艇に対する暑い心を呼び覚ませてくれた。
態度とは裏腹に気遣いな野郎だ。最後は倒れていてくれたんだろう?愛してるぜ。
フィオ、俺は人間に嫌気がさしていた。だが人間はこんなにも
愛おしいものだと思わせてくれた。俺を人間に・・・あいしてるぜ。
空賊、あいつらは悪だが、心は綺麗だ。安心して空賊を任していられる。最高の悪友だ。やつらに乾杯
ジーナ、俺は恥ずかしがり屋でな・・・ずっと・・・俺だって・・・ジジっジジッ・・・

妨害電波に合ったようです。

ポルコ
おら、飛行艇!!嘘をつくんじゃねぇ!!ドスドス。

飛行艇
本当に心底恥ずかしい奴ですね・・おっと、失礼。
彼はすべてに対して感謝してるのです。それを表に出さないところが魅力なのです。
賭?知ってます。でも内緒です。
私はフィオ推しです。そんなことはどうでもいい?そうですか。

映像、音楽、作画、声優すべてにおいてパーフェクトだ。
そんなどこからともなく訳のわからない電波をキャッチしました。神の奇跡だ。うるわしの湖だ。愛だ愛はアドリアを救う・・・
何ですかこの暑苦しい奴は!!
それではまたの機会がありましたら会いましょう。b

投稿 : 2015/01/08
閲覧 : 286
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青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

Porco Rosso and the Sky

※祝ミッション完遂記念! の通知。更新と表示されたでしょうが、ほぼ新規レビューです。

草の根草の根やってきた
飛べない豚タグ撲滅運動は遂に目的を遂げました。
↓過去の活動説明と懇願書
{netabare}
「飛べない豚はただの豚だ」と思ってるやつ!
飛ばない、だよ。より正確には
「飛ばねぇ豚はただの豚だ」
飛べないと飛ばないじゃニュアンスが大違いだから気をつけてください。
できるできないの話じゃない、やるかどうか。
ヤツは自分の意思で飛んでいるからあんなにもかっこいいんだ。
自分のルールに従って生きているから、自由で魅力的に見える。
決して曲げられないこだわりがある。それが豚なのにかっこいいと感じる不思議につながっているのだろう。

普通に考えれば、あの台詞が「飛べない豚は…」だと
ジーナの「今にローストポークになっちゃうんだから。わたし嫌よ、そんなお葬式」に対する返しとしておかしいしね。
我飛ぶ、ゆえに我あり…なのです。

しかし、残念ながらアニメのレビューサイトであるはずの此処あにこれでも
紅の豚のアニメ成分タグを見てみたら
「飛べない豚はただの豚だ」になっていた…。しかも18人もUPを押していて......

好きな作品だし、いろいろ語りたいことを追記しようと思ったけど
それより 取り急ぎこの残念な状態をなんとかしたい!普段はアニメ成分なんて気にしないけど、これが公認されているのはレビューサイトとしていかんでしょう!!

このレビューを読んだあなた!まだNNY(無い内容)に近いこんなレビューにサンキューなんて押さなくていい。ただ
間違ったタグを削除するためには0もしくはマイナスまで下げねばならないようです。
ちょっと手間だけどアニメ成分のページに飛んで
間違ってるタグをダウンして、正しい方をUPするのに協力していただけたなら
ひとりのジブリファン、豚ファンとしてとてもありがたいです。 懇願書[終]
{/netabare}

…キャッチしてくださっている方々を筆頭に、多くの署名があったからこそです。本当にありがとうございました!
ぶっちゃけ 成分タグなんて見てる人がどれだけいるか知りませんが、これで少しでも誤解する人が減れば嬉しいです。


…とは言ったものの、私がこの運動を始めてから投稿されたレビューにも「飛べない豚〜」と誤用されているものがいくつもありました。なんてこった…!
しっかりと本作を観たならば、あり得ない間違いだと思うのだけれど(´・ω・`)
…観終わったといっても
豚の生き様、そのかっこよさの本質を理解されていない方が多いということなのでしょうか?

ならば…私が!
自分なりの拙い解釈ではありますが、豚の魅力を熱弁しようではありませんか!!
(以下は長文なので、余裕のあるときにどうぞ)


風立ちぬに紅の豚…描きたいもの描いた作品は何かが違う?

{netabare}

ナウシカ、ラピュタ、トトロ、魔女の宅急便…
これまでの作品で 昔から宮崎氏の構想にあった物語イメージは描き尽くしたそうだ。
この先は新たな挑戦となる。
そんなときにプラモデル雑誌に連載していた話を元に映画を作らないか?という話が出てきた。
しかしそれはこれまでの子ども向けのものと異なり、同年代向けの作品になる。

「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」
という企画テーマを元に、最初は飛行機内での上映を目的とした短編作品になる予定だった。
長編映画を作り終えたばかりだったので箸休め的な感覚もあっただろう。
しかし、制作していくうちに物語は徐々に熱を帯びていき、ついには長編アニメ映画として劇場公開されるに至ったわけだ。

後に宮崎氏は「個人的な映画を作ってしまった。やはり子どものために作るという方針は大事にすべきだった」といった内容のコメントを残している。

しかし、当初のターゲット層である中年男性だけでなく、私や私の友人(性別問わず)もこの作品のファンだ。
それに知り合いの小学生男子もジブリで一番紅の豚が好きだと言っていた。

最近プロフ欄で「ロボットものは苦手です」と書いてある男性ユーザーをよく見かけ、
ONE PIECEで時々ある 【ロボを見て男キャラは目を輝かせ、女性陣は無反応】ってギャグも現代では当てはまらないのかな〜と少し寂しい気持ちを感じたりしてたけど

こういう子どもが一人でもいるならきっと大丈夫です。

中年向けに作られたとしても、宮崎さんの趣味全開でも
やはりいつの時代も飛行機が飛んでいるだけで楽しめる少年は居るのです。

ポルコも二郎も空に憧れた仲間…いや、宮崎氏の分身といったほうが正しいでしょう。それゆえに、この2作品は熱の入りようがこちらにも強く伝わってくる気がします。
本人は反省したようだけど、作りたいものを作った 好きなものを描いたこれらの作品は実に輝いてると思うし、私のお気に入りです。
{/netabare}


始めは ただ飛びたかった
{netabare}
ただ空に憧れていた若き日の記憶。ジーナを後ろに乗せ、飛ぶことを純粋に楽しんでいたマルコ少年。彼の目に映る青空は何よりも輝いていたことだろう。
飛ぶことが夢であり、飛んでいく先の見果てぬ地も夢であった冒険飛行家の時代。
それは空を飛ぶ男たちにとって夢のような時だったに違いない。
しかし、やがて彼らは時代の濁流に飲まれてしまう。

風立ちぬの場合、市民が貧困に喘ぐ中で自分たちは多額の資金を用いて人殺しの道具を作っている。そのことの残酷さと、それでも作りたい作らねばならないという技術者としての徹底した意志が描かれていた。
だが、彼は実際に戦闘機を操り戦場を馳せた軍人たちとは違う。
凄惨な現場を知らないからこそ貫けた意志…なのかもしれない。

空を駆けた者たちはどうだったか?
最近観た「永遠の0」に紅の豚
状況は違えど、どちらも戦いを拒もうとした。
・愛する家族のために生きて帰りたい
・ただひたすら命を奪い合う愚かな戦争に嫌気がさした
今では理解されるだろうが、そのような考えは当時認められるはずがない。
日本では非国民、イタリアでは豚扱いといったところか。
逃げ出した臆病者と蔑む人もいるだろう。しかし、私はけっしてそのように言うことはできない。

なぜなら
私はその苦しみを知らないから。
それはけっして体験することのできない痛みだから。

ただ飛ぶことに魅せられていた純粋な男が、軍人となり、多くのパイロットが死んでいく様を見せ続けられる…。かつて同じ夢を語った仲間も、同郷なら良き友になれたであろう敵も、皆 命を散らせていく。
空高くに浮かぶ飛行機の群れを見て彼は何を感じただろう。
…戦争など、まともな神経をした人間が耐えられるものではないのだ。
そうしてマルコは軍を去った、心が擦り切れてしまう前に。


戦争を続ける人間の愚かさに呆れ、空を飛ぶために自分がしてきたことを恥じ、彼は豚となった。
なぜ豚ヅラになったかとか、魔法が云々…そういうのは些細なこと。
奴は 人間に、人間でいることに嫌気がさしている、それだけわかれば充分。
{/netabare}


豚は守る、己のルールを
{netabare}

そうして映画冒頭にある、無人島での気ままな暮らしのシーンに歴史は繋がっていくのだ。
何も知らずに見ればのんきな豚にしか見えないが、実際は抱えている過去がある。

とはいえ、あの暮らしは おそらく中年のおじさんが憧れる場面だろう。
「今のすべてを放り投げて、どこか違う場所で悠々自適に暮らしたい」
中年でなくとも、誰もが一度くらい考えたことがあるはずだ。

{netabare}
[余談開始!]
考えたことない人でも、どうぶつの森をプレイしたことがある人ならそんな気持ちがわかるはずだ。
木を揺すって果物を食べて、欲しい家具があったら虫とりをしたり貝を拾ってお金稼いで…そんなシンプルな暮らし。

そういえば、あの世界の村人も動物の顔をしている。彼らもまたポルコのように現実のしがらみから逃れて来た元人間なのかもしれない。表向きはのんきなやつらだけど、過去は人それぞれ…いろいろあるだろうからなぁ。そこに触れないで気ままな暮らしを楽しむことがあの村における大人としての嗜みなのかもしれない。……そんなわけないけどね!!!
[余談終り]
{/netabare}

しかし、雫のお父さんも言っていた。「人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。何が起きても誰のせいにもできないからね」と…!
だから豚は必要以上に多くを語らない。カーチスに撃墜されても
機体の不調だと言い訳したりしないし、そもそも殺されそうになったことに怒りを露わにする場面もない。
ポルコは自由を求める責任と代償を理解し、受け入れたうえで
自分の望む自由な生き方を全うしているのだ。
かつて軍にいた頃の仲間フェラーリンとの会話
「冒険飛行家の時代は終わったんだ。国家とか民族とかくだらないスポンサーをしょって飛ぶしかないんだよ」
「おれはおれの稼ぎでしか飛ばねえよ」
「飛んだところで豚は豚だぜ?」
この会話に豚の豚としての生き様が詰まっていると思う。

このセリフを始め、ポルコには名言が多いが
それらはすべて豚の姿だからかっこよく見えるのではないか。
もしポルコがナイスミドルの容姿でそのようなセリフを言って、女にモテる映画だったら…。さすおに以上に 作者の願望投影が酷いと批判されることになっただろう。


しかし、ナイスガイでなく実際は豚だ。まぎれもなく豚だ。そのユーモラスな見た目と、人生経験を積んだ中年らしい言葉の数々がギャップとなり魅力を生んでいる。豚なのにかっこいい、ではなく
豚だからかっこいいのだ。
さらに
フィオにキスされたり、カーチスに「ジーナはお前を待っている」と告げられて顔を真っ赤にしてしまうところも(いい歳なのに!)
ただダンディーなだけでなく、愛らしい魅力となっている。厭世的で豚面ながらも人間臭いのだ。
女慣れしてるように振る舞っているが、実はウブなのだろう。
そう考えると、今期のオオカミ少女に似ているかもしれない。
{/netabare}

He flies in order to fly.

{netabare}
豚の生き様に話を戻そう。
物語の終盤では
大破された愛機の修理代とフィオの運命をかけた大勝負が幕を開ける。
カーチスも良い腕をしていて高度な空中戦が繰り広げられるが、豚は得意技のひねりこみでカーチスの後ろを取り、勝負は決まったかと思われる…がしかし!
豚は止めをささない。そこで空賊のボスがフィオに説明する。「いま撃つとアメリカ野郎にも当たっちまうからな」「豚は殺しはやらねえんだ。戦争じゃないとかなんとか…キザでいやな野郎だぜ」
そう、止めをさせないのではなくささないのだ。
かつての経験から…

殺すために飛ぶのではない、飛びたいから飛ぶ。それが豚の信念。
自分とフィオの命運がかかった
ここ一番という時でもけっして曲げることはしないポリシー…これをかっこいいと呼ばなかったら、きっと世界に「かっこいい」はない!

ジーナにアクロバットを披露したシーンもそうだが、言葉でなく飛行で意思を示すのがかっこいい!
言葉で伝えるのは大事なことだけど、言葉でなく態度で示したい…それも男の願望、求めるかっこよさのひとつだろう。紅の豚ではそれを最高にかっこよく表現し、なおかつ相手の女性は理解してくれている。まさに理想が描かれているのだ!
{/netabare}


耐え忍ぶも漢の美学

{netabare}
両者、機体トラブルを起こし
男くさい殴り合いの末にポルコは勝利を手にする。

軍にお祭り騒ぎを嗅ぎつけられたことを知り、一目散に島を脱出していく人々。
フィオはポルコとともに行こうとするが、ポルコは彼女をジーナの飛行艇に無理やり乗せて
「こいつをカタギの世界に戻してやってくれ」と言う。それに対し
ジーナ「ずるい人、いつもそうするのね」
ポルコ「すまねえ、行ってくれ」

今までにもいろいろあったのだろうけど、過去を匂わすだけだ。いちいち回想に飛ばない。察しろよ、というスタンスなのはビバップにも似た大人の雰囲気だと思う。

そうして飛行艇が空へ発つ刹那、フィオはポルコにキスをする。そうして去っていく二人の女。
風に舞ったフィオの帽子を拾い上げるがポルコの顔は見えない。しかし、カーチスの台詞から察するに…?


寅さんやカリオストロルパンに見られる、カタギの世界とヤクザな世界を生きる者の別離シーンだ。
本当は一緒に居たい!…だけど、彼女の未来を想えば そうするわけにはいかない……そんなジレンマ。
無法者主人公だから演出できるかっこよさなのだが、ここはかっこいいと思う人とそうでない人に別れそうだなー。私の場合、音楽の盛り上がりもあって とても感動したシーンだけど。
女性視点だと、それでもいいから連れて行ってほしいと思うのかな?
でも、フィオはポルコの気持ちを察したうえでキスしたんだろうし。大切だからこそ、あの選択が正解なんだよね。それにポルコが恋してるのは…。

うん、やっぱ……か っ こ い い!


その後ジーナさんの賭けがどうなったかは私たちだけの秘密。ということだが、エピローグに一瞬だけ赤い機体が映っている。それも昼間のホテルアドリアーノに!
それはつまりそういうことなのか?
だが、インタビューでポルコは人間に戻ったのか?と尋ねられた宮崎氏は「人間に戻ってもまたすぐに豚に戻り、十日くらい経つと飯を食いにジーナの前に現れる」と答えている。
けっきょく明確な答えは無い、秘密なのだ。それが良い。
何もかもが説明されることを望む視聴者もいるだろうけど、匂わすだけで終わるのも想像の余地が残って私は好きだ。
それでも、ただひとつ確かなのは
この先も豚は豚らしくやっている、ということでしょう。

{/netabare}


【好きな飛行シーン】
{netabare}
紅の豚は やはり空を飛んでいる場面が印象的!その中でも特に好きなのは3箇所。
ひとつ目はマンマユートの奴らとやり合った後、ジーナの店へ向かうとき。夕暮れの中を飛ぶポルコの機体はさながら真っ赤な太陽のようだ。

ふたつ目は修理がてらミラノへバカンスに向かうシーン。
雲の切れ目から差した一縷の光がサボイアの真っ赤な機体と青い海を照らし出す。その煌めきによってカーチスに見つかっちゃったようだが、ここは実に美しい光景だった!使用される「Doom-雲の罠-」という曲も美しい旋律ながら怪しげな雰囲気を醸し出していて素晴らしい。

みっつ目はポルコとフィオが修理された機体に乗って飛び立つシーン……も迫力があって好きだが
その後 フェラーリンに軍の警戒網の抜け道を教えられ、低空飛行している場面!
先に挙げたふたつのシーンとは違い、主観的視線&縦の動きの映像となっていて
まるで自分も二人と一緒に空を飛んでいるような気持ちにさせてくれる。そうして、いくつか丘を越えた先に見えたのはアドリア海…そして、この場面で流れている曲の名は「アドリアの海へ」
…もうね、アドリア海の飛行艇乗りたちが飛ぶことに魅せられてしまうのも納得ですよ。
フィオが「綺麗…世界って本当にきれい」と思わず口に出してしまうのも当然!
世界恐慌が暗い影を落とす中でも変わらずに世界は美しいのです。
{/netabare}

豆知識

{netabare}
「レッド・バロン」
マンフレート・フォン・リヒトホーフェン

紅の豚のモデルとなった第一次世界大戦におけるドイツのエースパイロット。赤く塗られた機体を操り空を舞った彼は幾多もの敵機を堕とし「撃墜王」と呼ばれた。

だが、華々しい名声の裏で葛藤があったようだ。ポルコも雲の上での経験が無ければ、彼と同じような最期を辿っていたのかもしれない。
リヒトホーフェンの人生を描いた映画が制作されているので紅の豚ファンなら一度は観ておくとよいだろう。
ただし この映画の主人公は豚でなく、岡田将生似のイケメンだけどね。実際のレッドバロンも写真を見る限り、男前だったみたいだし。
{/netabare}

♪Music
好きな曲については語りだしたらとめどなく長くなりそうなので、サントラについて少し。
これはジブリのサントラCDの中でも特に素晴らしい。名盤と断ずるに些かの躊躇もありません!
「帰らざる日々」この曲が特に好きですね。ポルコとジーナのテーマであり、紅の豚という作品のテーマでもあります。この曲のメロディを元に劇中でもいろいろアレンジされた曲が流れるのですが どれも素晴らしく、一曲一曲 映画の場面が鮮明に浮かんできます。目を閉じてサントラを聴くだけで映画を観終えたような気持ちになる。これはCDであり、映画なのです。それはどのジブリサントラにも言えることですが、特に紅の豚はその感覚が強い…ただ単に私が何度も繰り返し見すぎたせいかもしれませんが。


起承転結のある映画音楽のサントラやコンセプトアルバムなど
CDとして曲の構成がはっきり意味あるものは好きです。

投稿 : 2014/12/02
閲覧 : 385
サンキュー:

26

ネタバレ

wininng さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

飛ばねえ豚は、ただの豚だ。

豚人間が主人公のちょっと変わった話です

ジブリの中でも変わっています

第一次世界大戦あとの夢を追い求める男達の生き様の話

タイトルはみんな知っている名言?

投稿 : 2014/11/14
閲覧 : 270
サンキュー:

6

ネタバレ

37111 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

スカッとする

ジブリにはこういうのを望む。

見終わった後エンターテイメントとして充足度が高い。
頭空っぽにして楽しめるのが良い。

投稿 : 2014/10/27
閲覧 : 260
サンキュー:

1

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

カッコイイとは、どういうことさ?

【個人的殿堂入り作品】
昔は嫌いだったな~、この映画。
「カッコイイとは、こういうことさ」ってどこがカッコイイのか分からなかったのですよ。
私は20代の頃は「スマートな大人」ってやつになりたかったのです。
目指していたのは『姿形を含めてダンディーな男』。
でも現実は甘くない。
ある日、程よく中年太りした自分の姿を見て愕然とする訳です。
もう遅い。
ならばせめて内面だけでもダンディーな男でありたい。
そう思った時に観るポルコ・ロッソは本当にカッコイイのです。
「ああ、俺もこうありたい」と心底思うのです。
私は感化されやすいタイプなので、それからしばらくはダンディーな男になります。
そうするとカミさんが笑って言うのです。

『また「紅の豚」観たでしょ』

見透かされてる・・・。
当たり前か。
だってここ数年何回もこんなことを繰り返しているのだから。

【視聴メモ】
宮崎映画にしては珍しく声がハマっている。
だから変な違和感を感じることなく観られる。
表現は結構マンガ的だが、それも楽しい。
宮崎駿作品といては最後の娯楽作品だと思う。

投稿 : 2014/04/20
閲覧 : 206
ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ジブリ作品で最もダンディズム溢れる作品!嫌味なキャラが一人もおらず、ロマンあふれる気持ちのいい作品に仕上がってます。

古い順にジブリ作品を視聴してきましたが今のところ一番好きな作品です!
マルコはかっこいいしフィオは可愛いしジーナは素敵だし、
その他サブキャラも根は良いやつらばかりで嫌味な部分がない素敵な作品です。

戦闘機での空中戦やそれに関連するキャラクターたちの生きざまにプライド。
難しいことはなく非常にわかりやすい設定なのでスッと頭に入ってきやすいです。
宮崎駿監督が語ったように「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」
になっています。
つまりこの作品の面白さが理解できてしまう
=実年齢はともかく中身は中年の可能性がありますのでご注意ください(笑)

魔法によって豚の姿をしているマルコがダンディズムあふれる男でとてもかっこよかったです。
豪胆さと愛嬌を併せ持った気持ちのいいキャラクターでしたね。
随所のかっこいい発言とは裏腹に女性にキスされたりするとすぐ顔が赤くなる可愛いやつでもあります。
もしかして「紅の豚」ってそういう意味ですか?(笑)
賞金稼ぎでありながら殺しはやらないというポリシーもいい。
こういう設定は少し間違えると偽善にしかならないが
マルコは様になってました。

フィオも17歳という若さでありながら、
自分の気持ちや思ってることをストレートに相手に伝えることが出来る素直な子でした。
男勝りなところもありますが年相応の女の子らしいところもあって可愛かったです。
マルコにぐいぐい迫るところも彼女らしいですね。
逆にジーナはマルコとは長い付き合いで二人は微妙な関係?
二人だけにしかわからない線引きみたいなものがあって
フィオとは違う大人の関係に感じました。

魅力的なのは女性キャラに限らず男性キャラクターもいい味だしてます。
しょっぱなから登場する空賊の連中も小さい子供たちを誘拐するにはあまりにも優しすぎる!
口調が子供を怖がらせないようにまさに子供に話しかけるように気をつかってるところが笑えますw
その子供たちもジブリ特有の好き勝手やり放題の子供たちでとても可愛らしい。

この作品でマルコの宿敵というかライバルのような感じで描かれてるカーチス。
マルコを倒して名声を得ようとしてたキャラなんですが女性に惚れやすく、
ジーナにアタックし玉砕した後にはフィオに惚れてアタックしてました。
終盤の決闘ではフィオが賭けの対象になってたりと結構なお騒がせキャラです。
でも実際何考えてたかよくわからないキャラでもあって、
決闘はフィオが賭けの対象なのにマルコとの殴り合いのシーンで
ジーナはお前に惚れてるんだよ!的なことを言いながら殴ってました。
ジーナの気持ちを知ってしまったカーチスがジーナの代わりに代弁してたんですよ。
それを聞かされたマルコは案の定「紅の豚」状態になり、
素敵なパンチをもらっちゃいましたね(笑)
フィオを口説きながらジーナの気持ちを代弁するカーチスには頭が下がります。
最終的にマルコは人間に戻ったみたいですがその姿を唯一確認したキャラクターでもあります。
将来の夢は大統領だとか…

最後どうしてマルコは人間に戻れたんだろうね。
戻る前にフィオにキスされてたけど本当にキスで戻ってしまったのだろうか?
視聴後に色々考察してみても面白いかもしれません。

「私 いま賭けをしてるから―私がこの庭にいる時その人が訪ねてきたら
今度こそ愛そうって賭けしてるの。
でも そのバカ夜のお店にしか来ないわ日差しの中へは ちっとも出てこない」

というジーナのセリフが作中でありましたがラストのカットでマルコの飛行機らしきものが
ジーナのホテル前にとまってるのが見えるんですよね。
ジーナさんは賭けに勝ったのだろうか…

「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」や「飛んだところで所詮豚は豚だぜ」などと作中で言われてましたが
私は思う…豚が飛ぶことに意義があると!
だって豚が飛ぶというだけでカッコいいじゃないか。

「カッコイイとは、こういうことさ。」

【A82点】

投稿 : 2014/04/11
閲覧 : 308
サンキュー:

6

ネタバレ

(´◉◞౪◟◉`) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

S

おいらはただのブタです(´◉◞౪◟◉`)

投稿 : 2014/03/14
閲覧 : 260
サンキュー:

0

ネタバレ

ブリトラ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

最高

こんな男になりたいと思わせる最高の作品。

投稿 : 2014/02/25
閲覧 : 238
サンキュー:

1

ネタバレ

アニメおたく さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

大人の恋愛

駿の十八番の空中戦がメイン。ポルコと歌姫ジーナの歯がゆい恋愛模様がモヤモヤするんだけど(笑)そこがまた良い。
人死が出ないのも駿の優しさを垣間見る気がする。
個人的には、『天空の城ラピュタ』『ナウシカ』についで三番手が『紅の豚』ですね。

投稿 : 2014/01/15
閲覧 : 215
サンキュー:

1

ネタバレ

madonosun さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

飛行機最高

監督がミリタリー好きなだけあって細部までこだわっていてとても面白い

ジブリに特有の水の表現もすごく凝っている

投稿 : 2013/12/13
閲覧 : 195
サンキュー:

1

ネタバレ

水音 秋 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

飛べない豚は...

ただの豚だ!
その通りwwww

鑑賞後は、とても大きな爽快感を得ることができました。
こういうかっこよさもありですね。大ありですね。

ただ豚なだけで...。
あ、でも女の子がとても可愛いのでGOODです。

投稿 : 2013/11/12
閲覧 : 279
サンキュー:

1

ネタバレ

yokumra さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

操縦桿をにぎる・・・豚!

最近のオンエアをチラリと見たので
レビューします。
フルでみたらまた更新するかも。
シブくないのに、ハードボイルド。
エロくないのに、セクシー。
観る人に遠隔攻撃をかますジブリマジックです。

確か観たのは
ヒロインが海に泳ぐシーンからです。
畜生、豚がこんなにカッコいいなんて
考えもしなかった。
ラストで豚を人に戻らせて、
顔を見せず、しかも消息も不明。
含みを持たせて終わらせる
オープンエンドのテクニックのようだった。
(厳密にはオープンエンドとは違う気がする)

よ~くみると、ホントに描写が細かいです。
プルプルシワ寄るヒトの肌。
大笑いするときの全身の動き。
飛行機が飛び去るときに舞い散る札束。
手間かかってんな~。
これは、フルで観ないとね。

投稿 : 2013/09/10
閲覧 : 349
サンキュー:

11

ネタバレ

ダマサキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

やっと観れた!

ジブリの中でも、ブタが主人公ということであまり感動できる気がせず、敬遠していた作品。
観終わった感想は、素直に良い作品だった!ということ。
舞台は、1929年以降のイタリア。
主人公は、以前はにんげんだったが、なぜかブタになってしまった元空軍大尉で今は飛行艇乗りで賞金稼ぎのポルコロッソ。
あまり大きな話の展開はないが、当時の人々の様子を想像できる、どこか懐かしい感じのする作品で、終始穏やかな気持ちで観られた。
ものすごく感動する!ということはないかもしれないが、十分、観て良かったと思える作品だった。

投稿 : 2013/09/01
閲覧 : 258
サンキュー:

0

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紅の豚のストーリー・あらすじ

舞台は、空中海賊が暴れまわっていた第一次世界大戦中のアドリア海。空中海賊退治で活躍していたのが、紅の豚ことポルコ・ロッソでした。イタリア空軍の英雄だった彼は、ある理由で豚になり、社会に背を向けるようになったのでした。あるとき、二人の女性ジーナとフィオを巻き込み、彼女たちが見守る中、ポルコを倒すためにアメリカから来たカーチスと決闘をすることになりました。・・・・・(アニメ映画『紅の豚』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1992年7月18日
制作会社
スタジオジブリ
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E3%81%AE%E8%B1%9A
主題歌
≪OP≫加藤登紀子『さくらんぼの実る頃』≪ED≫加藤登紀子『時には昔の話を』
挿入歌
J.B.Clement-A.Renard、Arr. M.Villard、Jack Lantier『LE TEMPS DES CERISES』

声優・キャラクター

森山周一郎、岡村明美、加藤登紀子、大塚明夫

スタッフ

原作:宮崎駿(月刊『モデルグラフィックス』連載)、 監督:宮崎駿、脚本:宮崎駿、プロデューサー:鈴木敏夫、作画監督:賀川愛/河口敏夫、美術監督:久村佳津、音楽監督:久石譲

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