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「機動戦士ガンダム F91(アニメ映画)」

総合得点
72.3
感想・評価
463
棚に入れた
2551
ランキング
1168
★★★★☆ 3.8 (463)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.9
キャラ
3.7

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機動戦士ガンダム F91の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

フェイルン さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

続編を求む

2023/12/24 BS12の日曜アニメ劇場で久々に観た。

初見は1991年3月16日公開。当時の自分はまだ中学3年生卒業式が終わった頃だっただろうか、映画館へ観に行った。
当時はテレビ版の「機動戦士ガンダム」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」は観ていた。

「新時代のガンダム」として企画された作品であり、テレビシリーズ用の構想の序盤1クール分にあたるストーリーを劇場用完全新作として映像化したものだったので初見だとかなり駆け足なストーリー展開に感じるかもしれない。

「機動戦士ガンダムF91」は、既にアムロ・レイやシャア・アズナブルはもう死んでいなくなった時代の宇宙世紀123年。「閃光のハサウェイ」よりも更に後の時代だ。令和の時代からF91を観ると、UCあたりのMSの進化とF91の性能差あたりの整合性がサイズなどの軽量化による機動性しか思いつかないのがやや厳しい。もし機動性があっても、そもそも強化人間で無い肉体が耐えられるのかといった事も考えられる。まあ、そもそもUC他は後付け設定なのでそちらがやり過ぎてバランスが悪くなった感もある。

「機械なんて使う人次第なのよ」(モニカ)

『逆襲のシャア』ではニュータイプ論がテーマだったが、EDのF91と鉄仮面が合わさるところといい、本作は「人と機械」、「親と子」の物語だった。

好きなキャラクターはヒロインのセシリー・フェアチャイルド(ベラ・ロナ)。アイドルとして戦争の道具にも持ち上げられる程の美人で好感度も良かった。

森口博子の名曲をBGMにしてのラストもガンダム至上最も好きな終わり方だ。

森口博子が紅白で歌った「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」をBGM事態も好きだ。森口博子自体もこの曲で芸能人を止めずに済んだというエピソードがある。

本作の続きはTVで放送する予定もあったようだが様々な要因が重なったようで、30年以上経った今でも続編はない。

今でも、ガンダムF91を観ると、当時のワクワクと感動を思い出す。いつか、続編やリメイクが実現することを願っている。

因みに、ビギナ・ギナはプラモデルを買って組み立てたくらいにデザインが好きだ。

映像化はされていないが、コミック媒体で「機動戦士クロスボーン・ガンダム」というF91より10年後の話を読める。

投稿 : 2023/12/24
閲覧 : 67
サンキュー:

0

ネタバレ

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

不完全燃焼

EDのあっけなさと、「なんにも終わってないじゃん」は、例えこの作品の企画経緯(映画はプレビューで、本当はこの後テレビで続編をやるはずだった)を知っていたとしても、受け入れてあげるべき苦言。それでも「ガンダムの続編」を作るに当っての富野・安彦・大河原の意気込みは評価すべき。「家族と主人公」の座標関係を、新しい視点から描こうとした富野。ビジュアルと内面のギャップをあえて設定し、演出でその隙間をうめようとする過程でキャラを生かそうとした安彦。それまでにもなく、またなんとその後にもないラインでMSをデザインした大河原。商売的に失敗し続編が作られなかったのが悔やまれる。シーブックとセシリーのその後については、富野原作・長谷川裕一漫画の「機動戦士クロスボーンガンダム」というコミックスで是非どうぞ。

投稿 : 2023/12/06
閲覧 : 87
サンキュー:

7

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

貴族と軍の腐敗、親と環境。UCユニコーンの要約版…かな?

 構造的にはUCと一緒です。貴族のノブレスオブリージュ、親子問題、地球と宇宙の関係性、環境問題、軍の腐敗、人間の悲惨な死の場面、バイオコンピュータ、強化人間。高貴な少女とガンダムを作り続ける家の少年の物語です。

 UCとの類似性だけでなくいろんな富野作品の既視感満載です。それぞれの作品が作られた時系列はすぐにわかりませんが、逆シャア、Vガン、そういったものを含めて、結局富野氏の言いたいことは何か集約されて行く感じです。それと子供以外の女性の描き方がひどいのも氏の特徴が表れています。

 Zと逆シャアの間的な何かを感じることもできます。ハサウエイにも絡みますね。その辺の言い換えかもしれません。大衆はモノを考えられない。軍は腐敗する。貴族は特権を享受するが一部の理想主義者が暴走を始める。環境が不可逆的な破壊まで進む気配。ガンダムの戦いは局地戦では活躍しますが、本質は変わらない。それぞれの人間に理屈はあるが視野が広くない。女性はコワイ。親の理念は子供にとっては呪いである。

 それを統合すると、文明はリセットするしかない、というニヒリズムというか虚無主義に行き着く気がします。初代ガンダム時は宇宙コロニーは肯定的に人類の未来のような雰囲気もありましたが、最終的には否定しているのでしょうか?
 ニュータイプというコミュニケーションに限界を感じていたのかもしれません。Vガンでひどいことになるし。

 そういえばフェアチャイルドって軍用機を作ってた航空機メーカーですよね。意味があるんでしょうか。

 F91のタイトルロゴに草が絡みついているのに気が付きましたでしょうか?またレタリングの雰囲気が貴族っぽい飾り文字でもありました。ひょっとしたら、人類の未来は大衆による民主主義ではなく、超人=大衆のルサンチマンを克服した人、高い目標のために生きられる人による中世以前の文明レベルで自然と共に生きる独裁が理想と思っているのかも、と思ってしまいます。

 つまり作品の内容そのものはいつものガンダムの要約みたいな感じです。プロット紹介で終わってしまった気もしますが、UCユニコーンの特に前半のエッセンスとして予習になるかもしれません。冒頭しばらくUCと区別がつかないほど似た展開に少し驚くくらいです。
 あるいはF91の続きはユニコーンと似たような展開になるという想像もできます。

 アニメは初めの30分くらいは良く、それ以降はひどくなり、最後だけはかなりいいです。通常は4クール、20分×50話として1000分。エンタメが半分あるとしても500分の主張のエッセンスを120分ですから、物足りないことは物足りないです。


 評価は難しいです。考察は面白いです。しかしストーリーの出来は悪くないけど良いとは言いきれないというレベルで3.5かな。キャラは魅力はないですねえ。ミネバ様とセシリーを比べるとそれは明らかですし、セシリーの内面描写は自分の役割を自分で解説しているような感じです、軍人その他の粗野な描写の意図は汲めなくはないですが不快感はあります。敵役の魅力も鉄仮面だし…3にします。

 歌は森口博子さん?まあ、余計というか要らない?2.5かな。作画は良いところもありますが、物足りない部分も多かったです。3…いや最後に免じて3.5ですかね。声優さんは古き良き演技です、3.5。

 トータルで3.2ですが、そこまでひどくはないです。主観でいえば75点くらいは上げていいかも。

投稿 : 2023/11/09
閲覧 : 220
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8

テングタケ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

これはダメでしょう

これ本当にオリジナル劇場版なんですよね?どうみてもテレビの総集編的な作りなんですが。見てる途中で1回、見終わってからもう1回wikiで確かめてしまいました。
とにかく状況も地理関係も、登場人物の立ち位置も名前すらもよく分からないうちに話がどんどん進んで置き去りにされていきます。よく分からない人たちが勝手に行動してよく分からないセリフを吐く、まさに富野節満開です。
独立した作品としてクソ以外の何物でもないですね。主題歌は良かったです。

投稿 : 2023/02/04
閲覧 : 174
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1

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

TVシリーズにしなかったことが残念

水星の魔女一期完結記念。本年度、最初のレビューになります。

このガンダムF91は「逆襲のシャア」が売れるに売れたので企画されたリブート企画だったそうなので、当初はTVシリーズを念頭に制作されたのですが、制作費が高騰したため急遽リスクを回避するために劇場公開に変更したそうです。

なので、「リブート」ということで一応宇宙世紀ではありますが、キャストも世界観も刷新されています。

後にVガンダムが制作されたので、あちらとの共通点が多いのが特徴的だと言えるでしょう。

しかし、ガンダムで初めてと言って良い「恋愛映画」としての側面もあるのが特徴的です。

それもその筈、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をモチーフにした世界観なので、戦記ものからロマン主義的な文学な内容になってます。

その後、08小隊で更に「ロミオとジュリエット」のような関係を描いていますね。

投稿 : 2023/01/10
閲覧 : 153
サンキュー:

5

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

4回目2022.1.17

4回目2022.1.17

投稿 : 2022/01/17
閲覧 : 431
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0

三毛猫メリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ガンダム F91

2021.6.13 視聴完了。

まあまあかな。

私としては特に感動することもなかったし・・・

子どもに対しての軍人や大人の言い方がちょっと嫌だったけどね。

主題歌や音楽は良かったです。

投稿 : 2021/06/13
閲覧 : 240
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4

ちょま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

テレビシリーズで見たかった

もともとテレビシリーズ用で企画されたものを劇場版サイズで再編したとかいう本作。おかげでストーリー進行が異常に早いのなんの!
いつの間にか仲間が増えてたり、次のシーンに飛んだり、葛藤したり…劇場版というかダイジェスト版。企画背景を知らなかったから鑑賞後ついテレビシリーズ探しちゃったよ!

ガンダムはファーストとZ、ユニコーンしか見たことないけど、それらと比べると大分キャラが分かりやすく話も明快。戦争中でありながらキャラの関係性に主軸があるようで、特に主人公とヒロインのラブストーリーに帰結するあたり血みどろな戦いとのメリハリで爽やかなラストだった。だからこそテレビシリーズでしっかり全部描いてほしかった!ダイジェスト版だから面白そうなシーンが続くのよ…ちゃんとお話を見てみたいよ!

まぁぶっちゃけやってることは他のガンダムとあまり変わらない、て感じはしたけどね。

ということもあってガンダム見たことないって人には「ガンダムシリーズってこんな感じだよ」と勧めやすい作品。それ以上の見どころはなし。いやまじダイジェストだもんどう評価しろと。

せめて3部作くらいで作り直してほしいと切に願います。

投稿 : 2020/12/23
閲覧 : 302
サンキュー:

3

おーいん君 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ガンダムの定型を打ち破れるのか?

打ち破ろうとしているんだけど、打ち破れなかった、感じがします。

ガンダムをなんとなくでも理解していないと、面白くないかもしれません。

軽くでもガンダムを理解していれば、ちゃんと楽しめます。

投稿 : 2020/04/17
閲覧 : 272
サンキュー:

1

ネタバレ

雄太 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

戦争の残酷さを正面から描いていて、ガンダムがただの子供向けヒーローアニメじゃないということを証明しようとする意気込みを感じました。
ロボットの巨大なパワーと対照的に人間の命の儚さや非力さが強く感じられ、悲しく切なくなるストーリー展開ですが、それゆえにラストのかすかな希望は感動的です。
敵を倒した後の5分ほどのシーンは何度見返しても涙が出ます。主人公を説得する母親役を演じた声優の演技力と声にも脱帽させられました。

投稿 : 2020/03/15
閲覧 : 260
サンキュー:

1

メタトロン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

TVシリーズで観たかった

元々TVシリーズとし構想していた1クールほどのストーリーを劇場版サイズに編集したとのこと。
そのせいか、急展開すぎるところや描写不足を感じた。

それにしても、実は姫様だった展開が多すぎる。

そそる内容だっただけにもったいない作品。

投稿 : 2019/10/18
閲覧 : 270
サンキュー:

1

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ガンダム史上最も格好悪い《仮面の男》はコイツだ!

これまで色々視聴してきたガンダム・シリーズ。
そろそろBEST10を作ってまとめに入らないとな、と思ってこちらも視聴してみたのですが・・・。

《総評》

本作は、宇宙世紀(U.C.)0123年の物語ということで、『機動戦士ガンダムUC』(※宇宙世紀0096年という設定)から更に27年後の出来事ということですが、同作その他の《宇宙世紀シリーズ》とのキャラの重複は一切ありません。

で、本作を観終わっての私の率直な感想として「コレ面白くない」。
ガンダム・シリーズお約束の「仮面の男」は本作でも確り出てくるんですが・・・もう少し何とかならなかったのか?

主人公&ヒロインもいまいちパッとしない印象で、結局、最初から最後まで身を乗り出してシナリオを追ってみたくなる機会がありませんでした。

気合の入ってない感想で、ファンの方には申し訳ないです。

投稿 : 2019/02/17
閲覧 : 533
サンキュー:

10

ネタバレ

つぶあん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

宇宙世紀直系のストーリー

まずは、先日お亡くなりになった主人公シーブック・アノー役の
辻谷耕史さんのご冥福をお祈りします。

ネオジオン抗争(逆襲のシャア)から30年後、宇宙世紀上の物語。
ユニコーンから見ると27年後の物語ですね。

宇宙連邦の長引く平和の中、宇宙連邦政府は再び腐敗していた。
宇宙連邦の打倒と理想とする貴族主義社会の実現のため、
クロスボーン・バンガードの侵攻が始まる。
主人公シーブック・アノーは、フロンティアⅣで暮らす少年。
クロスボーン・バンガードの侵攻により、戦火に巻き込まれる。
そして、逃げ込んだ先、連邦軍練習艦スペース・アークに乗船するが、
そこにはF91と呼ばれる新型MSがあった。
生き延びるため、シーブックはガンダムF91を操縦することになる。

話の流れはファーストガンダムのアムロと全く同じ。
戦争に巻き込まれて逃げた先でガンダムにのるパターンです。
そしてガンダムの開発も主人公の親が絡んでます。
まさに歴史は繰り返される。

とにかく連邦の兵隊の身勝手さがイラっと来ます。
そして、ヘナチョコすぎる。
連邦の腐敗具合がよくわかります。
そして、この作品の主人公とヒロインはどっちも親に恵まれず、
ヒロインに至ってはスケールの大きな親子喧嘩をします。

この作品のテーマが「家族の問題」らしく、人類の進化とか
政治とか、難しく考えなくてもよい話になっています。
ハッピーエンドなので最後まで安心して観られます。

この作品はVガンダムの前に作られた作品なのですが、虐殺方法がエグい。
空飛ぶノコギリ円盤が人間を探し出して次々と襲っていきます。
Zガンダムでは毒ガスを用いましたが、監督の富野由悠季が
「子供が生のリアルさを失いつつあるのではないか」という強い懸念を
持っていたため、もっと直接的な痛みを感じる殺害方法を見せるために
そうしたらしいです。
後のVガンダムは更に残虐で、富野監督もやり過ぎたと作品を全否定
してるとか。

それにしてもガンダムはMSが命。
この作品でも、逆シャアで使われたMSから新たなMSまでてんこ盛り。
メカ好きにとってうれしい作品でした。

投稿 : 2018/10/25
閲覧 : 297
サンキュー:

10

ネタバレ

こまたち さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

まるで大学生の恋愛だわ…

1991年劇場公開。ガンダムシリーズで宇宙世紀に属する作品の1つ。

”質量を持った残像”
このセリフに代表されるように、、F91の圧倒的な機動力と武装の火力に魅せられました。ラストのラフレシア戦もさることながら、そこに至るまでの戦闘においても無双状態。見ていてとても爽快に感じましたね。当時の作画水準は知りえませんが、今見てもとてもクールな戦闘シーンを描けています。武装・メカデザは個人的にはかなり気に入っています。

「こうなってしまったの。こうできちゃったの。どうすればいいの?」 
セシリーは劇中でシーブックのことを”友達”と言っていますが、どう考えてもそれ以上の関係性ですよね(笑)上のセシリーのセリフもそうですが、少しシーブックに甘えたようなところがありますよね。シーブックも単独でセシリーを助けに行ったり、ラストでのセシリー捜索時の様子だったり、ただの友達・正義感とは少し違いますよね。そういった恋仲のような様子を直接的な表現を使わずに戦闘シーンだったり、二人での会話や相手に想いを馳せるシーンを用いて描いていたところがとても魅力的でした。

主題歌はこの作品を知らない頃から大好きでした。戦闘シーンに流れた音楽も個人的にはツボです。

物語に関しては残念ながら作中の表現だけでは細部までは理解できませんでした。富野の息がかかった作品は例外なく制作者側の頭の中で自己完結しているので仕方ないことではありますが…。ただ大筋や雰囲気はだいたい伝わってくるので、この作品に関してはそれで十分だと思います。より楽しみたい方は紙媒体等を用いて補強するのがおすすめです。

投稿 : 2018/03/01
閲覧 : 398
サンキュー:

4

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

第2次ネオジオン抗争から30年、スペースノイド達の戦いが勃発する。

1991年公開の劇場用アニメ 115分

原作監督脚本 冨野由悠季 脚本 伊東恒久 キャラデザ 安彦良和
メカデザ 大河原邦男 制作 サンライズ 

逆襲のシャアの27年後を描いた機動戦士ガンダムF90は1990年にコミックとプラモで展開した。
このガンダムF90はモビルスーツの小型化が特徴で劇場版と近い規格。
この直後の年代を背景にしたのがスーパーファミコンソフト「機動戦士ガンダムF91フォーミュラー戦記0123」で、
劇場公開の直前に新兵器「ヴェスバー」のお目見えとなったようです。
ただしスピンアウト。

さらにその3年後、宇宙世紀0123年が本作「F91」の舞台で、
劇場版「逆襲のシャア」以前の登場人物は一切登場しない。

「機動戦士ガンダム」劇場公開10周年記念作品ですが、
一年戦争から40年後、逆シャアからは30年後です。
1クールつまり12話分の構想を劇場用に変更したらしいので少し駆け足気味に感じます。
時間にして6話=120分くらいなので、半分に縮めた感じでしょうか。

地球を破壊する可能性のある人類は、地球と月のあいだにあるコロニーに移住し、
地球連邦政府の名のもとに統治される。
この確約はまたしても破られ、特権階級は地球へと戻っていった。
スペースノイドたちはこの腐敗を断ずるために軍事組織「クロスボーンバンガード」を造り地球連邦政府と対立する。

シーブック・アノー CV辻谷耕史 ガンダム開発者の息子 民間人
セシリー・フェアチャイルド CV冬馬由美 クロスボーンの貴族の娘

本来は対立する立場ではないが、セシリー(ベラ・ロナ)の実の父カロッゾ・ロナ(鉄仮面)が、
コスモ貴族主義の急先鋒として地球や月の「重力に縛られた人類」を滅亡させようと企んだため、両陣営に分かれる。

劇場版のストーリーは主に、シーブックとセシリーの運命の戦いから、まあ予定調和へのスムーズな流れで、
当時としては非常に高い作画レベルのロボット戦闘アニメではあります。

冨野ガンダムサーガ全体の流れとしては「逆襲のシャア」と「機動戦士Vガンダム」をつなぐ時代ではありますが、
冨野氏の主張した「Vガンダムは観てはいけません」により宙に浮いた感じです。

Vガンに続くのが∀ガンダムで、発表順に観れば一番良いのでしょうが、
どれをどんな順番でお勧めすればよいのか難しいです。
それでも、日本アニメ史上に燦然と輝く長期シリーズの全貌はいつかは整理して、
いや、それ以前に自分が理解できていなくてはどうにもなりませんね。

今回は20年ぶりの視聴でしたが、まだ難しいと感じました。
この作品にも延々と続編があるようで、
「機動戦士クロスボーン・ガンダム」では、シーブックはキンケドゥ・ナウと名乗っていたりします。

残念ですが、シーブックの物語の理解は私には難しいようです。

投稿 : 2017/12/19
閲覧 : 614
サンキュー:

27

ピコタン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

先日BSで放送があり25、6年ぶり?に観ました。
高校生の時映画館でみました。
当時は安彦さん、大河原さんが参加されるという事でワクワクしました。…でも私は安彦さんの絵はアリオン、Ζガンダムの頃の方が好きなので今ひとつだなぁと思っていました。
作画はそれ以前に制作の逆シャアの方が良いと思います。

色々とツッコミたくなる所はありますが(百合の花をつけてたらセシリーだろ?!とか)最後もツッコミたくなりますが あの宇宙で2人出会えた時は泣いてしまいました。
ホント、TVシリーズでじっくり見たかったです。

投稿 : 2017/11/25
閲覧 : 303
サンキュー:

2

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

シドニア好きに、超オススメ!

富野ガンダム派です。
宇宙世紀を知らなくてもロミオとジュリエットとして見れます。

オリジナルガンダムの主人公はほとんど恋人とは結ばれない。
{netabare} ~このシーブックはセシリーと結ばれます。
感動の宇宙でのキス?(酸素ないから無理)シーンです。 {/netabare}
シドニアとかが好きな人は是非みて欲しい!

シーブック役の辻谷さんはポケットの中の戦争、バーニィと同じ役者。
ガンダムファンは大好きな作品。

でも人気無いんですよね。
TSUTA○Aさんでブルーレイが100円で借りれます。

投稿 : 2017/10/01
閲覧 : 273

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

総合的にはB級パニック映画のような印象

賛否両論のF91です。
私的には、悪くはないけど、他のガンダム作品に比べ今一残念な感じを受けました。

平和な時代が長く続き、人々は腐敗した地球連邦政府に統治されていた。
この地球連邦政府を打倒するため、「コスモ貴族主義」を掲げた軍事組織「クローズボーン・バンガード(C・V)」はスペースコロニー「フロンティアIV」を襲撃する。
「フロンティアIV」に住むシーブック・アノーは、友人たちと共にコロニーを脱出するが、仲間の一人、セシリー・フェアチャイルドはC・Vに連れ去られてしまう。
その後、シーブックたちは地球連邦軍の練習艦「スペース・アーク」に保護され、F91と呼ばれるモビルスーツに出会い、シーブックが死んだと思ったセシリーは、C・Vの象徴的存在として生きることを選ぶ。というのが大まかなあらすじ。
過去の宇宙世紀モノと時間軸以外の繋がりはなく、F91もガンダムではありません。

ストーリーは勧善懲悪で、カロッゾ・ロナという絶対悪が登場します。
C・Vとしては終盤で分離するのですが、分離した方については本作中では語られず、ガンダムを駆って悪を誅することが目的。
ラストも珍しく、わかりやすいハッピーエンドで終わり、ガンダムにしてはシンプルな話だと思います。

ただ、ストーリーは端折っている雰囲気があり、普通にやると2クール分はありそうな話を無理やり2時間に収めているような駆け足感があります。
アクの強い人物が出てきたと思ったら死んだり、要となる人物が唐突に登場したり、敵があっさりと裏切ったり、とにかく唐突なストーリー展開が目立ちます。
いっそ3部作にするべきだったのでは?と思います。
映画は小説のダイジェスト版との意見も多々見られるので、小説をそのうち読んでみようかと。

モビルスーツのデザインは結構、キャッチーで良かったです。
技術の進歩により、高性能で軽量小型化したため、過去作と比べ小さくなったことが一部で不評だそうですが、視聴時にはあまり気にならなかったです。
それよりも、序盤のデナン・ゾン、デナン・ゲーによるコロニー襲撃シーンや、バグによる虐殺のシーンなどの残酷描写が印象に強いです。
ストーリーの急展開さも相まって、総合的にはB級パニック映画のような印象を受けています。

なんだかんだでラストは良かったです。
あと、主題歌が名曲。主題歌のために見る価値があると思います。

投稿 : 2017/07/30
閲覧 : 303
サンキュー:

3

レモン さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 5.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

主題歌だけは神。だが他は

主題歌以外微妙だけど主題歌が良いからまぁ見て損はしなかったかな

投稿 : 2017/05/27
閲覧 : 419
サンキュー:

1

ネタバレ

狗が身 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

なんとぉーーーーっ!!

元々はTVアニメの企画だったものが大人の都合で劇場版となったらしい本作。そのストーリーも、TVアニメの1クール分ぐらいまでしかないのだそう。
とはいえ、肝心の内容は満足できるものでした。

シーブックとセシリーの関係は早い話がガンダム版ロミオとジュリエットみたいな感じなのだけど、「リア充爆発しろ」なんて言えないぐらい素敵なんだよなぁ。
セシリーの家庭環境を鑑みれば、シーブックがマジでヒーローに見えてくるし、シーブックに救いを求めるセシリーの気持ちもすごくよく分かる。
だからこそ、ラストの抱擁に心が揺さぶられる。まさか富野氏がこんな素直に感動できる結末を用意してくれるとは…。

ストーリー自体はオーソドックスなものだけど、中身はよく出来てる。一回観ただけじゃ説明不足に感じて意味が分からないと思うところもあるかもしれないけど、何回か観てみるときちんと全体を把握できるように最小限の台詞で説明されてるんだ。これまでの宇宙世紀シリーズを観ていることがある程度必要ではあるけどね。

それにしてもこれ、実に続きが気になる。シーブックとセシリーの関係はすごく良い感じに収まったけど、状況はなにひとつ解決してないものな…。

時系列的には逆シャアの30年後ぐらい。シャアの反乱も虚しく相も変わらず地球に住むお偉いさんは一層宇宙への関心を弱めていて、もはや無秩序状態に近い。ロナ家が海賊じみたスタイルをとってるのは連邦への当てつけなのかも。
本作中ではカロッゾを撃墜したといってもクロスボーン・バンガード側の勝利に終わってるんだよなぁ。(ドレルだったかザビーネだったかが凱旋って言ってるし)

ここまでくればもはやコロニー側だって武力を用いずとも、それぞれ独立宣言できそうなものだけど(逆シャアの時だって、独立自体は連邦側も条件次第で許容するにまでなってたし)、よりによってコスモバビロニアの目的が地球に住む人工の削減だもんなぁ…。しかもその為の平気の実験として一つのフロンティアを武力制圧するという過激派ときた。
ロナ家の貴族主義自体もオールドタイプ丸出しの時代錯誤な主義だし…歴代の主人公達がこぞって反論しそうww


ロボットものとして外せない戦闘シーンの素晴らしさももちろん健在。一見するとクオリティーは逆シャアに一歩劣るかもしれないけど、ロボットの動きの細かさと滑らかさは引けをとらない。時系列的に宇宙世紀と言っても別物みたいなもので、MSのギミックや設計思想も大きく異なっているところが面白い。

なにより今回はシチュエーションが良いんだよね!
本作のガンダムF91はガンダム扱いされてるけど本来はガンダムじゃないし開発途中のプロトタイプもいいところ。
連邦側の数少ない小型MSと言っても開発は中断されて予備のパーツはゼロ。ワンオフと言えば聞こえはいいけど、おまけにフル稼働すれば機体の装甲が熱量を処理しきれず剥がれていくという欠陥付き。(質量を持った残像は制作陣も想定していなかった欠陥)
これだけでロマン溢れる機体なのに、作中ではその欠点を利用して相手の巨大MAを自滅に追い込むんだもんなぁ…恰好良すぎるでしょ!!

ちなみに、ラフレシアの自滅で決着はついたものの、その前にF91は機体を中破されており、あれだけラフレシアに接近できたにも関わらず攻撃できなかった点からみても、かなりの接戦だったんだよね。


最後に。
セシリーがジーンズを履くシーンにグッときた。あんなにスタイルの良さが持つ色気を意識させられるシーンって中々無いんじゃないかな…。

投稿 : 2017/04/15
閲覧 : 349
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7

ネタバレ

nelldrip さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

そこに描くは紛争の現実

ガンダム作品でここまで紛争を無慈悲に描いた作品はかつてあっただろうか。
残念だが他の作品では知らない。
厨二要素全開だったり富野臭が酷かったりといった作品はいくつもあるのだが。
無論それもガンダムだろう。0096は確かに面白いし見どころも多い。
ニュータイプという概念に真っ向から挑んだXも素晴らしい作品だった。
むしろああいった作品がガンダムだと言っても良いのかもしれない。

そういう意味では本作は異端であるかもしれない。
ニュータイプの概念も薄れただパイロット適正がやたらと高い人種、という程度になっている事からも。

しかし本作の良さは単純にガンダム作品としてどうこうというところにはない。
モビルスーツが格好良いなんて浅いところでも勿論ない。

序盤から描かれる紛争の恐怖、無慈悲なまでの殺戮と残虐性を正面から描き切っていた。
コスモ・バビロニアが掲げる正義の旗のもと、クロスボーン・バンガードはフロンティアⅣを襲撃し、人々を恐怖が包み、逃げ惑い、アーサーを始め次々と殺されていく。
人類の粛清を謳うカロッゾが送り込むバグ。それもまた無慈悲なままに避難民を次々と殺していった。
戦争が生む一方的で圧倒的な暴力による破壊と殺戮。
無残に殺されるアンナマリーにビルギット。
悲しむ暇すら無く次の戦いへと繰り出される様はまさに現実なのかもしれない。

更に序盤の市街地戦で子供を盾にしようとする連邦軍
スペースアークで軽視される子供達。
一方でセシリーを助けたい、その一心で奇蹟すら起こしてみせたシーブック

人間が持つ狂気と醜さをここまで描き切ったと同時に、人の想いの強さ、美しさを描いた作品はやはり他のガンダム作品には無いものだった。

戦争とは何か。
力とは何なのか。
コスモ・バビロニアの演説があったからこそ、そう言った強烈なテーマ性を視聴者に叩きつけてみせた、そんな作品を作り上げた事に素直に拍手を贈りたい。そう思える傑作である。

投稿 : 2016/09/09
閲覧 : 322
サンキュー:

1

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

是非ともリメイクされて欲しい不遇の名作

まず最初にお伝えしたいのは、この作品が「劇場版のガンダム作品」として屈指の名作でありながら、とにかく時勢に恵まれず、内容に見合った扱いを受けられずにきた不遇の名作であるという点です。
この作品の魅力については他のレビュワーの方々が語ってくれていますので、私はまず、この作品がなぜ不遇の名作となってしまっているかについて私見を交えて書かせてもらいたいと思います。

この「機動戦士ガンダムF91」という作品は、ガンダム劇場版10周年を記念する作品というふれこみで製作されたものですが、当時はガンダムシリーズの展開が行き詰まりを迎えつつある冬の時代だったようで、そういった状況の打開を図るべく、過去作の反省も踏まえて「分かりやすいTVガンダム」を作ろうという構想の基で企画が生まれ、現在でも第一線で活躍している名だたるクリエイター達が結集し、それまでのシリーズ作にはない挑戦的な作りこみがなされながら製作されてゆきました。(企画が生まれる要因となった過去作の反省については後述させてもらいます)

そのためこの作品は、初代ガンダムから始まった「宇宙世紀」と同じ時間軸の下で物語が描かれているにも関わらず、良くも悪くも他のガンダム作品とは一線を画した仕上がりになり、公開当時はシリーズファンの間でも評価が割れた作品となりました。

評価が割れた大きな要因として、それまでの歴代ガンダム作品の魅力の一つとなっていた「過去作の登場人粒や設定」が時を経て最新作品に登場してくるオマージュ的展開がこの作品では殆ど用いられておらず、それと同様にそれまでの歴代作品が膨大に積み上げてきていた敵勢力側のモビルスーツ(ロボット兵器)の系譜も排除され、全く新しいアーキテクチャーによるロボットデザインがいきなり導入されたりしている点が挙げられます。
故に熱烈なガンダムシリーズファンの方々にとってこの作品は、初代ガンダムに連なる歴代の「宇宙世紀系ガンダム作品群」の一つとして受け入れられ難い側面を持っており、色んな意味で一線を画した作品として捉えられることが多いようです。

この作品は元々、当時の歴代TVガンダムが描いてきていた「人類の戦争」という子供向けTVアニメで扱うには重く難解すぎるテーマを、それまでより分かり易く描くことを目標に1クール分のTVアニメ番組として企画されたものだったらしく、この企画が生まれた背景には、TV版第2作の「Zガンダム」が作品自体の出来は良かったものの「難解で複雑な内容」故に子供市場へのウケが良くなく、製作側とスポンサーが期待した程に商業成果をあげられなかったことと、連続して製作されたTV第3作「ガンダムZZ」がZガンダムの反省を踏まえすぎて迷走し、番組途中で路線変更を余儀なくされた上に、結局Zガンダムを下回る商業結果を残しそうだと判断され、そこから商業的巻き返しを図るために第3作「ガンダムZZ」の放送期間中に急遽物語ラストの核となるプロットを丸々抜き出して「逆襲のシャア」という劇場版作品を作る羽目に陥った製作側の苦い経験があったようです。(逆襲のシャアは大ヒットし名作となりました)

しかし子供市場にも受け入れてもらえる「分かりやすい新ガンダム」を実力派クリエイターを集めて作ろうとしたものの、戦争という「題材」を使って魅力的なアニメ作品を作ると、結局子供向け作品としてベビーすぎる内容になってしまい、当時のTV局の自主規制的縛りやTVスポンサーとの折り合いなどがつけられなかったのではないかと言われています。
逆にいえば、実力あるクリエイター達が作品を面白くしようとするこだわりが、「TV版F91」製作の足枷になってしまったといえなくも無いかもしれません。
様々な背景事情が入り乱れ製作状況を二転三転させる羽目になったサンライズは、最終的に「機動戦士ガンダムF91」という作品を劇場用の120分映画に濃縮する形で製作・公開することにせざるをえなかったようです。

そうした製作環境の変動は少なからず作品の品質にも弊害を与えていったようで、この作品では、本来なら時間をかけて描かれるべき繊細な場面が、尺の都合などで止むを得ず端折られたり削られたりしている所が幾つか存在しています。この点もまた、この作品についてファン達に物議を醸させ、作品への評価を割れさせる一因となったようです。

しかし尺の都合で削られてる所があって唐突に場面が飛んでしまうことがあるにしても、本作は全体的に話の流れがとてもスムーズでテンポも良いので、私個人としては観ていてどんどん惹きこまれ120分間があっという間に終わってしまった感じでした。そして「端折られた箇所への違和感」は私的にギリギリ許容できる範囲ではありました。(気になる人はとことん気になるかもしれません)
この作品に高い評価と共にレビューコメントをつけていらっしゃる方々の多くが、この作品のそういった部分を「展開を急ぎすぎている」「話が駆け足しすぎてて勿体無い」と仰っていて、劇場版でなくTVシリーズとして相応の話数と尺を使って描かれたこの作品を観てみたいという願望を持っていらっしゃるようですが、私も全くの同感です。

(ここからはこの作品の魅力について具体的に書かせていただきます。)


視聴して頂ければ納得していただけると思いますが、この作品にはガンダム世界のエッセンスが作品公開当時にサンライズが費やせる最高のクオリティで詰め込まれており、公開から25年余りが過ぎた現段階においても、その内容が殆ど色あせておらず、劇場用のガンダム作品としては屈指の名作であると言い切れる出来栄えになっています。

この作品の具体的な時代設定は宇宙世紀0123年で、これは初代ガンダムの一年戦争時代(宇宙世紀0080)から40年後、ZガンダムとガンダムZZのグリプス戦役と第一次ネオジオン戦争時代からは34年後、逆襲のシャアの第二次ネオジオン戦争からは30年後、ガンダムUCのラプラス戦争時代からは27年後にあたる設定になっています。
F91では、この時代に起こった紛争の中で必死に生き抜こうする人々の「出会い・裏切り・葛藤・成長・愛憎・決別・和合」といった様々な人間ドラマが、宇宙戦艦やモビルスーツ(ロボット兵器)を主兵器とした戦争を通じ繰り広げられてゆきます。

この作品のロボットアニメとしての戦闘シーンは、今の時代でもこの作品を凌げるものに中々お目にかかれない程に魅せ方を心得た好演出が多く、そういった観点からも時折無性に観たくなる程の魅力を備えています。
ただ、佳境を迎えたラストバトルの最後の最後のシーンはとても素晴らしい演出がなされているのですが、私は個人的にあともう一つ「決め手」となる演出が加えられていて欲しかったなとも感じました。(ここは人によって意見が分かれる部分だと思います。)
そしてそこからエンディングにゆくのですが、森口博子さんが歌っていらっしゃるEDテーマがこれまた非常に素晴らしく、ラストの感動を否がおうに盛り上げてくれます。私は初観直後にクライマックス~エンディングの流れを3回ほど観直して余韻に浸りまくっていました。そしてこの曲はガンダムのテーマソングとしては初の「NHK紅白歌合戦」出場を果たしたヒット曲でもあります。

この作品は当時の名だたる実力派クリエイター達が結集して作られたため、作品全体に凄まじいほどに秀逸な演出が惜しむことなく散りばめられており、物語の土台となる世界観を徹底して「肌で感じられる」描写で描きまくってあります。(昔の勘違い高品質アニメにありがちだった無駄に細かい描写などでは決してありません。作品の魅力をきっちり引き立てている好演出ばかりなのです。)

それによってこの作品は、主人公が活躍する戦闘シーンだけでなく「戦争によって人々の日常が破壊されてゆく」ガンダムシリーズでは通例となっている場面や、紛争の中で人々があがいてゆく「非日常の日常」の場面などがガンダムシリーズ中随一の出来となっており、そこは必見の価値があると思います。
物語中に流れる価値的描写も、様々な価値感を持った登場人物達がそれぞれの存在意義と生き方に根ざした行動をとってゆき、それらがきめ細やかに絡められてゆく形で描写がなされており、「戦争に絶対の正義無し」されど「人の道は如何や?」というガンダムの真髄ともいえるスピリッツがあますことなく表現されています。

少し穿った言い方をしてしまうと、通り一編のテンプレ的な行動しか登場人物達に許容できない子供的感性の人からみると、この作品のキャラクター達の行動は矛盾だらけで中途半端で意味不明なものに映ってしまうかもしれません。が、そこがこの作品の人間ドラマとして実に味わい深い部分だったりします。これは年齢を重ねないと見えてこない「大人の特権」的な味わいかもしれませんね。
この作品が企画されたきっかけは「子供にも分かりやすいTVガンダムを作ろう」でしたが、良くも悪くも随分と大人が愉しめる「味わい深い作品」になってくれたものだと思います。

しかしこの作品に更なる+@の魅力を与えている何より要因は、「命の儚さ」や「人間の厭らしさ」といった「戦争や人のネガティブな側面」を様々な人間の価値感を織り交ぜながらがっぷり描きつつ、その泥沼の先に「光明」を見出せる「人間の持つ可能性」をポジティブに描けている所なのではないでしょうか。



「機動戦士ガンダムF91」という作品は、時間と尺をかけてじっくり描かれた作品として世に出るはずが、当時の作品の受け手である市場が未成熟だったために、尺に限界のある劇場用作品として世に出ざるをえなかった「不遇の名作」だと思います。
もし可能であればこの作品をOVAやTVアニメとして、是非ともリメイクしていただきたいと思います。

投稿 : 2016/08/19
閲覧 : 920
サンキュー:

5

エンゼルクリーム さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

歴代ガンダムで一番イイ

ガンダム全作品見てますが(2016年現在)、
一番好きな作品です。

投稿 : 2016/06/08
閲覧 : 431
サンキュー:

1

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

当初はシリーズとして設定

当初はシリーズとして設定されていた
作品だけに、人物設定や社会背景などが
複雑です。
シリーズとしてなら5話以上は
頑張ってくれる脇役があっと言う
間に死んでいきます。
逆にガンダムという存在が希薄です。
まあ、、ガンダムシリーズは
ロボットの皮を被った人間ドラマですからね。
しかし、この作品の悪役の銀仮面の
アクの強さはガンダムシリーズを
通しても際立っています。

というかこのお話、銀仮面のお話です。

投稿 : 2016/02/09
閲覧 : 361
サンキュー:

9

死屍累 生死郎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

質量を持った残像だとッッ!

正史とは直接関係ない番外編 2時間の映画作品です

やはり2時間という短い時間では物語全体が駆け足になりすぎましたね
地上波で元々本編があっての映画なら尺的には問題ないのですが
それもなく映画だけの作品なのでどうしても駆け足過ぎた印象です
じっくりテレビシリーズでみたかった

個人的にF91のデザインはシンプルで好きです。
ラフレシア戦のリミッター解除からの質量を持った残像が出るところが
とてもかっこよかった。ガンダムシリーズにいえることなんですが
主題歌に良曲多いですよね。今作の曲もよかった。

まぁこの作品は「要するに感じろってこと?」 です

投稿 : 2016/01/28
閲覧 : 365
サンキュー:

2

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

主題歌は良かったのですが。

1991年の3月に公開された劇場用ガンダム。

この作品では、U.C.0123 - 0128 の、
コスモ・バビロニア建国戦争の序盤だけ描かれています。

富野ガンダムではお決まりの、

スペースノイド万歳! 人類は地球から出て行くべき!
 vs
人間が地球に住んで何が悪いんだよ?
宇宙民は俺達の言うこと素直に聞いてれば良いんだよ!な地球連邦政府。

こんな構図で人間同士で戦争してる感じですか?

この世界で人類がやっていることは一年戦争の時代から全く変わっていなくて、
アムロやシャアがやったことは人類の革新に繋がっていないのですねw

さて、このF91では親がガンダム関係の技術者だったり、
途中で主要人物の親が死ぬのも本当にいつもどおりの富野監督。

本当に富野作品って、
子供を顧みない自分の都合でしか動かない親だらけですよね。
ヒロインのセシリー・フェアチャイルドなんて、祖父も実の両親も義父もろくでもない。

そんななかで主人公のシーブック・アノーの家族は、カミーユの親と比べたら、
富野監督にしてはマトモで何があったんだろうって、勘ぐってしまうほど。
シーブックの家族も一人死んじゃいますが。

さて、観た感想。

TVシリーズ用の企画の1クール目を2時間でまとめたために、展開が早いですよね。
唐突に死にまくったり、唐突に裏切ったりと、
その描写にはタメも余韻もなく映像からはドライな作品な印象を受けました。
「家族」をテーマに描かれた作品らしく、
主人公が母親と和解して協力するところは良かったのですが、
一本の映像作品としてはダイジェスト風味でタイトな感じがしましたので、
あんまり、心に残らない映画かな?と私は思いました。

それにしても、今回のボスの仮面の男がかっこ悪すぎw
悪役が情けない人間だと、物語としては盛り上がらないですね。
ある意味あれも、人間らしいとも言えますが。

これにて感想を終わります。
読んでくださいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2015/12/03
閲覧 : 398
サンキュー:

30

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

鉄仮面のキャラが濃過ぎ

家族がテーマのガンダム。尺不足なのが残念だがラスボス(鉄仮面)のキャラの濃さで最後まで楽しめる。

良い点
・主人公とは対照的にラスボスとその家族(ロナ家)がとんでもなくキャラが濃い。
・ヒロインがとても美しく表現されている。
・遮光土器の様な個性的な敵モビルスーツのデザイン。
・戦闘シーンと音楽は現在のレベルでも素晴らしい。

悪い点
・尺不足による説明不足のためヒロインの言動の変化が理解できない。
・この監督のお約束である酷い母親が出てくる。
・主人公の父親とヒロインの養父がそっくりなため初回視聴時は混乱する。

舞台設定や登場人物が素晴らしかったので、ぜひTVアニメでやってほしかった作品。
戦闘シーンを重視する人や濃いキャラが好きな人、最近家族がうまくいっていない人などに特におすすめします。

投稿 : 2015/11/08
閲覧 : 385
ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

初見は情勢も状況もよく分からぬままにただラフレシア戦のF91とシーブックの「なんとぉぉぉぉ!!」に意識をもっていかれて視聴終了。感想としてはとりあえず「F91カッケェ!」が全てだった。


ところが、1st、Z、逆シャアの情報を頭に入れた状態で視聴してみると、視聴する度に、限られた尺の中で盛り込まれた情報の提示の巧さに舌を巻く。話の流れはかなり練り込まれていると感じる。尺のことを考えれば、完成度は相当なもの。
戦いに決着はついていないけど、シーブックとセシリーの抱擁が、本作で描きたかった画、なのだろう。となれば問題はその抱擁に至るまでのものが描けているかであり、本作はその点を見事にクリアし、感動的なラストへと昇華させることに成功していると言えるだろう。

早い話が、感動したってこと。

それまでのガンダムには存在しなかったラブロマンスが、本作では違和感なく描かれているんだもの。(08小隊? なにそれ食えんの?)
鉄仮面やバグといった存在と、シーブックとセシリーの関係は見事な対比として描かれ、相対的にラストの感動へと繋がる。
「お!」となったのが、終盤のセシリー捜索場面。
本作では、ニュータイプの感性をもってしてバイオコンピュータで簡単に見つけ出しはしなかった。かといって、頭から否定することもなかった、というのがポイントだ。
一度はニュータイプの感覚でそれらしき反応を得たものの、それだけでは発見に至らなかった。
【感じること】に限界があると嘆くシーブックに、母は言う。

「だったら、惹き寄せなさい」

シーブックの声なきセリフで言い換えるなら「どこだ、セシリー!」ではなく「セシリー、俺はここだ!」となったワケだ。
セシリーにとって、あの時あの場面で最も求めた人は、シーブックに違いない。最も求めた温もりは、シーブックに違いない。
誰かが誰かの居場所になる。その素晴らしさと温かさが実に美しく描かれたエンディングに、胸のすく思いだ。


逆シャアに比べれば戦闘シーン自体は地味になってしまったけど、その分、ディティールの緻密さ、動きの細かさはこちらの方が上かも。
個人的には、ガンダムシリーズでも五本の指に入る作品。

投稿 : 2015/07/28
閲覧 : 273

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

セシリーとシーブックが良いキャラしてた

2時間という時間にあれ程の内容を詰め、かつ物語をスッキリと展開させていたところが驚いた。
さすが富野監督。
そして、この作品で最も評価すべき点はやはりセシリーであろうか。
彼女の魅力にメロメロになりながら、楽しく見ることが出来ました。
また、主題歌の森口博子さんの曲はラストシーンと見事にマッチしていて感動すること間違いなし。

さらに、登場機体もなかなかクールな物が出揃ってました。
シンプルなのですが、そこがいい。
特にF91なんて最高ですよ。

シーブックの母ちゃんがカミーユに見えたとか言っちゃダメだぞっ

投稿 : 2015/06/03
閲覧 : 384

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

観に行きました、

劇場公開時に。続きというか、その後が気になるのでやらないかな。

投稿 : 2015/04/05
閲覧 : 327
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機動戦士ガンダム F91のストーリー・あらすじ

宇宙世紀0123年、シャアの反乱から約30年が経った時代。大きな戦乱も無く平和な世界の中、人類はその大半が地球から月までの軌道に設置されたスペースコロニーに移住し、地球連邦政府という国家の枠組みを超えた全地球規模の組織に統治されていた。しかし、地球連邦政府の疲弊・腐敗から、秘密裏にコスモ貴族主義を掲げる軍事組織クロスボーン・バンガードが設立され、スペースコロニー「フロンティアIV」を急襲する。その最中、民間人の少年 シーブック・アノーは襲撃から避難するために、友人達とともにコロニーを脱出するが、同行していた内の一人 セシリーが連れ去られてしまう。近隣のコロニー「フロンティアI」に辿り着いた一行は、地球連邦軍の宇宙練習艦スペース・アークに保護される。艦内にはF91と名付けられた整備中の新型MS(モビルスーツ)があった。混乱の中成り行きでF91で出撃することになったシーブックが戦場で対峙したのは、クロスボーン・バンガード軍のMSビギナ・ギナに搭乗していたセシリーだった…。(アニメ映画『機動戦士ガンダム F91』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1991年3月16日
公式サイト
animejapan.cplaza.ne.jp/b-ch/gf91_sp/index.html
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E5%8B%95%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%82%AC%E3%83%B3%...

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