nyaro さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
魔法よりも関節技。面白いけど同時代性がないと理解できない。
魔法使いサリーのオマージュ…というより露骨なマネでしょう。制服がそっくりだし、魔法の国の父母が見守って修行にくるという設定です。2006年ですから権利関係はフリーではないでしょうけど、許容範囲だと思います。変身は「リリカルなのは」あたりからとっているんでしょうか。
「大菩薩峠」から題名はとったんだと思います。これは大正時代の長編小説で確か人斬りの主人公が暴力と性でメチャメチャやる話です。メチャメチャさの種類は違いますが、本作もメチャメチャではあります。
「撲殺天使ドクロちゃん」の系統だとは思いますが、もう少し話に理屈があって王位継承的なメインストーリーはありますし、残酷表現はマイルド?です。笑いの作り方に「エクセルサーガ」的なものも少し感じます。
原作なのか制作者なのかわかりませんが、かなり映画オマージュが出てきます。つまり「マカロニほうれん荘」「ひばりくん」「ドクタースランプ」のような一種のメタギャグというかアキバ的ラノベ的な悪ふざけが入っています。(いや、メタギャグとは違うか…引用ギャグというべきかも)
特徴は「肉体言語」につきます。魔法による解決がほぼなくて格闘による解決が、そのままギャグになるという構造です。関節技つまりサブミッション最強説に基づくヒロインの格闘技がほぼ話の中心となります。関節技のアニメ描写は結構本格的です。
なお、関節技最強というのはプロレスでは本当にあるそうで、関節技が決まるとその激痛に反撃もできないとのこと。
その意味では、プリキュアの初代はちょっと思い出しますけど、正直まったく似ていません。
面白いといえば面白くみられましたが、入り込んでというより興味深さかな。
本来は大笑いするのかニヤニヤしながら「俺にはその引用元わかるよ」とか深夜にパソコンで見る感じなのでしょう。「ハルヒ」と同じ年なので2ちゃんねるとかにダーッと書き込んだ時代なのかもしれません。もはや同時代性はないので、当時の楽しみ方はできません。
2011年に「まどマギ」が出るまで、魔法少女ものの相対化って、こっちの方向だったんでしょうね。ヒロインのズラしが非常に単純と言えば単純です。
作画はこの時代はいいですよね。技術的な古さはありますが動いています。4点。話とキャラは3.5点ずつ。面白いけど同時代性がないので理解が及びません。音楽と声優は評価せずで3点ですね。
ただまあ、全8話ですし結構サラッと全部見られたので素直に面白いともいえます。
そうそう、金閣寺とか国会議事堂が燃えてるのもオマージュなんでしょうか?東寺は…なぜ?(東寺じゃなくて法隆寺みたいですね。間違えました。ただ法隆寺なら火災経験は有名なのでわかります。)