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「きみの色(アニメ映画)」

総合得点
75.8
感想・評価
27
棚に入れた
67
ランキング
762
★★★★★ 4.1 (27)
物語
3.9
作画
4.5
声優
4.0
音楽
4.3
キャラ
4.2

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きみの色の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

やりたい放題。

公開前のふたつのPVを拝見しても特に惹かれなかったのですが、
観ないとしこりのように心の片隅に残り続けているので観に行きました。
自分が足を運んだ上映館では、7月12日公開の「キングダム 大将軍の帰還」は盛況でしたが、
8月30日公開の「きみの色」は車椅子席含む全118席のスクリーンで観客は自分を含めて4人でした。
ちな、周りの3人はおじさんおばさんで青春ど真ん中世代の若い人は1人もいなかったです。
50代と思しき女性客が目に入る座席位置にいたのですが、退屈だったのか途中で寝ていたり、
起きているときは眠気に耐えるためなのか首を回すなどの運動をしていました。

かく言う私がこのアニメ映画が退屈で仕方なかったので。
勝手に代弁したつもりになっているのかもしれませんけどね。

これはガールズバンドアニメではなくて、高校生の年齢の女2男1の若い3人が、
しろねこ堂という書店で出会って、ほとんどでまかせに等しい会話の流れでバンドを組んで、
女子校の学園祭でオリジナル曲を披露する。ただそれだけの話。

長崎の全寮制のミッションスクールの寮生である、幼少の時分よりぽっちゃりな主人公が日暮凸子。
メンタルの問題で女子校を退学してるのに保護者である祖母には隠していて、
制服を着て通学しているふりをして日中は古書店で店番のアルバイトをしている美少女の作永きみ。
五島列島の離島の女医の息子で家の仕事を継ぐのに医学部を目指して受験勉強をしているが、
本当は楽器演奏に興味あって自分に期待している母親に隠れていろいろやっている影平ルイ。
この3人でバンドを組んでの日常話で、家族への隠し事で後ろめたさがあるのが、きみとルイ。

それを朗らかでのんびりした凸子が人の心を色で認識できる特殊能力で見たままに、
心がきれいだと凸子が讃えることでふたりが励まされていって、
それで別に積極的に状況を変えようとするのでもないですが、

意地が悪かったり抑圧的であったりする人間が誰一人もいない優しい世界で、
ケ・セラ・セラ(なるようになるさ。)的に話が進んでいき、
きみとルイの問題も、漸く打ち明ける決心がついて保護者に告白して解決していく。
本当に単調な話なのですが、それはアメリカの神学者ラインホルド・ニーバーによる、
ニーバーの祈りの文節を元ネタに作られた物語らしいです。

「神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
 変えるべきものを変える勇気を、
 そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。

 一日一日を生き、
 この時をつねに喜びをもって受け入れ、
 困難は平穏への道として受け入れさせてください。

 これまでの私の考え方を捨て、
 イエス・キリストがされたように、
 この罪深い世界をそのままに受け入れさせてください。

 あなたのご計画にこの身を委ねれば、あなたが全てを正しくされることを信じています。
 そして、この人生が小さくとも幸福なものとなり、
 天国のあなたのもとで永遠の幸福を得ると知っています。

 アーメン」

要はこの監督さんが様々な作品で祈りとか懺悔をテーマにしたくなったかのような精神状態の一環で、
いい子が嘘をついたり隠し事をしているのに罪の意識を感じて、
告解(この場合は罪を保護者に告白して許しを受けること)をする。
人間は間違っても良いんだ!無理しなくていいから頑張れ!頑張れ!という話を淡々と描いています。

物語としては山場のない日常の積み重ねであり、その朗らかさに楽しさを感じる方々もいれば、
真っ暗な劇場でそれがライブシーンが始まるまでの80分間ずっと続くのは、
私には睡眠導入剤代わりにちょうど良かったです。

そこから、バンド名しろねこ堂のオリジナルソング3曲が学園祭の舞台上で披露されるのですが、
けいおん!のライブシーンの盛り上がりの再来を狙ったところでしょうか?

けいおん!やたまこなどの過去作品を彷彿させる愛嬌のある表情の作画はきれいですが、
頭が小さく眉毛が細かいなどクセが強いキャラデザは好みではないですし、
凸子の心が色で見える設定も抽象的な演出の理由付けにとどまり、
ストーリーに深く絡まることもなく、はっきり言いますと無くとも話が成立します。
きみと祖母の問題、ルイくんと母親の問題なんか、引っ張ったくせに数秒であっさり流されて、
葛藤が描かれることもない保護者の方々も、子供たちを許すだけの存在でありますし、
そこは子供たちを信頼して見守っているから、衝突なんて起こりようがないということですか。
あえてドラマ的な起承転結を崩すことによって疎かにされてる部分が多いですね。

地味な話ですが、かといって丁寧にシナリオが作られているというわけでもなくて、
他の方も書いていることですが、きみの退学には同居している祖母の許可は要らないのか?
祖母が知らずに隠し通せているのがおかしいというのももっともで、娘の世話を老母に丸投げして、
普段は家にいない自由人気取りの母親が賛同して判を押した話が小説版?であると聞きますが、
きみの母親は映画では存在すら触れられていなく、家庭の事情を映画で省いているのは、
入場料を払って観に来ている客に不誠実ではないのか?
徹底的に削ぎ落として観客に行間を読ませる脚本も省略の度が過ぎていますね。

ストーリーの都合で精神的に去勢されているキャラクターの面々に、
クリエイターの脳内で作られた世界の人畜無害さに一種の不気味さを感じるのはおかしいでしょうか。
そもそもバンドのメンバーで唯一の男子の影平ルイくんが女子ふたりに抱きついたりで、
距離感が同性に対するものでおかしいです。
いかにも年頃の男性との会話が無さそうな箱入り娘が妄想で創ったような、
ふわふわしていて無味無臭のメガネの王子様で、仕草や声にも男性味がないですね。

監督が男性の心理とキャラ付けについてはおざなりでモヤシキャラになりがちな、
京都アニメーション在籍時から続く欠点を直そうとしないならば、
そもそもバンドメンバーの1人を男性キャラにしないほうがマシだと思いますね。
だってな、これ設定上は男なだけで中身が女子キャラよりもか細い女の子じゃない?
きみがルイへの恋心があるのが匂わせ程度に描写があるのですが、気付かない人は気付かないですよ。

今の環境で監督がやりたいことだけをやる、それは商業的成功と相反するものであり、
新海誠監督でも売れるためにある程度の妥協を加えてヒットメーカーになったのとは逆に、
この人は京アニの頃に出来てたことをやらずに、「ひと山当てたい」と習字を披露したのに、
自分は作品づくりに集中してる、プロデュースや商業的な部分はお任せしています。
と別の場所では言ってみたりで、どっちなんだよ?と思ってみたりですね。

監督本人が公言していることとは別に、
プロデュースする側が作品以上に監督の宣伝に勤しんだりしているのですが、

結論ありきで監督がやりたいことだけをやった展開の寄せ集めと演出技術集では大ヒットとはいかず、
伝わる人にだけ伝われば良いとあきらかに観客をふるいにかけている作品づくりと、
大勢の人に観てもらって売りたいプロデュース側との意思統一ができてない、
このちぐはぐさに、今の環境と作品の路線を続けるのなら、
『世界が注目する』などの巨匠っぽく見せかけようとする売り方は無理があり過ぎますし、
公開規模を冷徹に算出しないと興行としては危ういなと思いました。

天才と言われた人の現実がこれですね。


何度も観れば新しい発見や別の見方があるかもですが、早々と終了する館が散見しているのと、
また劇場で最初から観るのは厳しいですので、動画配信サービスを待とうと思いました。

おしまい。

投稿 : 2024/09/14
閲覧 : 81
サンキュー:

19

ネタバレ

88. さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

青春って良い

山田監督の音楽×青春映画……見るしかないですよね。

色々な感情を抱えた思春期の少年少女たちが壁にぶち当たって、それを乗り越える みたいな。


この作品は、なんというか、面白いか面白くないかで区別すべき作品ではないのかなと思いました。
芸術音楽と商業音楽、みたいな区別で例えると、本作は芸術音楽みたいな、そういう芸術をみているような気分になりました。


全体の起伏が若干乏しかったかなとは思いました。
クライマックスに向けた盛り上がりがちょっと欠けていたような気はしましたが、日常アニメのような日常を取り入れた芸術としてみればそれまた良しなのかもしれません。(私が理解しきれていないだけかもしれません)


絵は本当にきれいで、観に来てよかったと思いました。
キャラクタもみんな個性豊かでよかったです。特にシスター日吉子のキャラが予想外というか、面白かったです。

本作は、音楽をメインに据えているだけあって、3曲分のフルライブアニメーションがあったのはびっくりしました。
水金地火木土天アーメンという劇中歌があるんですが、これがほんっっっっっとうにめちゃくちゃ良い曲。
この曲を聴けただけで本作のもとが取れると思うくらいには、良い曲でした。

あと、{netabare} きみとルイの関係性については特に触れられていませんでしたけど、あれって絶対きみはルイのこと好きだよね!?そうだよね!? {/netabare}


それから、タイトルも、きみの色っていろいろなミーニングがあって面白いなと思いました。


ちょっと人は選ぶ作品かもしれませんが、私は本作の劇中歌がめちゃくちゃ好きなので、音楽好きな人とかはぜひみてほしいですね!

投稿 : 2024/09/14
閲覧 : 19
サンキュー:

2

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

媚びない山田尚子、ここに在り。

詳細は公式サイトでも観てください。

元京アニで「けいおん!」「たまこラブストーリー」「聲の形」などを手掛けた山田尚子さん監督作品。プロデューサーには「君の名は。」「天気の子」といった新海誠監督作品をプロデュースした川村元気氏(STORY inc.)。制作は山田尚子監督とタッグを組んだ「平家物語」の制作を担当したサイエンスSARUです。

まだ公開中なので、ネタバレは控えますが、とにかく「オタクに媚びない」山田尚子監督といった感じ。

映画全編を通して、とにかく善良なキャラしか出ない。
それは、主役の一角・孤高の黒髪美少女きみのキャラでも分かりますね。ふつうのアニメでは、こういうキャラはツンデレに描かれがちなのですが、けっこう真っ直ぐ。このへんは「けいおん!」の澪を彷彿させますね。

主人公のトツ子。これも「けいおん!」でも感じるところですが、スタイル抜群の絶対的美少女ではない。むしろ、足の太いプチデブって感じ。オタのおもちゃにさせねえぞ、萌えさせねえぞ、という強い意志を感じます。

それでいて、圧巻の美しい風景作画。そしてさすがの演奏シーンの動画。
なんてことのない話を、美しくも感傷的に仕上げる能力は、さすがとしか言えないですね。

わかりやすい話ではないです。
でも、なんか心に余韻を残す、そんな不思議な作品です。

あ、そうそう。アニメYouTuberの笠希々さんが動画でおっしゃっていた「この作品では人が呼べないんです。せめてミスチルくらい起用しないと。お願いしますって川村元気さんが土下座したレベル」と言うのが言い得て妙です。それぐらいEDのミスチルは作品に合っていなかった。せめてサカナクションなら話は分かったんですけどね。

というわけで、まあ川村元気氏は同時並行で「ふれる。」もやってますんでね。あっちは「あの花」スタッフ、脚本・岡田マリーですし、大衆迎合タイプの作品になると思うんで、いいでしょうw

投稿 : 2024/09/13
閲覧 : 22
サンキュー:

1

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

高畑、押井、湯浅、山田、この面々の共通点とは?。公開規模はちゃんと考えよう。

 答えは、みんな原作付きの方が宜しい!(チャンチャン)。


んで、終わっちゃあんまりなので書かせて頂きます。これらの作家性のある面々は、共通してオリジナルやフリーハンドを任されると抑えが効かなくなってバランスを欠きがちであると個人的には思います。高畑さんも押井さんも湯浅さんも、実は原作あるTVアニメやってる時の腕の冴えの方が凄い!。


 山田さんも「聲の形」、「平家物語」としっかりした骨子のあるドラマを下敷きにした時こそバランスがとれて真価をかえって発揮できていると思えます。この辺の神棚に上げちゃうような、一種の天才信仰みたいなのは黒澤明あたりからきてるのかもしれませんが、最近の庵野さんもこの貫穿にはまり込んでしまっているように思えます。映画にしろアニメにしろ共同作業なので、「みんなの力をオラに分けてくれぇ〜!」が上手くできる時の方が面白い。


 そこで山田さんの作家性ですが、やはり出自である京アニ、それも「けいおん」以降の日常路線が根底の方だと思います。物語の大きなメリハリより、圧倒的に細部のフェティッシュなまでのアニメ表現力の追求に偏りがち。



 それはそれで魅力があるのですが、やはり2時間とかの枠で完結して満足感を与えないといけない映画では弱い…。それに近年の日常系の傑作は、その枠内にいながらも最終的にクライマックスやカタルシスを上手く盛り上げるようにできている(「ゆるキャン」、「明日ちゃん〜」などなど)。


 本作は本当に日常芝居の妙のみ特化!といっていいくらいで他がほとんどない…。一つ一つのエピソードが流れていくが、それが捻りを産んだり山を作ったりが殆ない…。そういう作りはなし!とは言いませんが、それで傑作を作るのはオーソドックスな道より遥かに高度と言わざるえない。


 掣肘しまくりでろくに制作できないのも駄目だし、かといって一人の才能に任せ過ぎちゃうのも駄目。才能と才能ががっぷり四つに組み、お互いの良いところを引き出し合う化学変化が各所で起こる。それこそ共同作業の理想であり、あるべき姿ではないだろうか?。ただ、山田監督の次回作にご期待ください!な気持ちはこれからも変わらないので、次は良い原作と組んでお願いします。

投稿 : 2024/09/12
閲覧 : 250
サンキュー:

11

ネタバレ

とまと子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

かさなる光

 
もしかしたらですが、主張や想いを言葉で綴ってぐいぐいと進んでいく物語を期待して観たら、この映画は大きな盛り上がりもないテンプレな青春ものに見えてしまうかもしれないです。
でも、動く絵と流れる音が主役で、さらにそこに言葉が乗って詩になっていく… 光がうたい影がささやき、音がこころを揺さぶってくれる…そういう映画の素晴らしさという意味では、この「きみの色」は他に類をみないほどの宝石のように貴重な傑作だと思います。
もし興味がおありなら、ぜひ劇場でご覧になることをおすすめします!


「リズと青い鳥」でも少し使われていた”重なり合い混じり合う色”の表現が、この映画ではもっと何度も使われています。
トツ子ときみとルイの3人はそれぞれの色を持っていて、ある時はトツ子が先に、ある時はルイやきみが先に、互いの色を出し合い、重ね合わることで、まるで一段づつ階段を作りながら昇っていくように、あたらしい色・あたらしい物語を作っていきます。


映画の冒頭で「色」についてのちょっと科学的な説明がありますけれど、色はものが光を受けて反射して現れるものです。決してもの自体が発しているものではありません。
でも、光はそれだけでは色にはなりません。

この映画では何度も何度もトツ子の瞳が映し出され、この映画自体が、この映画の世界自体がトツ子が見た光と色でできているのだと思わせくれます。
わたしの個人的な推察…というより妄想ですが、山田監督はもしかしたら、神様が七日間で世界をお創りになったのはもちろん「創造」だけれど、でもその世界はわたしたちが受け止めて感じて、初めて完成するものなのだ…という思いがあるのではないでしょうか?
能動的で積極的な何かを作りだそうとすることはもちろん大事だけれど、受動的で消極的に見えるかもしれないけれど、何事も成し遂げていないように見えるかもしれないけれど、この世界を、その色を、光を、美しさを受け止めて、感じ取って、読み解くことがもう半分の大きな「創造」なのだと…この映画を見ていてそういう感じがしてしかたありませんでした。

トツ子は映画の中でずっとくるくると踊りながら動いている印象ですが、ふわふわと漂う指先にはまるで見えない魔法の杖があって周囲に色と光を咲かせ世界をつくり出しているように見えるのです。


色の三原色=青・赤・黄を重ね合わせていくとだんだんと彩度を失って黒に近い色になっていくけれど、光の三原色=青・緑・赤は、重なりあうと白い光となって一番輝きます。
山田尚子監督は「物語を最終的に光に収束させていきたかった」とおっしゃっていて、その想いは間違いなく成功していて、わたしは心のなかに「光」をいっぱいに感じながら劇場をあとにしました。
(…♪どってんあーめん♫って脳内リフレインさせながらw)


いちばんの見所は、やはり3人のバンド=しろねこ堂のライブシーンだと思います。
ゴリゴリの音楽マニアの山田監督と牛尾憲輔さんが作ったこのシーンはかなり攻めていてw 耳を聾する爆音で終わったあとしばらくウワンウワンしちゃうライブハウスを再現しようとしたみたいです。
でもとっても美しくて、とっても楽しい!♫

物語としては、わたしは最後の {netabare} きみの声を枯らしてルイへのエール…これはライブですら声を張ることもなかったきみの熱烈な告白だと思うんですけれど…からの切れてしまっていて最後にはルイの手から離れてしまう紙テープ…という普通なら永遠の別れを象徴するようなシーンが、何本もの「色」が空の光に溶けていって、同じ空を通じてこころがつながるイメージを思い起こさせていく… こういうハッピー{/netabare}エンディングっていいな、と思いました♡


ずっと、とにかく美しい色で映画を作ってこられた山田監督と、音の魔術師・牛尾憲輔さん、言葉の達人・吉田玲子さん…この3ピースはきっとこれからも美しくて楽しい映画を作り続けてくれる、ほんとうのリアルしろねこ堂かも知れません♡

投稿 : 2024/09/08
閲覧 : 147
サンキュー:

7

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

何かに出会うこと

日暮トツ子はミッションスクールに通う女子校生。他人を色で見ることができる彼女は、素敵な色たちと出会う。
脚本 吉田玲子、音楽 牛尾憲輔、監督 山田尚子
聲の形やリズと青い鳥がお気に入りな私はこれも見に行きたくて、公開初日に時間がとれたので見に行ってきました。


生きていれば、いろんな何かに出会います。
そしてそれは、私の中に大小さまざまな波紋を起こしてくれます。

ましてや思春期の頃に出会うものなんて、ココロに台風並みの波風を起こしてくれることだってあります。

「バンド、やってみませんか?」

それぞれが悩みを抱えていて、そこから飛び出して何かをしたいって気持ちは漠然とあって。

楽器なんてロクに弾いたこともない。
でもこの人たちと何かやってみたい。

もし私が高校生であの古書店にいてそんな風に声をかけられたらやりたい!って言ってたと思います。。
そんなアオハルな気持ちに懐かしさと羨ましさを感じながら、彼女たちのコンサートを見ていました。

トツコもあきもルイも、素敵な人や音楽と出会って、とても大切で忘れられないものを得られたのでしょう。

それから終盤にあきがルイに向かって叫んだ言葉は自分へ向けたものでもあったように感じました。


色使いはカラフルで、リズと青い鳥の、童話パートの絵を思い出しました。
音は結構大きくて、臨場感はすごくあったんですけど、私的にはちょっと大きすぎでした。

余談ですけど、赤、緑、青って光の三原色で、これらの色を組み合わせるとどんな色も出せるんですよね。

投稿 : 2024/09/08
閲覧 : 286
サンキュー:

20

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

大人が意外と分かってくれる温かいバンド作品

ミッション系スクールなどを舞台に、
バンド活動を始めた女子2人、男子1人の葛藤と青春などを描いた、
山田尚子監督のオリジナル劇場アニメ(100分)

【物語 4.0点】
近年の山田監督作品としては優しい世界。

教会系ならではの厳格な校則などで圧迫された若者の鬱屈が、
音楽として噴出して、鑑賞者のハートを突き刺してくる作品なのだろうか?
山田監督ならではの、痛切で叫びたくなるような心情、青春表現等を警戒して、
私はガチガチにガードを固めて挑みましたが、
今回はストレスを除いていくという監督方針で紡がれた本作は、
案外、穏やかで、鑑賞直後は、正直、拍子抜け感すらありましたw


盟友、脚本・吉田 玲子氏とのタッグ作でもありますが、
主人公の一人・日暮トツ子のゆるふわなキャラクターの躍動などを見ていると、
『リズと青い鳥』『平家物語』よりはむしろアニメ『けいおん!』くらいのムードで、
肩に力を抜いて楽しむスタンスで行ったほうが上手く折り合えるのかもしれません。

が、穏やかな中にも、祖母に{netabare} 退学{/netabare} を秘密にしている作永きみだったり、
家業の医者を継ぐという期待に反するように陰で音楽をやってる影平ルイだったり、
大切な人に嘘を付いているという後ろめたさなど、青春アニメとしてちゃんと痛みは取り扱われています。

ただ、多くのささくれだったバンドアニメとは異なるのが、
登場する大人たちの多くが、少年少女が悩んで音楽に走ってしまう気持ちを理解している所。
大人として社会のルールなど筋を通さねばならない建前は取り繕いつつも、
子供の葛藤を罰で押し潰さないよう配慮する。
青少年が呼吸できる余白がこの青春映画にはまだあるので救われます。
特にシスター日吉子の規則破りに対する采配は、迷える子羊たる少女たちの気持ちを汲んでいて絶妙でした。

クライマックスは主役3人のライブシーン。
ここも分かってくれない大人にトゲを刺して思い知らせてやろうという痛快さよりも、
大人だけど、君たちの気持ちは若い頃心当たりがあるから分かりますよという温かい積み重ねの上に歓待される、多幸感が胸を打つ感じ。

ライブ後、{netabare} トツ子が花畑で踊るシーンが印象的ですが、
私はそれ以上に、生徒にバレないように淡々と退場した後に、
踊り始めるシスター日吉子にホッコリさせられます。
(※核心的ネタバレ){netabare} 元ロックバンドGod Almightyメンバーとして、ライブ中ノリノリになるのずっと我慢してたんだなとw{/netabare} {/netabare}


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サイエンスSARU

周囲の人間を“色”として認識できるトツ子。
憧れの作永キミの色は青など。でも自分の“色”はまだ分からない。
他人には中々理解してもらえないトツ子から見る世界を、
色を知覚する人体の原理から解きほぐして、
鑑賞者の“ピント調節”をしてくる冒頭映像から、表現に意欲的な作画・背景。

色彩設計の小針 裕子氏。
過去作では、個人的に特に『GREAT PRETENDER』のカラフルな背景、建物の色使いが好み。
本作でもキミのブルーに合わせて、背景を海の青などで合わせてくるなど、
色彩にも統一感がありました。

トツ子の色は何色か?が一つの焦点ですが、
映像見ていれば、あぁやっぱりその色だよねと納得できます。


ライブシーンは手描き重視。
私はどちらかというとライブはCG派ですが、
クールなテクノサウンドで敢えて、奏者の汗が滴る繊細な手描き表現などを見せられると、
まだまだ手描きで表現できるライブの醍醐味はあるぞと唸らされます。


トツ子に作詞のインスピレーションを与えた授業での太陽系の自転・公転運動の資料映像。
座標が固定された太陽の周りを惑星が公転するイメージ映像ではなく、
銀河系の周りを約2億5000万年かけて公転する太陽に追随するように絡んでいく惑星というリアリティ重視の方の映像を私は久しぶりに見ました。
{netabare} 猛進する太陽が、青のキミからトツ子の顔面に投じられたドッジボールとリンクしたトツ子の妄想には吹き出してしまいましたがw{/netabare}


【キャラ 4.0点】
日暮トツ子。ミッションスクールの寄宿生。楽器ド素人なのに憧れの作永きみと親密になりたい欲求から3人でバンドにやろうと言い出す。他人が色として見える共感覚だけじゃない不思議ちゃん。乗り物酔いに弱い。バレエ経験者。

作永きみ。聖歌隊メンバーとして他の生徒からも慕われるも、期待される自分を捨てるようにギターに惹かれていく。{netabare} その末に退学。{/netabare}

影平ルイ。離島の医師の息子。シンセなどの中古楽器をかき集めて、密かに音楽に没頭している。

以上の3人がメインキャラのバンドメンバー。
トツ子からきみへの想いは、ある種の百合含み。
きみとルイの間には恋愛の波動もあり、トライアングルの波乱も予感させますが、
この3人の関係性は恋愛と一言で片付けられない物があり、
私は今も的確な答えを導き出せていません。


【声優 4.0点】
トツ子役の鈴川 紗由さん。きみ役の髙石 あかりさん。ルイ役の木戸 大聖さん。
メインキャストは約1600人の中から若手俳優陣をオーディション選出。
鈴川さんにはアニメ声優願望があり、髙石さんには舞台経験しかも2.5次元舞台でキャラ声での歌唱経験もある。

トツ子はゆるふわ属性のキャラ声での対応が求められ、
きみには歌唱に加えラスト{netabare} 「頑張ってっ~!」{/netabare} の絶叫シーンもありましたが、
3人とも声でキャラを作り、声を張ることができていたと思います。

指名よりはオーディション。舞台など声に力を込められるだけの素地があること。
良好な俳優キャストの条件は揃っている布陣だとは感じました。


が、私はそれでもアニメ声優の経験豊富な方がメインやったらどう良化しただろう?との欲は捨てきれませんでした。
トツ子のルームメイト“森の三姉妹”というモブキャラポジに、
『平家物語』主演の悠木 碧さん、『けいおん!』紬(つむぎ)役の寿 美菜子さん。
山田監督作の出演経験者も配されていただけに、
例えば、この実力者2人がメインだったらとか邪念が入ってしまいます。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はこちらも山田監督とは腐れ縁の牛尾 憲輔氏。
シンプルなピアノとストリングスのミニマル・ミュージックでキャラの青春の掛け合いを下支えするお馴染みの仕事ぶり。

一方で、テクノ志向なバンド・しろねこ堂の楽曲群では、
牛尾サウンドのもう一つの特色であるシンセ和音が際立ちます。
さらには、最古の電子楽器テルミンまで登場し、楽曲にアレンジ。
(アンテナに手をかざしてプオォ~ンなどとSFチックなサウンドを発生させるやつ。マニアック過ぎますw)

教会で鳴らすには突飛な曲風でしたが、
シスター日吉子に言わせれば、感情や気持ちが表れていれば、
しろねこ堂のサウンドもまた聖歌なのです。

「水金地火木土天アーメン」
山田監督自らが発したワードから構想されたというこのライブ曲。
私も思わず踊り出したくなる謎の中毒性がありますw


ED主題歌はMr.Childrenが「in the pocket」で、
2009年の劇場版『ONE PIECE~』以来のアニソン提供。
歌詞世界も、牛尾氏参加のアレンジも、まずまず作品に寄せて来てはいましたし、ミスチルは好きなバンドではありますし、
従来の山田作品ファンとは違う層への訴求力もあるのでしょうが……。

私はエンドロール後に{netabare} 「水金地火木土天アーメン」のダンス映像入れる{/netabare} くらいだったら、
最初からEDも、しろねこ堂で良かったのではないか?
とこれまた邪念が入ってしまいました。

投稿 : 2024/09/05
閲覧 : 141
サンキュー:

17

ネタバレ

メガマインド さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:----

ミュシャの絵をみているような美しさ

男女3人が出会って、バンドを組み、一夜限りのライブをやる話

とにかく美しいの一言につきる



けいおんや長く京アニに携わってきた山田尚子監督だからこそ

できるゆるいコメディリリーフな作劇、

バレエの美しさあふれる舞

色を使った流れるような

アニメーション


一つ一つ、とっても美しい。



非常にまたひとつアーティスティックなアニメをつくったなと思いました。



水金地火木土天アーメンという曲のフレーズが印象に残った。


こんな耳に残る曲を生み出しただけでも天才だと思う。

舞台がキリスト教系の女子高なので知らない世界を覗くという

ワクワク感もありました。

山田尚子監督も来るところまできたアニメーションの極致を

みせてくれた一作だと思っています。


凄い!!!

投稿 : 2024/09/04
閲覧 : 42
サンキュー:

5

ネタバレ

soulheater さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

太陽に引き寄せられた

尚子監督作品ということで視聴した。主役は若手有望俳優たちで、サブは中堅俳優と声優で固めてあり、声の違和感はなし。なんとなくけいおん!を思い出すほのぼのキャラ顔はあるがそこまで崩さず、自己理解や主張にぶちあたる青春を真面目にふんわりと言葉と色と音楽で伝えてくる作品。劇中の人物の動きもかなり丁寧でリアリティに説得力を出してくる制作にも気合を感じる。テーマとしても自己理解というか振り返ったことがある人にとってどこかに刺さる作品に感じた。
{netabare} 最後の太陽とリボンで、中盤のねぼけた授業のところの太陽系の形に見えました。引き寄せられているようにこれから先にも3人が集まっていくのかなと解釈しています。他の人のレビューから光の三原色か、なるほど光に向かっていくのねと納得してました。もしくは、ルイの機材たちがルイのもとにあんなに引き寄せられていることを表す説もあり。(あんなに機材落ちてない笑)
あとミスチルはなんでこんなに抽象的な内容を言語化出来るんだよ(褒め){/netabare}

投稿 : 2024/09/03
閲覧 : 36
サンキュー:

4

ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

音色

簡単に言えば、バンドを組む事でそれぞれが抱えていた悩みや抱いていた気持ちを打ち明け歩みだせるって話ですね。
みきは周りや家族から受ける「良い子の期待」に悩んでいて、ルイは母親からの「医者をついてくれる期待」に悩んでいました。
そんな彼女、彼らの青春バンド物語です。

結論から言うと個人的には微妙です。
色々と弱いです。
キャラの悩みなんですが感情移入も出来る部分はありますが彫り込みが浅すぎて感情が入りずらい……

例えば、ルイで言うなら兄弟が居て兄が島の病院を継がないから自分しか継がない、唯一の医者の母からもルイが継いでくれると安心仕切っている。
本当はルイは医者じゃなく音楽に携わりたいけど、お母さんには言えない。

彼の言葉から医者には本当はなりたくないけど、島の唯一の病院だしお母さんが引退した後の島の事や、1人で医者をしているお母さんの苦労を知ってるから自分も医者になってサポートしたいとも感じてるのかな?と思いました。

コレに関して、お母さんは確かに期待しているけど、別に強制は全然してないんだけど、言い出せない事に悩んでいるルイ。


きみは、先生や家族の「良い子」のプレッシャーから逃げ出し学校を唯一の家族のおばあちゃんに言い出せませんでした。
学校って親の許可なく辞めれるの知らなかったw

これもね。期待ってプレッシャーになる事もあると思うんです。
期待って成果を出すから周りは期待してくれる。
それは良い事だけど、成果を出したから次に期待、するのではなく、成果を出したから今を喜んであげるべきなのかな?って思いました。

成果を出すって本人が頑張っているからです。
誰しも、勉強しないで良い成績は取れないし、運動しないでスポーツ万能にはなりません。
成果を出す人達には成果以上に努力で積み上げている事を褒めてあげる事も大切かも知れませんね。

きみの様な子は真面目だから期待がプレッシャーに変わってしまうんじゃないかな?
今が必死だから期待に答えられない事や更に高いハードルを目の前に置かれるプレッシャーが怖かったのかな?って……
だから、良い子だと信じてくれてるおばあちゃんに言い出せないで悩んでいます。

こんな感じで2人の悩み自体には共感出来るものの……
2人とも悩みの共通点は「家族に話せない」という事で悩んでいます……
中身は違うけど、悩みが一緒に感じてしまう……ここは変えて欲しかった……

で、同じタイミングでルイもきみも「話し」ますが母もおばあちゃんも無言を貫いて終わり……

え?もっと、お母さんやおばあちゃんの考えや言葉を期待していたのに無言?
後から、彼女達のライブを聞きに来た、おばあちゃんやお母さんがノリノリで踊るシーンがあり、このシーンがあるから、結果は解るだろ?視聴者よと言われてる気がした。

もっと、キャラの悩み寄り添った内容にして欲しかった。
感情移入しきれずキャラの心の作り込みが弱すぎました。


後は、きみはルイを意識しているシーンがあるのに恋愛には一切触れずに終了ww
きみにルイを意識させる必要あるかな?
最後のルイとの別れのシーンで、走り出す、きみとトッ子のシーンでルイ目線からシーンがありましたが、しばらく、きみだけを見ているシーンがあり、視聴者よ、コレでルイも意識しているのが解るだろ?と言われてる気がしました。

途中、トッ子もきみの恋心に気づくも特に何も起こさないし確認もしない……
恋愛要素が弱すぎます……必要あるのか?
青春なんだから恋も入れておけ感が凄い。

後は、バンドのバレンタイン祭の話しなんだけど……ライブ中の に全然動きがない……
これはもっと動かそうよ……これは動きが無さすぎます。
私が単にガルバやバンドリの見すぎでしょうか?
演出力が弱すぎる……リアルにしたかったのかもしれないけど、派手じゃなくても少しの動きを入れて欲しかったです。


後はトッ子の色を感じる力なんですが、必要だったのかな?
トッ子の色を感じる力って別作品の「CANAAN」の主人公カナンが持っていた感情などを色で見える「共感覚」イメージでしょうか?
この色を感じる力で何かを起こすのか、ルイやきみを助けるのかとか、何かあるのかと思いましたが、この色を感じる設定を生かしきれない気がしました。

一応、3人が自分の抱えた事を話すシーンには彼女が2人の色を打ち明けて背中を支える?応援するシーンがありますが、それだけ……
トッ子の自分の色が知りたい気持ちがありましたが色は見つけられないままな気がします。


良かった点は、最初の主人公のトッ子が人間の色の認識をするシーンはカラフルで制作サイドの本気が見えた気がしました、トッ子の部屋もカラフルで色をテーマにしているからこその演出でした。

日吉子先生(シスター)がめちゃくちゃいい人でした。
例えば、学校を辞めた事を言い出せずにいる、きみは毎日学校に行くフリをしていて、修学旅行の時期になり行き場がなくなり、トッ子が体調不良(嘘)で修学旅行を仮病で休む、きみを学校の寮で匿うのですがバレて、トッ子だけに罰が課せられます。

理由は、きみは退学しているから部外者で罰を与えられないからです。
しかし、日吉子先生は「きみにも罰を与えましょう」と学園長?に訴えます。

これは、きみが責任を背負い込まない為の処置です。
もしも、自分が、きみの立場になり友達だけが自分を庇って罰を受けたら、きみはトッ子への申し訳なさを1人で背負う事になります。

自分のせいでと自分を責めてしまう。
真面目な彼女だから責任感で彼女が潰れてしまわない様にする処置だったのだと思います。
そうならないように、片方だけに罰を与えるのではなく、2人に与えるように提案したのかも?しれませんね。


あとは、島にバンドの練習に行き、雪で船が欠航して帰れなくなる話でも、学園で問題にならないように合宿をしていたと言うことにしようとトッ子を庇ってくれました。

欠航なら仕方ないですが、多分厳しい学校なんでしょうね。
だから、トッ子に処分が下らない様に助けてくれた。
先生もかなり動揺してたから、心配半分の焦り半分に見えましたね。

実は昔、先生もバンドをしていたらしく、トッ子達によくしてくれたのは、もしかしたら彼女も過去に色々騒ぎがあって、当時の自分にトッ子達を重ねたのかも?しれません。

今作で、先生が1番共感しやすかったかな?
私も実は子供の頃に大人の理不尽とか振り回されたり、一方的に怒られたりした事があって、私には私の譲れない言い分も理由があって、それでも子供だからって何も聞いてもらえなくて、一方的お説教だけ受け入れろ反省しろなんて言われても納得なんて出来なくて、私は子供の話しを聞ける大人になろう!と思ったのを今でも覚えています。

だから、自分の経験から子供の味方になってあげられてる先生を見て居たらカッコイイし凄いなぁ〜と尊敬してしまいますね。

後は、水金地火木土天アーメンの曲のフレーズが頭に残る中毒性があります。
最初の歌詞を作ろうの話しあたりで「水金地火木土天アーメン」を聞いてネタ曲じゃん……微妙だと思いましたがライブで聞いたらしっかりした歌詞がつけられてリズムもよく「水金地火木土天アーメン」が曲の良さを上手く引き出していてリズムに乗りたくなりました。
これは正直凄い曲かと思います。


さて、実は最初は私は退屈してました。
あまり期待出来なそうな気がしてましたが、途中のバンド結成あたりからは少し面白くはなり退屈はしませんが、やっぱり微妙ですね。

悪い意味ではなくて、もっと深堀したり不要な場面をしっかり見極めて映像化すれば更に良くなるので、惜しいと言う感じの微妙ですww
決して、悪い意味ではないのですが人を選ぶ作品かな?とはおもいました。

この作品では個人の色をテーマにしてます。
例えば、ルイは緑、きみは青です。
トッ子は自分の色が見えないので不明ですが、この色にどんな意味があるのかは解りません。

ただ、私はどんな色なんだろ?何色なんだろ?と考えた時に、 ルイが船から振ったカラーテープが空を舞うシーンがあり、それを見た時に、人は何色にもなれるんだよ。
どんな色にも良さがあって、どんな色にも意味がある。
どの色だって綺麗で輝いていて不要な色なんてないんだよ?って言われた気がしましたね。

レビュータイトルは作中の「色」とライブの「音」から「音色」にしてみました。

投稿 : 2024/09/02
閲覧 : 59
サンキュー:

13

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

割とレベルの高い合格点を超えてくるような優しさ、オールウェイズ出してくれる。

山田尚子監督の新作劇場アニメーション。それぞれの悩みを抱える3人が音楽を通して、自分自身や他人に触れていく物語。

彼女の作品はいつだって優しくてたまらねぇんだ。生い立ちが違の彼女たち、これといった大きな悩みはいまひとつに感じるが、それも三者三様であり、それぞれにしっかりと寄り添いたい気持ちが伝わってくる。キャラクターに寄り添う気持ちは初監督作品の『けいおん!』から変わっておらず、どのようなきっかけで壊れてしまうかわからない10代後半の繊細な心のうちを今作でも素晴らしく描いていた。

今作でもタッグを組む牛尾憲輔さんの劇伴も相変わらず素晴らしかった。唯一と言っていいほど微妙だったのはミスチルの主題歌かな。挿入歌に使われてるアンダーワールドやシンセサイザーを駆使したものが目立っていたのでかなり浮いているように感じてしまった。

投稿 : 2024/09/01
閲覧 : 32
サンキュー:

6

ネタバレ

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ミッションスクール・ザ・ロック

ミッションスクールとバンドを題材とした
青春少女物語

序盤の彩色と作画、
終盤の音楽と作画、
特出するそれら繋ぐ映像、

きみの色は 青

面白かった( ^ω^)

投稿 : 2024/09/01
閲覧 : 49
サンキュー:

5

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

キャラの印象が・・。

・・・薄い・・・?

鑑賞直後に、作品から感じとったイメージです。

でも、それこそが、本作に強みを与えている "一番の理由" と読み取っています。



きみの色。

表向きは、作中のキャラを語るだろうテーマですが、裏返せば、作品を鑑賞する人にむけて射影されていると感じました。

山田監督が描こうとする「きみ」は、鑑賞する「わたし」の想い、「あなた」の気持ちに、なにかのハレーションを起こすような気がします。

そう思うと、キャラが薄いのにも納得できます。

「あなた」自身を、3人の主人公に投影し、そのポジションに立つためのシナリオなのですから。



観ていて感じたのは、ストレスが全くないということでした。

そのあたりは「登場するキャラに、いい人しかいない。」とも言えるのかもしれませんが、私はそれは大事なことのように思います。

今、私たちの社会は混とんとしていて、学校の集団にせよ、進路に向かうにせよ、自分の身の置き所が、とにかく不安定な世の中です。

そんな時代にあって、本当に大事なことは、自分の土台作りなんじゃないかなって思うのです。

本作では、3人のメンバーが、バンドを組み、演奏をするなかで、自分の存在意義だったり、社会との距離感だったりを、お互いに問いかけ、答えを見つけ出そうとするストーリーになっています。

だから、彼らが見つけた何かを、見つけようとした何かを感じ取ることができるなら、それはテーマに触れたことになるんじゃないかなって思います。



お話としては、3人の色がそれぞれに提示されます。

最後に束の間、{netabare} 3人目の色が演出されますが、{/netabare} そのとたん、私はみるみる心がぬくもり、胸に沁みこむものがありました。

思いどおりにできなかった過去も、平凡に流されている毎日であっても、自分が自分らしくあっていいと思える感覚は、思いがけなく尊いものだと思います。

本作が問いかけている「きみの色」は、視聴者自身の色、あなたらしい色のこと。

その色は、年齢とか境遇とかには関係なく、今の自分の深いところに問い返すことのできるものなんだろうと思いました。



小ぶりな作品と言えば、確かにそうなのかもと思います。
でも、私はこうも思います。

山椒は小粒でピリリとからい、と。
真っ白なパレットとキャンバスは、自分の手の中にある、と。

たとえ、世間から埋没し、目立たなくいたとしても、自分の可能性だけは誰にはばかることはない、と。

きみの色は・・・、わたしの色は・・・。

あなたの色に、やわらかなエールを送ってくれる、ステキな作品だったと思います。

投稿 : 2024/09/01
閲覧 : 141
サンキュー:

13

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/19
閲覧 : 1

おみや さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/06
閲覧 : 2

ネコだワン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/05
閲覧 : 2

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/05
閲覧 : 2

ねっち さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/05
閲覧 : 2

しむらうしろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/04
閲覧 : 2

いぬわん! さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/03
閲覧 : 4

kunka さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/03
閲覧 : 2

しらす さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/03
閲覧 : 2

めるぴん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/02
閲覧 : 2

うどん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/01
閲覧 : 2

ソース さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:----

投稿 : 2024/08/30
閲覧 : 5

FJSDR37436 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/08/30
閲覧 : 4

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きみの色のストーリー・あらすじ

高校生のトツ子は、人が「色」で見える。
嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。
そして、自分の好きな色。

そんなトツ子は、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみと、
街の片隅にある古書店で出会った
音楽好きの少年・ルイとバンドを組むことに。

学校に行かなくなってしまったことを、家族に打ち明けられていないきみ。
母親に医者になることを期待され、隠れて音楽活動をしているルイ。
トツ子をはじめ、それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。

バンドの練習場所は離島の古教会。
音楽で心を通わせていく三人のあいだに、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。 周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、自分を偽ったり― やがて訪れる学園祭、そして初めてのライブ。 会場に集まった観客の前で見せた三人の「色」とは。(アニメ映画『きみの色』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2024年8月30日

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