プラ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
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小市民シリーズの感想・評価はどうでしたか?
プラ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
わさびっくり さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
みゃー さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
本作は本作で普通に面白い部類だとは思う。けど氷菓と比べるとちょっと物足りないと感じてしまうかも。。
[作品の評価]☆3.0
[キャラの評価]☆3.0
[作画の評価]☆3.5
[声優の評価]☆4.0
[OP曲]☆3.5
[ED曲]☆3.5
dossun さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
Witch さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
【レビューNo.158】(初回登録:2024/12/15)
小説原作で2024年作品。全10話。
原作についてはアニメ『氷菓』で米澤穂信先生を知って読み漁るようになり、
その際に読了済み。
その当時は漠然と「これもアニメ化されたらいいのになあ」と思っていたら、
このタイミングでまさかのアニメ化ですよ(笑)
(ストーリー)
主人公・小鳩常悟朗は中学時代に問題事を推理したがる性格で苦い経験を持つ。
そして同級生の小佐内ゆきも常吾朗と似た境遇を送っていた。
そんな2人は意気投合、「小市民」を目指すために互恵関係を結ぶことになる。
高校生に進学した2人は平穏を求めながらも、日常の中で発生する事件に巻き
込まれ、結局封印したはずの謎解きに挑むことになる。
(評 価)
上述のように待望のアニメ化だったのですが、率直なところ
「アレ!?思ったほど面白くないなあ」
原作を読んだのも大分前で結構忘れてる部分も多く、思い出補正なんかもあっ
たのかなあと思っていたのですが、最近最終巻(冬期)が図書館から回ってき
たので読んでみると
「おい!やっぱり面白いやんけ!!」
なので、もう一度原作を読み返してみると・・・
・1,2話でやらかしている
1話を視聴して感じたのが
「アレ!?こんな不自然なストーリーだっけ?」
という強い違和感だったんですよね。
原作を確認すると、やはり「ポシェット事件」と「いちごタルト事件」は
本来別エピソードでアニメ化で改変されたようですね。
まあ1話で視聴者を引き付けるために上述構成にした意図は理解できます。
でもここに問題が発生したんですよね。
小佐内さんは本来「スイーツ」については異常ともいえるこだわりや執着
を持っている、個性的なキャラだったんですよね。
それが本作だと
・「春期限定いちごタルト」に強い執着を持ち、絶対ゲットしたい
しかも今日までという期限付き
・そして(2個ゲットするため)小鳩君に同行の約束を取り付けるも
・ここで事件に巻き込まれ小鳩君が友人から呼び出される
→ 小佐内さんおとなしく待機
って、こんなの私の知ってる小佐内さんじゃない!
売り切れるかどうかの瀬戸際で、呑気に待機してる場合じゃねーだろ!!
個人的には彼女の強烈な個性は吹っ飛び「普通のスイーツ好き女子」に成
り下がったなと。
(この辺はその後のエピソード含め(説明セリフ頼りとか)演出が弱かっ
たかなっと)
これだけなら些細なことかもしれませんが、本作は一事が万事こういう感
じなんですよね。
例えば続けて2話ですが、今回は「おいしいココアの入れ方」です。
これはミステリーのオチが斜め上過ぎて酷評の嵐でしたが、原作を読むと
本編のポイントはここではなく、小鳩君と友人堂島健吾の間で交わされる
「お前中学で何かあったのか?雰囲気が違い過ぎる。」
という会話劇なんですよね。
これも
・原作だと知恵働きをやめ「小市民」を目指すようになったきっかけが語
られるのは一番最初のプロローグ(夢の中という設定)
→ それを受けての上述会話劇になるので重さを増す
・本作だとこの辺りが語られるのはラスト付近
→ 上述会話劇が唐突な昔話になり伏線めいた扱いに
制作側としては最後の見せ場にとっておいたようなフシがあるのですが、
そのせいで
・会話劇の重みが薄らぎ「ココアの入れ方」の不出来が悪目立ち
・「小市民」という言葉もどこかひとり歩きしているような状態に
(また後述の2人のキャラの描き方にも影響したような)
と、やはり違和感を覚えたのは正しかったようです。
1,2話で「??」となった視聴者も多かったんじゃないですかね。
(制作側のやろうしていることは分かりますが、序盤からこれだけ違和感
を覚えるとなあ・・・という感じですね。)
・3話以降は原作の出来に助けられたが・・・
3話以降は原作者の調子も上がってきた感じで、ミステリー的なストーリー
は楽しめたように思います。
しかし「魅せ方」については比較するのは適切でないかもしれませんが
・『氷菓』は
・「何故この作品をアニメでみせるのか」を考え抜いた上で
・それに従い全体像も練り上げて、そこからエピソードに落とし込む
という意図が感じられ、アニメは原作越えの面白さがあった
・しかし本作は
・このシーンはどう見映えするか的な”点”で終わってしまってる印象
という感じで連続性のある積み重ねという部分が弱い感じがしましたね。
その辺はキャラにしわ寄せがきてる感じで、例えば小山内さんなんかは
・普段はスイーツ好きで小動物的にかわいく描いておいて
・ここぞの場面で作画のインパクト等で「実はどす黒い女子です」アピール
しときゃいいやろ的な
他のレビューで書きましたが、キャラ造形って
>・作り手が「彼はどういう人間か?」というのを考え抜いた上で、それを
> 作中の言動に地道に落とし込んていく
>・その積み重ねを経て、視聴者側がどう受け取るか
ということだと思うのですが、そういう点では物足りなさを感じたかなっと。
(全体的にキャラの捉え方が平面的というか、他のレビュアーさんのご指摘
通り行間を読み取れていないというか・・・)
それに伴って、小鳩君との「小市民」を目指すための互恵関係という設定も
作品の面白さに繋がっていない感じですし。
・作画もレベルは高いが・・・
作画は綺麗でかなりレベルが高いです。
しかしここでも引っ掛かるところが・・・
ミステリーだと会話劇が冗長的になりやすいので、飽きさせないようイメージ
映像を挟んだりするのですが
・『氷菓』だとメインの会話がよりわかりやすくなるように等会話劇を面白く
引き立てる名サポート役的に描かれている
・本作は目先の変化だけが目的というか、川辺のシーンなんかむしろ本筋より
作画がきれいだったりとこっちを強く主張してどうすんねん!
(会話劇を面白くする方向に機能していない)
こういう感性が合わなかったところも1話から違和感を覚えたひとつですかね。
(作画も全体的にアニメとして面白くみせることより、作画自体の凄さを見せ
つける方向に神経がいっていないかと?)
『氷菓』や原作を知らなければまた評価も違っていたかもですが、なまじ知識
があるとつい口を挟みたくなる点はちょっと申し訳ないですね。
期待値が高かった分辛口気味なレビューになりましたが、標準レベルはクリア
されているとは思います。
(正直なところ1,2話で負のバイアスがかかったのが影響してる感じ)
決して『氷菓』を目指して欲しいわけではありませんが、『氷菓』の真骨頂は
ある意味
「原作へのリスペクトと圧倒的な理解度の高さ」
にあると思っているので、そういう点は見習って2期では
「この原作のどの部分が琴線に触れアニメ化に至ったのか」
が見えるような作品を期待したいですね。
2期分の原作エピソードもより面白いものになっているので。
(追 記1)
>このタイミングでまさかのアニメ化ですよ(笑)
これは2024/4に最終巻が発刊され、完結まで描ける目途がたったのが大きかっ
たのでしょうね。
個人的には、2022/2の米澤先生の「✕」での発表
「KADOKAWAさんから出る新刊は、〈古典部〉シリーズの長篇にしようとご相談
しています。」
以降『氷菓』の続編どうなっとんねん?が気がかりなんですが。
『小市民シリーズ』も無事完走したことですし、こちらの方もよろしくお願い
します m(_ _)m
(『氷菓』のレビューでも書きましたが、これが完成すればギリ1クール分の
ストックは確保できるかなっと。
アニメ化してくれるかは知らんけどw)
(追 記2)
あと堂島健吾のことを彼女が「ケンケン」と呼んでいたが、やっぱアニオリだ
ったんだな。
そこはちょっと面白かった。小鳩君の間とか後でちゃんといじってたしw
(改変が”点”で終わらず、きちんと”線”になっていた。)
ただこの回では堂島が「名前は言えないんだが」といいつつ、次の会話であっ
さり名前を言ってしまう”大雑把さ”に小鳩君が心の中でツッコミを入れると
いう(原作の)流れなんですが、本作ではそこはスルーかよっと。
また最終話の小鳩君が最後のパフェを食べた際の心理描写不足とか・・・
こういうキャラの魅せ方とか細かい感性のズレが原作のよさを活かしきれず、
イマイチ合わないなあっと感じてしまった。
白毛和牛 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
この作品に付いては最初は退屈かなという印象で同じ原作者で12年前にアニメ化された「氷菓」と比べると微妙かなと思ったけど
ただストーリーが進むに連れて小佐内のキャラが見え始めてからが俄然と面白くなったというか
まさか小佐内があれほどヤバイ奴だったとは原作未読の立場では完全に予想外でした。
さてストーリー的には「夏季限定」の所で終わってますが、
ただ今後において「秋季限定」や「冬季限定」を描く2期の放送が決まってるという事で今後も引き続き楽しみな作品ですね。
【評価】
68点・2B級
ろだ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ninin さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
原作未読 全10話
原作は京アニでアニメ化された「氷菓」の米澤 穂信先生なので、「氷菓」知っている方はなんとなくイメージが出来るかも知れませんね。
中学時に問題あることを推理していた男女2人が、高校に入学したことをきっかけに平和な高校生活「小市民」を目指すお話しです。しかし周囲から問題が起こり解決するため推理をしてしまいます。
その度に後悔をするのですが、やっぱり推理してしまいますね。小市民になるにはまだまだ遠い道のりのようですw
最初は、ちょっとしたことを推理して謎を解いていきましたので、そういうエピソードの連続を描く作品だと思いましたが、最後のエピソードはなかなかのものでした。
基本、2人をうち一人の小鳩(男)くんが謎を解きますが、もう一人の小佐内(女)さんが結構ヒントを出してくれますね。ただ、最後は小佐内さんも結構大胆でした。
大きなエピソードが終わり2人の仲を気にしつつ物語は終わるという感じでしたが、その後、2期への伏線が発生して終わりましたね。
2期は2025年4月予定なので楽しみです。
OPはEveさん、EDはammoさんが歌っています。
最後に、副題にスイーツ名が使われているだけあって、たくさんのスイーツが出てきました。美味しそうでしたね^^
ケロタン さんの感想・評価
3.0
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
とろろ418 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
単純に推理が楽しくなかったです
解説を聞けば「なるほど」とはなりますが、後出しも結構多い上にほとんどが解決ではなく事後報告
そもそもの謎も視聴者からすればどうでもいいことばかりなので、鬱憤が溜まるばかりで解放される場所がないのは褒められたものではないかと
あとはキャラの背景を描くのも遅すぎますね
主人公かヒロインどちらかに感情移入できるなら謎めいたキャラとして放置するのはいいと思いますが、今作は両方がそうなってるので読者が好感を持てるキャラが不在の状態が長すぎると思いました
手に取ってもらえれば最後まで読んでくれる保証がある程度あり、一気見も可能なのが小説という媒体
対してアニメは一話一話引っ張っていかないと見限られてしまう可能性が高いので、ちゃんとそのあたりを考慮した構成にしてほしかったです
スイキ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ニンゲン さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:----
氷菓のアニメの作者の別シリーズのアニメ。日常に密か謎を解いていくミステリーだった。序盤は正直言ってそんなに面白くないかもしれん。物語が進むにつれてそのキャラのこととかよくわかってくるかな。不穏になってく。でおもろくなっていく。メインの2人が頭で考える系だからちょいむずいところもあった。氷菓とはまた違った面白さ?ビターさ?なんて言うかわからんけどよかった。原作もめっちゃおもろいから是非見てほしい。
koboo004 さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ささはら さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:今観てる
フリ-クス さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
いきなりですが、本作でいうところの『小市民』とは、
マルクス主義の用語である『小市民(プチブル)』ではありませぬ。
嘉門達夫さんの楽曲『小市民』的なるヒト、つまり、
どこにでもいるふつうの、つましくささやかに暮らしている市井の人々
のことを指しております。
ちなみに嘉門達夫さんが1988年に同曲を発表する以前には、
ふつうの人々を『小市民』と称する言語慣習は日本にありませんでした。
(あったかも知れないけど、メジャーじゃなかったです)
イッパン的にはヒダリにおおきく傾いた方々が、
ジブンたちの主義主張に賛同してくれない中産階級者に逆ギレし、
ブベツするような意味合いで使っていたコトバかと。
そこんとこを逆手にとって、
なかば自虐的に「わしら小市民だもんね」と開き直り、
市井の方々の暮らしをコミカルに歌い上げた嘉門達夫さん、着想がとってもよき。
おかげで日本人が抱く共通の言語感まて変わっちゃいましたしね。
いまの若い人はマルクス的な意味など知らず、
いや~ジブンなんかたいしたことないっスよ、ほんと小市民っスから
なんて感じで使ってるんじゃないかしら。
とてもよいことだと思います。共同幻想は終わったんだ、小市民バンザイ。
で、本作なのですが、原作は米澤穂信さんの小説(完結済み)で、
目立つこと・イキったこと・倍返しなこと、
そういうアレな言動を封印して小市民になろうとしているけれど、
ついつい血が騒いでナニしちゃう高校生の男女ペア
を主人公にした、
中高生向けのラノベミステリ-ですね。
この原作小説は、
最初に出した『春期限定いちごタルト事件』だけで終わらせるつもりが、
そこそこ売れたのとタイトルに『春期』とつけちゃったので、
こりゃあ春夏秋冬やんないとダメかなあ
みたいな感じでシリ-ズ刊行することになった作品群であります。
(ちなみに拙は、珍しいことに既読です)
今ク-ルは本編四作+短編集の中から、
『春期限定いちごタルト事件』
『夏期限定トロピカルパフェ事件』
と、短編集の中から時系列をいじった一話をアニメ化したもの。
残る『秋』『冬』は来年四月からオンエアということです。
続きは原作買ってねえ♪
みたく残尿感たっぷりの畳み方はしておりませんので、
原作未読の方も安心してご賞味くださいませ。
さて、米澤穂信さんの中高生向けラノベミステリ-原作アニメというと、
やはり京アニさんが制作した名作『氷菓』が思いだされます。
(あちらの原作は『古典部シリーズ』と呼ばれております)
ここからちょっと原作本に関わるよもやま話。
『氷菓』を見ておられない方や、
アニメは作品が全て・原作なんか関係ありませんやん
という方にはつまんない内容なので、
まるっとネタバレでかくしておきますね。アニメ本編にあんまり関係ないし。
{netabare}
古典部シリーズは、もともと角川スニーカー文庫で出ていたのですが、
シリーズ完結編のつもりで書いた『さよなら妖精』が、
テイストがチガウ、
という理由で同文庫からのリリースを拒否られてしまったんですよね。
より厳密に言うと、
サブレーベルのスニーカー・ミステリ倶楽部をやんぺすることになったんだそう。
そういうのは書くまえに言いなさいよ、書くまえに。
ただ、お話自体のデキが素晴らしくよかったので、
先輩作家(笠井潔さん)のすすめもあり、
古典部の要素を排除するように書き直したうえで、
版元を創元社に移し、一般文芸として単行本化されることになりました。
(もちろん、文庫版も創元推理文庫から)
ですが、一般文芸の単行本ってお高いじゃないですか。
で、米澤さんが、
スニーカー文庫で『古典部』を続けられるメドか立たず、
デビューから応援してくれていた中高生ファンに申し訳ないなと思い、
より安価に楽しめるよう創元推理文庫からリリースしたのが、
この『小市民シリーズ』なのであります。
ちなみに創元社から出た『さよなら妖精』単行本の評判がよかったらしく、
それを横目で見ていた角川書店の連中の間で、
米澤けっこう売れるやん
『古典部』続けさせなあかんやん
単行本売れるんやったらスニーカー文庫に置いとくのもったいないやん
というハナシになったようで、
それ以降も古典部シリーズを継続することになりました。節操ありません。
そして出版形態は『さよなら妖精』まるパクリ、
新刊を単行本で出版し、後に角川文庫で文庫化する流れになったんだなう。
その後『古典部』『小市民』シリーズは並行して出版され続けます。
時系列で言うと、こんな感じ。
(ちなみに〇が古典部で●が小市民シリーズであります)
〇2001年11月 『氷菓』(角川スニーカー文庫)*デビュー作
〇2002年08月 『愚者のエンドロール』(角川スニーカー文庫)
*2004年02月 『さよなら妖精(元:氷菓完結編)』(東京創元社)
●2004年12月 『春期限定いちごタルト事件』(創元推理文庫)
〇2005年06月 『クドリャフカの順番』(角川書店→角川文庫)
●2006年04月 『夏期限定トロピカルパフェ事件』(創元推理文庫)
〇2007年10月 『遠回りする雛』(角川書店→角川文庫)
●2009年03月 『秋期限定栗きんとん事件上・下』(創元推理文庫)
〇2010年06月 『ふたりの距離の概算』(角川書店→角川文庫)
*2012年04月 アニメ『氷菓』放送
〇2016年11月 『いまさら翼と言われても』(角川書店→角川文庫)
●2020年01月 『巴里マカロンの謎(短編集)』(創元推理文庫)
●2024年04月 『冬期限定ボンボンショコラ事件』(創元推理文庫)
正直、ドル箱作家を半分さらわれたみたいで、
角川書店の連中は面白く思っていないでしょうが、
そんなん読者・視聴者は知らんがな。
てか、
文句言うまえに社内の人間教育ちゃんとしなさいよというハナシです。
{/netabare}
そんなこんなでアニメとしての本作は、
アニメ『氷菓』と原作者が同じというだけでなく、
・主人公の年代(高校生)
・物語の舞台(岐阜。ただし本作は岐阜市、氷菓は高山市でロケハン)
・対象年齢・テイスト(中高生向けライトミステリ-)
・原作の執筆時期
までまるかぶり、性格がちょっと違うふたごみたいなものなのであります。
というわけでアニメ『氷菓』の大ファンである拙は、
本作の製作が発表された時から、
期待ハンブン・心配ハンブンで楽しみにしておりました。
(心配はもちろん『氷菓の劣化版』にならないか、ということですね)
最初っから京アニ『氷菓』と比較されるのがまるわかりの本作。
この荒行に挑戦したカントクは、
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』『すべてがFになる』『約束のネバーランド』
などで比較的若めのファンにも名が知られており、
『約束のネバーランド第2ク-ル』
の改変でボッコボコに叩かれた記憶が新しい、ベテランの神戸守さん。
制作は、2014年設立でそんなに有名な会社じゃないけれど、
『アンデッドガール・マーダーファルス』
で「おお、けっこうやるじゃん」と思わせたラパントラックさん。
この期待できるようなできないようなタッグで、
京アニさんだけでなく日本アニメ史においてもエポックメイキングな作品、
故・武本康弘氏監督の『氷菓』の姉妹作に挑むことになりました。
でもって、第一ク-ル完走後の印象というのは、
けっこう頑張った・楽しく見られた
というものであります(いやいや、どんだけ上から目線なんだ、僕)。
極私的なおすすめ度は堂々のAクラス。
ただし、萌え的な観点で申し上げると、
登場する主要女子キャラがヒロインの小山内ゆきただ一人であり、
見かけはともかく中身がアレなヒトなので、
草食系ダンシの方々にはなかなかハードルが高い作品になっております。
(女子高生あるあるも『ない』ですしね)
そこんところで振り落とされず、
なおかつ「これは『氷菓』とは別モノなんだ」と割り切れた方のみが、
ゆったりと作品を楽しめる仕様になっております。
まず、映像がキレイ。というか叙情的。
ロケハンがんばったであろう岐阜市内の風景を巧みに使ってまして、
静かな、そしてパっとしない地方都市の、
『日常生活の緊迫感のなさ』とか『起伏や面白みに欠ける青春』みたいなものが、
いい感じに伝わってまいります。
キャラデ・作画もけっこうなお点前。
デッサンがリアル寄せでおまけにローアクション演出のため、
ジュニア向け作品よりもワンランク大人な物語、という印象になっています。
こんなところにまでこんな手ェ入れるかなあ、
という職人ダマシイはまったくなく、
手抜きなところはけっこうあからさまに手抜きなのですが、
(かなり中国つかってますしね)
それでも全体的には高評価。
デッサンぐちゃぐちゃの量産型なろう系とは一線を画しております。
{netabare}
ちなみに拙が個人的にとってもお気に入りなのは、
ヒロイン小山内ゆきの『おかあさん』のキャラデです。
DNAってすごい、とか思っちゃいました。 {/netabare}
物語や謎解き的なものは、すごくもしょぼくもなく、まあこんなもんかなと。
ただ、推理とは呼べないような日常の知恵働きから、
がっつりと刑法に抵触する、地方あるある的な悪ガキとの対峙に至るまで、
それなりに起伏のあるコース設定なので、
ダレることなく快適に完走できるんじゃないかしら。
あと「なんでこんなプロットに尺とるかなあ」と思ってたら、
それが後の展開でピースとしてぴしっとハマるのは、けっこう快感かもです。
(ただし、ほんとムダに尺とってるプロットもそこそこあります)
キャラクターの魅力度は、
ヒロイン小山内ゆきの独走状態、他を周回遅れにするほどのぶっちぎりかと。
他の方のレビューを拝読していると、
最後のアレがナニなのでけっこうパリィされているようですが、
拙的には『ほどよいクロさ』がお気に入り。
逆に男子主人公の小鳩常悟朗くんは、
拙的には、あんまり感情移入できなかったかもです。
{netabare}
中学のときにDQN系中二病を発症し、
イチビって名探偵を気取っていたらウザくてハブられた。
そんなしょうもない黒歴史をスティグマみたくご大層に抱え込んでいて、
そんなジブンに酔ってるフシもあり、
なんかいろいろ完治してないメンドくさいやつだなあ、と。
お友だちである堂島健吾の小鳩くん評は、まさに正論。
あとは最終話、
小山内ゆきを負けインにしてしまった度量の狭さもなんだかな。
アレって『面白がって罪に陥れた』のではなく、
一日でも長く『恐怖の対象』を自分から遠ざけるための方策ですしね。
しかも相手は薬物常用・凶器所持・暴力常套というアレなヒト。
そこのところを情状酌量せず、
正論でもってパリィしちゃった『青くささ』が妙にリアルでやだわ。
{/netabare}
音楽は、EveさんのOPと小畑貴裕さんの劇伴だけなら、
満点つけてもいいぐらいの高水準。
とりわけOP映像、
狼とキツネが楽しそうに大空をぴょんぴょん飛び回ってるところが実によき。
(本作の根底に流れているものを楽しく象徴していますよね)
で、それらを台無しにしているのが、ammoさんのエンディング。
べちょっとした歌い方もアレなんですが、
それはスキキライの問題だからよこっちょに置いておくとしても、
おまえホントに原作読んだ?
と言いたくなるほど作品と乖離している世界観が壊滅的かと。
小鳩くんと小山内さんの間柄はレンアイ関係などでは決してなく、
お互い相手をそこそこ気に入ってる互助関係
なんですよね。共依存、みたく大層なものじゃない『ほどほど関係』。
(で、小鳩くんよりも小山内さんの方が、もたれかかり気味)
ただしニンゲンの感情なんてゼロイチで割り切れるものじゃありません。
この二人の微妙でふしぎな関係や距離感、
そしてそれらが事件ごとに変化していく『揺らぎ』を、
繊細なタッチで美しく描いているところが本作最大の見せ場である、
そんなふうに思うんですわたし。
その観点からすると、このベタ甘ED曲は歌詞も曲調もダメダメかと。
最後にこれが流れることで、
なにがやりたいアニメなのかまるでわかんなくなってしまっています。
ammoさんファンの方々にはほんと申し訳ないんですが、
楽曲単体にケチをつけているわけではありません。
アニメのED曲ってなんのためにあるんだ、というおハナシなのです。
役者さんのお芝居は、上々の出来かと。
どうやら神戸カントクの方向性として
狙い過ぎない感じを狙う
みたいなものがあるらしく、そこがきっちり表現できています。
とりわけ小山内さん役の羊宮妃那さん、
ちっこくてかわいらしい外観のうちに秘める『ヤバさ』みたいなものが、
ちょいホラーっぽく楽しく表現できていました。
小鳩くんを演じた梅田修一朗さんは、
雰囲気が若干イタキャラになってしまいましたが、
これはカントクの方向付けなのかな。
(ちなみに『負けイン』の温水くん演ってた方ですね)
その他、レギュラーではなく単話のみの出演になってしまうのですが、
堂島健吾のお姉さん役に安済知佳さん、
新聞部であげパン食べてた女子部員役に瀬戸麻沙美さん、
小山内さんのおかあさん役に早見沙織さん、
おそらくは『オ-ディションの負けイン組さん』がチョイ役で出ておりまして、
地味に豪華なキャスティングとなっております。
(こういうの、オ-ディションあるあるなんですよね)
あと『氷菓』との比較なんですが……
{netabare}
あれこれ述べる前に大前提として知っておいて欲しいのですが、
制作費がぜんぜんチガウ
んですよね。もちろん『氷菓』の方が三~四割高くて、
ぱっと見、一話あたり400万、ひょっとしたら500万円以上チガウかも知れません。
イッパン的に深夜アニメの制作費は一話1100~1500万円ぐらいなんです。
そして本作は、その枠内でもシブめな方なのかな、と。
かたや『氷菓』は、その枠内に収まらない、数少ない特例作品のひとつ。
その二作の出来栄えを単純比較するっていうのは、
いくらなんでもさすがにセッショ-なんじゃないかなあ、と
元カンケ-者の拙なんかは思うわけです。
もちろん純粋な視聴者さんからしたら
そんなのカンケ-ねえ
というハナシにしかならないと思います。
そこはまったくそのとおり。
ほんとそのとおりなんですが……けどさ、でもね、はい、おっぱっぴ~。
演出面を単純比較するなら『氷菓』の圧勝なわけです。
メリハリが利き、わかりやすく、視覚的に楽しく、しかもグリグリ動く。
心象風景もただ美しいだけでなく、いちいち象徴的な意味が込められています。
モブの人数もリアル寄せで豊富、
おまけに作画に手抜きがなく画面バランスがまったく崩れません。
こういうのってただ予算が多かったからではなく、
それを物語を紡ぐため効果的に配分して作品クオリティをあげた、
故・武本監督や京アニスタッフの才能であり手柄なんです。
かたや『小市民』の方は、明らかな枚数不足。
背景や原画・動画合わせると、
一話あたり1000枚あるいはそれ以上、制作枚数が少ないんです。
モブはがらがらで過疎地域みたいだし、
心象風景の表現だってムリのある『背景の使い回し』が散見されます。
写真使ったり背景のズームや色彩変更で枚数稼ぎ。
ココアのくだりなんか現実と脳内の描写線引きが甘くてわかりづらいですし、
廃体育館でのバトルなんか枚数節約のため全カットですもん。
もちろんそれは、予算のモンダイ。
拙は最初に本作を『叙情的』『大人な物語』と称しましたが、
そうなるだけのジジョ-があったわけで、
これを無理に『氷菓』に近づけようとすると劣化版にしかなりません。
そうした観点から鑑みて、神戸守監督、ほんとにいい仕事されたなあ、と。
原作を損なわない範囲で、
キャラクターのニンゲン性や心情を掘り下げていく方向にシフト。
知恵と工夫で枚数を節約し、見せたいカットをきっちり動かし仕上げていく。
動きの少ないぶん役者の芝居品質が大切になるので、
半プレスコみたいな感じで収録し、荒行まがいのMAで品質を維持。
小山内ゆきが「私有財産の保全」とか言い出すカットとか、
おお、この手があったか
と思うぐらい、おカネをかけないのにスゴ味のあるいい演出でしたしね。
ただまあ、そこまでしても1クールで10話しか作れなかったわけです。
いやほんと総額いくらで予算組んでたんだ。
もう一社ぐらい製作委員会に巻き込めなかったんかい、つったく。
{/netabare}
そんなこんなで、やはり本作と『氷菓』は別モノ。
限りある予算をやりくりし、
精一杯の知恵と努力で『視聴に値する作品』を創り上げています。
派手さはありませんが、じっくり叙情的に物語を紡ぎ、
中高生向けライトミステリ-原作なのに、
しっとりと情感が伝わる本格的な青春譚みたくなっています。
アラを探せばいくらでも発見できるでしょうし、
作品のト-ン上、小鳩くんがいささかイタキャラ気味ではありますが、
それでも充分に楽しめる一本に仕上がっておりまする。
ただまあ、ジミはジミなんですよね。
ミステリ-的にはせせこましいし、
テンポゆっくりだし、動かないし、女の子すくないし。
殴るける斬る、銃や魔法を打ちまくる。
とびっきりの美少女とナニがアレして胸がきゅんきゅん。
歌って踊って泣いて笑って、あたしゼッタイ夢を叶えるんだぁ。
そういう作品と比べると、圧倒的に『ジミ』です。
いやもうほんと、
あんなやつクラスにいたっけレベルのすさまじいジミさです。
ですが、ジミ子にはジミ子なりの良さがあります。
とりわけこの子は、
経済的に恵まれない家庭環境にもイジケたりひがんだりせず、
ヒトの気持ちを深いところまできちんと考え、
ナミダぐましいやりくりを続けながらも、
前向きな努力を惜しもうとしない『よいジミ子』なんです。
ただ、残念ながら世の中はおおむね、
そういう子がワリ食うようにできています。
リアル世界でももちろんその傾向は強いですが、
とりわけエンタメの世界では、
小市民の多くが求めているのは、こういうアレじゃないんです。
いやほんと、
世の中ってそういうものではあるんですが、
一人でもふたりでもこの子の良さをわかってあげてくれたらウレしいな。
そんな思いでつらつら書いていたら、
またまた長いレビューになってしまいました。
話の長いオトコって、やだわ。
倍プッシュ さんの感想・評価
1.5
物語 : 1.0
作画 : 3.5
声優 : 1.0
音楽 : 1.0
キャラ : 1.0
状態:途中で断念した
狙ってなのかわざとなのか分からないけど最初にキャラの背景を明かさないせいで「よくわからないクソガキのイキりムーブ」を見せつけられて生理的に拒否反応がでた
キャラの見た目は可愛いのに喋りだすと不快感すら感じるレベルなので1話前半パートで断念
同じ原作者の氷菓の1話前半パートと見比べて見たけど同じ「しょーもない事件をしょーもない推理で解決」しているのに氷菓の方がちゃんとエンタメしてるんよな
101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
米澤 穂信氏による同名推理小説シリーズ(未読)の連続アニメ化作品の1期目(全10話)
【物語 4.0点】
同作者の『<古典部>シリーズ』のアニメ化作品『氷菓』同様、
学園生活の日常に潜む、不可解な出来事を、
平穏な〈小市民〉を目指す主人公高1男子と、
独特な協力関係にある同学のメインヒロインも巻き込み、また、巻き込まれつつ、
“名探偵”気質の好奇心から、つい解明してしまい、今日もまた〈小市民〉から遠ざかってしまう青春ミステリー。
1話~数話完結の事件を経る内に、
ヒロイン・小佐内ゆきの秘めた心情が徐々に明らかになり、
二人の関係に決定的な転換点が訪れ、1期は締めくくられる。
例え猟奇的な犯行で人が死んだりしなくても、
惹き付けられる動機があれば、ミステリーって出来るんだなと再認識。
そして恋慕は、人を嘘や奇行に走らせると改めて思い知らされました。
さらに、心理解明の矛先が、普通は白日の元に晒さない動機を暴いてしまう、
“名探偵”の性にまで及ぶのが興味深かったし、怖かったです。
世の中には、違和感があっても、そっとして置くことで丸く収まることが多々ある。
そこに狐の如く知恵働きして食い散らかしてしまう“名探偵”小鳩くん。
嫌われても致し方ありませんし、そういうとこだぞと言ってやりたくなります(苦笑)
一方で、ヒロイン・小佐内さんは、平和な<小市民>の日常を糊塗する中で、
嘘や復讐は何処まで許されるのかという問いを内包しています。
ラスト(※核心的ネタバレ){netabare} 復讐相手を誘拐犯に陥れた件が、小鳩との関係解消の決定打{/netabare} となったわけですが、
私も小佐内さんやり過ぎだとは感じました。
が、嘘が全て許されないかと言うと、そうでもないという弁明には情状酌量の余地もあり。
青春における真実の究明の必要性と嘘の許容範囲という、誠にそそるテーマを提示して持ち越される2期。
来年4月予定の放送期間中、私も悩むのを楽しみにしています。
ここまで好評を並べて来ましたが、
単話レベルで見ると、展開が淡々としていて退屈することも。
正直に白状すると、私は何度か寝落ちしましたw
できるだけ頭が冴えている時を選んで観たい、渋いミステリー作品です。
【作画 4.0点】
アニメーション制作・ラパントラック
昨年のTVアニメ版『アンファル』で、背景美術と小物によるムード演出に関しては信頼できるスタジオだと好感していたので、
制作会社は私の視聴を後押しする要因となりました。
舞台となった岐阜のロケハンからの落とし込みも良好。
夏に展開された“小佐内スイーツセレクション”についても、
各店内の描き込みも含めて“飯テロ”は周到でした。
見事な造形のパフェを眺めていて、
私も聖地巡礼行きたいなとも思いましたが、
行ったら間違いなくスイーツで食い倒れるのでw
胃腸の調子と相談しながら機会を伺いたいですw
会話劇中心で単調になりがちなシナリオを、
作画による演出で支える、また、本作を実写ではなくアニメーションで制作する意義を確立するため、様々な工夫が施された本作。
シネスコサイズの大画面に、大胆な人物配置やアングルを入れてみたり。
全部シネスコサイズで撮影処理したというわけではなく、OPアニメーションではシネスコ画面枠外から、
主人公&ヒロインを象徴する狐と狼が舞い込む演出が成されるのも粋でした。
果ては会話中、物理法則を超越した「背景チェンジ」を次々に繰り出してみたり(※1)
が、私の眠気を覚ますには、「背景チェンジ」にもうひと工夫、
心情を示唆するなど、考察を煽る要素を盛り込んで欲しいという要望も残りました。
もっとも、第三話では小佐内さんのドス黒い感情を示唆するため真っ赤な夕暮れの「背景チェンジ」を仕掛けるなど、
「背景チェンジ」による実験的な心情演出は成されていたそうですが(※2)
率直に、私には、そこまで心情をえぐって来たなという手応えは感じなかったんですよね。
2期目では、会話にリズムを生み出すだけでなく、より噛み応えのある情報量の多い「背景チェンジ」で、寝落ちしかけた私を叩き起こして欲しい。
今後の期待も込めて作画は、ほぼ4.5点の4.0点ということで。
【キャラ 4.0点】
主人公・小鳩常悟朗と腐れ縁の新聞部員・堂島健吾。
無骨で不器用な好漢として、私にとっては作中ほっと一息つけるスポット。
一方で、小学校時代の小鳩を知る彼に言わせれば、
今の<小市民>を目指して、才能を隠し、猫かぶっている小鳩は腹に一物抱えた嫌な奴らしい。
小鳩は、ある程度<小市民>志したほうが良いと思っている私とは逆の小鳩観。
では、どこが小鳩くんの落とし所なのか?
小鳩にはラスト(※核心的ネタバレ){netabare} 仲丸という彼女もできましたが、{/netabare}
2期以降、小鳩を見極める際も、私は堂島を頼りにしたいと思います。
小佐内さんに加えて、堂島という視点“拡張キャラ”がいる小鳩と異なり、
1期において、ヒロイン・小佐内ゆきには、ほぼ小鳩くんしか観察眼がなく、
より謎が残った感。
その意味において、ラスト(※核心的ネタバレ){netabare} 小鳩と離別後、彼氏となった瓜野高彦の新コンビで、2期以降、小佐内さんの何がこぼれ落ちるのか、垂涎の食欲の秋です。{/netabare}
【声優 4.0点】
リップシンクを廃した、ほぼプレスコに近い手法で収録し、
声を張らないナチュラルな会話劇を追求する。
ヒロイン・小佐内ゆき役の羊宮 妃那さん。
これまで数多くの役を射止めてきた傑出したモグモグ演技への期待もまた、
私の視聴動機の一因。
が、今回は、スイーツを頬張る演技も、そこまで露骨じゃなかった印象。
一方で、ふわふわした声質の中に、芯やクセを込める羊宮さんの特技は相変わらず。
スイーツへの執念はむしろ、淡々とした演技の中に垣間見える、
狐狼の如き復讐心の強さから痛感しました。
食べ物の恨みって恐ろしいですw
そんな羊宮さんと掛け合いを繰り広げた主人公・小鳩常悟朗役の梅田 修一朗さん。
人の秘密を暴いてヘイトを受ける際も、人当たりの良い高音ボイスを崩さない。
怒りのぶつけどころが分からなくなる、良い意味で嫌な狐ぶりでした。
そんな小鳩くんでも、小佐内さんのこととなると、多少語気を荒げていたのが印象的でした。
やはりこの2人、<小市民>を目指す利害が一致したコンビ関係だけではないことが、
掛け合いの演技からも伝わって来ました。
【音楽 4.0点】
劇伴担当は小畑 貴裕氏。
会話と推理を邪魔しないため、基本は無音と環境音。
心情が滲んで来た際に、スッとピアノやストリングスが挿入される静かな構成。
氏のバックボーンがジャズとあって、スイーツが美味いおしゃれなカフェにもマッチ。
OP主題歌はEve「スイートメモリー」
柔らかい高音男性ボーカルとメロディで、
“君が真実(ほんとう)でも嘘でもどうでもよかった”とクリティカルヒットを決めて来る。
油断できない良作バラード。
ED主題歌はammo「意解けない」
如何にもトイズファクトリーな、しゃがれ声の気だるけバンドサウンドに乗せて、
紹介される実写の岐阜の映像で、ホッと一息付いた所で、
“表でも裏でも君だよ”とかまして来る、やはりこちらも確信犯。
【参考文献】(※1、※2)Febri「第2期決定!監督に聞いたTVアニメ『小市民シリーズ』の演出術」
877ばなな さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
teji さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ato00 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
小市民ってなんだろう。
今ではあまり使われない古い言葉ってイメージ。
普通の人が慎ましやかに生きるってところか。
とにかく、一般庶民にありがちなことを扱うアニメって思ってました。
あにはからんや。
普通じゃありえない癖のある高校生たちの周囲に起こる小事件の数々。
それを鮮やかに、そしてコミカルに解いていく。
その小憎らしい振る舞いにトキメキながらの視聴でした。
キャラへのツッコミは脇に置くとして、ストーリー構成は熟慮されたもの。
前半は単発推理。
後半は連続推理。
徐々に加速する物語。
{netabare}9話と10話の種明かしは見ものです。
小佐内さんの復讐って・・・
明らかに小市民じゃないよね。
小鳩君の怒りと戸惑いも当然です。{/netabare}
春はいちごタルト。
夏はトロピカルパフェ。
季節に沿った甘味に乗せて繰り広げられる物語。
甘くてしょっぱい秋冬がますます興味深い。
薄雪草 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
こま さんの感想・評価
1.5
物語 : 1.0
作画 : 1.0
声優 : 2.0
音楽 : 2.5
キャラ : 1.0
状態:観終わった
ぴかちゅう さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
shino さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ラパントラック制作。
清く慎ましい小市民を目指す小鳩と小佐内、
平穏な高校生活を望むも、推理の得意な、
小鳩の元には様々な事件や災難が舞い込んでくる。
涼やかで綺麗な映像描写とちょっとした推理劇、
実写ドラマを意識しているそんな印象も受けますが、
静かなメインキャラは疲れないので良いです。
少年と少女、不思議な関係ですね。
{netabare}穏やかな時間を享受し、互いに助け合い、
完全な小市民を目指そうって!?
ここらあたりは、善意に解釈しましょう。{/netabare}
季節感溢れる青春×学園ミステリー、
素敵な作品になればと期待しています。
5話視聴追記。
新聞部部室での伯林あげぱんの謎解き、
{netabare}冒頭の小佐内の描写に見事に落ちもついて、
良くまとまった楽しめる回となっています。{/netabare}
最終話視聴追記。
娯楽性は乏しいのかも知れませんが、
文学的な会話劇、最後はお見事でした。
{netabare}水面下で遂行される過去の因縁への報復、
誘拐されることにより相手を罰し社会的に葬る、
用意周到なおそるべし少女の思惑が完遂する。
これで2人の関係は解消されたのでしょうか、
小鳩が選んだポップコーンの味は甘くない塩味。{/netabare}
続編を楽しみに待ちたいと思います。
Sian さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 2.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:途中で断念した
なんかいろいろ無理あると思う。
没入できない。
xwTza00790 さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.0
状態:今観てる
まにわに さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
なので比べるのやめません?
5話: {netabare}個数の問題で、そこだとは真っ先に思うところだが、動機の話をされて次第に選択肢から消えていった。
言い訳をすると、小父内じゃなかったっけ?と気を取られていたのもある。
動機で話を逸らし、辛さで錯誤させ、しかるのちに数を増やす。
そして、空の皿は美味しそうにならない。
ここの出来がいいに一票。{/netabare}
見終わって: {netabare}多くの点で納得がいかないのは、小市民の尺度が曖昧だから。
目の前の自転車泥棒を警察に届けたのかすらわからないのは何とも了見の狭い話だし、電子レンジでパックのまま温めるのは、できるともやろうとも思わないスケールの大きな話。
捏造を小市民として釈明・酌量するでもなし。小市民ではなかったと言ってるから別にいいんだけど。
2人の関係を支えているのは小市民でなく謎演出だけ?
公僕に対しての小市民。大抵の推理ものは警察が事件の保証をしてくれるが、それに頼らないということなら評価できなくもないが。
1話の印象が、「この演出嫌い」と「嫌な事件に巻き込まれそう」だから。でも、一応見たし、さほど嫌な事件でもなかったし。誘拐は嫌な事件だけど。バレないとは言うが微妙に罪をなすりつけ切れてないし、正当防衛にしたいのかなと見たが。最後車が燃えて、嫌な事件に巻き込まれそうだけど。
続きも見るかどうか、見る側の小市民が試されてると思わなくもない。{/netabare}
ぽにぃ さんの感想・評価
2.3
物語 : 1.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
ヒロインコレクター さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
作画は素晴らしいと思います
推理要素も作風もいいと思います
日常系の要素もいいと思います
作品自体が悪くないだけに損している作品だとは思います
あと氷菓を制作した京アニさんだったら絶対にカットしている不快なシーンを普通に入れている辺り制作会社のミスにも見えましたね
cLzNA78240 さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
小市民シリーズのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。
あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら。
小市民シリーズのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら
こちらのフォーム よりお問い合わせください。
“たがいに助け合い、完全な小市民を目指そう。” かつて“知恵働き”と称する推理活動により苦い経験をした小鳩くんは、清く慎ましい小市民を目指そうと決意していた。 同じ志を立てた同級生の小佐内さんとたがいに助け合う“互恵(ごけい)関係”を密かに結び、小市民としての高校デビューを飾り平穏な日々を送るつもりでいたのだ。ところがふたりの学園生活に、なぜか不可解な事件や災難が次々と舞い込んでくる。 はたして小鳩くんと小佐内さんは、小市民としての穏やかな日々を手に入れることができるのだろうか。
(TVアニメ動画『小市民シリーズ』のwikipedia・公式サイト等参照)
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