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「義妹生活(TVアニメ動画)」

総合得点
67.7
感想・評価
147
棚に入れた
400
ランキング
2360
★★★★☆ 3.4 (147)
物語
3.4
作画
3.4
声優
3.4
音楽
3.5
キャラ
3.4

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義妹生活の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とりあえず簡単な感想

 原作は未読。
 他人だった若い男女が一つ屋根の下で暮らすことになって・・・、というシチュエーションの
作品は幾つもあるが、その多くはぶつかり合いながら次第に仲良くなって、その過程では
ラッキースケベがあったりと明るく楽しいラブコメ展開で進んでいくのに対して、本作は比較的
シリアスな要素が強く、メインの浅村 悠太と綾瀬 沙季が醸し出す淡々とした雰囲気の中で話が
進んでいくところが大きく異なる。
 まあ、最終的に互いに好きになるところは多くのラブコメと同じではあるけど。

 キャラの心情描写を丁寧に描いているが、その分ストーリーの進みはゆっくりした感じで、
本作の内容は他作品なら半分の6話ぐらいでやってしまうんじゃないかと思うぐらい。
 個人的にはこういう進み方は好きだったりするが、「味わいがある」と思うか、「冗長に
感じる」と思うかは人によって分かれそう。
 雰囲気としては実写の邦画、それもエンタメ性の強い大作ではなく、上映館が少ない文芸色が
あるような作品に近い印象。

 あと悠太と沙季のモノローグ描写が多いため、全体的に静的で、「アニメは動いてこそ」
みたいに思う人だと物足りなさを感じそう。
 実際、「本来は媒体としては小説向きかな」とは思ったり。

 メインキャラの悠太と沙季だが、いずれもよくできた子で、高校生らしからぬ大人びた
雰囲気がある。
 再婚したそれぞれの親の方が幼い感があったり。
 ただ、この大人な部分はこれまでの家庭環境によるものでもあるようで、いずれも自分の
感情を押し殺して行動し、その葛藤が話を厄介なものにしている。
 自分から動けない分、話を打開するのが外部の意見というわけで、悠太には藤波 夏帆、
沙季には工藤 英葉というキャラが登場するが、なんか唐突に現れては意見をしてという感じで、
いかにも「話を動かすために登場させました」という感が強かったりするのが残念。

 悠太と沙季の互いの気持ちが分かったというところで終わりと、締めとしてはまずまず。
 状況自体は現状のままということで、今後の二人の暮らしぶりが気になるところ。

2024/11/17

投稿 : 2024/11/17
閲覧 : 12
サンキュー:

1

いこ〜る さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

視聴マインドをリセットする必要性

これはすごいな。
アニメーションである必然をどう担保するのか難しかったのではないか?そして難しかったながらその課題はよく克服されていて、単なるビジュアルノベルにならず静謐な映画的視聴感のある、とても新しい作品になっていたと思う。

ただ私はこれをリアルタイムで見続けられたか?の自信はない。
事前にそう言う作品であるのを知って放送終了後に後追いで一気見したから完走できたように思う。
普通にアニメを見る気分でこれを見たら、テンポが悪いだの暗いだの話が進まないだのキャラが可愛くないだのと、1話切りしててもおかしくないかな。つまり視聴マインドの刷新が必要なわけだ。

そう、この作品は私たちに迫ってくるのだ。
親の再婚で同級生の異性と義理の兄妹に!で何を想像するかを。
恋愛ものを全て『ラブコメ』と括ってしまいがちな態度を。
そして進行速度のインフレを一旦止めることを。

いわゆる深夜アニメ的なお約束を廃し、この設定でリアリティあるドラマを求めたらこうなる!と言う形を真摯に追求した結果がこれだと思う。
果たしてそれが面白かったのかと問われるとなんとも答えようがないのも事実ではあるけど、それでもアニメという表現芸術が進化の袋小路に迷い込まないために、こう言った挑戦はこれからも継続して必要だと思う。

だからこそ、この挑戦をした制作スタッフに敬意を表したい。

==========

物語:コメディを排した恋愛もの、リアリティという点ではかなり頭抜けた存在。楽しくはないがなぜか引き込まれてしまう。

声優:妹役は鬼頭明里かと思ったら『箒星』だった。と言ってもわからないから〈菜なれ花なれ〉のパルクールの娘でわかるか?
エモーショナルな演技は抑え込まれていて実にアニメっぽくない作品なので大変だったと思う。

キャラ:自分だったらバイト先のお姉さんがいいと思うけど・・・

作画:このトーンとこの演出方針からすればもっとクオリティが欲しいところ。ただ、引きの作画が多くて苦労しただろう。あと、EDの人物イラスト(3DCGのモデリング?)がどことなく文学系の単行本の表紙で見たような感じで面白い試みだった思う(作中のキャラ絵と全然違う)。

音楽:OPは物語の始まりの高揚感が伝わる良曲。fhanaは〈天体のメソッド〉の頃から好き。
EDはどことなく『さよならのこと』を連想させる静かな曲でこれも良かった。

投稿 : 2024/11/16
閲覧 : 23
サンキュー:

7

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

モノトーンのような静かな感じの作品

原作未読 全12話

高校生の主人公の父親が再婚して、その再婚相手の娘さんが同級生という4人の生活を描いた作品です。

とても静かな作品で、お話もゆっくりしています。

そして自立したいと思いに背中を押してあげたいのと、妹として見なければいけない葛藤などをそれぞれの視点で描いていますね。

かなり静かな作品で、引きも多いし、間も長い、テンポ良くお話が進むということもありませんが、そこがこの作品の良さではないでしょうか。

それぞれが兄と妹というより心の中では男女と意識していますが、少し距離が縮んだというところで終わっています。

まだまだこれから色々ある感じですね。

OPはfhánaさん、EDはKitriさんが歌っています。

最後に、たまにはこんな静かな作品も観てもいいかもしれませんね。

投稿 : 2024/11/12
閲覧 : 128
サンキュー:

13

つきひちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

全く納得の無い最終話

1クール12話

親の再婚で義理の兄弟になった同級生の2人が恋愛感情を抱いていってしまったらどうなるのか…。という話

2人ともキャラがなかなか拗らせているような2人でモヤモヤとした展開が続きます。最終話で納得させてくれる結末があるのかと思ったら…。

複雑な事情だからキッパリとはいかないのは理解できるんですけど、12話まできてみてその答えはなかなかにえきらない。作者はリアリティを追求していたんですかね?
ちょっと趣旨というか、目的が分からなかったアニメでした

投稿 : 2024/11/04
閲覧 : 71
サンキュー:

1

ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイパ重視のこのご時世に・・・ある意味挑戦的な作品

【レビューNo.148】(初回登録:2024/10/20)
YouTube漫画原作で2024年作品。全12話。
ここのレビューでも散見されますが、タイトルからすると
「コメディ色の強いご都合主義のいつものやつ」
って思いますよね(笑)
リアタイで視聴していた時は「切るほどでもないが・・・」でダラダラ完走
したって感じでしたが、見返すと意外と悪くない作品だったかも。


(ストーリー)
「”義理の兄(妹)”はただの他人だ」
高校2年生・浅村悠太は父親の突然の再婚により、義妹となった派手な見た目
の同学年の綾瀬沙季と出会う。
2人は
・前の両親の不仲を見てきたために共に男女関係に慎重になっている
・今の両親に心配をかけて家庭を壊したくない
という思いから、都度”擦り合わせ”を行い、「適切な距離感」を保つことを
約束しあうのだった。


(評 価)
・タイパ重視のこのご時世に・・・ある意味挑戦的な作品
 同クールに70本程度放映されるのが当たり前となったこのご時世、それこそ
 3話切りどころか1話切りされる恐れもある訳で
 ・序盤からテンポよく畳みかけたり、キャッチーな展開をブチ込む
 ・目を見張る映像美やヌルヌル動く作画など
 最後まで視聴してもらうために各作品も頑張っているようで。
 しかし本作はこのタイパ重視の今の風潮に逆行したような、ある意味挑戦的
 な作品だったのかなっと。

 特徴的なのは作画のカメラアングルですね。
 本作の悠太と沙季の会話劇(擦り合わせ等)なのですが、同じような引きの
 画がメインになっているんですよね。
 イメージ的には家に仕掛けられた隠しカメラで覗き見や観察するみたいな。
 この定点的な視点で、2人のやりとりから距離感等が変わっていく様を淡々
 と積み重ねていくという何とも地味な作品ではあります。
 色調も抑え気味ではありますし。

 その辺りの制作陣の意図に気付けば面白みもでてくるのですが、私もリアタ
 イ時は半分脳死で観てたので微妙な作品だなっと。
 たまたま見返す機会があったので、再視聴したらそういうことかと評価を改
 めたのですが、このご時世になかなか思い切ったことやってるよなっと。


・セリフ回しのセンスがちょっと合わなかった
 個人的に初見で没入できなかったのは、沙季に好印象を抱けなかったのが大
 きいと思います。
 最初の悠太との会話が
 {netabare}「そのユーモア、話し方、表情どれにも強い熱を感じない。~(中略)~
  私はあなたには何も期待しないから~(中略)~この意味あなたなら正確
  に理解できるよね。」{/netabare}
 これがラブコメ感あるツンデレなら可愛げもありますが、初っ端から地雷臭
 のする女だなっと。
 その後も
 {netabare}「こういう”擦り合わせ”ができるの地味に助かる。」{/netabare}
 とか何かと「面倒臭い女」という印象が序盤で定着しちゃったんですよね。
 この辺りは悠太のセリフ回しにも引っ掛かるところがあり、どうも原作者と
 の相性が悪いみたいですね。

 また作品の性格上モノローグが多いのも、「面倒臭い女」と感じる一因の
 ように思いますね。
 あとギャルの恰好をしているのは「社会を渡っていくための武装モード」
 とかいう謎理論も何なんだと。


・義兄妹の恋愛模様は・・・
 こういう題材を扱っていれば当然「義兄妹の恋愛」というのは避けて通れず、
 というかそれがメインだったりするわけで・・・
 本作も上述のように地味な積み重ねから、現時点での2人の”擦り合わせ”を
 描いて終わります。
 作品を通じて感じたのは、「2人の温度感」的なもの描きたかったのではと。
 はじめはぎこちなさがあり低温だったものが、徐々に温度が上がっていき、
 最後は触れ合って2人の体温で終わるみたいな。
 感覚的には「ピュアラブストーリー」というより
 ・「俺は本物が欲しい!」(by比企谷八幡/俺ガイル)
 という人の関係性の根源的なものを描きたかったのかなとも感じましたね。

 ただ総じて理屈っぽさが鼻につき、個人的にはあまり好みな描き方ではなかっ
 たかな。


率直なところ初見ではあまり刺さらなかったものの、腰を据えて見返してみれば
いろいろ気づきのある作品だったかなっと。
ただこれだけアニメが大量に制作される時代ですからね。
序盤からしっかり視聴者の心を掴む工夫がないと、せっかくのよさも伝わらない
のでは?とも思いました。
あと2人の会話劇以外のエピソードとか全体的に弱いのかなあ。


OP『天使たちの歌/fhána』
・OPから作品への期待感を高めるfhánaのこの安定感よ!
ED『水槽のブランコ/Kitri』
・これは作品の余韻をきれいに昇華してくれる良曲

 
(追 記)
これを言っちゃうと身も蓋もないのですが、両親も子供が高2なんだからこんな
微妙な時期に再婚せずに、高校卒業まで待てなかったんかいっと。
コメディ強めの作品ならそのドタバタ劇も笑って許せますが、シリアス度が高い
本作だと、その辺が引っ掛かってきたかな。

投稿 : 2024/10/24
閲覧 : 284
サンキュー:

12

ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

「幸せな家族のやり直し」と「兄弟姉妹の恋愛」

三河ごーすとによる原作小説は、『MF文庫』(KADOKAWA)で刊行中(既刊11巻、原作未読)。
アニメは全12話(2024年)。監督は上野壮大。制作は、『ログ・ホライズン』シリーズ、『この素晴らしい世界に祝福を!(1、2期)』などのスタジオディーン。
(2024.10.23 投稿)

完全にタイトルからスルーしていた作品。どうせ親の再婚で年頃の連れ子同士が突然一つ屋根の下、お決まりのラッキースケベ展開なんでしょう?と思っていた時期が私にもありました(笑)
各レビュアーさんから、そうじゃないらしいとの情報を得て、さっそく視聴を開始することに。

予め確認しておきますが、血のつながりのある兄弟姉妹の結婚は、日本ではできませんが(※片親のみ血のつながりがある場合は、スウェーデンだけOKのよう)、連れ子同士の義理の兄弟姉妹の結婚は、血のつながりがないので、法律上、何の問題もありません(なお、血のつながりがある場合も、法律上の婚姻ができないだけで事実婚や恋愛まで禁止するものではありません)。

なので、個人的には、義理の兄弟姉妹が恋愛関係になるのはインセスト・タブーでも何でもないと思っているので、世間体があるとしても、「禁忌」というほどの忌避感はないんですよね(※本作に登場する奈良坂真綾(CV.鈴木愛唯)も、「3か月前まで他人で、兄弟姉妹だからといっても「義理」なんだから、恋愛関係を避けることもない」と言っていたので、私だけ変ということではないと信じたい(笑))。

もっとも、本作は、インセスト・タブーを理由として、お年頃の男女が自分たちの恋愛感情を押し殺そうとしているというお話でもないと感じたので、私の感想を書いていこうと思います。


【「幸せな家族のやり直し」と「兄弟姉妹の恋愛」(※ネタバレありの感想)】
{netabare}離婚の際、向こうに離婚の主な原因があるにもかかわらず自分勝手に幼い子供の養育を押し付けられても、それを快く引き受けてしまう人の好い親である浅村太一と綾瀬亜季子。
(※「人のいい人畜無害な男性役」(例えば、『イエスタデイをうたって』魚住陸生役)において私の中で定評のある小林親弘さんと、「幸の薄い女性役」(例えば、『わたしの幸せな結婚』斎森美世役)において私の中で「殿堂入り」を果たしている上田麗奈さんは、はまり役でした。)

もっとも、だからこそ、本作の主人公である浅村悠太(CV.天﨑滉平)と綾瀬沙季(CV.中島由貴)は、親という存在一般に絶望し期待しなくなると同時に、人の好い親の方にはついていこう、そして、こっちの親には、これから幸せになって欲しいと心底思ったことでしょう。

そんな親たちが再婚すると言ったとき、前回の結婚であんなにつらい想いをしたのに、また結婚するの?でも、こっちの親には感謝もしているし、幸せになって欲しい、私のせいで幸せになれないのは嫌だから早く家を出ようとは思ってた。それが少し早くなるだけ。と子供たちは思ったことでしょう。

しかし、初対面での太一の思いやりを感じるさりげない行動(※姓を別にした表札の準備、結婚指輪をしていないなど)に父親を期待してしまった沙季。息子も優しそう。諦めていた幸せな理想の家族が手に入るかも…
だけど、期待して裏切られるのは、もう嫌だという予防線から、悠太に「私はあなたに何も期待しないから、あなたも私に何も期待しないでほしいの」と言い放ってしまう沙季。

色々こじらせた結果、とても「面倒くさい女」になってしまった沙季(笑)。自らの美貌を過剰に周囲にアピールしなければ、確実にクラスカースト最底辺。

そして、沙季のさらなる誤算は、全く期待していなかったはずの義理の兄である悠太が「沙季のことを理解しすぎる」というところ…


本作は、一度幸せな家族を作ることに失敗した親子同士が出会って、前回の家族生活では手に入らなかった幸せな理想の家族を今度こそ手に入れられると期待したのだけれど、あろうことか幸せな理想の家族ならあってはならない兄弟姉妹が恋愛関係になってしまった。

そうすると、幸せな理想の家族を手に入れるためには、例え義理であっても兄弟姉妹が恋愛関係になってはいけないということになる。

もっとも、これは、前回の失敗した家族を初めからなかったことにして、今の家族で家族をやり直すのだという「虚構」を「現実」にしようとすることからくる「禁忌」(縛り)なのだとも思うわけです。
(※私がそう考えるのは、オープニングで悠太と沙季が実際に在りえないはずの一緒にバスに乗って、どこかへ行くシーンを描いていたこと。そして、沙季が幼いころの浅村親子の海での会話を録音したテープを聞きながら、自分もそこにいるような妄想をしていたことなどから。)

沙季があんなにこじらせてしまった原因は、前の不幸な「家族」なのですから、年相応の本来の素の彼女を取り戻そうとするなら、幸せな「家族」をやり直す必要がある。そして、それは育ててくれた親が望む幸福でもあります。

したがって、「理屈」で考えるなら、今までの過去を全てありのままに受け入れてしまえるのならば悠太と沙季は恋愛関係になることはできるでしょう。
しかしながら、手に入らなかった理想の家族、そして、本来の自分という虚構をあくまで追い求めるとするなら、二人が恋愛関係になることは許されないということになるでしょうか。

本人の気持ちは本人が一番わかっていると同時に、一番わかっていないのも本人なんてことはよくあること。二人は、これから上手く自分たちの気持ちを整理できるんでしょうか。2期に期待したいと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/10/23
閲覧 : 71
サンキュー:

5

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

情緒優先型恋愛物語

数年前、このコンテンツを観始めました。
YouTubeでふと見つけたのが始まり。
陰キャ男子の兄とドライな妹、義妹生活!

何気ない日常を少しユーモラスに描いたラブコメ風人形劇。
口しか動かないキャラによる淡々としたやり取り。
様々なシチュエーションで繰り広げられるクールな笑いが好きでした。

アニメは小説版に沿ってるのかな。
成長物語になっている。
だけど笑いが少ない。
ラブコメを想像していた身としては肩透かしでした。

もっとも印象的なのが心境小説風なところかな。
心理描写が繊細というか、雰囲気を大事にしているというか。
はたまたワビサビか。
ややもすると単調になりがちな表現手法に味わいを感じました。

似た者同士の義理の兄妹が互いを理解し歩みよる。
自分でも気づかぬ心の変化とそれに対する戸惑い。
そんな感情を昇華し、新たに築く関係性。
情緒優先型恋愛物語を冷静に堪能させていただきました。

投稿 : 2024/10/20
閲覧 : 109
サンキュー:

11

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これはアニメというよりは小説なのでは…

この物語は、義兄妹となった兄と妹の心が丁寧に描かれています。
私は登場人物の心が描かれているアニメが好きです。
なぜならば、登場人物の心が丁寧に描かれていると、登場人物の行動の原因や目的が理解でき、登場人物に共感できるためです。

極端な話、物語の半分は、二人の心の声です。しいて言えば純文学小説のようなアニメです。
動きが殆どなく、アニメである必要性も感じられないほどの、静かな…本当に静かな物語です。
BGMがあるときは心地良いのですが、BGMがないときは暗い気持ちになります。でも、それは心の色を表しているので、ありのままに受け入れるしかありません。

ヨスガノ空やドメスティックな彼女のような展開を期待されている人は、見ないほうが良いです。
どんなに待っても期待されるシーンは出てきません。
もちろん戦いのシーンもないし、悪い人が出てくるわけでもない。登場人物はすべて善人です。
それでも兄と妹は、それぞれ悩みます。

最初は『兄妹としてうまくやっていけるだろうか?』という悩みでした。
しかし、お互いの優しさがわかり、十分な信頼関係ができた後は、『好きになってはいけない。兄妹としてやっていかねばならない。でも、いつまで心を偽ることができるのだろうか?』…という悩みに変わってゆく。

悩んで悩んで、悩みぬいて…、二人が出した結論は…、勇気ある行動。
それは後先を考えない無謀な行動とは決して違います。これから先の長い間、大変な忍耐力を必要とするでしょう。
その覚悟を決めた二人を応援したくなりました。


現代社会では再婚する家庭の比率が上昇しており、婚姻の約4件に1件が再婚となっているそうです。
だから、このアニメに登場する二人の悩みは、再婚して異性の兄妹(姉弟)となる家庭には切実な問題なのかもしれません。

最後に
このアニメのOpとEdは、どちらも素晴らしい歌でした。
Opは、fhánaさんが歌う「天使たちの歌」
Edは、Kitriさんが歌う「水槽のブランコ」
物語に共感すればするほど、これらの歌が心に響きます。特にEdの歌詞は妹が書いた日記そのものであり、一言一言が深く心に染み入ります。

投稿 : 2024/10/15
閲覧 : 194
サンキュー:

19

ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

Cool系男女の初恋

個人的には久々の純愛系。
珍しくないシチュエーションではあるものの、
キャラも作画も良くて、結構引き込まれました。
まあ、こんな義妹と住んでたら惚れない方が不自然かも(笑)
後半のテンポは結構速すぎる気もしましたが、潔しということで。

投稿 : 2024/10/12
閲覧 : 43
サンキュー:

5

dakiramk3 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

落ち着いていて好感触

 自分は30年前に鳴沢唯という義妹……本当は義妹ですらないけど……に脳を焼かれて以来の血の繋がらない妹好きなんですが、そしてだから何だって話ですが、
人一倍そういう関係の妄想が捗りがちなピンク色の脳内をしているわけですが、そいういう私の目からは若干想像と違ったというか、お互いの立場に忖度しつつも惹かれていくという丁寧な描写が心に響きました。
いかにもなラノベ風登場人物は居ることは居るが主人公二人は普通の、ちょっとだけ面倒くさい思春期の人物像も好感を覚えます。ラストもなかなか趣があって、二人の行く末を応援したくなりますね。

投稿 : 2024/10/10
閲覧 : 49
サンキュー:

8

ネタバレ

koboo004 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

演出が秀逸

原作未読で、アニメのみの感想になります。

昨日まで全く接点のなかった高校の同級生が、親の再婚を機に兄妹になる話。
設定としては似たような作品は他にもたくさんあるが、演出が秀逸。
とにかく時間を使い贅沢に間をとることで、心の動きや思いの重さを表現している。
ここまで映像に動きが少ないと間延び感が出そうだが、そういったことも一切なく、音響、セリフ、そしてとにかく間の使い方が凄く上手に使われてる作品だと思った。

同い年で兄と妹という上下をつけることには最後まで違和感が残ったが、アニメとして、とてもいい作品だと思う。

投稿 : 2024/10/10
閲覧 : 52
サンキュー:

4

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

文学作品みたいな恋

図書館で恋愛小説を読んでいるような感覚になる繊細な恋の物語
すごく良かったのに何でこんなに評価低いの?!とビックリした作品
でもすぐに理由がわかった
小説が好きじゃない人には退屈すぎるからだ

この作品、アニメ好きに刺さるような作りじゃない、小説の地の文を朗読しているようなモノローグの多用、二人の心のありようを事細かに独白していくしホントにゆっくり心が動いていくのでテンポがゆっくりすぎるしわかりやすい萌えもない、小説が好きな人に刺さる作風、

コメディはなくて、ずっと静かでゆっくりな時間が流れる
二人の話の間がすごく丁寧で、駆け足になるのを我慢してゆっくりじっくり二人の距離感、空気、繊細な感情の欠片を一つ一つ丁寧に描いて二人の心が近づいていく様子を楽しめるのが他にはない唯一無二の魅力

個人的には大好きで、オススメです!

投稿 : 2024/10/08
閲覧 : 252
サンキュー:

19

ネタバレ

Nick さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

世間を気にしすぎる生活

<物語について>
●設定
(浅村:男)
・父親が再婚したので妹ができました。
・前の母親はろくでもなかったので女に対しては客観的かつ事務的な感じで対応してきた
・友達が少ない
・大人しく、勉強もそれなりにできる

(綾瀬:女)
・母親が再婚したので兄ができました。
・幼少期はわがままだったので、早く独立して親に迷惑をかけたくなかった
・友達が少ない
・武装系女子だが、中身はマジメっぽい
・勉強は現代文だけ苦手で、あとはそこそこ

●流れ
・兄妹となったが、お互い意識しないことをルールとする
・やっぱだめだ気になる・・・

いろいろ小出しに2人がどういうキャラだったり、どういう感情を持っているのかを表現するので、アニメというより小説っぽい感じが強い。
それでも丁寧に表現してるのでわかりやすいと思います。

感情のままではなく、倫理観や理性などがあって気持ちがどうのっていうのをやり取りする大人向けのアニメかな・・・。

<作画>
ド安定という感じがします。全体的につかわれている3Dモデルとか背景との合成とか、技術的に今どきの感じであることに加えて、精度もそれなり。本屋の中の本と棚って結構雑なアニメが多かったりしますが、その辺ちゃんと作られています。

<声優・音楽>
落ち着いた感じのキャラと音楽なんで特に合う合わないが無く無難かなと

<キャラ>
2人とも大人しい。というかほぼ登場人物全員。まあやが元気な女の子ってぐらい。

<総じて>
ひさびさにラブコメでテンプレの展開以外のを見たって気がする。2人がほぼ無表情でありながらどのような思いを持っているかということを小出しにしてみせてくれる。結構考えさせられる部分もある。個人的には良作。

投稿 : 2024/10/01
閲覧 : 84
サンキュー:

3

街路灯 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

あらゆるテンプレを否定した、日本アニメが世界に誇れる秀作

静謐な空間、抑制された表現、繊細な表情の変化、「動」より「静」を映像で、しかもアニメで表現することの難しさ。
設定の背景や、登場人物の過去、心境など、ナレーションとか字幕で片付ければ簡単なはずなのに、あえて安直な手法を採らず、心象風景ともいえる画面設定、静かでありながら一つ一つの光、陰、物体が主人公の思いを雄弁に主張する。その一つ一つを感じ取り、想像し、味わうのがこの作品の真の醍醐味であり、かつてなかった挑戦を見事に成功させた秀作である。

日本より海外で評価されているというのは失笑を禁じ得ない。というのも本作品はいわゆる日本アニメの中では「ラブコメ」というジャンルに分類されるのだろうが、この物語に「コメディ」の要素はなく、そこからひも解いても、ラブコメにありがちな、唐突なキャラの二頭身化、意味のない絶叫、ラキスケなど、およそマンネリに文句を言いながら、そういったお約束テンプレがないと不満を述べる日本人オタクには全く刺さらないのは想像に難くないからである。

そういう意味で、これは単にアニメというジャンルにとどまらず、一つの映像作品として、もっと様々な人たちに見ていただきたい、もっともっと評価されてよい秀作であると思い、もどかしさを覚えながら筆を置かせていただく。

投稿 : 2024/09/28
閲覧 : 168
サンキュー:

9

ヒロインコレクター さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

まずまず

ラブコメ作品だけど基本的にラブコメ要素は少なめで会話を楽しむタイプの作品かなぁと
まずまずいいとは思っています
自分は原作コミックでまずまず手応え感じていたのでいけるかなと思っていましたが思っていたよりも作風が暗めなのでちょっと視聴者を選ぶ作品かなぁと思います
ラブコメ作品が暗いと何か違うかなとは感じていますね
キャラデザはいいとは思っています

投稿 : 2024/09/28
閲覧 : 105
サンキュー:

4

ヤマナ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルで損してる。アニメ好きにこそ見てほしい。がヌルッと終わる。

初見評価
再婚して同級生と同居生活!?ってだけでおなか一杯感はあるけど視聴開始。
でも思ったほどイチャコラしてなかったので好印象。
ただこの類の作品特有の主人公の回りくどい喋り方は鼻につく。
あの喋り方がカッコいいと思って作ってるのかな。
鈍感、無気力、М字前髪、本が好き、回りくどいしゃべり方、なぜか女性慣れしている。主人公入れ替えても違和感なさそう。

8話まで視聴
想像と全然違う。タイトルからしてまた鈍感イチャコラ、あわよくばハーレムと思っていたのだけど純愛とも違うけど真面目な作品だった。
他人に無関心な二人が義理の兄妹になり少しづつ惹かれ合う。
ただ、嫉妬だったり家族という葛藤が強くあるようで主にヒロインが悩む。
その心理描写がなかなかリアルで見ごたえある。

絵に動きはあまりなく会話だったり心情描写だったりがメイン。
物語に抑揚もないから好みは分かれそう。
ただ、絵やアングルもこだわり感じるし音楽もしんみりと雰囲気ある。
話の途中に日記を読むところとか弱弱しく大丈夫最後死ぬの?ってくらい雰囲気ある。8話の最後とか雰囲気ありすぎてホラーかと思う。

ただ8話のパンのシーン。バター塗るの適当過ぎて気になった(笑)
あれが最初一話とかで綺麗に端まで塗ってて心理描写とかになってたら秀逸。
しんみりが好きな人は0話切りして、脳死アニメが好きな人は1話切りしそう。

最終話まで視聴
どうなるんだろ、どうなるんだろって見てたらどうにもならないでヌルッと終わった。
兄妹で何も起きない。まあリアルっちゃリアルなんだけどそこまでリアルだとアニメで見る意味ないというか。非現実を味わいたくて見てるわけでして、、、。
雰囲気作りはよかった。

投稿 : 2024/09/28
閲覧 : 258
サンキュー:

6

リタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

魅入ってしまった

魅入るというより見惚れるに近いかな。

めちゃくちゃ良かった!
小説のような言葉選び、実写が混じり差し込む光の美しさとか
無言の間、食事の描写、どれもこれも美しくてすごく好き。

元々はYouTube漫画らしいけど、1つも動画を観たことがないから
そちらとこのアニメ化との相違は一切分からないけど
それでもすごく素敵なアニメだし、最後なんてうるっときてしまった。

二人それぞれの気持ちがとても分かりやすく丁寧に描かれていて
そうだよね、そう思うよねって、うんうん頷きながら
最後までずっと見守っていけるストーリーも良かった。

この機会にYouTubeの方も早速観にいってみる。

◯作画
キャラだけでなく世界の描写が特に美しい 背景最高

◯声
不自然さがなくアニメに没頭できる

◯ストーリー
難しいテーマだけどとても丁寧にしっかり描かれる安心感

投稿 : 2024/09/27
閲覧 : 88
サンキュー:

9

ネタバレ

cLzNA78240 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

暗い

未熟な少年少女の葛藤を描きたいのかもしれないがテンションが低く暗いので昨今のアニメ作品には無い妙な雰囲気だった。フィクションらしい過激な演出もなく淡々と過ぎていく日常と最初から想像がつく結末は不満の残るものだった。

投稿 : 2024/09/27
閲覧 : 54
サンキュー:

2

ネタバレ

シボ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイトルで破廉恥なの想像しちゃったけど真面目で繊細な作品でした。

高校2年生の浅村悠太。
派手なルックスで美人な同級生の綾瀬沙季。
親同士が再婚することで二人は同じ屋根の下で
一緒に暮らすことに。
そんな思春期の妄想のような舞台設定で始まる物語です。

つい先日までは同じ学校でも接点すらなかった他人。
お風呂にどっちが先に入るのか、、
沙季に気を使って悠太が自分が入った後のお
湯を入れ替えちゃうとか、なんかぎこちない感じのやりとりが
実際そうなるよな~ってリアルに思えます。

正直こんな妄想設定だとちょっとエッチなドタバタラブコメ路線
もありかと思うんですけどこの作品は違います。
ラッキースケベ的な展開もほとんどなくて、
お互いが自分の親の幸せのために、
適切な距離(好きでも、嫌いでもない)を意識して狭い
家の中で普通に振舞おうとする。
そんな微妙な
関係性が観てる側にも伝わりなんだか観ててドキドキもありました。

生活音に聞き耳立てるような、なんかゆっくりくつろげない
感じや
会話してるシーンもどこか遠くから覗き見てるようなアングルが
わざと二人の距離感を表現してるってことなのか、なんだか
全体的に暗いトーンで描かれてます。
緊張感が観てるこちらにも伝わってなんだか全然
くつろいで視聴出来ませんww

この序盤の雰囲気は自分はあまりない感じで新鮮で良いなって
思ったけど
人によっては退屈に感じて観るのやめちゃう人もいるかも。

数話の出来事を振り返る沙季の日記。
少々の雑音とフィルム映像風の不安定な絵が彼女の自分でも
良く分からない揺れ動く心の内を表すかのようでなんか切ないです。

そしてこの日記の振り返りが定期的にあるんだって気が付くと、
途中二人の気持ちがすれ違っちゃった
シーンがあったりすると
その時に彼女がどう感じたかを答え合わせしたくなりますw

沙季の気持ちからだいぶ遅れて
悠太が自分の好きって気持ちに気づいた水着回からの花火!
リアルで美しい花火が舞う中での

  「兄さん・・・」

こんなにも苦しくて、切ない言葉って~~><!

同じ男として悠太の行動や気持ちは、ちょっと感度鈍すぎないか?
って思う反面
まあそういう男だからバイトの
先輩の読売栞さんや予備校の藤波夏帆さんが、飾らずにスキを
見せてくれるのかもしれないのだけど、淡泊すぎるのが気になりました。

家族想いで真面目で優しい二人が
正座で向き合いながら一生懸命に出した答えは・・・・

抱きしめるわけでもキスするわけでもないけど
なんか前向きで綺麗なラストでした。

ただ、こういう場合で一緒に暮らすってこの先どうなっていくの??
てのは気にはなりますね。

この作品
イヤホンで主に視聴していたのですけど、ちょっとした
生活音やセリフの臨場感が凄いなって思いました。
向きや位置まで伝わる音作りにこだわりを凄く感じました。

そして大事な場面で流れるピアノのメロディも良かったです。
音楽はどれも良い感じで特にエンディング曲が好きでした。

OP  fhána / 「天使たちの歌」
透き通った伸びやかな歌声が素敵です。
ちょっと重い雰囲気のこの作品をいい意味でリセットしてくれる
そんな明るい楽曲でした。

ED  Kitri / 「水槽のブランコ」
本編でも作品の雰囲気に合ってて良いなって思ってたバラードです。
ユニット姉妹の心地良いハモリと
メロディーラインが独特なところは余韻あって良いんですよね~
YouTubeでフルの楽曲を聴いたのですけど、
中盤に詩を読み語りかけるようなところがあったりやっぱり印象的で
素敵な曲でした。

ようやくお互いが一歩踏み込んだ二人ですけどこの続きも
ちょっと見てみたいです。

だって、手を握り合っただけで
抱き合っても、キスもしてないんだからw

投稿 : 2024/09/26
閲覧 : 57
サンキュー:

20

ネタバレ

mamiko さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

もやもや

親の再婚で、兄妹同時になった2人。最初は2人ともぎこちないですが、徐々に違う気持ちも芽生えます。ストーリはほぼ2人の気持ちを交互に伝える形でした。最終回はやっぱりそうかという感じでしたが、どこかもやもやが残る感じでした。

投稿 : 2024/09/26
閲覧 : 40
サンキュー:

2

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

やたら描写が細かい。それが雰囲気づくりに貢献していて面白さも感じる

1話感想 3.1 なんか独特な変なテンポというか雰囲気が。悪くはないですが…

うーん、何でしょうねこれ。

いや、主人公はまあまあ共感できます。
初対面の相手にやたら横柄だったり馴れ馴れしかったりする男主人公は多いですが、最初はちゃんと丁寧で、相手の希望をちゃんと聞いて砕けた口調にするなど、悪くないです。

義妹も別に過剰にツンがきついわけでもなく、むしろ自然な、急に異性が同じ家にいたら普通に警戒するレベルで普通です。

というわけで、2人の対応は決して不自然ではなく自然な感じで悪くないとは思いました。

…でも、なんですかね? 独特な変な空気感といいますか。テンポというか、なんか変。
なんか良くわからない演出が… 最後の電気はなんですかね? あれはわかりやすく意味不明な描写でしたが、それまでもなんとなく空気が、ちょっと変というか。

独特な変な空気感があって、ちょっとなんか…。
なんだろう? 嫌だってわけでも無いんですが、何でこうなのかな? と引っかかるような… でも別に嫌ってほどではないんですけどね。

後は作画も全体的にちょっと微妙なのが残念なところ。
いやあくまで微妙でひどいってことは無いんですが。
でも途中崩れていきそうかなぁ。

いやコメントが難しいですが… 正直変です。
違和感があるってのは何か狙いがあるというか、単に出来が悪いんじゃないかな…。

でも変なセンスというのは決してダメダメではなく、何だこりゃ、と人目を引く部分もあるので…
ま、クオリティの割には、ちょっとは見たいと思えました。

でもクオリティが低いのは確かなので… 見るかどうかは考えます。

2話感想 3.6
こちらで他の方の感想を読んで違和感の正体に気づきました。

本作は、描写がやたら細かいのですね。

人間というのは多数無駄な動きがあって、実際には色々なことをやっています。
しかしアニメというのは些細な動きを書いたらその分作画コストがかかります。
だから些細な、本題に関わらない無駄な動作は一切省いて、ストーリーの進行に必要な描写だけを行うのが、当然だと思っていました。

なのに本作は些細な描写を、やたら細かく描いているのですね。
普通なら描かない、省略するような描写が多数あるから、『何か変』という違和感すら覚えたのでした。
アニメの文脈に慣れすぎていたせいですね。気づかず恥ずかしい…。

とはいえ、その無駄な多数の描写が雰囲気作りに役には立っている面はあると思います。

気付いたことで、本作に対する興味がぐっと増してきました。
視聴継続したいと思います。

全話感想
まあなんといいますか、独特な空気感、テンポ感のある作品でしたね。
内容としては具体的にどうというわけでもないのですが、なんとなく独特な空気があってそれが物珍しくて興味を惹かれました。
まあ面白かったかといわれればうーんってな感じなんですが。

しかし途中にあった妹が兄に身体を売る的な話はなんだったんでしょうね。
いやそれ自体は良い展開なのですが、結局未遂で終わるんですが、さらっと流すには重すぎるような。
注意して終わりで良いんでしょうかね。
まあ未熟な高校生、間違えることもあるってそんなものかもしれませんが。

とにかく、こういう空気、テンポはあまり見ない、という点で希少な作品ではあったと思います。希少というのはありふれているよりはよほど良いので、ちょっと評価対象です。

投稿 : 2024/09/23
閲覧 : 1041
サンキュー:

8

ひで さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

心に残る。

最初は地味な感じたが徐々に面白くなり最終話では感動しました。2期観たいですが日本の評価いまいちなのでないですかね。海外評価は良いのですが。作画も良ければいい作品になったと思いますがね。

投稿 : 2024/09/23
閲覧 : 83
サンキュー:

5

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

背中越しから背中を預けあえる関係へ(義理の代価と時価のお話)

1話~6話まで。

{netabare}
血もつながらず、縁もゆかりもなかった悠太と沙季。
そんな義妹との生活、あるいは義妹としての暮らし。
どちらからのアプローチが最適解なのか、思案しつつの鑑賞です。

成り行きの感情と、機微の通わせ方を描く作品のようです。
二人の擦り合わせはまだまだ続くようだし、答え合わせも急がないみたいなので、私もこのままお付き合いしていこうと思います。



同い年なことと、両親の不仲と離婚が、悠太と沙季の共通項。
二人して愛想のなさですが、深いところでは、同じ時間軸、同じ境遇に育った感覚を持ちあっているようにも感じます。

そんな遠因は、やがては義兄妹のシンパシーを共鳴させ、いつかは男女へのエンパシーを増幅させるのでしょうか。
そのあたりは、義兄妹ならではの事の起こりがあり、義兄妹を超える理由になるのかもしれません。

男と女が、一つ屋根の下で暮らす初手と千日手。
まずは什器に馴染むところから始めて、食味にも気遣う作法の反復。
そんな一挙手一投足は、他人の目に適う合理的配慮の深化と、自己管理への反芻。
言わば、背中越しに相手の背中を感じ取る基本のキです。

土づくりから収穫までは、日照の具合、水撒きの手順、草刈りや追肥、もしかしたら消毒も。
熟考と再考を重ねながらの創意工夫が肝心ってことでしょうね。



作品の印象としては、あたかも前世からの宿劫を背負った者同士が、愛の欠損をリカバリーし、幸せな未来にアプローチするために巡り逢った…、そんなお話に思えます。

子どもにとっては、選ぶことも、避けることもできないのが大人のセカンドラブ。
それって、大人の勝手で損なわれた家族愛、猜疑に堕ちた家族像を、義父と義母、義兄や義妹に好演するという無理難題かも。

義理という名目には、見知らぬ家族への従僕性が織り込まれているのが実態とも言えそうな雰囲気。
独り立ちに急くのは、そんな重荷からの離脱と、呪縛からの解放が、自由民に相応しく思えるのかもしれません。

浮かないシチュエーションのなかで、若い彼らの内面を満たしていくものは何か。
二人のケミストリーが、緊(ひし)と張り詰めた外面にどんな表情を見せるのか。

今のところ物語が大きく動きだす気配はなく、予定調和の遥か手前で足踏みするかのスローな展開。
それを待つ焦ったさと言ったら、観ているこちらがモヤモヤするくらいのまだるっこさです。

愛の美しさを見極めたい審美タイプの作品は、人を試すものですね。



家族は、本来なら、時間をかけて育てていくものです。
住まいは、何でも喋れるし、黙ってもいられる安心の巣です。

そんなプライベートな空間に、物理的な弾力が入り込んだら衝突や反発が生じるし、心理的な緊張に苛まれるほどに離反や野合に向かいます。

沙季はセクシャリティーを武器にマウントを取ろうと画策します。
悠太はインテリジェンスを盾にして無難・無骨にやり過ごします。

少し背伸びをしながらの攻防でしたが、一番ダメな所を開示し、線引きしあえたことで、"そこから上手くやっていけるスタート" を切った二人です。

義兄妹のポートレートは、ピント合わせはまだ難しそうですが、やがては一つのポートフォリオに仕上がっていくのかな。

お互いが納まるフレーム、お互いを見つめるアングルに、愛の光が差し込むのなら、素敵なことだと思うのですけれど。



セカンドラブにリフレッシュを見せあう父と母。
そんな空気を吸い込んでいる義兄妹のファーストタッチ。

ナイーブでセンシティブ、アンニュイでナーバスな関係性が、今のところはいい感じです。

もともと血のつながらない二人なのですから、あくまで義理の、それは他人としてのスタンスがあってもいいのかなって。

義妹との(としての)生活が、どんな終着点を見せることになるのか、二人の青春譜に伴走してみようかと思っています。
{/netabare}


7話で、大きく動き出した本作。

{netabare}
個人的には、夏クールで一番興味をひかれます。

プロットとして似ていると感じるのは、源氏物語、九帖、葵上。
言うなら、ならぬ恋、なせぬ恋路での、異性への想いに寄り添う雰囲気。

あるいは、色づく世界の明日から、月白瞳美。
こちらは、無くした色、手放した自己に、回復へのステップをたどる世界設定。

ともに、閉じ込めた内心の葛藤とその抑制、芽吹きだす安堵への歓心とを描きだす作風。
しっとりする潤いと、文学的な薫りを感じています。


原作は11巻まで刊行されているようですが未読です。
三河ごーすとさんはよく存じ上げてはいませんし、作品に触れたこともありません。
ただ、本作のシナリオ構成、セリフの配置と対置、情感の移動と繋がりなどに視点を寄せると、緻密な文才、自在な筆致を感じています。

オリジナルのストックもあるので、アニメは2期にも期待できそう。
とりあえずは本クールをじっくりと楽しみたいと思います。
と言うか、すでに、10回ほどループしています。


舵取りが変わったのは、沙季の独白。

嫉妬は、裏返し的に言えば、対人希求性の最たるものです。
自分にないものを他人に感じてしまうのは、内心の修羅と背徳へ。
他人にあるものが自分にはないと分かってしまうのは、他者への羨望と嫌悪。

幼少期の沙季は、おもちゃの電話に、自分のイマジナリーに話しかけます。
真っ暗な部屋、お父さんのDV、お母さんの夜仕事、ひとり親家庭、もしかしたら彼女はずっと独りだった?
17歳になるまで、自分の内外面に強さを求め、人を頼らず、人に甘えず、武装モードに生きてきた彼女です。

そんな、ないことづくめ、ないものづくしが普通だった沙季に、兄として、異性として、理解してくれすぎる悠太の存在が、少しずつ大きくなる。
彼は、沙季を、光へと導く者になるかもしれないのです。

言葉をすり合わせ、心をかわしあい、対等以上に心馳せしてくれる悠太に、より近しく、より魅力的に映る女子大生の栞。
彼女は、沙季を、ふたたび暗闇へと追いやる者になるかもしれません。

自分が幸せになる立ち位置はどこにあるのか。
それは一人武装モードを続けていくルートなのか。
それとも、悠太を兄と呼び、思いきり甘えて暮らすことなのか。

自分の幸せとは・・、家族の幸せとは・・。
何をどのようにチョイスするのが、自分らしくあると思えるのか。


沙季のなかにある根源的な本能的欲動(イド)と、そのイドを制止する超自我(スーパーエゴ)、そして両者の間で懸命に適切な道を探る自我(エゴ)。

剣と盾とを三者三様に突き合わせる沙季の鍔迫り合い。
いったいどんな展開を見せてくれるのか、今後が楽しみです。
{/netabare}


8話。

{netabare}
言い訳する者同士のすり合わせ方。

「勉強が、忙しいから。」
誰もが納得できそうな言い訳で、悠太からのプールの誘いに反発を見せる沙季。
奈良坂真綾への気がねなのか、それとも気後れなのか、いずれにせよ、沙季には不快からの言い訳のようです。

「人の気持ちが分からない。」
それは沙季の自我の芽生えを摘んできた、母の深い後悔の裏返し。
目先の目標をすり替えることで、自分の気持ちを抑える術を身につけさせてきた結果なんですね。

そんな沙季のお作法が、悠太には通じない。
心労への思いやりが、二人にはまだぎこちないのです。

エアコンの冷気に当てられた沙季の疲れに、おこげを美味しく作る悠太の気遣い。
夜通し醜い嫉妬に中てられた沙季の心根に、ホットミルクを勧める義兄の優しさ。
期待のまじらないささやかなおもてなしに、沙季は一つの決断をします。

でも、沙季の嫉妬の原因は、家の外と中とにあることには留意しておきたいです。
外の原因は、もちろん読売栞の存在。
沙季の大人ぶりは、栞の魅力を悠太にプレゼンしますが、さすがにそれはいい子ぶりすぎです。

中の原因は、義兄としての悠太の才気。
細やかな気遣い、自然な身のこなし、全てが沙季の期待値を超えてしまっている。
期待しないという取り決めが、沙季の身体を縛りつけ、アンバランスな心にさせている。

沙季にとっては、内憂外患とはまさにこれ。
終盤になって、読売栞はどうにかクリアになったみたいですが、別の栞の女性が現れるなんて、頭痛のタネは当分続くみたいです。



一つ屋根の下、義兄とのすり合わせに沙季の心音が高まる。
一歩外に出れば、同級生、バイト生として、通い合う時間に悠太との距離が縮まる。

その24時間に、どれだけ繊細なメンタリティーが介在し、どれほど絶妙なバランスでかじ取りが必要なのかは、正直なところ分かりづらい。

沙季の寝不足を「そのままでいい」と受け流し、「緊急事態だ」と気づきを添え、「原則と現場の対応は別」と柔軟性を刷り込ませる。
悠太のそんな押し出しは、純粋な善意と言って良さそうだし、沙季の受け止めも、義兄への信頼に僅差もないようでした。

言い訳と言い分とをすり合わせながら、その熱量をバネに変え、次のステージへと背伸びできる歓び。
応えられそうな、でも応えられそうもない怖さにも、一緒に向き合うことができる安心感。

ただ、・・・悠太が、義兄として振る舞えば振る舞うほど、沙季は、義妹とも、他人ともしれない心の揺らぎ、カラダの戸惑いを募らせていくように感じます。


EDのヘッドホンに聞こえる悠太と義父の声。
沙季は、どんな気持ちでそれを受け止めたのかしら。
謎めいた前振りに、期待は高まるばかりです。
{/netabare}


9話。

{netabare}
謙譲の美徳。

世代によっては受け止め方が違うと思いますが、得てして日本人は本心を見せない所作を "美徳" と評する意識性があり、それを言葉にすると "謙譲" になると思います。
謙譲とは、他人に対して敬意や礼儀をもって接することを良しとし、自分の能力を適切に評価し、他人を尊重することに重きを置くことです。
悠太と沙季には、そこに共感しあう背景がある感じです。

かつて悠太も沙季も、望ましい家庭の形が壊れてしまっています。
ともに親の苦労を身近に見てきているし、一人っ子なりの寂しさも溜めてきているので、4人が家族として幸せに暮らすことに反対する理由はないんですね。

ただ、悠太には、実母の不倫の爪痕が深く残っていて、そのトラウマが女性を遠ざけるしこりになっているようです。
女性を意識しないでいられることが彼にとってのらしさであり、自分のメンタリティーが謙譲でいられることに美徳を感じているようです。

沙季は、母子家庭の不遇感や、ジェンダーバイアスへの対抗意識が強くあって、常に自分を戦闘モードに追い込むスタンス。
一般的には謙譲にほど遠いように見えますが、悠太のようなフラットなタイプだと素直になれるのは、彼女なりの謙譲の美徳に適っているのかもしれませんね。



プールのお話は、そんな二人の距離を詰める一つのきっかけだったと思いますが、演出としては丁寧に描かれていたと思います。

沙季は、どうやら以前からカセットテープをモニターしていて、幼いころの悠太が海で遊んでいたことを知っていたようです。
真綾たちの誘いに乗ることは、父子の会話と母子の記憶とがリンクし、より親近感が深まるフィーリングになったんじゃないかな。

同時に、プールに行きたかった彼女の本音がようやく叶ったことで、母の気遣いを拒否して困らせてしまったことへの贖罪にもつながっているような気がします。

沙季が「身も頭も軽くなる」と言ったのは、そんな諸々の背景があってのことのように感じました。
これはおまけですが、沙季の水着シーンも、意外と落ち着いた雰囲気だったのが本作らしいなぁと思いました。


 
沙季が、悠太を「兄さん」と呼んだことは、過去の蟠(わだかま)りを溶かしてくれたことへの、彼女なりのけじめの付け方なんだろうと思います。

彼女が髪を切ったのは、戦闘モードを緩め、自分の立ち位置を「女の子」としてではなく「義妹」としてアピール(すり合わせ)したかったのでしょう。

ただ・・・、スマホに写っていた沙季は、おかっぱ風のショートカットでしたし、彼女が大好きなものも、酢豚料理のように見えました。
幼い沙季のヘアスタイルと大好きなものが、17歳の義妹のそれとぴったりかぶさるすり合わせ・・。

裕太にしてみれば、幼い沙季と今の沙季とが、以前から変わらず存在しているような錯覚にもなりかねず、好意的な感覚が一層高まったんじゃないかな。
沙季のことを好きだと自覚してしまった彼ですから、この先、とっても複雑な感情が芽生えてくるような気がします。

同じように、悠太への憧れを封印すると決めた沙季も、はたして義妹としての安寧が送れるのかどうかも、ちょっと怪しいような予感です。
今まで文字に出力していた本心を、頭の中に置きとどめるわけですから、またぞろ何かのきっかけで蒸し返されて、気持ちが揺らぐんじゃないかと・・。

片恋への気づきがあった二人ですが、相手の気持ちを知らぬは本人だけってことですよね。
この先、どれだけ義理と謙譲の美徳を振る舞っても、どこかに男女の発火点を抱え込んだ生活が続くことになるんじゃないかな・・。

さて、9月になれば実りの秋。
二人のこれからが楽しみです!!
{/netabare}


10話。

{netabare}
再婚という縁と、三者面談の行事が、二人にもう一歩前進する決意を促す回のようでした。
親が結んだ縁は、義理の兄妹に、実の兄妹としての期待を寄せてきます。

義兄妹の関係を、"他人寄りの家族" から、"内実の伴った家族" に移行すること。
悠太にも沙季にも、それはむしろ好ましいこと、望ましいすり合わせだったはずですが・・。

悠太が、沙季の母を「お母さん」と受け止めた結果が、かえって「ずるい」とこぼしてしまう沙季の悩みの種になろうとは・・。

今までの流れなら、安堵できること、新しい関係が積みあがってもいいことに思えます。
でも、沙季には「最後の未練なのかも」、「それさえも分からない」と、自身のすり合わせさえ、暗礁に乗り上げてしまったようです。



未練を感じたのは、沙季に執心があるからです。
好きという感情が、まるで焼けぼっくりのように、彼女のからだをじわじわと炙るんですね。

悠太はといえば、どうにか兄としての体面を保っているみたいですが、なんだか "我慢一択" のようです。
似た者同士だからこそのすり合わせは、知らず知らずのうちに17歳のDNAを誘い寄せるのですね。

未練は、いとおしさを募らせ、切なさは、胸をつぶさんとばかりに迫ってきます。
そんななか、夏帆という女性が、悠太の視野に入ってきます。

どことなく、栞に感じていた嫉妬の炎が、沙季を再燃させる雰囲気の現れ・・。
悠太にも、沙季のクラス男子の影がチラホラ・・。
好きを自認しあった二人に、何かしらの進展(それとも変節?)のきっかけになる気配です。

義兄妹という愛着を、これほどに悩み多く描こうとする作品も珍しく感じます。
でも、リアリティーにも起こりうることと思えば、気長に伴走するのが一番の良策、すり合わせのようですね。
{/netabare}


11話。

{netabare}
拮抗と崩壊。

今話では、シナリオ的に、沙季(というキャラクター)に一つの指針を与えていたと思います。
表向きはオープンキャンパスへの誘導、内実としては公開講座(倫理学)への接近です。

倫理学は、「よく生きる」というテーマを根本問題として扱います。
高校の教師は、公開講座の情報をあらかじめ知っていたと推測できますので、沙季の現国の成績の伸び、風姿風采へのマネジメント、自分らしさへの高い求知心などを勘案してのことに感じます。

沙季は、教官に「ここに来ることで、自分の人生をより良いものにできると考えました。」と話しています。
なので、設定としての倫理学の聴講は、沙季の意向を後押しするための伏線とみてよいのではないかと思います。

教官は「ほかの人との交流で、視野を広げ、理性と知性を武器にする。」というアドバイスと、「それでもなお、自分の感情に変化がないのならそれを大切に。」とも指南しています。
一見、相容れない相克しあう非論理的な言葉です。

目が行ったのは、黒板の板書。
そこには、異母異父の兄弟姉妹婚は、古代世界では存在しても、現代ではタブーであること、しかし、時代には社会倫理と個人の自由意思決定とが入れ替わる相があり、それらは繰り返し更新されることが示されていました。

個人と社会との関係性は "イコールではない" という教官の主張は、わたしも共感がないわけではないですが、高校生には少し刺激的だったかもと感じます。
でもまぁ、都内の国公立女子大を目指す偏差値なら、オープンキャンパスに参加する女子生徒も、そのくらいの意識や関心は高めなのかもしれませんね。

ただ、沙季にとっては、日常の暮らしにそれが繰り返されるわけですから、倫理観の学びがそのまま実践となり生々しく血肉化されるんですね。
ですから、彼女のリアルな心情を思うと、理性と知性で、感性と肉体をバランスよく制御できるかというと、少し難しそうにも感じます。

そんな拮抗が、沙季にどのような気づきと選択を促し、また悠太との関係を導くものなのか。
義兄妹としての片恋の情と、兄妹別々の交流が普通という二つの相が、物語をクールに展開させもするし、熱く燃え上がってしまいそうな気配です。

残り1話でまとめるなんてできそうもないし、中途半端に終わるのはもっと嫌かなって、心配しています・・。



さて、今話ではどうしても指摘しておきたいクオリティーの劣化がありました。

他のレビュアーさんも述べられていますが、作画の崩壊が本当にひどいです。
顔や五体のアンバランス、所作動作の不自然さだけではなく、パースもおかしいし、色設定にも違和感を感じました。

どのシーンがとなると、重箱の隅をつつく感じになるので取り上げませんが、さすがに我慢できないレベルだったのは残念としか言いようがありませんでした。

以前の回でも、沙季が机のカギを投げ捨てる所作に、あれれ?と思いましたが、こういうことが繰り返されると、作品の評価が爆沈してしまいます。

制作の皆さん、がんばって!応援しています!
{/netabare}


12話とまとめ。

人格形成期に愛情の不調和が生じ、愛着障害のままに過ごす日常。
ひとり親家庭にありがちな設定と言えばそうなのかも知れません。
でも、そう生きている(生きてきた)人のことを思うと、簡単には割り切れない気持ちがあります。
なぜなら、彼らの当事者意識は、窺い知るべくもないからです。
だから、とても評価しにくい、しづらい作品になっています。

彼らからすれば、わたしは絶対的に第三者です。
17才の頃の私には両親がいて、期待したり、依存したり、反発したりの毎日がありました。
その原体験は、悠太と沙季の精神性とは決定的に違うと思っていて、簡単にはすり合わせできそうもなく、二人の言質行動を、ああだこうだとは言うのは、当事者の方の気持ちに寄り添わない、配慮に欠ける行為に思えます。
そういう意味で、本作の設定は、かなり特殊で、繊細なものに感じます。

ひとり親の再婚、同じ学校の同級生、異性に期待しないし、してほしくない者同士の同居生活は、可能性の一つとしても、現実にあるのかどうかは分かりません。
でも、そんな設定に、わずかでもリアリティーがあるのなら、本作をよくある恋愛アニメの一つと消化し、評価するスタンスは、私には少し難しく感じます。

マジョリティーからマイノリティーへの圧力に、無意識のうちに加担してしまうのではないかと恐れるからです。
同時に、人の生き方への要らぬお節介であり、侮蔑でもあり、短慮だと感じてしまうからです。



終盤、悠太と沙季は、感情を表出し、その手を取り、お互いに抱擁もしました。
義理の兄妹という難しい関係性と、初めて異性を受け入れる気持ちを理解するために、彼らが口にしたのは「期待する」という言葉でした。

私は、この「期待する」という言葉に、新しいフェーズを "期待して" います。
期待という言葉には、"願掛け" に少し似ているような気がします。
自分が幸せになることを期待し、相手に幸せになってほしいと願う気持ちは、とても素直だし、素敵で、素晴らしいことと思います。

この期待は、他力本願に加え、自力本願も必要となる願掛けです。
有りがちなカワイイに乗っかるとか、セクシャリティーに溺れるとかではなく、お互いを認め、高め、支えあっていくというジェンダーな関係性に、二人の笑顔を期待しています。

背中越しに見互い、背中を体温で温めあう家庭生活って、どんなものだろう。
できることなら、二人が義兄・義妹として、期待しあい、また、期待しあえる日々を、追いかけてみたいなと思っています。

投稿 : 2024/09/23
閲覧 : 355
サンキュー:

14

*** さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.0 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

原作未読

うーん... 全体を通してモノローグが中心で面倒くさい主人公たちだなという印象だった。
『成人したら親に話す。それまでは節度を持って付き合う』でいいじゃん。
親同士の子連れ再婚で子供たちには血の繋がりがなく、法的にも問題がないんだから。

こういうコメディーじゃない恋愛ものを楽しむ能力がないんだなと、あらためて自分の性格を知った気がした作品でした。

投稿 : 2024/09/22
閲覧 : 60
サンキュー:

1

ネタバレ

Bハウス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

さざ波の様に二人は寄せ合う

原作はユーチューブ漫画から派生した作品

義理の兄妹になった二人が
異性として真剣に向き合う話になっており

その様子を定点観測しているような
画角で物語が展開していく

正直に書くと冗長なカットが多く
沙希の視点では序盤から浅村君に対して
意識しているシーンがあるけれど

浅村君はプール回までは
全く気持ちに気付かない朴念仁

だから浅村君視点のカットは
ちょっとダレて見ていた部分はある

OPで8ミリフィルムが出てきたり
沙希の子供時代が頻繁に出てくるので

実は過去に出会っていたんじゃないかと
思わせていたけど結局うやむや

バイト先の先輩で大学生の栞は
自動販売機の前で浅村君に告白したが
それ以降はにぎやか師でしか出てこない

浅村君に対する一方的な
矢印がそのまま突き刺しているんで
モヤっとするのよね

それで結局二人は義兄妹として
自分で境界線をつけようとするが

沙希は告白してくれた男の子振るし
浅村君は予備校で出会った奥村さんという
種崎敦美声の賢者に押されて告白を決める

タイトルは海がモチーフになったカットから
着想得てつけたんだけども

傍観者としては二人が両思いになった
満足感が出ていないんだとね

だから全体的に他のレビューも辛い

二人のシーンでも遠景は多く使われているので
冷たい感じがするのも否めないし

やり方は別にあったんじゃないかと思う
星の7割は沙希のビジュアルだからねw

投稿 : 2024/09/21
閲覧 : 55
サンキュー:

6

ネタバレ

teji さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

なかなかどーして

個人的には 好きかな
多分 恋愛感情じゃなくて近くの異性って感情なんだろうな

投稿 : 2024/09/21
閲覧 : 41
サンキュー:

2

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.5 作画 : 2.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

隔靴掻痒なラブストーリー。

詳細は公式サイトでも。

三河ごーすとさんによるYouTube漫画が原作のアニメ化作品です。制作は、前期「Re:Monster」だの「出来損ない」だの「ただいまおかえり」といった、どうにもならない3作を担当してトリプルプレーを喰らったスタジオディーンです。

そんなこともあり、正直まったく期待していない本作ですが、初回の印象は悪くなかったですね。

タイトルから、よくあるラノベラブコメなのかなーって思っていましたが、けっこうリアリティにこだわった作りを目指しているようです。あ、作画の面じゃなくてね。

心情を絵で表現しようとしている感じというか。
たとえば、バイト帰りに夜の街灯に照らされた自転車の車輪の影とか、帰宅した主人公が自分の靴を下足箱にしまうとか、セリフやモノローグで語らず、表情や行動で表現しようという意図は感じます。

その最たるものが、義妹が風呂上がりにパジャマ姿で照明を点けたり消したりするシーン。人の家に来て、どの照明のスイッチを押せば消えるかわからない戸惑いというものを、まだ新生活に慣れておらず手探りなヒロインの心境と重ね合わせているのだろうと想いました。

比較するのもどうかとは思いますが、「言の葉の庭」のころの新海誠的なことをやりたいのかなって感じました。

さてさて、次回以降、ベタなラノベのようになるのか、余韻を愉しませてくれる作品となるのか。楽しみにしてみたいと思います。

=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
学校生活のシーンが始まることで、どうなるかと若干不安視していましたが、なんていうか、う~ん…

まず、全体的に雰囲気が重いというか、暗いですよね。
僕自身が学生生活というものから遠ざかって時間が経過しているせいか、今の高校生たちの関係性というものを肌感で理解できるわけではないので…

ただ、高校生ともなると、イージーに異端者をいじめるという図式ではなく、ヒロインのように遠巻きに扱って、噂ばかりが広がるということはありそうなことだなって。

それを加味しても、もう少し説明があってもいいんじゃないの? とは想いました。ヒロインは、あれは衝動的に車に轢かれてもいいやってなったの? で、どうやって助けたの? あの状況から。

さすがに「察しろ」が過ぎるとは思いました。まあ、悪くはないけど。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
神回になりきれなかった良回といった感じでしょうか。
すごくもったいなかったなぁ。

ここ1点に絞って話すと、まあラスト近辺のシーン。浅村に身体を許そうと部屋に入ってきた綾瀬。「俺が一番キライなタイプの人間だよ」という浅村。まあ、なんやかんやあって「俺たちはうまくやっていけるんじゃないかな、兄と妹としてさ」と自室へ送り出す浅村。去り際に綾瀬が「これからもよろしく、浅村くん」。

ここで終わっとけよ!!!
なんで、この言葉の意味をモノローグで解説しちゃうんだよ!
そこで終わっとけば神回で良かったと思うのに。

これは、綾瀬が浅村と兄妹関係になることを拒否した重要なシーンだと思うんです。それをね、説明することで一気にチープになるんです。

もったいないなぁ。
でも、今回はストーリーラインも演出も素晴らしかった。まあ、作画が微妙なのはディーンだからしょうがないけれども…

良回だったと思いますよ。
{/netabare}
=====第5話視聴後、追記です。
{netabare}
大枠の話としては、まだ現代文の小テスト対策の話やってんのかよというスロー展開は置いておいて…

今回はちょっと酷かったですね。
バイト先の先輩と映画のレイトショーを観に行くのはいいんですが、その映画の映像を何分やってんのよっていう。劇中劇を長々とやるのは、それなりに意味があるときに限ると思います。でも、考えてみたら、別に中の話にリンクしているわけでもないのに、そんなに長々やられても。

しかも、はい映画を観終わりました。帰り道にちょっとしたラブ展開になりそうな雰囲気がありました。からの、また映画の同じシーンからの映画内キャラ同士がバイオリンとアコギでセッションを長々…

なんでしょうね。このあからさまな尺稼ぎ。
原作のここまでを5話でやります。薄っ! どう尺を持たせますかね。じゃあ、映画シーンを長めに入れとく? あとは、ちょっとしたシーンでの会話のテンポを少しゆったりしとこう。そうだな、ここ。「やあ後輩くん」「…………先輩。……補充…ですか?」「そう。手伝ってくれる?」「……………………はい…」このぐらいのテンポで。

そのほかにも、これまで気にならなかった背景だけのシーンの多用も鼻につく。新海風の坂道の抜けのいい風景とか。あ、ここの背景作画だけ妙によかったですね。ただまあ、そのあとにリビングで2人が飯食ってる作画が本当に酷いもんだったのでチャラです。

背景だけで持たせるのって、それこそ新海作品とか京アニレベルじゃないと無理ですね。ディーンの作画ではね…

さんざん腐しましたが、まだ面白い部類ではあるので今後の巻き返しに期待はします。
{/netabare}
=====第11話視聴後、追記です。
{netabare}
ハナっからディーンの作画には何の期待もしていないのですが、それにしても酷かったですねぇ。特に自習室での浅村とメガネちゃんのシーン。いや、どう考えてもメガネちゃんの頭デカすぎでしょ、奥にいる構図なのに。

まあ、こういうデッサンが狂っているシーンは散見されていたわけですが、会話のテンポというか、間もおかしいですよねぇ。

シナリオもたいがいですけどね。
三者面談で先生から、お茶女?みたいな国立女子大を勧められ、週末にはオープンキャンパスがありますよと。で、行ってみようかなってことで、大学に行くと受付に本屋のバイトの先輩がいますよと。んで、そのゼミの教授が、ゼミ生の交友関係を把握しているのも変だけど、そのゼミ生の後輩の子を連れて研究室に行きますよと。しかも、そのゼミ生を抜きにして。

で、一介のゼミ生のバイト先の後輩の恋愛事情を把握している大学教授。

不自然極まりないでしょ?
何をどうしたら、こんなおかしな物語を描けるのか。
全編を通じて、なんだか演劇の舞台のように相手のセリフを待って発言する不自然な間も含めて、戯曲のようなセリフの言い回しも含め、なんか全体的に不自然なんですよねぇ。

序盤こそ、何やら高尚なことをやってる感じをしてましたが、なんのことはない。ただ単に尺を稼ぐとか、作画の省力化をしているとか、そんな感じがしています。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
本作は、サブタイトルをずっと「●● と ▲▲」みたいな感じにしていました。たとえば「兄 と 妹」みたいに。で、最終話の予告から実際の最終話始まりまで「  と  」と、サブタイトルを空白にしていたんですね。

で、これを「観た人それぞれが、自分の解釈で埋めてください」というメッセージなのかなと思ったんです。そしたら、最後の最後でバッチリと
{netabare}
「tomorrow and tomorrow」
{/netabare}
だって。

こういうとこなんですよねぇ。本作の詰めの甘さは。
余韻にしておけばいいのに、Cパートで全部モノローグで喋らせちゃったり。結論を見せたがる気持ちはわかるんですが、こういう作品の場合、それをやると興ざめなんですよ。

恋のライバル出現も遅いねぇ。
これが嫉妬という感情? を芽生えさせることで話が動くのは分かりきっているはずなのに、いつまでも現代文の追試の勉強やってたり、話に動きがなさすぎたんですよね。

なんでもかんでも、こちらが思うようにはならなくていいとは思いますが、それにしたって、なんていうか痒いところに手が届かないもどかしさのある作品でした。まさに「隔靴掻痒」という表現が的確でした。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/20
閲覧 : 400
サンキュー:

10

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

独特な雰囲気のアニメで評価しづらい…。

 最終回(12話)まで観ました。2024.09.20

 複雑な家庭で血縁関係のない兄妹の恋愛話を淡々と描写する、何とも言えない雰囲気のアニメでした。

 こんな、若年寄りと言うか、若年増みたいな高校生いるか?肉体的にも精神的にも一番元気な時期で、溢れ出す熱いパトスを抑えきれないパワフリャな青年期ですよ?

 抑揚を抑えた心理描写なのか、単なる薄い尺稼ぎと省エネ低カロリー作画の産物なのか、判断が難しいですが、印象には残るアニメではありました。

 面白かったかと言うと、これまたなんとも言えないという…。普通の人間は、劇中の様に常に腹の探り合いみたいな会話を続けるのは疲れるからしないだろうなぁとは思います。

投稿 : 2024/09/20
閲覧 : 76
サンキュー:

5

ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 2.0 作画 : 2.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

キャラ全員が同じ人みたいな印象。終わってみれば演出が不快です。

 最後まで見られたのでその点は評価してもいいかなと思います。で、評価ですが本作で気になったのは2点。演出に内容(心理)が伴っていない気がしたのと、1人の独白をずっと聞いているような印象です。特に演出については作品を正確に読み取らせようという姿勢ではなく、ミステリアスなイメージ作りでしかなく正直これはどうよ?と思います。

 あのサイコロの目というか点字みたいなサインが何だったのかも私は読みとれていませんでした。沙季は音楽を聴いている=心を閉ざしている、現国が分からない=人の心が読めないという自閉症的な感じはしたものの、それがストーリーとリンクしているだろうか、突然悠太と同じアルバイトに面接に行ったり髪を切る衝動と結びつくだろうか、完璧主義と行動は言行不一致ではないだろうかなどと考えてしまいました。
 また、ジェンダー云々の発言も彼女の何を意図していれたセリフなのかはわかりますが、彼女を形作っている情報とか知識とはそぐわない気もしました。まして母親の水商売を旧父に対して論理的に擁護する立場ですからね。

 で、最後にギブアンドテイクかあ…人に聞くのが正しい勉強法でもないし、この辺はまだ沙季が幼く何もわかっていないと言いたいのか、物語としての主張なのかもよくわかりませんでした。

 最後の悠太の語りで結末はまとまった気もしますが、悠太と沙季がなぜ惹かれあったのかがやっぱり読み取れませんでした。同じ時間同じ空間を過ごしたからというには短すぎる気もするし、同類の親近感なのか、ルッキズムなのか、相手の弱さが愛おしいのか、家族という障壁が燃え上がらせたのか。その辺がよくわからない…というか、沙季も悠太も口で説明しかしてない気がしました。言葉と内面の不一致があってこそのラブストーリーだと思うのですが。そこがこの後、破局する物語ならわかるんですけど現状では保留という感じですね。

 一番気になったのが、この作品ってキャラの価値観の相対化ができていない気がします。やっぱり1人の人間が考えた道徳や恋愛観、社会、家族、男女などの一つの視点で見た世界観の中で、男女を配置して原作者の代弁あるいはコマとしてキャラが説明しているだけに見えました。大人の意見が大人に聞こえない、変わった人間設定の人間が変わっていない。准教授のところが顕著でしたが、やっぱり全部1人の口から出たセリフをキャラだけ変えて説明されているような印象が、特に後半では感じました。

 恋愛ものとしては「隣の〇〇」的なものの一種かな、という印象です。これは「都合の良く美少女と突然同居したら?」という作品です。原作をある程度読んだのでその印象は間違っていないと思います。演出の妙で心理劇のような印象を作ったのは、制作陣の上手さでしょうね。この作品をよくここまでもったいぶって作ったと思います。ただ、それは視聴者を裏切ったことにもなる気がします。

 テーマとして家族とは何か?も全く描けておらず、障害と義務としてしか機能していませんでした。そして障害としても低すぎるでしょう。それは父母を全く描けていないからだと思います。演出で重い感じを出していますが、雰囲気だけの演出はストーリーの邪魔にしかなりませんので、その点は一番頭にきています。

 なお、最終回の作画って結構崩れてました?別の作品かなと思うようなところがありましたが。

 点数はストーリーとキャラは2.0。演出はだましに近い気がするので作画に入れて1.5…ですが前半の作画は良かったので2.5にします。無音を使ったのはよかったので音楽は3.5にします。





11話までと原作4巻まで読んでのレビュー

 この原作の評価は、1人が考えた想像上の会話を聞かされている…という感じでした。「ゆっくり動画」の魔理沙と霊夢と言えばいいんでしょうか。情報や主義主張を語るだけでなく、一応プレゼンテーションとして会話劇にするという感じです。スマホでアフェリエイト狙いの冗長なブログとかとも共通しています。

 つまり、キャラが活き活きしていない気がします…というと情緒的すぎますかね。キャラが「ゆっくり」と同じように作者1人の言いたいことを代弁している様子が透けて見えるといえばいいんでしょうか。
 その印象の証拠として准教授が分かりやすかったですね。准教授と女子高生の会話への流れ、出会いすべて不自然です。なにか説明の場面を無理無理つくるために、ぽっと登場させたキャラであることが見え見えというべきでしょうか。
 で、准教授との会話が特に顕著なんですけど、知識人である大人と高校生の会話に見えないんですよね。「ちょっと勉強したんですけど聞いてもらえますか?」という説明を会話風にされている気分です。驚きも感動もない一般人の主義主張です。
 それを単に問答形式に2つの人間に分けただけで、会話にキャラ造形が透けてきません。言葉にバックグラウンドが感じられません。つまり作品のキャラがキャラ化できていないといえばいいんでしょうか。

 で、アニメなんですけど、恐らく監督か演出かわかりませんが、そこはちゃんと見抜いたんでしょう。軽くなりすぎる。キャラが活きない。だから、悠太の方の1人称を3人称の視点にして、意味深長な演出で心情がある風な演出にしたんだと思います。そうすると「深いかも?」という錯覚になるんだと思います。私もそうでした。

 義理の妹、兄を好きになる。それだけならアダルトコミックと変わりません。どんなテーマが入れられるか?ですが、うーん…ちょっと父母の言動といい、准教授といい「私の考えた主義主張」的な浅さがあるかなあ…やっぱり家族を解体させて、改めて付き合うとか何かが無いとなあという気がしました。原作評に近くなってしまいましたが、こんな感じでしょうか。

 一応もう1話でしょうから、12話を見て修正点があれば追記します。









1話 見てると息苦しくなりますが、それが2人の気分なんでしょう。

{netabare}  見てるだけで息苦しくなりますね。それが2人の気分を表していて、つまり演出意図だと思いますので、その点ではうまく描けていると思います。ちょっと主人公・ヒロインの言動が理に走りすぎかも、と思わなくはないです。今のところまだまだ原作者がキャラに乗り切れてないかな、という部分でしょう。

 ヒロインの目の中が賑やかすぎるのがちょっと違和感を感じますし、キャラデザは可愛いし作画もいいですが、正直「最近のラブコメヒロイン」のバリエーションでしかありません。その点で言っても記号的です。
 ここから感情が表現されて、作者の描きたいことが見えてきて、キャラの裏がみえてくるかどうかですね。そう…思いっきりドロドロして欲しいです。

 この時間競合する作品がないので、ちょっと見てみようかなと思います。作品がどう展開するか気になるので、3話までは確認して継続するかどうかでしょう。{/netabare}


2話 え、これは考察しろって言ってる?最後の方のあのシーンは何?

{netabare} あれ、何か超能力的なものがあるの?最後の方は何?雨が降るのが分かるというのと何か意味がかかっている?という感じでの最後でしたね。

 正直言えば全部セリフで説明してくれるので、せっかくいい雰囲気なのにちょっともったいないかなと思います。2人の距離がいきなり近すぎるのも若干不自然です。

 まあ、売りがどうのこうのというのは作品を重くする常套手段なので、うまく描かないとチープになるなあ、とは思います。見た目の問題も完璧に綺麗にするというのは、女性心理としては創作の中では意外性はありません。独立志向、家庭が嫌で独り立ちを急ぐ少女に普通にありそうです。

 が、何か仕掛けがあるならそこは作品の本質じゃないのでしょうか。あの壊れたイヤホンについて何か考察しろ?ということでOK?まあ、気になりますね。これは見ちゃう奴かな?{/netabare}


3話 面白いし雰囲気いいですが、全部セリフで説明しちゃった?それはどうなの?

{netabare} 2話の最後のトラックのシーンの意味がつかみかねていますが、タイムリープ的なものでなく、心ここにあらずだったのか、周囲が見えていないというアナロジーなのか。完璧であろうとしても実は隙があるとも読み取れます。

 通常、日付が丁寧に表示される作品は、推理ものかタイムリープものが多いので、その線で見てみましたが、3話の後半だと追想のためのタイムスタンプでしかないということみたいですね?

 会話のとき音声にエコーがかかったときは、ちょっとSF的なものを妄想しましたが、道路橋の下のシーンということだけでしょうか。印象的にはなりました。
 
 そして、その後半の追想の内容なんですけど、私は全く反対にとらえていたので意外でした。息苦しい家族生活とわかりすぎるほど自分のことがわかる義理の兄。拒絶のためのいい子だと思ってしまいました。それがジェンダー論と完璧な行動と容姿を保つ沙季のハリネズミのトゲ(つまりATイールド)だと思っていましたので。

 ですが、逆でした。想像よりも浅い方に行ったかなと思わなくはないです。ただ、ジェンダー論とかミソジニーとかその辺をどう使ってくるかです。ステレオタイプ的な見方で申し訳ないんですけど、この性格造形って、元父となんかあった?と思わなくはないです。そこまで鎧をまとうための完璧主義になるって…何かあったんじゃない?ということです。

 一方で、ジェンダーで男女の決めつけを嫌がるのに、母親の水商売を職業として受け入れるし、容姿を「女として」完璧にするところに矛盾は感じますけど。

 結構面白いし、雰囲気も独特のものを作っているし、方向性が分かるようでわからないのもなかなか良いですが、ヒロインの内面をあの形で見せるのはあまりよくないなあ…いわゆる「創作物」で一番大事なのはそこ…内面や感情の動きを説明しないで感じ取らせることではないかな、と。

 もうちょっとストーリーと演出で見せてほしいかも…ただ、ちょっとズルイですけど、沙季の叙述トリックかも…ちょっといくらなんでも説明しすぎですよね?もう1段奥に何かあることを期待して視聴継続ですね。

 そうそう、悠太の性格の裏にあるものがもっとドロドロしてそうですけどね。でも、やっぱり男にはあんまり興味がないかな。実はゲイでしたとか?むしろ女でした…もあり得そうですけど小説じゃないからそれはズルイか。 {/netabare}


4話 気になるのは音とイヤホン。なぜ、沙季のシーンだとBGMが消える?

{netabare} ヒロインのアウトラインが見えてこないです。思ったことを言うという性格でしたっけ?他人の気持ちが分からないということでアスペルガーなんでしょうか。イヤホンは音に過敏なのでしょうか?だから、トラックに気が付かないほどイヤホンから音楽を鳴らしていた?

 にしては悠太に対する距離の詰め方が急だなあというのと、新生活への適応力が高いなあということです。友人を連れてきたり、自分から裸で押し倒しかけるようなのってキャラがぶれている気がします。

 2重人格…ということではないと思いますが、結構不自然な感覚が強いです。沙季のシーンだとBGMが消えるので聴覚障害なのかな?とも思いましたが、横を向いて会話しているシーンがあるのでちょっと違います。先輩からもらった曲は多分意味が違うのでしょう。ここを見ると共感覚とかサヴァン症候群とかの可能性も考えてしまいますが、まあ、答えはわかりませんがやっぱり気になるのは音とイヤホンですよね。

 それと悠太が高額バイトを探しているという状況がイマイチ納得がいきません。自分でも探さないのはなぜでしたっけ?1か月も放置していたの?

 なお、現国のテストの点の取り方は気持ちが分かるかどうかじゃあありません。気持ちが分からないという状況に対して、あくまで読解力だしテスト上の技術だという指導が必要な気がします。沙季は人の気持ちがわからない、とエピソードで説明したいのはわかりますけどね。

 演出で気になったのが、冒頭に近い部分でソファに座っていた沙季が立ち上が手ふらふらと悠太に近づいてゼロ距離で「現代文を教えて」という行動がちょっと性格造形的にも良くわかりません。そういう娘でしたっけ?また、完璧主義なのに事前に対策をとっていない理由もわかりませんでした。

 一見、深い内面を描いているように見えますが、どうも全体…というよりヒロイン沙季の性格造形がチグハグしている気がします。やっぱりここが2重人格とか、何か別のものがあると「おお」となるのですが。

 文句ばっかりいってますが、沙季をどう描きたいのか?という点に興味があります。OPなどを見ると「子供のころ」というのも何かのキーになってそうですし。一体どんな物語にしたいのかが気になりますし、ちょっと楽しみです。{/netabare}


5話 なんか変なフラグが立ちました?あまり方向性が見えませんねえ…

{netabare} 先輩の告白については、偶然映画と自分の置かれた状況が一致したととる取り方と、どこかに連れて行ってほしいというおねだりの両方が考えられます。演出から判断すると不穏な方な気もしますが、この作品は辛気臭い演出が多いのでわかりません。そこは保留しますがいずれにせよなんらかのフラグが立ちましたね。

 それから悠太って、父親と同じように女性恐怖症だった…というか父親は克服したから結婚したんでしょうけど。わざわざ3話のあのシーンを入れたってことは彼は女性嫌悪か少なくとも女性が苦手という意味でとっていました。

 それなのに女性の先輩とレイトショー=デートに行くんだ…というのが意外でした。矛盾にも見えますが、どう理解すればいいのでしょうか?

 話の方向性が見えないですね。どうなって行くのでしょう?

 それと追試の対策には新しい参考書もましてや本も必要ありません。学校の教科書と参考書と小テスト・配布物を見直しましょう。{/netabare}


6話 最後の点字みたいなの何?もともと沙季は正常な人に見えませんが…

{netabare} 距離を近づけるだけだとイマイチかなという気はします。やはり沙季にもう1段何かの秘密がないと話としては成立しません。

 兄悠太の心の移りとか変化が少々急で不自然なように見えるのは、沙季の描写が少々作りすぎな気がするからかな、とも思います。

 幼少のころの思い出らしきものの心象風景と音・イヤホンの使い方から何か読み解けないかとは思ったりしますが、別にこのまま見てればいいかなとも思います。
 と、思ったら、最後の瞬間の点字のようなのは何?一応点字表をみると「め」が六個の点で「っ」が左中央に1個の点(付け焼刃で調べました)なので、「めっ」に読めますが本当でしょうか?

 目が見えない、耳が聞こえない…どちらも描写から判断するとちょっと不自然なんですけど、沙季がどうも視聴覚あるいは心理的に何かの異常がないとちょっと不自然な描写なんですよね。その辺どうなんでしょう。

 もうここまできたら、このままダラダライメージだけで終わらせても作品になるような気がしますけどね。文学的に作りすぎましたね。文学ということは、正直この作品は恋愛が成就するとお話にならないと思います。義理の兄妹故に悲恋で終わらないと正直今までの積み上げが無駄になると思います。折り返しにきましたので今後ですね。{/netabare}


7話 一番いやな予感がする話の展開になってきました。だとしたら馬鹿にされた気分。

{netabare} 前半の沙季のモノローグは全カットでいいです。本屋のバイトの面接のシーンその他でそんなのは読み取れます。それと最後の一言も。

 正直、義妹と結ばれるだけの話なら、もういいかなと思ってきました。なぜ、高額バイトを欲したのか?人の心がなぜ読み取れないのか?意味深な演出や記号はなんなのか。そういうのが、単なる「雰囲気づくり」の可能性がでてきました。

 だとしたら、こんなに馬鹿にした話はありません。思わせぶりな心象風景やらエピソードやら入れておいて、意味がないというのはあってはいけません。それは視聴者に対する裏切りです。
 さらに、全部説明してしかも「嫉妬」まで単語にするってなんなんでしょう?本屋の先輩の話はどうするの?

 うーん、あと1話チェックします。もし、義妹と結ばれてチャンチャンならこんなバカにした話はありません。最後「妹」をとるならドラマですけど。{/netabare}


8話 悠太の気持ちが見えないのが結論に活かされるかですけど…なんかなあ…

{netabare} うーん…1話の「相手に期待しない」を今更持ち出しますか。なんていうんでしょう雰囲気は作っているんですけど…
 すでに沙季は2回にわたり心情を日記で吐露する場面があったので、視聴者視点としては、悠太の戸惑いというか四苦八苦に乗れないんですけど、その辺物語としてどうなんでしょう?

 沙季が頑張りすぎている…ように見えないのもちょっと何が描きたいのかわかりづらいポイントです。視聴者からは悠太が頑張りすぎているようにしか見えないと思うのですが。

 沙季がヤキモチを隠すために反発しているだけなら、こんなダラダラ場面を見せることはないです。ビーフシチュー=悠太ってことを言いたいために1話かけたということ?
 演出や言動で内面を推し量る描きかたを沙季についてはしていないので8話は本当に茶番に見えてしまいます。
 一方で、言葉ではなく、過去の沙季から今の沙季につながる心情の変化が読み取れないんですよね。

 考えられるのは、悠太が沙季をどう見ているかだけは視聴者に隠しているポイントです。沙季の気持ちに反して悠太にとってはやっぱり家族だ、という物語なら今描いているのが目くらましとして機能するのでわからなくはないですけど。

 どうする気なんでしょう?本屋の先輩はどうするの?栞を拾ってくれた女の子は何?物語ならそういうところを放置してはいけません。それが悠太を描くのに役立たなければ物語になりません。

 結末をどう描くかは気になりますが、最後がっかりさせないでほしい。沙季の気持ちに反して悲恋なら成立すると思います。お願いですから安っぽいハッピーエンドだけは勘弁してください。

 そうそう、白河三兎氏の『私を知らないで』が……以下この小説のネタバレなのでを気を付けを。結構ストーリーの根幹です…{netabare}義理の姉弟になる悲恋です。恋愛感情がなかった幼さで、不幸だった女の子を救うために義理の姉弟になる話です。あとから恋愛感情に気が付きますがその女の子は主人公の友人と結婚します。 {/netabare}この結末が素晴らしかったのでどうしても比較してしまいます。{/netabare}


9話 居心地の悪い家族ゲームと恋愛に似た醜悪な何かを見せられている気分。

{netabare} 沙季が悠太に恋愛感情を抱いているという風に見えますが、私には理解できません。作品を通じてその描写をしている感じがまったくありません。あるとすれば、日記ポエムです。もちろん説明的な表現はありますけどね。それは心情の変化の描写ではありません。昔の家族から今の家族に移って、沙季は何が変化したのか?何故変化したのかさっぱりわかりません。

 それが悠太の行動とかやさしさだとしたら、笑ってしまいます。悠太は家族を演じているにすぎないように表現しているからです。偽物の悠太に惚れた気持ちが本物であっては恋愛物語にはなりません。

 まあ、何となく途中から演出と雰囲気は凝っている風ですけどありきたりな話になるのかな、と思っていたらやっぱりそうなんでしょうか。だとすれば昭和の少女漫画でしかありません。演出や場面が、心情の変化とリンクしていないならそれは不要な尺のばしでしかありません。高額バイトはなんだったの?

 居心地の悪い家族ゲームも何のために描いたのか。人間関係が崩壊する場面を描かなくていいのか。義理の母親に裏の顔はないのか。このままではキャラが全員、記号どころかコマに見えます。

 悠太からみた義理の母の気持ち悪さが感じられるので形だけの家族ゲームの総括をするか、父親のせいで男を信じられない沙季の恋愛感情が偽物であるとか、そういうものを期待しているのですが、どうもそういう感じじゃない感じです。

 正直このままくっつくなら「俺ガイル」で陽乃が言っていた醜悪な何かでしかない気がします。徹底的な破壊がどこかにないと、偽物の恋愛感情になるというところまで行きつかなければ、男女の性欲を否定した冒頭の話が単に純愛風味にするための言い訳になってしまいます。だったら、あそこで1回やってしまった方がまだ自然なストーリーでした。

 性的なものも描かない、家族ゲームも総括しない、悠太の裏も見せない、沙季の依存というか幼さ故の完璧主義の果ての身近ですませる恋愛で終わるのでしょうか?

 うーん、なんというか…だらだらずっと日記ポエムで恋愛感情を描写しているつもりなら、もういいかなという気がしてきました。9話ですから微妙ですけど、あと3、4話ですよね?うーん…思っていた100分の1くらい浅いなあ…

 まあ、すこし1話から振り返ってみて私の考え違いがないかチェックすべきかもしれませんが…あのかったるい演出に似たものが単なる雰囲気づくりなら時間の無駄ですからね。何とも… {/netabare}



9話まで中断時レビュー
「意味深長っぽい演出に騙された気分です。「義妹がいることとは?」の心情描写が薄すぎ」

原作1巻を読みました。本作を見ていて感じた違和感、主人公の視点はどう考えればいいのかがわからない理由がわかりました。1人称の小説を(神の視点ではなく悠太カメラの)3人称にしたんですね。そこが謎めいた演出につながって独特の雰囲気になったと。

 原作を読んだ印象は、キャラに実在感がなく、理屈をずっとしゃべっているだけに見えました。1巻が短くて夜這い的なところまででした。その先も入手してしまっているので読むかもしれませんが、今のところどうしようかなという感じです。

「お互い期待しない」のに「高額バイトを探して」と沙季が依頼する部分が代表ですが、いきなりお互いが干渉しあうんですよね。「期待しない」と「金で済ませる」をつなげれば、ドライな関係でいようということかもしれませんけど。

 ただ、完璧主義な人間がこういう言動をするのかなという違和感がやっぱり特に沙季側にあります。身体を売るなら売るで割り切って一人でさっさとやるでしょう。母がバーテンダーとはいえ夜職に理解があるなら「期待しない」義理兄に相談はしないし、まして身内に身体を売るなどという発想にはならないでしょう。
 ジェンダー論を勉強してそこにも完璧であろうとするなら、家父長制に反対すると思います。そして、母の再婚に抵抗しないところでジェンダー・フェミニズムの勉強も中途半端なんだと思います。英語の勉強=自立の準備という思考が安易です。悠太の身売り反対の理屈なんて正直言えばガキのたわごとで、童貞の妄想でしかないです。

 結果、自立というのが甘えにしか見えないです。単純に考えればあとわずかで18歳です。そこから独立するのに高額バイトで準備とか必要ないです。その沙季の甘えが描きたい部分かもしれませんが、それは読み手の妄想で表現されている部分からは読み取れません。沙季がどうやって変化していくのかが日記だけです。3人称にするならそこを丁寧に描いてほしいし、原作の弱いところなので補強しても良かったと思います。

 そして、じゃあ、本作が悠太のことが描けているかといえば、やっぱり聖人というか「僕の考えた理想のすごいキャラを形にしました」的な存在な気がします。この点は原作の方が義妹がいる戸惑いは描けていると思います。そう、義妹がいる戸惑い…どうやってふるまうかの思考ですね。これは1人称ならではです。
 これがあるので原作はまあまあ読めます。会話は説明くさいですけどね。本作は「義妹生活」のテーマであるだろう肝心な「義妹がいることとは?」がぽかっと欠落している気がします。ですので、原作勢は楽しめてもアニメ勢だと何が描きたいのかわからなくなっています。

 また、両親も本作よりかなりライトなノリでこの2人については家族問題の視点はほぼないといっていいでしょう。あとででるかもしれませんけど。

 いずれにせよ、本作に興味をもった演出のやり方ですけどそこに意味性はなく、意味深長に描いていますが単なる雰囲気だと判断しました。沙季の心情を丁寧にすくって音楽や場面が考えられているかと言えば、私はそうなっていないと思います。

 後付けで原作を読んだので余計頭にくるんだと思います。逆なら評価は変わるかもしれませんけど。
 たぶん買ってしまった原作を読んでしまいますのでレビューはこれくらいにして、結末後に追記するかもしれませんが、9話までですと正直期待外れもいいところでした。全部説明してしまっているラノベ故に、文学っぽい演出で心情を表現したいという意図はわからなくはないですが、演出意図に込められているものがほとんど読み取れません。その薄さ故に終わったときに1クールのアニメ作品として成立するかは微妙な気がします。結末は確認します。

 ただ、これは私の印象ですが、悪くとれば原作の1巻1巻の短さをカバーするために演出で引き延ばしたようにも見えました。

投稿 : 2024/09/19
閲覧 : 840
サンキュー:

12

ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

義兄生活

父が再婚で同年代の妹が出来るって話なんですが、こちらの作品は少し走り出しは良かったけど……途中からは微妙になりましたね。

なんだろ?義兄妹になり2人が恋に落ちる……
これは王道ですよね。

だからこそ、最後まで悠太と沙季の関係は兄と妹の関係であり続けて欲しかった。
私が見たかったのは義の兄と妹の恋ではなく、義の兄と妹の絆が深まるエピソードで、2人は兄妹に出会いお互いに兄として妹としてお互いを支え合っていくみたいな話かと思いました。

前半はそうなんですが、割と早い段階で恋の葛藤が始まります。

そうした話も数話あるくらいからいいんですよ?
ただ、私が見たかったのは家族の物語でコレじゃない感……

タイトル的にも、第1話の悠太と沙季の雰囲気や空気からそうした感動系が見えるのかと期待していましたが……残念でした。
兄と妹の恋なら見慣れてるしよくある話じゃん……

まぁ、これは私が勝手に期待していたので恋愛が絡み始めるくらいからは正直微妙かな?って感じでした。

私はレビューを、書く作品は基本的に2回以上を視聴して書いています。
これは、私が1周目で抱いた感想を2週目でも抱けるか自分なりの解釈の見落としがないか、2週目で見えるものの確認の3点を確認する為でです。

ただ、今回は2週目を義の兄と妹の恋として見ようと視聴しましたので、その辺を少々文字にしたいと思います。

1話当たりは、2人……主に悠太のよそよそしさや、沙季の冷めた様なクール?な対応はよく出てました。
お互いに知らない人同士だけど少しづつ知っていくのは良かったかな?と思います。

この2人って考え方や意見が似ているんだね。
最初の頃によく2人が意見を交わす部分があったりするけど、この2人の会話はいいね。

お互いに共感出来る分もあってお互いの言葉をしっかり受け止めてる感じがしました。
面倒だから反論しないとかじゃなくて、共感できるから、話を聞いたら事情が解るから相手の言葉を受け止め自分の言葉を返す感じが伝わってきましたね。
2人の会話の雰囲気や空気感はいいですね。

後は、沙季の気持ちを沙季が説明するのはわかりやすいです。
あの時は、どう思って、どう感じたのかがわかりやすく解説されてますね。


沙季が悠太は洗濯が出来ないと思っていたのもしっかり謝れるのが凄くいい子ですね。
ただ、めちゃくちゃ考えすぎるのか、悠太が、女性物の下着を着用している可能性もあったとか、そこまで中々考えないよww
確かに偏見や決めつけも良くないけどさ、ここまでの想定は中々ww


で、沙季は自立したくて、割のいいバイトを探しています「1時間で1万くらい稼げるバイト」が理想ですが、中々見つからずに彼女は事故に見せかけて慰謝料を貰おうとしたり、自分の身体を売ろうとしたりする辺りは、沙希は優しい子で他人を思いやれる人なのに、その結果、どれだけの人を悲しませては自分が傷つき傷つくのかを考えないのかと違和感を持ちましたね。


沙季を世間知らずにしたいのか、相手の気持ちを考えたり人に気遣い出来る子にしたいのかが解らないヒロイン設定かな?と思います。
後に、彼女は現代文で人の心が解らないと言い始めますが、多分、世間的には考える常識力は持っているけど、コミュニケーションや気持ちを考えるのが苦手なのかな?とも考えたり少し複雑設定のヒロインかな?

さて、彼女は悠太が沙季を理解し過ぎると考えています。
だから、身体を売っても稼ぎたい気持ちを悠太なら理解してくれると、悠太に自分の身体が売れるかの確認の夜這いに来るのですが、全否定の悠太。

コレはそうだよね。
理解者であれば理解者である程、それは辞めさせるよね。
確かに稼げるかもしれないし、高校生で1万は大金だし何十万も稼げると想えば魅力に映るかもしれないけどさ、それは危険な行為であり許されない行為でありますからね。

それから普通のバイトをしようと思ってくれたみたいで悠太の気持ちが伝わった様で安心しましたね。
で、悠太と同じ本屋で働く事になります。
この辺りから、沙季は自分の気持ちに気づいていきます。


「プールに行く」話はね。
沙季が本心を隠してプールに行かない、行けないと訴えていて、プールに行こうと、しつこくする悠太もプールに連れて行きたい理由があって、悠太からしたら息抜きをして欲しくて、沙季も本当は行きたくて、行けない理由を作って無理をしていた事に気づいて、こう言う説得って時間掛かるけど、それくらいに悠太のしつこさがリアルで説得してる感じはしました。

説得って中々直ぐに出来るものじゃないし沙季の心が解れるにも時間掛かるよなぁ〜と感じましたね。
悠太はプール辺りから沙季への自分の気持ちに気づきます

沙季のお母さんが昔お仕事を休んでまで「海に行こう」って誘ってくれて、自分の家が経済的余裕が無いことを知った沙季は「テストが近いから」と断るけど、コレも沙季の気持ちを考えた時に、解るってなります。

沙季の家系は大変で父が最低でした。
だから片親でお母さんが育てくれて、その大変さを彼女は知っているし経済的余裕がないのも知っているから「行きたい」とは言い出せない。
母が無理をしてくれいるのが解るし、無理をさせたくないから、優しい理由だと私は思いました。

けど、お母さんは寂しい顔をしたそうです。
で、自称大人になった私がこのエピソードを見ると、こう感じました。

経済的余裕がなくても、休みを取ってまで海に行こうと言ってくれるお母さん。
私は、お言葉に甘えちゃってもいいんじゃないかな?とも思いました。
経済的余裕は無いかもしれないし、無理させちゃうかもしれませんが、お母さんも考えてくれて、「大丈夫」だと思ったから休みまで取ってくれた訳です。

海に行けば破産するとかなら行かないだろうし、一日でも休みを取れば経済的に不安があるなら休まないとも思うんです。
それは自分と娘の生活があるからです。

けど、お母さんは「海」を提案してくれた。
テストも近いし暑いのが苦手な娘に海で涼んで気晴らしをして欲しかったからです。
それを考えた時に、お母さんがそれでも海に連れて行ってあげたかった理由や時間を作ってくれたら事を考えたら「うん、行こう」て沙季に言って欲しかったんじゃないかな?って思いましたね。

せっかく家族の時間を作ろうとしてくれた訳ですからね。
「気遣い」だけが、相手を思う事じゃないんだなぁ〜と学んだ気がしました。


そんな中、プールの後に沙季は悠太を「兄さん」と呼びます。
それに悠太は「嬉しいよ」と返します。
悠太は沙季の気持ちに気づけず、兄として信頼されていると考え、沙季も自分の気持ちを封印する為に自分の気持ちを誤魔化す為に「兄さん」と呼びます。

兄と接しようとする沙季ですが……

で、三者面談の話は、忙しい悠太の父の代わりに沙季の母が2人の三者面談に行くと話のですが、いいお母さんですよね。
2人が学校で兄と妹になった事を打ち明けてないから、周りにバレないとを考えて別日にしようと提案してくれます。
子供達の事を考えてくれていて、お母さんの子供の気持ちを優先してくれる優しさが凄く素敵ですね。

で、お母さんは夜にBARで働いているから夜勤で昼に来るのも大変だからって、悠太と沙季が話し合ってお母さんの負担を無くすために、周りに兄妹である事がバレてもいいから一緒にしようって同じ日にする優太と沙季も素敵ですね。


で、お母さんは「悠太君に母親として認められてない気がして」と気に病んでます。
確かに、沙季は「お父さん」と読んでいるのに悠太は「お母さん」って呼ばないんですよね。

うーん、私は思春期ってちょっと家庭の事情で荒れていたから、私が悠太の立場だと私もお母さんって呼べなかった気もするんですよね。

でも、悠太の環境で考えると「お母さん」とは私は呼ぶかな?呼ぶけど、お母さんとして接するのは難しい気もする……やっぱり遠慮しちゃう部分は多々あるかな、どれだけ甘えたらいいのか迷惑にならないかとか考えちゃうよね。

お母さんの立場に立つと、多分それが寂しいかな?
同じように考えちゃうよね。
どうしたら、お母さんって思って接して貰えるかとか考えちゃう。

ただ、三者面談で悠太「はい、本当に母には感謝しています」は凄く良かったね。
「母」って呼ばれて「感謝」って言われて、何より先生の言葉(悪意なし)からも庇ってくれたって3点が嬉しいですねww
お母さんもめちゃくちゃ喜んでくれてるじゃんww

この三者面談エピソードが1番好きです。

12話では沙季の感情の変化と成長が彼女の口から語られます。


で、悠太と沙季で言えば全体的に沙季の恋心が印象的で悠太は余り感じ取れるシーンは少ないけど、最後は悠太の恋心の印象が強い始まり方でしたね。

なんか2人の会話をしてると、沙季が昨日クラスの男子と歩いていたとか、夜遅かったとけど何をしていたの?とか恋人みたいな探り合いをしていたりとか、凄く違和感あったかな。

で、悠太が一応気持ちを伝えるんだけど、沙季は困惑しちゃって……けど、少し時間をおいで沙季は気持ちを受け取ってくれるのですが、告白が少し暗いイメージがあるかな。

私はもっと、大袈裟に大胆に「好きだ!」をアピールするのかと思ったけど……
まぁ、禁断?の兄と妹の告白だとこんな風になるのかな?
HAPPY ENDではあると思うけど少し切ない終わり方かな?

切なさを感じたい日にはいいかな?とは思いましたね。

ってか、コレ「本当の家族になるまでの物語」らしいけど……ここから「義妹生活」から「同棲生活」になってるんじゃ……万が一2期あるなら「元義妹生活」か「同棲生活〜義妹生活〜」にして貰いたい。
だって、ここから同棲生活じゃんwww

ここからの展開は実は少し想像出来ちゃう気がしますね……
なんだろ、悪くは無いけど……良くはないかな。


OPはめちゃくちゃ良い曲かな?
かなり好きな雰囲気の曲でした。

投稿 : 2024/09/19
閲覧 : 58
サンキュー:

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義妹生活のストーリー・あらすじ

高校生・浅村悠太は父・太一の再婚をきっかけに、同い年の少女・綾瀬沙季とその母・亜季子と一つ屋根の下で暮らしていくこととなる。 互いに両親の不仲と離婚を経験しているがゆえに、男女関係に慎重な価値観の二人は、義理の兄妹として適切な距離感を保とうと約束する。 「私はあなたに何も期待しないから、あなたも私に何も期待しないでほしいの」 考えを述べあい、すり合わせを重ねることで、互いを理解していく悠太と沙季。 新たな生活に居心地の良さを感じはじめた時、二人の関係はゆっくりと、しかし確実に、変化をはじめて………… これは、いつか恋に至るかもしれない物語。 “他人”が“家族”へ、そしてその先へ。 少しずつ変わりゆく日々を映す、恋愛生活物語。
(TVアニメ動画『義妹生活』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2024年夏アニメ

この頃(2024年夏アニメ)の他の作品

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