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「ルックバック(アニメ映画)」

総合得点
78.2
感想・評価
77
棚に入れた
300
ランキング
571
★★★★★ 4.2 (77)
物語
4.2
作画
4.4
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ルックバックの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

作画と声優は良かった

お話はあまりよく何を言いたかったのかがわからなかった

序盤の引きこもりの同級生が漫画でつながり
一緒に漫画家になるというところは良かった
女性版バクマン?なんて思ったけど

美大に行く云々で終わってたら良かったなぁ

どこかの検索バーで ルックバック と入れると 予測候補に 京ア。。っと出るのでまぁもろそこ発端なのかなと

漫画の力は人をつなげたり、元気にしたり、すごい魔法の力がある

そのためには誰になんと言われようとひたすら描くのみ

そしてその魔法の力を得たが、救えないものはある、空想でなら幾つでも違うストーリーにできるのに。

っということなのかな?

まぁ特にそれは考えすぎで、思いついたお話なだけかもですが。

※※※

作画や絵の見せ方は実験的でとても良かった
『音楽』とかを思い出しました。
色合いも面白かった

声優は『不適切にもほどがある』のあの不良娘ですね笑
とても自然でキャラに合ってて良かった
相方の子も良かったし
秋田弁かな?が、とてもいい響きでした。


見といて損はないけど
面白いかどうかはなんとも言えない。。という感じかな

結局最後は。。をあえて書かないから観た人の感想が膨らむのかも

それか、まだ途中だからかも。。

投稿 : 2024/11/21
閲覧 : 20
サンキュー:

0

ネタバレ

ぴこもも さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

強烈な印象。

ネットで「すごい!」と書いてあって、ロードショーを見に行こうかなと思ってて、もうひとつの作品と打ち切り時期を比べて向こうの方が早そうなので、向こうを見に行ったらこっちが先に終わりました。

Amazonプライム会費を払ってて良かったと思いました。

アニメーションって面白いな!っていう、ここでは当たり前のことを再認識出来て良い作品だと感じました。

「嬉しそうな顔」ってこんなにトロけそうな顔をしているんですね。

時間は短いし、止め絵も多いのに、めちゃくちゃ濃いです。

表現方法や物語・・色々思うことはありますが、私が書いても下手なので。とにかく強烈な印象を受けました。

「なんでしんどいのに描くんだろう?」

確かにマンガはしんどそうですね。

「なんで見返りがないのに書くんだろう?」

書かずにはいられない何かがあるからですね。初心を思い出した気がしました。

投稿 : 2024/11/14
閲覧 : 58
サンキュー:

4

ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

あなたの背中に憧れて

藤野の漫画が好きで憧れていた京本
京本の絵に刺激を受けてもっとうまくなりたいと思った藤野

でも京本の絵と比べて自分の漫画に限界を感じてしまったとき。

京本から自分の漫画が大好きだと心から言われて心躍らせながら走って帰るシーン。

藤野の負けず嫌いで一生懸命な気持ち。
京本の、絵や漫画が好きだっていう純粋な気持ち。
藤野と京本があの日出会ったことは、お互いを変えた素敵な出会いだったんですよね。

絵がもっとうまくなりたくて、勇気を出して大学に行くことを決意する京本。

あぁ、こういうお話って私弱いんです。
見てて色々と刺さってしまって、いつのまにか涙が。。


でも。
京本がああなってしまう展開は、嫌いです。
あの事件を想起させる描きかた。
作者さんが描きたいこともなんとなくわかるけど。
でも!
せめてこの物語では違っていて欲しかった。


ラスト。
「背中を見て 京本」の4コマ漫画と、ドア前にかけてあったどてらの背中に書いた「藤野歩」のサイン。
このシーンでまた涙腺が。。

そして藤野はまた漫画を描き始める。
窓に貼った京本の4コマ漫画を見て励まされながら・・

投稿 : 2024/11/10
閲覧 : 87
サンキュー:

19

ネタバレ

ももも さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

何かを受け取った気はするが、感想が出てこない

小学校。漫画が上手いキャラとして天狗になっているお調子者の藤野と、不登校で家で絵だけを描いている京本。
絵を通して互いに触発されていた二人が出会い、少し成長し、同じ道を歩み始める。

途中までのあらすじを書くとすごく単純ですが、この作品の芯はそこではなく、藤野視点でのクリエイターの苦しみと喜び、青春を全て捧げたある意味特異な、でも誰もが共感できるであろう風景の描写に他ならないと思った。

うまくいえないけど、物語と言うよりは風景に近いというか。
何を感じるかは鑑賞者に委ねられている。
作者が伝えたかった比喩もたくさん入っていた気がするけど、咀嚼してないのでこれを書いている時点では「気がする」だけで終わっている。
ストーリーは単純だけど、何かを浴びた気がすると言うか。そういう作品でした。

投稿 : 2024/11/08
閲覧 : 41
サンキュー:

3

ネタバレ

xinxin22 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観たい

『ルックバック』がまもなく公開——一冊の薄い本がもたらす最も優しい一撃

藤本タツキ、1992年生まれ。ジャンプ系の唯一無二のカオスなヒーロー。『ファイアパンチ』で一躍有名になり、ストーリーの衝撃度から読者は心臓の健康を守るために読むのをやめるほど。『チェンソーマン』は世界中の読者に笑いながら泣かされ、マキマの結末が明かされた後には生姜焼き弁当が売り切れる事態に。藤本タツキは数年という短期間で無名の若手漫画家からアングレーム国際漫画祭の特別ゲストにまで上り詰めた。
「天才」と称される彼の作品の最大の特徴、そしてこれらの漫画を創作できる理由は、結局のところたった一つのことに帰結する——自由。
表現の自由、創作の自由、魂の自由。
藤本タツキはランキングを気にせず、人気キャラも必要ならば殺し、展開は前の設定から飛び出して、他のことは一切気にせず、全てはストーリーが面白くて彼が描き続けられるならそれで良い。以前のインタビューでは「アイドル」属性が作家に与える束縛について話していた。『サウスパーク』の人気キャラであるケニーは、ファンの願いに応じて改造され続けることで、元々の個性を失ってしまった。藤本タツキはこれを戒めとして、自身の「反逆」と「自由」を守り続ける。時には意図的に読者の予想を外れることもある。彼は大多数に好かれるスターになりたくない。批判されるとネットに上がらず、炎上すると隠れる場所を見つけ、怒ったら漫画を描き、思うままに描きたい作品を描く、これが彼の漫画家としての職分であり幸せである。
『ルックバック』は『チェンソーマン』第一部の連載期間中に芽生えた。一見すると全く異なるスタイルだが、実際には藤本タツキの「自由」の核を持っている。
自分の才能に自信がある藤野と「引きこもり」の京本、見た目には全く合わない二人の少女がクラスの新聞の漫画コラムを通じて知り合い、二人で共用のペンネームで漫画を描き始める。年月が流れ、異なる選択が彼女たちの人生に分岐点をもたらす。「読んだ人が死ぬまで忘れられないシーンを描きたい!」と叫ぶ藤本タツキにとって、この作品は昨年の夏に降った雪のようなもので、その出現は確かに驚きだが、同時に十分に優しい。公開されるやいなや『少年ジャンプ+』の短編作品閲覧数の歴史的最高記録を更新し、『このマンガがすごい!2022年』で第1位を獲得。成長、創作、怒りについての物語は、雪のように溶けて消え、寂しさと新たな力を内包している。
これは藤本タツキ本人が証明する回想的な作品で、キャラクターの命名からもその端緒が窺える。「藤野」と「京本」は「藤本」から分解されたもので、元々藤本タツキ本人はそのつもりはなかったが、贺来友治(『地獄楽』の作者で、かつて藤本タツキのアシスタントも務めていた)が「どうせ自分の話を描くなら、自分の名前を入れてみたらどう?」と提案した。自分の物語。二人のキャラクターはそれぞれ藤本の一部を担っている。「本当の一面を表現すると、とても個性的になる」と言うように、藤野は彼の心の中から生まれた分身のような存在だ。自由奔放な性格、過剰なまでの創作欲、画力の差に苦しみつつも筆を止めない決意。京本は彼の成長過程の表現の担い手となり、同じような若い頃の生活環境、「もっと上手く描きたい」という思いから東北芸術工科大学に進学した経験を共有している。藤野と京本は藤本タツキの性格の「反抗」と「静けさ」の二面性を象徴し、彼女たちの異なる人生の道は藤本がかつて直面した選択を反映している。物語の後半は想像のような並行世界で展開され、キャラクターが交錯して再会できる宇宙を生み出す。物語が収束し、現実世界の藤野の手にある四コマ漫画を見ると、涙がこみ上げてくる。 「漫画がもたらす痛みを含めて、味わいながら読んでいただければと思います。私の個人的な経験を知った上で再読すれば、その面白さも増すならば、キャラクターに自分の名前を付けるのも悪くないと思いました。」 実際、その通りだ。『ルックバック』がただの漫画キャラクターの物語であったなら、これほど感動的ではなかっただろう。
『ルックバック』は個人的な回想と個人的なスタイルが充満している作品であり、このような性質の作品を共有する試みは、個々の理解によって異なる解釈を生むことになるだろう。当初の時間設計に基づき、多くの読者は藤本タツキがこの作品で京都アニメーション放火事件の犯人に対する怒りを表現したと考えている。漫画の中で犯人の犯行理由も様々な理由で二度修正され、最終的に現在のバージョンになった。藤本タツキは説明や説明を一切断った。彼が唯一確かに言えることは、この作品は自己救済のために生まれたものであり、過去の自分への別れの作品であるということだ。同時にタイトルの「ルックバック」には背景という意味も含まれており、読者に創作背景にいる人々、机に向かって働く創作者たちの姿に注目してほしいという意図がある。 「『ルックバック』は丁寧に描き、心に刻むべきものだ。」 漫画への愛、様々な感情への大切な気持ち、創作への渇望、真実の愛と怒りが、漫画家藤本タツキを前進させ続ける。

投稿 : 2024/08/14
閲覧 : 79
サンキュー:

4

ネタバレ

メガマインド さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:----

何かを創作した人なら心に刺さること間違いなし

チェンソーマンでおなじみ藤本タツキ先生の衝撃の短編の映像化

短い上映時間ながら満足度の高い一作に仕上がっている。

アニメーション部分は押山清高という超絵が上手い監督がひとり

描いているから驚き

冒頭のクレしんっぽいアニメーションはアニメ化ならでは

藤野ちゃんと京本ちゃんは創作をしたことあるなら共感することうけあい

創作の原動力となるとなかろうか

後半あの事件を彷彿とさせる場面もあり

そこまで余すことなく描ききる監督と原作者

凄すぎます。ヤバすぎます・

藤本タツキ先生の創作のエネルギーの原点なのかもしれない

投稿 : 2024/08/09
閲覧 : 38
サンキュー:

4

ネタバレ

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

感動するも恐ろしい作品

わずか58分という短編ながら、完成度という意味では今年一番なのでは。
最近の超絶綺麗な作画に逆行するかのように、
粗削りな作画のアニメーション。
しかしそこが大変良い。
原作漫画も読んだのだが、原作の雰囲気がそのまま出ている。
さらにアニメの良さを生かし、動きで感情を表す素晴らしさ。
とても分かりやすくなっているし、素直に感動できる良作であった。
決して楽しい物語ではない。
しかし、これでもかと現実を突きつけてくる。
生きることの素晴らしさと辛さを存分に味合わせてくれる作品ではないだろうか。
ちなみに原作は、あのチェーンソーマンを描いている藤本タツキさんである。
{netabare}
この作品について、見た直後の印象と、よく解釈してからの印象がだいぶ変わる。
どちらかというと、恐ろしい作品だ。
ざっと見た感じでは、藤野と京本、二人が心を通わせた感動の物語に見えるが・・。果たして藤野は幸せなのか?
いや、それを視聴者が言うことでないのは分かるのだが。
ここで映画タイトルの「ルックバック」が効いてくるのだ。
この意味は、もちろん作中で京本の描いた四コマ漫画のタイトルであり、京本の事件を聞いて茫然自失となった藤野を救った言葉でもある。
「後ろを振り返って見て」
しかし、藤野の状況はどうだろう?
ずっと一緒に漫画を描くことを夢みていた京本はいないのだ。
映画の最後は、静かに、静かに藤野がペンタブに向かって漫画を描くシーンで終わっている。
孤独なのだ。孤独に戻ってしまったのだ。
こんなにも現実を残酷に描きだしている作品があっただろうか。
{/netabare}
とてもハッピーエンドではないこの作品、私はますます好きになった。

投稿 : 2024/08/04
閲覧 : 266
サンキュー:

10

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

美大生あるある

原作は未読。前にも少し書いたが、藤本タツキは同じ「東北芸術工科大学美術科洋画コース」の卒業生であり、4つ下の後輩である。

本人には直接の面識はないが、聞いた話によるとなかなか地味な人だったらしく、大学でもすごい才能でもてはやされていた訳ではないようです。

なので、正直「チェンソーマン」を読んだときに、少年ジャンプ特有の個性的な天才タイプの漫画家ではないと思ってたので、さほど注目していなかったがここまで売れるとは本人も思ってもいなかっただろう。

本人はどちらかといえばコミック「アフタヌーン」や「ビックコミック」のようなアート系の作風であり、王道な作風とはかけ離れたタイプの人間である。

僕は正直「ジャンプっ子」だったので本来のスーパーヒーロー的な作品が非常に好きだが、藤本君はおそらく「仕事」として描いていたのだろう。「チェンソーマン」自体がそもそも「アンチジャンプヒーロー」な作風のためこの「ルックバック」が本人の持ち味。。つまりは「作家性」なんだと思う。

だからこそ興味あって、映画館までわざわざ見に行った(しかも大手の映画館では上映してない)が、結論から言うと「ほどほどに良かった」

正しく内容は彼の自伝的な作品で、小学生時代の学級新聞に載った漫画を他人から褒められてプロを目指そうとしたり、ライバルが現れた途端に急にやる気を失ったりと。。。その道を目指したことのある人間には「あるある」と頷いてしまうシーンが多いのだが、主人公を女性にしたことは一応ジャンプ的な「友情」話なので「照れ隠し」として女の子にしたという感じが否めなく少し残念に感じた。

あと、終盤の展開は大学を卒業する際に起こったような出来事と最近の事件を織り交ぜているが、その点を理解できる人間はどれだけいるだろうか。

もう少しストレートに描いてくれたら満点をあげたのだろうけれども、ややスノッブを効かせすぎているためオシャレではあるものの「パンツまでは脱いでいない」

僕は多くの漫画家の短編デビュー作を読んできたが、青山剛昌も尾田栄一郎も冨樫義博も、別にマンガ家を目指そうと思っていない人でも共感できるような感情を揺さぶる短編作品を描いている。

もう少し作家の技量が必要なんじゃあないだろうか?

投稿 : 2024/07/31
閲覧 : 126
サンキュー:

4

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

これは★オール5でしょうがない。

詳細は公式サイトでも。あるいは集英社『少年ジャンプ+』の当該サイトでも見てください。

原作は「チェンソーマン」の藤本タツキさん。制作はスタジオドリアン…というより、監督の押山清高さんといったほうがよいでしょう。なにせ原画の約5割を自身が担当されたとか。まさに、本作をアニメとして昇華させることに全力を注いだという感じですね。

んーっと、あらすじとか諸々の話は、他の方や山ほどYouTubeに上がっている感想動画などで言及されていますので、そちらをご覧になられたらよいかと思います。

すでに公開から1ヶ月の現時点(7月末)で、観客動員70万人、興行収入12億円という大ヒットを記録しています。

メインの声優が河合優実、吉田美月喜という、いわゆる女優ということで、専業声優よりも落ちるのではないかという懸念はありましたが、杞憂でしたね。お二人の演技も素晴らしかったです。

そして、本作の音楽全てを担当したのがharuka nakamura。観た方はわかると思いますが、ラストシーンは白眉のひとこと。ただただ、デスクで漫画を描き続けている藤野の背中と、大きな窓。そして、主題歌「Light song」とともに、東京の暮れゆく空の移り変わり。もうね、滂沱の涙でした。

「クリエイターなら、二人の心境をうんぬん」といった御託は言いたくないかな。よく耳にするネットミーム「考えるな、感じろ」なんて言葉、あんまり意識したことなかったんですが、本作で生まれて初めて腹落ちした感じです。

えっと、まだ劇場公開中なので、観てくるといいですよ。

投稿 : 2024/07/31
閲覧 : 54
サンキュー:

3

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

とても上手く構成された物語。でも、だけど、なんだか、やっぱり鬱…

この作品の原作は、読んだことがありません。
予告編からは 、夢に向かう青春ものと思っていました。
すっかり気を抜いて無防備な状態のまま観てしまったのだけれども・・・。
これ、原作を知らずに観た人、どれだけいるんですかね?
感動とか、悲しいとか、そんなレベルじゃありません。
とても憂鬱、メンタルやられる、とてもモヤる、そんな感じ。

ここからは、ネタバレです。

■構成がすごく上手い
{netabare}
「ルックバック」とは、「振り返る」とか「回想」の意味です。
まず、この物語が本当に上手いと思うのは、この「振り返る」瞬間からです。

一般的な話として、青春期、特に中学、高校と一緒に努力した友人がいたとします。
しかし、進む道が違うことで次第に会わなくなります。
そのうち自分のことに忙しくなってその友人のことは忘れてしまいます。

では、その友人のことを思い出すきっかとは、どんなことでしょうか?
人づてのうわさや結婚等の近況報告でしょうか?
いろいろありますが、その程度なら、ただの思い出程度に懐かしくなるだけです。
「振り返る」まではしません。

しかし、今の自分が存在するのは、実は、その友人のおかげだったと。
そのことに本当に気づくきっかけとなると話は違ってきます。
なぜなら、それは、その友人を失ってからだからです。
人は、失って初めてそれが尊いことに気付くことができます。
そして、その友人と過ごした日々を「振り返る」ことによってそれを実感します。

この物語では、「懐かしむ」ことと、「振り返る」ことの違いをはっきりと示します。
まず、ここが上手いなと思いました。

この物語では、主人公の昔の友人が事件に巻き込まれ死亡します。
そして、お通夜にその友人の部屋の前に来た時にクライマックスに突入します。

そのきっかけとなったのが、当時、主人公が書いた4コマ漫画を見つけたときです。
その漫画のおかげで引きこもりだった友人が外の世界に出てきました。
しかし、その漫画がなければ、結果的には死なずに済んだのではと思います。

主人公は、その漫画を破り捨てますが、それに呼応するように、
今度は、その当時、友人が書いた4コマ漫画が主人公の前に現れます。
このシーンは、ドア越しに行われますが、このあたりの構成が、
まるで、4コマ漫画を通して、死んでしまった友人と会話をしているようです。
そして、その内容は、主人公がいて良かったと言ったものでした。
それは、主人公の悲観的な気持ちに「ちがうよ」と答えているようでした。
また、それだけではなく、このシーンをきっかけに、もしもの世界と、
主人公と友人が一緒に過ごした過去の回想がどっと押し寄せてきます。

このあたりの話の構成は、本当に鳥肌ものでした。
それは、主人公の気持ちに共感できるとか、そう言うレベルの話ではありません。
まるで、視聴者の心が乗っ取られたかのような感じです。
視聴者の頭の中に、その友人と過ごした日々の回想と主人公の
どこへもぶつけようのない気持ちが渦を巻いてどっと押し寄せてくるからです。
{/netabare}

■憎らしい小細工
{netabare}
「振り返り」シーンの最後の小細工も、また憎らしいです。
それは、「ルックバック」のそのままの意味の演出も入れてきているからです。
主人公が部屋に入って、「後ろを見る」と、そこには、とあるものがありました。
それは、かつて友人にせがまれて背中側にサインをした上着です。
そのサインをみるためには、もちろん「後ろを見る」必要があります。
また、友人が書いた4コマ漫画のオチも「後ろを見ろ」的なものでした。
他にもありますが、仮にこれらに気付かなくてもストーリーには影響はありません。
しかし、こう言った主題を使った仕掛けをいれてくるのはなかなかだと思います。
{/netabare}

■まとめ

なんだろう、この鬱な感じは・・・。
と、考えてみた結果、それは「理不尽さ」なんだろうなと思います。

夢に向かって努力していた最中に全然関係ない第三者にその道を断たれる。
現実世界でもそう言った暗いニュースは良く耳にします。
そのため、珍しいことでは無いのかもしれません。
でも、そう言った出来事を耳にするたびになんとも言えない怒りがこみ上げてきます。
しかし、いくら怒りをぶつけたところで、元に戻ることはありません。

この作品でも、恐らく嘘であってほしいと思いながら観続けた人は多いでしょう。
そして、一瞬、その救いとなるようなストーリー展開にもなります。
あっ、やっぱり、さっきのは嘘だったんだと思いながらも胸騒ぎが止まりません。
そして、その想いは空しくこれは本当のことだったんだなと現実に突き戻されます。

この理不尽さを目の当たりにして嘘であってほしいと言う願いを見事に打ち砕く。
そんな人の心理を巧みに操れるこの原作者さんは、本当に狂っている・・・。
「天才と狂気は紙一重」と言われますが、まさにそんな感じです。

メンタルやられますが、それでも観て良かったなと思える作品でした。

投稿 : 2024/07/15
閲覧 : 227
サンキュー:

18

ネタバレ

Usotarou さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

久しぶりにアニメ映画を見たが大満足

 上映時間は短く、話のボリュームとしてはあっさりしているが、完成度が非常に高い。
 
 キャラクターの表情や感情に合わせた動きなんかはやり過ぎ感もないしかといって動かなすぎ感もない。キャラによっての性格の違いによる動きなんかも非常にうまいので違和感が一切ない。紙がひらひら落ちるシーンなんか抜群にうまい。建物の中の音や屋外にいるときの環境音もリアル。家のフローリングの模様も細かくて「ああ、こういう家あるよね」という感じだった。部屋の中もしっかり描かれている。背景もしっかり描かれていて懐かしさのある田舎の風景や洗練された都会の風景も美しい。引きの画から走っているキャラによっていくシーンなんかはも違和感が一切ない。音楽が抜群に良い。オープニングの音楽からなぜか泣きそうになった。声優の演技もリアルだけどアニメと非常に馴染んでいてよかった。方言もおそらく自然な感じで、最初は聞き取れないぐらいのリアルさだった。ストーリーとしては意外と単純なのだが、くどくないし、ラストのタイトル回収の1番の見せ所までが非常に美しくまとまっている。

 作画演出音楽ストーリー声優。どれも非常に完成度が高いと思う。

 思春期あたりの子供の危ういエネルギーみたいなものを感じ、あの頃を思い出した。大人になった自分を突き動かすものはもっともらしい理屈なんかではなく、あの頃の大切だった人の笑顔なのかもしれない。

投稿 : 2024/07/10
閲覧 : 45
サンキュー:

3

takeo777 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/19
閲覧 : 1

ぞろ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/18
閲覧 : 0

nana さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/17
閲覧 : 1

めるぴん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/16
閲覧 : 1

まぁ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/13
閲覧 : 3

8bit さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/11
閲覧 : 1

SLDG さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/11
閲覧 : 1

ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/10
閲覧 : 2

ダイクニ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/10
閲覧 : 1

とらんせる さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/09
閲覧 : 0

yass さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/09
閲覧 : 0

あにこげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/08
閲覧 : 1

ネムネムサラダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/06
閲覧 : 0

ハナ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/04
閲覧 : 1

いぬわん! さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/10/20
閲覧 : 1

あーーー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/10/18
閲覧 : 1

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/29
閲覧 : 2

たくたくん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/21
閲覧 : 2

Pir さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:----

投稿 : 2024/09/04
閲覧 : 3
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ルックバックのストーリー・あらすじ

漫画へのひたむきな思いによって出会った2人の少女の姿と運命を描いた、藤本タツキの同名読み切り漫画を劇場アニメ化。
小学4年生の藤野は、学年新聞で4コマ漫画を連載している。そんなある日、学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生、京本の4コマ漫画の画力の高さに衝撃を受ける。ひたすら漫画を描き続けるも、京本との画力差に打ちひしがれた藤野は漫画を描くことを諦めてしまう。しかし小学校卒業の日、京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで京本から「ずっとファンだった」と告げられる。(アニメ映画『ルックバック』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2024年6月28日

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