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「ルックバック(アニメ映画)」

総合得点
78.2
感想・評価
77
棚に入れた
300
ランキング
571
★★★★★ 4.2 (77)
物語
4.2
作画
4.4
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ルックバックの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

作画と声優は良かった

お話はあまりよく何を言いたかったのかがわからなかった

序盤の引きこもりの同級生が漫画でつながり
一緒に漫画家になるというところは良かった
女性版バクマン?なんて思ったけど

美大に行く云々で終わってたら良かったなぁ

どこかの検索バーで ルックバック と入れると 予測候補に 京ア。。っと出るのでまぁもろそこ発端なのかなと

漫画の力は人をつなげたり、元気にしたり、すごい魔法の力がある

そのためには誰になんと言われようとひたすら描くのみ

そしてその魔法の力を得たが、救えないものはある、空想でなら幾つでも違うストーリーにできるのに。

っということなのかな?

まぁ特にそれは考えすぎで、思いついたお話なだけかもですが。

※※※

作画や絵の見せ方は実験的でとても良かった
『音楽』とかを思い出しました。
色合いも面白かった

声優は『不適切にもほどがある』のあの不良娘ですね笑
とても自然でキャラに合ってて良かった
相方の子も良かったし
秋田弁かな?が、とてもいい響きでした。


見といて損はないけど
面白いかどうかはなんとも言えない。。という感じかな

結局最後は。。をあえて書かないから観た人の感想が膨らむのかも

それか、まだ途中だからかも。。

投稿 : 2024/11/21
閲覧 : 20
サンキュー:

0

ネタバレ

まにわに さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

これが漫画家だ

そしてこっちが背景さんの背中だ。

{netabare}漫画への情熱は素直に感じた。
恐らく原作は、嫌な事件があっても、それをネタにして描き続けるのが漫画家、という話なのだと思う。作者に背景のイメージがないし、この内容だと"志村後ろ"の本ネタ一本槍だろうから。
これに背景担当を加味し(もしくは比重を対等にまで高め)、作家の名を背負い、存在を抹殺されたとしても、という話にもした。
ドア下の隙間越しのやり取りが綺麗過ぎるし、端々から、この監督さんはもともと背景の人だったのでは?{/netabare}

投稿 : 2024/11/21
閲覧 : 15
サンキュー:

0

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

名付けて逆「スラムダンク現象」。『さよなら絵梨』の映像化には期待したい。

 今年は「ハイキュー!!」に「マッドマックス」に本作と並の傑作どころやない、大傑作かも…な期待作が揃っていたのですが…。


 「スラムダンク」を熱愛して山王戦なんか穴が開くほどに読み込んできた私としては、もう一昨年?の新作映画は正直物足りない出来でした。リョーちんの蛇足なエピソードが足されてより短くなった尺に、最高の物語のあらすじ、上っ面をなぞっただけのような薄まった原液を注入した、テンポアップし過ぎな作品。CGによるリアルスポーツのような感覚に挑戦したかったのかもだが…という評価でした。


 何故「スラムダンク」を引き合いに出したかというと、本作は逆なようで同じ事態に陥ってしまったように思えました。あちらはテンポアップし過ぎて薄まった、こちらは膨らませようとしてテンポダウンしてやはり薄まった。どちらも内的要因だけでなく外的要因もあってか。原作を読んでいた時のテンポ感、ドライブ感を踏み外してしまったように思えてなりません。


 「スラムダンク」或いは「ハイキュー!!」の場合は、長い物語を短い一本の映画にしなくちゃならなかった。こちらは短い物語でなんとか映画一本にしなければならなかった(私としてはビックリ二本立てを仕掛けてくるくらいいしても良かったような気もしますが)。


 といってもやはり元々の物語が映像にしてもせいぜい30分、長くても45分くらいのものだから一本の映画としての満足感は薄い…。「デジモン ぼくらのウォーゲーム」や「プリキュア オールスターズメモリーズ」のような短い尺を有効に使い切っ大傑作たちも存在するわけで、尺やサイズに合わせた物語作りは思っていた以上に大切なことなんじゃないでしょうか?。


 私としては、「原作通りにしろ厨」はナンセンスだと思います。映像化する以上は変更はやむを得ない、むしろ+に転じさせることだってできるように思います。しかし、漫画を映像化する場合は、細部ではなくその物語の本質である構成やテンポ感に手を加えるのは危険なように思えます。やはり物語のサイズ感にピッタリな形態を選ぶべきでしょう。商売上の色々はあるのかもですが、商売人でもない私はそこまで忖度してあげる必要は感じません。


 こんなこと言うのはアレかもですが、どちらもこれなら家に帰って原作漫画を読み返した方が良かった…。あとで時間をおいて予告を見直したら変わらずグッときた。やはりもっと短くして、二本立てにするべきだった!。「さよなら絵梨」は映画の話なので、みんな大好き映画についての映画になるから映画化した際の伸びしろに期待。内容も正直本作より濃密ですし。

 

 (後記)


 配信で改めて見たが、こんなに引き伸ばしてたか…と初見のとき以上に感じてしまった。クライマックスなんて原作では3,4カットで畳み掛ける感じなのに、こっちでは体感3分くらいない?ってくらい長い。


 アニメーターの方としては、アニメーションは「動き」だろ!ってのはわかるのだが、やはりアニメはそれだけじゃなくて演出の方が重要に私は思う。予算とかの兼ね合いもあったろうが、出崎さんや庵野さんが枚数使えなくても魅せる演出で効果的なシーンを作っていた例もある。


 本作に限ないが、タツキさんの作風はドライに突き放したところが持ち味で、映画的に翻訳すると細かいカットをパンパンと積み重ねタイプの方が良かったんじゃないかなぁ〜。本作の場合はそれでも根底に強烈にエモがあるから、かえってそれが浮き上がってくる構造になってるし。その点、予告やpvだとそれこそ短いカットがポンポンと切り替わっていくスタイルにならざるをえないから、かえって本作の魅力を拾えてるように改めて思いました。

投稿 : 2024/11/18
閲覧 : 257
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9

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

結局生きるとゆうことはドントルックバックなのですよ

ボクのような昭和の人間はルックバックの前にドントが付く言葉のほうがなじみ深い。

Don't look back.
振り返るな的な。

ボストンってアメリカのバンドで大ヒットした曲名でもあります。
あとボブディランのコンサートツアー記録した映画も同じタイトルだ。

ボクなんかより少し若い世代になるとOasisのDon't look back in angerって歌がなじみ深いかも。

今思えば当時の時代的な価値観として『振り返らず前を向いていこう』とゆうのがあったのだろうと。
その頃とりあえずはまだ日本社会は成長していたのだから人々はみな前を向いていくものなのだと。

沢田研二さんの歌でもありましたな。『立ち止まるな振り向くな』
いい歌だったなぁ。


さてそれでルックバック。

振り返れとゆっているのかな?とゆうことでああなんか昭和の時代的な価値観はとうに古いものになってしまったのだなとまずはタイトルを見てそんなことを感じました。

映画を見始めてすぐに気が付きますが、まずは背中を見る/見せる/または背中が語る…まあなんしかそおゆう切り口なんだと。
『苦しいときは私の背中を見て』といったのは澤穂希選手だったなぁとかあまり関係ないことをなんとなく思い出しつつ。

これねぇ。何と言いますかめちゃくちゃ刺さりまくってガチ泣きしました。
58分と短いので間髪入れず2回見て2回ともガチ泣きしました。

2011年の東日本大震災もそうなんですけども、2019年の京アニ放火事件もやっぱりクリエイターにとって何かを根本から覆されたようなそおゆう影響があったのだろうなと思います。
ものづくりに向き合う姿勢とゆうのかしらね、いわゆるパラダイムシフト的な。

結局のところ最終的に藤野氏は京本氏に背中を押される形で前に向かって歩き出すってところでこの映画は終わったのだなとボクは受け止めたのですが、その心情に至るまでの藤野氏の心模様が痛すぎて刺さりました。なるほど心に深い深い傷を負いながらもやっぱり人間は前へ進んでいかねばならんと。

結局生きるとゆうことはドントルックバックなのですよとゆうことで
おお。昭和の人間の価値観もいまだ色褪せていないのだと。

ったく泣かせやがるぜ。

ありがとう。
素晴らしい作品でした。

投稿 : 2024/11/18
閲覧 : 37
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5

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

クリエイティビティーが人生の背中を押す

アマプラが観られない環境なので、上映スケジュールをにらみながら劇場に飛び込みました。
1,700円?58分? タイパ?コスパ? そんなのノープロブレム。
予想を超えるお釣りとお土産をいただきました。

ギャップがとんでもなかったです。
心躍らす高揚感から、一気に行き場のない喪失感へ。
止め絵が2人の幸せを物語る、物語る。

たった6年と言うなかれ。
子どもの戯れ事と笑うなかれ。
2人の研鑽は、清廉で、高密度で、愛と歓喜に溢れた黄金の時だったのです。



切磋琢磨という言葉は知らなくても、楽しみを持ちあうだけで生きる勇気が持てる。
そこに紙と鉛筆と机があれば、2人の世界はどこまでも重なり広がっていく。
いつまでも続いていく・・・。

才能でぶつかりあうから、人は自分に舵を切るのです。
この瞬間を永遠にしたいと願うから、違う夢へと走りだせるのです。
送り出せるのです。

彼女の背中を見れば、そこには自分の名前がある。
もう一度振り返れば、そこに自分たちの道が見えている。
だから、立ち止まったままでは許されないだろうと。
ならば、プロフェッショナルとしてペンを握ろうと。

想像力のなせる業が、再起に燃えあがる背中を押すのです。



彼女たちが迸(ほとばし)らせたもの。
それは世界を席巻するほどのクリエイティビティー。
想像力が泉のごとくに湧き、創造力を思いの丈に伸ばすクリエイティビティー。

クリエイティビティーに伸ばした手が、独りうたかたに耽る夢を、広大無辺へと踏み出す魂を一つに結びつけた。
ひとりのプロたる所以の、ふたりのセミプロたる由縁がそこにはあった。

彼女らの生々しい希求と、あふれる感情がこのうえなくまぶしい。
かつて記憶の箱にしまったラフスケッチが、トクンと鼓動を打ち出すからだ。
クリエイティビティーへのどうにもならない恋々が、ジワリと体温を上げてしまうからだ。

だから、魂を刻みつけた彼らの作品に、情熱が塗りこめられたその作画に、シナリオに、音楽に、あらゆる努力に。
無心に、敬虔に、辞儀をもって礼節を示そうと私は思う。



この世界には、まだ生まれていないクリエイティビティーがたくさんあるはず。

I look forward to your creativity.

投稿 : 2024/11/18
閲覧 : 87
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12

Yuu1108 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

「喪失」と「痕跡」

Amazonプライムで無料で見れたので、気軽に視聴してみましたが
あのチェンソーマンの作者さんが書いたとは思えない内容で驚愕でした。

無駄なものがすべて排除されたシンプルイズベストといった内容の仕上がりで映画館で見ていればと後悔しました・・。

この作品を見るうえで大事なのは、「主人公がどう受け止め、その選択をとったか」を思想し、見ることだと思います。

そこにタイトルである「ルックバック」、振り返るという意味に繋がってるのだと私は解釈しました。

投稿 : 2024/11/18
閲覧 : 36
サンキュー:

1

Jet Osuga さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

く〜w

なんなんだっ、なんなんだっなんなんだっ、泣いちゃったなぁ〜。

投稿 : 2024/11/17
閲覧 : 26
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1

ネタバレ

ぴこもも さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

強烈な印象。

ネットで「すごい!」と書いてあって、ロードショーを見に行こうかなと思ってて、もうひとつの作品と打ち切り時期を比べて向こうの方が早そうなので、向こうを見に行ったらこっちが先に終わりました。

Amazonプライム会費を払ってて良かったと思いました。

アニメーションって面白いな!っていう、ここでは当たり前のことを再認識出来て良い作品だと感じました。

「嬉しそうな顔」ってこんなにトロけそうな顔をしているんですね。

時間は短いし、止め絵も多いのに、めちゃくちゃ濃いです。

表現方法や物語・・色々思うことはありますが、私が書いても下手なので。とにかく強烈な印象を受けました。

「なんでしんどいのに描くんだろう?」

確かにマンガはしんどそうですね。

「なんで見返りがないのに書くんだろう?」

書かずにはいられない何かがあるからですね。初心を思い出した気がしました。

投稿 : 2024/11/14
閲覧 : 58
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4

Tnguc さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

クリエイターの本質、とは

~
 チェンソーマンのTVアニメ版を観たときにはなかった感情だが、キャラクターの節々から滲み出る表情や仕草や性格が、完璧に作者・藤本タツキを理解した上で創り出されている。まるで「細かすぎて伝わらないモノマネ」を見ているかのような笑いさえ引き起こす再現性だ。もちろん、原作の魅力があるからこそ成り立つものだが、それをこのクオリティーで映像化した押山清高(おしやま・きよたか)監督のプロフェッショナルも素晴らしい。「漫画家(藤本タツキ)の人生ってこんな味かぁ……」とか、そんなことを考えながら2人の若き漫画家の青春を眺めていると、チェンソーマン2部の裏側に作者の凡百な想いが垣間見えた気がした。フィクションだけでは留まらない、漫画家という人間のリアルとアンリアルを鮮やかに結晶化させてみせた佳作だ。

個人的評価:★★★★☆(4.0点)

投稿 : 2024/11/12
閲覧 : 44
サンキュー:

5

ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

あなたの背中に憧れて

藤野の漫画が好きで憧れていた京本
京本の絵に刺激を受けてもっとうまくなりたいと思った藤野

でも京本の絵と比べて自分の漫画に限界を感じてしまったとき。

京本から自分の漫画が大好きだと心から言われて心躍らせながら走って帰るシーン。

藤野の負けず嫌いで一生懸命な気持ち。
京本の、絵や漫画が好きだっていう純粋な気持ち。
藤野と京本があの日出会ったことは、お互いを変えた素敵な出会いだったんですよね。

絵がもっとうまくなりたくて、勇気を出して大学に行くことを決意する京本。

あぁ、こういうお話って私弱いんです。
見てて色々と刺さってしまって、いつのまにか涙が。。


でも。
京本がああなってしまう展開は、嫌いです。
あの事件を想起させる描きかた。
作者さんが描きたいこともなんとなくわかるけど。
でも!
せめてこの物語では違っていて欲しかった。


ラスト。
「背中を見て 京本」の4コマ漫画と、ドア前にかけてあったどてらの背中に書いた「藤野歩」のサイン。
このシーンでまた涙腺が。。

そして藤野はまた漫画を描き始める。
窓に貼った京本の4コマ漫画を見て励まされながら・・

投稿 : 2024/11/10
閲覧 : 87
サンキュー:

19

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

Re:クリエーターズ

チェンソーマンはアニメしか知らない…。
でもこの作品は何故か、あのとても軽い単行本で知っていたのである。

あぁ、我はどこまでも鈍感な年寄り…。

確かに、諦めや苛立ち、後悔がないまぜとなって、古傷が鈍く痛む青い感覚、暖かく懐かしい思いと共にページを閉じたはずであった。

ところがどうだ!

うず高く積まれたマルマンのスケッチブックを、
4コマがポータルとなって開くマルチバースを、
何より、頬を紅潮させ絞り出すように叫ぶ京本を見た刹那、錆びつき、固着した感情の蓋が開く瞬間に驚く自分がそこにいた。

クリエーターたち其々の想いを胸にルックバック!

もう一度読み返さねば…。

投稿 : 2024/11/10
閲覧 : 114
サンキュー:

14

ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

描いて、描いて、描いて、描いた2人の物語

原作未読 58分

Amazon Primeで観て観ました。

学年新聞に四コマ漫画を描いていた小学4年生の藤野、その学年新聞にもうひとつ四コマ漫画を載せてきた引きこもりの京本、その作画クオリティに漫画に自信満々の藤野の心が打ち砕かれました。そこからひたすら描くことに夢中になり、そして時がたち描くことをやめた藤野、あることがきっかけで出会った京本に触発され2人で漫画描き始めた2人の物語。

出てくる他のキャラは必要最小限で、ほとんど2人の会話や行動がメインとなっています。
{netabare}
京本が亡くなった後、2つに枝分かれした物語のシーンは、旧エヴァのエヴァのいない世界を描いたシーンを思い出しました。

2人の距離感を部屋のドアに使ったところは良かったですね。
{/netabare}
原作は「チェンソーマン」の藤本タツキ先生、内容は全然違いますが漫画愛に溢れていましたね^^

最後に、私も下手ながら小さな頃、夢中に漫画を描いた頃を思い出しました。

投稿 : 2024/11/10
閲覧 : 136
サンキュー:

16

ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

大切なひと

スタジオドリアン制作。

漫画へのひたむきな情熱が2人の少女を結んだ、
少女たちの活躍とその後の運命を描いた青春物語。

心に迫る素敵な短編だと思います。

四コマ漫画を描きクラスの人気ものであった、
小学生の少女藤野は、不登校の少女京本が描いた、
四コマ漫画の画力に驚愕する。
ひたむきに絵を描き始める藤野だったが、
京本との画力の差は一向に縮まらなかった。

{netabare}絵を描くことに気力を失った藤野であったが、
卒業式の日、京本と直接話したことが転機となり、
藤野はまた漫画と向き合うようになった。{/netabare}

2人の青春が荒々しい描線で描かれる。
きっとそれは平坦なものでもないでしょうが、
輝かしい青春であり、かけがえのないものだ。

夢中になり絵を描くことへの思いが伝わり、
彼女たちの青春に共感し感動もまた伝わる。

{netabare}やがて大きな悲劇が起こり、
藤野の自責の念が物語を分岐させる。
そうありえたかも知れない望ましい世界である。
大きすぎる痛みは決して完全には癒えないだろう。
ただそれでも前を向いて物語は終わる。{/netabare}

ここには必要な言葉と表現しかない。
それが心の深い部分に響いてくる。

大きく深呼吸をして、また前に歩もうと思う。

投稿 : 2024/11/09
閲覧 : 166
サンキュー:

25

あと さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

誰かに贈る、私に向けたエール

 漫画を描く女子二人の短編青春映画。主人公藤野の小学生レベルの創作活動から始まり、物凄く絵の上手い不登校女子京本とともに漫画を書き進めていく思い出の時間。
 この映画は写実的な映像で制作されていることもあり、心を揺さぶられる描写も多く、京本の視点などには触れられないため、考えられることがかなり多く、見終わったあとは正直放心としていた。登場人物も少なく、密度の濃い思い出にある藤野の人生譚であり、また藤野が創作をし続ける、最後の場面に至る理由なんかも思い、自分ならどうしていただろうか…、今どうしているのか…なんていう現代と過去、そして未来について自分のあり方も考えさせられた。
 漫画版とアニメでは正直見終わったあとの印象が全然違う作品であり、この作品を見て気づいたのはこの物語は人生であるということ。今までしてきた選択には意味があり、そこには誰かの思いや後悔もきっと含まれている。創作をしている人にとってあの最後の姿は孤独でありつつ色んな人が一緒にいるのだろうというように感じた。このアニメを見て、ストーリーについてより、物語の意味やメッセージ性に共感したり考察したりする人も多いだろうし、端々にその意味を持たせられるような傑作だった。今を頑張る人に向けられた作品。

投稿 : 2024/11/09
閲覧 : 32
サンキュー:

6

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

京アニ事件の消化か、実存主義的責任論か、アシへの未練か。

 原作既読で、私の原作の読み取り方って、京アニ事件への鎮魂かなと思っていました。例の事件が2019年で本作が2021年発表ですのでそれが正解かどうか時期で判断するのは微妙です。ただ、本作を読んだときに、あの事件で才能ある人たちが亡くなられたことについて、違う道に進んでいた方が良かったのか?創作に携わる事が不幸だったのか?という疑問が少し解決したからです。

 ただ、そう考えると鎮魂という生易しいことではなくクリエータとしてあの事件を自分で消化したかったのかなとも思いました。つまり、悼む気持ちよりも自分事と捉えたのかもしれません。

 結果として、ショックを受けてもヒロイン藤野はマンガ家であることはやめませんでした。つまり、漫画家でも画家でも結果がどうあれそうしなければ生きていけない人種だととりました。京アニ事件のショックを創作者の視点でとらえたという意味です。つまり意味付けも幸不幸もなく、創作者としてしか生きられなかった被害者と自分の生き方を消化したかったのかな、と。


 一方で、運命論を否定した実存主義的な人間の選択と結末についての自己責任論と捉えることもできます。もしあの時と考えたところで、進む道を選択したのは自分自身です。途中の妄想の中でifを考えたところで結論は変わりません。ただ、それレベルであればかなりの凡作に見えてきます。普通過ぎるくらい普通の話になってしまいます。

 そうしたときに、事件を単純にモチーフにしたととるだけだと、悼む気持ち、自分事と捉えていないなら、扱い方がかなり下品かなという気がしてきます。
 友情論もあることはあります。が「京本が死んだのが私のせい」と捉えている限りにおいて、ちょっと違うかなと思います。人生がクロスしなければというifはよくある話ですし、そこに注目しすぎると感動ポルノになりますし、創作論とも相容れません。味付け程度でしょう。

 創作論で言えば、2人を比較した場合、藤野は話を作る才能があった。京本は絵を描く才能が有ったあるいは、絵を上手く描く才能と漫画を描く才能と別物である、という話程度のことではないでしょう…ないと捉えたいです。

 やっぱり焦点は人生がクロスする場面の話ですよね。そこをしつこく書いていました。その出会いがなければ藤野は漫画家をあきらめていたわけで、ifを使ってそこに焦点を当てています。つまり、藤野にとって漫画を描かざる負えないということにつながります。そして、それを鎮魂ととるのか、責任ととるのかと考えられると思います。最後の数分、漫画の数ページですね。ここをじっくり考えると面白いと思います。


 で、実は現在「ダンダダン」が放映中です。「チェンソーマン2部」について、藤本タツキ氏の元アシスタントで「ダンダダン」の作者である龍幸伸氏の事を知ったわけです。「ダンダダン」の連載が2021年です。ちょうど本作の掲載時期です。

 龍幸伸氏の絵が素晴らしくて、彼がアシスタントを抜けてから「チェンソーマン」の作画がひどくなったという話があります。作中の2人の関係に非常に近しいものを感じます。ですので、藤本タツキ氏の龍幸伸への未練を断ち切る作品だったのかな、という気もします。

 そうなると完全な自慰行為じゃんと思わなくはないです。まして、殺される結論とそのモチーフとして京アニ事件を出すなら最低だと思わなくはないです。

 で、本作の劇場アニメ版ですが、私は演出過剰で冒頭の空から住宅にズームするシーンからちょっとイラッとしました。それは本作の中身を味わうのに必要なのか?という気もします。そして、机の上に鏡があってヒロイン藤野の顔を映していましたが、余計な演出です。背中で魅せるのが良かったのにと思います。

 と上げてゆくときりがないですが、原作はわずか140ページ程度の短編なので余白、行間があった作品です。無駄な演出で水膨れになっただけじゃんという気がします。
 そして今回、上のどの解釈が正しいのか、新しい視点はないのかと思い見ました。が、原作でいいじゃん、という内容でした。60分足らずの作品にわざわざアニメ化する意味があったのか疑問が残ります。

 評価3なのは上の解釈の答えがわからないので、評価できずにします。そして、原作が2021年だから京アニ事件の鎮魂・消化の意味があるのかなともとれましたが、2024年に見ると、自己責任論・運命論かアシスタントへの未練かどちらかに見えてしまいます。


追記 評価した部分を書いていなかったので追記します。

 創作論、云々よりやっぱり人生における分岐点の話、そういう人がいたという話の方が本質に近いのかなという気もします。どっちの才能が上という話ではないし、お互いが依存していた話でもないし。
 内容は、人の死に意味があるとすれば、人との交わりである…うーん、やっぱり実存主義的な話なのかなあ。原作版そのものはまだまだ色あせていない気もします。


 そして、アイデンティティの問題ですね。変わり者といわれてもその道を行くのか。平凡に生きるのか。いばらの道に行くのがマンガ家であるというのも大きな話の幹ですね。

 その選択のきっかけとして承認があったわけで、その承認をしてくれて自分を漫画家まで持ち上げてくれた人物の死の話がありました。

 だから、その人の死を悼むには漫画を描くしかないということがもっとも中心となる話の構造でしょう。もちろん、この部分があるから私も評価しています。

 

投稿 : 2024/11/09
閲覧 : 75
サンキュー:

2

既読です。 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

観たい!!みたいみたいみたい!!愛おしいアニメです!

50分で原作本付き1700円。

短編としては上出来で

結末は・・・


2024年11月8日アマプラ解禁!!

もう、「藤野先生!」で涙腺が・・・

裸足で挙動不審な京本
雨の中のあぜ道をはずむ藤野
何もかもが素晴らしい!!

山田礼司氏のヤンマガを時々観ています。
氏はアニメーターの情熱の発露を熱く語られ
聴いていてとても参考になるのですが
このアニメは、例の事件も含めて
アニメーター、クリエーターの情熱や
不条理に対する無念さが
それこそ内容だけでなく画力で表現されており
何をどう評価すればいいのかは置いといて
とても胸に刺さる映画です。
そして声優さんが凄く上手です!

映画観てない方には是非観て欲しいアニメです!!

投稿 : 2024/11/09
閲覧 : 156
サンキュー:

9

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

No pain, no gain

人気作家の短編映画化、配給の都合で58分に水増し。
Cパートナシの余韻はよかったが、クレジットのドヤ感は少々いただけない。

わかりやすい!!

自伝的でありながらもバズり小ネタも欠かさない計算高さや抜け目のなさとかあまりにも肌触りの良すぎるあざとさなんかが鼻についたらもうおっさんということで。短い短編をモリモリに盛った短編映画なので中弛みなしで実に見やすい。楽しいだけの作品ではないが古のオタクのような逆張りマンでもなければ何かしら感じるものはあるでしょうか。

可処分時間の奪い合いが激しい現在、楽しいだけの存在が許されない令和。何かしらの実用的な気づきや学びがわかりやすーく提示されないとコスパガー!タイパガー!なんて言われる時代ゆえに、アニメですらも自己啓発的な使える名言やら業界の専門知識解説やら「切ない…ッ泣ける…ッ」的なセルフケア機能が求められてしまう現環境においても「さぁさぁ!ここをスクショしてください!」なんて安易な名言ドンッをやらないだけで今となっては逆に新鮮に映るのかも。意図的にそれを狙って配置して計算どおりにちゃんと売れた映像研もそれはそれですごいけれども。

作者の体験談らしい「漫画描いてるやつキモい」なんてのも今となってはリアリティがないのではとは思う。確かに昔はジャンプ読んでただけで「中学生にもなってジャンプwwwきっしょwww」でした。今では中学生でもイラストやコスプレや二次創作を公言できるとかすごいですよね。あんなんバレたら完全に人権剥奪ものでした。いい時代になりました。

犯人サイドの描写には賛否あるが、あそこを本格的にやったらエンタメにはなり得ないのでいい塩梅。拗らせすぎた他者を寄せて映すと「共感デキナイー」とか不快ダーマンにはツラい作品になってしまう。今は読者に優しく寄り添って心地い肌触りで全部わかるようにしないといけない。決して万人ウケしなかったであろうファイアパンチの尖り具合も楽しかったが、アレ描いた作者をここまで育てたジャンプの編集は実に優れたビジネスセンスをお持ちだと思う。

なみいるジャンプ作家に並ぶレベルで「正解」となってしまったタツキ先生は多くの信者を獲得したが、彼らが他者に向けてツルハシを振り下ろさないことを願うばかり。「キャラの魅力ガー」「感情移入デキナイー」なんて難癖も安易に他人を刺してしまえる凶器となる。大量に湧いた鬼滅キッズみたいな拗らせマンをみて「人の振り見て〜」ができなければ、あのときの犯人を見て「おまえはいったい京アニ作品の何を見てたん?」みたいなのと似たようなものではないか。あ、シノギクソなろうは叩いていいです。あれは作品ではなくオクスリなので。売れればよかろうなのだ的な資本主義の闇ですね。

過去は変えられるってのはマジでそう。
オエイシスも復活したし作者はもってるなあ。

アニメ版でも解釈の幅や深さはちゃん残されてる。泣けるッだけではもったいない。

投稿 : 2024/11/08
閲覧 : 44
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3

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ももも さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

何かを受け取った気はするが、感想が出てこない

小学校。漫画が上手いキャラとして天狗になっているお調子者の藤野と、不登校で家で絵だけを描いている京本。
絵を通して互いに触発されていた二人が出会い、少し成長し、同じ道を歩み始める。

途中までのあらすじを書くとすごく単純ですが、この作品の芯はそこではなく、藤野視点でのクリエイターの苦しみと喜び、青春を全て捧げたある意味特異な、でも誰もが共感できるであろう風景の描写に他ならないと思った。

うまくいえないけど、物語と言うよりは風景に近いというか。
何を感じるかは鑑賞者に委ねられている。
作者が伝えたかった比喩もたくさん入っていた気がするけど、咀嚼してないのでこれを書いている時点では「気がする」だけで終わっている。
ストーリーは単純だけど、何かを浴びた気がすると言うか。そういう作品でした。

投稿 : 2024/11/08
閲覧 : 41
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3

みつき さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

芸術

セリフ量が少なく「画」で訴えかけてくるから短い上映時間でたくさんの情報を受け取れるし、キャラクターの心情に集中できる。まるで「漫画を体験」しているようだった。作品を通して作者の主張が伝わってきて見た後はただすごい物みたな〜と放心状態になる

投稿 : 2024/10/21
閲覧 : 31
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3

メタルジャスティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

かけがえのない一本

 世の中の人の中では比較的アニメを観ている私ですが、そんな熱心に情報を集めている訳でもなく、漫画を読むでもない。故に本作については一切認識しておりませんでした。
 そんな折、2週間ほど前にXにて「マキマさんルックバックみたってよ」というポストにて、本作を知りました。なんでマキマさんとコベニちゃん?って、ああ作者が藤本タツキさんなのか。泣き虫とはいえ、コベニがこんだけ泣く映画とは?と興味を持つも、当方の住まう限界地域の映画館では上映予定にすら無い。作品的にもこっちでは上映ないかなーと諦めていましたが、いつの間にやらに上映されているではありませんか。これ幸いと、さっそく観てきた次第。

 端的に言って、久々にぶち当たった「安直に、人に勧めたくない作品」です。
軽薄なユーチューバーのごとく「面白いから絶対見ろ!」とか「おすすめ!」とか言いたくない。口に出すと、何かを穢すような気になるから。とか言いながらこれを書いているのは矛盾ではあります。
 まあ、ここに来るような人は既にこの作品を観て、何かを感じ取り、言いようの無い衝動にに駆られている人でしょうから構わんでしょう。
 とは言え、今はまだああだこうだ言いたく無い。
 しばらくして、自分の中が落ち着いたら、どこが良かった、凄かったと書くかもしれません。
 なんだろう。「素晴らしい作品をありがとうございました」とも書きたく無い。
 うぁぁぁぁ……。
 そんな感じ。
 

投稿 : 2024/10/03
閲覧 : 78
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7

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xinxin22 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観たい

『ルックバック』がまもなく公開——一冊の薄い本がもたらす最も優しい一撃

藤本タツキ、1992年生まれ。ジャンプ系の唯一無二のカオスなヒーロー。『ファイアパンチ』で一躍有名になり、ストーリーの衝撃度から読者は心臓の健康を守るために読むのをやめるほど。『チェンソーマン』は世界中の読者に笑いながら泣かされ、マキマの結末が明かされた後には生姜焼き弁当が売り切れる事態に。藤本タツキは数年という短期間で無名の若手漫画家からアングレーム国際漫画祭の特別ゲストにまで上り詰めた。
「天才」と称される彼の作品の最大の特徴、そしてこれらの漫画を創作できる理由は、結局のところたった一つのことに帰結する——自由。
表現の自由、創作の自由、魂の自由。
藤本タツキはランキングを気にせず、人気キャラも必要ならば殺し、展開は前の設定から飛び出して、他のことは一切気にせず、全てはストーリーが面白くて彼が描き続けられるならそれで良い。以前のインタビューでは「アイドル」属性が作家に与える束縛について話していた。『サウスパーク』の人気キャラであるケニーは、ファンの願いに応じて改造され続けることで、元々の個性を失ってしまった。藤本タツキはこれを戒めとして、自身の「反逆」と「自由」を守り続ける。時には意図的に読者の予想を外れることもある。彼は大多数に好かれるスターになりたくない。批判されるとネットに上がらず、炎上すると隠れる場所を見つけ、怒ったら漫画を描き、思うままに描きたい作品を描く、これが彼の漫画家としての職分であり幸せである。
『ルックバック』は『チェンソーマン』第一部の連載期間中に芽生えた。一見すると全く異なるスタイルだが、実際には藤本タツキの「自由」の核を持っている。
自分の才能に自信がある藤野と「引きこもり」の京本、見た目には全く合わない二人の少女がクラスの新聞の漫画コラムを通じて知り合い、二人で共用のペンネームで漫画を描き始める。年月が流れ、異なる選択が彼女たちの人生に分岐点をもたらす。「読んだ人が死ぬまで忘れられないシーンを描きたい!」と叫ぶ藤本タツキにとって、この作品は昨年の夏に降った雪のようなもので、その出現は確かに驚きだが、同時に十分に優しい。公開されるやいなや『少年ジャンプ+』の短編作品閲覧数の歴史的最高記録を更新し、『このマンガがすごい!2022年』で第1位を獲得。成長、創作、怒りについての物語は、雪のように溶けて消え、寂しさと新たな力を内包している。
これは藤本タツキ本人が証明する回想的な作品で、キャラクターの命名からもその端緒が窺える。「藤野」と「京本」は「藤本」から分解されたもので、元々藤本タツキ本人はそのつもりはなかったが、贺来友治(『地獄楽』の作者で、かつて藤本タツキのアシスタントも務めていた)が「どうせ自分の話を描くなら、自分の名前を入れてみたらどう?」と提案した。自分の物語。二人のキャラクターはそれぞれ藤本の一部を担っている。「本当の一面を表現すると、とても個性的になる」と言うように、藤野は彼の心の中から生まれた分身のような存在だ。自由奔放な性格、過剰なまでの創作欲、画力の差に苦しみつつも筆を止めない決意。京本は彼の成長過程の表現の担い手となり、同じような若い頃の生活環境、「もっと上手く描きたい」という思いから東北芸術工科大学に進学した経験を共有している。藤野と京本は藤本タツキの性格の「反抗」と「静けさ」の二面性を象徴し、彼女たちの異なる人生の道は藤本がかつて直面した選択を反映している。物語の後半は想像のような並行世界で展開され、キャラクターが交錯して再会できる宇宙を生み出す。物語が収束し、現実世界の藤野の手にある四コマ漫画を見ると、涙がこみ上げてくる。 「漫画がもたらす痛みを含めて、味わいながら読んでいただければと思います。私の個人的な経験を知った上で再読すれば、その面白さも増すならば、キャラクターに自分の名前を付けるのも悪くないと思いました。」 実際、その通りだ。『ルックバック』がただの漫画キャラクターの物語であったなら、これほど感動的ではなかっただろう。
『ルックバック』は個人的な回想と個人的なスタイルが充満している作品であり、このような性質の作品を共有する試みは、個々の理解によって異なる解釈を生むことになるだろう。当初の時間設計に基づき、多くの読者は藤本タツキがこの作品で京都アニメーション放火事件の犯人に対する怒りを表現したと考えている。漫画の中で犯人の犯行理由も様々な理由で二度修正され、最終的に現在のバージョンになった。藤本タツキは説明や説明を一切断った。彼が唯一確かに言えることは、この作品は自己救済のために生まれたものであり、過去の自分への別れの作品であるということだ。同時にタイトルの「ルックバック」には背景という意味も含まれており、読者に創作背景にいる人々、机に向かって働く創作者たちの姿に注目してほしいという意図がある。 「『ルックバック』は丁寧に描き、心に刻むべきものだ。」 漫画への愛、様々な感情への大切な気持ち、創作への渇望、真実の愛と怒りが、漫画家藤本タツキを前進させ続ける。

投稿 : 2024/08/14
閲覧 : 79
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4

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メガマインド さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:----

何かを創作した人なら心に刺さること間違いなし

チェンソーマンでおなじみ藤本タツキ先生の衝撃の短編の映像化

短い上映時間ながら満足度の高い一作に仕上がっている。

アニメーション部分は押山清高という超絵が上手い監督がひとり

描いているから驚き

冒頭のクレしんっぽいアニメーションはアニメ化ならでは

藤野ちゃんと京本ちゃんは創作をしたことあるなら共感することうけあい

創作の原動力となるとなかろうか

後半あの事件を彷彿とさせる場面もあり

そこまで余すことなく描ききる監督と原作者

凄すぎます。ヤバすぎます・

藤本タツキ先生の創作のエネルギーの原点なのかもしれない

投稿 : 2024/08/09
閲覧 : 38
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4

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ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

感動するも恐ろしい作品

わずか58分という短編ながら、完成度という意味では今年一番なのでは。
最近の超絶綺麗な作画に逆行するかのように、
粗削りな作画のアニメーション。
しかしそこが大変良い。
原作漫画も読んだのだが、原作の雰囲気がそのまま出ている。
さらにアニメの良さを生かし、動きで感情を表す素晴らしさ。
とても分かりやすくなっているし、素直に感動できる良作であった。
決して楽しい物語ではない。
しかし、これでもかと現実を突きつけてくる。
生きることの素晴らしさと辛さを存分に味合わせてくれる作品ではないだろうか。
ちなみに原作は、あのチェーンソーマンを描いている藤本タツキさんである。
{netabare}
この作品について、見た直後の印象と、よく解釈してからの印象がだいぶ変わる。
どちらかというと、恐ろしい作品だ。
ざっと見た感じでは、藤野と京本、二人が心を通わせた感動の物語に見えるが・・。果たして藤野は幸せなのか?
いや、それを視聴者が言うことでないのは分かるのだが。
ここで映画タイトルの「ルックバック」が効いてくるのだ。
この意味は、もちろん作中で京本の描いた四コマ漫画のタイトルであり、京本の事件を聞いて茫然自失となった藤野を救った言葉でもある。
「後ろを振り返って見て」
しかし、藤野の状況はどうだろう?
ずっと一緒に漫画を描くことを夢みていた京本はいないのだ。
映画の最後は、静かに、静かに藤野がペンタブに向かって漫画を描くシーンで終わっている。
孤独なのだ。孤独に戻ってしまったのだ。
こんなにも現実を残酷に描きだしている作品があっただろうか。
{/netabare}
とてもハッピーエンドではないこの作品、私はますます好きになった。

投稿 : 2024/08/04
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10

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101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

しっかりと狂っている鋭利な漫画創作物

多才で学級新聞の4コマ連載も器用にこなす小学4年生・藤野。
引きこもりでありながら背景画4コマで藤野を凌ぐ絵を出してくる京本。
少女2人の運命が交錯していく半生を描いた藤本 タツキ氏の同名読み切り長編コミック(未読)の劇場アニメ化作品(58分)

【物語 4.5点】
成果=才能✕投入時間

以前どこぞのビジネス系動画で耳に挟んだ公式が思い浮かんでずっと離れない。
余韻を引きずる創作青春物語でした。

舞台モデルとなったのは原作者出身地の秋田県にかほ市。
雪国の田舎町でクラスで1、2番くらい絵が上手かったくらいで、画家になれるわと褒められ舞い上がった少女が、
京本の圧倒的な才能に直面して狂わされる。

天才に追い付こうと藤野は青春全てを漫画に捧げようとする。
友人とお付き合いする時間、武芸に励む時間など、
社交性が高い陽キャ人間属性を全てかなぐり捨ててまで絵に没頭する。
が、引きこもりの京本は、それ以上の時間を投入して、さらに先を行ってしまう。
元々自分より画力がある人間が、学校に行くのをやめたというハンデを生かして、自分以上に絵を描く努力をするのだから当然だ。

漫画家を目指すのもまた、全うな人生のレールから外れる狂気。
持てる才能を、どれだけ人間やめて育めるかの勝負。

幼い頃は絵が上手いともてはやされるけど、成長して、やがて社会に出る現実が迫って来ると、
絵なんていい加減卒業しなきゃと白眼視される。
挙げ句、友人には「オタクだと思われてキモがられちゃうよ」と言われる藤野。
因みにこのセリフ、原作者が実際に言われた言葉とのことで。


こうした作家志望の狂った部分が序盤から容赦なく描かれている。
だから終盤、才能への嫉妬ゆえの(※核心的ネタバレ){netabare} 絵をパクられたと京アニ放火事件さながらに襲撃事件を起こす男の狂気も、{/netabare}
本作の文脈から、作家志望なら嫉妬の処理を一歩間違えばこうなるのかな?くらいには納得でき恐怖しました。

本年は、短尺ながら鑑賞消耗度が高いODS(非映画デジタルコンテンツ)のアニメ作品興行が多い印象ですが、
本作は、その中でも特に心を削って来る内容。

海外サイトではドラマだけではなく、ホラー、サイコスリラーにも分類されている『ルックバック』
これをG(全年齢対象)に区分した映倫。
やっぱり冒頭10分くらいしか審査してないのでは?という私の疑念がますます深まりますw


【作画 4.5点】
アニメーション制作・スタジオドリアン

絵描きたちへの賛歌を志向し、手描き感を残した映像を追求。
押山監督は脚本、キャラデザ、作画監督と兼務を重ね、
監督自身も最後の1週間に原画1000枚を量産するなど、
まぁまぁ人間やめてる少人数制作の狂気で応える。

原画のラフな線を動画に残すため“原動画”なるポジションも設定。
妙に生々しい本作のアニメーションの質感を支える。


創作シーンについても、普通は絵を紙に描き込んでいる様子などが思い浮かびますが、こうした描写は本作では割と少なめ。
むしろ、貧乏ゆすりする藤野の後ろ姿。
その後ろ姿のバックの四季が次々に切り替わる光景。
デッサン鍛錬で積み上がるスケッチブックの山。
など創作の狂気に囚われた人間が、膨大な時間を投入する有り様を強調する表現が際立ちます。

寝食も忘れて創作に没頭する人間って、やっぱりトイレで座ったまま寝ちゃうんだなw
何かにここまで人生を捧げた経験がない私には、
こうした創作アルアル?表現が興味深く、刺激的でした。


{netabare} 藤野が京本に自分の漫画を褒められて舞い上がるシーンの雨天。{/netabare}
{netabare} 中学時代、藤野と京本が応募漫画作品が初めて入選した雪深いコンビニの一夜。{/netabare}
漫画の道が開けていく場面の荒天。
ここも才能と努力で、陽の当たる“普通の”人生から外れていく方向性も想起させられ心に残りました。


【キャラ 4.0点】
主人公・藤野。
“みんな”にキモい、案外、絵が普通だったと手のひら返された自分の4コマ漫画を、
誰よりも、ちゃんと見てくれていた引きこもり超絶背景マンの京本。
{netabare} 自分よりも才能がある奴と思って嫉妬していた人間から自分を認められる。
こんな劇薬ぶっこまれたら、退路を絶って人間やめて漫画家の道を猛進するしかありません。{/netabare}

京本にとっても藤野は憧れの“先生”であり、外の世界の光をもたらしてくれる救世主。
ある種の共依存にも結ばれた名コンビ。
その関係性の変化も本作を痛切にしているスパイスです。


【声優 4.0点】
作画に手描きの生っぽさを求めるならば、演技にも記号化されない天然素材の生っぽさを求める。
こうした方針の元、キャスト陣には、
主演の藤野役に河合 優実さん、京本役に吉田 美月喜(みづき)さんと、
俳優陣をオーディション選出。
一方で記号化されたキャラ作りを求めたい作中4コマシーンには、
森川 智之さん、坂本 真綾さんと声優陣を起用。

筋は通っていますし、実際メインお二方の演技は上々でした。
あと、メインお二人は顔立ちも、どことなく藤野&京本に似ている気がしますしw

河合さんは接する人間によって仮面(ペルソナ)を起用に使い分ける、
藤野の社交性を好表現できていましたし。

吉田さんも引きこもり成分が天然配合された京本のボイスがハマっていました。

音響も良質な天然素材を確保したと慢心せず、
例えば京本の秋田弁訛(なま)りが、藤野に連れられ外の世界を知る内に徐々に訛りが取れて明るくなっていく。
その変遷を表現してもらうため“訛り変化一覧表”を用意するなど、
細部に渡るディレクションで素材を引き出す好采配。


が、昨今のアニメと実写の中間領域で求められがちな“ナチュラルな演技”とやらも、
今のアニメ声優ならば十分できると思っている私の強固な価値観を揺るがすまでは行かず。
ここもベターであってもベストではない。4.0点が上限ということで。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は青森出身の音楽家・haruka nakamura氏。

雪国から、ギターの才能の自己実現を求めて上京したという同氏。
同氏のアーティストとしての原点は、秋田などがモデルの本作の世界観と親和性があります。
純度の高いピアノ、ストリングスに時に聖歌隊の歌声もアレンジした歪なくらい美しい楽曲群は、
ここも、さながら才能に殉じて人生を捧げる絵描きたちへの賛美歌の様相。

そして、こうした創作への“殉教精神”は同氏が作編曲したEDの女性ボーカルバラード「Light song」で極致に達します。

投稿 : 2024/08/01
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19

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たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

美大生あるある

原作は未読。前にも少し書いたが、藤本タツキは同じ「東北芸術工科大学美術科洋画コース」の卒業生であり、4つ下の後輩である。

本人には直接の面識はないが、聞いた話によるとなかなか地味な人だったらしく、大学でもすごい才能でもてはやされていた訳ではないようです。

なので、正直「チェンソーマン」を読んだときに、少年ジャンプ特有の個性的な天才タイプの漫画家ではないと思ってたので、さほど注目していなかったがここまで売れるとは本人も思ってもいなかっただろう。

本人はどちらかといえばコミック「アフタヌーン」や「ビックコミック」のようなアート系の作風であり、王道な作風とはかけ離れたタイプの人間である。

僕は正直「ジャンプっ子」だったので本来のスーパーヒーロー的な作品が非常に好きだが、藤本君はおそらく「仕事」として描いていたのだろう。「チェンソーマン」自体がそもそも「アンチジャンプヒーロー」な作風のためこの「ルックバック」が本人の持ち味。。つまりは「作家性」なんだと思う。

だからこそ興味あって、映画館までわざわざ見に行った(しかも大手の映画館では上映してない)が、結論から言うと「ほどほどに良かった」

正しく内容は彼の自伝的な作品で、小学生時代の学級新聞に載った漫画を他人から褒められてプロを目指そうとしたり、ライバルが現れた途端に急にやる気を失ったりと。。。その道を目指したことのある人間には「あるある」と頷いてしまうシーンが多いのだが、主人公を女性にしたことは一応ジャンプ的な「友情」話なので「照れ隠し」として女の子にしたという感じが否めなく少し残念に感じた。

あと、終盤の展開は大学を卒業する際に起こったような出来事と最近の事件を織り交ぜているが、その点を理解できる人間はどれだけいるだろうか。

もう少しストレートに描いてくれたら満点をあげたのだろうけれども、ややスノッブを効かせすぎているためオシャレではあるものの「パンツまでは脱いでいない」

僕は多くの漫画家の短編デビュー作を読んできたが、青山剛昌も尾田栄一郎も冨樫義博も、別にマンガ家を目指そうと思っていない人でも共感できるような感情を揺さぶる短編作品を描いている。

もう少し作家の技量が必要なんじゃあないだろうか?

投稿 : 2024/07/31
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4

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タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

これは★オール5でしょうがない。

詳細は公式サイトでも。あるいは集英社『少年ジャンプ+』の当該サイトでも見てください。

原作は「チェンソーマン」の藤本タツキさん。制作はスタジオドリアン…というより、監督の押山清高さんといったほうがよいでしょう。なにせ原画の約5割を自身が担当されたとか。まさに、本作をアニメとして昇華させることに全力を注いだという感じですね。

んーっと、あらすじとか諸々の話は、他の方や山ほどYouTubeに上がっている感想動画などで言及されていますので、そちらをご覧になられたらよいかと思います。

すでに公開から1ヶ月の現時点(7月末)で、観客動員70万人、興行収入12億円という大ヒットを記録しています。

メインの声優が河合優実、吉田美月喜という、いわゆる女優ということで、専業声優よりも落ちるのではないかという懸念はありましたが、杞憂でしたね。お二人の演技も素晴らしかったです。

そして、本作の音楽全てを担当したのがharuka nakamura。観た方はわかると思いますが、ラストシーンは白眉のひとこと。ただただ、デスクで漫画を描き続けている藤野の背中と、大きな窓。そして、主題歌「Light song」とともに、東京の暮れゆく空の移り変わり。もうね、滂沱の涙でした。

「クリエイターなら、二人の心境をうんぬん」といった御託は言いたくないかな。よく耳にするネットミーム「考えるな、感じろ」なんて言葉、あんまり意識したことなかったんですが、本作で生まれて初めて腹落ちした感じです。

えっと、まだ劇場公開中なので、観てくるといいですよ。

投稿 : 2024/07/31
閲覧 : 54
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3

さあや さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.2
物語 : 1.0 作画 : 1.5 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

決して万人受けではない。全然刺さらん。

小1時間の時間配分で1700円。それでも評価が良いと聞いたのでいきましたが、
全然盛り込んだ内容がなかったですね。客席は満員だったので、宣伝効果やチェンソーマンの人が書いているというところから集まるのだろうけど、絶対に万人受けじゃない。
安易に普及していい作品ではないと言いたいです。

自分は何を伝えたいのかどこに泣く要素があるのかわからなかったし、なぜ一時間しか出会っていないキャラにそこまで思いを寄せれるのか謎でした。

多分自分の言ったこと、行ったことに後悔して泣いているところにグッとくるのですが、
それだけじゃ物足りねえよと正直引きな気持ちで思いました。


サブスクで一年後にみたかった。
みなさん良いとおっしゃっていると思いますが、本当に刺さらない人間もいるので、視聴しようと思っている人は熟考した方がいいと思います。

投稿 : 2024/07/23
閲覧 : 252
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ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

とても上手く構成された物語。でも、だけど、なんだか、やっぱり鬱…

この作品の原作は、読んだことがありません。
予告編からは 、夢に向かう青春ものと思っていました。
すっかり気を抜いて無防備な状態のまま観てしまったのだけれども・・・。
これ、原作を知らずに観た人、どれだけいるんですかね?
感動とか、悲しいとか、そんなレベルじゃありません。
とても憂鬱、メンタルやられる、とてもモヤる、そんな感じ。

ここからは、ネタバレです。

■構成がすごく上手い
{netabare}
「ルックバック」とは、「振り返る」とか「回想」の意味です。
まず、この物語が本当に上手いと思うのは、この「振り返る」瞬間からです。

一般的な話として、青春期、特に中学、高校と一緒に努力した友人がいたとします。
しかし、進む道が違うことで次第に会わなくなります。
そのうち自分のことに忙しくなってその友人のことは忘れてしまいます。

では、その友人のことを思い出すきっかとは、どんなことでしょうか?
人づてのうわさや結婚等の近況報告でしょうか?
いろいろありますが、その程度なら、ただの思い出程度に懐かしくなるだけです。
「振り返る」まではしません。

しかし、今の自分が存在するのは、実は、その友人のおかげだったと。
そのことに本当に気づくきっかけとなると話は違ってきます。
なぜなら、それは、その友人を失ってからだからです。
人は、失って初めてそれが尊いことに気付くことができます。
そして、その友人と過ごした日々を「振り返る」ことによってそれを実感します。

この物語では、「懐かしむ」ことと、「振り返る」ことの違いをはっきりと示します。
まず、ここが上手いなと思いました。

この物語では、主人公の昔の友人が事件に巻き込まれ死亡します。
そして、お通夜にその友人の部屋の前に来た時にクライマックスに突入します。

そのきっかけとなったのが、当時、主人公が書いた4コマ漫画を見つけたときです。
その漫画のおかげで引きこもりだった友人が外の世界に出てきました。
しかし、その漫画がなければ、結果的には死なずに済んだのではと思います。

主人公は、その漫画を破り捨てますが、それに呼応するように、
今度は、その当時、友人が書いた4コマ漫画が主人公の前に現れます。
このシーンは、ドア越しに行われますが、このあたりの構成が、
まるで、4コマ漫画を通して、死んでしまった友人と会話をしているようです。
そして、その内容は、主人公がいて良かったと言ったものでした。
それは、主人公の悲観的な気持ちに「ちがうよ」と答えているようでした。
また、それだけではなく、このシーンをきっかけに、もしもの世界と、
主人公と友人が一緒に過ごした過去の回想がどっと押し寄せてきます。

このあたりの話の構成は、本当に鳥肌ものでした。
それは、主人公の気持ちに共感できるとか、そう言うレベルの話ではありません。
まるで、視聴者の心が乗っ取られたかのような感じです。
視聴者の頭の中に、その友人と過ごした日々の回想と主人公の
どこへもぶつけようのない気持ちが渦を巻いてどっと押し寄せてくるからです。
{/netabare}

■憎らしい小細工
{netabare}
「振り返り」シーンの最後の小細工も、また憎らしいです。
それは、「ルックバック」のそのままの意味の演出も入れてきているからです。
主人公が部屋に入って、「後ろを見る」と、そこには、とあるものがありました。
それは、かつて友人にせがまれて背中側にサインをした上着です。
そのサインをみるためには、もちろん「後ろを見る」必要があります。
また、友人が書いた4コマ漫画のオチも「後ろを見ろ」的なものでした。
他にもありますが、仮にこれらに気付かなくてもストーリーには影響はありません。
しかし、こう言った主題を使った仕掛けをいれてくるのはなかなかだと思います。
{/netabare}

■まとめ

なんだろう、この鬱な感じは・・・。
と、考えてみた結果、それは「理不尽さ」なんだろうなと思います。

夢に向かって努力していた最中に全然関係ない第三者にその道を断たれる。
現実世界でもそう言った暗いニュースは良く耳にします。
そのため、珍しいことでは無いのかもしれません。
でも、そう言った出来事を耳にするたびになんとも言えない怒りがこみ上げてきます。
しかし、いくら怒りをぶつけたところで、元に戻ることはありません。

この作品でも、恐らく嘘であってほしいと思いながら観続けた人は多いでしょう。
そして、一瞬、その救いとなるようなストーリー展開にもなります。
あっ、やっぱり、さっきのは嘘だったんだと思いながらも胸騒ぎが止まりません。
そして、その想いは空しくこれは本当のことだったんだなと現実に突き戻されます。

この理不尽さを目の当たりにして嘘であってほしいと言う願いを見事に打ち砕く。
そんな人の心理を巧みに操れるこの原作者さんは、本当に狂っている・・・。
「天才と狂気は紙一重」と言われますが、まさにそんな感じです。

メンタルやられますが、それでも観て良かったなと思える作品でした。

投稿 : 2024/07/15
閲覧 : 227
サンキュー:

18

anikorepon さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

どちらかといえば、アート系作品

原作未読

ストーリーはシンプルだが、いい感じ。
作画は漫画がそのまま動いているような独特の雰囲気。
動画となり、声や音楽、効果音など加わり、
漫画では味わえない良いものになっていると思う。

さらに、映像という媒体により時間経過が加わったのは良い効果だったと思う。
戻せない時間を主人公と体験することができる。

転生ものやループものなどのファンタジーではない現実世界で、
主人公が過ごす濃密で充実した青春。

大人になってから自分自身を振り返った時、その軌跡はどこへ向かって進んでいたのか?
これからどこへ進むべきなのかを二人の主人公を通して思い起こさせてくれる。

しみじみとした良い作品である。

投稿 : 2024/07/15
閲覧 : 40
サンキュー:

3

ネタバレ

Usotarou さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

久しぶりにアニメ映画を見たが大満足

 上映時間は短く、話のボリュームとしてはあっさりしているが、完成度が非常に高い。
 
 キャラクターの表情や感情に合わせた動きなんかはやり過ぎ感もないしかといって動かなすぎ感もない。キャラによっての性格の違いによる動きなんかも非常にうまいので違和感が一切ない。紙がひらひら落ちるシーンなんか抜群にうまい。建物の中の音や屋外にいるときの環境音もリアル。家のフローリングの模様も細かくて「ああ、こういう家あるよね」という感じだった。部屋の中もしっかり描かれている。背景もしっかり描かれていて懐かしさのある田舎の風景や洗練された都会の風景も美しい。引きの画から走っているキャラによっていくシーンなんかはも違和感が一切ない。音楽が抜群に良い。オープニングの音楽からなぜか泣きそうになった。声優の演技もリアルだけどアニメと非常に馴染んでいてよかった。方言もおそらく自然な感じで、最初は聞き取れないぐらいのリアルさだった。ストーリーとしては意外と単純なのだが、くどくないし、ラストのタイトル回収の1番の見せ所までが非常に美しくまとまっている。

 作画演出音楽ストーリー声優。どれも非常に完成度が高いと思う。

 思春期あたりの子供の危ういエネルギーみたいなものを感じ、あの頃を思い出した。大人になった自分を突き動かすものはもっともらしい理屈なんかではなく、あの頃の大切だった人の笑顔なのかもしれない。

投稿 : 2024/07/10
閲覧 : 45
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ルックバックのストーリー・あらすじ

漫画へのひたむきな思いによって出会った2人の少女の姿と運命を描いた、藤本タツキの同名読み切り漫画を劇場アニメ化。
小学4年生の藤野は、学年新聞で4コマ漫画を連載している。そんなある日、学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生、京本の4コマ漫画の画力の高さに衝撃を受ける。ひたすら漫画を描き続けるも、京本との画力差に打ちひしがれた藤野は漫画を描くことを諦めてしまう。しかし小学校卒業の日、京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで京本から「ずっとファンだった」と告げられる。(アニメ映画『ルックバック』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2024年6月28日

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