どらむろ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
地獄スパルタ学園ギャグ→トンデモデスマッチ。ワシが男塾塾長江田島平八である!
80年代少年ジャンプ黄金期の名作の一角。
全国から集まった不良達が、教官(教師)の軍隊式?な地獄超スパルタ教育(というか普通死ぬだろ!?)に友情とド根性で切り抜けていく、トンデモない伝説のギャグ作品ですw
後半からトンデモバトル路線に移行するも、原作途上で終了が残念。
※トンデモ起源解説「民明書房」や
雷電「むう、あの技は!」→誰か「知っているのか雷電!?」
王大人「死亡確認!」
等々の元ネタ作品です。残念ながらアニメは有名ネタが確立する前に終わってます。
{netabare} 『物語』
男塾と言えば、トンデモなデスマッチやりながら「むう!あの技は!」「何!知っているのか雷電!?」
雷電「解説」
ゴルフの起源が中国の呉竜府(ご・りゅうふ)から来ている等々のウソ起源説など、とにかくトンデモなギャグ(本人達は大真面目に死闘を演じているのだが)というイメージかもだが、実は初期は別にバトルマンガでは無かったのです。
※まあ、他作品だけど遊戯王だってカードゲームばっかりやってるイメージだけど初期は他のゲームもやってますしね。
途中からバトル路線に移行するのは当時のジャンプのお約束ですかねw
アニメは全34話中半分くらいを初期の学園ギャグに費やしているので、男塾のイメージとちょっと違うかも。
しかし、実はこの初期のノリが、結構楽しいです。
「男塾名物直進行軍」でヤクザの事務所もブッ壊して進軍したり、普通なら命いくつあっても足りないようなトンデモなしごき(虐待という生易しいレベルじゃない!普通死にます)を、ド根性で克服する!
…バカバカしい事この上無いのですが、たまには男達の泥臭い友情パワーや絆で理不尽をブチ壊す、そんなノリもアリかな~、と。
ネタバレですが「この作品、どんなトンデモな展開でも絶対に主要キャラに死人は出ません」
なので、安心してトンデモなシゴキを笑い飛ばせます。
そんな地獄の学園生活で培われる友情は,悪くない。
一号生筆頭の剣桃太郎が、最後はきっちり悪徳教官や悪徳上級生をギャフンと言わせてくれるので、スカっとするのも良し!
弱虫の椿山が頑張る話や、富樫が詐欺師の老婆と交流する話など、個別キャラの持ち味もきちんと描かれている。
16話で「男塾名物・羅惧美偉(らぐびー)」で毒薬飲んで解毒剤を巡ってラクビー対決する辺りから雲行きが怪しくなってくる。
17話から「驚邏大四凶殺(きょうらだいよんきょうさつ)」なるトンデモデスマッチが開幕、いよいよここからが男塾の本領発揮ですw
両軍4人ずつ参加、巨大鉄球を押し上げながら富士山を登り、途中で1名ずつがデスマッチやるという、狂気のバトル展開に!
死ぬ死ぬ!?こんなの命がいくつあっても足りんわ!
実際両軍とも壮絶な相打ちが続き死亡者続出するが…
本作は死ぬ死ぬ詐欺のオンパレードなので、安心ですw
大将戦の剣桃太郎対伊達臣人がベストバウトだが、次鋒の富樫対飛燕も熱かった。
決してスマートでは無いが、ドロ臭くてもカッコ悪くてもド根性で粘りまくる、そんなバトルも近年あまり見ないので、たまには良いと思ったです。
次シリーズ、大威震八連制覇(だいいしんぱーれんせいは)編、前回死んだと思われた8人が全員生きてるW
まあ半ばギャグ作品なので…
※近年では「悪魔のリドル」が全員生きてて視聴者を呆れさせたが死ぬ死ぬ詐欺は男塾が20数年前に通過した道だッッ
まあ、どっちもギャグ作品と割り切れば…
初戦のジェイ&雷電チームの友情が熱かった。
昨日の敵は今日の友。少年ジャンプ王道展開は燃える。
前シリーズで強敵だった雷電が味方になってくれるのは頼もしい。
ジェイ怒りのマッハパンチ!
…バトルのテンポが良い。
1戦1話か2話で決着するのでテンポ良く、白熱のバトルで飽きさせない。
応援や人間橋架ける等の支援で、2軍の仲間達にも見せ場があるのも好印象。
主人公達は皆で闘っている。友情・努力・勝利!
これぞ少年ジャンプ黄金期の王道作品!
しかし、途中から打ち切りの影響か、富樫や月光、伊達らの見せ場が省略されたのが非常に残念。
最終回は総集編に過ぎないのも残念。
原作はここからが面白くなっていく途上であり、アニメはここで打ち切られているのが惜しまれる。
物語評価は4点以上付けたいところだが、終盤でかなり減点しました。
とはいえ、序盤の学園ギャグも含めて男塾の魅力は十分ありました。
『作画』
80年代なので悪かろう、と思いきや、意外や作画は決して悪くは無いです。
無論絵柄は古いですが、逆に独特の味わいがある。
OP絵像を見ても、落ち葉が舞い散る→炎が飛び散る→炎に照らされて桃の顔に陰影が走る…等々の表現を見ても,当時の映像技術を駆使して十分なクオリティー出していると思った。
一号生の寮のボロくて薄暗い様子等も繊細に描かれていたり、バトルシーンの迫力含めて、作画クオリティーは中々です。
本作は80年代も末、90~2000年代初期の一部劣悪な作品よりは良い方なのでは。
『声優』
剣桃太郎役の堀秀行さんの、艶のあるイケメンボイスが素晴らしい。
いい男はすぐに激したりはしない、クールに闘志を秘める美男子振りを存分に発揮。
近年の若手声優では中々この領域は難しい気がします。
※近年では緑川光さん(フェイトゼロのランサー)や小山力也さん(同じく衛宮切嗣)辺りが何とか匹敵しそう。お二人ともベテランですね。
…余談だが堀さん、近年では「健全ロボダイミダラー」の帝王様でもあったり。
剣桃太郎初め名だたるジャンプヒーローを演じてきたイケメンボイスがぺンギン帝王を…と思うと感慨深いですW
他にも江田島塾長「ワシが男塾塾長江田島平八である!」故・郷里大輔さんの大喝も印象的。
アメリカ人ボクサーのナイスガイ、ジェイの銀河万丈さんの渋さ等々、塾生皆男気溢れる渋さ。
鬼教官にして小悪党な鬼髭のウザさも千葉繁さんならではだろう。
『音楽』
OP「汚れっちまった悲しみに…」
ED「幾時代ありまして」
ともに男気溢れる名曲。カラオケで歌いたくなる♪
いや、意味はちょっとついていけないのですが、独特のナニワ節を感じる。
『キャラ』
とことん男のアニメ、女性は軽薄モブ女性と詐欺師の老婆と占い師の老婆しか出てこないですW
主人公の一号生筆頭・剣桃太郎がとにかくカッコ良い。
クールな美青年で余裕のあるスカした態度、今で言う俺強え系なのだが、十分な魅力と説得力がある。
義と友情に厚く、友の為には命を賭ける男気ある主人公でした。
一号生の仲間達が個性派かつ友情に厚い奴らで、初期の地獄学園のノリは楽しく、後半のデスマッチでも大活躍。
実際闘う桃、富樫、ジェイ、虎丸の4人だけでなく、戦力外の仲間達にも応援合戦や人間橋等で命を賭けた見せ場があり、要らないキャラが一人も居ないのが良い。
インテリを自認しつつもアホだった田沢が大威震八連制覇では実際にナイスな知恵で仲間の危機を救ったり、脇役達の魅力が高い。
江田島塾長の謎の貫禄や、鬼髭ら悪徳教官の小悪党っぷり等々、キャラは濃いです。
雷電といえば「知っているのか雷電!?」ネタが有名だけど、残念ながら原作途上で打ち切られたアニメでは雷電が解説する機会が無かった…。
アニメだけだと、雷電は結構強キャラでジェイとの友情が印象に残る。
富樫がド根性で大活躍するのもアニメがまだ原作初期だから、アニメが打ち切りのお陰で富樫は最後まで一軍なので良かったかも知れないW{/netabare}
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