褐色の猪 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
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ストールンプリンセス キーウの王女とルスランの感想・評価はどうでしたか?
褐色の猪 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
101匹足利尊氏 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
【物語 3.0点】
内容自体は普遍的な勧善懲悪ファンタジー。
愛の力を悪用する悪の魔法使いにさらわれた姫を助けるため、
彼女と恋仲となった三流役者の青年が騎士を気取って奪還に向かう。
魔法使いに至っては我こそが悪だと言っちゃうくらい単純明快w
今回の上映企画は、ウクライナ戦争の戦火に苦しむ人々のために何か出来ないかと思った日本の制作会社の一社員が、
新会社を設立してクラウドファンディングも交えて国内での日本語吹替版の上映にこぎ着けた、
ウクライナ支援色の強いプロジェクト。
収益の一部は本作を制作したウクライナのスタジオや、ウクライナ政府等に寄付される。
プロジェクト主催者は、本作の愛と正義のために諦めずに戦う主人公青年の姿に、
ロシアの侵攻に立ち向かうウクライナの人々の姿を重ね合わせたとのこと。
ただ、本作自体は2018年ウクライナ等公開作。
企画自体は2014年のロシアによるクリミア併合以前に立ち上がった物。
決して悪魔のプー◯ン打倒を祈願してどうこうという作品でもないのかなと。
そもそも原作となった童話詩は19世紀ロシア帝国の大詩人・アレクサンドル・プーシキンによるもの。
その童話詩の元ネタは、ウクライナ、ロシア両国がルーツを求めるキエフ大公国の神話から。
作中チャイコフスキーの「くるみ割り人形」“花のワルツ”のリズムに乗って、
“ネコ”にポンコツ騎士共が始末される件などを眺めていると、
ウクライナ、ロシアは共通する文化圏に属するのだなと再認識させられます。
キーウでも長年親しまれてきた詩人プーシキンですが、
ウクライナ戦争開戦後は、反露感情の高まりにより、
彼の記念碑等も次々に撤去されているとのこと。
現下のウクライナ戦争は隣国同士が傷付け合う悲劇であることを改めて思い知らされます。
堅苦しくなってしまいましたが、本作自体は、
シナリオで引っ張ると言うよりは、アニメーションの動きで楽しませる。
肩肘張らずに気軽に乗れば良い感じのエンタメ冒険譚。
世界観も、ウクライナの伝統文化よりも、西欧ファンタジー要素も取り入れた間口の広い作品なので、
これでウクライナのこともっと勉強しようとか、事前の予習とかは不要。
頭空っぽで楽しめば全然OKですし、むしろ何も考えずアニメを楽しめる世の中を願うことが、平和祈願にもなるのだと思います。
但しギャグは汚ネタ方面でチョイチョイ下品ですw
【作画 4.0点】
ウクライナ・キーウのアニメスタジオ・アニマグラッドによる3DCG作品。
人物もオーバーによく動きますが、小物や、ドタバタ劇の二次被害で崩れる足場や、
魔法にかかって襲撃してくるお菓子なども躍動して楽しませてくれます。
しばしば小動物の一人称視点も交えるなど自由なカメラワークもCG作品ならではの遊び心。
キャラデザはディズニー等も彷彿とさせますが、ミュージカルには頼らず、
あくまでアクションで魅せていく愚直さは一線を画します。
主人公&ヒロインの恋の進展を、CG背景の美しさで演出する件もまたテンプレート。
キーウの夜景などを眺めていると、やはり、こんな美しい土地にミサイル撃ち込むなよとの感想が頭をよぎってしまいます。
【キャラ 3.5点】
自分はどうせ三流役者のままと燻っていた主人公青年・ルスラン。
籠の中で過保護にされていた冒険志望のオテンバ王女・ミラ。
なりたい自分になれば良いというメッセージ性が込められたキャラ造形もまたトレンドであり、
2人が惹かれ合う共通項ともなる。
ミラ王女は囚われの身になっても城内を逃げ回って魔法使いを手こずらせる暴れ馬ぶりで、
助けを待つばかりでない力強いヒロイン像を体現。
こんなジャジャ馬のどこに惚れたんだかとの魔法使いの愚痴。何か共感してしまいましたw
悪の魔法使い・チェルノモールは前述の通りの変哲もないワルですが、
冒険の道中現れる連中は曲者揃い。
{netabare} 動物アレルギーによるクシャミでキノコ雲を発生させる巨大生首の勇者の亡霊とかw{/netabare}
特に沼地の巨大ヒキガエルは“裏ボス”と言っても過言じゃない気色悪さw
この種の冒険劇で主人公に絡んで来る三バカ兄弟騎士も定番のスパイスに。
(※核心的ネタバレ)ラスト{netabare} みんな仲良く暮らしましたとさ♪で締めくくられる本作ですが、
巨大ヒキガエルのチューでカエルに変えられた三バカのことが無かったことにされている辺りがシュールでしたw{/netabare}
【声優 3.5点】
主人公ルスラン役にはボーイズグループINIのメインボーカル髙塚 大夢(ひろむ)さんが声優初挑戦。
正直、演技は拙いですが、未熟な三流役者の青年が姫を守る騎士だと背伸びして成長するという役柄もあってか、
初めてなりに一生懸命に演じてくれたので形にはなった感じ。
王女ミラ役・高橋 李依さんは流石の安定感。
終盤{netabare} チェルノモールがミラに変身し、もう主人公のことは好きじゃないと心を折りに行く悪の定番策略{/netabare} がありましたが、
声色の変化も含めてヒロイン力を発揮できていたと思います。
その他、敵魔法使いチェルノモール役に多田野 曜平さんの高笑いからの墓穴掘り芸。
旅の相棒レスター役に岡本 信彦さんの文学青年の巻き込まれ芸。
三バカ騎士のリーダー・ファラフ役に森久保 祥太郎さんのナルシストうざ絡み芸。
脇は実力者で固め冒険アニメの定番セットを安定供給。
オテンバなミラを過保護にする国王役には俳優・別所 哲也さん。
今回の日本上映企画をラジオで応援した縁で出演。
さらには騎士のクセに“馬酔い”するw三バカ兄弟の太っちょ・ロデ―役の工藤 ディマさん。
彼はウクライナ戦争から避難して来日し、現在は劇団ひまわりに所属。
日本のアニメ、映画に憧れ稽古を重ねる中、今作で声優初出演。
この辺りのキャスティングもまたウクライナ支援色の強い布陣。
【音楽 4.0点】
劇伴担当はダリオ・ヴェロ氏。
時折スラブ音楽と思しき要素もアレンジされるが、
ここも基本は普遍的なサウンドを追求した重厚なオーケストラで、
シリアスからコメディ効果音兼任サウンドまで幅広くカバーする守備範囲の広さで魅せる。
主人公とヒロインの関係を盛り上げる挿入主題歌。
原曲はウクライナ語ですが、吹替版に合わせて主演の髙塚 大夢さんが日本語バージョンを歌唱。
さらには本編ED後には吹替版主題歌として髙塚さん作詞のINIの新曲「My Story」が披露。
この辺りの音楽パフォーマンスも期待しての主役抜擢だったかと。
いぬわん! さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
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2018年ウクライナ制作。
19世紀ロシアの詩人アレクサンドル・プーシキンの童話詩を原作にしたCGファンタジー映画が、本邦初上映のウクライナ・アニメ映画作品として2023年秋に吹替版が公開。
騎士に憧れている役者ルスランと王女であるミラ。二人はお互いの素性を知らぬまま出会い、やがて恋に落ちる。
しかし、悪の魔法使いであるチェルノモールがルスランの目の前でミラを連れ去り、ミラの愛の力を自分の魔力に変えてしまう。
ルスランは、愛するミラを助けるためにあらゆる障害を乗り越え、本当の愛は魔法よりも強いということを証明するべく旅へと出るが、そこには様々な困難が待ち受けていて…。(アニメ映画『ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン』のwikipedia・公式サイト等参照)
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