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「葬送のフリーレン(TVアニメ動画)」

総合得点
88.0
感想・評価
587
棚に入れた
1860
ランキング
133
★★★★★ 4.2 (587)
物語
4.2
作画
4.3
声優
4.2
音楽
4.1
キャラ
4.2

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☆の総合評価
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葬送のフリーレンの感想・評価はどうでしたか?

ルカルカ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

原作よりも面白いアニメ

原作も読んでますが、アニメ化してさらに面白くなった作品。

ファンタジー冒険ものですが、魔族がいる独特の世界とエルフの主人公フリーレンが人間と関わる事で見せる変化やほっこりする日常パートと動きの激しいバトルシーンも注目です。

今までにない切り口で進んで行くストーリーも好きです。

投稿 : 2024/04/13
閲覧 : 49
サンキュー:

6

ネタバレ

ぴかちゅう さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

向こう数十年試聴に耐えるアニメ

私はだいぶ以前、少年サンデーを読んで育ったのですが、最近は、あまり少年サンデー原作のアニメ話題作も聞かなくなったなぁと思っていたら、こんなに素晴らしい作品が連載されていたのですね。優れた作品にはありがちですが、どのカテゴリーに分類するか難しさもありますが、一応バトルもの・冒険ものになるんでしょうか。

もっとも、最初12話はほとんどバトルもなく、それが唯一の不満だったのですが、後半12話はかなり白熱して、楽しかったです。ただ、フリーレンは強すぎて、特に前半13話では、逆に強さが分かりづらかったり。断頭台のアウラとか、正面から戦ってないですし笑 逆に前半13話でいえば、フェルンvsリュグナーは見応えがありました。あと、フリーレンとフェルンは基本的に一般魔法しか使わない(?)ので、その点からも、強さが分かりづらいですね。他方で、他の魔法使いの魔法はカタカナだったりするので、それはそれで分かりづらいです。服をきれいにする魔法、とかって言ってくれれば分かるんですけどね笑
 
それから、勇者ヒンメルですが、未だに戦っているシーンほとんどない気がします笑 ほんとに強かったんですかね笑

もう少し真面目に評価すると、本作品の特徴は、異なる3つの時代(現在、80年前、1000年前(?))を織り混ぜていることと、寿命の異なるエルフと人間の交流を描いているところでしょうか。これがうまく効いているように思います。特に、本来は感情が希薄なフリーレンが、フランメやヒンメル・ハイター・アイゼンや、フェルンやシュタルクとの交流によって、自分でも気がつかないうちに影響を受けている、という意味では、一人のエルフの成長(?)物語といえるのかもしれません。

それから、私個人として、世界観の設定で面白いな、と思ったのは、魔族は言語を操るのだけども、彼らが言語を使えるのは、話し合いのためではなく、自らに都合のよい状況を作るため、という部分ですね。

あえて微妙だった点を挙げるなら、魔法使い試験で、キャラクターの数がちょっと多すぎたかな、というくらいでしょうか。ただ、競争相手の魔法使いもみんな魅力的だったし、魔法使い試験自体はとても楽しめました。

それと、フリーレンにヒロイン色がないので(フリーレンは主人公というべきでしょうか)、その立ち位置はフェルンなのでしょうが、フェルン可愛いけど、ちょっと面倒くさすぎますね笑 ちょっとやりすぎかなと思います。

向こう数十年、少なくとも20年くらいは試聴に耐えるだろう、トップクラスのアニメだと思うので、久しぶりにかなり高い評価です。

投稿 : 2024/04/10
閲覧 : 51
サンキュー:

11

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

現役の大作がまた1作お披露目を終えて<80>

根底に流れる喪失感、バトルもピンチで覚醒が無く決定論的と上品さはありながらも、世界観はJRPGでエモエモ仕上げとマスを取れる部分ももちあわせてる絶妙な物語。
週刊少年誌というメジャーリーグの競争では看板作品のハイクォリティアニメはもはや標準的な武器ですね、ということで部数は怪しいが一応メジャーなサンデーも現代化に成功といったところ。
続くタマがなさそうなのは御愛嬌。いちごちゃんやらレッド・ブルーとか面白い作品はあるけどマスを掴めるかは微妙なのよねん。
2期は予告されず、当たったので映画でという可能性もありそうな。
最近増えてきた進行中の大作として待機の構え。

小学館乾坤一擲の勝負玉<80>
金曜ロードショーで4話まで視聴。
サンデーに残されたメディア化メガヒット最後の弾として、今更ながらハイクォリティ路線かつ
初回を金曜ロードショー枠で映画尺で放映と、もりもりと力を入れたアニメ化。
アニメでは構成的にヒンメルの残したモノを辿るとう方向に寄せられて、話としての完成度が上がっておりました。

初回としてはここまでやり切る為という側面が強かった推しの子に対して、フェルンとの旅を始めて大きめのヤマまでやりきってしまってた。
原作がよく、クォリティも高いので、やればやるほどいいけど余韻を考えるとハイターの死くらいまでのほうがまとまりがよかったような。
原作が11巻しか出ておらず連載ペースも落ちてきてるのに2クールやるので、本作でやり切るという方針なのか。
長編の黄金郷編が始まるまでの9巻初頭くらいまでやって、その後の映画化も視野に?

投稿 : 2024/04/10
閲覧 : 98
サンキュー:

4

けむ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

まさしく神アニメ

ついに終ってしまいました・・・毎週金曜日の夜の楽しみでしたが、とても残念です。脱力感半端ないです笑
このアニメは間違いなく神アニメになると思います。ストーリー、演出、声優、音楽、作画(特にバトルシーン)どれをとってもは目を見張るものがありました。話の静と動のバランスが本当に素晴らしい!日常回もバトル回も本当に食い入るようにみていたので、1話がいつも10分くらいに感じていました。毎回没入感が半端なかったです。28話のラストシーンも最高でしたね!ですので半年間アッというまでした・・・原作コミックは未読ですが、必ずあるであろう2期が始まるまでに全巻読んでおこうと思います。円盤も全巻購入予定です。
最後に斉藤監督を始め、マッドハウスのスタッフの皆さま、本当にお疲れ様でした!2期も期待しています。あと素晴らしいOP,EDを担当してくれたYOASOBIさん,ヨルシカさん、miletさん、劇半音楽担当のEvanCallさんにも感謝します。H本当にありがとうございました!

投稿 : 2024/04/08
閲覧 : 55
サンキュー:

8

ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良作ではあるけど期待しすぎたかな。。

寿命の永いエルフが魔王討伐後に仲間を振り返りながら生きていく。

設定は面白い。

個人的には・・
~{netabare}
絶賛する程でもなかったかな。
恋愛要素が薄すぎたかな。
勇者に恋してたならもっと切ない物語にもできたと思うけど。
フリーレンの感情が読み取れなかった。
漫画の方が感性を引き出せる作品かもしれないですね。
でもまあ、弟子と旅したりして興味深さはあったかな。
{/netabare}~

見どころのある作品ではあったかな。

投稿 : 2024/04/08
閲覧 : 35
サンキュー:

9

dakiramk3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ギンギラギンにさりげなく

 要するに何が言いたいのかというと、派手なところと静かに情緒に訴えかけるそのバランスが絶妙だったのではないかと。
 世界を救ってしまった後なので、表面上は基本的に静かだけどどうもきな臭いところがあるというにが設定の妙で、そのどちらにも対応できるというのが大きい。
 

投稿 : 2024/04/07
閲覧 : 107
サンキュー:

13

既読です。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ひよった?

人には寿命が有り
だから命は尊いのであって
エルフと人との交流はどうしても
切ないものが生じるものだけれど
フリーレンは淡々とそれを受け止め
それもそれで切なくて・・・

って言う話が、途中から仲間が死なない
数年間のストーリーになってしまって
その切なさがほとんど描かれないし、
場合によっては救済もされるし、
コメディタッチに描かれる始末。

出来ればフェルンと別れ
また一人で旅経つフリーレンを描いて欲しかった。

フリーレン×フェルンの2期あるからかな?

私にとっての種﨑敦美さんは圧倒的に
鎧塚みぞれだったのですが
双葉理央でよく喋るようになって、
アーニャフォージャで確変して、
フリーレンで確立されたなあって感じです。

ホント、アニメの声優さんって凄いです。

投稿 : 2024/04/07
閲覧 : 131
サンキュー:

9

ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

象の時間ネズミの時間、エルフの時間人間の時間

2024/04/05 初投稿
2024/04/06 文末に加筆

魔王を倒した勇者一行の魔法使いフリーレンの話
魔王を倒した凱旋のシーンから始まります
王様は勇者一行の銅像を建ててくれるらしい
出発時には銅貨10枚しかくれなかったとか、ロープレみたいで面白いw
勇者一行の旅は10年に及んだらしい
ここで時間に対する感覚の差が提示されます
ヒンメル(人間)にとっては10年にも及ぶ長い旅(10年でヒンメルの外見はあまり変わっていません何歳から何歳までの旅だったんだろう?結構謎w)
フリーレン(エルフ)にとってはわずか10年(もちろんヒンメル以上に外見が変わっていないです、自分としては12~13才くらいの女子のイメージ)

そう、ファンタジーのお約束としてエルフやドワーフは長寿というのがありましたっけ。そこら辺をストーリーの中核に据えた物語のようです。

ここで思い出したのが昔話題になった「象の時間、ネズミの時間」の話
象の一生は約100年ネズミの一生は約2年
体の大きさと寿命の長さはだいたい比例する
しかし象もネズミも一生の内に動く心臓の回数はほぼ同じ約5億回、ほぼどのほ乳類でも与えられている時間は心臓5億回分。体が大きいほど心臓の動きがゆっくりで長寿、小さいほど心臓の動きは速く短命とか。
この法則を当てはめるならフリーレンは「進撃の巨人」ベルトルトらの超大型巨人クラス以上のサイズの可能性が!!

それはさておき人間とエルフの時間感覚の差って
小さい頃って1年ってすごく長く感じた記憶があります
小学校低学年って次の学年に上がるまでの時間がものすごく長かった
年を取るに従って1年がだんだん短く感じるようになってきたように思います。
現に、自分としてはアニコレを始めたばかりのような気がしているのですが
調べてみると
【2019/10/21】 盾の勇者の成り上がり1期(TVアニメ動画)
「★の数では表せない良さ!!」 というレビューがおそらく最初の投稿でした。
つい最近と思っていたのですが6年目ですねw
既に自分の感覚もどちらかというとフリーレンの側に近いのかも知れません^^;

ところで1000年以上の寿命があるとすると、生物的にエルフはそれほど子孫を残さなくていいことになるし、個体数も限られてくることになります。でなければ世界はエルフだらけになってしまいます。そう言う前提に立って作品世界を見ると、フリーレンが同族にほとんどあった事が無いと言うのも納得ですし、フリーレンやゼーリエが性的な魅力をほぼ感じさせないキャラクターデザインなのも納得です。

だいぶ寄り道をしましたが話を戻します。
魔王を倒し50年後
勇者ヒンメルが死にます
その後ハイターも
二人とも静かに旅立ち、フリーレンも静かに見送ります。
その後の物語は、ヒンメルの死後30年弱が経過した時代の話がメインになり、時折フリーレンがヒンメル達と魔王討伐の旅をしたときの回想が差し込まれます。
全体として静かに物語が進み心地よいです
静か故にBGMが良く聞こえ引き立ちます、一つ一つの楽器の音色まで楽しめます。

旅をしていろいろな土地を訪れますが、余りフリーレンのことは知られていなく、やや腑に落ちないようにも感じました。
魔王を倒した勇者一行の魔法使いですよ!
でも冷静に考えてみると、魔王討伐から約80年近く。
具体的に考えてみると80年前の日本の英雄って誰?
調べてみると、山本五十六当たりが当てはまるでしょうか?
では、山本五十六を近くで支えた人物は?もちろん知らない^^;
フリーレンが知られていないのも納得w

後半1級魔法使い選抜試験になると
内容的に割とにぎやかになり
ちょっともったいなくも感じました
唯一無二の存在から、良作に変化した感じとでも言うのでしょうか?

とは言え、フリーレンが「つい最近」一緒に旅をした仲間を知るための旅はまだまだ続きそうなので、今後が楽しみです。

1話冒頭、最近では珍しく、アバンも無くド直球でOPのYOASOBI「勇者」
ただ自分的にはYOASOBIサウンドは食傷気味なので2回目以降はスルーでした。
ED:milet の「Anytime Anywhere」作品世界にマッチしたいい曲です。
後半OP:ヨルシカの「晴る」は好きで毎回聞きました。



フリーレンは魔法が好きか聞かれると「そこそこ」と答えます。
so so のフリーレン なんちゃって(笑)


2024/04/06 加筆部分
色々余計なことを書いていたら、最重要事項について記述し忘れました^^;まあそれも通常運転では有りますがw

勇者ヒンメルの死に際して、親族の気配が感じられないのがちょっと疑問でした・・・
どちらかというと陽キャのヒンメルが魔王討伐後、妻の一人ももたず一人暮らしの老人になっている?ハーレムとか作らなかったのか?
その理由が14話で描かれていました。
フリーレンに{netabare}「久遠の愛」を示す指輪を贈るヒンメル
しかも、ヒンメルはフリーレンの前に跪き左手薬指に指輪をはめます。
ヒンメルはずっとフリーレンを待っていたのですね!そして再会が50年後の流星の前フリーレンにとってはちょっとの時間、ヒンメルにとっては老人になるくらいの時間だったというわけですね。
そして、ヒンメルの死後
指輪を贈ったヒンメルに天国で会う事を目的に、再び旅に出る指輪を受け取ったフリーレン
奇しくも行程はヒンメルとの旅をなぞるもの
そして作中時折ヒンメルとの思い出が差し込まれる{/netabare}

そう思って見ると、めちゃめちゃエモかったりします!
二人の間にハーフエルフが誕生する世界線もあったのだろうか?

投稿 : 2024/04/06
閲覧 : 244
サンキュー:

28

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

いつまでも観ていられる作品

一応、魔族とのバトルもあるし、終盤は魔法使いの試験による熾烈な争いが繰り広げられたりするけど、基本的にはロードムービーで、会話が多く、フリーレンの回想シーンも要所であり、その度に勇者ヒンメルの存在感の大きさをじんわりと感じられる。当のヒンメルは既に物語の開始時点で亡くなってしまうわけだけど、肉体は死んでも名前やその魂は残り続けるという感じがしてなんか熱いものがこみ上げてくるものがあります。

ときどきバトルシーンもあったりするけど、先にも述べた通り会話劇に比重を置いており、他愛無い感じに見えて言い回しや表現に深みがある。何よりどのキャラもそのバックボーンをしっかり掘り下げていることもあってか人間味溢れている印象でそこに作者の広く温かい眼差しのようなのを感じられ、終盤の試験での受験した魔道士たちとのやり取りからそれが感じられます。

おそらく観る人の年代によって印象が変わっていくんじゃないかなと。

派手さはないものの、いつまでも観ていられる作品でした。

投稿 : 2024/04/06
閲覧 : 298
サンキュー:

24

ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

トキメキを無くした永遠より熱い刹那を

アニメのクオリティが高いし雰囲気がいいし、キャラクター、ストーリーどっちも素晴らしい最高の作品、最後まで面白かった!

OPテーマYOASOBIの「勇者」
この歌をフルで聴いてみてください!
レビュー読まなくてもこの歌の歌詞がネタバレなしで作品のすべてを紹介してくれています!
それくらい物語の深い理解と作品への愛が伝わってくる歌で
この歌聴いてると作中のシーンが鮮明に浮かんできて涙出てくる
推しの子の「アイドル」もそうだけどホント作品の読み込みが素晴らしいしメロディやリズムが作品全体のテーマを感覚的に上手に表現している神曲なんです、YOASOBIさんありがとう、大好きなアーティストです!

作中で一番不思議だったのはヒンメル老けすぎ問題、それともハイターが長生きなだけ?

一番印象的だったのは1話{netabare}
「たった10年一緒に旅しただけだし・・・
人間の寿命は短いってわかっていたのに、なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう?」
この一言がとても重く感じて、思わず泣いてしまいました
仲間と50年会わなくても何とも思ってなかったフリーレンが、たぶん1000年以上生きて初めて流した涙
失ってはじめて、大切なものに気づいたんですね
それがなんかとても可愛そうに思えて、いろいろ想像したら涙が・・・

流した涙と一緒に、「心が鈍い」っていう仮面がはがれていくような気がして
そこからフリーレンの物語が始まった

勇者一行の掘り下げが、ほとんどフリーレンの回想っていうのが斬新で、たった数分の短い回想ばっかりなのにとても心に響いた
心が鈍いはずのフリーレンが、旅の途中の何気ない一コマを鮮明に覚えていて、懐かしむ表情が楽しそうでもあり、切なそうでもあり
勇者パーティの誰かにゆかりがある仲間達は昔話が聞きたいでしょうに、ほとんど仲間に想い出を語らずに、一人でその大事な想い出をかみしめるように回想するフリーレンに心を打たれる

「みんなとの冒険なんて私の人生の100分の一にも満たない」
「その100分の1がお前を変えたんだ」
「一番の理由は、君が未来で独りぼっちにならないようにするためかな」
「おとぎ話じゃない、僕たちは確かに実在したんだ」

回想でしかほとんど出てこないくせに、なんなんですかねこの強烈に心に響く一言は? {/netabare}

好きなエピソードは{netabare} 鏡蓮華の指輪をヒンメルが薬指に嵌めたシーン
シュタルクからフェルンは贈るほうも受け取るほうも意味を知らなかった
ヒンメルはたぶん意味をわかってフリーレンに送った
このあたりからヒンメルの株が爆上がりでした、歯の浮くようなセリフを言われても淡々としているフリーレン
魔王討伐したあと50年、全く会いに来てくれないフリーレンをどんな想いで待っていたのでしょうか?
フリーレン酷いなーって思っちゃうんだけど、永遠に近い寿命を持つからやっぱり心が鈍くなるのは仕方ないのかなって思って
でも、物語を追っていくと「フリーレン薄情」という印象が薄くなりました
もしかして、孤独になるってわかってるからあえて心が鈍いふりをしているのかなって思った
「心の鈍いフリーレンが心を動かされるくらい大切だった」ことにフリーレン自身が気づいていく過程を見せられていくことで、勇者パーティの絆の深さ、ヒンメルの愛の深さ、フリーレンがどれだけ大切に想っていたのかがよく伝わってくるし、伝わってくるからこそ、ヒンメルやハイターがもういないっていう事実が重たくのしかかってくる
でもフリーレンは「誰の記憶から消えてしまっても、私が未来へ連れて行くから」とヒンメル達の生きていた証、成し遂げた功績、楽しかった想い出を背負って永遠に近い年月を生きていく誓いをします
じゃあ、フリーレンの生きた証は、誰が見届けてくれるのでしょうか?
彼女の最期は、誰が葬送してくれるのでしょうか?
彼女と大切な時間を過ごした人たちはみんな天国へ旅立っていく、フェルンもシュタルクもザインも、彼らの孫もそのまた孫もフリーレンは最期を看取り、未来へ連れて行くのでしょう
そんな彼女の永遠に近い時間をずっと寄り添ってくれる人は誰もいない
大事な人がいない孤独な永遠なんて、あまりにも寂しすぎる

ハイター「死んだら天国に行く、その方が都合がいいじゃないですか」
そう、都合がいい
死んだら消滅してしまうのだったら、フリーレンは本当に孤独になってしまう
死んだヒンメル達が、天国にいるって思うほうが都合がいい
だから彼女は、天国を目指すのでしょう
{/netabare}
永遠の孤独を抱えながら孤独に気づかないふりをしていた彼女
永遠の孤独から救ってくれた勇者たち
大切な人の想いを背負って永遠を生きる優しいフリーレンを好きになれずにはいられませんでした

投稿 : 2024/04/06
閲覧 : 312
サンキュー:

35

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

平和な時代の魔法使い

魔王討伐を成し遂げた勇者パーティー。
1000年生きるエルフの魔法使いフリーレンが、
自分より寿命の短い仲間たちの老い先などと寄り添う中で、
人を知ろうとして来なかったことを悔恨し、
心を知る旅を続ける同名連載コミック(未読)の2クール連続アニメ化作品。


【物語 5.0点】
表層は取り残された長命種の心情や短命種との価値観の相違、
忘却にさらされる勇者の冒険譚の悲哀の再生産など。
ですが、またそのネタか?と踏み込んでみると勇者の魔王討伐をも丸呑みするスケール感、
幾重にも練られた歴史、世界観設定から提供される思索の種に唸らされる逸品でした。


例えば魔法設定一つ取っても奥行きが異次元レベル。
三話で描かれた人間の魔法発展スピードの凄まじさ。
{netabare} “人を殺す魔法”ゾルトラークで人間たちに暴虐の限りを尽くした魔族クヴァールが、
80年後復活したらゾルトラークは“一般攻撃魔法”として陳腐化、対策済みで、通用せず。
(それでも誇り高く散華するクヴァールも見事でしたが){/netabare}

かと思えば近年の人間魔法界は自然物を利用した物理攻撃による防御突破などがトレンドの野戦特化。
活用物に乏しい閉鎖空間である、古の迷宮探索には不向き。
ここは古い魔法を知る冒険者フリーレン様の出番さ。
(そしてミミックに頭から突っ込むw)

魔法発展も絶対的な物ではなく、時代に合わせて何かに特化すれば何かが欠ける相対的な物。
魔法以外の要素も一つひとつが多面的で、
消化し終えたと思ったエピソードでも、
後になって新たな側面を想起させられる。

フリーレンが人の心を知る旅路の中で、ヒンメルたちとの思い出を再解釈する回想描写の如く、
あの時のセリフはそういうことだったのか?と視聴者も溢れ出す感情が止まらなくなるシナリオの豊潤さに圧倒されます。


ヘンテコな魔法ばかり収集するフリーレンさん。
{netabare} 服が透ける{/netabare} しょーもない魔法だのw
最初はただの酔狂だと笑って見ていましたがw
終盤では、魔法は夢のある楽しい物と満喫するフリーレン及びフランメと、
魔法は闘争と野心の道具として高みを目指すゼーリエとの対立軸が鮮明に。

この魔法はどうあるべきかという論点は、
魔王とは何者だったのか?魔王討伐を成す物とは?とのテーマとも密接にリンク。

魔法で最強を目指し闘争を求める限り魔王との戦いは終わらない。
むしろ闘争を求める心理の象徴こそが魔王なのか?
フリーレンみたいに魔法をくだらないことに浪費し、平和な時代を体現してこそ魔王の時代は終わりを迎える。
{netabare} 花畑を出す魔法こそがフリーレンとヒンメルの旅路の本当の始まりという{/netabare} 件には感動しました。
根を詰めすぎずに冒険をエンジョイするヒンメル勇者一行だけが魔王を倒せた理由。
今後の深堀りが楽しみです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・マッドハウス

例えば{netabare} フェルンVSリュグナー&シュタルクVSリーニエ戦{/netabare} や、
{netabare} フリーレン&フェルンVSフリーレン複製体バトル{/netabare} などでは、
ド派手な魔法エフェクトだけでなく、背景にも作画を入れ、
回り込んでキャラを捉えるカメラワークも縦横無尽。
ファンタジーバトルアニメとして上々の映像を提供。

一方で案外、私の印象に残ったのは、背景美術の青空。
一面真っ青の空にポツンと人物を配する簡素な画面構成。
細密な雲の描写だの、光源処理だのをゴチャゴチャと施されるよりも、
シンプルな方がむしろ悠久の時の中の登場人物という趣を感じられ、
人の心を知りたいというフリーレンの決意も心に染みてくるから不思議です。

作画カロリーリッチな力押しだけでなく、
抜くところは抜いて逆に効果的な演出を仕掛ける。
こうした芸当をやらせたら、このスタジオは本当に上手いです。

フリーレン、フェルンの師弟コンビの人物作画もまた普段は無表情。
だからこそフリーレンが本気の一端を見せた時の強面にゾクゾクさせられますし、
フェルンのむくれ面に振り回されるフリーレンやシュタルクがいたたまれなくなりますw


【キャラ 5.0点】
1000年以上の歴史の中に各種族を位置付ける。
その強固な土台の上に骨太なキャラクターを形作る。
丹念なキャラ設定構築から来る諸要素に唸らされます。

エルフは長命種故に繁殖に興味が生じず、他者への関心自体も薄い。
フリーレンが300年ぶりの同じエルフとの遭遇だった{netabare} クラフトさん{/netabare} とか。
緩やかに減少、衰亡傾向にある。

魔族は言葉を用いるがあくまでを誑(たぶら)かす手段に過ぎない。
グラナト領の人々の気持ちも汲んでいるように見えるリュグナーたちにしても、
そこに心はなく、冷徹に人間を狩るのみ。

これらの種族に囲まれて来た人間は長らく弱小だったが、
彼らは想像力と好奇心が旺盛で、他人同士の関わりも深く、
恐ろしく早く増殖し、変化し、発展する。

想像したものが魔法になると言うのであれば、
多様で大人数な人間こそが、最も多彩な魔法を操るようになる。
後半の一級魔法使い試験編の人間たちは個性的で、
やがて来ると言う人間の時代を示唆していました。

切れると思った物は大体何でも切っちゃうユーベルとか、
仲良く喧嘩して、カンネに絞め技決めてる?ラヴィーネとかw
濃いキャラが色々いましたが、私は宮廷魔法使いのデンケンさんかなと。
歳を重ねても尚、{netabare} 殴り合ってでも{/netabare} 手に入れたい執念。
私も痛いのは嫌ですがwスピリッツだけは見習いたいものです。


【声優 4.5点】
フリーレン役の種崎 敦美さん。フェルン役の市ノ瀬 加那さん。
作画同様、比較的淡々としたボイスの中に心情を込める繊細な演技。
{netabare} 夜中にジュース飲んでました{/netabare} などと、おふくろさんみたいなフェルンに弁解するシュタルク役の小林 千晃さんのリアクション芸も引き立ちますw

かつての勇者たち。ヒンメル役の岡本 信彦さんらが率いる一行は、
数十年後の老いや死も包括する好対応。
特に僧侶ハイター役の東地 宏樹さん。
冒険中の生臭坊主から、老いてフェルンを温かく育てる好好爺への変貌。
酒に溺れていた破戒僧が、それを言うのかと突っ込みつつw
人間を味わうことができる好演でした。


【音楽 5.0点】
劇伴担当はエバン・コール氏。
初回3話一挙SP~4話まではフィルムスコアリングで制作。
ケルト風アレンジも交えたオーケストラでファンタジー世界の旅情を表現しつつ、
心情曲から戦闘曲「Zoltraak」まで70曲超を量産。

特に「Journey of a Lifetime~Frieren Main Theme」は
喜怒哀楽を内包した構成で、
聴く者にも、人の心を知った時の高揚感が伝わり、自然とこみ上げて来る。
氏のキャリアの中でも傑出した名曲ではないでしょうか。


OP主題歌は前期がYOASOBI「勇者」、後期がヨルシカ「晴る」
ED主題歌はmilet「Anytime Anywhere」が前後期でアレンジと1番と2番を入れ替えながら2クール完走。

錚々たるアーティスト名からもフラアニ枠を成功させたいという日テレの意気込みが伝わって来ますが、
名前だけじゃなく、作品を捉えた歌詞世界が嬉しい好タイアップ。
特にOP「勇者」で問いかけられた涙の意味を、
ED「Anytime Anywhere」の解答で噛みしめて聴くのが私は好きです。

エバン・コール氏はmiletにED「Anytime Anywhere」の編曲、
特殊ED&挿入歌「bliss」の作曲も提供。
同じマッドハウスとのタッグとなった劇場アニメ版『金の国 水の国』での劇伴ソング挑戦から、
一層の進化で魅せる。



【初回2時間SP感想】早くも心に残る上質な勇者後ファンタジー

{netabare}
魔王討伐を成し遂げた勇者パーティー。
1000年生きるエルフの魔法使いフリーレンが、
自分より寿命の短い仲間たちの老い先などと寄り添う中で、
人を知ろうとして来なかったことを悔恨し、
心を知る旅を続ける同名連載コミック(未読)の2クール連続アニメ化作品。


例えば戦後の帰還兵がどうのといったシナリオは、
傷痕の描写等を通じて豊潤な心情劇が得られる個人的に好きな部類のはず。

ですが魔王を倒した後に勇者がどうの、魔王倒すの飽きたからどうの。
こうした筋書きに関しては、私も目の付け所が悪いのか、近年こうした企画が安易に乱立している感を抱いていまして。
作者、スタッフには申し訳ないですが、王道ファンタジーを描くパワーがないからって、魔王討伐から逃げてませんか?
そういうのもういいから普通に魔王倒しに行って下さい。
って感じで、一周回って『ダイの大冒険(2020)』をお気に入り棚に放り込む位こじらせてましてw

よって今の私にとって勇者たちのその後を描くアニメは観るのもハードルが高いですし、
求める水準も傑作王道勇者物に匹敵するだけの価値を欲する苛烈な物になります。
本原作コミックも興味はありつつも食指は伸ばしてきませんでした。


そんな天邪鬼な私が視聴に引きずり込まれた理由は三点。

一点目。本作放送に関して日本テレビが超本気だということ。
23時台にアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT」(フラアニ)を新設し、
初回はフラアニ前の同社の金看板「金曜ロードショー」にて2時間SPで放送するという破格の待遇。

背景には最近、日本国が二周回遅れでようやく取り組んでいる、世界市場に向けたコンテンツ輸出。
近頃は、経済団体幹部などもジャパン・コンテンツで20兆円産業をなどとぶち上げている。

その流れの中で旧来の放送広告料収入がメインの視聴率ビジネスが頭打ちになっている日本テレビが、
「コンテンツ中心主義」のビジョンを掲げ、イベント、海外展開などの放送外収入も見込んで挑む象徴となるのが本作(※1)

かつて視聴率ビジネスの権化だったあの日テレがコンテンツの価値を語るなど、
“生臭坊主”ハイターが酒をやめるぐらい考えられなかった事態。
それ以上に一放送局がここまで押してくる作品は是非一見してみたいと、
私が重たい腰を上げるのに十二分。


二点目。興味を持ってみると、キャスト、特に主人公フリーレン役の種崎 敦美さんに目が行きまして。
種崎さんと言えば上記『ダイ大』で奇しくも勇者ダイを熱演。
『ダイ大』は、勇者ダイが、冒険の中で短い人生の中で輝きを放つ人間の力を知る。
数千年生きるが故に、余興と称して人間を見下し、弄ぶ大魔王に対して、
激闘を通じてダイが人間の価値を思い知らせていくお話でもありました。

こうした役柄などもこなして来た種崎さんが、今度は逆に1000年生きるエルフとして人の心を知る様をどう演じて来るのだろう。
最高に唆(そそ)るキャスティングでしたし、初回観てみて、1000年ズボラなフリーレンさんの生態も含めてw
経験値を積んだ種崎さんの引き出しが遺憾なく引き出されていたと好感しました。


三点目。音楽がエバン・コール氏だということ。
初回SPはフィルムスコアリングで制作。
バグパイプ、ティン・ホイッスルなどケルト音楽の楽器をアレンジして、
ファンタジー世界の風情も醸しつつ、心情に合わせて量産した劇伴は70曲超。

金曜ロードショーとエバン・コール氏と言えば、昨年、TVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』総集編と劇場版を2週連続で放送した件も思い出されます。
視聴率面では惨敗に終わったあの企画は、当時は酔狂だとも感じましたが、
今にして思えば、視聴率よりネット、SNS上の同時アニメ視聴祭りで賑わいを創出できるTV局の可能性を再発見する、
これも視聴率ビジネス依存脱却の伏線だったのかなと。

初回では、特殊EDとなったmilet「Anytime Anywhere」の編曲も行った同氏。
本作は、エバン・コール氏の作品シンクロ率が一段と高まる重要作になる期待があります。


以上を踏まえて、初回、私は敢えて金ローを録画して視聴しました。

{netabare} 「人生ってのは衰えてからのほうが案外長いもんさ」{/netabare} などのセリフが私の心の傷に染み渡るw
初回から既に、エルフとそれ以外の仲間らとの寿命の長さ、価値観の相違を生かした、
人生の深い掘り起こしによる収穫が大豊作。
終盤には1000年前のフリーレンと{netabare} 大魔法使いフランメとの師弟関係{/netabare} から旅の大目標が明示。

決してパワーがないから安直に魔王倒した後の残り滓を描くのではない。
むしろ過去と未来にまたがる壮大な視点から、勇者伝説を丸ごと内包していくスケール感の片鱗を見せる。
捻くれた私の高いハードルを乗り越えて、歴代の私の心に残るアニメの上位に食い込みそうな抜群の手応え。

初回2時間SPという挑戦も没入感を高める意味では有効でした。
しかし金ローも昔は、何が何でもCM見せて広告料収入を獲得しようと、スポンサーの方ばかり向いて、
数字取れそうな定番人気映画を雑にカットして、クライマックスは数分置きにぶつ切りしてマシンガンCMw
不完全燃焼の視聴者が多数発生するためか、週末はTSUTAYAの棚から金ロー放送作のレンタルビデオが消えるといった残念な流れがありましたが。
今回はCM飛ばさず見ても、それほど集中力が阻害されない淀みのない編集で、時代は変わったんだな~と感じ入りました。
コンテンツ中心主義。小難しいビジネスの話はさておき、テレビと視聴者との関係改善の面では良い流れなのではと思いました。


【参考文献】※1 @DIME「「葬送のフリーレン」が金曜ロードショーで異例の初回2時間スペシャル!新アニメ枠で世界に挑む日テレの新コンテンツ戦略」{/netabare}

投稿 : 2024/04/05
閲覧 : 341
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49

横比較無用ノ介 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

兵どもが夢の跡

この地は、冒険者や魔族達が戦った場所。
今は彼らの記憶も薄れつつある。
そんな地を巡る旅。

同時にこんな感想も。

群雄割拠のラノベ、マンガ、アニメ。皆覇権を目指す。
敗色濃厚な状況でも決して引かない。瀕死の状態からの起死回生。
ドラマチックな展開が、いつしか当然になってしまった作品達。
だが、独創性に欠けた作品も目立ち、すぐに忘れ去られる。

そんな中、異彩を放つのが本作。

能ある鷹は爪を隠す。自らの力量は隠し、ここぞという所で解放する。
どんな戦場でも共通する、当たり前な行動を選択する。
驕らず、圧せず、淡々と。

フリーレンの行動は、数ある作品達へのアンチテーゼになっていると感じる。

前半の「勇者ヒンメルの死から〇年後」からの話は、イメージがとてもまとまっている。
但し後半の一級魔法使い選抜試験は、若干違和感があった。
自己(再)発見の旅で統一されていれば、もっと素晴らしかったと思う。


原作漫画の評価も高いし、限定されたスタッフでお金と時間をかければ、良いものが作れるという見本のような作品。
突貫工事でやたら作画監督が多いアニメを作る製作委員会は、ぜひ見習ってもらいたい。

投稿 : 2024/04/05
閲覧 : 131
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8

ももも さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

原作を尊重した上で輝きを増した稀有なアニメ化

原作はサンデーで連載中のファンタジー。
魔王を討伐した勇者パーティー。
主人公はパーティーの一員だった、エルフの魔法使いフリーレン。
長寿のエルフ故に年老いた人間の勇者を見送ることになり、人生を一瞬で通り過ぎていった仲間を深く知ろうとしなかった事を後悔するところから、物語が始まります。

ハイファンタジーライクですが「勇者」や「魔王」などRPGっぽいお約束を上手く取り込んで、シリアスな世界観が構築された作品。
私は単行本派で、最新12巻まで読了済みです。

初回を日テレの金曜ロードショー枠を使い、二時間ぶち抜きで4話まで一気に放送するという厚遇で始まった本作。
基本はふわっと沁みるような叙情系ロードムービーなのでどうなることかと思ってましたが、力の入れ方が綺麗に全部いい方向に作用したと言うか、素晴らしいアニメ化でした。
オリジナルで補完したシーンの膨らませ方も違和感ないどころか、ほぼ全部「いい!」と思えたのもすごい。打率9割超えてる。

あえて書いてしまうと、「一級魔法使い試験編」は、個人的には一番苦手というか、叙情系ロードムービーな原作においてある意味一番異質(少年漫画としては王道)な章だったんです。それでこの面白さ。
原作フリーレンにハマったのは、この後の話なんです。
きっとあるであろう、あってほしい二期も楽しみです。

投稿 : 2024/04/05
閲覧 : 55
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18

ネタバレ

けけちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

後半にかけて盛り上がる

最初は正直、これはどうなのかな、おもしろいのかな、と疑問に思いつつも人気作、話題作ということで見進めていた。

一級魔法使いの試験から急におもしろさがそれまでの3倍くらいになった。
「フリーレンは絶対勝つ」と分かりつつも、次の展開が見たくなった。ハラハラせずに安心して話を見ることができるアクションファンタジーアニメだと思う。

投稿 : 2024/04/04
閲覧 : 90
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6

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RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

知ろうとすることそのものが大切なこと

神とかエルフとか人間より長寿すぎる生き物の
「皆先に死んでいく」って不幸。
それを人間視点で描くことは散見されます。
でも今作は、それを長寿側視点で描いています。

これは結構珍しいんでは?そう思い視聴開始。
原作未読。

【作品概要】
魔王を討伐し、凱旋する勇者一行。
 勇者ヒンメル(人間 寿命数十年)
 僧侶ハイター(人間 寿命数十年)
 戦士アイゼン(ドワーフ 寿命数百年)
 魔法使いフリーレン(エルフ 寿命千年以上)

主人公フリーレンは、エルフに比べて短命な人間に
興味がありませんでした。
しかしとあるきっかけで、人間を知ろうとする旅に出ます。

【作品に対する感想】
独特の雰囲気と余韻の、秀作でした。
フリーレンの「知ろうとする思い」こそが
一番大事なものに思えます。

時の流れを強く印象付ける物語、
時間の流れを感じさせる作品に魅力を感じる私としては、
これはもう必勝ですね。

そして緩急のつけ方がいい匙加減でした。
緊迫した戦いと、ふと足を止めて道端の草木を眺める…
この対比がいい作品だと思いました。

2期があれば必ず視聴します。


1)物語
 2クール目からキャラが一気に増えて、
 吉と出るか凶と出るかと心配してましたが、
 全然大丈夫でした。


 ➀種族間の感覚・感性のずれの描写がGood!
  ・時間間隔
   長寿種(エルフ)の主人公フリーレン。
   人間の10~20倍の時間感覚。

   当然原作者がそんな視点に実際立てるわけではないので、
   そういう立場の想像になるわけですが…。

   まあ、人間から見てのハムスターとかカブトムシが
   人間同様の知性を持って、先立って行ったらとしたら…
   そんな感じなんでしょうね。

  ・魔族と人間
   魔族の「そういう生き物」という描かれ方、いいですね。
   人間の物差しでは憎悪の対象ですが、
   魔族はそういう生き物。善も悪もない…と。  
   逆に人間にとってはどうでもいいことが、
   魔族にとってはあり得ないことだったり。


 ➁キャラへの感情移入が何故か短時間でできちゃう
  開始15分で泣かされるとは思わなかったです。
  1クール使っても感情移入できない作品もある中
  これはすごいと思いました。

  1話しか登場しないキャラでも、
  それぞれの人生があったんだなあって感じさせる
  見せ方が上手いんだと思います。

 ➂シュールな笑いの取り方
  感覚のずれがそのままで、みんなマイペース。
  笑いの取り方がシュール。 


2)作画
 バトルの描写すげえです。
 特に魔法の描写。
 敵に応じた色んな戦い方があって楽しめました。
 原作組の方のレビューを見る限り
 原作の戦闘はかなりあっさり風味だそうで、
 アニメ化にあたり大幅な改良があったようですね。
 素晴らしいアレンジだったと思います。

4)音楽
 牧歌的、民族風の音楽がいいですね。
 各話の終わりにはいい余韻を感じることができます。

 ED「Anytime Anywhare」
 余韻を優しく、そして力強く包むいい曲でした。

5)キャラ
 ➀フリーレン
  かなり達観した(人間基準では)BB…じゃなくておねーさん。
  (見た目は炉ですが)
  ただケースによってはお母さん的立ち位置だったり、
  子供のような無邪気さだったり、
  いろんな側面を見せてくれる良き主人公。
  遊び心を忘れてないのは好印象。
  ぼそっと言う突込みが最高です。

  暗いよ~ 怖いよ~ 
  はサンデーのレジェンド級アニメのあれの踏襲?

 ➁フェルン
  見た目は冷淡な印象のフリーレンの弟子。
  ですが、嫉妬や怒りなど負の感情は割とストレートに
  飛ばしてきます(笑
  独占欲めっちゃ強いのは重いと取るかカワイイと取るか。
  アニメのヒロインとしてはややぽっちゃり系なデザインも
  OnlyOneだと思います。
 
 ➂シュタルク
  ヘタレ戦士。という設定なんですけど、
  覚悟決めた時は別人ですね。
  一般人受けがいい所がポイント高いです。

 ➃デンケン
  もうこのおっさん好き過ぎます。
  老獪の域に達していながら、感性はまだまだ若い。


6)印象深いシーン
 {netabare}
 ➀フリーレン「色々教えてもすぐ死ぬでしょ」
  大事にいろいろ教えて育ててもすぐにやめていく
  新人ちゃんが頭よぎったのは私だけ?

 ➁自害しろ
  Fateのランサーを彷彿させるシーンでしたが、
  高慢な魔族のプライドをズタズタにして殺したのは、
  フリーレンにとっての最大の地雷を踏んだからかな…。

 ➂人肌で暖められたシュタルク
  オチがあるとは予想してましたが、
  まさか腕枕付とは予想外(^^;
  
 ➃戦士のハンバーグ
  こんなん泣くわ。

 ➄ハイター「大人のふりしてるだけ」
  なんかこれ、歳食ってよく分かる言葉です。
  私もほんとの心の底は、二十歳くらいから
  変わってない気がします。

 ➅老ドワーフ フォル爺の記憶の中の奥様
  ちょっとこれしんみりする。
  
 ⑦もう付き合っちゃえよ!
  日本全国のファンの代弁してくれてありがとう

 ⑧殴り合いぢゃあああ!
  魔法試験でまさかの肉弾戦。
  もうこのおっさん最高!

 ⑨最強の敵
  デンケンの絶望感ったら。
  その後のフリーレンとフェルンの連携も
  魔法の描写も相まって、凄まじかったですね。

{/netabare}

投稿 : 2024/04/03
閲覧 : 77
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24

ネタバレ

nakagi rin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

だからもう一度、生まれ変わろうとも、またわたしは

「葬送のフリーレン」
アニメ化は大成功だったのではないでしょうか。
山田鐘人先生(原作)、アベツカサ先生(作画)による漫画作品です。

かねてからの原作ファンであった私としましては、初回を金曜ロードショーにて放送という、ある種の特別扱いに大興奮しておりました。

これは天下とれるぞ!とすら思っておりました。

実際、同クールは某中学生ラブコメや某薬屋を筆頭に多く競合しておりましたが、本作もしっかりと話題になっていて嬉しかったです。

特に戦闘シーンや、感情の起伏を表情で表現するシーンなど、動いているからこそ映える場面をしっかりと作画されていて、たびたび涙腺崩壊しておりました。

また、物語としては、なんといってもフリーレンとヒンメルの関係性。
取り返しがつかないほどに時間が経過してしまってからの、切なすぎる追憶。

フェルンやシュタルクとともに未来へと歩みを進めるフリーレンですが、時折その目に映るのは、もう戻れない頃に見たヒンメルの後ろ姿。

なんでもっと知ろうとしなかったのかと泣き、これからはもっと人間を知ろうと思うと語った彼女の胸中はいったい。

久しぶりに、視聴後の余韻が深く長い作品に出会えました。
おすすめです。

以上、感想でした。

P.S:2期、ありますよね!? 頼みますよ!? アニメの最終回、あの副題と、あのセリフで終わったのなら、お願いします、2期を! 原作を追っている方なら、共感いただけますかね?? 単行本最新刊あたりのお話を、是非アニメで! 待ってますからぁっ!

投稿 : 2024/04/02
閲覧 : 51
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11

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og3jar さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ファンタジーなのに不思議って、変な感じ

ファンタジーで不思議なのは当たり前ですが、不思議がそのまま変わらず不思議で、作品が秀逸だと、あれこれ粗が目につかず、どっぷりと物語に浸かれるところが良いと思います。世界観について作者はよく練っていて、作者が思い描いている一部を僕らは見せて貰っていて、見せていない設定が10倍はありそうな作品なので、あれこれ考えるのも楽しいし、後付け設定もないので、軸もぶれないし。素晴らしい作品だと思います。

ヒンメルの思い、フリーレンの後悔 、ハイターの改心、アイゼンの協力、フランメの予言

ハイターは天国について、例え実在しなくてもあるべきものだと言っていました。その希望をつなぐものがアイゼンが伝えたフランメの手記。
 フリーレンにとっては死者ヒンメルとの対話が必要な事だとアイゼンは言い、物語の方向性が示されました。

7話で、ヒンメルが銅像を残す理由として、視聴者には『後世に僕のイケメンぶりを残して置かないと』と言いながら、一番の理由はフリーレンがメンバーが死亡した後にフリーレンを一人ぼっちにしない為と言っています。

タイトルが『葬送のフリーレン』だから、ヒンメルに対する葬送なのかと思っていたら、8話でリュグナーが『葬送のフリーレン』と言っていた。どうやってタイトル回収するのか楽しみです。

フェルンとシュタルクの存在が視聴者にフリーレンの時間軸ではなく、我々の時間軸での物語を見せてくれます。

製作がマッドハウスなので迫力ある戦闘シーンの見られるんだなと思っています。

2期が楽しみです。

投稿 : 2024/04/02
閲覧 : 108
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14

ネタバレ

くまごろう さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

いいいみで振れ幅が大きい。ヒンメルブーストでさらに!

視聴完了
全28話

ジャンル
ファンタジー、なんだけど異色

タイトル由来
主人公の2つ名 由来は出てきていないが、いくつか意味がふくまれていそう。

設定
魔王がいて勇者がいて、剣と魔法のファンタジー。

ストーリー展開
勇者ヒンメル、僧侶リヒター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンは魔王を倒した。
英雄となりそれぞれの道を歩き出す。しかしヒンメルとリヒターは人間、アイゼンはドワーフ、フリーレンはエルフだった。
ヒンメルを見送り、リヒターの最後を看取り、リヒターが育てていた少女フェルンを弟子とし、また旅に出る。
旅の中でアイゼンの弟子シュタルクも仲間になり、とある魔導書により目的地をかつて魔王城があった地に設定。
しかしそこは現在危険地域に設定されており、1級魔導士の資格がないと立ち入らないと聞き、フェルンとフリーレンは試験に挑む。色々あってフェルンは合格し、目的地に向けて出発!というところで終了。
という3人組(時に4人だったり)の旅路の裏で、ヒンメル達との思い出が蘇る。その当時は短い命である人間たちとの、10年という一瞬の時間として興味を持たず過ぎていった日々が、色鮮やかに。

感想
総評120点
良かった点
設定、ストーリー、キャラ(特にキャラ同士の掛け合い)、絵
悪かった点
なし
レビュー
まず、文句なしの傑作。
設定もかなり奇抜なところからスタートしているにも関わらず王道、と思いきや時折老獪な邪道を挟み込みつつといういい意味で平坦でないストーリー。さらにヒンメル関連の話は感動の振り幅が大きい。個人的には花の話とお祭りの話と幻影を見せるモンスターの話と、、最後も誰もが思っていたであろう別れについてもしっかりヒンメル絡みでカッコよく閉めて、最高か!!
また、それぞれのキャラもすごくいい味を出しているのだが、3人の掛け合いがまた素晴らしい。シュタルクが最高。
映像も綺麗でとても細かいところまでしっかり。
音楽系は特に心に刺さるものがなかったので満点にはなっていないが、他がオーバーしているので平均性でなければ余裕の満点。

なお、キリのいいところでは終わっているが、目的地には到着していないのでまだ途中。2期めちゃ楽しみ!

もう何回か見返したい作品。

投稿 : 2024/04/01
閲覧 : 91
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15

ネタバレ

Jet Osuga さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

むむむっw

正直、ヴィンランド・サガを観て魂が抜けた! もうアニメからは卒業かなぁなんて思っていたのだが、なんとなく観はじめたらハマってしまった。 原作は未読だが不思議な魅力に取りつかれた、もちろんキャラも作画も声優もとっても良かったと思う。 う〜ん、うまく表現できないが面白かったです。

投稿 : 2024/04/01
閲覧 : 56
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7

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

世の中の皆さんの評価はどうなんでしょう。

原作未読です。

初回が2時間という、推しの子の90分越えに尻込みして
視聴するかどうか悩んだのですが、
初回から視聴しておいてよかったです。

原作を読んでいないので、どれぐらい準拠しているかは
分からないのですが、本作みたいなロードムービー的な作品が
アニこれの中で高評価を得るのは久しぶりかもしれません。
(雰囲気としては、狼と香辛料を思い出します。
 リメイクが今春放送予定ですね。)

2クール以上の話数をかけて、丁寧に話を進めつつ、
バトルシーンではこれでもかと動きまくる迫真の作画もあり、
緩急の付け方が非常に上手かったです。
他の制作会社ではなく、マッドハウスだからこそできた
安定感とバランスの良さを感じました。

2023年は、先に挙げた推しの子が世の中を席巻しました。
(個人的には、アイドルがそこら中で流れていることに
 びっくりです。小学校の運動会でも使われてました。)
つまり、推しの子は、世の中一般でも大人気作品という
ことだと思いますが、
本作は、世の中一般で大絶賛されているというよりは、
アニメを嗜む方の中で高評価を得ているというイメージがあります。
やはり、一般的には、鬼滅や推しの子みたいなインパクトのある
作品の方が火が付くのかもしれません。

というわけで、アニメを嗜む層の私にとっては、
本作はとても良作でしたし、2期をぜひ制作いただきたいと
思っています。
爆発的ヒットではないかもしれないけど、
2期制作は既定路線だと思ってお待ちしています。

投稿 : 2024/04/01
閲覧 : 374
サンキュー:

23

ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人を知るということ

典型的な剣と魔法のファンタージ世界が舞台です。
ただ、特徴的なのは勇者一行が魔王を倒した後の世界ということ。
それに、ヒロインは千年以上生きる長命種であるエルフということ。
だから、必然的に別れは訪れるものです。

金曜ロードショー初のTVアニメ1話目放送という。
日本テレビさんの熱の入れようは半端ない。
だから、作画はしっかりしているしアクションはスピーディーかつ美麗。
でも何と言っても、物語構成が素晴らしい。

{netabare}最初に触れたように魔王討伐後から始まる物語。
そして一気に50年後、勇者一行再会後の悲しい別れ。
表情の乏しいフリーレンが唯一感情を露わにした瞬間。
人の心を知る旅路の原点です。

それからさらに月日は流れ、勇者一行の忘れ形見の男女二人。
育った経歴は違えども、二人は極上の能力の持ち主。
天才魔法使いフェルンと人類最強戦士シュタルク。
フリーレンとともに、北方を目指します。

時に激しい魔族との戦闘がありますが、概ねまったりした旅が続きます。
色々な人と出会い、語らいそして別れ行く。
まるで人生の縮図のような旅の中で回想されるのは、勇者ヒンメルとの思い出。
優しくて美しくて切ない関係が胸に迫ります。

ヒンメルはフリーレンのことを心から大事に思い、愛していたことが良くわかります。
ただし、当時のフリーレンはヒンメルの真意をほとんど理解していない。
旅路の中で今になって気づくフリーレン。
しかし、フリーレンの満足そうな表情と口調に後悔はないような気がします。

この作品、コメディー要素もたくさんあります。
フリーレンの世間とズレた言動はツッコミどころしかありません。
それを母親のようにフォローするフェルン。
怒ったり、叱ったり、呆れたり、シュールな笑いに包まれています。

また、フェルンとシュタルクのやり取りは、楽しいの一言。
仲が良いのか悪いのか。
ほぼツンのフェルンに超鈍感シュタルクが振り回される形。
ザインの叫び「もう、付き合っちゃえよ!」に、この二人の関係性が凝縮されています。

終盤の一級魔法使い選抜試験に、多くの個性豊かな魔法使いが登場。
印象的なのが、皆感情を抑えて冷静に戦うところ。
フリーレンやフェルンのそうだけど、一流の魔法使いは眉ひとつ動かさず淡々と術を発動するようです。
ちょっと感心しました。

心に残ったのは、魔法がイメージの世界だってところです。
ユーべルが天才と言われる所以はそれが容易にできるから。
現実世界を解析するにはイメージが大切だと思っている私にとっては、共感しかありませんでした。
ただ、狂犬のようなユーべルには個人的にはついていけそうにはありません。

北へ旅立つラストシーンが深く心に残りました。
フリーレンが別れに執着しない理由。
「また会った時に恥ずかしいから」
そんな風に考えられれば、別れに悲壮感はないのでしょう。{/netabare}

投稿 : 2024/03/31
閲覧 : 311
サンキュー:

28

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

早速高クオリティで素晴らしい。素晴らしい原作にふさわしい力の入れ方に満足

1話感想 4.4
今期アニメも始まりましたね。
金曜ロードショーで第一回とは豪華な。
非常に高クオリティな原作にふさわしい力の入れ方で満足です。

原作は既読。
現在落ち目… ではなく完全に落ちぶれたサンデーにおいて、唯一と言って良い、傑作級の作品ですね。
漫画大賞だとか広く高評価されている作品ですがその通り素晴らしい原作です。

その原作をアニメ化するに当たってこれ以上無い力の入れ方で、『お、サンデーも少しはわかっているのかな?』と見直しました。いや小学館主導でこれをやったかはわかりませんが。
やった人は偉いです。

原作既読の場合原作がよほど好きか、原作をさらに高める良質なアニメ化かでないと見ないのですが、その両方を満たしているので文句なしです。
原作の空気感を完璧に再現している高クオリティなアニメですね。
実に素晴らしい。
声もほぼ違和感が無く、大満足です。

全話感想
大いに人気も出ましたが、本当に素晴らしかったですね。
基本原作通りで、それでいて原作をより高めている。
理想的なアニメ化でした。
本当に素晴らしかったです。2期も楽しみです。



まあ、本作と全く関係ない話を語ってしまいますが…。
途中同じ日テレが、ドラマで漫画原作をめちゃくちゃにして、原作者が悲しいことになってしまったことがあり、どうしてアニメでは完璧にできることがドラマは酷いことになってしまうのか不思議でした。
まあ実写は全般的に質が低すぎですね。作り手に、作品に対してリスペクトの無い傲慢な連中が多すぎるようです。
もうアニメ以外は一切要らないと思います。

投稿 : 2024/03/31
閲覧 : 118
サンキュー:

9

ミサキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

思った以上に面白かった

フリーレンの性格と行動が何故かツボにはまった作品。
多分アウラ戦が一番好きかも?
一回は見ておいた方がいいかも。

投稿 : 2024/03/30
閲覧 : 34
サンキュー:

7

かかのん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

楽しかったです!

ほんとに良かった!
二期たのしみにしております。

週末に帰宅して週末の整理と洗濯して
晩ごはんを食べて飲みながらのんびりとフリーレンを見るのが楽しかったです

投稿 : 2024/03/30
閲覧 : 32
サンキュー:

10

tomledoru さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:----

「常ならん」の世界観だよなあ。

エルフの話はあんまり好きではなかったんです。というのも,エルフは?たいていのアニメでは脇役にしか過ぎませんから。描き方がいかにもいる「エルフ」という感じで脇役のエルフの役割がよくわからないアニメも多かったのです・・・

しかしながら。「葬送のフりーレン」は,なかなか可愛くかけてますし。物語の世界観が広く深くて。古典の授業をみたいですが,「もののあはれ」を感じさせる。あるいわ無常感を感じさせる,そんなアニメです。魔法云々(核心の見どころなのですが)よりも,よくよく見るとやっぱり大人が見た方が。奥がが深い人間ドラマのアニメだなと私は思いました。

登場の仕方が。鳴り物入りで,YOASOBIの「勇者」の歌詞が,もう全てを語っているような気がします。寿命が果てしなく長いエルフにとって。人間の寿命はあっという間で。幾人もの冒険者を見送って(葬送して)行く心情は?フリーレンの「ひょうひょう」とした態度とは裏腹に。やはり。心底は?物悲しいものを抱えているんだろうなという想像がつきます。

勇者「ヒ〇〇ル」の面影を追って,生きているさまはまさに「もののあはれ」ですし,人が年老いていくのも「無常観」(若者が年老いて滅していくさま,「生」を保っていくには人の一生は短すぎる)をしみじみと味わわせてくれます。

誰しも30代の半ばまでは,まだまだこれから人生があると思って生きますが,それをさらに10年20年越し,人生の午後を過ぎると。人生はあと残り何年しかないという見方に変わります。永遠に近い命を持つフリーレンは?何を感じ取って?過去から未来を生きるのでしょうか?そんなところが見どころだなと思ってます。

投稿 : 2024/03/30
閲覧 : 51
サンキュー:

12

宇宙開発長門有希 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

魔族は人間の中にもいる。

ここ数年、リコリスリコイル チェンソーマン spyfamily かげきしょうじょ 夢中になったアニメが多かった。葬送のフリーレンはそれらと比較しても別格だったと思う。28話全て何度も視聴したくなる作品である。

この物語はフリーレンが人を知るために旅に出る話ではあるが、実際のところ視聴者が己の心を探求するしかけとなっている。フリーレンとその仲間達の行動を通して視聴者が過去を振り返ったり、周りの人間関係を見直してしまうのだ。

フリーレンの周りは善良で正義感があり優しい人ばかりだ。謂わば話せばわかりあえる仲である、そのわかり合える人の真逆となる者が魔族である。作者はこの魔族を人間から一部を切り取ったものか、絶対にわかり合えない人間をモデルにしたのかが不明であるが、私は後者だと信じる。

コロナワクチンで沢山の日本人が亡くなった。2020年はコロナが流行った年であるが、国民全員がコロナを警戒して手洗いをうがいを徹底したおかげで超過死亡者数はマイナスに転じた年だった。日本人がワクチンを打ち始めた2021年以降、日本の超過死亡者総数は45万人を超えている。

これほどの大惨事が起こっているのにどこも報道はしない。この大惨事を仕掛けたのはDS(ディープステート)である。彼らは世界の富の99%を独占し世界中に戦争や紛争を作り世界のありとあらゆる権益を手にしている。世界中の有力者や政治家で彼らに逆らえる者はいない。

世界統一政府を作って自分たちの永遠の繁栄を築こうとするDSに何を言っても無駄であろう。彼らは人間の姿をしているが魔族そのものである。私達人間を獲物としか思ってないのである。オレオレ詐欺で年寄りから金を巻き上げる詐欺師なども魔族と考えて差し支えないだろう。

私達の周りには絶対に分かり合えない人間がいる。己の権力のために進んでDSのコマになる人間が後を絶たない。金持ちになるために人を騙すことに何も感じない詐欺師が沢山いるのだ。少なくとも世界中の人間がこのことを意識するだけで世界は少し良くなると思った。

投稿 : 2024/03/30
閲覧 : 42
サンキュー:

8

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

類型から外れた視点で物語を紡ぐ

 多くのRPGが類型的なのを逆手に取り、類型から外れた視点で物語を紡ぐアニメ。私はゲーム世界を再説するサブカル作品は概して嫌いだが、本作は意外と楽しめた。主人公が「ゲームの規則」に違和感を覚える『灰と幻想のグリムガル』と並ぶ、“勝手にスピンオフ”タイプの佳作である。
 RPGでは、トールキンの『指輪物語』をなぞるように、得意分野の異なる数人の冒険者がパーティを組んで旅に出るという設定が多い。ラストで目的を達成すると、そのままエンディングになるのがふつうである。これに対して、本作では、その後に続くはずの別れに目を向ける。冒険譚とは異質な英雄たちの日常を描いており、そこが何とも快い。
 スマホなどさまざまなモバイルツールが発達した現在、他者と別れるためには意図的に連絡を絶つ必要がある。しかし、中世ヨーロッパを思わせるRPGの世界では、異なる人生行路を選択するだけで、人々は自然と音信不通になる。今の若者が経験しづらい、静かな別れである。フリーレンのパーティも、魔王を倒してからはバラバラになり、月日が流れるにつれ、鬼籍に入る者も増えてくる。長寿命のエルフ族であるフリーレンは、去りゆく人々を見送りながら、静かに日常生活を続ける。ほとんど感情をあらわにしないので、かえってその心の内をあれこれと想像し、『ポーの一族』や『ボマルツォ公の回想』に思いを馳せて(勝手に)胸を熱くしてしまう。
 私が好きなのは、僧侶ザインが絡むエピソード(第12-17話)。冒険者の夢をとうに諦めているザインをパーティに勧誘するのだが、その結末がどうなったかと言うと…。誕生日のプレゼントを巡るフェルンとシュタルクの諍いを優しく描いた第14話「若者の特権」、フリーレンたちが頑固ばあさんのささやかな願いを叶える第16話「長寿友達」が素晴らしい。
 残念ながら、視聴者の歓心を買うためか、何回か大味なバトルが挿入され、感興を削ぐ。特に、“断頭台のアウラ”のエピソードは、なぜ不用意に魔力比べを行ったか納得のいく説明がされず、見ていて腹立たしかった。第2クールの大半を占める「一級魔法使い選抜試験」も、長すぎて退屈だ。
 欠点は少なくないが、後味の良さは抜群である。本編を見事に受け止めるEDアニメが美しい。

投稿 : 2024/03/30
閲覧 : 51
サンキュー:

5

ネタバレ

sukasuka さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

まぁ素直に言わせてもらうと・・・

見事なアニメ化をありがとうと言うほかないなwww
正直な話、原作漫画以上に楽しめた。
一番気に入ったのは勇者ヒンメル様御一行の声優陣。
特にアイゼン(CV:上田燿司)は声質・演技共に最高だわ。
{netabare}9話目の「戦士ってのは最後まで立っていた奴が勝つんだ」のくだりとか、
顔や姿を映さずとも薄ら笑みを浮かべたその表情が伝わってくる。
いや、素晴らしい。{/netabare}
そして各シーンを盛り上げる劇伴も秀逸。
戦闘シーンで使われるZoltraakはいいよね!
本編は終了したけど、まだ「大感謝祭」とかいう特番があるそうで。
普通に考えればそこで続編発表が来るんじゃないかと。
巷では2期ではなく黄金郷のマハト編の劇場版になるんじゃねという声も
多いようだが、何にしろ続いてくれるならありがたい。
つーか原作ストックがね・・・(笑)

■大感謝祭
ふざけんなwwwwwwwwww

投稿 : 2024/03/30
閲覧 : 64
サンキュー:

13

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

とりあえず

レビューはまた今度アレするとして。

種崎さんおめでとうです~~~~。

今後の活躍も期待してます~。
応援してます~。

頑張ってくれっす~~。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

さてそんなわけでフリーレン様。終わっちゃいましたねー。
まーロスとまではいかないまでもややそれに近い感覚がありますわ。

全部で28話。長かったですね。
お疲れさまでしたととりあえずは。

にしても素晴らしい作品でしたね~。
28話どれをとっても無駄のないとゆうか意味のあるストーリーでたいがい1話につき2~3回は見直してたような気がします。

前半はロードムービー的な話の進行でして、人間の友達の生き死にに深くかかわったことでいままで頓着のなかったエルフが命ってことの意味を知るために…っとまあそおゆうアレではありますが、そんなものは千年生きようが万年生きようがわかるはずもなく答えは靄の中のまま。

このフリーレンってゆうエルフがなんでそおゆう人なのかってことが見進めてゆくうちにゆっくりと明らかになってゆくのですが、これが普通ハナシ長いと飽きるもんなんですが。

これがまあ話がうまくできてるからなのか演出がいいからなのか脚本が優れているからなのかなんなのかわからんすけど(おそらく全部あるのかもですが)飽きんのですよ。

長生きするものが死にゆく命を見送るときに何を思うかとゆう話は様々な切り口でもっていろいろな作品で語られておりますがこの葬送のフリーレンとゆう話はタイトルに葬送とゆうてるだけあってかちょっと切り口がちゃいましたな。

おっ!と思ったのが、永遠ともいえる命を持つエルフとゆうものはとかく生死に対して頓着がないため極端に数が減っていっているとゆうですね。

生き物ってのはとにかく子孫を残すために生きているといっても過言ではないはずなのですがその生きる目的がエルフは完全に抜け落ちてる。

そこへもってきて当のフリーレン本人は魔王軍に蹂躙されたエルフの村の生き残りだとゆうのにですよ。

へーっ!ってなりました。
そんなんが命の意味を知る旅にねぇ。。。と。

この感覚は昭和の人にはないですよ。多分(笑)。

ま、そんなわけでここでのエルフとゆう人の生きざまは総じてそおいった概念を持っておるとゆうことなのですが、フリーレンはちょっとちゃいまっせと。こーくる。

それはどうしてかと紐解けばボクが思うには2人の大魔法使いに師事したことと、魔王を倒すための旅路で出会った人々とのかかわりがフリーレンを作ったのだとゆうことだと言い切っていいのではと。

2人の大魔法使いとゆうのはまずはフランメ。フリーレンの先生が人間ってところがおもしろい。ばあさんになったフランメといつまでも年を取らないフリーレンの2ショットは何故か泣けたな。

もう一人の大魔法使いはゼーリエ。この人はフランメの先生なんで厳密にはフリーレンは孫弟子になるけれどこの魔法に対する考え方が両極端な先生2人に教えられたってのがこのハナシの核ではないかと。

そおゆう土台がフリーレンとゆうエルフにはあって、そこでヒンメルとその仲間たちと旅先で出会った人々とのかかわりを得て今度は自分が先生となってフェルンやシュタルクらと旅をする。

フォル爺が出てくる16話の長寿友達の話は何回も見て、見るたびにビービー泣きましたわ(涙)

さてまあそんなわけで一級魔法試験も悲喜こもごもに終わり、新たな旅路へと旅立ったフリーレン達。ってとこでとりあえず終わり。

どこを切り取っても最高に面白い素晴らしい作品でした。

いやー。アニメって本当にいいもんですねっ。
…と水野晴朗みたくいいたくなったエンディングでした。

これは是非とも続きがみたいもんですな。

                            終わり。

投稿 : 2024/03/28
閲覧 : 160
サンキュー:

21

ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

面白くてはいけない作品を面白くしてしまい、余韻が無くなったかも。

 コミック1巻あるいは本作1話は素晴らしかったと思います。最近「すずめの戸締り」もありましたが、古い時代を思い出し、鎮魂するという話が増えてきたのは、次の日本を作っていこうという雰囲気がやっとでてきたのかな、と思います。

 ただ、アウラ編のバトル要素満載と、オシリスの天秤(とは違いますが)のようなもので、少し安易な形で魔力を隠す意味を魔族との戦いの要素にしてしまったことで期待外れとなりました。何より「葬送」の意味を魔族を倒した数と矮小化してしまったのは、非常に残念でした。

 1級魔法試験も「天下一武道会」が始まったか…というがっかり感はありました。

 ヒンメルおよびその仲間を思い出しながらの「葬送の旅路」はつづけていました。
 ゼーリエのところで人は駄目だと言いながら、花を出す魔法が嫌いと言いながらツンデレのゼーリエで、エルフの生き方の寂しさの様な部分を一旦総括していました。また、フェルンとゾルトラークで「人間の魔法」「人間の強さ」について表現していました。ただ、それを露骨に見せすぎだろう、という気はしました。

 全体としてどんどんエモくなっていきました。全体に「いい話」にこだわりすぎて、サラリとしたのが良かったのに、人との関係が強くなった、ならざるを得なかった感じが平凡な面白さに近づいていったなあという印象です。言い換えるとキャラと思い出話に寄りかかってしまった気がします。

 アニメで言えばコミックではつまらなかった、1級魔法のところをかなり面白く仕上げたのは素晴らしいと思う反面、この作品における期待の真逆になってしまいました。テーマを丁寧に説明してくれてしまいましたので、感じる喜びが無くなってしまいました。

 つまり、キャラ萌えとバトルの平凡な面白さになたということです。テーマも感情も見やす過ぎて引っ掛かりが無くなった感じがしました。この作品は面白くすると、かろうじて残っていた引っ掛かりも余韻も消えてしまう気がします。

 コミックスの原作の第1印象はアウラ編から「面白くない」でしたが、それでも読み進められたのは、フリーレンが旅路の果てに見るものは何かが気になるからです。その点は未だ気になっている反面、同じようなテーマを延々繰り返している感じもあるので、きっぱりとダラダラしないで終わって欲しいと思います。

 評価はこの作品は結末を見るまでわかりませんので、保留です。が、オール3もどうかと思いますので、オール4にしておきます。





19話 本作のつまらなさと深さの両立が上手く言語化できないので、再度レビュー。

{netabare} 断念したにしておきながら何度も書き直してすみません。ちょっとこの作品は正しく言語化したいので。文句いいながらも見てますので、やっぱり今見てるにしておきます。

 フリーレンの旅が、アイゼンとハイターの弟子2人と共にあるのは、つまりヒンメルとの旅をフリーレンの内面で思い出す…つまり4人の旅を再現しつつ、ヒンメルの代替はないからでしょう。ヒンメルの言動の意味を今思い出しながらかみしめる旅です。

 なぜヒンメルが銅像を残したのかと考え合わせると、物語全体の発想はものすごくいいと思っています。ヒンメルが一番先に逝ってしまったのはこの構造を作りたかったからです。
 その旅の中で、ヒンメルとすごした10年を特別にして行くことが葬送なのかなと読み取りました。だから、結果的にエンデの城についてもヒンメルの魂と合うことはできず、旅そのものが葬送なのかな?と。だから、ヒンメルの死後のカウントが作品の時間経過の基準となります。

 
 そしてほぼ不死に近いフリーレンの長命による非人間性は下手をすれば魔族に近いです。子供のようなフェルンとシュタルクがなぜ物語に必要だったかと言えば、人間は知識や想い出を前の世代から受け取り、後ろの世代に渡して行く営みがあるということだと思います。魔法が魔族のものから人間が解析して進化しているという点が象徴的で、人間は生死…つまり世代があるから進化する…それをフリーレンが理解するという話を描こうとしているととりました。

 で、興味としては、フリーレンとフェルンが魔法の能力を隠すことに長けている点、ここに何かアナロジーがあるのではないか?と。感情を持たない魔族と組み合わせると、現代社会か資本主義的なアナロジーも感じます。そこが何を描きたいのかな、と思っていました。2023年は戦後78年という意味もあるかな、と思ったりもしました。フリーレンが千年以上生きていて生殖をしないという点で日本人のことかなと。ほろびゆく種族と言う意味でも。
 魔族も一部の人間のアナロジーではあると思います。騙すために人語を解する理性も感情も良心もない存在。

 そこで始まったのが、アウラ編で魔力を隠す意味とかバトルとか、なんか世界観が矮小化してしまった気がしました。原作を読んでいるときにここでかなり醒めて、つまらなさを感じました。期待が高すぎた落差なのかもしれません…もちろん、期待よりもっと高い視座を読み取れていない可能性もあります。

 そして今度始まったのが、一級冒険者ですねえ。ランク化です。まあ、なろう系のレベルウインドウと違い、フリーレンの過去の資格が役に立たないことを考慮すると、ランク化は学歴とか資格とかそういう本質ではないランク付けのアナロジーとも取れますけど。ただ、バトルもそうだしかなりテンプレ感が強いので、ここであーあと思いました。

 こうして文章に書くと整理がついてきます。やっぱり悪い話じゃないし、浅い話とも思いません。とにかくアウラ編まではかなり感動してましたし、展開が楽しみでワクワクしてました。

 アウラ編から一級試験まで間が空きすぎたのと、展開や想い出の描き方がパターン化したこと。バトル要素が強くなったりして、急激につまらなくなったなあ、と感じました。
 ただ、魔族の1人1人が何かを表現したいような気はしてるんですよね。そこがアウラの魔力比べでよくわからなくなってしまいました。

 この後の話も2期3クール目ということになるのでしょう。設定とアナロジーから言って、浅くはないのはわかっています。まだまだ考察すべき部分もあるでしょう。魔法がなんのアナロジーかは読み取りたいところです。

 が、不思議なくらい面白く感じないんですよね…キャラが淡々としているから?何か視点がかわると面白くなるかも…というポテンシャルは感じます。私の読解力の無さなのかなあ…{/netabare}


21話 21話は面白い。それ故に唯一無二の作品ではなくなってしまった。

{netabare}  21話は面白いです。マンガでは退屈でしたがアニメの動きが入るとかなり良くなっています。つまり言い換えると、その面白さとはキャラ萌えとか戦闘シーンのカッコよさあるいはフリーレンの魔法の俺TUEEEでした。
 その面白さは本作に求めているものではなく、葬送=想い出を振り返ることで勇者の想いを理解するということとはちょっとかけ離れています。

 1級魔法士という設定が持つメタファーはもちろん感じますし、強さや力の使い方などの思想的な部分なども読み取れますし、おじいちゃん魔法士のセリフからしてもちろんキャラ萌えだけではないと思います。人間社会側の様々な人間の考え方の違いをしっかし考えて作っているところは興味深いです。

 また、1級試験はちょっとサブキャラが濃いですよね。濃すぎる感じです。その濃さがまた面白さになっているのでしょうが、その描き方に全部が持っていかれてしまった気がします。

 葬送の他に魔法というテーマ性が消えているわけではないし、そこの仕込みもあると思います。が、やっぱりこういう派手な面白さは他の作品でいいかな、と思います。

 つまり、21話の面白さに象徴されるところが、本作の唯一無二の作品になり損ねたという意味で私にとっては面白くなくなったということかな、と思います。{/netabare}


23話 マンガ版より分かりやすく面白い…うーん、再評価してもいいかなあ

{netabare} 22話のような話はいいですよね。この作品を見始めた理由に近いエピソードでしょう。
 一方で23話です。まあ、作画すごかったですね。特に最後の場面のフリーレンモドキは鳥肌が立つくらいにカッコ良かったです。

 どうなんでしょうね?この作品の評価ってやっぱり結末を見るまでは保留にすべきなんでしょうか。アウラ編で魔法の設定が安っぽくなったこと、バトルが長かったことなどで、脱落しかけましたし、途中のエピソードがちょっと冗長すぎたのはありますけど、この数話の出来は本当に素晴らしいと思います。マンガ版になかった迫力という点でアニメータは本当に良い仕事をしていらっしゃると思います。

 正直マンガ版だと1級試験編そのものがあまり面白くなかったですし、試験が入ることでジャンプメソッド的な引き延ばしに感じて作品の質が落ちたと感じていましたが、そうとも言い切れない面を上手く拾ってもいる気がします。その点でデンケンの使い方は秀逸かな、と思っています。

 うーん…評価は一旦ニュートラルにして、マンガではないアニメ版のフリーレンをもう1度再評価してもいいかな、と思わせるくらい21~23話は良かったですね。

 一旦、ニュートラルという意味のオール3に評価は戻しておきます。また、改めて。 {/netabare}



24話 フェルンの性格はなぜああなのか?なぜゾルトラークだけなのか?
 
{netabare} なるほど…フェルンの嫉妬の描写ですけど、家族というか自分のテリトリーの侵害に対して敏感なんでしょうね。これは両親を早くに失くしたことに関係があるのかな?ハイターの杖とかプレゼントへのこだわりというか執着もそうですよね。

 夜更ししてジュース飲むと怒られる理由です。ここの性格造形の作り方はなるほどなあ、という気がしました。育ての親のハイターの教育で「ちゃんとしてない」ことに対して許せないということでしょう。
 もちろん大食いなのも甘いモノ好きなのも、幼少期の苦労つまり食料不足が影響していると想像ができます。となると愛情への飢えもあるので、シュタルクとの恋愛は疑似恋愛の気もしますけど。

 夜更しジュースの件は、今回フェルンも贅沢していましたから、どちらかといえば自堕落だから起こったのではなく一人だけで楽しんだから頭に来たのかな?

 こういうことの裏を返せばフェルンはフリーレンを誰よりも理解している、ということでしょう。だからラストの「フリーレン様を…」になるんだと思います。フリーレンも嬉しそうでしたし。

 一方でフェルンの設定としてなぜゾルトラークと一般的な防御魔法なのか?ですね。今回の「フリーレン様を…」でふと思ったんですけど、フリーレンとゼーリエの設定から言って、魔族とかエルフに対抗できる魔法を人間が持つなら、魔法のバリエーション、つまり種類の多さじゃなくて、一つの魔法を極限まで極めるという方向性しかない、ということかもしれません。

 そうなると初めに出てきたゾルトラークを80年間改良を続けてきた、人間の魔法という意味と重なってきます。これは人間の命の短さで、でも組織的に習得できるものとエルフの長寿で孤独な生き方の違いのアナロジーにもなっているのでしょう。

 ゾルトラークの説明があったエピソードからそこは意図していたのかな?中国拳法のように「一意専心」的なことと、師匠の魔力を隠すという意味もちょっと中国拳法的ですよね。練習も功夫も人に見せるなというのがあります。

 まだ、野心があるゼーリエには魔王は倒せなくて、フリーレンなら倒せるということと、平和の時代の魔法使いという矛盾の説明が何となくわかった感じですね。なんとなくですけど。

 つまり1級試験編の2次試験はフェルンの描写の為の回ということかあ…連載時にバトルで話数を引き延ばしていたわけじゃない…のかもしれませんがどうなんでしょう? {/netabare}

25話 バトルが長すぎてテンポが…テーマ的には同じことを繰り返してますし。

{netabare} 話が進まないですね。やっぱり面白くない…という気もしてきました。21~24話はアニメの出来は良かったと思うのですが、23話のフリーレンの複製登場からが余りに長いです。

 花畑と人間が魔法を得て強くなってゆくという話は、かなり前の回で一回なぞった話ですからね。その重複感はやはり1級試験編は強いかもしれません。アニメの出来はもちろん作画は目立つところですが、テンポというかスピード感もあります。原作が冗長だったところを更に引き延ばしている感じがすごかったです。

 やっぱりアウラ編の途中からバトルが長くて、妙にテンポが悪くなるのとセリフで全部説明するのでどうかな、と思っていた悪いところがこの数話極端に出てますね。アニメになって余計感じました。 {/netabare}


26話 やっと1級試験も2次試験が終わりました。

 魔法とイメージがこの数話にはテーマとして出てきてますね。フリーレンを殺せるというイメージ。そして布を切るというイメージ。それとエルフと人間の魔法に対するスタンスの話もありました。で、もちろんフェルンがゾルトラークを極めるということでしょうね。その辺が本作はテーマとしてありそうですね。そこをはっきりさせたのが1級魔法試験かな、という感じでした。このテーマ性は悪くないと思います。ただ、試験編は長いなあ…やっとここまで来たかあ…

 なぜか模倣フェルンが出てこなかったのはフェルンがそこまで上手く魔法を隠せているということ?一瞬メトーデを狙っていたけど攻撃を受けきったように見えましたけど…拘束魔法が上手くいく前に攻撃は受けたみたいですよね。それをよけ切っていた?メトーデが強すぎるってこと?それともたまたまなんでしょうか。

 作画はやっぱりバトルシーンは力が入ってますけど、私は惹かれないですね。むしろ作戦会議の時のフェルンの表情の変化が良かったですね。









前回のレビューです。

正直に言うと原作アウラ編の途中からつまらなくてしょうがなかった。

{netabare}  2クールらしいし人気作になったので一人くらいいいでしょう、遠慮なく言えるので今言っておきます。
 
 正直に言うと原作はアウラ編の途中から凡庸でつまらない作品になったなあと思いました。つまらないとは言いずらい…つまらないと言ったら負けかなとは思い、言葉を濁しましたが。

 作品として評価したのは冒頭だけです。以降はなんだかなあと思って読んでました。で、アニメが人気なので見てみればちょっと見方が変わるのかなあと期待したので、チェックはしてみました。

 要するに原作は人気作故に「葬送」の意味を途中で変えてしまったのではないか?と思います。そう、バトル控えめで過去の戦いと死んだ仲間の意味を振り返りながら旅をするだけだから面白かったんです。それが「葬送」かなと。

 アウラ編以降、ジャンプ系?という感じでバトル要素が色濃く入って来て、この話以降も変な言い方ですけど、どんどん凡庸になって行く気がしました。

 ちゃんと人気作になったとのことで、アンチの批評が少しはあっていいでしょう。私はこの作品、冒頭ではポテンシャルが非常に高い素晴らしい作品だと思っていました。人気故に名作になる道をすて引き延ばしによる凡作化を進みつつある作品だと思います。その落差にガッカリしたので、断念したにしていました。で、改めてアニメを見てもやっぱりがっかりかな、と。原作よりは演出面等でがんばってますけどね。ただ、結末次第では盛り返せる部分もあると思います。{/netabare}
 


第5話 原作マンガが良すぎるのでアニメは休みます。

{netabare} 別にアニメがつまらないわけではないですが、雰囲気としては原作コミックスが好みということです。
 ただ、やはり「推しの子」と同じです。1巻2巻あたりがピークな気がしたというのも同じくアニメを追わない理由です。
 原作も11巻既読しましたので後は完結したらでいいかな、と思っています。理由はネタバレになるので言いません。ただ、週刊連載の人気作の悪いところが出始めています。

「葬送」の意味は魔族を一番葬ったからということですが、それはダブルミーニングというかむしろ後付けでしょう。エンデの魔王城とは、「モモ」のミヒャエル・エンデからのネーミングだとすると、時間の価値の話になるはずか、当初はそれを想定していたと思います。

 目指す目的が死後の魂と話をするということですから、フリーレンの中にいる想い出と向き合う話、死と時間を理解する話になると思いますので「葬送」の意味が「人を見送る意味」じゃないと作品の価値がありません、と私は思います。

 ということで、原作が良すぎるのでアニメを見る意味がないと感じましたので、やめておきます。{/netabare}
 

視聴前 私は冒頭が好きです。「間」と「静けさ」がキモになる作品。

{netabare}原作途中まで既読。多分全部読むでしょう。

 この作品は面白いですがキモはテンポです。間延びがあると間抜けになります。11巻ですか。ちょっと2クールとか2期とか考えると色気がでてしまう巻数です。人気作だけに下手をすると変な尺稼ぎで時間を伸ばす可能性がありますので、それだけが心配です。
 本作は淡々とテンポ良く静けさを感じるくらいに表現されるのが面白い作品です。そこが上手くできているかどうかがポイントになります。第1話に力が入りすぎているのがちょっと心配です。「チェーンソーマン」になりませんように…。

 それと、どこまでになるかわかりませんが「推しの子」と一緒です。あの作品よりも緩やかですけど、冒頭とそれ以降楽しみ方が変わる作品です。といってもテーマは同じなんですけど…単純に面白いのは後からですが、私は冒頭が好きな作品です。
「さよならの朝に約束の花を…」をこの時期にレビューしたのは、この作品の下準備と言えばわかりやすいかもしれません。

 過大評価、期待過多はやめた方がいいです。「感じる」作品でエンタメとしてはそれほどです。「タイパ」重視の人にはまったく向かない作品でしょう。制作者側もそこは理解していると思いますが…{/netabare}


第1話 素晴らしいアニメだけど、面白くはない。過大評価はしない方がいい。アニメはマンガに比べて格段に情報量が多いのがどういう影響になるか。

 初回…というか2日前、金曜ロードショーの放送の時に、戦後78年のアナロジー云々と書きましたが、やっぱり再視聴してみて、この作品は頭を使わない方が良さそうですのでレビューを書き換えました。
 考察するよりも、生きるということと時間経過の意味を感じる方が良さそうです。
 1点だけ。魔法とはなにか?魔力感知とは?魔族は?そこのアナロジーは嫌でも考えてしまいます。

 そして、やっぱり面白くはないです。エンタメとして評価するなら退屈です。それでも「いい作品」だと言えます。3回目ですけど全然OKです。
 ストーリーもテーマもキャラも抜き出してしまえばありきたりです。過大評価、期待過多、そして何よりも他人の意見。見方は人それぞれですから、こういったものは排除した方がいいと思います。向くか向かないか。まず自分でそれを判断しないと苦行になる可能性があります。
 特に情報として作品を観賞する「タイパ」重視の見方をする人は早々に退散した方がいいと思います。

 アニメ版、ちょっとフリーレンの顔が丸くて笑ってしまいますが、時間の経過の感覚はゆったりしていてけど、場面のテンポは速くて上手く原作を表現しています。
 音楽や声優さんの声質、演技。効果音、色、何より動きなどアニメならではの情報量の増加しているのが下手をすればノイズになります。(1例を挙げると30分単位の2話。岩を魔法で打ち抜く修行をしているところのシーンが顕著です)
 また、制作者の解釈が分かりやす過ぎて、原作より文学性は落ちている気がします。

 ただ、この作品は視聴中は頭を使わず受動的に見て、後から味わった方が良い気もしますので、そこはアニメのアドバンテージでしょう。

投稿 : 2024/03/27
閲覧 : 843
サンキュー:

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葬送のフリーレンのストーリー・あらすじ

勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。(TVアニメ動画『葬送のフリーレン』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2023年秋アニメ

この頃(2023年秋アニメ)の他の作品

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