Witch さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
一族の長の苦悩、計算された(?)金髪幼女設定
【レビューNo.14】(初回登録:2023/1/5)
コミック原作で2010年作品。全12話。
YOUTOUBEで「1話で騙される超展開アニメ」で紹介されていたので視聴。
シャフト制作。
(ストーリー)
主人公は金髪幼女のヴァンパイアの女王「ミナ」。
物語の格子は下記の通りですかね。
{netabare}・「ヴァンパイアバンド」建国
「人間とヴァンパイアの共存」を実現するため、ミナはヴァンパイア
の女王として、ヴァンパイアが安心して暮らせる世界「ヴァンパイア
バンド」を東京湾の人工島に建国することに邁進します。
そこには日本政府との政治的な駆け引きだったり、また因縁の「真祖」
と呼ばれる三支族との権力闘争といった要素が加わって・・・
彼女は時に非情な決断を迫られることになります。
・人狼・アキラとの愛と絆の物語
記憶を失って普通の高校生活を送っていたアキラですが、過去にミナとの
盟約(永遠に女王に仕える)を交わしていた。その記憶を取り戻した今、
二人の絆の物語が動き出す。
作中では恋愛描写的な感じが多いですが、実際はそれよりも大きな愛・
絆的なもののような?
・バトルアクション&ホラー
異能の力を持つヴァンパイアや人狼たちのダイナミックなバトルシーンも
この作品の見どころとなります。
あとヴァンパイアが人を襲っていくホラー要素もぶっ込まれているかな。{/netabare}
(評 価)
{netabare}ストーリーを見たらわかるように、1クールの中に結構いろいろ詰め込んで
いるのでちょっと苦しいかなって感じる部分はありますね。
特に三支族の話は、ヴァンパイアの女王であっても彼らの後ろ盾がないと
その権威を保つことができないらしいのですが、非常に分かりにくいです。
そういう意味でもシャフト独特の演出を入れつつ、上述要素のバランスを
保ちつつよく1クールでまとめたなと感心します。
個人的にこのアニメの一番の見どころは
「ヴァンパイアの女王「ミナ」の抱える苦悩や葛藤~心の強さと弱さ」
それを見事に魅せてくれた悠木碧の快演だと思います。
一族の長として彼女には皆を守るという重責があり、また理想実現のため
に清濁併せ呑み、時に非情な決断を下さねばならない場面もあります。
彼女は常に強くあらねばならないのです。でもその反面本当は誰かに
支えて欲しい、特にアキラにはずっとそばにいて欲しい、そして汚れた
自分を本当はアキラに見られたくないという心の弱さも併せ持っています。
それを効果的に魅せるのが「金髪幼女」設定なのです!
(まあ本当は400歳位らしいのだが)あの幼い容姿で凛として振舞うから
そのギャップで彼女の強さが引き立つのであり、またその幼さは彼女自身
の弱さの象徴でもあるともいえます。
正直最初は金髪幼女設定にあざとさを感じていたのですが、悠木碧の演技
を観るにつれ腑に落ちました。
まあ本当に原作者にそういう意図があったのか知らんけどw
(あと種族的な設定で子供を産まねばならないらしいが、体が成長して
いないから産むことができないという口実に使ってる部分もあるらしい){/netabare}
上述の通りいろいろな要素を詰め込んでいるため、人によっては捉えた方
が違ったり、途中から「なんか思ってたのと違う」と感じる人もいるかと
思います。それでも個人的には高評価で観てほしい作品ですね。
あと「1話で騙される超展開」については、作品を見てのお楽しみ(笑)