どらむろ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アメコミ風の痛快SFアクション、30年ぶりに復活!ハリウッド映画っぽい感じ
原作は1978年~1984年にかけて週刊少年ジャンプで連載されていた、古き名作漫画。
人類が宇宙中に広がったSF世界で、腕にサイコガンを持つ一匹狼の男・コブラが大活躍する痛快アクション!
過去何度かアニメ化(最初のテレビアニメは1983年)されてきて、本作は30周年記念。
70年代から続く不朽の名作を、2010年のアニメ制作技術でアニメ化、クオリティーはかなり高いです。
…原作の序盤は飛ばして、第4部「黄金の扉」からのスタートですが、原作未読でもコブラのキャラや設定は観ていけば分かるかと。
近年の日本の漫画やライトノベルにはまず無いタイプの、アメリカンヒーローっぽいナイスガイ・コブラの小粋な冒険譚は必見。
「ハリウッド映画のヒーローアクション」っぽい作風です。
基本的に1~2話のオムニバス構成(最初と最後の章だけ4話)でテンポ良く、飽きさせないです。
{netabare}『物語』
有名所では「ルパン三世」や「カウボーイビバップ」辺りに近そうな雰囲気。
日本の漫画やラノベというよりは、ハリウッド映画っぽい感じ。
アメリカンヒーローっぽい小粋でダンディなヒーロー・コブラが、美女絡みで色んな事件や陰謀に巻き込まれたりしつつ、宇宙狭しと大暴れする。
『黄金の扉編』1~4話
車運転中に悪者に追われる美女を救ったりする、ルパン三世みたいな展開。
コブラの飄々としたダンディっぷりから、太陽系に地球よりでかい惑星型宇宙船が彷徨ってたりする世界観が分かる。
「このままでは太陽系が滅ぶわ!コブラ助けて!」
な、なんだってー!?
ここから美女シークレットを悪の宇宙海賊から守りつつ、巨大惑星ガロンに飛んだり、シバの女王の伝説など、宇宙を股に掛けての大冒険が始まる…。
全般にハリウッド映画の遺跡探検っぽい展開でハラハラする。
途中でいきなり記憶喪失!?→もう一人の美女・ボニーとの出逢い。
闇格闘技の悪党と対決したり、太陽系滅ぼそうとする真の敵は巨大システムに飲まれた超能力者だったり、急展開の連続。
不死身の敵に苦戦したり、美女に惚れたりと、ハリウッド映画っぽい波乱の連続でした。
…遺跡の鍵は太陽系で一番美しいプロポーションを持つ美女なのだ!
という展開は正直ちょっと面白かったですw
あと、何日も超重力で押しつぶされてたらシークレットちゃん死んでますよね?
流石、太陽系一の美女は生命力もすごいな!w
『さまよえる美女の伝説』5話
1話完結。眼鏡かけた気の強そうな女性の依頼で、海の秘宝を探すコブラ。
…この作品、美しい女には棘があるパティーン多いですw
海の伝説やロマン、財宝狙う悪党とのバトルそして意外な結末…。
1話ではやや掛け足感はありますが、綺麗に纏まってた冒険譚でした。
『カゲロウ山登り編』6~7話
山頂に黄金詰んだ飛行機が墜落、その黄金を狙う欲深き者達が、幻の雪山に挑む。
山への畏敬や、人間の醜い欲望、心の弱さや迷いが交錯する…
とりあえず共同戦線張るコブラ達の奮闘から、疑心暗鬼そして意外な人物が黒幕だった!
…私的に、カゲロウ山登り編が一番好きです。
雪山との死闘だけでも冒険譚としてワクワクするし、誰が殺人犯かのミステリー要素、ラストは醜い黄金への欲とは無縁だった男の清々しさが印象に残る。
…でも、あんたら、そんな軽装でよく寒くないなw
いやまあ、コブラ達の未来世界では、軽装に見えて超保温性の高い衣服なのかも知れない?
『マンドラド』8話
この作品の美女は怖いなぁw
歯にダイヤモンドを付ける人面植物マンドラドを狙う悪の美女に脅迫され、コブラと三人の男達が危険なマンドラド採取に挑む。
やっぱりハリウッド映画の遺跡探検物っぽいノリです。
カゲロウ山登りに続き、人間の欲望の醜さがテーマっぽい感じ。
『黒い弾丸』9話
1話完結のSFカーチェイス。
ヒロイン・パメラはレースチャンピオンな強く美しい女性だったが、哀しい事情が…。
上空からマシンと共に落下中に組み立てないと墜落死するとか、トンデモなレースにはビックリ。
カーチェイス物としてはやや物足りないが、哀しき女性レーサーの想いを受け止めたコブラの男らしさが光った。
『ギャラクシー・ナイツ編』10~13話
ラストエピソード。謎の侵略者に征服された星で、囚われの王様を助けてコブラ達傭兵が戦う。
「カゲロウ登り」編に続き、共通の目的の為に腹に一物あるクセモノ達が一時的に共闘する展開。
集められた傭兵は別に正義ではなく各々の欲望や思惑あって、油断のならない雰囲気。
謎の精神侵略生物の脅威や、きちんと作戦立ててのバトル、誰が裏切り者かの緊迫感、記憶喪失のキングのドラマ、敵ボスが中々の強敵等々、4話に渡り中々面白いです。
ヒロインの妖精エリス(声・川澄綾子さん)が可愛い♪
暗殺者の美女は…やっぱりコブラのゲストヒロインはコワイ!
コブラの過去に関わるエピソードも興味深い(このシリーズに馴染みが無い人には左程でもないかも)。
…ラストはコブラの永遠のベストパートナー・レディと再開でエンド。
いつの日か、再びコブラとレディーの活躍が観たいところです。
総じて
全編に渡り、コブラの軽妙かつハードボイルドな大活躍が見られます。
私的に「カゲロウ山登り」編が一番好きです。
テンポは良いが、短編はややアッサリしている感も。
あと些かワンパターン(ゲストヒロインは、守られ系か黒幕かどっちか)な気も。
とはいえ十分面白かったです。
出来れば原作の他のエピソードも観てみたいものです。
『作画』
流石に2010年のアニメ制作技術、初代テレビアニメの80年代よりは断然綺麗です。
キャラデザは日本の漫画というより、アメコミっぽい。
コブラのダンディさ、美女たちの美しさは見事。
アクションはますまず。背景は、遺跡や自然の脅威を存分に感じさせる。
全般に暗い場面多くて状況把握し辛い点が難。
『声優』
コブラ役は内田直哉さんがカッコ良く好演。
レディは榊原良子さんで変わらず、榊原さんボイス素晴らしい♪
シークレットの坂本真綾さん、ボニーの白石涼子さん等、配役は豪華です。
妖精エリスの川澄綾子さんが良かった。
男性陣に燻し銀のベテラン多数、声優陣は豪華です。
『音楽』
OP「COBRA THE SPACE PIRATE」がカッコイイ。
私横文字の歌ニガテなんですが、これは雰囲気と主題完璧です。
ED「君の歌」も良曲で、余韻が残ります。
『キャラ』
コブラはジャンプキャラの中では、世代によってはケンシロウやキン肉マンに匹敵する存在感があるかも知れない、スーパーヒーロー。
「サイコガンごっこ」するには私はちょっと遅かったですけどw(私はキン肉マン世代)
日本的な漫画やラノベ主人公ではなく、ハリウッド映画のヒーローみたいです。
飄々としているが、やる時はやるナイスガイ。
決して正義の善人というワケではなく、時には美女であっても無慈悲に射殺するのもカッコイイ。
毎話、ゲストヒロイン登場するのも特徴。
シークレットが一番美女でしたが、性格的にはボニーも可愛いです。
パメラは悲劇的でした…。
妖精のエリスが一番萌え♪川澄さんボイスええわ~♪
今作では殆ど活躍が無いレディですが、存在感はバツグン。
基本的にゲストキャラはほぼ全滅するモブ(ゲスト)に厳しい作風。
カゲロウ山登り編のキャラの、獣顔の殺し屋が好きです。
危険な殺し屋だが、一時的とはいえ手を組んだ同志が怪物に食われた際に、苦しませないように殺してあげたり、悪人なりのポリシー感じられてカッコイイ。
『余談』
2010年当時、BS11での放送でしたが、前番組は「うたわれるもの」
後番組は「Angel Beats!」でした。
…70~80年代風なコブラだけ雰囲気が浮きまくりですw
前後の大人気作に挟まれて不人気気味かもですが、コブラも面白いですよ。
いやしかし…2010年度の層の厚さは改めて凄いなぁ。{/netabare}
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