螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価
1.6
物語 : 1.0
作画 : 1.5
声優 : 3.0
音楽 : 1.5
キャラ : 1.0
状態:観終わった
ここまでヤバいのはほとんど見たことが無い
小説家になろう原作のアニメ。例によってクオリティが低いです。個人的には曲とかも微妙なので褒められるところがほぼ無いですね。
タイプとしてはありふれや進化の実と同じクラス転移系。主人公は異世界で勇者として活躍した後、現代に一度転生し、クラスメイトたちと一緒に異世界に戻ってくるという異色の経歴を持っています。
しかしながらオリジナリティはそれだけで、そのオリジナリティも悪い方向に転がっています。
2話で主人公はかつての仲間やクラスメイトと別れ、商人の娘と一緒に魔族大陸に向かいます。導入の1話はともかく、この2話の構成が意味不明過ぎて底を突き抜ける出来。主人公周りをほっぽり出してよく分からない娘の掘り下げに1話使う謎の采配です。娘の態度もいちいち癪に障るところがあるのでますます誰得な感じです。
笑える点は中世の世界観なのに喪服が現代風だったりリヴァイアサンの声がゴジラに似ていたりするところですかね。
良い点
・声優はまあ良い。ルリ役は微妙だけど
・EDの映像は綺麗。かぐや様やシグルリのEDを手掛けた人なので納得の高クオリティ
悪い点
声優以外ほぼ全部と言って良い。
・主題歌の質が個人的によろしくない。特にOPのBメロ。本編の劇伴はそこそこだけど、高品質とは言えない。
・キャラクターの掘り下げが下手くそで話についていけない
・そもそもの話が異世界もの特有のありきたりな感じで魅力的に見えない
・作画が悪い。3、6話が顕著
次回はイカ揚げ回。サブタイからして嫌な予感しかしない……。
3話
イカ揚げ回。のっけから作画崩壊し過ぎていてやばい。全員崩れてるけどリヴァイアがたくさん崩れていました。あとやたらとイカリング擦んのなんなん?1話ずっとイカリングを使い倒してた。冰剣の筋肉とか超人高校生のマヨネーズみたいなノリでしょうか。本筋は戦争を終わらせるのを対価に豪商の奴隷になろうとしている魔王を助けに行くというのを覚えておけば大丈夫です。
4話
セツが魔王デザストルを助ける回。淡々と前話で広げた話を消化しただけで悪ふざけに徹していたと思われるイカリングより無味無臭。あと変わらずキャラクターを魅せるのが下手くそ。
今回のメインキャラであったデザストルはイカリングの話で登場させとくべきだった。セツとデザストルの関係をもっと深掘りできているなら抱く印象も変わっていたかも。今回に限らずこの作品は全体を通して作中の事情を視聴者に説明せず、訳知り顔な登場人物たちの間だけで勝手に話が進むから置いてけぼりを食らいやすいです。
セツが敵対してるらしいトーマってまずどんな奴だよ。セツと幼馴染や戦友たちはどういう関係?知りたい情報は教えてくれないのに、レギュラーキャラじゃないルリ関係やセツがイカリング作りが得意だとかの本筋に繋がらないしょうもない情報だけはたくさん披露してくるという。
ここまでいくと商業作品のレベルではないですね。
5話
セツに着いていきたい夕陽が覚悟を決める話。構成はデザストルの時と概ね同じで、過去回想で夕陽とセツの関係性を掘り下げてから異世界の話に戻り、夕陽がセツと共に行くのを選んだ際、襲い掛かってくる敵に対してどういう覚悟をもって立ち向かうのか葛藤し、答えを模索していきます。
話の筋は割と良いとは思います。ただセツサイドを話から完全に切り離したせいでセツたちが今どうしているのかが掴めず、話が飛び飛びに見えるのが難点ですね。デザストル回と似たような問題点です。
1話に引き続きちょくちょく描写はされたものの、他のクラスメイトはモブ扱いっぽい。ありふれや進化の実には特徴的なキャラがいたのに、この作品には夕陽以外に深掘りされそうなキャラは現状出て来ていません。たくすけさんの意見と同じで、せっかくのクラス転移なのにセツと夕陽以外にフォーカスされないならこの設定はほぼ無意味になってしまいます。今後も掘り下げられない場合、チート魔術師みたいに二人だけ転移で良かったと思うでしょうね。
4話辺りからクソアニメとしても無味無臭になってきたので、クソアニメマニアとしての訓練を積んでいないと視聴継続は難しいかもしれません。
6話
セツの弟子らしいアリゼの登場回かつワースト更新回。
キャラクター関連は相変わらず登場人物内で完結していて、視聴者が介入する余地が無いです。新キャラのアリゼがどんな奴かもうちょい説明しろ。
この回での問題となるのは作画。3話とは比較にならないレベルで酷い。少し動かすだけで溶ける溶ける。
話自体もかなり薄い。ほぼずっと馬車で駄弁るだけとかしょぼ過ぎる。
犯人探しの際のセツの推理も説得力が薄い。リヴァイアの匂いを嗅ぎ分けられるだけでアーメルをドラゴン呼ばわりはいくらなんでも無理がある。そもそも視聴者に渡されている情報が少な過ぎて推理する段階じゃないし、ついていけない。
そしてアーメルの正体であるドラゴンをアリゼは容赦なく斬ります。いや妹として可愛がっていたのに葛藤しないの?
やばい回ですね。
7話
これと8話が獣人大陸編。獣人のシロネコとミネコをセツが救う話です。
出来は相変わらず笑えないレベルで酷く、登場人物の背景が全く説明できてない時点で論外。シロネコとクロイヌの話を全部台詞で片付けるなよ。ミネコが呪われる原因となったネックレスもどこから流れて来たんだ?流れからしてクロイヌがやったんだろうけど引っ張る理由も無いしきっちり説明しとけば話に厚みが出たのに。
あと前々から敵をことごとく逃すから爽快感も無いし、敵から情報を引き出す展開もおかげでなかなか無く、折り返しを過ぎても進展はほぼゼロ。トウマが世界征服()を目論んでる以外何も分かんねえんだけど。
ずっと魅力も無い小物みたいな敵に良いようにされてる展開は結構なストレス。魅力があれば違うんだけど残念ながら無いからなぁ。
そもそもこの作品は何を見て欲しいのかがまったく定まってない。異世界無双じゃないし、ハーレムでもないし、キャラを魅せるわけでもない。ろくな展開が無く、作画も悪いつまらない旅アニメを垂れ流されて面白いって言える人は少ないと思うのですが。
8話
セツがシロネコとミネコをメンバーに加え、獣人王国に助力を求めに行く話。
相変わらずの脚本で頭を抱えます。セツが近衛隊長のルーガと族長の娘であるロアを巡って一悶着を起こし、蟠りを解消するべく決闘をするという展開。全12話しかないのに8話目で諍いメインとか、やたらちんたらしてんのはなんなんだ。
ルーガは割と良いキャラをしてるとは思いましたが、まさかの雑な退場。ルーガ周りだけでもワースト回を更新できると思います。散々ヒール役をやらせておいた末に捨てるとか、道化役としてもキャラに厳しくないですか?
目玉としては敵陣営の頭であるトウマが出て来た点でしょうか。トウマはセツにめちゃくちゃ執着する絵に描いたようなサイコホモで、世界を滅ぼした後、セツと二人きりの新世界(笑)を創造することを目的としています。無理矢理狂人にしたような造形からキャラとしての魅力は三流ですが、迫真の演技が光る点から、ここら辺はクソアニメ好きなら見所になるかと思います。
あとシロネコたちが加入してからハーレム要素が謎に増えました。今更そういうの要らないから話進めろ。
他はたくすけさんとほぼ同意見ですかね。個人的に純粋なクオリティの酷さでは他の追随を許さないアニメだと思います。
9話
セツが初めて異世界に召喚された時系列に遡る、という話のはずだけど、実態は共に召喚されたトウマの話。
質はかなり酷いです。
トウマの掘り下げが大半を占めますが、1話丸々使った割には彼の内面描写が説明できておらず、この話を見た限りだといきなり狂ったヤバい奴にしか見えませんでした。トウマが闇落ちするまでに展開は色々あったんだけど、最初から離れ離れになっているセツとトウマを結び付け、セツにまつわる彼の心の闇が明らかになっていくようなイベントがほぼ無く、そのせいでなんでセツにあそこまで執着するのかが読み取れないんですよね。一番それっぽいペンダントの話が抽象的で説得力が無い時点で掘り下げは失敗していると思います。離れ離れになった悲劇的なヒロイン的なポジションをトウマにやらせたかったんだろうけど、ここまで構成できてないのが丸わかりだと一緒に旅させた方がまだマシだったと思う。
セツサイドの描写は論外。序盤にトウマと戦争を終わらせる約束をした後、セツは後半まで話の舞台からフェードアウトし、この間は当然ではありますがトウマとは関わりません。旅路を歩む彼がトウマに対してどんな想いを募らせているのか、そんな最低限の心理描写も無いので、現段階の目玉であるセツとトウマの因縁が薄っぺらくなっています。
彼は戦争が終わった後半にちょくちょく出てきはしますが、当たり障りの無い会話をするだけですし、最期は狂気に堕ちたトウマとわずかに剣を交えて速攻消滅するという何の感慨も湧かない終わり方になっていました。
セツもセツで戦争終結の時にトウマを労ってやれよ。新しい仲間にばっかりかまけてほぼスルーは酷いだろ。
あとセツの話も重要なはずなのにスルー?敵より先に視聴者が最も感情移入するだろう主人公の足跡を描くべきでは?ここら辺の取捨選択も意味不明で首を傾げました。
過去編も酷いとなると、もう挽回は期待できそうにはないですね。
10話
魔族大陸にディスティニア軍が侵攻。人間vs魔族の戦争が開幕しました。
今回は笑いどころが多過ぎて腹筋崩壊しましたね。これだからクソアニメ視聴はやめられません。
Aパートは戦争あるあるの悲劇的な話が展開されますが、他作品と比べて圧倒的チープでギャグになっています。
モブクラスメイトたちが一人のモブ子を置いて八方向に散らばり、そのモブ子がぬるりと出てきた魔族兵に襲われる展開があったのですが、チープな演出のせいでモブクラスメイトたちによるモブ子への手の込んだいじめみたいになっていました。
夕陽がクラスメイトに不殺を説く展開もありますが、今後を踏まえるとスタンスがぶれぶれなので説得力は無いです。
Aパート後半からBパート終盤にかけてはメルアが戦場に出現し、操り人形にしたアリゼと共に人間、魔族問わずに無差別攻撃を開始。エルカや夕陽たちが応戦します。
メルア戦はギャグ描写のオンパレード。単純な戦闘作画の悪さに起因するしょぼいアクションに始まり、メルアの召喚した化け物たちのデザインやエルカたちの技名のダサさもあってC級作品としては一級品。
展開も急過ぎだし、そもそもキャラに思い入れが無いから感情移入しようがない。アリゼが洗脳されてもふーんとしかならなかったし。
強キャラ描写されていたアリゼがグレインの一撃で倒されたり、化け物もそんなに暴れる間も無く蹴散らされました。挙句メルアもメルアで最初イキリまくっていたのにいきなり取り乱した末にエルカにブッ刺されました。
ちなみにメルアに殺意の高い攻撃を繰り出したエルカを不殺ウーマンの夕陽は止めようとしませんでした()。お前不殺とか実は言い訳でワニくんいたぶりたかっただけ?ワニくんは犠牲になったのだ……。
心臓を潰されたメルアは実は人体実験により心臓が複数あることを宣言。NARUTOの角都かな。そして新たに呼び出したキマイラと融合。超劣化大魔王バーン様鬼岩王形態を披露します。ティアに尻尾攻撃当たってませんよ。
そしてメルアに潰されて死んだはずの蝶々くんひらひらからのスレイヤーアリゼによる迫真の妹殺しが炸裂。妹を容赦なく殺すのは二度目です。味方の攻撃が敵より殺意高過ぎる。
バーン様の最期よろしくメルアは事切れて石化し、敵の猛攻を退けたのも束の間、新手のカゲロウが襲撃。一番動ける夕陽が戦うことを選びますが、そこにタイミングよくセツが現れたところで終わりました。
3話以来、久々に笑わせてもらいました。
11話
全部がおかしい(真顔)。今更ですが。
メルアが倒れた後、夕陽たちの前に現れたカゲロウ。メルアとの激戦で満身創痍であり、窮地に陥った夕陽たちを救うため、セツが参戦します。
今回は終始トウマの手下であるカゲロウ、クロイヌ、ビルドスとセツたちのバトルが描かれます。ゆえにほぼバトルシーンです。
ここまで見たみなさんならすでにお分かりでしょうが、このアニメの戦闘作画は全部ど底辺。この11話も例外ではなくクソです。
作画崩壊がとにかく多く、無理やり動かしてはカックカクかつ崩れまくるという悪循環。
前座の夕陽のマゾネタはたくすけさんと同意見。見ていて目が白くなりました。ほんとこのアニメは積み重ねが足りないんだよなぁ。
Aパートはシロネコ、ミネコvsクロイヌ。クナイが得物として出ているから連想してしまったNARUTOのアニオリで目立っていた酷い作画の時より酷い戦闘シーン。敵の使うリミットブレイクって前話の時から思っていましたがFF7のオマージュ?セツの大剣とか服装もそれっぽいからついついそう考えてしまいます。
クロイヌのリミットブレイクはドラゴンボールの天津飯の四妖拳やBLEACHのノイトラの帰刃、サマータイムレンダのシデみたいに拳を体から生やし、物理攻撃を威力、範囲共に強化する能力。忍者っぽい見た目と関係無くて草。忍者コスプレするくらいだしクナイ以外に影分身とか幻術とか使わないの?
本気を出したクロイヌに苦戦するシロネコとミネコは突如フュージョン、なんかキモいカラーリングの合体戦士にいきなりなってクロイヌを逆に圧倒し始めます。結局そのまま押し切られて敗北したクロイヌは過去、妹たちがいたことを話します。シロネコに最初優しく接していたような部分が垣間見られるのはこれが関係しているのでしょうか。まあほぼ台詞で存在を示唆したっきりで終わりなのであまり感情移入できる感じではありませんでした。
Bパート序盤、ビルドスと戦うのは獣人のロア。流血シーンがこのバトルだけやたら多いです。ビルドスの能力は自身を鉄に変えて硬質化したり、数多の鉄球になって自分を飛ばしたりできます。能力としてはハガレンのグリードと被るものの、ややユニークな部類。まあ作画や演出の絶望的なまでの技術力の低さでしょぼさは凄いです。
ビルドスの能力の前に苦戦を強いられるロアは野性を解放。ビルドスも全身を硬質化して根気と根気の戦いになります。ビルドスに串刺しにされながらも闘志と誇りを失わないロアは相打ち覚悟で彼に風穴を開け、撃破。死に際のビルドスは彼女の戦う姿に感銘を受けたのか、瀕死になった彼女に治療の施しをして倒れました。展開は王道ではあるものの、早足なところを除けばまだ見られる部分ですね。
場面は打って変わってセツvsカゲロウ。作画はこれもクソです。膠着する戦況を変えようとカゲロウはリミットブレイク、クソダサアーマーを装備して一度はセツを圧倒します。セツは彼に対抗するため本気を披露、秘剣を使って一発逆転をしました。
技をギリギリで逸らし、玉砕覚悟でなおも向かってくるカゲロウをセツはバカヤローと一蹴、今度こそ勝利を収めたセツはトウマがいる魔王城へ向かうのでした。
バトルシーンがことごとく作画のせいでダサくなっており、かつストーリーも雑で大味なので評価できる点は皆無に等しいです。
12話
セツvsトウマの最終決戦。作画はナオキです……
戦闘中、トウマは三度に渡り聖剣を変形させ、戦力を増強させていきます。秘剣・絶ってなんだよ。セツの秘剣よりはマシだけどネーミングセンスェ……あとガトリングガンとか世界観こわれる。
デザストルとリヴァイアは満を持して出てきた割に描写無しでボコボコにされてて草。リヴァイアはともかくデザストルお前魔王だよね。4話でただの人間に脅された挙句、普通に戦っても善戦すらできないのはだめでしょ。彼女たちに限らず、この作品はほとんどの場面でセツ任せで全体的に仲間が頼りないです。現にこの最終決戦ではみんな足手纏いになっていました。
セツの乱れ打ちでトウマがびびんのもギャグか?すげぇ技みたいになってるけどネーミングも相まって大した技に見えん。
戦闘自体は説明台詞があまり無くスピーディーではありますが、このアニメの場合、裏を返すと情報量が無くただ薄っぺらいだけなんですよね。
戦闘後の展開は無駄に良アニメみたいなことをしていますが、積み重ねは無いのでこっちも薄い。なんというかこれまでの名作を継ぎ接ぎした感じ。こんなんで感動する人いるんか?目玉であるはずのクラス転移要素も、夕陽以外のクラスメイトはろくに活躍しないまま帰しちゃったしほぼ無意味。こんなんなら無くて全然良い。
最後まで見た感想としては、最初から最後までクソたっぷりなアニメだったと言えます。この作品はなろう系の中でも飛び抜けて酷いので、色んなアニメを齧りたいアニメマニア、あるいはクソアニメ好きの変態紳士じゃないと完走するのは厳しいと思います。
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