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「金の国 水の国(アニメ映画)」

総合得点
74.3
感想・評価
53
棚に入れた
194
ランキング
921
★★★★☆ 3.9 (53)
物語
4.0
作画
4.0
声優
3.7
音楽
3.9
キャラ
3.9

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金の国 水の国の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

さあや さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

いつでも難しい道を選んでください!

2つの敵対する国が、つながるまでのお話。
最近見た完結型映画の中で一番良かった。

恋愛ももちろん、 王族や皇室のいざこざもしっかりと持ち込んでいて、良いです!

ほっこりさせられる映画です!
多分後悔はしません!

投稿 : 2024/07/11
閲覧 : 40
サンキュー:

0

ネタバレ

よ! さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

アニメだからこそ

童話のような世界観のお話し。
仲の悪い隣接した2つの国が長年争っている。
双方の国にはそれを良しとしていない若い男女が別々に存在している。そんな2人が運命的に出逢い、2つの国の仲を取り持とうとするお話し。
{netabare}
まず出逢い方が運命的というより悪意的で人為的なのだが、結果的にそれが運命的としか言えない出逢いになっているのが面白い。個人的にストーリーで最も評価するならそこ、と思いました。
配役に関して言いたい。この主役の二人、めっちゃ良い演技してる。完全に声優だと思って見ていたのだが、賀来賢人と浜辺美波とな。
素晴らしいとしか。特に終盤のどんくさい王女が誤解を自覚した瞬間の「ええっ!」のシーンは最高。もうこれしかないやん、これ超える演技ある?て思った。たった一言だけなのに感情のこもり方エグい。いや、流れ的に観てる人間がそう感じるよう演出に誘導されてるという自覚はある。だがそれを差し引いても良かった。
役者が声優やると大体うーん?となることが多めなのだが、これに限ってはずっと良い演技してるなーと思いながら観てました。
2人とも良い演技する役者さんという認識でいたのだが、アニメ声優も優秀かよ。お前らのせいで若手声優が職失ってる責任感じて下さい(笑){/netabare}
こういった童話ストーリーを実写でやると、きっついんだよね。現実では陰謀渦巻く悪人だらけで、善人なんてのは見る人の目線的には善人というだけで、他目線では悪とも取れるのが現実社会です。実写だとそれをどうしても重ね合わせた目線になってしまう。でもそんな内容でも、アニメだからホッコリできるんだよね。
アニメの利点を最大限活かした作品と感じました。

投稿 : 2024/07/04
閲覧 : 36
サンキュー:

0

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ライララのシールとかほしいなと思いました。

アマプラもなんか最近劇場公開された映画をどんどんリリースするんで見たい映画が目白押しで実に困る!
そんなに次から次へと映画ばっかり見てる時間とかないですから!

…っとうれしい悲鳴をあげつつですな。

お彼岸の3月20日。ホントは墓参りに行く予定だったのですが雨風がすごい大荒れの天気となり急遽中止となり、そんなわけで時間ができちゃったのでおはぎと日本酒を買って一杯やりもって見ましたですよ。

劇場公開されてた時に行きたかったんですけどもちょっと時間作れずで、気が付いたら終わってたみたいな。

大ヒットロングランとかだったら見れたりするんですが、こおゆうのんよくあるんですよねぇ。

いやまあでも。なんかいい映画でしたねぇ。

見た人すべてがなんか幸せな気分になるとゆうかですねそおゆう異様なやさしさにあふれまくった映画でした。

こおゆう中東っぽい地域をロケーションにした話なんて珍しくないですかね~。
ボクなんかはアラジンと魔法のランプくらいしか思いつかないのですが。

さてそんなわけでもちろん原作未読でまったく予習もせずに見ましたので、まあおそらくラブコメで、ぽっちゃり系のお姫様とやんちゃな王子がおりなすドタバタかなと思ってたんですが全然違いました。

対立する国同士の政略結婚みたいな感じなんでその当人同士、お姫様と王子様がなかなか恋に落ちない(笑)

初めて会った時からお互いにリスペクトはしてる感じなのだけれど好きかってゆわれるとなぁとゆう間柄が延々と続きます。

なのでハナシの骨子は何なのかといえば国同士も実にポリティカルなとゆうか、まあ危機に瀕した富める国と自然豊かではあるが貧しい国との政策的な合意をどのようにまとめるかとゆう外交がテーマでした。

そのお姫様と王子様のやさしさと愛情がもたらす外交政策の結果、両国の皆が幸せになるとゆうそんなわけあるかーい!と文句ゆう人もいるかもですがボクはなりませんでした。

ならないどころかエンディングを迎えてうんうん世の中そうだったらええなと激しく同意した次第でございます。


しかしなあ。このタイミングで中東を舞台にした話か~~~。とゆー思いはぬぐえませんでした。

イスラエルとパレスチナ(てゆーかハマス)と現実的にドンパチやってるなかでこれはなぁ。
金の国もトルコっぽいアレで、クルド人問題で揺れに揺れてる地域も国内であるしですね。


とりあえずうーんと。

まあそーはいってもややこしい火種のもとになってる宗教的な切り口はこの物語の中にはみじんもなかったのでそおゆうところはまあ安心して見れまっせと。

そこはご安心おばとゆーときます。


そんなこんなで金の国水の国。
面白かったです!

ところでこの作品の中で出てくるキャラクターなんですがライララとゆー子供の落書きみたいなキャラクターがすごい好きでした。
沢城さんが声あててはるんですが、ライララのシールとかほしいなと思いました。

そおゆう感じでした!

                              おわり。

投稿 : 2024/03/21
閲覧 : 85
サンキュー:

8

ネタバレ

かんろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

アラビア世界の美術と音楽が美しい児童文学的アニメ映画

小中高生くらいに見てもらいたい
童話に近い児童文学的アニメ映画。
昔話によくある国と国の争いと
{netabare} その穏便で理想的な治め方{/netabare} と
恋を含む物語。
アラビア世界の美術背景、
特に模様が細かく描かれていて、
雰囲気があって美しい。
金と水と夜空、
自然の美しさ描いている。
大人が見たら、子供っぽくて
絵空事に思える内容だけれど、
{netabare} 上手いことハッピーエンドに
まとめられていて理想的にできている {/netabare} 。
また、主役を含めキャラクターが
美男美女礼賛でなく
中味や思想が大事にされていて
人の汚い部分が描かれていない。
夢のような優しく理想的な世界観。
また音楽は今売れっ子のEvan call、
制作はMADハウス。
フリーレンの前身が感じられるかも。
子供たちに大切な事を
教えてくれる良い作品だと思う。

投稿 : 2024/02/29
閲覧 : 61
サンキュー:

4

ネタバレ

アルジャーノン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

キャラや設定がストーリーのために作られた印象

恋物語としてはいいストーリーですが
その根底となる大事な時代背景やキャラクターや国の設定が甘くてそこが気になってしまい最後まで入り込めませんでした。
主人公2人のストーリために国の設定もキャラクターの動きも作られたという印象です。
せめて映画でなく1クールで登場人物を深掘りできていたら感情移入できたかもしれませんが、根深いという設定の隣国問題があるのに皆があっさりと主人公2人のために心変わりして行動するのが違和感ありすぎました。

気になった点
・隣国間の争いの理由が不明確。民族や宗教の違いなのか?いっそお互いの国に欠けている資源を争っているとかなら分かる。
・壁を作った理由が不明。それぞれの国の周りに壁を作り国交を断絶するなら分かるけど、どっちの国が壁作ったの?協定で壁作ることにしたのか?
・お互いの国に婿、嫁を差し出す理由が不明。その国の王族をお互いに差し出して人質として争いが起きないようにしてるなら分かる。けどなんのため?一番美しいのも一番賢いのも差し出す国としてはいくらでも誤魔化せるし、それが嫌で学者を目指す者がいなくなったり親が子供の顔に傷つけたりとかしそう。きちんと条件決めてないと最終的にはお互いに不要な人物を押し付け合うだけになりそう。
・犬猫を同じタイミングで贈りあった偶然は何でだろう。大体普通は皆の前でお披露目になるだろうにひっそりと対面。だから隠せたのだけど。ご都合主義な印象。
・お互いの国民たちは戦争に対してどう思っているのか?好戦的なのか平和主義なのか。主人公たちの考えしか分からなかった。
・右大臣(だっけ?イケメンの)が別の狩猟民族でのし上がってる理由はイケメンだから?隣国間以外はそこまで差別ないのかな?怪しさ満点だったのに会ってすぐの婿とすぐ意気投合してたからびっくりした。お互いに別の国出身だからなのかな?
今までの送られた人たちはどんな暮らしをしているのか描かれていたらよかった。
・壁1枚隔てただけで生態系が変わるのが納得いかない。
・豊かさや文明、人々の考え方に違いがあるのはいいと思った。が金の国が水不足なのにあそこまで文明を発展し生活も豊かなのが何故なのか。水の国から賢い男を婿入りさせたから?でもそうすると水の国が文明を発展させてないのが謎になる。
・キャラの行動がみんな素直すぎて、身構えた割になにもなかった。主人公の一声で何故か今までの争いや諍いがなかったかのように友好的に行動してくれる。それぞれ人生がありそうなのに深掘りも足りないから愛着湧くまもなく勝手に仲間になる。
・恋愛は2人の人柄がいいので応援したくなる。けど途中女が男を既婚者と思い込むシーンがあり、それが切なくはあるけど誤解が解ける前に抱き合ったりしていて不倫みたいでいい気持ちしなかった。
・ハラハラドキドキな展開はあまりなく平坦な印象のストーリーだった

投稿 : 2024/02/21
閲覧 : 73
サンキュー:

1

ネタバレ

K2 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

素晴らしい!

キュンってしちゃうね!
年甲斐もなく!!
全部★5でも良いんだけど、
そうしちゃうとね、、、。

しっかし、このタイミングで、
イスラムチックなアニメ。
日本でしかできないね~。

建築様式、人種などを考えると、
シルクロード、、、
洋の東西の文化、経済の交流かな。
宗教観を出さないのが、日本的。

投稿 : 2024/02/18
閲覧 : 97
サンキュー:

2

ネタバレ

メガマインド さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

異色の少女漫画的ファンタジー

フツメンよりだが凄く頭がいい貧しい建築士と丸顔でぽっちゃりでちょっぴり天

然な王女様の国交の物語

ヒロインが美女じゃないのが珍しい(最後はちょっとかわいくみえてしまった)

お姉さん方やお城の兵士までみんないい人たちで

脇役の活躍が結構多い。



最後は結ばれて、よかったと安心しました。

どこまでいっても少女漫画

嫌いに離れない


素敵な映画でした。

投稿 : 2024/01/07
閲覧 : 77
サンキュー:

6

ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

何年後かには埋もれてしまうかもしれないけど、ふと思い出したときにいいアニメだったと思わせてくれるような柔らかい恋愛映画。
少女漫画原作の恋愛アニメ映画として、「蛍火の社へ」と雰囲気が近いイメージでしょうか。
起承転結の転での緊迫感は強く出さない感じで、「蛍火の社へ」と比較してもさらに柔らかい心穏やかに見ることができる映画でした。
作中で緊張感が高まりすぎないような前振りもしっかりありましたが、さすがにこの後何もないことはないでしょ~と斜めに構えていたこともあってちょっと拍子抜け感はあったかも。とはいえ、ここまで柔らかさに徹したのは新鮮で面白いと思いました。流石は「この漫画はすごい!」の1位を取った漫画原作のアニメです。
細かいキャラ付けや設定は理屈が通っていて安定感がありました。
頭の片隅でうまく行き過ぎという考えが何度かよぎったりもしますが、原作は女性向けの漫画ですし、突っ込むのは野暮というものでしょう。(求めてもいないですし。)
限られた尺とコストで最大限のパフォーマンスを引き出しているの純粋にすごいと思います。
すごいといえば、{netabare}作中で一番印象に残った隠し通路でのやり取りは途中でイマジナリーラインを超えて、恐怖の橋げたから美しい街並みに切り替えていてお見事な演出だと思いました。{/netabare}
丁寧に作られている感じが伝わってきます。

投稿 : 2024/01/04
閲覧 : 53
サンキュー:

3

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

真の“美しさ”、真の“賢さ”とは。

詳細は公式サイトでも見てください。

2013年初頭に劇場公開されたアニメ作品で、原作は小学館『月刊flowers』に連載されていた岩本ナオさんによる少女漫画で、「このマンガがすごい!2017」オンナ編1位受賞作品になります。制作は「よりもい」のマッドハウスです。

原作が少女漫画で、監督が女性。そのためか、非常に優しいタッチの作品となっています。

長い間、国交が断絶され、仲が悪いアルハミドとバイカリ。その両国は、ささいなきっかけで過去に何度も戦争を繰り返してきました。あるとき、長い戦争状態に終止符を打ち、アルハミドからは国で一番美しい娘を嫁に、バイカリからは国で一番賢い男を婿にやることで、両国の関係維持を行ってきました。

そして、このたびはアルハミドからは丸々としたヒロインのサーラを、バイカリからは役人の仕事すらすぐにクビになる昼行灯のような主人公・ナランバヤルが選ばれましたが、両国が送り合ったのは犬と猫でした。

というところから始まるストーリーです。

とまあ、さわりのストーリーを書くだけでも、とうてい主人公とは思えない冴えない2人が主人公。このふたりが、両国の架け橋となって国交回復までを描くストーリーになっています。

2人の主人公は、見た目こそ冴えないものの、とても魅力的な内面があり、それが本当の“美しさ”であり“賢さ”と思わせてくれます。

確かに子供向けの童話みたいな映画と言ってしまえば、それはそうなのですが、非常に良く作り込まれた「観てよかった」と思わせてくれる作品に仕上がっています。

大筋のストーリーにおける目標が明確で、無理をせずに織り込まれたイベントが適切な分量。2人の主人公の魅力を十分に引き出しつつ、特にサーラの献身的なまでの愛情が感じられ、じんわりと感動させてくれます。

終盤、ややご都合主義的な展開ではありますが、落とし所も文句なし。素直にいい映画だったと言える作品だと思います。昨今の、新海誠作品リスペクトな精密に描き込まれた背景美術があるわけでもないし、「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」のような派手なアクション作画があるわけでもありません。

でも、これは名作だと思わせてくれる魅力に溢れた作品です。いやあ、ホントに観てよかった。

投稿 : 2023/09/05
閲覧 : 115
サンキュー:

5

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

むかーしむかしの。。からはじまるような、バカ正直な羨ましさのあるお伽話

新作アニメなので視聴
原作あるのね

ヒロインがまるまるしてて
気を衒ってるの?っと思いましたが
ほんとにそういうキャラとは。。

かるいいい男っぽい人と勘違いから夫婦役になり。。
って三谷幸喜さんのお芝居みたいね

っとまぁ軽んじて観てましたが
キャラ達の馬鹿正直さ、それと共に先を見る目と実現させる力
どうなっていくのかと気になり最後まで。
良いお話でした。

2国間の対立からの嫌がらせが
両国の発展につながるとは
大きな話でした。

自分の名を残したいからと我をはり他国を攻め入ろうとする王
ラスト付近の主人公との対話はどこぞの国の王に聞かせてやりたいなぁと

立場があり、いがみあってしまったかもしれない
しかし誰かが見ていて
それは正しく伝わっているかもしれない
変わろうと思う気持ち、聞く耳があれば
変われるのかもしれない

そんなメッセージかな

登場人物がみな活躍してるのも良かった

最初軽く流してたのでもう一度観たら温泉卵の話してんのねw
ささやかな伏線回収

正しい心で腐らず何かを続けていきたいものですね

かわいい、かっこいいばかりのキャラばかり見ているルッキズムに毒され、ヒロインは。。っと思ってしまったのも反省。。

よい教訓になるようなお伽話でした

投稿 : 2023/07/26
閲覧 : 118
サンキュー:

4

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

見事な感情表現と行動原理の説得力。馬鹿がいない良質な物語。

 すずめの戸締りの時に予告編を見て気になっていた映画です。いや、予告編下手すぎでしょう。想像の10倍…いや、100倍面白かったし、感動しました。

 冒頭の3分の導入部が、ちょっとその説明は緊張感がなくなるんじゃない?と思いましたし、20分くらいまではゆるいご都合主義のちょっと低年齢層向けの物語かと思ってしまいます。ですが、それを過ぎると急に物語の出来の良さと深みが分かってきます。

 本作のプロットだけを説明すると、それほど珍しい話ではないと思います。むしろよく見る話かと思います。

 しかし、何といってもこの作品のすごいところは、主役以外を馬鹿にすることで物語を作っていないことです。つまり、ちゃんと理屈が通っている物語になっているということです。勧善懲悪ではない。低レベルな思想でもない想いがそれぞれのキャラにあるので、ストーリー展開に迫力がありました。

 50年、100年、1000年。そういう自分は関われないかもしれない遠い未来のために命を懸けられる人たちの話です。唯一の例外が…まあ、それは映画を見てみてください。

 この話の最大の特徴である犬猫の話は、初めはサーラ姫のところにナランバヤルが婿入りする話じゃだめなの?と思いましたが、ラブストーリーにも両国の話についても、猫と犬の工夫が良く効いていました。

 含意として、お姫様が少し体重が多目だというのは見た目でわかると思います。その内面の美しさを愛でる、というのも意外ではないでしょう。ですが、その逆もありました。それぞれの登場人物の奥深さが見た目とは全然違いました。

 それと恋愛ですね。美男美女じゃないというのが効果的なのはもちろんなんですけど、その人の内面とか行動とかに惹かれていくところが丁寧に描写されていました。なにより姫の諦めが切なくて…それだけに…まあ、ネタバレなので止めておきますが、2時間の映画でよくぞこのカタルシスが描けたなあと思います。


 一応、欠点を上げるとすると、金の国の王様の描写と行動の裏付けが弱かったかなあ。唯一馬鹿に見える人物との組み合わせも含めて、ここの展開にもうちょっと工夫があれば最高でした。
 ですので、後半20分くらいの納得感については意見があるかもしれません。この点が減点要素です。

 作画はいいです。まあ、動きが少ないので作画がいいと言うと変ですけど、丁寧な絵作りでした。あと、第1王女とサーラの雰囲気のギャップが凄すぎて、ちょっと戸惑いました。で、サーラ姫がちゃんと後半可愛く見えるのが不思議です。あとで確認したいですが、何か絵柄を変えてるのかなあ、感情移入のせいかもしれません。(髪と瞳のツヤは増したような…??)
 ルッキズムのストーリーを作るならこういう風に作れよ、と思うぐらいサーラ姫に心を持っていかれました。

 まとめると、大きな話は単純。ですが話の組み立てに工夫があって展開が非常に面白かったです。またそのストーリーの上で動くキャラの感情表現と行動原理、この2つが見事すぎるくらい見事です。
 2時間退屈しないどころか、面白くて感動も深い素晴らしい物語になっていると思います。

投稿 : 2023/07/23
閲覧 : 167
サンキュー:

12

ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

優しい気持ちになれた素敵な童話

アルハミドとヴァイカリという2つの国がありました。
1000年前につまらないことで争いが起こり、500年前に一度和解しようとするけどまたつまらないことで再び争いになり、いつしか2つの国の間には壁が作られてしまいました。
お互いの国は一番美しい娘と一番賢い男を相手の国の婿・嫁にするという500年前に結ばれた約束をもとに嫁と婿が贈られることになるけど・・で始まる物語。

原作は岩本ナオさんの漫画全1巻でこのマンガがすごいにも選ばれたみたいですが未読です。

絵は綺麗で、細かいところまでよく描かれていて好印象です。
中東っぽい文化の世界なところもいいですね。ヨーロッパ風な感じの作品が多いので。

おっとりして優しそうな感じだけど芯が強いサーラ王女と賢くて機転がきいて優しい建築士のナランバヤルの二人はお似合いだなぁって思いながら見てました。

サーラの姉のレオポルディーネに良い相手を選ぶにはどうしたら良いかと聞かれたナランバヤルの答えがすごくわかるなぁって。

きつそうに見えたレオポルディーネが{netabare}妹のサーラを気にかけていて、ナランバヤルが本当に賢い男でサーラにふさわしいか、わざと時計の部品を隠して試したり、自分の国をとても愛していて戦争に反対だったりといい人だったり、それから軽そうな感じの左大臣のサラディーンが意外としっかりしてたりと映画の短い時間ながらも人物に深みを感じるところもあったりして、{/netabare}そういうところも良かったです。

意外と好きだったのはレオポルディーネの配下のライララ。黒い布で顔を隠していて眼だけ出してるんだけど、ときおり見せる表情とか言葉でいい人なのが分かるし、なによりかっこいい!

ラスト。{netabare}それから10年後くらいの後日談があったのと、EDのスタッフロールの絵も含めてその後の様子が描かれていたのも満足でした。{/netabare}

感想も少ないみたいであまり知られていないみたいですけど、優しい感じの作品が見たい方におすすめします。

投稿 : 2023/07/21
閲覧 : 319
サンキュー:

19

ゆん♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

可愛かった可愛かった!優しいが溢れてた

俳優さんがメイン声優を…なので、正直期待薄かなって思ってたけど、二人ともすごくかわいくて一生懸命でちょっとヌケてるとこ?天然?なところとかあったりであっという間に観終わってました。

観終わって心がほっとするような映画で、最近観た劇場版ではかなり心穏やかに劇場を後にできたお話でした
(通常、萌えキャラに萌えすぎてはぁはぁ(笑)してたり感激しすぎて心穏やかになれなかったりする作品も多くて…w)

王女の愛人?サラディーン様と建設大臣?ジャウハラとその息子さんとかも好みだったしルクマンとオドンチメグの2匹も可愛かった~

投稿 : 2023/05/18
閲覧 : 128
サンキュー:

2

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

"オトナを魅せる" 恋のお話。

このマンガがすごい! 2017 オンナ編 第1位(宝島社)。

以前から本屋さんに並んでいるのは知ってはいたんです。
なので、映像化されると耳にしてから、期待ばっかりが膨らんで、矢も楯もたまらず原作を読み耽りました。


読後の印象としては、「うーん、あんまり絵が動いていないなぁ。」という感じでした。
紙芝居といってはなんですが、アニメの「止め絵」的な表現を多用している感覚です。

これってアニメではセリフ重視でお話を進めていくときによく使う手法です。
なので、どんな演出で動きを仕上げていくのかが、わたし的ポイントになりました。


それから、描画がとても繊細で、すごく緻密な線で表現されているんです。
それって、風景全体が均質的に見えてしまって平べったい印象になってしまう弱点にもなるんですね。

ちょっと薄味というか、物足らないかなっていうか、そんなふうに思えるところもありました。
でも、そのぶんキャラクターの造形や所作に心を砕いてる様子がありありと窺えました。
心情の表現性にぐっと配点を寄せている感じです。

もとより共感性の高い作品なのは承知のところ。
だから、映像を早く観たくて仕方なかった、というのが本音です。
そそくさと封切初日に足を運んでしまいました。


~      ~      ~


まず驚いたのは、作画の動きも、風景の遠近も、色彩の豊かさも、全てが私の予想を超えて作り込まれてありました。
でも、もっともっとびっくりしたのは "声のアテ" だったんです。

主人公のナランバヤル役に賀来賢人さん、サーラ役に浜辺美波さん。
お二方の声が私のイメージをはるかに超えていて、それはもうとんでもなく良かったです。

実は、本を読みながら、いろんな声優・俳優さんの声を脳内アテレコしていたんですが、ドンピシャとはこのことか~とストンと腑に落ちました。

なので、漫画の魅力指数が瞬間的にポポーンと跳ね上がりました。
劇場での期待度数も開始数分でドドーンと膨れ上がりました。


~      ~      ~


物語の展開は、原作をきっちりと踏んでいますので安心して観ることができました。
意外だったのは、漫画のような止め絵がいくらもないのに、気持ちがどんどん温まっていくのです。

そのくせ声もいいものですから、主人公の心情を語れば抜群に響いてきますし、いっそう感情が解きほぐされ、やさしく揺さぶられます。

ほかのキャラクターの声も、皆さん十分にはまり役だったと思います。
大きな冒険はありませんが、大きな破綻もありませんでした。

なので、本当に安心して物語に没入できました。


~      ~     ~


"初見の方" へは、オフィシャルのイメージボードの通り、と申し上げておきます。

「国が、動いたー 2人だけの"小さな嘘"から。」

どんないきさつから?
どんなやりとりを?

それは "観てのお愉しみ" です。
私としては "大人の方にこそ観ていただきたい作品" って思います。

女性はもちろん、男性の皆さんのキモチも優しく包んでくれるといいかなって思っています。

だって・・・ボードの2人の笑顔。
ステキだと思いませんか?


~      ~      ~


さらりと書きましたが、色彩映像が本当に美しくて、いつまでも見惚れていたい、何回でも見初められたらと思いました。
(すでに2回、劇場に行ってしまっています・・・。)

特に、クライマックスシーンの色彩の豊かさが、ナランバヤルとサーラに愛らしい息吹を与え、揺るぎない国の未来図を楽し気に予感させています。

金の国 水の国

この物語があなたの心にどのような顛末を見せるのか、ぜひご鑑賞のあとでお確かめになってみてくださいね。

投稿 : 2023/02/18
閲覧 : 434
サンキュー:

17

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

数十年先も人生に示唆を与えてくれそうなジンワリ系

【あらすじ】
{netabare} 経済発展は目覚ましいが水資源等は乏しい“金の国”アルハミト。
自然豊かだが貧困に喘ぐ“水の国”バイカリ。
犬猫レベルの名目で戦争と国交断絶を繰り返してきた両国。
“金の国”のおっとり第93王女・サーラ。
“水の国”で持て余している設計技師・ナランバヤル。
二人が“偽りの夫婦”を演じることで両国関係が動き出す。{/netabare}

同名コミック(全1巻・未読)の劇場アニメ化作品(117分)

【物語 4.0点】
両国対立の理由が表面上は短絡的に見えて実は構造的。
そこから展開する物語も意外と長期視点。

よって本作は鮮やかな伏線回収等によるカタルシスでガツン!と来る感動系ではない。
温かい空気の中で、広い視野から家族観や文明観を語り、鑑賞者の人生観に引き出しを与える。
後になってジワジワと価値を噛みしめることができる良作。

恋愛や家族愛など様々な愛の形について。
{netabare} 理想の結婚相手について尋ねられ答える男性アニメ主人公{/netabare} とか中々いないかと。

文明や名声について。
{netabare} 今回の両国の開戦危機は、あと50年で水資源が枯渇し廃墟になってしまう“金の国”の中長期の課題が背景。
加えて“金の国”の開戦派の国王・ラスタバン3世には、“水の国”への弱腰外交で愚王の歴史評価を受けたラスタバン2世から継承した汚名を、戦勝で返上したいとの晩節の焦りがある。

さらにラスタバン3世は外交のため娘たちを砂漠の向こうの国々へ嫁がせた。
第一王女の反戦派・レオポルディーネとは内紛状態。
老父の寂しい親心を優しく包み込んだサーラ。おっとりしているけど凄い娘だと感心しました。{/netabare}

解決策もスケールが大きい。
{netabare} ナランバヤルが提唱した両国和平により水路を引き“金の国”へ水を供給する。
工期見積もりは50年なので即断が求められる。{/netabare}
今、現実世界に、これ程の国家大計を構想、実行できる傑物はいるのでしょうか?


総じて刺激的ではないが、深イイ話だったとの余韻が何時までも続きます。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・マッドハウス

“水の国”の風光明媚。“金の国”の荘厳美麗。
百聞より説得力のある一見を再現するだけの画力は十二分。

終盤、{netabare} かつて両国の親交を深めたラスタバン2世が腰抜け王ではなく、
平和をもたらし民から愛された名君だった。
肖像画の出来栄えがそれを物語っている。
と論述する{/netabare} 件がありますが、これも相応の画力があればこそのシーン。

“水の国”≒中国風。“金の国”≒中東風。
必然チベットやアラブ諸国等が主な参考資料に。
一方、意外な所では、“金の国”の栄華を象徴する“漕がなくても登れる川”の再現に、
富山県のパナマ運河式の「中島閘門(こうもん)」が参照されたこと。
これは思わぬ聖地。“金の国”は富山県にありますw


【キャラ 4.0点】
“水の国”の技師・ナランバヤルが開戦阻止のための盟友として接近した
“金の国”左大臣・サラディーン。
イケメン俳優から政界入り。反戦派の第一王女・レオポルディーネの愛人。
一見、お飾りのプレイボーイ大臣に見えますが、これが中々の曲者。
{netabare} 俳優として“金の国”で名を馳せる前は遊牧民。
水問題含めた“金の国”の隠された危機を、よくある定住国家の栄枯盛衰として、
良くも悪くもドライに捉えている。{/netabare}
世界観にいっそう深みを与える視点を持ったキーキャラクターでした。

こうした戦争阻止のシナリオは得てして勧善懲悪となりがち。
ですが本作は決して愚昧な開戦派を、賢明な反戦派が諭すだけの軽薄な人物相関ではありません。
一見、悪徳な祈祷師に思える“金の国”開戦派筆頭の右大臣・ピリパッパでさえも、
言動には国王を慕う故の理由がある。

複雑な人物像が絡み合うからこそ、ナランバヤル技師が暗殺含みの宮廷政治を綱渡りするのがスリリングですし、
野心と無縁なサーラ王女が彼の癒やしになり得るのです。


そんな伏魔殿を暗躍する正体不明の黒づくめ暗殺部隊・ライララが私のツボ。
キャストの沢城 みゆきさんいわく「1人だけ一筆書きで描けそう……!」
確かにこれなら私でも描けそうw
単純明快なデザインで忍ぶわ煙玉投げるわ。神出鬼没なライララさんオススメですw


【声優 3.5点】
主人公“水の国”ナランバヤル技師役の俳優・賀来 賢人さん。
飄々とした言い回しの中に強い意志を込める。
中々の難役でしたが、左大臣サラディーン役の神谷 浩史さんのアドバイスも良かったのか、まずまずの対応。

ヒロイン“金の国”サーラ王女役。こちらも、おっとりした中に芯もある声が求められる難役。
ナチュラルにフィットする声の選定は難航の末、俳優・浜辺 美波さんに落ち着く。
声はそれなりに合っていましたが、漫画的なリアクションを求められるシーンは正直苦しいかなと感じました。

ここは人工的でもボイスを作れる声優からキャスティングしても良かった気もします。
脇で戸田 恵子さんや、銀河 万丈さん、茶風林さんらベテラン勢が渋い演技を決めていたから余計に。
何なら、みゆきちがライララと王女を兼任しても良かったのですよw


アニメ『ラブライブ!』シリーズでアルパカ、ふくろうと多種多様な動物を全受けして来た動物声優・麦穂 あんなさん。
本作では両国の犬猫のじゃれ合いを一手に引き受け、架け橋となる貫禄を示す。


【音楽 4.0点】
担当はエバン・コール氏。
アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズ。
アニメ映画版『ジョゼと虎と魚たち』
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』
そして本作と連続エンカウント中の私。
今回も中華VS中東への対応力も求められましたが、
多彩な世界観を表現してきた氏のオーケストラならお手の物。

今回は琴音さんをボーカルに迎えて劇中歌も提供。
PVでも使用された「Brand New World」辺りは疾走感もある良曲。
ですが、どの歌も2分弱程度の劇中歌サイズというのが勿体ないです。
今後は是非フルサイズの挿入歌まで作曲して頂き、ヘビロテしたいです。

投稿 : 2023/02/13
閲覧 : 517
サンキュー:

22

ネタバレ

ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ふわ~っと心が温かくなり癒された

 娘が「お母さん 金の国 水の国の映画を観に行こ。」と誘ってくれました。
何年も前に娘から原作の漫画を借りて一回読んだのに 内容をほとんど忘れ でも良かったことだけ覚えていて…(笑)

観終わって 誘ってくれた娘に感謝。心いっぱい癒されたニャンキチは、帰りの車の中で 家まですやすやと眠ってしまいました。



サーラとナランバヤルの恋にドキドキし あぁ 私も「お嬢さん」と言って手を差し伸べてほしい なんて思ってしまいました。

各キャラもそれぞれよく 異国の映像も良いし 音楽も良かった。

ぜひ 皆さんも 観て癒されてください。

(ライララさんが、格好よくて素敵です。頭にリボンを付けている姿があります。 どこかで見つけてください。)

投稿 : 2023/02/13
閲覧 : 166
サンキュー:

19

ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

国の対立と未来をラブロマンスに乗せて優しい物語にした感じの117分の良作映画

険悪な二つの国(停戦中)が、約定によりそれぞれ花嫁と花婿を送るが、和平する気が無い両君主が適当に送り、明るみに出たら開戦不可避なので、ニセコイカップルたちが頑張る感じのラブロマンス。
一見ロミジュリだが全然構造が違う。

【良い点】
西アジア?中央アジア?をモチーフにした独自のファンタジー世界観が魅力的。キャラ名含めて良き雰囲気
「アルスラーン戦記」とか「将国のアルタイル」とかが好きな人ならば、世界観と雰囲気の時点で魅力感じる。
金の国(ヒロインの国で経済大国だが水不足)の、イスラム王朝ぽいがエレベーターなどのオーバーテクノロジーなど独自の進化遂げた文明感が素敵。
終盤の王族の秘密通路の空中回廊のギミックは驚かされた。魔法一切無くても独自のファンタジー感出せていた。

キャラデザや物語の雰囲気が童話的な優しさありつつ、国家間の敵対感情に対する共存共栄平和への在り方、50年後まで見据えた長期的ビジョンなど、ダイナミックなテーマも素晴らしい。
それを童話調に簡略化、ラブロマンスで分かり易く親しみ易く描いた。
ふたりの愛が二つの国を結び平和をもたらすお話だけど、理想論だけではない現実的な説得力で共存共栄を示した。
愛するあなたの為に、50年後の繁栄を。視聴後じんわりと感動する。

非常に優しい作品で、少なくとも作中誰も犠牲が出なかった。戦争派の父王ともちゃんと向き合い和解する。
適度にハラハラさせつつ、非の打ちどころの無いハッピーエンド。
適度なシリアスと優しさ朗らかさの配分が理想的、終始心地良く堪能できた。

登場人物が軒並み賢明で有能かつ善良、捨てキャラが誰もいない。
キャラクターの魅力が高く、単純な物語でも飽きさせない。
ナランバヤルは一見頼りないお調子者と思わせて見識の高さと機転叡智が素晴らしく、非常におもしれー男。
何となくヤン・ウェンリーを軟派にした感じの賢者?
ヒロインの姉姫レオポルディーネ(悪役令嬢)や、お飾りのイケメンと思いきや国を動かす切れ者なサラディーンなど、普通の作品ならばありがちな悪役かカマセと思われたキャラたちが軒並み有能。
それにより、展開がスムーズでストレス感じさせない。
有能や知恵者たちがテンポ良くドラマを進行させる。
どのキャラも各々の信念や背負う想いあり、しっかり見せ場もあり確かな存在感ある。
悪役の大臣ですら、水の国侵略は50年後の祖国を想っての策なのと、国王に対する忠誠と感謝の念は真実であろうと思わせる。
目立たないがレオポルディーネの腰巾着的な姉たちも、ちゃんと姉の平和路線理解して従っていたり。

ヒロインのサーラちゃんはおっとりした中にも芯の強さあり、話が進むほどにナランバヤルが彼女の為に国を救おうと思うのも納得の良妻。
ナランバヤルは視聴者目線でもカッコイイ切れ者でサーラちゃんが惹かれるのも納得のイケメン、このふたりの素直なラブコメも大変良かった。
演出や会話劇もドラマチック。特にナランバヤルは賢いので台詞回しが小粋。

作画は派手に動くタイプではないが美術が非常に綺麗。
西アジアモチーフの金の国の高度文明や食事や風俗描写が綺麗で繊細、見ているだけで引き込まれる。
サーラちゃんのキャラデザは萌えないが、ちゃんと可愛いと思わせる丁寧な描写もあり。

声優陣は主役組は素人ながらキャラにちゃんと合っていて問題なし。
脇を実力派で固める良い布陣。

【悪い点】
特に無し。
強いて言えばやや予定調和であまり波乱が無い。
優しい物語の裏腹で、感情揺さぶられるような展開はあまり無くやや物足りない感はある。

【総合評価】9点
決して派手な作品ではないが、非の打ちどころが無い良作。
2023年のアニメ映画は「すずめの戸締り」や「かがみの孤城」も良かったが本作も全くヒケを取らず。
評価は最高でもいい気がする程高いけれど若干地味か?「とても良い」

【余談】
あんまりアニメにリアル持ち込みたくないけれど、ラスタバン三世(サーラの父王)の侵略動機とリアルの侵略指導者が奇しくも重なって見えた。
平和共存の方が実利的にも得策なのはリアルも同じだと思うが一筋縄ではいかない人類の愚かさか。

投稿 : 2023/02/12
閲覧 : 146
サンキュー:

7

ホロムギ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/10/15
閲覧 : 0

こはく さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/10/15
閲覧 : 1

より さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2024/10/05
閲覧 : 1

kakelu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/23
閲覧 : 2

チャリア さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/09/21
閲覧 : 20

アニメガタリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/08/08
閲覧 : 7

まかろん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/07/30
閲覧 : 9

enotake さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/06/08
閲覧 : 13

ZunLJ84303 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 3.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/31
閲覧 : 13

める さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/31
閲覧 : 15

ゆにこん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/05
閲覧 : 18

kuroneko さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2024/04/14
閲覧 : 16

takekaiju さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/03/26
閲覧 : 19
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金の国 水の国のストーリー・あらすじ

100年断絶している2つの国。“金の国”の誰からも相手にされないおっとり王女サーラと“水の国”の家族思いの貧しい建築士ナランバヤル。敵国同士の身でありながら、国の思惑に巻き込まれ“偽りの夫婦”を演じることに。深刻な水不足によるサーラの未来を案じたナランバヤルは、戦争寸前の2つの国に国交を開かせようと決意する。お互いの想いを胸に秘めながら、真実を言い出せない不器用な2人の<やさしい嘘>は、国の未来を変えるのか―。(アニメ映画『金の国 水の国』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2023年1月27日

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