伊藤潤二『マニアック』（Webアニメ）の最新話/最終回ネタバレ速報【あにこれβ】

たわし（爆豪） さんの感想・評価

4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

人間の悪意を描いた伊藤潤二短編集のアニメ化

一言で傑作です。すばらしい。

何よりもこのレベルの漫画を描いた伊藤潤二さんがすごいのですが、アニメーションの技術もそれに呼応するように高水準です。

監督は女性だそうで、だからでしょうか。。特に女性の卑しさや狡猾さを見事に描ききっていると思います。しかも「富江」がそうですが、わがままで高飛車な女性ほど「美しい」というリアリティ（私見ですがｗ）がホラーをいっそう引き立たせています。グロテスクなシーンや残虐なシーンもネット媒体だからこそ無修正で放送できるのでしょう。一昔前だったらOVAのネタであり、まさに「マニアック」の一言に尽きると思います。

投稿 : 2024/01/22

閲覧 : 369

サンキュー：

4

tinzei さんの感想・評価

2.9
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態：観終わった

実質２期。今作の方が…。

伊藤潤二が書いたホラー短編集part２、１話につき１～２つのエピソード。

前回やった『コレクション』と同じ会社＆スタッフで構成とか作画はほぼ同じだから実質２期。

一応、前作と違うエピソードが主だけど、唯一５話の①だけ、前作にもあった話(ただ展開は少し違うけど…)。
前作と同じで人が死ぬシリアスな話もあれば、悪戯で終わるコメディな話もある。おそらくこの幅広さも伊藤潤二って人の特徴なんだろうけど、今回はストーリー性があるものが多かった気がする。

これまた前作と同じで声優は豪華。双一や富江みたいな前作でも登場した人物の声優は同じだけど、前作と違って声優の被りが全くないから、人数で言えばこっちのほうが多いかもしれない。

ただ一つ気になったのはED後に次回の内容を絡めた音読(?)があるけど、なんか意味あるの？最初、最終話の話に絡めてくるのかと思ったけど、全く関係ない話だったし、わざわざ郷田ほづみさん(音響監督も兼任)に読ませてまでやる価値があったとは思えない。

【各話ネタバレ】
１話
①あるところに両親を失った６人兄弟がいた。長男は心霊現象に興味があるサチヨという女性に一目ぼれする。ある時、うるさい次女のために父親を降霊させる会にサチヨも呼ぶ。すると次男に死んだ父親が憑依し、長男から長男をはく奪すると言い残す。しかし全て次男の演技だった。だが今度はいじめられっ子の三男のからホントに父親の霊が出る。

２話
①古びたトンネルで母を亡くした少年ゴロウ。妹のマリがそのトンネルに何回も行ってしまい、トンネルにあった宇宙線観測所の職員に保護される。だが探しにきたはずの父親は見つからず職員が幽霊が飛び交うような写真を撮る。最後自分たちもトンネルに呑み込まれ幽霊となる。
②ある父子家庭が暮らす団地にアイスクリームバスが来る。そのバスは子供にアイスを無料であげてさらにバスに乗せてくれるサービスだった。父は息子にアイスを買いバスに乗せる。しかしバスに乗った子供はバスの中にあった巨大なアイスを舐め帰ってきた後、自分もアイスになる。

３話
アイドルが自殺し友達が悲しむ。しかし首だけになったアイドルの幽霊を見かけた噂が飛び交い、友達も実際に見かける。だがそれは幽霊ではなく気球のような存在だった。日本中の人間が自分の顔をした気球に首を吊られ殺される。

４話
①双一の嫌がらせで勉強できない兄は父の知り合いに頼んで防音にしてもらうが、来た大工が双一と意気投合する。防音の隙間に双一が入り兄の邪魔をするが双一は酸欠で倒れる
②三日寝てない男が彼女に夢の自分が表に出てくると言うが信じてもらえず。しかし彼女は寝ていた男の体が実際に裏返ろうとする現象を観て考えを改める。彼女は男を支える決意をして男と一緒に裏返って夢の世界へ行く。その後警察が来て彼女の行方を聞くと裏返った男は夢の世界へ行ったと言う。

５話
①『コレクション』５話①と同じ話。
友達のいない押切は家の謎の足音に悩んでいた。図書館で超常現象関係の本を読んでいるとそういうのに興味がある神山たちが話しかけてきて事情を話す。一緒に押切の家に向かうと庭で異次元の押切が死体を押切の庭に埋めていた。さらにその死体は異次元の神山たちだった。
②フラれた女が元カレのために伸ばした髪を妹に頼み切ってもらおうとしたが妹が離れてる間に女は首が取れて死ぬ。父親と妹がネズミ捕りを見に天井裏に行くと女の首があり髪を使って外に出る。その後自分をフった元カレを惨殺する。

６話
①弟に懇願され海外出張の間、学生時代の嫌いな教師に家を貸した男は帰ってきて家が荒れていたことに怒る。時間がたつごとに家はどんどん腐り始め弟はその家の姿が教師が連れていた子供にそっくりだと言う。その後、家の奥でカビと一体化した家族を見つけ、自分もカビになりつつあった。
②家の本を異様に大切にしている青年。ある時、本が一冊亡くなり、本の登場人物が自分を責めに来ると恐れる。同居人の女の言うことにも耳を貸さずおびえる青年は本を覚えて燃やす。最後に青年の父親(?)らしき人が無くなった本を語りながら飛び降りる。

７話
かおるは引っ越した友達にのイズミに会いに兄とともに車で向かうが途中女の子をはねてしまう。兄は発覚を恐れ車に隠す。イズミと会うがイズミが引っ越した町は人が死んだ場所に墓をたてる変な町だった。するとイズミの妹が行方不明だと言う。その特徴からはねた女の子が友達の妹だと分かりかおるたちは焦る。さらに病院で死んだ人間がそのまま墓石化するのを見て、墓は全て人間の死体からできてると分かる。その後、イズミが車の血痕を発見したのを見て、兄は妹の死体を墓石化できない死体を捨てるという井戸に捨てるが既に妹の墓石化は進んでいた。その後兄とかおるは逃げるように町から去り、全てを悟ったイズミは家族で一家心中する。兄も妹の死体でできた傷がもとで墓石化が進み死ぬ。

８話
①ある時学者が人間が層になったような地層を見つけその最深部にあった子供の骨を持ち帰る。十数年後、その妻と娘姉妹が父親の回忌の帰りに事故に遭い、妹の顔がはがれる。しかし剥がれた後にまた同じ顔があり、医者は体全体が層になってると言う。妹を可愛がる妻はおかしくなり、妹を小さい頃まで戻そうとするが体の大きさは変わらずただ細くなるだけだった。姉はこれを呪いだと言い、おかしくなった妻と妹の世話をする。
②謎の巨大生物の死体が流れ着く。青年はそれを海難事故で婚約者を亡くした女性と一緒に観るが中から人の死体らしきものが出てきた。その中に婚約者がいたことで海難事故の行方不明者と分かる。するとその死体は動き出し、青年はそれを見て寄生虫のようだと話す。

９話
泉沢という生徒は片思いの生徒に想い人の生徒の写真を売っていた。ある時、泉沢が好きな山崎から売買の邪魔をする富江の写真を取ってきてくれと頼まれる。イライラしながら富江に近づく泉沢だったが富江にハメられ先生に写真の売買がバレる。だがその時撮った写真の富江がバケモノに見えたため写真をばら撒く。富江は怒り部下に泉沢を殺すように言うが、それを聞いていた山崎も泉沢を殺そうとする。山崎から逃れた泉沢は停学になり家にいたが富江が現れる。泉沢は富江を虚言癖のバケモノと呼ぶと激昂し頭から別の顔が現れる。部下に命じて切除してもらおうとするが部下が誤って首ごと落としてしまい富江は死ぬ。しかし体は頭を求めて動き回り、泉沢はこれを夢だと決めつける。

１０話
①不登校の小夜子は友達ののりこに連れられ山へ来るが迷ってしまう。そこで修行僧の姿を見て、そこの住職の誘いでその教団の修行を体験することに。しかしそこで出会った倉本とという女性からこの教団のせいで兄がいなくなったと言われる。その後、百人が即身仏になる修行を聞き三人で潜入するとたくさんのミイラがおりその中に倉本の兄もいた。小夜子は不登校の原因である視線恐怖症が発症してミイラに観られていると怯えてしまう。
②ゆうたろうが好きな栗子は直くんという小さい子供の面倒に追われる。直くんがうっとおしくなった栗子は直くんをイジメて最終的に大けがをさせる。その話をゆうたろうに話し、大人になって直君くんくんと再会し付き合うことになったから別れてくれと話す。結婚して子供も生まれた栗子だったがゆうたろうがいなくなる。すると息子が直くんに似てきたため直くんと呼びイジメる。その後、栗子は小さい頃の恰好をして息子を連れまわす。

１１話
①しのぶという中学生の女の子がいる母子の家に下宿に来た石田は夜中隣の路地から子供の声がして注意しようとするが子供の姿はなかった。前に下宿してた人があの路地には子供の死体があり幽霊が出ると教えてくる。半信半疑で路地に降りるとホントに子供の死体があり死人の数だけ人間の染みがあった。すると隠された扉を見つけそこに死体があった。するとしのぶが現れ真実を話す。しのぶは路地を楽しむため邪魔をする人間を次々殺していた。幽霊たちはそんなしのぶに復讐しようとしていたが路地から出てこれなかった。気絶した石田を回収しようとしたしのぶだったが、ロープが切れ路地に閉じ込められる。すると染みから幽霊が現れしのぶを狙う。
②首がない彫刻を作る岡部先生が殺される。教え子のルミは直前まで一緒にいた同じ教え子の島田に聞くが、岡部はまだ生きていると言う。殺された美術室に行くと岡部の首が彫刻に刺さっていた。島田の体も彫刻で、彫刻たちはルミの首を欲しがり追いかけてくる。

１２話
①指示されなければ動けない令嬢のもとに指示役としてミツという女性を雇う。ミツは今までの指示役と違い長続きするが、疲弊しながらでも完璧にこなす須吾とを見て令嬢の父は恐れミツのことを調べさせる。ミツにはDV男の言いなりだと分かりより一層恐怖を感じる。ある時、ミツが死にDV男が指名手配される。すると死んだはずのミツの指示を受けながら令嬢がDV男を殺す。
②双一の姉が猫を拾ってくる。双一は猫に呪いを施し狂暴な猫に仕立て上げる。猫の暴れっぷりに困る兄と姉だったが、双一の膝に乗ってるときに発電し、双一は全身怪我を負い、猫も元に戻る。

投稿 : 2023/06/27

閲覧 : 144

サンキュー：

0

テナさんの感想・評価

2.3
物語 : 3.5 作画 : 2.0 声優 : 2.5 音楽 : 1.5 キャラ : 2.0 状態：観終わった

タイトル通りマニアックではあるかな。

詰まらなくはないかな？
なんかホラーって程怖くもないですね……
コメディ系から意味不な話にホラーな話に痛々しい話もありましたね。

まっ、現実問題、心霊現象とかって意味不な事だらけで、そう考えると意味不は話は意味不でいいんだと思うけど、完全な意味不な作品も中にはあって……
例えばアイスクリームのバスとかは何がしたいのかすら解らない話で……怖いより首をかしげてしまいましたね。

ただ、個人的に面白かったのは……

｢トンネル奇譚｣

これは何かしっかりホラーになってました。
お母さんは結局トンネルでどうなったんだろ？何でトンネルに？
妹がトンネルに呼ばれてたのと関係あるのかな？
よくトンネルって心霊スポットの定番だけど……吸収は怖いw

｢四重壁の部屋｣

コメディとして面白いと思いました。
こんなに部屋嫌ww
大工も裏で双一がこんな大掛かりの仕掛けに気づかないって無能すぎるww
それとも敢えて目を背けた？
「図にするとこんな感じ」の図が面白かったww

｢屋根裏の長い髪｣

これはホラーぽかった……髪が主役のホラー
大切にしたものには八百万の神が宿るって言うけど、チエミも長い髪を大切にしてたから何か宿ったのかな？
だからこそ、ネズミや元彼などチエミが恨みを抱いた人を狙うんだろうけど、その髪を斬ろうとしたから髪が彼女ごと……
お父さんは心臓が悪いのにビックリしたからかな？
お父さん巻き添え( ᵕ̩̩ ᵕ )

｢墓標の町｣
怖いと言うか
少し考えさせられる様な話で……友達の、妹を轢き逃げして友達に真実を伝えられなかった兄妹が最終的に奪う結果になった命は家族全員分……
友達は気づいていたみたいだし……ちゃんと話してたら……あんな結果は避けられたんじゃないかな？
友達と家族も……兄妹も

｢路地裏｣
ミステリーサスペンスぽくてよかったですね。
犯人も悪役ぽくてよかったw
最後のオチもあんな余裕を噛ましてたのに、あんな結果にww
ちょwお母さんはどこに消えたんだろ？w

｢首のない彫刻｣

これはホラーぽいかな？
動く彫刻……ホラーの定番かな？
私が好きなホラーゲームの夜廻に動く石像ってのが出て来てたの思い出しました(( *´ `)"
美術室の七不思議を解いていくステージの、って！ゲームのレビューじゃなーい！
こちらは首を求めて彫刻が人を襲うのですが、なんだろ？
演出な割と好きw

1期よりも個人的には面白い気はしました。
1期は本当に意味が解らない作品が多くて……でもこちらは割と面白い話も多くて楽しく見えましたね。

ただ、万人受けはしないかな？
アニメが好きだからって理由で見るものではない気がしました。
ホラー話とかが好きとか、見る物がないとかなら見ても良い気がするけど……人を選ぶ作品だから人にはオススメしにくいアニメでもあるのは少し感じましたね