当サイトはアリフィエイト広告を利用しています

「君を愛したひとりの僕へ(アニメ映画)」

総合得点
67.3
感想・評価
40
棚に入れた
159
ランキング
2561
★★★★☆ 3.4 (40)
物語
3.5
作画
3.6
声優
3.0
音楽
3.4
キャラ
3.5

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

レビューを絞り込む
☆の総合評価
文字数
サンキュー数
視聴状況
表示形式
キーワード
この条件で絞り込む

君を愛したひとりの僕への感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

誠を嘘で締め括る

平行世界を描く2連作(2重作?)の一つ。
"君愛" と "僕愛" 。どちらから観ようかと少し迷いましたが、劇場のスケジュールに乗っかって "君愛" から鑑賞しました。

THE 純愛、そんな感じでしたが、一人の男を愛した二人の女という構図。
暦の動機は "君愛" において鮮明に描かれており、栞への執着、というか自責の念がシナリオの骨格を支えています。

その枠組みの中で栞と和音の相関性をみると、恋敵のようでもあるし、得難い戦友でもあったような、不思議な取り合わせだったのではないかなって感じました。
"君愛" の栞にしてみると、和音はあくまでも暦の同僚で研究者仲間の一人なわけで、ほぼほぼ無関係な人物です。
でも、和音がいたからこそ、EDのシーンで "君愛" の二人が、虚質としての存在で、60年ぶりの邂逅が得られたわけです。

ひと時ののち、二人の虚質は別々の世界線へと分かれてしまうのですが、非常に感傷的な気分になりました。
そう思うと、"君愛" の結末は "僕愛" の過程がなければ成り立たず、平行世界ならではの発想と着地点だったと感じました。

ED後、やや唐突な印象で、"僕愛" の暦と栞の会話が、声のみの演出で表現されます。
これは "君愛" から "僕愛" への慎ましい伏線になっていて、"僕愛" でははっきりと映像化されているだけに感極まる思いになりました。

おまけに、"fin" だなんて、こんな余韻と期待を持たせた終わり方をされてしまっては、"僕愛" を観ないわけにはいきませんね。
ところで、映画用語では、fin は、「本当に終わりです」の意味があるとのこと。
そうであれば、"僕愛" を先に、"君愛" を後に見ることが原作者や制作陣の意図なのかしら?と思いを巡らしたりします。



"君愛" も "僕愛" も、パラレルシフトの完成は、それぞれのルートで描かれるのですが、"君愛" のエピソードでは、暦と栞のダイレクトな関係性が時間を割いて描き込まれているので、よりエモーショナルに訴えかけてきます。

栞は、暦に自分への「執着」を切り離してほしいと懇願し、和音は暦の意志の強さを「狂気」と言い放ちます。
言い方に違いはあれども、お互いに手の届かない暦なわけですから、痛ましいというか、呪わしいというか、心が抉られるような気持ちになりました。

ところで、暦と栞の出会いを "なかったことにする" には、暦が死ぬことが条件という設定は、科学的な理屈や知見はよくわかりませんが、情感としては利己愛なのか利他愛なのかの線引きがあいまいな気がします。

似た作品に、シュタインズ・ゲートの牧瀬紅莉栖、ゆめみる少女の夢を見ないの牧之原翔子を思い出します。
両作とも哲学的パラドックスを素地にした作品ですが、命と世界とのバランスをとるために利他愛に振り切ったセカイ系とまとめてもいいのではないでしょうか。

ここでは、岡部倫太郎も梓川咲太も "死ぬ" というシナリオではなかったので(主人公なので当たり前)、本作との違いをどう整理すればいいのか戸惑いもあります。
THE 純愛なのですから、命との引き換えというのは、なるほど "美談" らしく聞こえて心地よいのかも知れません。
でも、パラレルシフトという革新的な技術が、誤ったメッセージを伝えはしないかとちょっぴり心配しています。

というのも、過去を見れば第2次世界大戦の特攻隊にそれが見られますし、現在においてもテロリズムや戦争の遂行にはなじみやすい要素があるからです。
本作は、道具としてのパラレルシフトマシンがその媒体となっていますが、命の尊さに対してのフィクションとリアリティーとの境界線をしっかり引くことが大事だと思いました。

その意味では、栞や和音の言う「狂気」「執着」というキーワードの解釈が、世界を生ききる内実づくりとして求められるだろうと感じます。
原作は未読ですが、作家性がどのような指向性を向いているのか、気になるところです。



"君愛" は、センシティブとアカデミックな要素が入り混じっていることが高いハードルになりました。
また、暦の意識がシーンによってたびたび平行世界を行きつ戻りつしていることを理解するストレスを強く感じました。

それを補うのが "僕愛" のエピソードですので、両方を観る必要があります。
どちらかからを観るかではなく、両方を観比べること。
三者三様の相関性を掛け算のように掛け合わせながら、科学的な知見を少しと、情感の交わりを多めにして鑑賞するのがコツのように感じました。

後日、わたしの記憶と印象が薄れたタイミングを見計らって "僕愛" → "君愛" と順序を変えて鑑賞しました。
うん、この順番もあながち悪くなかったかなと思いました。
なので、私は「どちらでもお好きなほうから。でも必ず続けてみてほしい」と思います。

2作あわせて4時間になるのでお時間は頂戴しますが、都合がつけばいかがでしょうか。
大作というほどのグレードではありませんが、栞と和音という二人ヒロインの人生を、交錯させつつ成就させるというコンセプトに触れてみるのも面白いかもしれません。

なお、"君愛" では暦と和音の出会いによって、研究目的がパラレルシフトからタイムシフトへと移行しています。
平行世界では栞は救えず、"なかったことにする" にはどうしても時間を遡る必要があったのですね。
その意味では、一粒で二度おいしいSFの味わいがありました。

恥ずかしながら(2原作×2アニメ)×3周で、やっと全体像が理解できました。
ついでに言うと "君愛" は原作のほうが好みでした。



苦肉の策で "僕愛"、"君愛" と使い分けて書きましたが、意味が通りにくいところが多々あったと思います・・。
それは、ひとえに私の筆才のなさです・・(汗)。

投稿 : 2024/12/03
閲覧 : 80
サンキュー:

6

ネタバレ

既読です。 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

理屈は解るが

分岐点に戻り別選択をするのではなく
そもそも分岐点へ向かわない過去を作り出す。
それができれば栞と出会わなかった事象を
生み出すことが出来、パラレルどころか、
栞と出会った事実を消し去るという理屈。

ただ、その研究をしている暦が
成功の瞬間まで栞との過去事実を引きずっており
実験成功の瞬間、過去事実は消滅し
いきなり体験してこなかった事象が
2人の過去事実になってしまうというオチ。 

暦の純愛と責任感は、結果和音を犠牲にし
栞への愛を貫き通した形になりました。

投稿 : 2024/03/13
閲覧 : 89
サンキュー:

2

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

『僕愛』、『君愛』、どちらから先に観るべきか問題

『僕愛』、『君愛』の特徴は次のとおりです。

・パラレルワールド(並行世界線)の話
・でも、干渉がある
・それぞれヒロインが違う
・「観る順番で結末が大きく変わるふたつのラブストーリー」らしい。


■どちらから先に観るべきか?
{netabare}
私の結論は、『君愛』→『僕愛』の順番です。
たまたま劇場がこの順番で構成していたので、私は、この順番で素直に観ました。
でも、それが正解だったんです。
観終わった後、「劇場、良く分かっているね!」と言うのが率直な感想です。


この作品は、それぞれの物語にヒロインがいるパラレルな話です。
ダブルヒロインではなく、全く別の並行世界のヒロインです。
ですので、それぞれの作品においては、ヒロインは、一人だけです。
そのため、作品自体もどちらかの物語が軸にならないように気を使っています。

しかし、どうしても『君愛』が軸に思えてしまいます。
その理由は、次の通りです。

・『君愛』では、世界観について語られる
 正直、『僕愛』から観ると分からないかもしれません。
 しかし、『君愛』から観るとすんなりと舞台背景や設定が入ってきます。

・『僕愛』は、『君愛』の続きから始まる
 『君愛』のエピローグでは、『僕愛』に続くエピソードが語られます。
 また、エンドロールも二人の顛末を示唆するバックグラウンドの映像です。
 一方、『僕愛』のエンドロールは、ブラックバックのよく見る本当のエンドロール。
 また、エピローグは、特にありません。
 このことから、「並行」物語と言うより、「分割」物語のような印象です。

・『君愛』では、2つの物語のヒロインに関するエピソードが語られる
 『僕愛』では、『君愛』のヒロインについては、ほとんど語られません。
 これには、理由があって、時間軸の関係からです。
 『君愛』は、学生時代までです。
 その時期に二人のヒロインが存在しています。
 一方、『僕愛』の方は、主に大人になってからのお話です。
 そのため、二人のヒロインが重なる時期がほとんどありません。

このことから、『君愛』の方が2つの物語の前提であり、軸に感じてしまうのです。
{/netabare}

■まとめ

『君愛』→『僕愛』の順番に観ましょう。
この後、『僕愛』の感想に続きます・・・。

投稿 : 2023/06/05
閲覧 : 190
サンキュー:

13

なごやん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/12/16
閲覧 : 4

りかあああああまん。 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2024/11/25
閲覧 : 11

ばく さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/10/15
閲覧 : 6

enotake さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/26
閲覧 : 11

AQuaARIA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/08
閲覧 : 13

SrmNl23322 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/02
閲覧 : 13

おみや さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/03/20
閲覧 : 14

ダイクニ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/03/18
閲覧 : 15

老倉育 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 1.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/02/09
閲覧 : 18

チャリア さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/01/20
閲覧 : 18

サンジ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/01/18
閲覧 : 19

NoRisky さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/12/18
閲覧 : 16

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:----

投稿 : 2023/11/28
閲覧 : 18

nana さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/07/30
閲覧 : 23

こはく さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/06/13
閲覧 : 24

kirito007 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/04/29
閲覧 : 23

± さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/04/09
閲覧 : 20

hiro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/04/08
閲覧 : 22

ネムネムサラダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/04/02
閲覧 : 20

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/11/24
閲覧 : 27

life さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/11/17
閲覧 : 28

kunka さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/11/06
閲覧 : 24

しむらうしろ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/11/06
閲覧 : 19

いぬわん! さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/11/05
閲覧 : 25

君を愛したひとりの僕へのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
君を愛したひとりの僕へのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

君を愛したひとりの僕へのストーリー・あらすじ

両親が離婚し、父親と暮らす小学生の日高 暦(ひだか こよみ)。
ある日、父の勤務先で佐藤 栞(さとう しおり)という少女と出会う。
お互いに恋心を抱くようになる暦と栞だったが、親同士が再婚することを知らされる。
ふたりは兄妹にならない運命が約束された並行世界への駆け落ちを決断するが・・・。(アニメ映画『君を愛したひとりの僕へ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2022年10月7日

このアニメの類似作品

この頃(2022年10月7日)の他の作品

ページの先頭へ