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「僕が愛したすべての君へ(アニメ映画)」

総合得点
68.3
感想・評価
41
棚に入れた
169
ランキング
2190
★★★★☆ 3.5 (41)
物語
3.7
作画
3.6
声優
3.1
音楽
3.5
キャラ
3.6

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僕が愛したすべての君への感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

嘘から出た実(まこと)

私は、"君愛" を先、本作 "僕愛" を後に観ました。

まず、"僕愛" の主人公は、暦というより和音だろうと感じました。
嘘から出た実(まこと)という諺がありますが、高校生の和音は暦への傾倒を「ここから85離れた世界線からやってきた。そこでは私たちは恋人同士だった。」と大噓をつき、そのあとも放置プレイと徹底したツンデレぶり。
でも、間違いなくそれは "僕愛" の燃料・推進力になっていたと思います。

和音の人を食ったような乙女心の打ち明け方は、キャラ立ちとして意外性を感じましたし、ストーリーライン的にも、視聴者に別の世界線を信じこませる心憎い演出でした。
でも、当の和音にしてみれば、暦への執心に未来の可能性を含めていたようでしたし、嘘でもつかなければ、嘘をついてでもいいからと、覚悟を決めての手合いだったのかも知れません。



"僕愛" の和音は、結果的には暦の妻としての生涯を全うするのですが、物語の終盤、 "君愛" の和音からの衝撃的な告白に直面し、ある悩みを抱え込むことになります。
それは "君愛" の世界線では暦の伴侶にはなれなかった和音の人生への深慮であり、"君愛“ の暦がついた嘘に対する "僕愛" の暦が抱えていた(かも知れない)約束への対処です。

"僕愛" の和音と "君愛" の和音は、言わばそれぞれの世界線でパラレル&タイムシフトの研究に生涯を捧げた同志同門。
真理探究というマインドに問いかけられるテーマ(それは何に使われるべきか)を共有しうる立場にあります。

平行世界を見渡せば、暦と結婚できた "僕愛" の和音と、ついに結婚できなかった "君愛" の和音が同時に存在していて、帰一する着地点には暦と栞の悲恋のストーリーが存在しています。
"君愛" の和音は、研究対象としての虚質の栞を、いったいどんな感情で受け止めてきたのか。
"僕愛" の和音は、プライベートな案件としてどこかに実存する栞を、いかなる心情で受け入れるのか。
二つのシナリオに触れあう覚悟を共有し合うのです。

"僕愛" の和音の人生に割り込んでくる "君愛" の和音、暦、栞の世界線。
それは無意識が意識化され、二律背反しながら同化も促される並行世界の虚質の実相。
これこそが本作設定のコアを成すアイディアであると私は思いましたし、鑑賞のガイドマップになりました。

結果として、"君愛" の和音は、ぼんやりと目に映る "君愛" の幽霊の栞に対しては節義を重んじます。
"僕愛" の和音は、縁もゆかりもない "僕愛" の年老いた栞に対しての律儀を通すのです。
そこには、それぞれの暦に対する、それぞれの和音の深い慈愛が描かれてあったように私は思いました。



終盤、"僕愛" の世界線の暦が、"君愛" の世界線の栞と瞬間的に出会う場面が描かれ、そののち "僕愛" の栞と言葉を交わすおだやかなシーンが描かれます。
つまり、両者が見ず知らずの、出会いがしらの者として邂逅するシチュエーションです。

暦にしてみれば、「必ず迎えに来る」という嘘の約束が真になったわけですし、栞の立場で言えば「名乗るほどの者でもない」とのジョークが真になったというギミックです。

それはそれで面白いフックなのですが、個人的には栞が暦の名を尋ねたときの暦の答えの方にグッと引き寄せられました。
栞は、暦の姓を {netabare} "日高" {/netabare}として理解していますが、暦が口にしたのは {netabare} "高崎" {/netabare}だったからです。

"僕愛" で世界線を違えた2人には、"君愛" での約束を思い出すことはもちろん、思いつくこともさらさら無理だったわけです。
それを承知としても、"君愛" の暦と栞が望んだ、両親が離婚しないという世界線の選択が、"僕愛" の暦と栞が全くの他人としてすれ違いする切なさに帰結するという因果応報には、得も言われぬ感傷が押し寄せました。

何よりも、栞の {netabare} 薬指には、リングはありませんでした。{/netabare}
そんな栞は「私は十分に幸せな人生を送りました。」と暦に話し、暦は和音に「幸せな人生を送ったと言う女性に出会い、僕もそれを心から喜べる。」と語ります。そして「そう思えるのは和音がいてくれたからだ。」と言うのです。

そんな彼を受け止める和音の心意気も素敵に感じられて、物語としてしっかりと筋が通り、完成しているように思いました。



ところで、"僕愛" の和音に描かれたファクターは、結婚、子ども、孫という家族の姿、そして穏やかな老後と、思わぬ横道でした。

横道・・。
"僕愛" の和音は、子どもを巡って、法を犯してまでオプショナルシフト(世界線を意図的に選ぶ技術)を行使します。
そんな彼女の判断と行為に、私は難しい感情を抱きました。

また、"僕愛" の和音がそうであったように、"君愛" の和音もまたオプショナルシフトを活用して、暦と栞の関係性を手紙という形で "僕愛" の和音に明示し、"君愛" の「二人の約束」を "僕愛" の世界線で成就させてやってほしいと依願しています。

これらは それぞれの和音らしいスタンドプレーぶりであると同時に、しかし重大な禁忌行為(第三者による時空への干渉)でもあり、科学者としてのモラルハザードと、パートナーシップとしてのやむに止まれぬ想いの衝突とが、シビアに表現されてあったと思います。

"僕愛" の暦は、それぞれの和音の思いも、"君愛" の栞の存在も知らないままに、しかし、"君愛" の栞への約束をついに果たすことになります。
「あの人が幸せなら、僕も幸せだ。」
それは "僕愛" 、"君愛" に関わらず、「僕が愛したすべての(平行世界の)君へ」への確固たる暦のスタンス。

その言葉は、時代を切り開いた気鋭の科学者として、あらゆる平行世界に、あまねく知らしめる高らかな宣誓だったと受け止めています。
そして、暦に長年寄り添ってきた "君愛" の和音と "僕愛" の和音のそれぞれのスピリットの協調があればこそ、暦の人生は(そしてそれぞれの和音の人生も)、大団円を迎えられたのだろうと思います。

平行世界にはさまざまな和音がいて、心の弱さも強さも、人生の揺らぎも確立もあったと推察できます。
そんな彼女の、科学者として真理を探求する姿勢、パートナーとしての心理を定める態度が、"僕愛" の味わいとしての真骨頂であり、汲み取るべきテーマではないかと思いました。



最後に、パラレルシフト、オプショナルシフトの怖さについてひと言。
「誰にでも起こりうる、ちょっとした虚質のずれ。」
本作ではごく自然に語られる言い回しですが、ふつうに勘違いや記憶違い、物忘れなどと同じく括られているのは、ちょっと怖いなと思いました。

なぜって、そんなのは日常的な暮らしに自覚できるシチュエーションなわけで、それを平行世界の根拠にしたり、虚質(意識)の移行だとかと設定するなら、いうなら毎日?のように体感しているわけですね。

オプショナルシフトに至れば、自分の知らないうちに、ピンポイントで "ほかの平行世界の自分の虚質=意識" が肉体に入り込んできて、例えば恣意的な理由で結婚相手を決めたりできてしまうわけです。
反面、その時の、元の自分の虚質(意識)は、どの時代の、どんな境遇の、もう一人の自分の肉体に宿っているかなんて想像すると、思わず冷や汗が流れる気分です。

この技術は、ド〇え〇んでもパトロール隊の監視がつきものの世界観に似ています。(肉体自体がさまざまな時空間にシフトするので、本作以上に超次元的な技術。パラレルシフトは時間移動はせず空間移動のみのようです。)
にもかかわらず、開発者自ら( それぞれの和音)が、個人的な思惑でその禁忌を犯してしまうとは・・。

先に "君愛" のエピソードを知っていたおかげで、"僕愛" の和音の葛藤や心情などがいくらか理解でき、どうにか共感も持てましたが、科学者の倫理観と、社会一般のそれとの整合性や合理性といった観点の落としどころについては、なんともかんとも後味がビターテイストというか、複雑な味わいでした。

後日、原作も読みましたが、いくつかのエピソードが盛り込まれてあったり、逆に大事な情報が表現されていなかったり、アニメ版とは違う箇所がいくつかありました。
私は、それらもパラレルシフトにみられる可能性の一つのものとして受け止め、おまけ感覚で楽しむことができました。

ちなみに(2原作×2アニメ)×3周で、ようやく全体像を把握できました。
ついでに言うと、私はアニメ版のほうが好きでした。



思い付きで "僕愛"、"君愛" と使い分けてみたのですが、ずいぶんと読み取り取りにくかったかと思います。
その点は、私の文才のなさです(汗)。

投稿 : 2024/12/05
閲覧 : 125
サンキュー:

6

あと さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

並行世界を飛び越える愛を込めた人生譚

 2作品同時公開の青春SFラブロマンス映画ということで、私はこういう映画が大の好みなのですが、公開当時は見に行く機会がなかった作品でした。(PVに惹かれなかったのが主な理由で、加えて100分映画を2本見るのは相当な度胸が必要)ということでアマプラで何か見ようかなと探していたとき公開当時気になってはいた作品を視聴。2つの映画はどちらから見ても大丈夫だそうなので特に木にせず「僕愛」の方から見て満たしたが、かなり満足な内容でこれだけ見ても結構大丈夫と言えますね。作品としては展開もダレず最後まで見逃せない展開がありかなり楽しかったです。悪かった点を上げるとすればちょっとテンポが遅かったというか、亡くなったお祖父さんとの序盤のシーンはちょっと長いな~wと思ってみてました。
 この章は最初からずっとモノローグが多かったような印象で、フォーカスしたのは主人公高崎暦と瀧川和音さんとの出会いから始まるライフステージを通した紆余曲折あるラブストーリーの中で世界観をしっかりと細かく説明していったところは興味深くて人生の中で並行世界というのを利用したイベントは結構面白かったですね。そしてメインヒロインとなる和音さんがかなりいじらしく、可愛らしい良いキャラ。キャラデザもエヴァっぽい雰囲気なのがとても良かった。そして後半の「君愛」からつながる終盤にかけた畳み掛けも見事。正直反対側のダイジェストで送る「僕愛」のシーンはわからないところも多くない?と感じるところも多かったのですが、こちらはしっかりと流れは伝わってきましたね、そういえばちょくちょくパラレルシフトしたときにいたキャラだった。ただ「君愛」の方を見ていなかったので最後の方は本当にこの人なの?と疑うところも強く、最終的にはまあハッピーエンドだったのか…?という終わり方でした。
 どちらも見たうえでこっちの作品のほうがクオリティに関しても最終的な締め方に関しても集大成といった感じで好きなのはこちらでしたね。ほぼ本編途中まで和音とのラブドラマとして持っていったのがシンプルに面白かった。そして魅力的なヒロインである和音についての掘り下げも多くてとにかく可愛かったね…。総じていうとこちらの方を僕はおすすめとしたいですね。「HELLO WORLD」ほど唸るようなSF青春作品というわけではないんですが、かなり感情移入できて楽しめたので高評価したい。

投稿 : 2024/10/28
閲覧 : 42
サンキュー:

0

ネタバレ

既読です。 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

君愛のスピンオフ

栞への純愛と責任感から暦が作り出した
全く別世界の話です。

これもパラレルと呼べるのでしょうか?

普通パラレルものは栞と暦の過去事象が事実として
存在した場合の話が始まりですよね。
やり直すところからどういう帰結を辿るかって。

でもこの話はあまりにもたらればを遡り過ぎて、
「君愛」を先に観ていなければ
ただの暦と和音の恋愛話になっていてしまいます。

この世界はこれでアリなのでしょが
実は暦が和音と人生を共にすることによって
究極の目的である「栞への純愛」と「栞救済」が
成就された話なんですよね。

投稿 : 2024/03/13
閲覧 : 73
サンキュー:

2

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

2作品の意味は薄い。ラブストーリーとSFは本作の方がいい。

 2つの作品で1つの話というSFです。原作は本屋で2冊一緒にならんでいて、当然それを見ただけで仕掛けがあるSFでおそらくはパラレルワールドものかタイムリープものなんだろうということは分かり、購入。若干原作のほうが分かりやすい気もしますが、ほぼ変わりません。

 で、君を愛した→僕が愛したの順で読みました。正直言うと2作はつながっているように見えますが、しかし、2作をくっつける意味は希薄だったと思います。
 そのうち、和音がヒロインの本作のほうがSFとしても、ラブストーリーとしても圧倒的にレベルが高いと思います。

 本作は、並行世界における、アイデンティティ問題が中心に描かれます。その問題と絡んで、愛しているのは誰か?という問題をストーリーと絡んで丁寧に描写されます。
 主人公と和音の出会いがまた、甘酸っぱくて結構可愛い感じで、そのとき和音がやった工夫がラストで活きてくるような感じです。

 主人公が和音を好きになるプロセス、和音が主人公に関心を抱いたプロセスなどがなかなかいい感じでした。

 で、まあ2つの作品の意味ですが、「君を」の方で書きますが、じゃあ栞の世界とのつながりで、なにが描けたんだろう?と思います。むしろ主人公を変えて、2人の研究者が同じ世界で起こした2つのラブストーリーの方が良かった気がします。一応、交差点での再会など2作を絡めようとしていますが、意味性が薄い気がします。

 それとSFとしての専門的あるいは専門的っぽい単語ですが、これが下手です。SFとしてのうまさとは専門性があるように見せながら、どういう事象・現象が起こるのか?が読者・視聴者が理解できて話が理解できることが大事です。そこが上手く行ってません。要するに説明も用語の頻度もくどいです。そのくせ言っていることは泡状のパラレルワールドにおける作者が考えたルールを説明しているだけです。難解な用語より分かりやすさを優先させればいいのに、と思いました。

 単独のSFとしてみれば、本作「僕が愛したすべての君へ」の方が圧倒的に面白いです。題名も内容と絡んでちゃんと回収されます。必ずしもハッピーエンドでないところがいいです。本作のモヤモヤがこの作品の味わう部分であり、世の中のパラレルワールド、タイムリープもの読みとく視点になります。

 なお、原作と本作は重要な事件がちょっと省略されていますので、結論の味わいはもうちょっとマイルドになります。


 アニメのレベルはちょっと出来がいいTV作品くらいかなあ。

 どちらか試しに見るなら本作がいいです。本作すら受け付けないなら「君を」はもっと駄目でしょう。
 本作の評価は連作の1つとして、評価します。単独なら4.1。ただし、お金を出して2作見た以上は、ストーリー・キャラとも減点をします。

投稿 : 2023/06/06
閲覧 : 169
サンキュー:

5

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

「2作品観たひとだけが分かる愛の結末とは・・・」

※『君愛』のレビューからの続きです。

『君愛』、『僕愛』の両方を観ました。
私は、正直、少し残念だったと言うのが率直な感想です。

この2作品の予告では、こう言っています。
「『僕愛』から観るとちょっと切ないラブストーリー。
 『君愛』から観ると幸せなラブストーリー。
 2作品観たひとだけが分かる愛の結末とは・・・。」

確かに観る順番によって感じ方が違うように思います。
しかし、問題なのは、「2作品観た」結果がちょっともやもやしていることなんです。


■たぶん、どちらの愛の結末も幸せではないです。
{netabare}
『君愛』では、最終的には、ヒロインと結ばれない結末が待っています。

一方、『僕愛』では、ヒロインと結ばれていますが、最後が少し残酷な気がします。
その理由は、『君愛』の並行世界からの干渉があるからです。
ヒロインが愛した主人公は、実は、他の人が好きだったと言わんばかりだからです。
つまり、その人を救うために分岐を起こして今のヒロインと添い遂げていると・・・。
そのため、『僕愛』は、並行世界と言いつつ、『君愛』からの干渉があるため、
あくまでも「プランB」に思えてしまいます。
つまり、この『僕愛』のヒロインは、次点の位置付けに思えてしまうのです。
しかもそれを、結婚して孫もできた人生の最期が近づいた段階で知らされる。
残酷じゃないですか?

つまり、どちらのヒロインにとっても、幸せとは思えないのです。

最初に『君愛』までを観た段階では、よい意味で高揚感がありました。
それは、ヒロインを助けられるのか!?ってところで、終わるからです。

しかし、『僕愛』までを観ると、・・・なのです。
確かに、結果的には『君愛』のヒロインは助かります。
一方、『僕愛』でも、ヒロインとは結ばれています。
でも、期待しているのはこれじゃない感があり、なんだかもやもやするのです。

そして、もう1つ問題点があります。
『君愛』、『僕愛』は、並行世界です。
なら、ヒロインに対する比重も同じであって欲しかったのです。

『君愛』では、思春期までが物語です。
そのため、ヒロインと恋愛関係に発展していく過程がとても丁寧に描かれています。
そして、感情移入もさせられます。

一方、『僕愛』は、大人になってからの家庭の話がメインになります。
恋愛関係に発展していく過程があまり描かれていません。
すると、ヒロインに対して、どうしても『君愛』>『僕愛』と言う構図になります。
できれば、もうどちらのヒロインかを選べないくらいの構図だとよかったと思います。
それなら、全体を観終わった後の感想がまた違ったものになっていたかもしれません。
{/netabare}

■まとめ

私は、『君愛』→『僕愛』の順番に観るべきだと思いました。
理由は、好みの問題と言うよりは、物語の構成的な問題です。
どちらも完全に独立していれば、どちらかを先に観てもいいと思いました。
でも、この作品は、どうしても時間軸も世界観もどちらも『君愛』が前提になります。
そのため『僕愛』から観た方は少し分かりにくかったのではないかと思うのです。
できれば、『僕愛』の方の描き方をもう少し工夫してほしかったです。

ただ、コンセプトは、非常に面白い作品だと思いました。
並行世界とラブストーリーの組み合わせは、よくあるテーマです。
ですが、それらの作品は、過去改変をして、分岐を切り替えるといった感じです。
しかし、この作品は、分岐による並行世界を是としていることです。
そして、その並行世界が干渉しながらもそれぞれのラブストーリーが進んでいきます。
これは、とても興味を持つことができました。

また、その並行世界を、文字通り2作品に分けて、独立したものとして描いてみせる。
しかし、それと同時に、お互いが影響しあう部分を物語に織り込んでいる。
なかなか面白い試みだと思います。

そして、この2作品を象徴するそれぞれのタイトルもとても良かったです。
『僕が愛したすべての君へ』と『君を愛したひとりの僕へ』です。
これは、並行世界、つまり、分岐した先にいる「すべての君」のことを愛しているし、
そんな「君」を愛したのは、「ひとりの僕」なんだと。
とてもこの物語の本質をついたタイトルだったと思います。

ただ、それだけにこの2作品は、バランスがものを言います。
つまり、どちらかに比重があっては、だめだと思うのです。
PVやキャッチコピーからは、どちらも比重は同じ印象を受けます。
しかし、実際に2作品を観ると感情移入的な比重は偏っているなと感じてしまいます。
そこが、残念でした。

投稿 : 2023/06/05
閲覧 : 207
サンキュー:

13

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

探し物が見つからない?→並行世界間移動(パラレル・シフト)したからに違いありません

「パラレル・シフト」が観測、数値計測され実用化されていく近未来の日本。
SF設定を引き立て役、障害の壁役に据え、恋する男女の生涯を描いた
原作小説『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(未読)を、
二作同時公開でアニメ映画化。

私は『僕愛』→『君愛』の順で同日劇場鑑賞。


【物語 3.5点】
『僕愛』から見るとちょっと切ないbitter LoveStory
『君愛』から見ると幸せなsweet LoveStory

見る順番で結末が大きく変わる恋愛映画として宣伝されていたこの二作。
人を愛することがシナリオのテーマなので間違ってはいないのでしょうが……。

やはり本質的にはカップルに訴求するのではなく、
並行世界や“虚質空間”などの設定に時めくSF少年(“大きなお友達”の私なども含む)
科学アドベンチャーシリーズなどのテキスト型ゲーム及び、
そのアニメ化作品等を履修したような層にアピールする内容だったかと思います。
移動した並行世界の遠さを計測数値化して、危険性だの言う展開などワクワクします。

カップルどころかお客さん自体もまばらな劇場にて私は、
プロモは五流の日本映画界がまたやらかしたか~と歯噛みしていましたw


見る順番のオススメもアニメファン向けに噛み砕くと……

『僕愛』→『君愛』の順番は、とりあえず展開が欲しい1クールアニメの短距離走に馴染んだ人向け。
『僕愛』を本編、『君愛』を解説編、スピンオフとして消化する感覚で捉えれば楽しめます。

『君愛』→『僕愛』の順番は、大作ギャルゲーのプレイヤー向け。
『君愛』にて、難解なSF用語を土台から地道に解説された後、ある選択肢で痛い目を見たりする。
『僕愛』にて、設定解説も生かした伏線回収がなされ、全ての選択肢が報われるグランドエンディングを迎える。

私は中長距離走の方が性に合うので、『君愛』→『僕愛』の順番で観れば良かったと少し後悔しました。


脚本の方は2作とも坂口 理子氏が担当。
『僕愛』から見る人にとっては伏線になる要素を『君愛』から見る人にとっては解答になったりする。
しかも{netabare} 恋愛、結婚、子育てから人生の終末{/netabare} まで描く人生記を限られた尺に押し込む。
2作で複雑に絡まり合ったシナリオを、苦慮を感じさせながらも、まずまずの脚本でまとめる。


【作画 3.0点】
『僕愛』はBAKKEN RECORD、『君愛』はトムス・エンタテイメントで分担。当然、監督も別。

個人的にはこの分業体制が悪手だったと悔恨します。
2つのスタジオによるパラレル映画制作は世界初!などとアピールしてくるわけですが、
今まで誰もやってこなかったのはメリットがないからだと思います。

シナリオ解説の都合上『僕愛』で見た場面を『君愛』でも見るシチュエーションがあります。
1つのスタジオ・監督の元で統率していれば、同じカットでもアングルを変えた作画にしてみたりして工夫して再提供することもやり易い。
でも、2つのスタジオで分担していると、共作相手が制作した映像をそのまま拝借する位しかできない。
『僕愛』で数時間前に鑑賞した映像を、『君愛』で重複して見せられる時間。
睡魔に襲われるくらい退屈でした。

最近では『もういっぽん!』の柔道描写にも好感できるBAKKEN RECORD。
本作でも作画自体は、難解なSF設定の表現も含めて健闘。
応援したいスタジオだけに、意欲が報われる企画を望みたいです。


【キャラ 4.0点】
『僕愛』のヒロインはポニテのメガネ娘JK・瀧川和音。
外面は、頭脳の明晰さの面で主人公少年・暦をライバル視している内に……という典型的なツンデレ属性。
が、突如、{netabare} 並行世界から来ましたと{/netabare} などと言い出す辺り、やはり本作はSF。

主人公、ヒロインとも高校時代より成人してからの方がくすぐったい関係。
{netabare} 研究に熱中するあまり数式を下着姿の互いの肌に書き合う{/netabare} 件、中々エロティックでしたw
年を重ねるごとに味わいが滲み出てくる関係性が、
何気ない日々に幸せを噛み締める本作の隠し味になる。

この方向性に序盤から鑑賞者を誘導するのが、暦の祖父・康人。
愛犬・ユノと共に「パラレル・シフト」上も重要になるキャラですが、
その教育方針で、暦の人生にも影響を与えたという意味でも大切な存在。

個人的に老人が味を出している人物相関には外れはありません。


【声優 3.5点】
主人公・暦役の青少年期を宮沢 氷魚さん。ヒロイン・和音役の青少年期を橋本 愛さん。
鍵となる少女・栞役に蒔田 彩珠さん。
メインキャストは若手俳優陣で固める。
総じてまずまず無難に声を当てて、恋愛映画観るようなカップルを釣り損ねた感じ。
正直、暦の幼年期を演じた田村 睦心さんのようなアニメ声優陣で見たかったという私の願望を払拭するには至らず。

ただ老年期は暦を西岡 德馬さん、和音を余 貴美子さん。
『火曜サスペンス劇場』でも始まるのかwというベテラン俳優陣が演じ、独特の渋みを醸し出す。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は2作とも大間々 昂氏。
ピアノとストリングス、アコースティックギターの素朴な日常、心情曲が中心。
ただ挙式で{netabare} メンデルスゾーン「結婚行進曲」{/netabare} はベタ過ぎてビックリしましたw
本作だけでなく『水星の魔女』でも意外なSF対応力で魅せる大間々氏のサウンド。
今後SF・ロボットアニメでの活躍にも期待したいです。

『僕愛』主題歌は須田 景凪さん「雲を恋う」。他、挿入歌あり。
(『君愛』はSauty Dogが担当。こちらの役割分担はアリだったかと。)
須田さんは今期TVアニメ版『スキロー』OP「メロウ」でもそうなのですが、
ありふれた日常から幸福を抽出するのに適した歌い手。
その観点から『僕愛』での起用も、用法用量を守った正しい活用法かと。

投稿 : 2023/06/02
閲覧 : 556
サンキュー:

12

ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

初手僕愛推奨

結論はタイトルの通りです。

どうせといっちゃなんですが、どうせ二作品見るんでしょうから順番のおすすめだけ。
個人的には「僕が愛したすべての君へ」を最初に見ることを強くおすすめします。
広告で言っていた「見る順番で結末が大きく変わるとしたら」は嘘です。
内容は結局どっちから見ようが変わりませが、結局は印象の問題です。印象の問題なのですが、私が感じるにかなり大きな違いが生まれると思っています

ちなみに私は僕愛から見ました。ナイトシアターが「僕愛21:30」「君愛21:25」という連続で見せる気のないスケジュールだったので、急いで2日かけて見ました。

さて、上記の理由を言います。
具体的ポイントを言うとネタバレになるのでぼかしますが、理由は大きく5つあります
1.ヒロインに対する印象の差
所詮私らは人間ですので、最初に知った情報や印象に偏る傾向があります。僕愛から見ると君愛のヒロインも受け入れることができるのですが、おそらく君愛から見ると君愛のヒロインに肩入れしすぎて僕愛のヒロインを受け入れることが難しくなると思います。別に肩入れが悪いというわけではないのですが、個人的に僕愛のヒロインが好きなので依怙贔屓しています。僕愛から見れば両ヒロインを愛せると思います
2.主人公の印象の差
所詮私らは人間ですので、最初に感じたことに偏る傾向があります。僕愛の主人公のほうが個人的に好きです。主人公の声を担当している松村さんは俳優だそうで正直全く上手くないのですが、僕愛の方があとに収録したのか、それとも声質的にそっちのほうが適していたのか定かではありませんが、君愛ほどひどくはなかったのが印象的。さらに主人公は異変が起きたときも大げさに驚き慌てふためくことがなかったため、僕愛のほうが好き→つまり作品に対する印象も良い。ということです
3.内容の順番
おそらくというか、なんというか。時系列(?)は君愛のほうが先です。ですので2本目で「あ、これは君愛で言ってたやつか」となるか「あ、僕愛のあそこはそういうことだったのか」という差でしかないのですが、個人的には後者のほうが作品として楽しみやすいと思っているので僕愛を最初に見ることをおすすめします
4.描写の差
描写的にも差があります。僕愛では必要最低限しか説明しておらず、僕愛を見れば自然と君愛が見たくなるように誘導されているのですが、君愛はいらない説明が多く、なんなら単独で完結してるとも言える作品となっています。その際には僕愛は補足的な立ち位置になるのですが、とはいえ補完するだけの映画に対して良い印象を持てるかという話です。なので僕愛から見て両作品の印象を上げようという話
5.設定に対する説明度の差
僕愛と君愛。世界観や設定用語は共通しています。が、頻度はもちろん違います。おそらく君愛のほうが深く難しいでしょう。概念的にも理論的にも少し難しいかもしれません。なので僕愛で概念を大体把握(理解はしなくても構いません)して君愛で深く突っ込んでいく、というのが良いと思います。

以上の理由で僕愛からみることを強くおすすめしていますが、あくまでも私の意見です
「どうしても君愛から見たい」や「時間的に君愛からしか見れない」という方は君愛からみてください。
何度も言いますが結局どっちから見ようが内容は変わりません。印象の差でしかないため、そこまで深くこだわらなくても良いです。

{netabare}
母親について行った主人公は高校にて進学校特有の雰囲気に圧倒される日々を送っていたが、ある日80以上先の平行世界から来たというクラスメイトの少女に呼び止められ、「あっち」では恋人だったらしい。なんやかんやあったけど、どうやら少女の演技だったらしい。少女に惚れた主人公は告白しまくって振られまくって新技術を発見し結婚し子供を産む。色々あったが孫も出来、余命が言い渡された。覚悟した翌日の朝、知らない予定が入ってたので指定された場所に行ったが特に何も無かった。しかし偶然助けてくれた老婆が今幸せであることを知り、なんだか嬉しい気持ちになった

これ結構深いですよ
階級や外見に囚われず中身を重視しましょう、という傾向が高まっている現代に対して本作は「存在そのものに愛を」と言っているわけです。まぁ主人公がそう感じているだけで別にそれを啓蒙している訳では無いのでそこまで怯えなくても良いのですが。
その人が例え自分の知っている人で無くなったとしても、その本質は何も違わないし、自分が愛していた人であることには変わりないので、変わらず愛し続けよう、と。これは恋愛の愛というより隣人愛の愛の方が近いですかね。いや恋愛の愛なんでしょうけど。(別に宗教を否定するつもりは無いのですが、)私には隣人愛がよく理解出来なかったため本作に共感は出来ませんでした。しかし、そのテーマは面白いなと思いました。原点回帰的なテーマかと思いきや、新しい観点で勝たられる恋愛もので、少し驚かされました。
そういう点ではもう何度か見たいと思わせる良作だと個人的に思います

ま!本音としてはヒロインが物凄く可愛いてのが大きいんですけどね!!!!!
とんでもないウソをつくくせに詰めが甘いの心臓に悪いですよ。「ウ゛」てなります。

タイトルも優秀ですよね。君愛と対比させることで、疑問を浮かばせながら内容はまさかのSF気味という。しかも君愛に関してはかなり難しい。本作に関しては大分深い。
想像だにしなかった奥深さと、この代名詞です終わるタイトルが良い相性です。個人的に体言止めは好きな技法ということもあって更に刺さってます。

{/netabare}

投稿 : 2023/05/23
閲覧 : 121
サンキュー:

4

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

U-NEXT で観たのだが…

キャラクターの口の動きと声のタイミングが全く合っていなくて、観ていて頭が痛くなりました。

(ほかの方がそれに触れてないのは、どうしてなのだろう? 再現性のない不具合なのか?)

投稿 : 2023/05/01
閲覧 : 138

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

物語終盤の展開が大いに感動します

おそらく、この物語「僕が愛したすべての君へ」だけを見ても、あまり感動しないと思います。そして物語の展開についていけないでしょう。
でも、この物語の前に「君を愛したひとりの僕へ」を見ておくと、物語終盤で大いに感動します。

この物語ではパラレルワールドが当たり前のこととして研究されています。
主人公は暦(こよみ)。彼には高校の頃から和音(かずね)という仲の良い女性がいました。
暦も和音も秀才で、二人は共に虚質科学研究所に入所し、研究に明け暮れます。
やがて二人は結婚し、子供ができ、そしていつしか孫ができます。

暦が年老いて寿命がつきかける頃、ある出来事が起きるのです。
そしてそれは思わぬ展開でした。
・・・・・・
このラストは大いに感動します。
詳しく語りたいのですが、語るとネタバレになるので語れないのが残念でなりません。

もし、あなたが誰かを幸せにしてあげることができたら…
パラレルワールドの別の世界でも、きっとあなたは誰かを幸せにしてあげているでしょう。
この物語は、そんな物語だと思います。

投稿 : 2022/11/10
閲覧 : 590
サンキュー:

15

ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

本当の幸せとは……

この作品の最初の印象は「難しい」「ややこしい」「堅苦しい」の第一印象でした。
しかし、見始めて直ぐに気づきます。

確かに、この方法なら、見る順番で結末が変わると言われるのもわかりました。
そうなると……映画と映画のつなぎ方とクライマックスの見せ方がこの作品の評価の鍵になるかと……

しかしながら、こちらから見ると最初は中途半端で主人公が1言目の意味もよく解らず……この辺りは、もう1つの物語で説明されてます。

さて、最初は「パラダイムシフト」とか世界線とか入れ替わりとか小難しい事ばかり……
いゃいゃ、私は恋愛アニメを見に来ていて科学アニメを見に来てるんじゃないんだよ(><)*。
って思ってましてたが、しっかり恋愛してくれましたね。

この作品の学生時代に込められているのは「出会い」と「世界観」ですね。
ヒロインの瀧川との出会いや、この世界で行われてる研究や認識されてる現象など。

寧ろ恋愛は社会人になってからです。
だから、社会人の恋愛を描いた作品ですね。
恋愛って言っても幸せはしっかり書かれてはいますが、少女漫画の様なドキドキ感はないかな?

でも、リアリティのある恋愛かな?と思いますw
少女漫画の様なセリフを言う人も私の周りには居なかったし、少女漫画の様な展開の恋愛は残念ながら未経験ゾーンですよ(*꒪꒫꒪)
アニメの様な綺麗な恋なんて中々w

だから、この作品の出会い→カレカノ→告白→結婚→子育て→孫誕生→歳をとる

人の恋の生涯を短くもしっかり描いて居たのは評価点!

物語で私が感じたのは……

「おじいちゃん」

{netabare}これは主人公の暦がパラダイムシフトを身をもって経験する事で視聴者にわかりやすく説明する事が出来てるエピソードだったと思います。

後、おじいちゃんの死は主人公の暦が母親を選ぶ事で発生します。
母の実家に行った暦の役割は飼い犬のお散歩です。

別の世界線では逆に飼い犬が死んでいます。
それは暦が父を選ぶ事で発生します。

おじいちゃんの死は暦が犬の散歩当番となり、おじいちゃんは運動不足で体調を崩して亡くなったのかな?と思いました。
犬の散歩がおじいちゃんの運動であり日課だった。

逆に、ワンちゃんの死は、おじいちゃんが散歩をしているから健康的で元気でした。
しかし、おじいちゃんです。
力が衰える……ワンちゃんは成長して大きくなり力も強くなる、おじいちゃんは不意をつかれワンちゃんの手網を放してしまう……そして道に飛び出して亡くなってたのかな?と思いました。

このように、1つの選択肢の中に夫々の分岐点がある事を視聴者側に説明しています。
正直、このエピソードで、タイムシフトが、どう言う物か、この世界で言う選択がどう言う意味を結果をもたらすのか……凄くわかりやすかったです。 {/netabare}


「婚約」
{netabare} 和音と結婚した後の暦「俺は誰と結婚したんだろ」には、えっ!!!!!となりました。
世界線移動がいきなりのタイミングで行われるから……ややこしい……
目の前には愛した人が居るけど、もしかしたら、それは別次元の愛した人と同じ人物であり他人でもあるかもしれないと考えたらなんだろ……なんか違う気もするかもしれない。{/netabare}

「事件」

{netabare} 暦と和音と息子でお出かけをした時に事件が起きます。
その事件で息子は亡くなってしまう。
そこへ、パラダイムシフトをしてきたのは息子に会いたくて息子の元にパラダイムシフトをして来た別世界の和音。

これは気持ちは解る。
自分の子供……いゃ、大切な人の死なんてのは回避したい……

子供を失った和音は世界線を移動して息子が生きている世界線で息子と生きていこうとする。
2度と失いたくないから……彼女は多分息子を失い参ったのだと思う……心が……気持ちが……
向こうの世界の暦が手伝ったらしいけど多分、暦は見てられなかったんだと思う。
日々弱る彼女の姿に……

だから、彼女を息子に一目合わせたかった。
息子を守れななかったと自分を責める彼女に元気になって欲しいから……

けど、それは息子が生存した世界の和音が息子の死に直面した世界線に行く事を意味する。
同じ場所に同じ人間関係は留まれない。

けどさ、気持ちは解るけど、ダメだと思う。
確かに現実なんて受け止められないし人の死なんて当然……辛くて悲しくて苦しくて涙が止まらない……でもダメなんだよ。

例え、相手が自分でも死なんて悲しみの重みを誰かに背負わせるなんて……
何より死んでしまった息子の存在を生きてきた証を否定しちゃう……別世界で個人なんだ。
自分の息子が居なくなって別世界の息子を代わりにしちゃっダメなんだと思いました。

息子の「ママはどこ?」には心が痛かったなぁ。
目の前のママは別世界のママでやっぱり解るんだよ。
小さな仕草や笑い方や喋り方、色々な事から子供は感じとれるんですね。

でも、裏を返せば、例え別世界の自分でも自分の代わりにはなれないと言う事ですね。{/netabare}



「手紙」

{netabare} 孫も産まれ幸せに暮らす中、和音の元に手紙が届きます。
別世界の和音からです。
別世界の和音から、その世界の暦が栞と言う幽霊に恋をしていると聞かされます。

だから、和音に暦をその幽霊に会わせてあげて欲しいと言います。
コレが君恋のエピソードなので詳しくは伏せます。

和音は暦に幽霊に会いに行く様に背中を押します。
私はこの選択が凄いと感じました。

自分の好きな旦那を別世界の恋人の元へ送り出す。
正直、別世界なんて知らないし無視も出来たと思う。
好きな人を他の女性の元に送り出す?
仮にも恋敵ですよ!
私なら出来ないです……最低であり薄情だし心が狭いし束縛乙と思われるかもしれません。

でも、やっぱり私には出来ない……もしも気持ちがそちらに向いたら?
もしも自分の知らない人になっていたら?
何か起きるかもしれない……そうした不安や心配から私はそこまで強くはなれない……

しかし、和音は何故、その選択が出来るのか……
多分、同じ選択が出来る人達は世の中に沢山いると思う。
どうして、そんな事が出来るのか私は考えて見ました。
多分それは「本当にその人を想ってるから」です。

暦も和音も全ての暦と和音を愛していると発言してました。
それは暦を全ての世界の暦を愛していから背中を押せた。
その世界の暦は自分に気持ちに向いては居ないけど、そんな暦も愛している。
それだけで背中を押せる勇気になる。
恋愛って凄いなぁ〜ってなりましたw {/netabare}


「交差点の幽霊」

{netabare} 再会を果たします。
しかし、暦は幽霊が誰なのか……解らない。
認識出来ても別世界の暦の記憶を知らないから……
そんな時に、病が暦を襲う……
薬を飲もうとするも薬のケースを落としてしまう……手を伸ばしても届かない……このままでは…………

そこに1人の老婆が薬を拾ってくれる。
助かった、暦は不意に質問する「今、幸せですか?」と……その答えは「幸せ」{/netabare}


「ただいま」

{netabare} 暦が帰ると和音が待っていました。
多分、心配だったんだろなぁ〜色々とw
送り出せるのは不安や心配がないからじゃないもんなぁ〜 {/netabare}


【この作品を見終わって……】

君愛と僕愛、見る順番で結末が変わるって言うけど……私はこちらの作品、僕愛がラストの方がいい気がしました。

なんか、幸せを感じる事が出来た。
勿論、それがテーマだけどなんか……
丸く収まってる様な……そんな気がしました。
後、主人公の全ての世界線の自分と大切な人達への気持ちが込められたセリフがあるのですが、それが終わりって感じがして、見終わって「おわったなぁ〜」と感じたので

投稿 : 2022/11/07
閲覧 : 371
サンキュー:

9

なごやん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/12/16
閲覧 : 8

TaroTanaka さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/12/16
閲覧 : 7

りかあああああまん。 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

投稿 : 2024/11/25
閲覧 : 17

ばく さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/10/15
閲覧 : 10

てんてん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 1.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/07/11
閲覧 : 14

enotake さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/26
閲覧 : 15

AQuaARIA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/08
閲覧 : 17

SrmNl23322 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/05/02
閲覧 : 15

おみや さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/03/20
閲覧 : 18

べんちゃん☆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/03/11
閲覧 : 18

ダイクニ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/03/10
閲覧 : 18

ゆい さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/02/21
閲覧 : 17

チャリア さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/01/20
閲覧 : 21

サンジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/01/18
閲覧 : 21

NoRisky さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/12/17
閲覧 : 26

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:----

投稿 : 2023/11/28
閲覧 : 23

kei さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/08/02
閲覧 : 20

nana さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/07/30
閲覧 : 26

こはく さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 4.0 作画 : 2.5 声優 : 1.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/06/13
閲覧 : 25

kirito007 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/05/07
閲覧 : 29
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僕が愛したすべての君へのストーリー・あらすじ

両親が離婚し、母親と暮らす高校生の高崎 暦(たかさき こよみ)。
ある日、クラスメイトの瀧川和音(たきがわ かずね)に声をかけられる。
85番目の並行世界から移動してきたという彼女は、
その世界で2人が恋人同士であると告げる・・・。(アニメ映画『僕が愛したすべての君へ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2022年10月7日

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