メッセージ性を感じる作品だったけど…

惑星X10に向かう船でwombと呼ばれる装置から人間が生まれてくる。彼らは別の船で冷凍睡眠している船員のコピー(クローン)で、オリジナルたちが到着する前にX10を居住可能にするのが彼らの役目だった。しかしメンバーの一人、ルイスのコピー中に事故が起こり、正常なコピーに失敗しバケモノの姿で生まれてくる。


ネットフリックスオリジナルアニメ、約３０分(最終話だけ４５分)×８話。
これの後に『MAKE MY DAY』ってアニメがネトフリから出たけど、それと同じ会社が作った作品。

CG専門のアニメーション会社だから作画はCGだけど、デザイン(特にキャラデザ)が特徴的。
分かりやすく言うならディズニーの悪役。『MAKE MY DAY』の方はちょっとだけゲームっぽいデザインが入ってたけど、この作品はまんまディズニーの悪役。
まあ主観だから、人によっては別の似てるものを挙げるかもしれないけど、普段の日本アニメから考えるとかなり特徴的なことは間違いない。

それと伝わる人には伝わると思うけど、この作品のOP、ザ・ネトフリのOPって感じがして好き。笑


率直に言えば、色々と観方が変わる作品だった。
最初、設定だけ理解した時『アバター』みたいな作品かと思ったけど、途中から『エイリアン』みたいなSFホラーになったと思えば、誰が犯人か捜す推理サスペンスになって、最後はテロを阻止するアクション作品になった。


まずいくつか分からない＆気になることがある。
最初に、人類が地球を脱出する原因になった代替知能?って何？
どうやらwombを作ったのも、そいつららしいけど、人類が作ったAIみたいなものなのかな？それで環境保護か何かで「人間いらなくね？」ってなって反乱起こしたのかな？

次に、マックがドローンを停止するときに使った特殊権限については？パティの言う通り、マックは機構から極秘命令を受けてたってこと？

次に、バケモノルイスが爆弾を盗んだのはオスカーかもって疑うシーンで「オス
カーがDエリアに行こうって言ってきた」ってシーンがあるけど、Dエリアに用があるって言ったのはバケモノルイスの方だよね？
そのやり取りがあったから、実は最初から犯人はバケモノルイスで自分を殺そうとした皆を疑心暗鬼にさせようとしていたってオチかと思った。

最後に、オスカーが裏切ったのはニーナからパティを引き離すためだと思ったけど、ほんとに裏切ってたのには驚いた。確かに序盤のバケモノルイスとオスカーの会話からオスカーが体裁を気にする人間だから、そう読めなかった自分が悪いんだけど、あの見せ方だと、裏切った風に見せかけるようにしか見えない。


地味に肉弾戦がしっかりしてるのは良かったけど、もっとホラー＆ファンタジーな作品かと思ってた。
一応ハッピーエンドなんだろうけど、このオチをどういう風に解釈すればいいのか分からない。「オリジナルルイスたちの平和は、コピーたちの色んな犠牲で成り立ってる」とでも思えばいいの？
メッセージ性を感じる作品ではあったけど、何を伝えたかったのか分からなかった。


【各話あらすじ】
１→惑星X10に向かってる船のwombという機械で人間が生成される。彼らはコピー人間で、オリジナルが冷凍睡眠している間、人が住める星にするのが彼らの役目だった。ニーナ、マック、オスカー、パティと順次生成されていくが、ルイスだけはまだった。その時、フレアが起き船が停電する。皆で船のチェックをしていると、ルイスの生成でエラーが起き、バケモノが生まれてしまう。マックは彼を殺し新しいルイスを作ろうと言うがパティは反対する。しかし結局ルイスを殺すことになり、ニーナが薬で安らかに殺そうとするがルイスは目覚めニーナを殺し逃げる。マックはルイスを殺す決意をして、パティとオスカーはニーナの死体を生成機に戻し、新しいニーナを生成する。

２→ルイスを追ってる途中、helpという血文字があり、ルイスに自我が残ってる可能性があった。その後食糧を貪る映像を見ていると、一時だけ人間のルイスに戻る瞬間があるのが分かる。マックたちはとりあえずルイスの目的である食料を制御室に隠すが、ルイスは頑丈な扉を破り中に入ってくる。マックが戦うがなすすべなく食料が取られる。このままでは食料が尽き任務を果たせないと踏んだマックは害獣駆除の名目でルイスを殺そうとする。パティは仕方ないと割り切るが、ニーナとの会話でオリジナルが渡してくれた物を思い出し、ルイスのペンダントを見つける。マックはルイスを仕留めようと罠を張るが失敗し殺されそうになる。しかしそこにペンダントを持ったパティが現れ、ペンダントを観たルイスはケイトとつぶやき去っていく。任務も同時進行していたマックたちはX10の大気に水があることが分かる。

３→ニーナはルイスの素材が集まったことで新しいルイスの生成を開始する。バケモノルイスは完全に自我を取り戻し自分で行動を開始する。ある時、船内修理中のオスカーがハシゴから落ちてしまうが、バケモノルイスが助ける。オスカーは最初こそ驚くがルイスに記憶があることが分かり、マックたちと交渉しようとする。しかしすでに新しいルイスを生成していたため言いそびれてしまう。しかもルイスはバケモノの自分を排除すべきと意見し、交渉の余地はなかった。バケモノルイスはオスカーから連絡を受け、行動を開始する。バケモノルイスが作っていたのはコールドスリープの装置だった。一度は入れば安全と考え、オスカーに必要な冷却装置を一緒に取りに行って欲しいと頼む。オスカーは承諾し、バケモノルイスに無理やりやらされたように見せかけ冷却装置を盗ませる。しかし実際にバケモノルイスが盗んだのは爆弾だった。オスカーは騙されたことを知り憤るが、マックが殴る。爆弾は大気に温室効果ガスを増やし居住環境を増やすためのものだったが、バケモノルイスの手に渡り船を人質に取られたのと同義となった。

４→バケモノルイスは特に連絡もよこさず、マックたちはX10のテラフォーミングを開始する。爆弾はバケモノルイスに取られてしまったため、まず植物を植え付けることから始めようとする。ルイスはバケモノルイスから連絡を受け二人で会う。バケモノルイスは自分が爆弾を取ってないことと他に裏切り者がいることを示唆する。ルイスは耳を貸さず戦闘になるがマック駆けつけバケモノルイス捕獲に成功する。しかしルイスはバケモノルイスと結託し他の四人を一室に閉じ込める。ルイスがバケモノルイスを信じた理由はケイトだった。ケイトはもう死んでおり、テラフォーミングに成功すれば、コピーできてもう一度二人で暮らせることになっていた。ルイスはバケモノルイスがケイトを覚えていたことを知り、バケモノルイスを信じ協力していた。

５→ルイスとバケモノルイスは爆弾があった部屋の監視カメラを確認するが、一部映像が消えていたが、犯人はバケモノルイスが印刷されるフレア前に盗んだことが分かる。さらに爆弾を隠したかもしれないと調査していたX10にいるドローンがの何体かがマックにより停止されてたことが分かる。マックは閉じ込められた部屋からの脱出口を見つけ一人で脱出するとバケモノルイスに捕まる。ルイスたちに尋問され理由を話す。実はX10で有害物質が見つかり、移住計画が中止になるのを恐れて停止させていた。マックは爆弾を盗んだのは自分ではないことを証明するためにわざわざwombに戻り、もう一度新しく作り直してくれと頼む。ニーナが連れてこられマックは殺してくれを頼むが、ニーナはあまりにも残酷だと言い拒否する。マックは仕方なく自分でwombに入り自分を作り直す。

６→新しく生まれたマックはまだ何も知らず、当初の行動を繰り返すが違和感を感じる。ルイスたちもそこまで見てマックが白だと分かり全てのことを話す。その後ルイス二人とマックは爆弾を持ち出せた可能性のある人物はパティ以外の二人、つまりオスカーとニーナだと断定する。だがその時、ニーナがオスカーに刃を向ける。慌てたバケモノルイスは部屋に行くが、オスカーとニーナに罠でバケモノルイスは気絶させられる。オスカーとニーナはパティを連れ制御室に立て籠もろうとする。一方気絶していたバケモノルイスは三人の他に別の足跡があることに気付き調査すると、ホログラムに擬態したwombに似た装置を見つける。制御室ではパティが大気変換炉を切り離すと言い出す。疑問をもつ他二人にパティは爆弾を爆発させないととつぶやく。パティが犯人だと分かった瞬間、もう一人のパティが現れる。

７→パティが全ての元凶だった。パティはとある組織に所属しており、政府が秘匿したX10の地中にいる生物を助けるため計画を止めようとしていた。パティはその場に現れたルイスを脅し、変換炉を落とすための最後の解除キーを入れろと言う。入れなければルイスが持ってるケイトの生体データごと船が爆破すると言われ仕方なく入れる。一方バケモノルイスとマックはとある場所に閉じ込められていた。オスカーがパティを拘束しようとするが、ルイスがオスカーを庇って刺されてしまう。ニーナはパティ監視のもとオスカーを治療するが、パティは仲間になると言ったオスカーを連れて制御室へ行ってしまう。マックたちと連絡を取っていたニーナは一瞬のスキをついてドローンをマックたちのいる場所に激突させて外部から脱出できるようにする。一方治療を受けていたルイスはケイトの夢を見てそのまま息絶える。

８→船はドローンの激突で爆破し、地上に落下していく。一人のパティとオスカー以外は脱出し、X10に先に到着する。バケモノルイスは変換炉に仕掛けられた爆弾を探しに行くが、細胞の死滅が始まっており時間がなかった。ニーナと一緒に脱出したパティはニーナを置いて、変換炉へ向かう。ニーナはその後マックに救出され一緒に変換炉へ向かう。船に残ったパティはオスカーを脅し変換炉へ向かう。バケモノルイスが変換炉につくとすでにパティがおり、拘束されそうになるがマックが到着しパティを捕まえる。だがもう一人のパティが現れパティを救出、しかしその時の会話をニーナが盗み聞きしており爆弾の場所が分かる。マックたちは爆弾を見つけ、パラシュートでそれに打ち上げようとするがパティの邪魔が入る。バケモノルイスがパティをパラシュートに括り付けそのまま二人は爆弾とともに運命を共にするが力尽きたマックも巻き添えになってしまう。その後一人逃げ出していたオスカーも爆弾の衝撃で死にニーナと瀕死のバケモノルイスだけになる。やがてバケモノルイスも死に、ニーナは惑星改造に乗り出し一人で全てを成し遂げる。やがてwombから生まれたケイトが(おそらくオリジナルの)ルイスと再会する。