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「後宮の烏(TVアニメ動画)」

総合得点
68.8
感想・評価
155
棚に入れた
445
ランキング
2018
★★★★☆ 3.5 (155)
物語
3.5
作画
3.5
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.5

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後宮の烏の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

しっとり、楽しめました。

3話まで視聴しましたが、とても良い印象です。
今のところ、1~2話のオムニバス形式ですので、コンパクトで観やすく、それでいて人の機微の深奥を滲ませる雰囲気にも惹かれます。

お話のコンセプトは、烏妃(うひ)と呼ばれる妃 ≒ 巫女が "招魂の術" を駆使し、生者の情念と死者の所思とを邂逅させるというもの。
遺された人と楽土へと旅立つ者の双方を取り持ち、魂の安寧を施す人情綺譚物ともいえそうです。

触れれば消えてしまいそうな "粒よりさ" がすこぶる魅力的な本作ですが、片方では、帝国内の権謀術数、後宮の怨嗟憤懣がうずまく宮廷怪奇譚とも読み取れそうです。

でも、もしかしたら、もう少し壮大な時空のスケールを見せてくれるのではないかと期待できそうなエッセンスも感じています。


~     ~     ~

1~3話。
{netabare}

これまでのストーリーから読み取れることをいくつか。


一つめは、烏妃≒柳 寿雪(りゅう・じゅせつ)の名前に、深い謂れがあるように感じます。

まず、烏妃とは、代々の役務上の呼び名のようです。
日本でしたら武内宿禰でしょうか。
だって彼の寿命は、280~360才と言われていますから。

幼かったときの寿雪には、元の姓の記憶がありません。
彼女のそれは、先代・烏妃の意図的な改名のようです。

このあたりのくだりは、紀元前200年頃の中国に伝わる「楚漢争覇」に一つのモチーフが見つけられます。


二つめは、OPに描かれる人面の怪鳥(烏漣娘娘・うれんにゃんにゃん)と、金羽の鶏(星星・しんしん)という化鳥の存在です。

信仰の対象として、鳥を崇める風習は古代ギリシアのころに遡ります。
なかでもカラスなどは、世界的に見ても "太陽の化身" とも目されています。

国の運営は、太陽の恵みをあまねく地上に下ろす人のわざに外なりません。
その舵取りのためのメッセンジャーという役割りが、太陽の使者であるカラスであり、この物語の烏妃なのですね。


三つめは、寿雪の銀髪です。
彼女の髪は、西方アジア文化圏の民族(今のウイグル自治区あたり)の歴史性、現代史性を象徴させています。

あるいは遠くギリシア文化圏に及ぶ立ち位置、それは民主主義への歴史観だったり、尊い人間の精神性だったりを彷彿とさせています。

(たしか2020年、アメリカで、新疆ウイグル自治区から、かつらや付け毛=人毛?などの毛髪製品13トンが輸入された記事があったような気がします。)

そう思うと、寿雪の墨髪も、深い顔立ちも、どこか抑圧された翳りが、彫塗されているように見えてきます。

また、彼女は、西方と東方との文化を繋ぐ黒子的な役割を担わされ、架け橋となるべくする "大きな意志" を感じたりもします。


四つめは、牡丹の花を自在に扱う術です。
牡丹の原産地は、現在の中国北西部と言われています。
もしかしたら、その土地代々に伝わる特異な秘術のようなものが存在しているのかもしれませんね。

そんな想像が広がると、かの地の風土や人々の暮らしの中に根付いている世界観に興味がわいてきます。

そして、人の願いと花の精とのかぐわしいシンパシーだったり、ささやかなシンフォニーにも思いがはせそうです。


~     ~     ~


何代にもわたって時の皇帝に仕え、たびごとに世上の無常にまみえ、なにごとも人情に流されないことを是とする烏妃。

後宮の妃でありながら、皇帝とは相容れぬものであり、夜伽などもってのほか。
同族を皆殺しにされ、母をも斬首されても、自らを責める気位が彼女の才覚です。

それゆえか、スルースキルがいくらか四角四面に見えるのが玉に瑕のようにも。
でも、弱者への振る舞いは、むしろ慈愛と博愛に満ちているのがうかがい知れます。


ところで、物語は、若き皇帝との夜伽噺にしか見えないのはどうしてでしょう。
ピロートークならぬ、浮世の花水木をしっかり根に下ろしているように見えるのですが。

霊術の微かな施しだけを柱とする物語でしたら、若き皇帝など微塵にも不要なのでしょう。
でも「翡翠の耳飾り(前後編)」で暗喩されてあったのは、忍耐と道徳の二つを "一つとする愛の高貴さ" でした。

なれば、幽玄にも現世にも耳をそばだてることが、寿雪と皇帝(夏 高峻、か・こうしゅん)のお作法になってしまったのですね。

ましてや、夜の水浴みに髪の秘密を見あってしまったとあれば、寿雪は夜伽もむげには断れず、高峻も止められるものではないでしょうね。


~     ~     ~


高峻には、いつもにべもない口上の寿雪ですが、なにぶんとオヤツには目がありません。
なんなく手懐けられる隙の甘さ、緩さは、16才の女の子のままです。

ですが、本来、烏妃とは、漆黒の衣装に本分を秘匿し、政(まつりごと)にも影響を及ぼす妖術使いです。

老獪な先代に仕込まれた数々の秘計が証するものは、おそらくは国の行く末、世界の大事にもさわる苦心苦難の路なのではないでしょうか。

そんな二人が手掛けるのは、真夏の太陽に真白き雪を降らすような陰陽白墨の物語。
今後、いかなる金糸銀糸の錦文様を織り上げていくのでしょうか。


原作は読んでいませんので詳細は分かりませんが、噂によると壮大な世界観が随所に見受けられるようです。

なれば、今回の宮廷奇想譚はその序章にすぎないのかも知れません。
原作にも興味津々ですが、いましばらくはアニメを楽しむことといたします。

次回は「雲雀公主=ひばり姫」。
楽しみです。
{/netabare}


4話。
{netabare}
今回は、ひばり=小さきもの、をテーマに、わずかな読み違え、ブルーなすれ違い、もやもやな衝突、ささやかな心配り、そしてほんのりとした邂逅までが描かれてあったと思います。

ストーリーを追えば、途切れそうな絆の糸がようやくに手繰られ、縁(えにし)の広がりと深まりがゆるやかに紡がれていく様子が感じられました。

しかしながら、それは同時に、「独りで生きていく」と教え込まれた寿雪にとっては、本当に望ましいことなのかどうか、物語は微かに揺らぎを与えています。

ただ、「小さな」贈り物が、どのような想いで手向けられ、どう受け止められると嬉しいものなのかを、優しい演出で表現されてあったことは確かなようでした。


雲雀は、雲へと届かんばかりに空高く昇っては、雀(すずめ)ほどのサイズに見えることから当てられた漢字です。

ツバメは、土喰黒女(ツバクラメ)が語源ですが、巣作りに土を食み、地を這うように飛ぶのが特徴です。

高峻が彫ったアナツバメは、寿雪の術によって霊的な先達と化身し、現世に幽鬼と残された雲雀の未練を断ち切るべく天へと高く飛び上がります。

このくだりは、耳飾り、花笛のエピソードとは少し違っていて、二人の初めての共同作業。
想いを積み重ね、共有しあい、小さな願いをまた一つ成就させたのですね。

雲雀は春告げ鳥とも言われますし、ツバメは春に巣づくりをします。
となれば、今回は、寿雪と高峻の「小さな春」をさえずりあったお話なのかも。
そんな隠れテーマがあったようにも感じました。


神は天から地に降り下って人を救うのですし、帝は地に立って国を治め人を幸せにするのです。

もしもその仲立ちをするのが烏妃の役目であるなら、かえってバランスを崩しかねないのが今回の寿雪の振る舞いなのかもしれません。

ちいさな春を過ぎやれば、物語はいよいよ夏へと向かいます。

次回は「懐刀(ふところがたな)」。
楽しみです。
{/netabare}


5話。
{netabare}
お話としては6話の前ふりでしょうか。

トピックスの一つめは、衛青(えいせい・高峻の侍史)を通じて、寿雪がまた一つ、現世にしがらみを作ってしまいます。

それは、おそらく「謙譲」と呼べるものでしょう・・・。


~     ~     ~


衛青は、高峻の懐刀。
寿雪は、烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)の巫女。

帝と神の違いはあっても、ともに傅(かしず)く者として、それぞれの矜持があります。

寿雪は、後宮の仕来たりに疎く、宮女の話を鵜吞みにしたり、思いもなしに靡(なび)いたり、勘違いもします。

それは、烏妃ならではの隠遁生活に因るものですが、でも、どういうわけなのか、彼女は自らを遜(へりくだ)らせ、謙譲のふるまいもできるのです。

衛青はというと、人には言えない出自を自己の懐に抱えていて、同時に、高峻に見出された恩を胸にしまっています。

彼は、高峻のプライベートな案件で「寿雪を頼りにしない」という命を受けながら、"彼女を頼りにする" というねじれたシークエンスに、自らを内省します。

高峻からの仁と愛、高峻への忠と孝のはざまに立ち、正規の妃ではない烏妃に対して、どのように接するべきか思いあぐねているようです。

でも、高峻を救えるのは寿雪だけであろうことを頭から否定できません。
なぜなら、母を救えなかったかつての弱い自分がフラッシュバックするたびに、強い自分でありたいとの意志が湧き上がるからです。

衛青の矜持は、皇帝の大局をサポートする侍史としての立場と行動にあります。
それに徹することで、高峻への恩義、烏妃への謙譲に対峙し、自らの真摯を証明しようとするのですね。


~     ~     ~


もとより過去の自分に一線を引き、それぞれに立場を得るに至った衛青と烏妃。
彼らには、奉仕者という共通する土台が各々にあり、奉仕する対象が別々にあります。

それゆえに、共鳴する思いを通わせながら、交錯しながらもあえて謙譲に務め、高峻への新たな柵(しがらみ)を編みだすのでしょう。

たしかに衛青の寿雪への謙譲は、高峻への深憂に則ってはいます。
けれども、いつか高峻への忠義に触れる後悔を生むだろうとも腐心しています。

「帝と烏妃とは相いれぬもの」。

高峻が、寿雪の魅力に惹かれながらも、烏妃の秘密に迫ろうとするなら、双方の立場を危うくさせ、やがて発火する局面が訪れることを衛青は杞憂しているのです。


~     ~     ~


トピックスの二つめは、最終パートで、壁掛けの地図に驚く表情を見せていた寿雪です。

本来、地図というものは、国の最高機密であり、世界概念をしばる秘中の秘。

もしかしたら、寿雪は高峻に「地図を見せられた」のかも知れません。
それを共有することは・・・如何なる予想をも超えてきます。



謙譲。

万事に遜り、分をわきまえる行為。
自分を慎み、人を先に立てるマナー。

わりかた簡単そうで、はなはだ難しい美徳です。

次回は「夏の王、冬の王」。
楽しみです。
{/netabare}


6話。
{netabare}
今回は「烏妃と帝とは相容れないもの」の "理由" が明らかになりました。

寿雪の覚悟献身と、高峻の挙動俗心の温度差があらわになり、歴史と未来に亘(わた)る本分において、あからさまに対峙しあったお話です。

律令格式を掌(つかさど)るのが帝なら、祭祀祭礼を司るのが巫女。

高峻は、治世の断行なら私怨にも平然とし、地上に生者の楽世を創出します。
寿雪は、浮世の無常よりも神契にかしづき、死者の魂を楽土へと霊送します。

それならば、帝が仕切るプロセスに生じる敗者・亡者の悲哀業腹を、烏妃が鎮魂にフォローする仕組み、とも解釈できそうな雰囲気です。

とは言っても、寿雪にしてみれば、冬の王として、一生涯を独り後宮に捧げる挺身と、夏の王の治世を支える諦念にほかなりません。

それは、国の泰平のため、世人の安寧のために、選ばざるを得ない栴檀(せんだん)の苦渋でもあるのですね。

おそらくは、それが烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)の意思であり、寿雪への意志ということになるのでしょう。

寿雪が祭祀王として振る舞う以上、そこに自己の実現を差し込む余地はないというわけです。


~    ~    ~    ~


思うに、幼い寿雪には、クーデターのあおりを受けて、母との一別に哭くことも許されず、その生首に心を砕かれた過去があります。

ですが、それすらも抑え込んで、前王朝にも現王朝にも憤怒の責めをいだくことなく、粛々と烏妃を務めています。

果たしてこれほどに過重で過酷な生き方が、なまじの人間に耐えられるものでしょうか。
もしもそんな重圧を凌ぐほどの素養が寿雪にあるとするなら、烏漣娘娘が射止める烏妃の意義とはいったい・・・。

千年の史実からの教訓と、未来の平和へのシナリオの担保になるのが烏妃のそれならば、むしろ「烏妃=寿雪が望めばすべてが得られる」とは如何なる意味なのでしょう。



ここにきて、さらにシナリオが幾重にも織られ始めました。

今回は、香薔(こうしょう:初代烏妃)、蘭夕(らんゆう:夜明宮を造営した帝)、明珠公主(めいじゅこうしゅ:柳下の幽鬼)など、いわくありげな人物や、思わせぶりなパーツ・言質もあちらこちらに見え隠れしてきています。

次回は、「玻璃(はり)に祈る」。
いよいよ楽しみです。
{/netabare}


7話。
{netabare}
玻璃とは、ガラス、あるいは水晶を意味しますが、それを櫛ともすれば、なおいっそう高貴な品物として珍重されます。

若い恋路に祝言の誓約として交わしたそれは、どれほどセンシティブに扱っても、途切れぬ信と愛とを込めたくなるものと窺えそうです。

明珠公主が、死してなお楽土に赴かず、ましてや地縛霊として柳の下に佇んでいたのは、契りへの操を自ら断ち切った未練でしょうか。

決まって春に見せる幽鬼の姿も、誓約の証がいつか掘り出される期待と、永遠に掘り出されぬ哀しみとも言えそうです。

まるで、シェイクスピアのロミオとジュリエットにも劣らない悲恋・悲愛を彷彿とさせるお話です。

それにしても、寿雪の霊力の凄まじさは、巫術師(ふじゅつし)のそれをはるかに凌ぎます。
烏漣娘娘から付託された冬の王たる霊威は、人智を超えたパワーと改めて認識しました。


~     ~     ~


後半は、殺さずの重誓と、茶飲み友だちを申し出る高峻と寿雪とのティータイム。
ひとり重責を担ってきた歴代の烏妃に、傅(かしづ)いて礼を奏上する夏の王の "おもてなし" です。

寿雪のまなじりに浮かんだ涙は、かつての王たちとの和解に至ったからでしょうか。
それとも、先代烏妃の孤高脱俗の労苦が報われたと安堵した気持ちからでしょうか。

寿雪の不愛想の理由は、高峻や世人への柵(しがらみ)が煩わしいのではなく、烏漣娘娘に見定められたいらだちと、冬の王に課されたストレスにありました。

ですから、高峻が、律令の手枷(てかせ)を明々と外しても、烏漣娘娘の爪は、寿雪を暗々と足枷にしつづけます。

どうしたって、寿雪は一介の町娘なのです。
ささやかな恋をし、家を斉(ととの)え、やがては子どもを設け、優しい母となる夢を見ていたのでは?・・・

なれば、烏漣娘々が求める治国平天下という重いテーゼは、烏妃としての日々に何をもって慰めとすれば良いのでしょう。

若き王からの "ティーパートナー" の申し出は、わずかながらも寿雪の肩をほぐし、口を滑らかにするのかもしれません。

王朝は、世襲であっても、征服であっても、所詮は人間の都合で成り立つ治国に過ぎません。

でも、神の意向が天上天下の和平に及ぼすと飲み込める二人だからこそ、夏の王、冬の王として向き合う茶席も「また楽しからずや」なのでしょう。

互いの立場の違いを同じくできる友のカタチとは、「馬鹿もの」と呼び合うのが最も相応しいのかもしれませんね。


次回は、「青燕」。

風雲は急を告げるのでしょうか。
ますます楽しみです。
{/netabare}


8話。
{netabare}
青燕にまつわる、ちょっと切なくて、どことなく理不尽を感じるお話でした。
キーワードは、 "無体" でしょうか。


ときに若さや幼さからの懸想には、往々にして実直に過ぎるアクシデントが生じやすいもの。

たとえその相手が、生者であっても、今は亡き人であっても、真実の愛おしさであったなら、なお一層に世事に縛られず、弁(わきま)えも忘れて、会いたい、逢いたいよと、心は砕かれるものでしょう。

前回、"友との仲直り" への心遣いを説いた高峻が、今回は "寿雪への心通(しんつう)" に一歩足を踏みいれました。

皇太后の呪詛から身を守るためとは言え、微笑む実母と育ての友たる面影との別れを、高峻はどう受け止め、寿雪を評価したのでしょう。

いよいよ夏の王と冬の王の間を詰めたいとの願望をアツく語りながら、烏妃の役務にも愛情があって然るべきと切と唱えたのです。

そうは言われても、寿雪は「難しいことを言う。」と眉をひそませます。

それは、明日の筋書きというものは、何を以って正しく、誰にとって正しいのか、人間の浅ましさや悪(わろ)かしさなどの "無体" からは、何も分かろうはずもないと思うからでしょう。


寿雪にすれば、皇帝・高峻であっても、そのように評定をするほどですから、烏妃にアプローチをかけるには、誰にとっても手こずることでしょう。  

ですが、この手こずりは、烏妃の視点に純然と寄り添うのでしたら、意味がまったく反転してきます。

つまり、酷薄な宦官制度という無体、隔絶された後宮という無体には、人間性を虐げる無言の圧となるヒエラルキーが潜在し、個人の生きざまをきつく縛っている "無体の実体" であることにほかならないのですね。

なによりも烏妃に選ばれた我が身の無体がそうなのも、間違いないでしょう。


~     ~     ~


国の安泰を主眼優先とするのが烏妃の立場なわけですので、招魂の秘術は大局の見地に立った局面であやつるのが本来の寿雪のはず。

であれば、彼女は夜明宮でひとり烏漣娘娘と対話を重ね、楽土を地上に降ろす影役(かげやく)に徹する必然性があります。

ところが、彼女は宦官の処遇に施しを当て、衣斯哈(いしは)、恩蛍(おんけい)、衛青らの心のとげを抜き、むしろ強烈な敬虔の念を抱かせるに至ります。

それは、実のところ、夏の王の治世にいささかでも関わることになるし、冬の王としての領分を超えてしまうという矛盾を孕みます。

それ故に、烏漣娘娘が定めた法理に鑑みれば、"愛だの友などの俗世の価値観" を紐づけたい彼らの言上や奏上は、それこそ "難しいこと" と言わざるを得ない寿雪なのですね。

でも・・・だからでしょうか。
恩蛍の肩にそっと手をやる寿雪の作法に、現世の無体を共にしている哀しみの共感と、やさしげな忠恕(ちゅうじょ)の慮りを感じ取ってしまいます。


~     ~     ~


青燕と訊けば、わたしは "幸せの青い鳥" を答えに想います。

それは、若い友への心遣いの先に置くべき、誠実でまっすぐな視界を高くさせます。
望ましさに至る紆余曲折に、心を省み、慎み、そして尽くすからこそ、青い空へと飛翔する姿に、エールが送れるものでしょう。

その尾羽は、小さくて軽いものにすぎないのかもしれません。
ですけれど、人の心を誠心誠意へと感化させるには、あまりに鮮やかな青を失ってはいませんでした。


また、本作は中華圏を彷彿とさせるファンタジー設定です。
けれども、広大な大陸を舞台とはしておらず、洋々とした海洋国家が地図に描かれてありましたから、日本的な情緒性に秀でているようにも感じます。

それゆえに、ひとり一人の幸せの追求は、いずれの国とも違わぬ、あまねく価値観を包摂するものとの作風を期待しています。

今後、寿雪が高峻に求めた木製の薔薇や、百合のお香を醸すベールの持ち主、あるいは7話に姿を見せた新たな巫術師らが、これからの展開に妙味を足してくれそうな気配・・・。

次回は、「水の聲」です。
とっても楽しみです。
{/netabare}


9話。
{netabare}
今回は、今までの流れとはちょっと違っていて、とある宮女のお話が差し込まれていました。

端的に言えば、「死人に口なし」をいいことに、自分の無粋蒙昧を棚に上げた自己中心なキャラを描いています。

寿雪からしてみれば、浅慮や傲慢、屁理屈なわけですが、他の宮女からも "ヘンな人" と取り付く島もなし。友だちもいないそうです。

巷(ちまた)には、「○○は死ななきゃ治らない」なんて酷い言いようがありますが、死んだことにも気づかずともなれば、魂の救いようもありません。

寿雪ができることは「当人が気づくきっかけを作ること」だけ。
「水が救ってくれるやも知れぬ。」とは、言い得て妙だと感じました。
水は穢れを清浄化するほかに、知識、柔軟、変化という象意があるんですね。

今回のエピソードが、大局にどんなふうに紐づけられるのかはまだ分かりません。
「結界が切られた。」と呟く寿雪でしたので、伏線の先の展開に期待が高まります。


~    ~    ~


薔薇の彫刻を届けることに成功した高峻ですが、好いた人が望んだものをプレゼントする嬉しさはきっと一入でしょう。
これがきっかけになって、再び熱をあげることになっちゃうのも、観ている方はワクワクなんですけれど・・・。

とは言え、寿雪の高峻への手紙の文字が全然読めませんでした。(汗)
あれれ?と思っているうちに、ささっと場面が変わってしまったので、演出上の思わせぶり?と思っていたら、2度見で日本語字幕が入っていることに気がつきました。(汗々)

なにせ、寿雪のガードは相変わらず堅い(頭も固い?)ものですから、高峻に何をやらかすのかが、毎回楽しみです。
とにかく、王と王とのやり取りですし、国の隆盛・興亡にも関わる大事ごと。
庶民と冬の王のハイブリッドな寿雪ですし、若さも加われば簡単には測りようがありませんね。


ところで、今回、「梟(ふくろう)」なる呼び名を口にした寿雪です。

烏漣娘娘を身に留めるのが烏妃なら、「知恵」を象徴とする梟の存在は、新たな攻防の軸になるのかどうか気にかかります。

前出の宮女のお話も、つまるところ立場上の怨嗟が因果因縁の元になっていましたし、以前にも、巫術師が追放されたというエピソードもありましたので、怨恨の線なのかもしれません。

あまりにオソロシゲな展開は遠慮したいところですが、今になってほっぽり出すのはいかがなものかと、悩ましく思っています。

次回は、「仮面の男」。
ちょっと・・・ドキドキです。
{/netabare}


10話。
{netabare}
メインストーリーは、五弦の琵琶に執着した楽士の魂を救済し、楽土に送るというもの。

禍々しい亡者の登場には思わず腰が抜けてしまいましたが、「それでも魂を救ってやりたいと思うのだ。」と語る寿雪にも面喰いました。

少しでも可能性があれば、"智" を利かせ "情" を厚くして "力" を尽くすのが当たり前とする彼女の決断。
それが烏妃の学問と道理であり、慈愛の実践、至誠を通す道というわけなのでしょうね。


それにしても、必要であれば即決で国宝を燃やしてしまうなんて、衆人にはもはや理解の及ばないパフォーマンスです。

でも、寿雪はそもそも夜伽をしない妃であり、幽鬼の救済と解放がその領分。
ならば、相手が帝であろうと宝物であろうとも、一刀両断にするのは至極当然なわけなのでしょう。

烏妃の能力をなんども目の当たりにし、明察もしている高峻ですから、寿雪への関心もまた、楽士の執着と紙一重と自覚できようもの。
彼の心のざわめきたるや、如何ばかりかと察せられます。


~     ~     ~


寿雪は神に仕え、霊威をもって魂を救う。
高峻は国を興し、権威をもって人民を導く。

表向きは割れ鍋に綴じ蓋のようにも見える二人ですが、本質では似て非なるものです。

しかしそれが烏漣娘娘の意向でもあります。

国の安泰を使命として背負いながら、相見互いの温情を交わしあうほどに、生木を鉈で裂くような非運を誘う恋の様相です。


~     ~     ~


サブストーリーは、患いのような、煩いのような・・・。

一義には、楽士のお話でしたが、実のところは高峻の患いであり、愁いのお話でもありました。

寿雪は、当初から高峻を遠ざけ、「来るな、もう来るな、二度と来るな。」と辛辣でした。

それは彼女が二人の王の歴史を深く信じているからで、理屈抜きで未練を断ち切るしか術がないからです。

いっぽうで、高峻にしてみれば一目惚れした弱みなわけで、どんなに煙たがられても厭わられても、未練ばかりを募らせるのは同情しかありません。

夜伽も叶わず、妃にも寵姫にも褥(しとね)と置けないとは、帝の位にありながら救われない想いにもほどがありますね。


次回は、「布石」です。
ただならぬ雰囲気に、気を揉んでいます。
{/netabare}


11話。
{netabare}
ここに来てようやく起承転結の "転" 。ターニングポイントのようです。
強気一辺倒で振る舞ってきた寿雪が、人前で初めて弱音を吐きました。

「独り後宮で」、「夜伽をしない」と、誰とも交わらず、「さっさと帰れ!この馬鹿者め!」と、むしろ拒絶をよしとするのが烏妃の本分。

なのに、「16才の町娘」と菓子をほおばり、「人に甘えよ」と肩を包まれては、心がほだされてしまうのも仕方のないことですね。

後宮での殺人事件は寿雪の内面に心変わりを引き起こすトリガー。
これまでとは別次元の要素を加えながらお話が回り始めています。

今までの10話は、そのための「布石」。
今回のお話もこれからの「布石」というわけなのでしょう。

置き石を3子先んじても高峻に勝てなかった寿雪です。
よもや手加減となれば、難局を打開するには相当なリスクとなりそうな予感です。


~     ~     ~


それにしても予想が当たってしまいそうなイヤ~な展開です。
「何かを啜(すす)るような音」とか、「人が嚙みついたような歯型」とか、ホント勘弁してほしいのですけれど・・・。

「死んだ人間を生き返らせることはできない。」と寿雪は語りますが、それはつまり禁忌の呪法があることの裏返し。
絶対悪の邪(よこしま)を上回るのが二人の王の務めなら、立ち向かう試練を覚悟と決めねばならないのかもしれません。

国の乱れが人間の情から発することを正史に学んだ二人です。
道理を顧みない想いに病み伏せる三の妃(琴恵瑶、きん・けいよう)に、どのように応えるつもりなのでしょうか。

また、梟なる男、封宵月(ほう・しょうげつ)の奸計は、烏妃の命を狙いとするもの。
寿雪の存在は、巫術師(ふじゅつし)としても抹消すべき天敵ですし、同時に、高峻に対しても師匠を野に排した仇敵なのですね。


ここは、高峻にとっても一大事。
漢を上げるシーンを期待したいところです。


次回は、「兄妹」です。
どうなる! どうなるの??
{/netabare}


12話。
{netabare}
兄への憧れと過分な期待とが、琴恵瑤(きん・けいよう、三の妃)の異常な執着に形を変え、悲惨な幕切れに至ったやるせなさを強く感じるお話でした。

実のところ、恵瑶の単線思考による自業自得とも言えそうですが、兄擬(もど)きの泥人形に絶命した彼女はあまりにも不遇に思えます。

とは言え、この重々しさは、後宮に身を置く寿雪、身を置かせる高峻の人生訓とも受け取れそうな気がします。


封宵月(ほう・しょうげつ)の語りによると、寿雪が先代の烏妃から聞き及んだ二人の王の伝承は、どうやら歴史をあまねく語るものではなかったようです。

それに、かつて寿雪が世界地図に驚き、表情に陰りを浮かべていたのは、"梟" なる使者が、烏妃を殺しに来るという伝聞が、確信へと変わったからでしょう。


まず感じたのは、思慕や嫉妬を動機とする二人の王の謂われさえも、初代烏妃の恣意的なフィクションで出来上がっていたらしいこと。

そして、生きた人間に神懸りすることを禁忌とする戒律に触れた妹(烏=烏漣娘娘)を解放するという兄の言い分。

また、その一方で、不可侵を押し通し、隠し通した香薔(こうしょう:初代烏妃)の末裔(=寿雪)を屠(ほふ)るという兄の言い分。

そんな別次元の摂理だったり、無理すじな道理だったりが 、"兄ルート" として伏されてあったとは驚くほかありません。

寿雪と高峻とが紆余曲折してきた最終局面で、予期もしえなかった波乱の展開。
これは、OPのとおりの "ミステリアス" ・・・。
でも、作劇としては、ちょっと "腹立ち" を感じるところもあるんです。

兄ってそんなに強い立場なの・・・?
一つのあぶくから分かれているんだから、弟なのかも知れないのに・・・。


~      ~      ~


「烏妃が望めば何でも叶う」とは、いかにも思わせぶりなセリフに聴こえます。

つまるところ、烏(=烏漣娘娘)が求めた自由奔放への憧れと、香薔(こうしょう:初代烏妃)の相思相愛を願うロマンスとは、謂わば利害の一致するアドレナリンを燃料とする相身互いです。

烏も人間も、それぞれの世界に生きるルールに縛られていますが、もっと違う世界を見てみたい、その世界を大切にしたいという心情は共通するものなのかもしれません。

であれば、この物語は、世界の境界線を跳び越え、類さえも超えて自己実現を追い求める、魂の理想する生き方を描こうとしているとも類推できそうです。


ですが、分を超えた見返りはあまりにも大きく、歴代の烏妃はその一生涯を後宮からは出ることを禁じられ、烏漣娘娘もまた新月の夜以外は後宮からは出られないという足枷を負ったのは皮肉な設定です。

烏妃のアイデンティティーは二重複相性(烏は烏漣娘娘、妃は巫女)です。
宵月によれば、寿雪が献上していた牡丹の花は、妹に「毒」を食らわせていたとの評定です。

烏と人間の同位体など、どんなに共存を図ろうとしても、もとから歪(いびつ)を抱えたものであり、無理くりバランスを取ろうとするための麻薬だというのです。


香薔(こうしょう:初代烏妃)と烏(=妹、烏漣娘娘)とに、どのような契約があったかは窺い知れません。
でも、それぞれの思いには "ならぬ道、なしたき夢" があったのではないかと感じます。


ですが、両者の振る舞いが千年に至るとなれば、妹の苦しみはすでに破綻を迎えているとも宵月は言い放ちます。

寿雪にしてみれば、たまたまその器として見出されただけのこと。
新月に痛みを受け入れる理由などどこにもないし、烏と一蓮托生に生きる責任なども1ミリもありません。

ならば、現役の冬の王、夏の王は、何をどのようにして世界の辻褄を合わせればいいのでしょう。


~      ~      ~


高峻にとっては、帝国の興隆と安泰は、寿雪個人の人生を犠牲にバーターされたものです。
その初発は、いにしえの女性の勝手や古き皇帝の都合であり、謂わば、世界のしがらみを自ら生み出した我利我欲とも言えるわけです。

宵月にとってもそれは同じで、妹を苦しめる一番の理由が烏妃の存在であるという主張ですので、千年の忍従を解き放つには器たる寿雪を殺さねばなりません。

寿雪を守りたい高峻と、屠りたい宵月。
人間の世界線と、鳥の名を持つ者のそれとが、それぞれに譲れぬ価値観をぶつけ合うせめぎ合い。
これは・・・すでに寿雪一人がどうのこうのできる問題ではなさそうです。

宵月と高峻は、いったい寿雪をどうするつもりなのでしょう。
そして、烏(=妹=烏漣娘娘)は、彼らに何を訴えるつもりなのでしょう。


次回は、「想夫香(そうふこう)」です。
なかなかに楽しみです。
{/netabare}


13話。
{netabare}
烏(からす)には、特別な役職名があって、死者の魂を先導する "ミサキベ" とのことです。
文字を当てるなら、おそらく「御先部」でしょう。(原作は「岬部」と表記)。

今回のお話のテーマは "想夫香" です。
後宮のしきたりによれば、亡き人へ心を馳せながら、懐かしさを悼み、愛おしさに慈しみを深めるという意味のようです。

それなら、たとえば、別離やすれ違いなどで心が通わなくなり、後悔に苛まれるときにはどうでしょう。
あるいは、叶わぬ再会に希望を失いかけ、やり切れなさに胸が潰れそうなときにはいかがでしょう。

そんな我流や今様にも "ミサキベ" の名を当てたり "想夫香" を求めてもいいものでしょうか。

とは言え、そんな情けめいたことに耽ったり、試したりする人はもうわずかでしょう。
むしろ、女々しすぎると、揶揄されたり、訝しく遠ざけられたりされるかもしれません。

ただ、寿雪が牡丹を献上するときの表情に、私は彼女の愁いと苛立ちを感じてしまうのです。
香を焚くのなら、それなりの理由や背景があって然るべきことを寿雪は知っています。

それなのに、その謂れさえも聞かされていないのでは、なぜ後宮に独り縛られねばならないものかと、気分は塞ぐばかりでしょう。
7話に「忌々しい烏漣娘娘の見張り役め!」とシンシンにすごむ寿雪がいましたが、私もついつい頷くのです。

「梟が私を殺しに来た。」と淡々と話していた寿雪です。
そんな諦観や、死をも覚悟するような彼女は、心中では、わびしさや失望感に喘いでいたのかもしれませんね。


~      ~      ~


封宵月(ほう・しょうげつ)は、牡丹の香りは "毒"を以って妹を縛る禁忌の手合いだと言います。

でも、千年の軛(くびき)を超えてまで、双子の妹の命を消そうとする振る舞いが、いったいどうして "想夫香" に相応しいというのでしょう。

なぜなら、宵月は、寿雪に "自身の倒し方" さえ教えているのですから。
そう思うと "想夫香" の本当の意味が分かろうというものです。

薛魚泳(せつぎょえい=冬官)であれば、麗娘(れいじょう=先代の烏妃)への懐古をたどることに。

寿雪であるなら、高峻との未来を、二人の王、唯一の友として紡いでいくことへ。

宵月(=梟)なら、自らも禁を冒し、高峻に爪を残してでも、妹(=烏)との再会を果たしたいことを。

そして、妹もまた "自分自身に還る日" を待ち焦がれていることを。


~      ~      ~


物語は放送を終わりましたが、続きを予感させるシーンも配されてありました。

後宮を離れ、夜空を翔ける寿雪の姿は、きっと "歓喜する烏の魂" を示しているのでしょう。

墨をすっかり落とした髪は、烏漣娘娘のま白き頭を象徴しているのでしょう。

彼女に呼び掛ける声は、幽宮(かくれのみや)にいた頃の "兄妹" の姿なのか、あるいは "父母" なのかと、想像が膨らみます。

そう思うと、鳥に化身する人も、寿雪や高峻たちにも、"魂は美しいもの" と扱う心は同じ価値のように感じます。


もしかしたら、原作には、二つの世界をつなぐシナリオと、それぞれの時間を切り結ぶストーリーが記されているとでもいうのでしょうか。

であるなら、放送の続きを期待しながらしながらも、ついページを繰ってみたい気持ちにもなっています。


~      ~      ~


おまけ。
{netabare}
日本には「香道」と呼ばれる芸道があります。

その香りは、あまりに微かであり仄かに過ぎるため、ほかの匂いが混じることを避けるのはもちろん、風に流されてしまうことも厭われるため、静かでほの明るい部屋(香室・こうしつ)で嗜まれます。

特徴的なのは、香りを "かぐ" のではなく、"聞く" というお作法(聞香・もんこう)です。

そんなしきたりを通じて、いつかどこかの感情を探し、見えない言葉を手繰り、ようやく文字に紡いでいく奥ゆかしさが、とても古風に思われますし、雅な雰囲気があるような気がします。



タイミングよく、今ころは "寒牡丹" のシーズンです。

わらの霜囲いに守られて咲いている様子は、寿雪が夜明宮に沈思黙考するイメージにぴったり。
しがらみに囲まれて寒さに耐え忍ぶ姿は、むしろ健気と思われ、艶やかな華とも感じられます。

ところで、寒さのなかで花を愛でるのは、心には風流ですが、身体にはかなり凍(しば)れるものです。
もしも、その香りを嗅ぎ、声を聞くのでしたら、きっと "春牡丹" がふさわしいでしょう。

桜の散り落ちたあと、藤の房のふくらみと合わせ、牡丹の大輪を手に取っていただき、ついでにお団子などを頬張るのが、寿雪のように楽しめるというものでしょうね。

そんな春を待ち遠しく思います。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2023/01/07
閲覧 : 616
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23

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

貴方は誰が一番この物語で救われたと思いますか?

この物語は一見中国の後宮にまつわる物語のように感じますが、原作者の白川紺子さんは「中国」とは言ってられません。だから大昔の中国に似た異世界の物語のようです。
そして主人公である柳寿雪(りゅうじゅせつ)は「烏妃」(うき)と呼ばれる特別な妃。
人知を超えた異能者であり、決して皇帝の夜伽をすることが無い妃です。

この物語の魅力は、烏妃の異能力と美貌と可愛らしさ、そして烏妃と皇帝との心温まる漫才のような掛け合いです。


後宮には絶えずドロドロとした色恋沙汰による権力闘争があります。
殺す側のものは邪鬼に取りつかれていたり、亡くなったものは幽鬼としてさまよったりと、絶えず薄暗い闇が後宮に蔓延(はびこ)ります。
その後宮の闇の問題を解決するのが烏妃の役目。

烏妃は見かけ以上に幼く、ときとして子供じみた振る舞いをしますが、
その烏妃をいつも守り助けているのが皇帝の夏高峻(かこうしゅん)。
皇帝と烏妃とのやり取りは、漫才を見ているようでもあり、友情物語を見ているようでもあり、時として純愛物語をみているようでもあり、面白くて心が温まります。

物語の最初の頃は後宮の奥で孤独に暮らしていた烏妃でしたが、やがて彼女の館(やかた)には多数の友達(?)が集まるようになり、笑い声と笑顔で満ち溢れるようになりました。

烏妃は後宮で皆を邪鬼や幽鬼から救ってきましたが、一番救われたのは烏妃だったのかもしれませんね。


エンディングはkrageが歌う「夏の雪」
美しくもあり寂しくもあり壮大でもあり、不思議な魅力を持った歌です。

この物語の唯一の不満はオープニング。
えり好みしてすみません。でも私には、どうしても合いませんでした。

投稿 : 2023/01/07
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38

ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

術師のお悩み相談所 ただかなり重くてホラー

キャッチさんのおすすめで視聴開始。
原作未読。

【作品概要】
 雰囲気は中国。 
 でも地図ではえらいちっちゃい島国。
 (これは楽土の地図で地上ではない?)
 主人公寿雪(じゅせつ)は宮中に居を構える孤独な術師。
 呪殺~失せ物探しまで対価次第で応じます。
 次々に舞い込む依頼を寿雪がさばいていくなかで、
 術師としての在り方を迷い、問うていく物語。

【作品に対する感想】
 この作品を一言で言うには…と考えたら
 軽~いレビュータイトルになってしまいました。
 しかし物語はかなり重めです。
 人は簡単に死にますし、幽鬼(地縛霊みたいなもの)が
 絡む話は妬み嫉み恨みのオンパレードです。

 キービジュアルをみると美女術師がイケメン取り巻きを
 侍らせてきゃいきゃいしてそうな物語を想像しますが、
 全然そんなことはありませんでした。

 かなりダークでホラーな雰囲気の中、各登場人物が夫々の
 過去を抱え、行動していくいい作品だったと思います。
 誤解覚悟でいうなら「ダークでホラーな赤髪の白雪姫」
 といったイメージです。

 物語としては一段落ついた感じですが、
 核心の部分は良く解りませんし、解決もしてませんので、
 2期があれば必ず視聴しようと思います。

1)物語
 ほとんどの話で非業の死が絡んでいるので
 物語としては重いです。
 一方、1,2話で話が完結していくので、テンポは良いです。
 ものによってはあっさり感はありますけど。
 
 逆にこのあっさり感から思うのが、
 「人がゴミのようだ」というムスカの名台詞でした。
 数百年前は世界のどこでもあった光景でしょうし
 地域によっては今もあるのかもしれません。
 そう考えると今の日本は物価がどうだとか言っても
 あれよりは遥かにマシかとは思ってしまいます。

 なかには「それで殺す?」「自殺?」っていうような
 ものもあって、人の負の想いというのは蓄積すると
 恐ろしいと感じました。

 寿雪がもたらす救いはあくまで
 「せめてもの救い」であって、
 ハッピーなものではありません。
 この辺の重さは好みによると思います。

 地名、人名がみな日本離れしてるので、なかなか
 頭に入らないのがちょっとしんどかったです。
 毎度字幕にしてくれてるので、まだ助かってますが、
 それでも頭に入らないです(^^;
 
 一部中国語読みと思われる言葉も普通に出てくるので、
 そこは雰囲気でカバーするしかありません(^^;

2)作画
 寿雪の術発動の所作がとにかく美しい。
 これは見惚れます。

 背景のモブなどはあまりまじまじ見てはいけません。

 演出面では過去の話をするときは、
 切り絵のようなタッチに変わるところが好印象でした。
 ホラー感を緩和しているように見えて、増してる気がします。

4)音楽
 OP「MYSTERIOUS」のVoがねちっこくて最後まで苦手でした。
  曲は好きなんですけどね。
 ED「夏の雪」
  作品の雰囲気にぴったりの重さが好印象。
  
5)キャラ
 ➀寿雪(今代 烏妃)
  先代烏妃の教えの通り行動した結果、
  孤独の妃になった少女。
  甘味であっさり餌付けされてしまう
  「ベタ&お手軽感はちょっとどうなん?」
  とは思いましたが、完璧なキャラは面白みがない
  ということで、許します。
  この娘のむくれ顔はなかなか殺人的です。

 ➁夏高峻
  公平性と遵法性を併せもつ、高潔な帝。
  私の勝手なイメージですが、レッドクリフとか見てると
  中国の帝って「気に入らないと殺す」みたいな
  イメージが強いので、意外でした。
  寿雪に関しても警戒する猫に手を差し伸べるように
  「まずはお友達から」と余裕のアプローチ。
  私情が入り過ぎてるところは為政者としてはどうなん?
  とは思いましたが、完璧なキャラは面白みがない
  ということで、許します。
  空っぽになったと言ってますが、ちゃんと人の心を
  鑑みるところや時折見せる甘さも
  こやつの魅力と思います。
  贈り物のかんざしを寿雪が勝手に他人に
  渡そうとしたことに不機嫌になったりとかね。
 

投稿 : 2023/01/07
閲覧 : 115
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19

ネタバレ

ローズ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

烏の役割

仮想中華風の世界観。
烏妃は夜伽をしないが、様々な問題解決に奔走する。
ミステリー要素の強い作品。

まず、最初に謝っておきたい事があります。
それは、私には中国の歴史に興味が無い、という事。
勿論、日本史の中では最大の貿易国となるので最低限の知識などは知っています。
皇帝に仕える男性の宦官が大事な部分を切り落とされる事くらいしか知りません。
(間違った知識だったらゴメンナサイ)
中国の歴史は日本の歴史と違って、民族によって支配形態が違ってきます。
私が親しみを持てるのは、清王朝(愛新覚羅)あたりかなぁ。

親しみが持てないので、私の中で役割を考えて視聴していました。
烏妃は探偵役、皇帝は相談役、みたいな感じかなぁ。
私の好きなミステリー物として視聴したら、少しは興味が出るかなぁと思いましたが、
やはり、登場人物には関心が持てなかったです。
中華の人名が頭に入ってこなかったですね。

キャラデザは女性に支持されそうですね。
カッコいい皇帝に美形の烏妃。
烏妃の饅頭好きには親しみが持てるかもしれません。
でも、烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)と呼ばれている、不格好な鳥は何とかならなかったのか。
人面鳥なのかなぁ?
うーん、中々厳しかったです。

一言で作品を表すなら、中華風ミステリーになるのかな。
私には合いませんでしたが、全7巻まである人気作みたいです。
中国ではなく日本の宮中が舞台だったら興味が持てたのですが。
私のレビューではなく、本作品が好きな人のレビューを参考にして視聴して下さい。



※追記
主人公の烏妃のCV水野朔さんは『ぼっち・ざ・ろっく』でも活躍。
期待の新人声優さんですね。

投稿 : 2023/01/07
閲覧 : 202
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26

のび太 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

中華風の異世界ファンタジー

集英社のオレンジ文庫のライト文芸小説が原作ですね。
ライト文芸といのが、ちょっと聞きなれないジャンルですが、ラノベと文芸小説の中間の位置づけみたいです。

まず世界観が中国風のなですが、冒頭の世界地図から中国ではなく、別の世界のファンタジー作品という事みたいです。

タイトルは、後宮の烏(からす)なんですね。
後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいるという。
それが、主人公である柳寿雪、16歳の少女ですが年寄のような話し方でw、不思議な術を使います。

とにかくビジュアルが美しい作品で、本のイラストの雰囲気をそのままにアニメ化されています。
ストーリーは、後宮で繰り広げらた、謀略の犠牲者の魂を救うみたいな話ですが、「烏妃」の存在自体にも謎を秘めているようです。
1期では、ツンデレくらいまでですが、このままデレると何かが起きそうな予感ですw

まだ2期の話は出ていないようですが、続きに期待したい作品の一つですね。

投稿 : 2023/01/05
閲覧 : 151
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16

ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

あなたの心を救いたい

【紹介】
中国アニメかと思ったけど日本の中華風アニメみたいです、原作は未読
不思議な力を持った美少女が王宮で起こった悲しい事件の犠牲者の魂を呼び寄せて事件の裏に隠された真実を明かしていくちょっと切ない中華風ファンタジーアニメ

【感想】
ちょっと切ない感じのストーリーで、悲しいけど傷ついた人達が過去に向き合うことで心が救われた気がして良かったね・・・ってなる優しく切なく美しい物語

世界観が美しく儚く繊細で、とても面白かった!

中国が舞台なので名前とか用語が耳慣れなくて誰のことを話しているのかわからなかったりするけど話がすっと入ってきて見やすかったです
中国アニメは話が難しくてすぐには理解できないことが多いので、やっぱり文化の違いって大きいんでしょうね
2話で完結するエピソードが多くてちょうどいい尺で一区切りされるので見やすかった

【シナリオ】{netabare}
王宮はドロドロしていて心の傷を抱えた人がいっぱいて、死んだ人は生き返らないし、起きたことはなかったことにならないし、心の傷が消えることはない・・・でも、人は生きているから、過去だけをいつまでも見ているわけにはいかない

この作品は死者が生き返るとか過去の過ちが消えるなんていう都合のいい奇跡は起きない、でも過去に向き合って真実を知って前を向いて生きていく生者と、残された大切な人の想いを受け取って成仏していく死者、両者の最後の心のやり取りがとても切なくて綺麗でした

成仏して消えていく死者が最後に何か言葉をしゃべっているけどそれが何かはわからないのが、言葉にするよりも直後の晴れやかな表情がすべてを物語っていていい演出!
生き返らないならせめて最後にいっぱいお話させてあげてとか思ったりしたけど、百の言葉を語る時間はなくても、最後の瞬間に大切な人と思いを通わせる時間ができたら幸せなのかなって思った

中盤あたりから今度は主人公の烏妃や帝自身の話もちらほら出てくるようになって、それぞれが抱える過去や苦しみの話が出てきます

烏妃、冬の王の話はとても残酷で身勝手で悲しい話。。。

愛しているから後宮にいながら決して帝の寵愛を受けず独りで生きる境遇を受け入れたって言ってて昔の人の価値観はわからないけど、一度しかない人生、そう簡単に受け入れられるものなのかな?
わたしだったら自分のことを見て欲しいし、一方通行な愛を一生ささげるなんて耐えられないから共感はできないけど、だからこそ美しく、せめてその想いが通じて欲しいって思った

{/netabare}

続きがとても気になります!

投稿 : 2023/01/04
閲覧 : 348
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30

ネタバレ

いこ〜る さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

主人公ヒロインが魅力的な静謐な伝奇ロマン

初めは『いわゆる女性向け中華ファンタジー』とややタカを括っていたがとんでもない!!
美しくて哀しくて温かいとても良い物語だった。

と書き出しておいてまた女性向けと言い出すのもなんだが、22秋クールは女性向けの歴史ファンタジーが2作品あった。『虫かぶり姫』とこの『後宮の烏』だ。

この2作品、欧州と中華、ロココとオリエンタル、白亜の王城と黒い後宮、と好対照を成していたが、何より際立った相違点はラブロマンスと伝奇ロマンであったところだろう。お陰でこちらは完走できた、と言うか女性向けかどうかよりもラブロマンス一辺倒だとやはり私にはキツかったと言うべきか(虫かぶりの方はギブアップ)。

物語の序盤は心霊探偵テイスト。
『夏目友人帳』的に怪異と人との縁をしっとりと描く感じで、現世に心残りがあり楽土へ渡れない幽鬼を解放していく物語だ。小道具に人の心を託す描写も巧みで、視聴後感はそこはかとなく温かい。

主人公にしてヒロイン、烏妃(うひ)が非常にチャーミングで魅力的なのもいい。作品の魅力の半分は烏妃の魅力と言っていいと思う。
古今毒舌系のヒロインに事欠かないが、烏妃は口が悪いだけではなく女言葉を使わず古風な言い回しをするので、どこか凛としていて品がいい。

この烏妃が皇帝の訪問をきっかけに面倒がりながらも幽鬼がらみの怪異を解決していくのが先ほど書いた序盤のストーリー。伝奇ロマンの体をとりつつお話が現代的なのはこういったキャラ付け、その魅力によるところが大きいだろう。
烏妃は物怖じせずに皇帝を追い返しさえするし、皇帝は(若いなりたての皇帝という設定)真面目で物静かで人の心根にやや疎い・・・ほら、今っぽいでしょ?

で、それだけだと「ツンデレ巫女と朴念仁」的なただのお祓いラブコメになってしまうから、物語は早めに烏妃と皇帝それぞれの数奇な生まれや悔やみきれない過去、罪の意識などを描き出す。

{netabare}それぞれ葛藤を抱えた二人が出逢い、運命的に惹かれ合いながら、それがあくまで魂の交流であったのは本作の大きな特徴だろう。男女の愛よりも人と人との親愛に比重が置かれたわけだ。
絵的には黒衣の美少女、ハンサムな皇帝、それらのお付きとして美形の宦官たち…という中華ロマンの典型的なキャラ配置をしながら、性愛的なものを脇に追いやった物語で、そこが実に興味深い。いやそこもまた現代的と言えるのかもしれない。{/netabare}

アニメが面白かったので原作小説も読んでみた。
これも面白くて先ほど全巻読破!テンポの良いアニメだと思っていたがそれは原作譲りだったのだろう。やや書き込み不足の部分もあるが、サクサク・グイグイと物語は進み、あっという間に読了してしまった。

アニメを先に見て原作が後のパターンの利点は、セリフが声優の声で脳内再生されるのもあるだろう。本作が見事にそうで、烏妃のセリフがアニメのCV水野朔で再生される。これが私的にはなかなか耳福だった。
その水野朔だが初主演らしい初々しさとなま固さがちょうどいい塩梅だったし、少し濁音が混ざる甘めの声質はとても好み。今期は他に『ぼっち・ざ・ろっく』の山田リョウもやっていて、これからもっと出てくるかと思うと楽しみだ。

さて、物語は中盤以降「烏妃とは何か?」を巡る謎に迫っていく。
ただ公式ページの言う
”二人の巡り合わせは、歴史をも覆す「秘密」を暴くことになる……。”
の、”歴史を覆す”的な部分はアニメの範囲では語られなかった。
全7巻の原作小説のうちアニメ化されたのは2巻目まで。まだ序盤だからしかたない。

なので、続編を作ろうと思えばあと2クール分は十分ネタがある!
ぜひ2期・3期と作って欲しい!

そうしないと(アニメの範囲だけだと)衣斯哈(いしは)はただのショタ要員にしか見えなくて不憫だ。

==========

以下1話視聴時の感想です
{netabare}
これもどちらかと言えば女性向けなのだろうが、主人公にしてヒロインの烏妃(うひ)がなかなか魅力的なのと、お話がミステリ仕立てで一手間かけてあるのが結構良くて、男の私でも全く問題なく楽しめている。

作画もアクションはイマイチだが烏妃の妖術?のイメージは美しいし止め絵に美意識があるのも良い。

主人公が鳥系のファンタジーと言うと私は〈イルスの竪琴〉シリーズを思い出すが、本作はそれを思い起こさせるに足るハイファンタジーなのかも知れない。
{/netabare}

投稿 : 2023/01/02
閲覧 : 242
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19

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Tenjin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

無難な滑り出し→できる範囲でよく頑張りました

原作ファンとしては期待半分不安半分といった感じでしたが、特に破綻はない出来で一応安心しました。

1) 人物の作画は割といい。特に主人公の寿雪は神秘的な美少女ぶりがよく出ています。食べ物につられて呻吟するところのコミカルな表情もギャップがあってよかった。
2) 一方で、背景は密度が足らない印象を受けました。昨今の実写と見紛うようなレベルのアニメを見慣れたせいかもしれませんが。
3) 声優さんは皆だいたい違和感なく聴けます。九九役の高野さんはキャピキャピした感じで若干他から浮いている気もしますが、キャラには合っているのでそのうち慣れるかも。
4) 構図やカメラワークにはもう少し大胆さがほしいですね。帝が皇太后に剣を振り下ろすシーンなどは、アップを使ったりしてもっと緊迫感を出せたのではないかと思います。
5) 話の流れは原作に忠実なので心配していませんが、小説に比べると内面の描写はどうしても省かれてしまうので、そこを独白やナレーションで補う工夫はあってもいいかな。

(追記:最終話まで見て)
上記は1話を見た時の感想ですが、最後まで見ても基本的には変わっていません。

ただ、作っていく中でアイデアも浮かんできたのか、色々工夫が見える場面も出てきてより見ごたえのあるアニメになっていった感じはありますね。12話のカンフー&剣戟シーンはよく動いていたし、10話の招魂の場面は上から見下ろすアングルが面白かったです。

総じて作画はアップに力を集中していた印象です。主人公の寿雪を始めとする女性キャラクターはその恩恵をよく受けている感じでした。男性キャラはクール系が多いせいもあって前半は地味な絵面も多かったですが、話が進んでお互いの関係性が増してくると表情豊かになっていったのは良かったんじゃないでしょうか(特に帝の高峻)。

声優さんは本当にナイスキャスティングで、寿雪役の水野さんは初主演ながら堂々とした演技でしたし、高峻役の水中さんも見た目に合ったいい声でした。そして、今回のシリーズでボスキャラ的立場だった宵月役の石田さんは怪しさ満点の声と演技で非常に存在感がありましたね。

小説をアニメにする際にどうしても抜け落ちてしまいがちな内面描写は一部をセリフにすることで補っているところもあり、苦心の演出ですね。それでもやはり足りないところはあって、例えば最終話で高峻が流した涙の理由はアニメだけでは多分わかりにくいでしょう。そこは尺の都合とか仕方ない部分もあるのかもしれません。気になる方はぜひ原作を読んでみてほしいです。

原作は全部で7巻あり、その中の2巻分で13話にしたのはかなり丁寧な作りと言っていいと思います。まあ、仮に残りを最後までやろうとすると最低でも2クールは要りそうなのが困ったところではありますね。

衣装に華やかさが足りないとか、キャラが棒立ちで動きがないシーンが目立つとか不満もありますが、原作小説の魅力のエッセンスをできる範囲で表現しようとしたスタッフの意気込みは感じられました。また、主に九九や淡海などで見られたアニオリシーンも違和感なく溶け込んでいてよかったと思います。

注目度の低さから二期は望みにくい状況ですが、原作終了後のアニメ化というミラクルをもう一度期待したいですね。

投稿 : 2022/12/31
閲覧 : 161
サンキュー:

15

栞織 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

中華ものでは面白かった方

中国資本ものでは以前「魔道祖師」というのをはじめだけ見たんですが1話切りでしたので、それに比べると本作は日本の奈良時代にも見える唐の時代を背景にしていたみたいなので、架空の国の物語ですが楽しめました。烏妃と呼ばれる寿雪がキャラデザインが美しくてかつ芯が強いヒロインで、見ていて共感できるところが多かったです。また少女漫画らしく帝と性的つながりがない後室であるところも強調されていました。ただ怪鳥にいきなり人身御供にされてしまうあたりがあまり説明がなくて、どうしてそうなっているのかの謎が最後まで説明されておらず、そこが不満でありました。しかしお話は1話から2話で決着がつくオムニバス形式で、短編がつらなっているシリーズで、肩がこらず適度に面白かったです。中で帝のそば付きの宦官の話が、BL要素があり人気が出たみたいですね。

作画はわりと美しかったですし、中華の設定をよく調べて絵にしていたと思います。ただものすごく作画が抜きんでいた作品ではないということです。唯一あれだったのは主題歌を歌っている方で、YoutubeでPVを見ましたが正直引きました。しかしファンの方は多いようです。

投稿 : 2022/12/30
閲覧 : 135
サンキュー:

11

ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

玉虫色に輝く万華鏡

●【八芒星】の「娘々」は「シャーマニック・プリンセス」

本作では登場人物の人間関係が重要になってきますが、他の方のご指摘の通り
中華風味の登場人物の名前が覚えにくく、その結果人間関係の相関図が描き難いという問題が
付きまとい、従って物語の把握に支障が出るということは大いにあり得るところであります。

そういう事情を踏まえ、実際のところ本作の物語展開についてどこまで正確に
把握できていたかということを考えた時、おぼつかないところも相応にありますが
本作の世界観や雰囲気については十分堪能できたように思います。

妃が美形というのは当たり前のことですが、帝も美形というのは少女漫画チックな物語では
あまりにお約束過ぎるのでキャラ的にはむしろ「三枚目」の人間臭い感じなのを
個人的には期待してしまいます。

しかしながらついこの間まで農業スキルをひたすら上げることに必死だった農民風情が
いきなりの下剋上で天下統一果たして覇王となったとかいう感じだと、折角の
格調高く美しい世界観がアンバランスなものとなり、台無しになりかねないわけですから、
やはりお約束の美形キャラに落ち着くのが必然と言うべきなのかもしれません。

かくしてある意味究極の雰囲気アニメとも言える本作の魅力について
分析するならば、注目すべき要素は幾らでも出てくるように思われますが、
特に個人的に注目していたのは {netabare}【呪術】に関する秘密の暴露であります。

「烏漣娘娘」【八咫烏】【梟】【金鳥】(=【フェニックス】)
すべては【呪術】に繋がるものであり、【呪術文化】と密接な関係にあるわけです。

皇帝が「夏の王」、「表の権力者」であるならば、烏妃とはその傍ら
あるいはその背後に暗躍する「冬の王」、「裏の権力者」であり
【陰陽師】や【八咫烏】も同じような存在であると言えましょう。

「平家に非ずは人に非ず」という言葉が示すように、その圧倒的な力で権力の頂点を極めた
絶対王者の「平氏」が、突如逆流の潮目に遭い衰退の一途を辿ったという背景には
延暦寺や天皇家などが暗躍していたことが重要な意味合いを持つように思います。

早い話が「密教」というのも【呪術】というものの一つの形態であり
烏妃が使った怪しげな妖術に相通じるところがあるわけであります。

人間の頭蓋骨や生き仏(=ミイラ)などが密教においては重要アイテムとされていたりする
ことからしても、あまりに謎が多いこの「秘術の教義」は我々の感覚とは完全に乖離しており
理解することに困難を極めますが、【フェニックス】を聖獣と崇め信奉する【フェニキア人】
も同様にこの怪しげな【呪術】や【呪術文化】と深い関係性があるということを踏まえて
目の前に広がる世界について考えてみるならば、そこに隠された秘密というのは、ある意味
「ミステリアス」なファンタジーの物語と連動してるかのようにも見えてくるわけであります。

表の歴史では【フェニキア人】はフェニキア文明と共に消え去ったことになっていますが
ある時「ヴェネツィアの黒い貴族」と呼ばれる存在が、
かつて天下を極めた平家のように突如イタリアで大躍進し始めます。

「陰の実力者」とも言うべきこの「ヴェネツィアの黒い貴族」とは、実は
【フェニキア人】の末裔であり、後にイギリス王室を凌ぐ世界最強の王室
【サヴォイア家】として世に君臨することになるのであります。

本作において【烏】や【金鳥】には明らかに重要な意味があるかのように扱われていますが
もしも【金鳥】が【呪術】と関係が深いならば、「火の鳥」「鳳凰」【フェニックス】にも
同じことが言えるわけであります。

まるで「ファンタジー」みたいな話ですが、
【呪術使い】の「烏妃」が「裏の支配者」であるように、現実においても
【呪術文化】に所縁ある【フェニックスの種族】が「裏の支配者」
あるいは「陰の実力者」として君臨するこの世界とはまさに
「ミステリアス」であり、ただただ絶句する以外ないと言うべきでありましょう。

2020年8月【フェニキア人】と所縁が深いレバノン、ベイルートにて爆破事件が起こりましたが
この騒動の背景には「金融マフィア」による「通貨」を巡る闘争劇があった
などという説もございます。

「陰の実力者」が絡む金融マフィアによる【通貨戦争】の話については別の機会に譲りますが
摩訶不思議なこの【呪術】というものには、{/netabare}大いなる謎が隠されているように思う次第でございます。


●陰陽まみえて均衡足り得る?
道教と陰陽道には何かしらの関係性があったような気がしたので自信満々気に
前回投稿したわけですが、後になってその根拠がどこにあったのかについて改めて考えてみたら
さっぱりその元ネタが思い浮かばず軽くパニックの醜態に見舞われたものの・・・

{netabare}「夏の王」と「冬の王」とかまさに「陰陽道」そのまんまの展開を見て、
ほっと胸をなでおろしたアニメアンチはいささか必死で滑稽ではありますが、
開き直って再び自信満々気に言わせてもらうならば、「烏妃」とは結局のところ
【八咫烏】と全く同じ存在であると確定したという話にございます。

「呪術使い」=「陰陽師」=【八咫烏】であります。{/netabare}


●輪廻の理、動き出す?
本作を理解する上で最も重要なことは、
主人公の「烏妃」とは何であるか把握することであるように思われます。

「烏」と言えば個人的にはヴィンランドサガの{netabare}OPソング「ダーククロウ」が真っ先に思い浮かびますが
恐らくは【八咫烏】と何かしらの関係性があるのでありましょう。

【八咫烏】と言えば「リコリコ」でもそれとなく触れられておりましたが
【八咫烏】とは「帝」と密接な関係にあるという話でございます。

その一方で本作においては「烏妃と帝とは相容れぬものだ」ということでありますが
それが意味するのは、帝が光であるなら、烏妃は影であり
両者には表と裏、陰と陽の関係性があるということではないのかと推測いたします。

そして「陰陽」と言えば「道教」でありますが、本作と相通じるような要素ある
中華風幻想ファンタジーであるところの「十二国記」は実に道教の世界観が
ふんだんに再現されていたような印象が強かったように記憶しております。

「十二国記」に登場する「麒麟」とは道教において聖獣扱いされている幻想生物でありますが、
同じように道教由来の聖獣には「金鳥」というものがおるわけです。

まさに烏妃が飼っているペットの鶏こそが「金鳥」であるわけですが、
ならばやはり本作の世界観を理解するには道教に関する知識がある程度
あった方がいいということなのかもしれません。

道教の開祖と言えば老子でありますが、老子は「陰陽道」に精通しており
怪しげな妖術を使ったようでございます。
陰陽道と言えば「陰陽師」でありますが、【八咫烏】と「陰陽師」にも重要な関係性があり
例えば「平家物語」において平氏が衰退没落した背景には陰陽師が暗躍していたのだと
個人的には解釈しております。

「金鳥」は陽であり、「烏」は陰であり、両者には陰陽の関係性が見受けられます。
金鳥は「鳳凰」であり「火の鳥」でもあります。
そして日本銀行券一万円札の裏面に記されているのがまさにその「鳳凰」でございます。

陰陽師と同じように烏妃も怪しげな妖術の類を使いますが、
それは陰陽道の術式でもあり、【呪術】と呼ばれるものであります。
【呪術】とは「シャーマニズム」のことでありますが、
メイドインアビスに登場する原住民の子「イルミューイ」はシャーマニックプリンセスであります。

背中の刺青はシャーマニズムの証であり、同じようにゴールデンカムイに登場するアイヌの大ババ
も刺青を入れております。

【呪術】には別の呼び名がありまして、それを「黒魔術」と申します。
黒魔術を使う女のことを「魔女」と呼ぶわけですが
「魔女の宅急便」のキキを筆頭に、「欲望の揺籃」を使ったり
サイコミュやビット、ガンドアームを巧み操ったりする異能力者の類は
総じて魔女と呼ばれるものにございます。

要するに呪術使いの烏妃とはシャーマニック {/netabare}プリンセスであるということでありましょう。



中華風幻想ファンタジーに大河ドラマのテイストが加わり
ミステリーの要素もブレンドされて、
要するにこれは何なのか?と言うならば、一度見てみて御覧なさいと
曖昧な返事をするしかないという話でございます。

物語の世界観や雰囲気がいいのはもちろんのことですが
だからと言ってただの雰囲気アニメなのか言えば、断じて否であります。

権力闘争と陰謀渦巻く皇室内のドロドロ劇と人間模様
貶められた人々や思いを寄せる人々が交錯する愛憎劇
因果の理人繋ぎ思いを紡ぎて溢れ出る寄せて返すは幻想風景

少し不思議なこの物語をいかに表すべきかについては、
もうしばらくお待ちくださいと言ったところでしょうか・・・

投稿 : 2022/12/30
閲覧 : 331
サンキュー:

11

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

中華風の少女漫画と侮れない。

詳細は公式でも。

集英社オレンジ文庫2018年4月から2022年4月まで刊行された、白川紺子氏によるライトノベルのアニメ化作品です。制作はBN Pictures。

後宮の奥深くに住む「烏妃」と呼ばれる特別な妃・寿雪と、母を老王妃に屠られ、その復讐に燃える現皇帝・夏高峻(いや、それなら夏侯とすべきでは?)との、共闘を描く中華“風”ファンタジーです。

意外と重い設定。そして、コミカルでありながらも、落ち着いた雰囲気の作りで好感が持てました。ちょっとこれは、今期のダークホース中のダークホースになるかもしれないです。

とりあえず初回の滑り出しは上々でした。これは継続視聴です。

=====最終話視聴後、追記です。
{netabare}
真面目に、粛々と作り上げた作品という印象。
基本、寿雪(烏妃)という不思議な術を使う妃の元に、死者絡みの相談に訪れる人達の問題を解決するショートストーリーの積み重ねといった内容。そこに、物語の根底をなす寿雪の生い立ち、烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)の謎などを解いていくストーリー構成です。

愛するものを失った苦悩を解消したり、寿雪を狙う者を成敗したりと、テンポの良いショートストーリーは観ていて飽きなかったですし、その中でしっかりと感動させる部分もあり、非常に秀逸な作品だったと思います。

もちろん、難点もいくつかあり、それは概ね作画と作風にありました。
まるで水墨画のような作画は、まあ良く言えば適度に手を抜いているといった感じ。キャラデザに関しては、昔の少女漫画のような雰囲気。特に髪の毛の生え際のごまかし方とかね。そんなだから主要キャストですら頭に残らない、似たりよったりのキャラデザで、しかもキャラ名が中国名だから、なおさらキャラ立てというのが出来ていなかったなという。

そこをクリアできていれば、寿雪と愉快な仲間たちという関係がきちんと描けていただけに、ちょっと残念な部分でもありました。

OPの女王蜂は、たぶん作風に合っていたのかもしれないけど、好きじゃなかったなぁ。主に声が。一方、EDのKrage「夏の雪」は、中華っぽいサウンドで曲も良くて素晴らしかったです。今期のエンディング大賞といってもいいでしょう。

非常に地味な存在で、綺羅星のように良作揃いの今期では話題に上ることはほとんどなかったのですが、とても堅実に楽しめる作品だったと思いますよ。ま、萌え豚さんには受けない作品だとは思いますが。
{/netabare}

投稿 : 2022/12/30
閲覧 : 205
サンキュー:

9

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

中華風幻想ミステリーの良作

舞台は昔の中国によく似た異世界のある国のお話
後宮の奥深くに住む「烏妃(うひ)」と呼ばれる特別な妃の寿雪(じゅせつ)と皇帝高峻(こうしゅん)を中心とした中華風幻想ミステリー・・かな。

原作は集英社オレンジ文庫全7巻で既読です。(面白かった♪)

奥深さを感じられる世界観は良いなと思ったんですが、その反面、独特の用語(大家ターチャ、烏漣娘娘ウレンニャンニャン)などが結構多くて
原作未読の方だと何言ってるのか分かりにくいところがちょっともったいなかったです。

OPの世界地図を見ててなぜか十二国記を思い出しました。
女王蜂「MYSTERIOUS」は後宮のおどろおどろした雰囲気ともの悲しさを感じられて作品に合ってたと思います。
ED krage「夏の雪」も情感込めてしっとりと歌われてて結構好きでした。

昔の出来事の再現映像は中国の紙芝居とかなんでしょうか。こういう細かい演出は嫌いじゃないです。

世話好きで感情豊かな侍女の九九(じゅうじゅう)、寿雪の護衛をしている宦官のまじめな温螢(おんけい)と軽めな淡海(たんかい)のコンビ、喋れないけど絵がとても上手な蘇紅翹(そこうぎょう)などなど・・
話が進むにつれて寿雪の周りに彼女を慕う人たちが増えていき、にぎやかになっていくところが好きでした。
皇帝の高峻を含む彼らとの会話のやりとりも原作読んでた時も感じてましたが、なんかほっこりするんですよね。

あとなんといっても主役の寿雪が魅力的でした。キャラ絵もかわいいですけどツンデレ気味で美味しい食べ物に弱いところもかわいいですね♡

アニメは原作の2巻までの内容でいったん幕を閉じましたが、この後も様々な謎が解明されたり驚きの関係が分かったりと面白いのでぜひ2期やってほしいですけど、最後までやるとなると3期まで必要なので無理・・かな。
興味を持たれた方は原作おすすめします♪

投稿 : 2022/12/28
閲覧 : 319
サンキュー:

29

ネタバレ

にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

宮廷ミステリー×ラブストーリー?。。@1話目

公式情報 
{netabare}
INTRODUCTION
{netabare}
孤独な烏妃の知られざる正体とは━━ シリーズ累計発行部数100万部を突破。原作・白川紺子が描く中華幻想譚、ここに開幕。 後宮の奥深くに住んでいる、妃でありながら夜伽をしない特別な妃・烏妃(うひ)。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。 烏妃の名前は寿雪(じゅせつ)。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという。 時の皇帝・高峻(こうしゅん)は、ある依頼のため寿雪の元を訪れる。二人の巡り合わせは、歴史をも覆す「秘密」を暴くことになる……。
{/netabare}

スタッフ{netabare}
原作:白川紺子『後宮の烏』(集英社オレンジ文庫)
監督:宮脇千鶴
シリーズ構成:大島里美
キャラクター原案:香魚子
キャラクターデザイン:竹内進二
小物設定:中村ユミ
美術設定:河野次郎
美術監督:中村典史
色彩設計:歌川律子
撮影監督:渡辺有正
編集:白石あかね
音響監督:明田川 仁
音楽:橘 麻美
制作:BN Pictures

主題歌
OP:「MYSTERIOUS」女王蜂
ED:「夏の雪」krage
{/netabare}
キャスト{netabare}
柳 寿雪:水野朔
夏 高峻:水中雅章
衛青:八代拓
九九:高野麻里佳
温螢:島﨑信長
淡海:岡本信彦
衣斯哈:平田真菜
雲花娘:上田麗奈
{/netabare}
{/netabare}

1話ずつの感想


第一話 翡翠(ひすい)の耳飾り 前篇
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
烏妃(うひ)は、妃でありながら夜伽をしない特別な妃である。呪殺、祈祷、失せ物さがし、頼まれればなんでも請け負うが、会えば災いがあるとも言われている。後宮に住んでいるが詳しいことは誰も知らない謎めいた存在だ。夏王朝(かおうちょう)の皇帝・夏高峻(かこうしゅん)は、烏妃の住まう夜明宮へと足を踏み入れる。そこにいたのは漆黒の衣装をまとった美しい少女・柳寿雪(りゅうじゅせつ)であった。
{/netabare}
感想
{netabare}
たぶん、小説だと字を見たら分かると思うんだけど
ハイタイシ、ターチャ、コウタイゴウとか漢字を見ないと
意味がよく分からない単語が多すぎみたい。。

ググってみたら、ターチャは大家のことなのかな?
麻雀用語で他家とかってゆう漢字もあるみたい^^

だから今回のあらすじが、間違ってたらごめんなさい。。

おはなしの前後は変わるけど、
今の皇帝の高峻のお母さんは、皇太后に嫌われて毒殺されたみたいで
その時、高峻も廃太子にされたんだけど
皇太后を幽閉して、皇帝の座についた。。

そして今、皇太后を処刑するために、部下に罪の調査させてるみたい。。

その話と関係あるのかないのか分からないんだけど
高峻が宮廷でひろったイヤリングに幽鬼がついてるのを知って
烏妃ってゆうお妃待遇の宮廷のお抱え霊能者の寿雪に調査をたのみに行って
はじめは嫌がってた寿雪が、自ら聞き込みに出かけた。。

それで、高峻が持ってたイヤリングの幽鬼に特徴が似てる
イジメられてた三の妃が死んで、その責任をなすり付けられ
首を吊った班鶯女ってゆう人がいたことを知った。。
おはなしはそんな感じだったみたい。。



高峻は、反乱を起こして政権を取り返した皇帝だけど
皇太后を私怨で殺したりしない、やさしい人みたい^^

烏妃の寿雪は、はじめは神秘的な感じだったけど
アンマンに釣られて調査を引き受ける、ツンデレお嬢ってゆう感じになって
そんな不思議な子だから、霊能とかで解決するのかな?って思ったら
自分で後宮を回り探偵みたいなことをしたりって、不思議なキャラ^^

これって舞台は宮中で、寿雪は不思議な力を持ってるってゆう設定だけど
実は、探偵ミステリーだったりするのかな?
いろんな伏線をバラまいてたみたい。。

そして最後は
寿雪が水浴びをしてると高峻が通りかかり目が合うってゆうラブコメ展開で
宮廷ミステリー、ダークファンタジー、ラブコメ、とか
いろんなタグが付きそうで、ちょっと「魔法使いの嫁」に似た雰囲気かも?


いろんな意味で、これからの展開が楽しみ☆彡
{/netabare}
{/netabare}
第二話 翡翠(ひすい)の耳飾り 後篇
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
高峻に頼まれた寿雪は、翡翠の耳飾りに取り憑いた幽鬼のことを調べていた。耳飾りの持ち主は班鶯女(はんおうじょ)。十年ほど前、三の妃を毒殺した疑いをかけられ、首を吊って亡くなっていた。その死の真相を突き止めるため、侍女に迎えた九九(じうじう)とともに、班鶯女の側仕えをしていた蘇紅翹(そこうぎょう)がいる洗穢寮(せんえりょう)へと向かう。しかし話を訊くことはできなかった。紅翹は舌を切り落とされていたのである。
{/netabare}
感想
{netabare}
はじめに銀髪の一族が、新皇帝の命令で根絶やしにされることになって
幼い寿雪は、お母さんが髪を黒く染めてくれて助かったけど
お母さんは連れてかれて、さらし首にされたってゆうエピソードがあった。。

それでメインのおはなしは
この前、寿雪を案内してくれた九九を次女にして
宮廷内の島流し先、って言われてる洗穢寮に乗り込むの。。

そこで寿雪たちはならず者の男たちにおそわれたりしながら
班鶯女の死の謎をさぐったら、犯人は皇太后だって分かって
さらに、そこで出会った班鶯女のいいなずけから、高峻の暗殺計画がもれ
それを命令したのも、寿雪たちをおそったのも皇太后ってゆうのがバレた。。

それで悪事の証拠がそろって、高峻は皇太后の首をはねさせた。。

そのあと疲れた高峻は、ほうびを出すって言って寿雪のところを訪れ
寿雪にプロポーズしたまま、復讐を終えた疲れで眠っちゃった
ってゆうおはなし。。

あと、班鶯女の耳飾りを落としたのは班鶯女のいいなずけで
班鶯女の事件の潜入調査してた、ってゆうのが分かって
彼が寿雪にたのんで班鶯女の霊を呼び出してもらったら
霊が成仏していった、ってゆうおはなし。。

それに、高峻が少年のころ、班鶯女から大事な耳飾りの片割れをもらって
班王女のことが気になってた、ってゆうエピソードがあった。。



推理アニメなのかな?って思ってたけど
ふつうに証人が次々見つかって、事件は全部あっさり解決したから
メインは、高峻と寿雪が、どっちもお母さんを見殺しにしたってゆう
似たような境遇で、高峻が寿雪にプロポーズした方だったのかな。。

寿雪のお母さんが殺されたシーンは、胸が痛かったけど
「平家物語」のびわのお父さんが似たような目にあってたし
こうゆうおはなしでは、ふつうなのかも。。

あと、班鶯女の無実が分かって、成仏していったところも良かった。。

高峻はやさしくて、皇太后を殺すときでもちょっと迷ってたみたいだけど
これだけ殺人や殺人未遂なんかしてたら、現代でも死刑にされると思う。。

ただ、これって皇太后だけが悪いわけじゃなく
高峻のお父さんもたくさんの無実の人を殺してるはずだから
高峻も、自分には罪はない、なんて言えないのかも。。
{/netabare}
{/netabare}
第三話 花笛(はなぶえ)
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
鴛鴦宮に住まう後宮最上位の妃、花娘(かじょう)が夜明宮にやってきた。花娘は、花笛がなぜ鳴らなかったのか知りたいという。花笛とは冬の終わり、その年に亡くなった者を弔うため、軒先に吊るしておくものである。春の訪れを告げる風とともに死者が還ってきて、笛を鳴らすと言われている。花娘は恋人だった欧玄有(おうげんゆう)を亡くした時、笛が鳴らなかったことを気にかけていた。寿雪は求めに応じて欧玄有の魂を呼び出し、話を訊こうとする。
{/netabare}
感想
{netabare}
第二の妃、花娘からたのまれて
死んだ人の魂が春風とともに帰ってきて鳴らすって言われてる
花笛が鳴らなかった件の調査をするおはなし。。

寿雪は花娘の恋人の魂を呼び出そうとしてできず
その理由が、ある宗教団体の教祖に関係してるんじゃ?
ってゆうところまで分かったんだけど、その背後に、人に憑依できる
欒氷月ってゆう寿雪の同族がいることが分かった、ってゆうおはなし。。

その中に、花娘が恋人を愛してて
妃になってるのは、花娘が嫁に行かなくって済むように
幼なじみの高峻が、彼女をかりそめの妃にしてあげた
ってゆうエピソードがあった。。



花娘の恋人の魂が解放されて、笛が鳴ったところは良かったけど
氷月のたのみが何だったか気になる。。

たぶん、帝に復讐してくれ、とか言うんじゃないのかな?

だったら烏妃と帝が相いれないモノ、ってゆうのは
敵同士だから、ってゆうことかも?


2人が、謎を解決していきながら距離を縮めていくってゆうので
ちょっと「氷菓」に似てるのかも?って。。

それにしても、高峻(コウシュン)や花娘(カジョウ)がふつうに音読みなのに
九九(ジウジウ)や娘娘(ニャンニャン)は中国読み風って何だか気もち悪いかも。。


あと、皇帝でも思い通りにできない烏妃みたいな能力者がいる欒一族って
あんな能力があったら、新皇帝が攻めてくるのも分かったはずだし
簡単にはやられなさそうなんだけど、どうやって滅ぼされたのかな?
{/netabare}
{/netabare}
第四話 雲雀公主(ひばりひめ)
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
夜明宮に雲雀の幽鬼がやってきた。未練があり、楽土へと渡れないらしい。不憫に思った九九は寿雪に雲雀を救ってほしいとお願いした。寿雪は雲雀を飼っていた雲雀公主(ひばりひめ)のことを調べる。宮女に話を訊いて回っていると、とある世間話を耳にする。それは、下げ渡される反物などがない宮は侍女にとってはずれであるということだ。寿雪は九九に何もあげたことがなかった。
{/netabare}
感想
{netabare}
池にはまって亡くなった雲雀公主(ヒバリヒメ)が飼ってた雲雀の幽鬼を
楽土に送ってやりたいって九九にたのまれた寿雪が
公主がケンカした侍女と仲直りするために
咳こむ彼女に薬草を取ろうとして足をすべらせたって知った。。

聞き込みの途中、主人は侍女に何かあげた方がいいって気づいた寿雪が
九九に、高峻からもらった物をあげようとして、彼女を怒らせて。。
ってゆうエピソードがあって、寿雪が、主人と侍女ってゆうか
友だちとの付き合い方を学ぶ、ってゆうおはなしだったのかも?

高峻が、亡くした部下のことを思い出し
「仲直りはしたほうがよい」って言ってたけど、にゃんもそう思う。。

でも、にゃんはいつの間にか人を怒らせちゃうから
友だちが多いほど考えないといけないことが増えて
それなのにあんまり頭が良くないから、考えすぎて疲れちゃうけど
烏妃の方は、人と親しくしないようにって教わってきたみたい。。

たぶん、それつながりで
高峻が烏妃のことを調べてたけど、冬官の人は何か隠してたみたい。。
それがこのおはなしの、1番の謎になるのかも?

終わってない小説とかが原作のアニメって多いけど
このおはなしは7巻で終わったみたいだから
見てて、謎がぜんぜん解決しなくって
後でがっかりってゆうことはなさそうだから、さいごまで楽しみ☆彡
{/netabare}
{/netabare}
第五話 懐刀(ふところがたな)
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
高峻の寝所に夜な夜なふたりの幽鬼が現れる。それが原因で憔悴していく高峻の身を、衛青(えいせい)は案じていた。烏妃に相談してはどうかと勧めるが、他言無用だと口止めされるばかりである。その理由は幽鬼にあった。高峻の母と、親しかった宦官・丁藍(ていらん)だったのである。高峻はふたりの死に対して、自責の念にかられていた。その気持ちを理解しつつも、放っておけない衛青は、寿雪の元を訪ねようとするが——
{/netabare}
感想
{netabare}
最近、高峻のところに
お母さんの幽鬼と、親しかった丁藍の幽鬼が出るようになって疲れ切ってて
そんな高峻を何とかしてあげたいって思う、衛青のおはなし。。

衛青が問題になりそうな、巫術師をさがすため街に出て
昔の自分を知る人に会って逃げ出す、衛青の過去の深堀回かな。。

「BANANA FISH」のアッシュみたいなトラウマがあったけど
衛青は、高峻にひろってもらえただけ、幸せだったと思う。。

そのあと烏妃に会って、おたがいにあやまったところは良かった^^


OPなしではじまった、って思ったら、途中でEDが流れ
EDのあと衛青が烏妃を訪ね、今回の件を相談。。

でも、その前に烏妃は
高峻にたのまれた柳の下に出る銀髪の幽鬼の方を先に調べるため
幽鬼が腰に下げてたメノウの玉の持ち主をしらべに倉庫に行って
そこで、世界地図みたいなものを見つけて、おどろくところでオシマイ。。

オシマイの後、OPが流れたってゆうことは
ここからが本編ってゆう感じなのかな?



中国のおはなしなのかな?って思ってたら
もしかして、実は異世界もの!?

公式のINTRODUCTIONに『歴史をも覆す「秘密」を暴くことになる……』
って書いてあったけど、実はこの世界は仮想世界だった!?
みたいな展開にはならないと思う^^

でも、何か意外な展開が待ってそうでちょっとワクワク。。
{/netabare}
{/netabare}
第六話 夏の王、冬の王
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
皇帝の住まう凝光殿(ぎょうこうでん)の庫(くら)には、幽鬼が身につけていた縞瑪瑙(しまめのう)の玉珮(ぎょくはい)が納められていた。その持ち主は明珠公主(めいじゅこうしゅ)。欒王朝最後の皇帝の娘であった。庫にはその絵姿も残っていた。そこで寿雪は明珠公主と、ある人物の絵を目にする。一方、歴史書を紐解き、烏妃の秘密を探し求めていた高峻は、薛魚泳(せつぎょえい)から本当の史実が書かれたもう一つの歴史書が存在すること、そしてそれを持っているのは烏妃であると明かされる。
{/netabare}
感想
{netabare}
高峻が本当の史実書の存在を知り、烏妃から詳しい説明を受けるの。。

後宮に烏妃がいる理由の解説回で、烏漣娘娘が関わってるみたいなんだけど
烏漣娘娘って、前にも出てきたっけ?
覚えてないけど、話を聞いてたら初代の皇帝を立てた神様みたい。

そのときに、夏の王と冬の王ってゆう2人を立てたんだけど
痴話げんかが原因で2つの勢力が争い始め、夏の王は何度も立ったけど
冬の王がいなかったから、政権はすぐ変わった。。

高峻の祖先は、冬の王の大事さをさとって
金鶏が示した奴隷商にいた子どもひろって、烏妃ってゆう名前で
後宮の奥に閉じ込め
以前の二の舞にならないように、お渡りは一切しなかった。。


さいごは 冰月が九九の体に憑依して、何かをさせようとしてるみたい。。



ってゆうのがざっとした説明だけど
烏妃だけ王宮の外に出れない、ってゆうのがよく分からなかった。。

本来王様の1人なんだから、どこに行ったっていいはずなんじゃない?

あと、どうしても外に出たいなら、王宮の外枠を広げて
民家まで王宮の1部にしちゃうってゆう、奥の手を考えついたんだけどw


あと、はじめに出てくる亀の伝説とはどうつながるんだろう?
{/netabare}
{/netabare}
第七話 玻璃(はり)に祈る
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
前王朝の血を引く冰月(ひょうげつ)と明珠公主は、結婚の約束を果たせないまま戦の中で亡くなった。死後、幽鬼となった冰月は、同じく幽鬼になりさまよう明珠公主を柳の下で見つけたが、呼びかけても反応がない。その公主を救うため、冰月は楽土へ渡らず留まり続けていたのである。手を尽くしたが公主は呼びかけに応えてくれないままだった。どうすれば公主を救えるのか。寿雪はひとつの仮説を立てていた。
{/netabare}
感想
{netabare}
烏妃は、九九を傷つけようとした氷月を強制的に霊界送りにしようとしたけど
高峻に止められ、事情を聞くことに。。

氷月は欒の名前を捨て、明珠公主といっしょになる約束をしてたんだけど
その前に2人とも殺され、氷月は公主をさがしたんだけど見つけた公主は
何かに集中してて、ぜんぜん相手にならなかった。。

烏妃は公主が探してるのが、氷月からもらった玻璃のかんざしだって気付いて
近くを掘って、隠してあったかんざしを見つけ、2人を成仏させた。。


それから烏妃は、高峻の寝所に行くと、高峻のお母さんと友が守ってた
寝所にかかってた皇太后の呪詛を解いて、2人を自由にした。。


そのあとしばらく、高峻が烏妃のところに来なかったんだけど
何か法律を変えてるって花娘に聞いて帰ってくると、高峻が待ってて
欒一族の捕殺令を廃止し、烏妃を殺さない。。って言い出して
魚の箸置きみたいなのを2つ出して、1つを烏妃に渡すと約束。。

1つは何があっても寿雪を殺さない
もう1つはお互いに争わない。。

でも、寿雪を飼い殺しにするんじゃなく
2人っきりの時は寿雪を冬の王として扱い
過去の烏妃たちのことも尊敬するって。。

そして寿雪に「苦しみに寄りそえる、よき友になりたい」って。。
それで2人でお茶を飲もうと青にお茶を入れさせるところでオシマイ。。



今回もテンポが速くって、3つのメインストーリーがあったけど
やっぱり、1番よかったのは
高峻が寿雪に「友になりたい」って言ったところかな^^

これから恋愛になってくかもしれないけど
2人はただの友だちのままの方がいいかも?
{/netabare}
{/netabare}
第八話 青燕(あおつばめ)
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
飛燕宮の見習い宦官・衣斯哈(いしは)が夜明宮を訪ねてきた。衣斯哈は青燕の羽根を持つ少年の幽鬼を見かけ、その子を救ってほしいと寿雪に頼む。調べを進めていくと、衣斯哈が先輩宦官たちに棒で折檻されている場に遭遇してしまう。寿雪が止めに入ると、衣斯哈の指導役である康覧(こうらん)は震え上がる。寿雪の瞳の中に恐ろしい化物が見えたのだ。
{/netabare}
感想
{netabare}
今回は、青燕の羽根を持つ少年の幽鬼を成仏させるおはなしで
その幽鬼が死ぬ原因になったのは
珍しい鳥の羽をひろってお妃に届けてよろこんでもらってるうち
エスカレートして、捕まえた鳥を死なせ、その死骸をお妃に届けたこと。。

そして、その幽鬼のことを主に訴えたり、寿雪に相談した見習いの衣斯哈は、
主のところをクビになり
行くところがないから、寿雪の下で働くことになった、ってゆう
ちょっといいおはなしにしたかったのかな?


羽をお妃に届けた少年は、けっきょく自分の間違いで殺されたんだけど
きっとその子は、取り返しのつかないことをしたのに気づいて
罰を受けたかったんだと思う。。


そして
彼の幽鬼を助けようとした衣斯哈が体罰に会うのはひどいと思った。。

でも、お妃に死骸を献上するって、かなりサイコパスが入ってるから
その時のトラウマを、お妃に思い出させないようにするってゆうのも
部下の大事なお仕事だと思うから、衣斯哈に口止めさせようとした人も
同じような罰を受けてるはずだし、そんなに責めちゃいけない気がする。。

それよりも高峻には、王宮から体罰システムをなくす方向で動いてほしい☆彡
{/netabare}
{/netabare}
第九話 水の聲(こえ)
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
宮女・安蕙蘭(あんけいらん)が頼み事にやってくる。蕙蘭は水の中から死んだはずの妃の声が聞こえると訴える。炎帝が統治していた時代、鵲妃として迎えられた西婉琳(さいえんりん)は、帝のお渡りがある日、池に飛び込み亡くなった。水の中からする声はその妃のものだという。蕙蘭は婉琳を救ってほしいと頼み込むが、寿雪はその訴えの裏にある蕙蘭の真意を見抜いていた。
{/netabare}
感想
{netabare}
帝のはじめてのお渡りがある日、入水した妃・婉琳を救ってほしい
と願う宮女・蕙蘭の件を調べた寿雪が
その声は、婉琳を大事に思うあまり、婉琳の思い人とムリに引き離そうとした
蕙蘭自身が幽鬼になったモノだったことを知り、池に封印。。

ところが誰か、その封印をやぶったものがいて
烏妃を殺そうとしてるんだけど
その背後には、梟と呼ばれる女性がいるみたい。。



何か、また新しい設定みたいなのが出てきたみたい。。

伝説の中には、亀のおはなしも出てきたと思うんだけど
そっちはどうなってるのかな?
{/netabare}
{/netabare}
第十話 仮面の男
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
高峻が珍しく寂しそうな顔をみせた。そのことがどうも気にかかるが、寿雪はその理由を問うことができない。数日後、高峻が幽鬼の取り憑いた面を持って夜明宮に顔を出す。幽鬼は異国渡りの琵琶の音に反応するらしい。その琵琶を高峻が用意することで話がまとまる。話を終えた高峻は帰ろうとするが、寿雪はつい引き止めてしまう。
{/netabare}
感想
{netabare}
幽鬼のとりついた面が、琵琶に執着して死んだ男のものだって分かり
寿雪が楽度に送るおはなしだったけど
それよりも、寿雪と高峻のおはなしになってきてるみたい。。

高峻は、宮廷内の勢力争いに加わらないよう
妃を持っても、子どもを作る気はない、ってゆう感じなのかも?

周りの人たちは、烏妃が実は、冬の王だって知らないから
皇帝の下にいるみたいな扱いだけど
実は、皇帝と同じくらい大事だって知ったらどうなるのかな?
{/netabare}
{/netabare}
第十一話 布石(ふせき)
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
寿雪が星烏廟(せいうびょう)を訪ねると、薛魚泳と高峻が碁を打っていた。寿雪が魚泳と代わり、高峻と勝負をする。碁を終えた後、二人はしばし庭で話をすることにした。その姿を見ていた魚泳は高峻が帰った後、寿雪に忠告をする。情けは愛とは違う。高峻とこれ以上親しくするべきではない。烏妃は何も望んではならないのだから——と。それは寿雪が麗娘から教えられた烏妃としてのあるべき姿だった。
{/netabare}
感想
{netabare}
宮女がのどを食いちぎられて死んだ事件が起きて
寿雪はそれが、以前、宮女に変装して
死んだものを蘇らせてほしいって訪ねてきた鵲巣宮の鵲妃と関係があって
仕えてる封宵月は自分を殺しに来た(梟)なのでは?と疑ってたみたい。。

それで調査に行った温蛍が戻らなくってさがしに行こうとしたら
九九や衣斯哈、高峻まで付き合ってくれて
鵲巣宮の乗り込むと、強い香の香りに交じって、変わった匂いが。。
ってゆうおはなし。。



寿雪は友だちができて自分は弱くなった、って思ってたけど
高峻にも、変に意地を張らなくなったし(囲碁に負けるのは別w)
みんなと仲良くしてる寿雪を見れてよかったし
みんなが協力してくれるから、逆に強くなったと思う。。


封宵月は、死んだ人を生き返らせるとか言って鵲妃に近づいて
人を襲わせ、血を集めてるとかなのかな?

温蛍が生きてるといいけど☆彡
{/netabare}
{/netabare}
第十二話 兄妹(きょうだい)
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
戻らない温螢(おんけい)を探して、寿雪は鵲巣宮に乗り込んだ。そこで寿雪はやつれはてた鵲妃・琴恵瑤(きんけいよう)に会う。大切な兄を亡くした後、長らく床に臥せっていると思われていた恵瑤だったが、彼女は鵲巣宮の中で、あるものと過ごしていた。それは亡くしたはずの兄。髪の毛と泥を使って蘇らせてもらったのだと恵瑤は語る。
{/netabare}
感想
{netabare}
前半は。。

鵲巣宮に鵲妃・琴恵瑤を訪ねた寿雪は、そこで封宵月とすれ違ったけど
恵瑤の方が重大そうなので残って話を聞くと
ただ1人の尊敬する兄が死んで、宵月によみがえらせてもらったって。。

でもそれは、兄の髪の毛を元に作った土人形で
人の血を飲まないと暴れ出すから、恵瑤が自分の血を与えてたんだけど
ある晩、宮女が土人形の兄におそわれて
のどを食いちぎられて死んだことが分かった。。

寿雪はそれがお兄さんじゃなく、ただの土人形だって教えたけど
恵瑶はそれを信じることを拒否して、土人形兄をかばおうとして
自分がのどを食いちぎられて死んだ、ってゆうおはなし。。


こっちは魔術みたいな方法だったけど、科学でもそうだと思う。。

DNAが同じクローンでも、一卵性双生児の兄弟が別人なのといっしょで
どんなに科学が進んで、死んだ人と同じ体や記憶は作れても
元の個体とは全く同じにはならないから
一回死んで、体や記憶が大きく壊れた人は、生き返らないと思う。。

でも、愛する人を失くした人には
取りあえずそんなこと、どうでもいいのかも。。

恵瑶は死んだけど、犯人を作り出したのも
また被害者を出すかもしれないのに、それを隠してたのも
許されない罪だから、悪魔が連れて行ったのかも。。


後半は、封宵月の正体のおはなし。。

正体は、妹の烏漣娘娘(烏)を殺しに来た兄の梟で
本体は世界のはずれの幽宮(カクレノミヤ)にあって
そこから魂か何かを飛ばし、土人形の体を作り憑依してるみたい。。

目的は、初代の烏妃が生身の体に閉じ込めた、罪を犯した烏漣娘娘を
烏妃ごと殺すことで苦しみから救いに来たってゆう感じ。。

そしてこの世界は、罪を犯した者の流刑地・忌島で
本当は幽宮からこの世界に干渉することは禁じられてるんだって。。


前に世界地図みたいなのといっしょに出てきた文が言ってたのは

月燈海に堕ちて双神となりたまふ
一は阴の神二は熒の神
海隅八千夜を分かち
一の神、黝き御舎に幽れたまひ
二の神、月の御舎にて楽をしたまふ

この、一の神ってゆうのが梟で、二の神が烏だったのかな?

それで大龜の神が罪を犯して、バラバラにされてこの世界に流されたけど
その骨が1つになって白亀の神が生まれ、その子孫が皇帝になった
ってゆうことなのかも?


もし宵月の言ってることが本当だったら
彼は悪い人じゃないと思うけど
寿雪が死ぬ時まで、待てないのかな☆彡

今回、あの金色の鳥を使って、宵月の体をこわすことはできたみたいだけど
またすぐに再生できるのかな。。
{/netabare}
{/netabare}
第十三話 想夫香(そうふこう)
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
鵲妃・恵瑤の迎えた悲劇は寿雪、高峻の胸に重く残っていた。その一件から数日後、高峻の命で調べを進めていた衛青は、封宵月(ほうしょうげつ)を後宮に招き入れた協力者が宮廷内にいることを突き止めた。衛青は温螢、淡海(たんかい)とともにその者を追うが、一足違いで逃げられてしまう。同じ頃、ある人物が夜明宮を訪ねてきた。寿雪は驚く。その人物は重大な禁忌を犯していた。
{/netabare}
感想
{netabare}
宵月を後宮に招き入れたのは冬官の薛魚泳だと分かって
その頃魚泳は寿雪のところに行き、先代の烏妃・麗娘の話をしてた。。

魚泳が自分のことを殺しに来たのが分かって
寿雪は死ぬ覚悟をしたとき、高峻たちが助けに来てくれた。。

魚泳は麗娘の幼なじみで、夜明宮に連れて行かれた彼女を追って冬官になって
一人で暮らす麗娘のさびしさを案じてたんだけど、新しく烏妃になった寿雪が
たくさんの人たちに囲まれて楽しそうなのを見て、嫉妬してたのか
烏妃を殺そうとする宵月に共感して、後宮に引き入れたみたい。。

でも高峻が、麗娘には寿雪がいたことを話し
魚泳が殺そうとしたのは、麗娘が娘の様に思ってた寿雪だって話すと
自分が間違ってたことに気がついた様で、そのまま隠居することになった。。


そして寿雪は、眠れない高峻に添い寝をしたみたいだけど
それは、人と人がおたがいを思い合う、恋愛を超えた関係で
次の日、寿雪は恵瑤の親に手紙を書いた。。

高峻自ら香を焚き、恵瑶をとむらっていることを伝えると
恵瑤の父が高峻にお礼に来て、寿雪からの手紙で高峻の思いを知って
寿雪と高峻のやさしさを知ったことを話し
恵瑤の父が恨んでることを気にしてた高峻は、涙を流した。。

寿雪は雲花娘のところに遊びに行き、雲花娘を姉の様に感じ
自分が高峻の救いになれるか相談したり。。



最後は、海と烏と寿雪と高峻が出てきたけど
何だかよく分からないおはなしだった。。

寿雪と高峻が手を取り合ってたけど
高峻の、アザが付いた傷跡あたりから
梟みたいな羽が出てたのが気になった。。

2期があるなら、烏が寿雪から自由になって
寿雪も烏から自由になったりするのかな。。
{/netabare}
{/netabare}


見おわって。。


中国の歴史風、王宮ファンタジーってゆう感じで
心霊的な力を持ってて、夜伽をしない妃・烏妃と
王宮内の陰謀をやぶり皇帝になったばかりの高峻が出会い、共感していって
皇帝と烏妃と世界の謎を知っていく、ってゆうミステリアスなおはなし。。


王宮ラブロマンスみたいな雰囲気だったけど、霊的でグロいおはなしも多く
ラブってゆうより、自分たちに関わってくる伝説の謎が分かってきたり
人と人との気持ちが通じ合う、感動のはなしがあったりで
1話ごとの構成はシンプルだったけど、飽きずに見れるおはなしだった。。


ただ、日本語の漢字読みだったり、中国語っぽい読み方が混ざって
名前が分かりにくくって、小説や漫画だといいと思うんだけど
アニメだと分かりにくいから
もうちょっと何とかならなかったのかな?って。。


原作は終わってるみたいだけど謎はまだ残ってて
これからが気になるから、2期があったら見ると思う☆彡






.

投稿 : 2022/12/27
閲覧 : 312
サンキュー:

38

ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

思っていたよりも骨太で面白いストーリー。烏妃が魅力的です。

 思っていたよりもスケールの大きな話で骨太な印象です。今のところラブ要素もありますが、むしろヒロイン寿雪の正体・烏妃の来歴についてが本筋となっていました。
 
 単話の出来栄えも1話完結として良くできています。その中にところどころある伏線も興味を引きました。
 なんちゃって中華もので時代も判然としません。史実に基づいていないでしょうが、中華風異世界の舞台設定だと思えば特に問題がない感じです。過去から続く王朝の歴史感はちゃんと出せていました。

 一番困ったのが、中華風の名前が頭に入らないこと。それと男のキャラの輪郭がみんな一緒で同じ顔に見えるのが辛かった。傷がある彼だけなんとか区別がつきました。女性は結構違いがありましたけど。
「しょうげつ」というのが、重要キャラなのに13話で誰だっけ?となって困りました。もちろん確認はしましたけど。

 キャラはもちろん寿雪つまり烏妃萌えですが、それ以外は逆に言えば魅力に乏しい印象です。

 烏とフクロウの対立、烏妃としての香薔以来の落とし前、夏と冬としての運命、そして恋愛とこの辺が今後の展開になるんでしょうけど、それを見せてもらわないと価値が半減するかなあ。話としてちゃんとしているだけに、ここで切るのはいかがなものかと。

 思っていたより全然面白いし、雰囲気はステレオタイプの少女マンガ的ではありますが、見た目と冒頭の導入の印象に反してちゃんとしたストーリー展開なので、是非2期を早々にお願いしたいところ。

 あと、作画なあ。烏妃と雲花娘の止め画はかなり美しいですが、動くとなあ。平服のデザインとかもあまりゴージャスじゃないし。その辺を2期作るとしたら頑張ってほしいかなあ。


 総評すると、話は想像よりも全然面白かったし、恋愛頼りでもないし、大きな時間の流れも感じられるスケールが大きな話でした。作画頑張ってください。キャラは男性キャラの性格付けと書き分けをお願いします。

 評価は尻切れトンボでなければ、ストーリー・キャラは4.5くらいでも良かったかも。




以下 4話までのレビューです。

{netabare}  いろいろそれっぽい言葉は使ってますけど、中華版異世界という感じであまりリアリティは感じません。舞台設定なので構いませんが、中華物だと思ってみると混乱すると思います。
 中国の皇帝的設定ですが、実際は「王子様」ものですね。後宮なのに夜伽免除という性愛の排除と合わせて、ご都合設定なのが非常に少女マンガ的です。
 キャラデザからも制作者側は少女マンガとして扱っていると思います。ヒロインの衣装は華やかですが、モブの衣装、普段着が適当ですし、背景がペラペラなのも同様です。
 少女マンガ的というのは、人物に焦点があたって、結果的に恋愛ものになるであろうという意味ですので、それを楽しむならいいと思います。思いますが、下手をすると浅薄な作品になる可能性があります。

 話としては、4話までから判断して類似例だと「薬屋のひとりごと」でしょうか。身分と能力、雰囲気的には「図書館の魔女」(映像化はされていない)を思い出しますがあそこまで重厚な造り込みではないです。後宮ものとしては「後宮小説」をアニメ化した「雲のように風のように」がありますがあれは疑似歴史ものとしてはかなり物語性がありました。

 本作は今のところ単話完結っぽいですね。ですが、過去の因縁が設定にあるので、上に挙げた作品の要素ミックスされて、独自性のあるものとして換骨奪胎して展開・完結できるかが面白さの分かれめでしょう。小説は完結しているみたいなので上手く構成されていると良いのですが。{/netabare}

投稿 : 2022/12/27
閲覧 : 297
サンキュー:

17

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

女性向けですがヒロインが可愛いし内容も興味深い。見れば楽しめそうです。

女性向けですね。
でも、女性向けといっても内容がちゃんとしていて、男性が見ても楽しめる作品というのはいくらでもあります。
本作はそのように思います。

条件はまあいろいろあると思いますが
(1)内容が普通に面白い
(2)ヒロインが男ウケもする可愛さ
(3)ヒーローが男も惚れる格好良さ

などを満たしていれば男が見ても楽しめると思います。
本作は(1)(2)がいい感じなのでは。男はどうでしょうね。今のところただのお人好しな感じですが、今後格好いいと思わせてくれるでしょうか。
とはいえ別に全部満たしている必要はないです。BANANA FISHとか(2)は満たしてな…くもないか。でも(1)(3)がずば抜けてますからね。

ヒロインが儚げな素敵な容姿をしていて美しく、かつお茶目なところもあったりして可愛いです。
正体からは複雑な事情もありそうで興味を惹かれますね。

内容も王宮の陰謀劇という感じでお坊ちゃんな王様がどうなっていくのか気になりますね。
というわけで普通にクオリティは高く興味は惹かれました。

ただガッツリ男向けに楽しいかと言われると、そういうわけでもないので優先順位はやや低く。でも割りと高めにおいておいて、なるべくなら見たいです。

全話感想 3.6
たまには女性向けも見るか、と見てみました。なかなかおもしろかったです。
ただ基本的には宮廷内で霊が引き起こす事件をヒロインが解決していくという流れですね。
その中でほのかにヒロインと王様の恋模様が混じっているという感じ。

私は何となく見ましたが、決して男性にもおすすめの面白さ、という程ではないです。

まあどうでもいいですが、登場する男性キャラの殆どは宦官です。
…こいつら、ついてないのか… というのが気になってしまいましたね。
ちょっと、男からすると宦官という存在にはひゅっとする。
そういう面も、新鮮な面白さではありましたね。

投稿 : 2022/12/26
閲覧 : 192
サンキュー:

7

nyamu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

見続けると味わい深い

中国っぽい後宮が舞台の、夜伽をしない妃(烏妃)と皇帝のお話。おそらく思春期少女向けのお話なのでお爺たちの血みどろ政治劇はなく、後宮ゆえに繰り広げられる愛憎劇が主体。主人公が巫術の力を使って問題を解決していく展開が序盤では繰り返される。

人と関わらないように生きてきた主人公(烏妃)の周りに侍女や王子様(皇帝)、宦官など登場人物が集まりいつしか賑やかな感じに。当然の事ながら女性は皆美人だし男性は皆イケメンだ。

皇帝は「友になりたい」などと言って近づき、主人公もそのまま受け止めている(ように見える)が、視聴者側は「もう付き合っちゃえよお前ら」と思いつつ焦れったく見守るというところも含めて王道展開。

背景や美術はいわゆる後宮のイメージ通りと言った感じだが過去話の時にはちょっと違うアニメチックなところに工夫を感じた。表紙か挿絵がそのまま動いているかのようなキャラデザインで絵が崩れることはなく、声などに違和感が無ければ幸せなアニメ化の部類に入ると思う。
特に1話のクオリティは高くめちゃくちゃ綺麗。

劇伴含めた音楽もいい感じでOP、ED共に好きでしたが特にEDは映像も含めて原作の世界観をよく表しているのではないかと思う。(原作未読の勝手な想像です)

難点は出てくる物、場所の名称や役職名、人物名が漢字の音読み主体のため聞いていてよく分からないこと。出てくる度に2、3秒ほど漢字表記を出してくれれは物語の理解の手助けになるのだが。

後半で烏妃の謎に関わる人物が出てきて、話はこれからというところで終わるため続きが今後作られれば見たいかも。

投稿 : 2022/12/25
閲覧 : 112
サンキュー:

16

ネタバレ

Bハウス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

正統派乙女系宮廷劇

「虫かぶり姫」はなろうだが
こちらは集英社オレンジ文庫で4年間刊行された小説

中国の宮廷劇をベースにした
烏姫と呼ばれる寿雪の成り立ちと
怪異絡みの謎解きが展開されていく

今回脚本家は実写メインで活躍されていて
名作「1リットルの涙」を書いていた方なんだとか

中国で製作されている実写の宮廷劇の雰囲気を
アニメにうまく落とし込んでいる

ただこの世界観は単調に見えやすいので
好き嫌いによって評価が変わるかな

寿雪は先代の烏姫に幼い時に引き取られ
自らの後を託された際に使命を伝えられる

それが誰とも人と交わらず
住まいである夜明宮で過ごすこと

高俊は寿雪を解放できないかとするも
彼女の中に住う烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)が現れ
強く抵抗する

そこで高俊はせめて友にならないかと話し
夜伽をしない二人はパートナーとして絆を強めていく

これがきっかけで寿雪の周りに
宦官や侍女が集まるようになってくる中で

兄である封宵月が人間を取り込む
烏漣娘娘を殺すため寿雪の命も狙う

長台詞で烏姫と皇帝の関係について話すし
謎解き話も間に入る分本題がぼやけやすい

身体的影響が出ているという台詞が出ていたので
謎解きで力を使うたびに苦しむシーンが入っていたら
本筋に上手く繋げていたのになと

こちらも初主演となる寿雪役水野遡さん
公妃という立場があるのでトーンを低くしていた

怪異ものの謎解きなんで
見ている側は勝手に虚構推理の鬼頭明里さんと
ダブらせるのは捻くれおじさんの悪い癖w

ちなみに皇帝役は龍園やっていた人なんだね

ずっと小野Dだと思っていたから
杉田との絡みは「キョンと小泉の再会だ」と
勝手に感動しちまったじゃないの

OPの女王蜂はこの世界観をダイレクトに表現していたし
作画もクオリティー高いと思うけど

癖が強いのでこの作品見る前に
中国か韓国の実写宮廷劇を見てからの方が
世界観を受け入れやすいかと思います

投稿 : 2022/12/25
閲覧 : 145
サンキュー:

7

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

中国風のとっても美しいアニメ

キャラデザインがとっても独特。
映像が素晴らしい。そしてとても綺麗。
ついでにお話しも綺麗。
中国名がとっつきにくいが、それ以外は完璧ではないか。

超能力を持った後宮の姫。
主に幽霊を成仏させる話なのだが、
帝とともに宮中の様々な事件解決にあたる。
現代に置き換えたら、バディの刑事ものみたいだ。
成仏できない幽霊の裏には、様々な人間模様が渦巻いている。
そんな人間たちの業を見ながら、
成長し、お互いの心を通わせる二人がほほえましい。

時代的にいつの設定か分からないけれども、
身分や社会制度が厳しそう。
娘々(にゃんにゃん)の次女をしている九九(じうじう)を見てると、
そんな中でも懸命に生きる人々の逞しさみたいなものも感じるなあ。

投稿 : 2022/12/25
閲覧 : 113
サンキュー:

11

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ミステエエエエエエエエエエエエエエエエエエリアス

後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。 その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。 彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという――。

後宮内に居座る特別な妃、「寿雪」を主人公に据え、後宮内の謎をその術で解き明かす一種の推理物といってもいいでしょう。何よりも音楽が素晴らしい。女王蜂が手掛けるクセになるOP楽曲から始まり、後宮を繊細に表現した劇伴が作品の美しさを表現しています。そしてkrage手掛けるED楽曲が余韻に浸らせてくれます。

投稿 : 2022/12/22
閲覧 : 114
サンキュー:

10

ネタバレ

シン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 1.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

演技が微妙…

原作を読んでいてアニメ化を楽しみにしておりましたが、途中で断念。

理由は主演2人の演技

棒と言うわけではないけど、2人の微妙な距離感や繊細な会話の機微が伝わってこなくてただセリフをキャッチボールしてるだけの印象で原作では素敵だなと思った場面があまり響きませんでした。

密回避で一緒に収録する機会が減ったことの弊害でしょうか?

そう感じたのは私だけかも知れませんが、少なくとも私にはあいませんでした。

投稿 : 2022/11/08
閲覧 : 275
サンキュー:

4

やいろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:今観てる

詳細な世界観

中華風ファンタジー的な世界で、その歴史を烏妃という存在から読み解くことができる。中華テイストのため、固有名詞などを中国語の読み方で話します。漢字とセットだと理解しやすいので物語中に書物などに書いてあるのをさりげなく映すくらいしたらより物語の理解が進むのではと思いました。

投稿 : 2022/11/06
閲覧 : 141
サンキュー:

6

もけもけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:----

今のところ今期で1番好きです

元々女性向けなのかな?と思いますが、作画が綺麗でいいですね。
設定もファンタジーとして違和感無く見られます。
物語全体の大きな流れが少しずつ進みながら、毎回のテーマはしっかりと解決していくので、1話ごとにすっきりとキリよく見られるのがいいですね。

投稿 : 2022/10/31
閲覧 : 177
サンキュー:

6

むす さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:途中で断念した

OPがキモい

女性向けということもあるのかOPが陶酔仕切った気持ち悪い歌い方。op切り

投稿 : 2022/10/09
閲覧 : 156
サンキュー:

2

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

こーきゅう<50>

1話視聴。
女性向けではわりとド定番な中華風後宮モノ。
孤立した冷たい感じ(解凍前提)のキャラは普通男の方だけど、これは女性側がそーなんやね。
髪の生え際をぼかしで処理して線数を節約してた。

アニメではあんまないジャンルだととりあえず観てみようかとなるけど、今期は続編や期待の原作の作品が多くて、初回に強烈なヒキもなく漫画だと結構このジャンル読んでるしなぁ、ってことで視聴継続は怪しめ。

投稿 : 2022/10/09
閲覧 : 182
サンキュー:

3

sukasuka さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:今観てる

見入ってしまった第1話

こういうタイプの深夜アニメは久しぶりな気がする。
少々駆け足気味っぽい部分はあるけど、初回の掴みは文句無し。
とりあえず期待しとこう。

投稿 : 2022/10/02
閲覧 : 160
サンキュー:

3

アーロン・アフラロ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2025/02/10
閲覧 : 0

enotake さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2025/02/02
閲覧 : 1

Pyon さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/06
閲覧 : 6

アニメガタリ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/10/14
閲覧 : 5

ゆた さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:途中で断念した

投稿 : 2024/10/05
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後宮の烏のストーリー・あらすじ

孤独な烏妃の知られざる正体とは━━ シリーズ累計発行部数100万部を突破。原作・白川紺子が描く中華幻想譚、ここに開幕。 後宮の奥深くに住んでいる、妃でありながら夜伽をしない特別な妃・烏妃(うひ)。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。 烏妃の名前は寿雪(じゅせつ)。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという。 時の皇帝・高峻(こうしゅん)は、ある依頼のため寿雪の元を訪れる。二人の巡り合わせは、歴史をも覆す「秘密」を暴くことになる……。
(TVアニメ動画『後宮の烏』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2022年秋アニメ

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