テナ さんの感想・評価
3.3
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
後1歩が足りない……良い話止まりの作品
人を幸せにする為に造られたオートマタ達の物語です。
初期化されたオートマタ、灰桜
彼女はオートマタ達が働く喫茶黒猫亭で働く事になります。
その中で沢山のオートマタや人に出会っていく。
基本的には1話完結型のアニメですが、基本全話、良い話で少し感動します。
ただ、話が短いので感動作とまでの深い感情移入は出来ないかもしれません。
しかし、詰まらないとか飽きるとか、そう言うのは少ないのではないでしょうか?
灰桜は、1人の女の子チヨに出会う。
女の子は夕霧と言うオートマタを姉の様に接していた。
だから、灰桜は彼女に会わせようと考え見つけ出すが、夕霧は故障してました。
しかし、奇跡が起きます。
灰桜が夕霧にチヨの話をすると奇跡的に起動したのです。
しかし、起動した夕霧は記憶がなかった。
それでも夕霧は姉として振る舞う。
だから、夕霧はチアと離れる決意をする。
チアは泣きます「1人になるのは嫌だ」と……当然です。
彼女には家族は居なくて、家族と呼べるのは夕霧だけなのだから、最後の家族と呼べる人にまで離られたらホントに1人に……
だから、それでも一緒にいて欲しいです。
事実を知ればショックを受けるとは思います。でも、多分チヨも解ってくれるでしょう。
何故なら、いつの日か必ず一緒に居てくれた事が嬉しくなると思うからです。
でも、夕霧の立場になると……
やっぱり、嘘はつけないと思います。
バレてしまうから……いいぇ、その子が大切だからこそです。
彼女は記憶を無くしてるけど泣いてました。
記憶を無くしても刻まれた物はしっかりあるからこそ嘘はつけない……つきたくないのです。
だから、彼女はチアと別れ眠りにつく事を選ぶのだと思いました。
箒星の話
彼女は声は出ません。
彼女が声を出せない理由があります。
彼女は戦場の歌姫で戦場へ行く兵士達へ歌を歌って欲しいと頼まれた。
生きては帰れない戦場へ行く勇気を与える為に……
しかし、彼女は途中で泣いてしまい歌えなくなってしまう。
戦場で生きる為に少しでも勇気を贈れればと思い歌ってきたした。
しかし、生きては帰れない戦場へ送り出す歌になる……彼女は思ってしまう……自分はホントは死ぬ為の勇気を与える為に歌ってしまってきたのではないかと……
戦場で生き残れないから歌ってくれなんて言われたら多分悲しいと思う。
勿論死ぬ為じゃないのは解っては居ても結果そうなるとしたら……
そんな風に言われたら泣いちゃうし歌えなくもなるよなぁ〜って……
彼女のいた部隊、第525連隊は全滅してました。
遺品が国に戻ってきた時に箒星に兵士から当てた手紙が入っていました。
そこで、彼らがどれだけ彼女の歌や存在に助けられたかが綴られてました。
そうして、よやく彼女は歌を歌えるようになる。
その歌を遺族会で披露する。
生きるために勇気をだして戦い続けた兵士達へ
……兵士達の親族が兵士であった家族が戦場で聞いていた歌を届ける為に。
烏羽の話
彼女の足は負担が掛かっていた。
灰桜はそれを直そうと言うけど……彼女はそれに怒ってしまう。
理由はマスターが彼女が負傷した時にパーツを必至に探し出して集めてくれた物だから。
その気持ちが嬉しかった。
誰かに貰った物って捨てられなかったりしませんか?
家族や友達がくれたものとかプレゼントとか、多分彼女にとって身体がまさにそれなんでしょうね。
そんな時にマスターがピンチに陥る。
彼女はマスターのピンチを知るも動けないでいました。
何故なら、彼女は黒猫亭のイベントの歌の披露の日でありマスターの命令は歌披露の方が優先との事だったから……
でも、灰桜は彼女の本気の気持ちを聞き出し烏羽は助けに向かう。
彼女は壊れそうな足を全力でアスファルトを蹴り走る。
戦いの後、マスターは身体を交換しようと提案します。
それでも、彼女は今の身体のままがいいと言います。
それが彼女に取っての誇りだからと。
贈り物ってさ。
物ってだけじゃなくて、沢山の気持ちや想いの詰まった心なんだと思います。
贈られた人はやっぱりそうしたものが、嬉しいから中々手放せないのかなって。
物よりも、その気持ちを。
敵国のスパイオートマタ、レイチェル
初期化し記憶をリセットした彼女は黒猫亭で働くも実は記憶は残っていた。
そこで、教育係に選ばれた灰桜はその事実を知ってしまう。
どうしたらいいか悩むけど、灰桜は自分の任務である教育係を真っ当する。
彼女は元々敵国のスパイですが、既に戦争は終了している。
それでも彼女の貰った命令は「戦争は終戦している。直ちに玉砕せよ」だった。
命令に従うレイチェル……
それを止めにきた灰桜
灰桜は最後までレイチェルの記憶がある事を密告しなかった。
それは多分……レイチェルが危害を加える事はしないと思ったのだと思います。
だからこそ、彼女は見守り続けたし、最後は助けようとしたのかな?って。
後、マスターは全て解ってたんだろうなぁw
そうして、彼女は本当の意味で新しく黒猫亭のメンバーとして働く事になる。
灰桜は随分とレイチェルに気に入られましたねw
月華の話
月華は歌う事をしなかった。
でも、実は前々から少し歌う事に興味があったけど、彼女は人前で歌うのが出来ないと……
しかし、1人で歌っていると2人の夫婦のご老人に聞かれてしまう。
そのご老人から黒猫亭に訪れてその時に、別日に夕飯に招待され亡くなった娘の話を聞く。
それからも老夫婦は月華と一緒に過ごしていく。
月華の歌を聞きたい!それが老夫婦の願いであった。
老夫婦の為に歌を歌う事を決意する。
披露の日……老夫婦の正体が明らかになる……
夫婦は手配犯だった。
でも、後に老夫婦の持ち物を確認した時に、老夫婦が話した事や気持ちに嘘はなかった事を知り、老夫婦は月華を利用したけど気持ちは本物だった。
この話は辛いですよね。
全てが悪意ならまだ全てを恨めるのに、その中に悪意以外の本物の気持ちもあると、少し恨みにくいよなぁ〜って。
マスターナギの行方不明
烏羽と灰桜はマスターを探しにいく旅に出ます。
烏羽は質屋でマスターの持ち物を見つけるのですが……情報を教えて貰えずにいました。
そこで彼女は土下座をして情報を貰おうとします。
土下座……
土下座なんてドラマやアニメしか見た事がありませんw
普通に土下座するって多分、余程自分が追い込まれる状態なのかな?と思います。
でも、烏羽はマスターの為に土下座をする。
土下座って極力したくないですよね。
やっぱりプライドとかもあるじゃないですか?
それでも、烏羽はマスターの為に彼を助けたくて土下座します。
誰かの為に頭を下げられる人は本当に、その人が大切なんだなぁ〜と思うし、そこまで大切に想ってくれる人がいるのはいいですよね。
そして、烏羽はマスターを助けに行くのですが、マスターを助けた後に灰桜が捕まります。
マスターは怪我をしてしまうのてすが、自分より灰桜を助けて欲しいと烏羽に話します。
マスターは、灰桜達はオートマタだけど、しっかり家族として考えています。
だから、黒猫亭に帰るのなら家族揃ってないと意味が無くなる。
何故、オートマタ達がマスターを慕うのか……それは、マスターだからではなく、マスターがそう言う思いやりを持てる人だからなんだと感じられた物語でした。
灰神楽が登場。
駅で出会ったオートマタで黒猫亭でお手伝いをすることになります。
そして、灰桜の妹分のようになるのですが、灰神楽にも秘密があるみたいで……
マスターナギが帰還すると店が燃えて無くなってました。
そうして、ナギは灰神楽の元へ向かいます。
そして、灰神楽は、菊花と言うオートマタでナギが昔一緒にいたオートマタの1人でした。
彼女はまだ戦争に囚われてました。
既に終戦した世界で彼女は言います。
「ナギ、戦争はまだ終わってないよ」と……
そこで、彼女はイベントである博覧会大ステージで歌を歌うのですが、歌に乗せて複数のオートマタを操作する為に強制リンクを使います。
そうして、町はパニックに逃げる途中に黒猫亭の仲間と逸れてしまう。
そこで、明かされた灰桜の正体。
桜花と菊花の心が宿った存在……灰桜
桜花は優しかった。
彼女は戦争に駆り出されたけど……本当は戦争なんてしたくなかった。
だから、自分が犠牲になっても戦争を終わらせられるならと彼女は思っていた。
菊花は「バカな人間がいるから戦争が起きる、だから肺にしてロボットが幸せになれる世界を作る」と言う。
そうして戦争を終わらせると……
灰桜は桜花が楽しかった日々を知ってました。
戦争が起きる前のオートマタと人間……桜花と菊花とナギで過ごした時間……ただ、その平和を取り戻したくて戦争を終わらせたかった。
終戦した世界で人間を滅ぼし戦争を終わらせる為に戦争を仕掛ける菊花のやり方では桜花が報われない……だから桜花の心を知る灰桜は菊花をいゃ、灰神楽を止める為に動き出します。
桜花と灰桜、そして菊花、やり方は違えど……戦争を終わらせようとする気持ちは同じなんですよね。
この場合は……菊花が悪に見えます。
終戦してるのに再び戦争を起こす虚しさ。
しかし、彼女に寄り添うと……
「バカな人間がいるからいるから戦争が起きる」
と言います。
そもそもオートマタは戦争なんて望んではいません。
人間が争うからオートマタが戦争に駆り出されるのです。
それで、オートマタにも桜花の様な犠牲が出る。 ……オートマタからすればトバッチリです。
だから、菊花は人を滅ぼそうとする。
でも、それじゃ菊花もバカな人間と同じです。
そもそも戦争を無くそうと言う言葉があります。
それは正しい意見ではありますが、無くすのは戦争ではなく火種です。
戦争はよくないものと思っていました。
しかし、私はある時期に「1番後ろの大魔王」と言うアニメのセリフを聞いて少し考えが変わりました。
「戦争のない世界は虐殺しかない世界」と言うセリフです。
戦争とは何故起きるのか、領土問題や食料問題や様々な理由があります。
例えば、A国がB国の国民にテロを仕掛けたとします。
B国が反撃すれば戦争が起きるし、B国が反撃しなければB国は虐殺され続ける。
はたして、B国はどうするべきでしょうか?
この場合は前者だと思います。
つまり反撃する事で戦争が始まります。
言い方変えれば戦争は防衛行為とも取れます。
つまり悪いのは戦争ではなく、悪意です!
人が他者や他国から何かを奪おうとする事がそもそも間違えです。
理由はどうであり、攻撃を仕掛けて何かを奪おうとか自分が思い通りにしたいからとか、そうした理由で攻撃しようとか争おうとか、そう言う事が間違えです。
本当に無くすべき事はそうした悪意であり火種です。
何かを奪おうとか、攻撃してやろうとか、そうした悪意や火種の数々が無ければ、そもそも戦争なんてしなくていい世界になるんです。
だから、菊花の言う事は解る。
解るけど、人間を灰にしようなんて悪意を火種にすると……再び世界は戦争を巻き起こす。
それでは、菊花が許せないバカな人間と同じにる。
桜花は戦争で幸せな日々を失った。
世界が平和になってるのにその平和をぶち壊してまで戦争を起こしたら桜花はきっと悲しむ……
だって、桜花が望んだ平和はオートマタだけの世界じゃない!
ナギ達人間とオートマタが一緒にいる世界なのだから!
戦いの最中…灰神楽は負荷が掛かり苦しんでしまう。
そうして、灰桜もまた無理を押して戦争を止めようとする。
でも、それは1人では難しくて……
そんな時に助けに来てくれたのは黒猫亭の仲間たちでした。
彼女達の歌でオートマタの暴走は止まる。
戦争は止まったのです。
しかし、負荷がかかったのか……
彼女は機能停止をする。
その時に、燃料切れになった仲間を見て別れの様な言葉を口にしてます。
その言葉の意味は……
目覚めた灰桜は記憶を失ってしまった。
多分、そうなる事を全て知ってた。
だから、今の自分が居なくなる前にその言葉を伝えた。
そうして、彼女の書いてきた日記を手渡され自分の記憶を探します。
彼女は後遺症として覚えても直ぐに忘れてしまう。
灰桜は記憶を思い出せない事に悩んでしまう……忘れたくないと……
灰桜は自分を初期化してそれを治す決意をします。
しかし、今覚えてる少しの唯一の仲間の名前すら忘れてしまう。
何故、彼女が初期化を選んだのか……
これから起きる事も忘れてしまう……
楽しい事も、大変な事も、当たり前の日常も……
でも、これから経験する事を忘れない為に覚えておく為に彼女は初期化を選んだのだとおもいます。
灰神楽は…… 封印になりました。
あれだけの事をしたわけですからね……
でも、灰神楽は何故あんな事をしたのか……
それは桜花……お姉さんの為なんですよね。
だから、彼女の「最後にお姉ちゃん(桜花(灰桜))に会いたいな」ってセリフには少し心に来ますね。
さて、この作品は冒頭で書いたけど良い話です。
keyが原作だから、その辺は間違いないですが、話が短くてやっぱり感動までは行かないですね(*꒪꒫꒪)
でも、いい話ではあります。
元々がこんな感じなのかな?
もしも、原作が……keyだからゲームかな?あるとしたらカットした部分あるなら2クールくらいで細かくした方が涙を流せたかもですね。
少し展開が早すぎな気がしました。
しかし、やはり良い話であるのは間違えないですw
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