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「バブル(アニメ映画)」

総合得点
67.9
感想・評価
83
棚に入れた
281
ランキング
2289
★★★★☆ 3.6 (83)
物語
3.1
作画
4.4
声優
3.3
音楽
3.8
キャラ
3.4

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バブルの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

うた∽かた

【概要】

アニメーション制作:WIT STUDIO
2022年4月28日にNetflixで先行配信を開始し、
2022年5月13日に公開された100分間の劇場版アニメ。

監督は、荒木哲郎。

【あらすじ】

未知の力を有した泡が降り注ぐようになって世界中が大混乱。
東京タワーで謎の大爆発があり、爆心地である東京は巨大な泡のドームに包まれた。
それ以降は世界各地で泡の現象が収まったが、東京中心部でのみ泡が止まること無く、
積もった泡が潰れて水没して、泡の影響の重力異常で事故死が多発した東京は首都機能を失った。
東京に住んでいた人々は各地に散り、東京23区は居住禁止区域に指定された。

そんななか、泡による災害で親を失った孤児たちが、東京で徒党を組んで暮らしていた。
孤児である若者たちは、食料品などの生活物資を賭けの対象にして、
5対5のチーム戦で廃墟を駆けて相手陣営の旗を奪う、
パルクール(=東京バトルクール)で競うようになっていた。

東京タワーでの爆発事故から5年後。渋谷のパルクールのチームであるブルーブレイズのエース、
ヒビキという少年は鋭すぎる聴覚であることから、人間が苦手で仲間とも距離を置いていた。

そのヒビキが、ぼろぼろになった東京タワーから聴こえる歌声の正体が気になって、
タワーを探索していたところ、アリ地獄と呼ばれる重力異常の渦に引っ張られて、
水面上昇している海に落下して飲み込まれた。

水中で意識が遠くなっていたところを人魚のような謎の少女に助けられたヒビキは、
彼女を連れて仲間たちと一緒に暮らしている「令洋」という廃棄船に戻るのだった。

【感想】

人魚姫をモチーフにしたSF作品。

「デスノート」「進撃の巨人」の荒木哲郎監督。
「魔法少女まどか☆マギカ」が代表作の虚淵玄氏らによる、ニトロプラスのシナリオ。
キャラ原案は「ヒカルの碁」「デスノート」「バクマン」などで有名な漫画家の小畑健氏。
数々のドラマやアニメで知られる作曲家の澤野弘之氏。
京アニ出身で退社後のキャリアのほうが長いアニメーターの門脇聡氏が作画のトップ。
他にも川村元気氏が企画とプロデュースの担当であったり、
「響け!ユーフォニアム」の原作者の武田綾乃さんがノベライズ担当であったり、
必勝の布陣でクオリティにこだわって作られたアニメ映画らしいです。

キラキラしていて好き嫌いが分かれるでしょうけど間違いなく映像は美しく、
廃墟と化した水浸しの都心に瓦礫や廃車が浮遊している幻想的な風景。
そこに「進撃の巨人」「甲鉄城のカバネリ」でも見せた立体的なカメラワークが激しく動く、
パルクールのアクションシーンは流石と言えるでしょう。
もっとも、設定ありきで東京を壊滅状態にして少年たちの遊び場にしているのは疑問ですが…。

一方でこのアニメは説明不足過ぎるであるとして、あまり評判が良くはないですね。
他の方のレビューを拝読して知ったのですが、
小説などで開示してある泡(バブル)のSF設定であるとか、
それに基づく物語の流れの捕捉をせずに、アニメでは敢えて全部説明をせずに、
表情やキャラの雰囲気でヒビキとウタの気持ちを含めた概ねの内容を観客に察して欲しいという、
ボーイ・ミーツ・ガールものになってしまいました。このあたりは川村元気氏の入れ知恵で、
新海誠的なアニメづくりを志向したのでしょうか?いつもの虚淵脚本ではないですね。

この場合はキャラの内面を理解して共感するのが重要であると私は思うのですが、
主人公とヒロインの声優が経験が浅かったり初挑戦だったりで、演技力がイマイチ。
コミュ障な主人公のヒビキくんが心の壁を取り払う成長?の話がありきたり過ぎますし、
ヒロインのウタも声は綺麗なのですが彼女の自己投影の人魚姫のあらすじを口ずさむばかりで、
拙くても自分の言葉で自分の気持ちを伝える話が好きな自分としては、
演技の問題もあって、それぞれのキャラクターに魅力が感じられなかったりです。
小畑健氏らしくバクマンの福田に良く似たキャラがいたのは笑いましたけどね。

最近のアニメの流行りのスタイルを踏襲して、一部のマニアだけを対象にせずに、
普通の若者を取り込むべくして『考えるな!感じろ!!』的な作りのアニメですが、
クリエイターの頭の中にある作品の全体図から映像で見せた部分が氷山の一角であり、
視聴者に感受性のセンサーを全開にして説明してない部分を察することを強いてしまったのか、
その手法のアニメは他にもありますが、このアニメの場合は特に説明が不十分であったのか、
映像の中で設定を消化しきれずに意味不明に感じられた視聴者が多数派になってしまいました。
魅せたいシーンありきで構成の客観性を欠いたのは、
「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の二番煎じを狙って意味不明な脚本で失敗をした、
「うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー」みたいなものでしょうか。

理解を阻む不親切なシナリオが、情報の集合体として作品を食ってる類のアニメマニアに納得されず、
袋叩きに遭ってしまったと思っています。と言いつつも、
感覚派の自分は視聴中に何度も寝てしまいまして、映像には作品としての美点はあるものの、
楽しかった!もしくは感動したとは素直には言いづらいですね。

有名なクリエイターを集めて、きれいな作画と大ヒット前提の広告戦略でも、
必ずしもヒットするとは限らず、また、「バブル」と違い人気が出た作品は、
それぞれに作画だけではないプラスアルファがあるわけでして、
どんな作品でも評価に毀誉褒貶があるのが常ですが、そうはならなかった「バブル」は、
個人の価値観に依存した評価の偏りと統計的な価値のある一般的な評判との乖離が小さい現実に、
ドリームチームで作っても必ずしもいい結果で終わるとは限らない創作活動の難しさを感じました。


あまり内容について細かい言及が出来ていませんが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2023/08/01
閲覧 : 144
サンキュー:

17

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

うーん絵が綺麗。。くらいかな

んーまたなにか障害がある人か。。
まるきり健常な人というのは少ないとは思いますが
なにか最近こういう作品見るとなにかしら主人公がそういうのがあって。。ってのが多いなぁ

もちろん差別とかではなく
製作陣はそういうテーマがないと作品を作る上でダメなのかなぁと。

絵が綺麗でしたが
古典的なボーイミーツガールで
謎少女は物語のキーで
救ったら消えてしまう
古典的な展開

パルクールを設定に取り入れたのは良かったです。
しかし身内が攫われたとはいえ、なんか展開に起伏がなく
飽きる。
身内が攫われたけど普通に競技をしてた気がして、これはやりすぎYouTuberを揶揄してるのかな
パルクールも泡の上を渡ってるの?それだともう身体能力が凄いのか異能力なのかなんかよくわからなく。

パルクールの動きを取り入れたのなら反則スレスレでバトルしたり
そのむかつく敵が最後主人公達を助けるために犠牲にとかならもっと熱かったのかも。

作画が良かっただけに残念。。

※なぜ面白くないかを分析してるwebの記事もあってビビりました。こういうの普通書かないのにね。

投稿 : 2023/07/17
閲覧 : 72
サンキュー:

2

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

心地よい「破滅」

「進撃の巨人」や「王様ランキング」、そして「スパイファミリー」と話題の漫画のアニメ化を多く手がけてるWITSTADIO制作の初オリジナルアニメ映画作品です。

世界観は東京の中央に謎のバブル(泡)状の物体が突如現れたことにより、都市部の機能が低下し無人状態になった世界が舞台の「ハードSF」です。似たような作品にSF小説でJ・G・バラードの「沈んだ世界」「燃える世界」そして本作が一番元ネタにしているだろう「結晶世界(The Crystal World)」があります。これらのJ・G・バラードのSF作品に共通して言えることは、人間社会が突如の「相転移」をすることによって緩やかに文明が「破滅」していくというデストピア小説の先駆け的な作品であり、映画でも旧ソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーの「ストーカー」(1979年)や、近年だとハリウッド映画監督のアレックス・ガーランドの「アナイアレイション -全滅領域-」があります。

実はJ・G・バラード(ジェームズ・グレアム・バラード)以降こういう題材の小説や映画はよく作られており、あのポストモダンホラー小説家であるスティーブンキングも「Under the Domeアンダーザドーム(2009年)」という小説で書いているくらいメジャーな内容ですが、今回のこの「バブル」では主人公とヒロインとのボーイミーツガールが主軸で動いているので、そこまでディストピアな感覚はありません。

個人的に多くのSF作品を観てきた中ではそこそこ出来がいいので、SFアニメが少ない日本の状況から考えると、非常に良く出来たSF入門的な作品だと思いました。作画もなかなか綺麗でした。

しかし、今敏の「パプリカ」や押井守の「攻殻機動隊」、その他巨匠のアニメ作品に比べると脚本や演出においてもやや見劣りしてしまう気がします。

追記:脚本に虚淵玄って書いてありました。wどうりで往年のSFっぽいわけですね。

投稿 : 2023/06/19
閲覧 : 342
サンキュー:

11

ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

超豪華な佳作。作画は美麗だけど、ボーイミーツガールで肝要な交流掘り下げが弱い

100分ほどの劇場アニメ。廃墟と化し謎の泡に包まれ重力異常起きている東京を舞台に、少年とヒロインが障害物競争みたいな競技する。

【良い点】
世界観が凄い。水没、謎の泡や異空間の渦?ビルや電波塔の鉄骨や建材が重力異常で宙に浮いている…
ファンタステックな舞台設定だけで引き込まれる。
作画が素晴らしく、奇妙奇天烈な廃墟や、廃墟を縦横無尽に駆けるアクションは外連味抜群。
ヒロインのキャラデザも可愛い。

ストーリーは分かり易く、主軸の人魚姫モチーフのボーイミーツガールもまずまず。
ウタちゃんは泡から生まれたばかりで無垢で無知、野生児みたいな可愛さ。
主人公ヒビキと互いに仄かに惹かれ合っていくラブコメが微笑ましい。
グループの姉ポジなマコトに少し嫉妬してたり、分かり易く可愛かった。
ヒビキに触られると泡になってしまう体質?と、競技の過程で手を繋がざるを得ないシチュエーションを効果的に活かした見せ場も良い。

泡は何なのか?ウタは何故生まれたのか?敵の企業は一体?
云々の細かい外部設定には踏み込まない適当さはむしろ悪くない。
気にはなるが、物語的にどうでもいいので。
本作の分類はセカイ系ではないが、物語の見せ方としてはセカイ系寄り。
少年少女の関係性を重視して、世界観は舞台装置と割り切る、自分好み。

敵チームが心持たぬAIなので、この手のスポーツ物にありがちなライバルの嫌味が皆無なのも良い。
また、ウタが無から感情や愛を学んでいくのと、心持たぬ敵AIを対比させている。
作劇を単純化してボーイミーツガールに集中させつつ、人魚姫の無償の愛をより分かり易く描いた。

主演のふたりは本職ではないが問題なし。
楽曲面は主題歌がテーマに沿っており、音楽を作劇に活かすなど手堅い。

【悪い点】
手堅く纏まってはいるが、淡泊。あまり盛り上がらず。
主要キャラクターも悪くないキャラ付けではあるが、仲間との交流掘り下げが薄く良きチーム感が乏しい。
リーダーがヒビキのジャンプ台になった以外はメンバー活躍してない。
敵勢力がAIなのは不快さが無い反面、盛り上がらない要因。
またラストレースがマコト姐さん攫われてというのもマコトには悪いが微妙。
「トライブナイン」とかで定番の展開だが、淡泊。

空中廃墟の障害物競走に関しても、映像は素晴らしいが、競技としての工夫やハラハラ感はそこそこ。
「プリンス・オブ・ストライド オルタナティブ」みたいな架空障害物競技系だけど、面白く魅せるには映像以外の要素、チームワークや戦術などが必要。

主人公もヒロインもコミュ力低いのと、あまり内面の掘り下げが無いので、感情移入しづらい。
ウタがゼロから色々学び恋をするのは良いが、最初と最後以外の途中経過が不十分。
少しずつ感情が芽生え、好きな男の子と触れたら消えてしまう、おいしいヒロインだったのに、殆ど活かせていない勿体無い。
ヒビキの境遇やウタとの出会いも弱い。
音楽を軸にした関係も、印象に残るには弱かった。
総じて主軸のボーイミーツガールが弱い。主人公ヒロインのキャラが弱い。
何となく影響を感じる新海作品「君の名は」「天気の子」のヒロインの魅力と比べると差が歴然。
ボーイミーツガールは両方大人しいと地味になりがち。
(この話題でガサラキを引き合いに出すロボットアニメ好き)

人魚姫の寓話を前面に出し過ぎて、些か説明気味になってしまっているのも惜しい。
人魚姫モチーフなのは初期の描写で十分分かるので、以降は映像や情緒的な悲恋で見せてほしかった。

本作に込められたテーマや意匠に関して、他論客の方々が素晴らしい考察や分析をされていて、そういう部分を汲み取れるか否かで評価が変わってくると思われ。
自分は専ら重力異常廃墟レースとボーイミーツガールの二本軸しか見ておらず、それ以外のテーマは重視出来ず。
現代社会に対するメッセージ云々は正直興味が無い。
自分のようなタイプの視聴者にも否応なく伝わる程のパワーは無かった気がする。

【総合評価】5~6点
世界観とアニメーションのパワーで水準以上には楽しめたものの、内容は平凡寄り。
駄作ではないけれど、超豪華な割には佳作止まり。
評価は「良い」

投稿 : 2022/06/24
閲覧 : 175
サンキュー:

4

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ささやきは物語の終わりに

ある日、世界中に降泡現象と呼ばれる "泡" が降り注いだ。
それは {netabare} 地球外生命体であり、重力に干渉し、意思を持つもの {/netabare} だった。

HSPと思わせる少年が、東京タワーの展望デッキで聞き留めたのは "不思議な旋律" 。
それを発していた "一つの泡" が、少年の意思を見留め、やがて二人は接触する・・・。

物語の始まりは、出会うはずのない、すれ違って当たり前だった二つの意思が、偶然にキャッチしあった、消えかけてしまいそうに微かなコミュニケーションでした。

それを SFチックなファンタジーものとして昇華し、いろんなアイテムを駆使しながら、隠喩的メッセージを送り出してきている。
そんな印象でした。

てすから、受け取り方は、たぶん人それぞれの解釈で良さそうです。
私の視聴直後の感情をひと言にするなら、「Cool Romantic!」でした。

~    ~    ~

キャラの軸としては、少年のヒビキ、 {netabare} "泡" が人格化した {/netabare} 少女のウタ、研究者のマコト、彼らをサポートするシンの4人のように思いました。

彼らは降泡現象が創り出した巨大なドームに寝ぐらをしつらえ、若い熱量をパルクールに跳躍し、鋭気と英気をぶつけ合っています。

設定は「アニメ・デカダンス」にどこか似ているかも知れません。
{netabare} 閉ざされた空間、重力コントロールバトル、自己利益の輩、真理の追求、魂のふれあい、そして環境負荷としてのディストピアがふんだんに盛り込まれています。{/netabare}

ヒビキとウタは、パルクールや日々の生活を通して、それぞれの隔たりを縮め、言葉を探しながらお互いを尊重していきます。

実は、なぜ世界中に降泡現象が起きたのか、そしてなぜ東京にだけドームがあるのか、作品には説明がありません。

でも、ある日、ウタが「絵本・人魚姫」に興味を示すことから、物語に大きな方向性をもたらします。

「人魚姫」ならワールドクラスのファンタジックラブストーリーだと誰もが直ぐに分かるでしょう。
そしてどういう結末を迎えることになるのかも、思い描くことになるのです・・・。

惹きあう心が、相手の幸せを願ったとき。
響きあう気持ちに、互いの想いが触れたとき。
引き裂かれる激情に、身を焦がし、捧げたとき・・・。

何を胸に残すことになるのか。
深い余韻が終幕に待っています。

~    ~    ~

あと一つ。
急激な環境の変化が描かれていますから、現在の地球環境への社会的負荷の増大が念頭に置かれているのは明らかです。

それに対して、若者たちが、警鐘する声を挙げることはできても、政治に参加できない閉塞感と、大人への不信感が、本作の伏線に滲んでいます。

"泡" と "渦" とが示唆するものを、バブル経済と社会的奈落というリアリティーと、宇宙の原子のはたらきというミクロや、破壊と再生という壮大なマクロへとつなげて、{netabare}「じゃあね、またね。」{/netabare} とウタの気持ちを歌うEDにまとめていきます。

東京のあちらこちらに佇んでいるようなウタの姿は、ようやく最後になって、明々と、でもどこか遠望する優しさで、せつと訴えかけてくるのです。

泡沫とはウタカタと読みますが、たとえ泡のような人生に見えていても、ふとした出会いにも恋は芽生え、全身で愛に生きる日常は、街のそこかしこにはあるものだと受け止めました。

そして多様性を認め合う未来への "訴え" を、ウタカタの先へと届かせなければならないのだろうと感じます。

~    ~    ~

ウタと人魚姫。
憧れにすれ違ってしまうストーリーは同じでも、全く違う解釈が作品には込められています。

そのヒントは、この数ヶ月〜数年の身近な世相に見え隠れしています。
力による一方的な現状変更を強いる群勢に、本作の泡群の振る舞いを、つい私は重ねてしまうのです。

意思を通じ合わせられるものなら、命を煌めかせる恋、燃え尽きるほどの愛に、魂を響かせる関係性であってほしい。
そう思うと、直後に感じた「Cool Romantic!」は、本作にあまりふさわしくないのかも知れないと思いました。

また、今に響かせたいのは、加虐する銃砲の音ではないし、被虐に倒れる断末魔の声でもありません。
人魚姫がモチーフであればこそ、人間への憧れを汚すようなリアルな現実に、想いを強く馳せることも大事なように感じます。

ちなみに、ちまたに不評を言われるような作品ではないと私は思います。
むしろ劇場のスクリーンにこそ、本作の真骨頂が描き出されるように感じました。

どうぞ映画館に足をお運びいただき、「 Cool Romantic 」とは違うあなた自身の言葉を、物語のなかに見つけてみてください。



おまけ。
{netabare}
ほとんどの映画館で、本作は上映が終了しています。
「もう一度スクリーンで」との願いは、もう難しくなってしまいました。

人肌感にも戸惑うウタとヒビキの心情は、「人魚姫」の物語をたどることでどうにか窺い知ることができます。
個人的には、それでも満足できているのですが、もう一方では、SFものとして成立している本作です。
本作への批判、問題点はそこにあるのでしょう。

いったい、どんなやりとりが、"ウタと泡" との間にあったのか。
禍々しい泡や、異常な重力場に狂う街を、どのような概念や定義で共有し、また包摂すれば、ヒビキへと取り戻せたのか。
その描き方があんまりにも弱いです。

宇宙空間で起きる銀河星雲の衝突は、スターバーストと呼ばれています。
それに匹敵するのが、二人が惹き合う想いの強さだろうし、躍動する構図なんだろうなと思うのです。

それなら、ウタが消滅する必然性としての明確なスキーム、納得できる落としどころが、物語の骨格としてあらねばならないはずです。
でも、残念ながら、そのコアとなる十分なアニメーションが見当たりませんでした。

もしかしたら尺不足が背景にあったのかもしれません。
結果的にですが、ウタに固有する意識性と、泡の集合知の目的意識性とが "画然としたままに切れてしまった" という受け止めになりました。
そこを描かなかったのは、とてももったいないなと思いました。

~    ~    ~

そこでいよいよノベライズに "答え" を求めました。
ライターは「響け!ユーフォニアム」の武田綾乃さんです。
それなら、これは読んだほうがいいに決まってます。

その一文一句は、劇場スクリーンのスピード感のままに、優れて魅力的でした。
加えて、監督の荒木哲郎氏が、以下の主旨を解説文にお書きになられています。

"虚淵氏が設定した泡の正体、目的が、アニメではほとんど伝えられなかったものを、武田さんは、言葉としてしっかり伝えて下さいました。"
"アニメとノベライズの、ふたつで一つの作品なんですね。" と。

全くそのとおりに感じました。
アニメをご覧になられた皆さま方。
後追いで全然大丈夫ですので、どうぞご一読くださいませ。

SF設定を埋めるピースとしては、スッキリできると思います。

~    ~    ~

本作は『人魚姫』をモチーフとし、リスペクトしています。
なれば、"プレスティージロマンティック" に匹敵する、相応の "グランドデザイン" や "スキームポリシー" が対峙するべきなのです。

そうでなければ、導かれるビジョンに翳りが残ってしまうし、アレゴリーとアクチュアリーへのアプローチに曖昧さが生じてしまいます。

ロマンティックとサイエンティフィックから芽生え、微かに伝わってくる泡のように淡いメッセージ。
それをすくい取ることが、一番大事なんだろうと思っています。

{/netabare}

投稿 : 2022/06/22
閲覧 : 298
サンキュー:

15

ネタバレ

かかのん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

いろいろ詰め込みすぎて勿体ない…

個人的には好きな作品でよくここでも書くんですが勿体ない。

作品のおけるバブルの意図と意味が後半になるつれ効かなくなってくる。
主人公とヒロインの1stコンタクトが綺麗だが実は弱い。

パルクールと閉鎖東京の生活感を描こうとしてるんだから何か行動する時に
独自の足かせとか?もっと入れて「ああ大変だけどここで頑張って生きて
るんだ」が欲しいかも?

パルクールって楽しみ意思表示だけなの?アンダーテイカーの方が外部に
配信して金を稼いでスポンサーから装備提供されてってそっちの方が
現実的だし世界感で観たいかも?

もっと歌とウタのエピソード入れて欲しいし泡から人間になった
(そうだよね?ここも分かりづらい)理由と意思をヴィジュアルでハッキリと
見せて欲しかった。タワーで触れ合った!とか抽象的な描写じゃなく!

色々文句書いたけど技術力も絵も凄いしアニメーションも凄いので見てて
楽しかった!ネトフリで大画面液晶使って見たけど劇場でみるべき作品です。

見せ方や設定や若者群像が「君の名は」と「天気の子」を足して割った感じで
別に良いんだけども一つも勝って無いのが残念。
いっそ人間を泡するバブルが充満する放置された東京で企業のデータ回収や
車でも残ったジャンクを回収しながらパルクールをネットで配信する
イカレタ若者集団!っていう単純な構成で良かったのかも?

令和のメガゾーン23で?あっちも歌姫だしw

良いアニメーションですが。どこかで観たような既視感を無視して
何となく観るのがお勧めかも?

投稿 : 2022/05/31
閲覧 : 138
サンキュー:

3

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

このまま「じゃあね」で終わるの?この宇宙が紡ぐめぐりあわせは、いつかきっと「またね」につながるよ・・・。

劇場で観ました。
まず、エンターテインメントとして、純粋に面白かったです。
最初から最後までテンポよくてハイテンションなストーリー。
それをきれいな映像で繋ぎ 、おしゃれでビートが効いた曲で盛り上げます。
ただ観ているだけでも、とても楽しい作品でした。

この物語は、空から突如降り注いだ泡「バブル」により重力が壊れた東京が舞台です。
この「バブル」とは、いったい何でしょうか?
公式ホームページには、「未知の生態」とだけあります。
この物語の中でも、それ以上のことについては、具体的には語られません。
しかし、圧巻の映像美が情報不足を補って余りあるものでした。


■「未知との遭遇」の音階言語と「バブル」のハミング
{netabare}
この作品を観ていて真っ先に思い浮かぶのは映画『未知との遭遇』です。
スティーヴン・スピルバーグ監督の人類と宇宙人のコンタクトを描いた映画です。

『未知との遭遇』のあらすじを少しだけ
{netabare}
世界各地で不思議な現象が発生します。
それと同時に「5音」からなる不思議な歌が聞こえるようになります。
人々は、その不思議な音に誘われているように感じました。
そこで、これはなんらかの音階言語なのではと解析を進めます。
その結果、地球上の経緯度だと分かります。
そして、その場所を訪れると、巨大な宇宙船が現れます。
人々は、音階言語で交信を試みます。
すると宇宙船からも音が発信され、一つの音楽となり鳴り響きます。
交信に成功したのです。
そして、ついに人類は、宇宙船から現れた宇宙人に会うことになるのです。
{/netabare}


この「バブル」でも、同様に音階言語が使われています。
これは「ハミング」と呼ばれ、「4音」で構成されているそうです。
この物語では、主人公がこの音階の鳴る方に誘われていきます。
そして、「バブル」と遭遇するのです。

未知の生態とのコンタクトに音階言語を使うのは夢があっていいなと思いました。
{/netabare}


■「にんぎょ姫」
{netabare}
この物語のモチーフになっているのがアンデルセンの「にんぎょ姫」です。
公式ホームページにも翻訳版がフルに掲載されています。

この物語では、モチーフと言いつつ、実は、大切な部分はそのままです。
それもそのはずです。
物語の中でもこの「にんぎょ姫」を語りつつストーリーが進行するからです。

ハミングに誘われた主人公が遭遇した「バブル」は、少女にその姿を変えます。
少女の名前は、「ウタ」。
そして、主人公の名前は、「ヒビキ」。

「ウタ」が人類とコンタクトをとるのは初めてです。
最初は、言葉を話すことはできません。
でも、本を読んでもらい、言葉をおぼえ、話せるようになります。
その時に読んでもらった本が「にんぎょ姫」でした。
「ウタ」は、それがまるで自分のことのように思えるようになります。
そして、主人公を王子様に重ね、彼に恋をし、彼の世界を愛すると決めたのです。

しかし、「にんぎょ姫」は、ハッピーエンドではありません。

「にんぎょ姫」のラストは以下の語りかけで終わります。
{netabare}
「「にんぎょ姫、あなたの美しい心は、さまざまな苦しむ人々をいやし、
 幸せをもたらすでしょう。
 そして、あなたは天の門をくぐり、三百年の命のかわりに、
 永遠の命を手に入れるのです。」
 にんぎょ姫の魂は、終わりのない大きな愛となり、
 空高くのぼっていったのだった。」
{/netabare}

そして、この物語もまた同じ結末を迎えるのです。
「バブル」とは、本来、人類に危害を与える存在、いわば敵です。
しかし、「ウタ」は、主人公とコンタクトをとったことによりその考えが変わります。
「ヒビキ」とその世界を守りたいと思ったのです。

もちろん、「ウタ」は、「にんぎょ姫」のラストを知っています。
それでも、覚悟を決め、自分を犠牲にすることにより、この世界を守ったのです。

結構、ウルウルきちゃいました・・・。
{/netabare}


■「じゃあね、またね。」と「崩壊と再生」
{netabare}
「じゃあね、またね。」は、エンディングテーマ曲です。
「崩壊と再生」は、この物語のテーマです。

「ウタ」は、最後、泡に戻り消えてなくなりました。
もう主人公には、会うことはできないのでしょうか・・・。
このまま「じゃあね」で終わってしまうのでしょうか?
そして、「またね」は、永遠にやってこないのでしょうか?

ここからがこの物語の面白いところです。
他のどの物語でも描かれていないスケールで「またね」を語ります。

残念ながら「ウタ」と「ヒビキ」は、この世界で会うことは叶いません。
でも、また会うことができるのです。

それは、「来世」でしょうか?
そもそも、「ウタ」は、人類とは違う未知の生命体。
人間にしか通用しない輪廻思想なんて持っていません。
もっと、科学的でスケールが大きいことです。

私たち人類はおろか、この宇宙空間内の物質は、元素で構成されています。
また、この宇宙では、ビッグバン以降、「崩壊と再生」を繰り返しています。
その中で、私たちの身体を作る元素は何度も集まり、星となります。
そして、燃え尽きては収縮し、放出され、また、繰り返します。
それは、まるで「泡」を作って混ざり合い、やがて分かれるようにです。
それこそ、「ウタ」が手を突っ込んだ鍋の中で泡がブクブク煮えたぎるお湯のよう。

「ウタ」と「ヒビキ」は、別の星の生命体です。
でも、同じ宇宙にいることには変わりありません。
二人の身体が朽ちたとしても・・・、
その元素は、「崩壊と再生」を繰り返す中で再び巡り合える可能性があるのです。


そればかりではありません。
時間や空間も元素と同様にビックバンで生まれたと考えられています。
絶対的なものではないので、時間と空間は、飛び越えられるものであるかもしれません。
また、この宇宙の過去、現在、未来のすべての出来事は、
「波動」として、ホログラム的な構造で量子真空上に保存されている説もあります。
「魔法少女まどか☆マギカ」の最終回で「まどか」が語っていたことです。
もし、この説が正しければ、前世の記憶や生まれ変わり(輪廻)、タイムリープ、
シンクロニシティ、集合的無意識等も説明できるかもしれませんよね。

今回、初めて出会った二人だって、昔どこかで会っているかもしれません。
それは、元素レベルかもしれません。
もしくは、量子真空上の過去、現在、未来の交差点かもしれません。
「ハミング」がどこか懐かしく感じるのは、そこに理由があるのかもしれません。
二人の出会いは「未知との遭遇」ではなく、すでに出会っていたのかもしれません。

いずれにせよ、この宇宙にいる限りは、再び巡り合うことができる可能性があります。
「じゃあね」と「またね」がつながるのです。
夢がありますよね。
{/netabare}


■まとめ

この物語のラストは、「にんぎょ姫」のラストと同じです。
そして、これは、「魔法少女まどか☆マギカ」の最終回に近いものがあります。
どちらも虚淵玄さんが脚本されているので根底にあるものは同じなのだと思います。

確かに、この物語は、内容的には少し浅い部分があるのは否めません。
でも、それは、あくまでも表面的な部分のことです。
それよりも、この物語の裏に広がる世界観は、それこそ宇宙のように広く奥深いです。

「めぐりあわせ」の裏には、宇宙がある。
そして、過去、現在、未来の時間の流れの中でめぐりめぐって、まためぐりあう、
そんな、スケールの大きさを感じさてくれる作品でした。

「まどマギ」のような思想が好きな方は、きっとこの物語にも共感できるでしょう。
この宇宙に思いを巡らせていると、なぜか懐かしさも感じる、そんな物語でした。

投稿 : 2022/05/25
閲覧 : 235
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20

ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

浮き彫りにしたのは受け取った側の人達

【まえがき】
 これと攻殻機動隊2045を観るためにNETFLIXに再入会したのだけれど、攻殻はまだ先のようだったので、しょんぼりしつつ、バブルを観ました。
 WITstudioさんは背景を動かしたりするのが上手くてカメラワークがとても楽しい。実写では再現不可能ではないかと思われる技術力ですね。もっとも、実写の世界で3D背景を基にした2.5次元的な使用方法であれば再現できるかもしれないのですが…。


【あらすじ】
 昔、爆発があった
 この宇宙は爆発で生まれた
 昔、爆発があった
 この星は爆発で生まれた
 昔、爆発があった
 この生命は爆発で生まれた
 そしてまた爆発が起こる
 これが我々の目撃する最後の爆発になる
                【ゲーム:DEATH STRANDINGより引用】
 
 東京に泡が降った、それは爆発の兆候で、爆発は東京タワーの近くつまり東京のど真ん中で起こった。
 しばらくして、世界は元に戻ろうとしているが、この周辺だけ泡が降り止まずその範囲は封鎖されることになった。その中は特殊な環境で重力が少なくなっているようだった。
 そして、数年が経ちそこは居場所を失くした少年少女の住処となっていた。
 その中で貴重な物資を掛けてパルクールでバトルをするバトルクールが生活の一部となっており、一喜一憂する毎日だった。
 そんなある日、ヒビキは爆心地となった東京タワーを目指してパルクールをするも、失敗に終わり、落下してしまう。
 ヒビキを助けたのがウタという謎の少女彼女の出現により、世界は彼に違う一面を見せ始めるのだった。


【レビュー】

◆モチーフ
 公式のHPで読める虚淵さんのコメントに人魚姫をモチーフにして、人魚が泡になるを泡が人魚になるっていう着想を得てそこからスタートした物語だそうです。
人魚姫=人魚→泡
バブル=泡→人魚→泡
 ただのモチーフにとどまらず、テーマ性を組み合わせて、一歩すすんだ形で物語を形成させることに成功している。(テーマ性については後述してあります)これにより、作品の中で何度も繰り返し表現されていた、輪廻という世界の仕組みに触れることになる。( {netabare} 気付けない人の為の優しさと思っておく {/netabare})
 この輪廻を世界という広い視野から見ると、デスストランディングのオープニングでも語られるように、まずは爆発があったから始まる。爆発により世界(宇宙)は生まれ、星が生まれ、ブラックホール(渦)が生まれる。

 泡は液体であり、個体でもありえる。また、気体が無いと存在できない。これは人間も同じように思われる。ウタが現れる時に泡がヒビキから出たあわと混ざり合い、細胞分裂し始めるのは面白い表現でした。


◆隠喩としての渦≒災禍
 テーマ性を語る前にここをおさえておくと良いかもしれません。
 物語のなかでも爆発の後に残ったものが泡より沈んだ東京のど真ん中に発生している渦です。
 そして、東京タワー。爆発の中心となった地点にあるブラックホールのような渦です。
 これが何を示すのか…がテーマ性に直結します。ここには風化させている人を浮き彫りにする刃が隠されていて、そこに私は傷付き、感動してしまった。自戒を込めて。

◆テーマ性
 最初に断っておくと勝手な私の受け取り方なので、異論は認めます。

 現代の日本において一番影響を与えた爆発は、まず第二次世界大戦における広島、長崎の原子爆弾。
 これにより、広島、長崎はおろか日本という国の魂のようなものが、爆散してしまいました。
(このあたりを描いた作品としては、『この世界のさらにいくつもの片隅に』がベスト映画です)
 しかし、日本はそこから復興し世界の1位2位を争う経済大国にまでなりました。
 次にバブル景気。爆発的な好景気に見舞われ、膨れ上がり爆発し崩壊した。
 これはここに至りデフレ日常化したことにより、夢幻泡影のごとく無かったものとして今を過ごしている。現状復興できていないと言えますね。
 次に福島原発事故ではないでしょうか。
 これにより、避難指示区域の人々は土地を離れるしかなくなってしまった。これは『バブル』で起きた爆発により東京が立ち入り禁止になってしまった世界と私には重なって見えました。
 物語では“そこに住み着いた人々”=“世界が非日常になり、社会からはみ出してしまった人々”=世界のゴミ=星の原料となる窒素や水素などのガス=原子や分子→新星爆発→星の誕生→生命の誕生…と輪廻する。
 このような関係性を見る事ができるように思われます。
 さらに深層へいくと、生命はDNAという螺旋(ここでも渦が)からGEMEでつながりが現わされる。

 物語の後半では、再度爆発の予兆がみられる。
 人にとってはもう二度と繰り返したくはない爆発を目の前にしてもなお、救いたい人がいる主人公達はこれを止める為爆発の中心へ。
 ヒロインを救い出すことはできたが…モチーフの人魚姫同様に泡となり、爆発は形を変え、結果を変えた。風の精霊となった人魚姫のように。

 爆発は再生と表裏一体である。崩壊は再生と表裏一体である。
 ラスト主人公たちは、復興しつつある東京でも同じようにパルクールを楽しむ。これは、彼らが社会に復帰したことの示唆でもあるように思えます。
 そして、東京タワーは被災のシンボルとして再建中になっているカットで幕を引く。
 このラストは未来へ向けた希望だと感じ、感動させてくれました。

◆重層的な隠喩から読み解くメッセージ。
 この映画のテーマ性が見せる隠喩は、幾重からなる日本という国の再生の物語です。
 爆発と再生、崩壊と復興。
 上記で示したような出来事を見事に思い起こさせる隠喩の数々、実は重たいテーマを扱っているのに、この清々しさはなんだろうか。
 彼らは別に世界を救おうとか思っていない。ただ純粋に、ウタを救いたいという願いからなんだ。それを利用するしかなかった大人を描くことは、実はこの国はもう大人の出番は終わりで、若者が自分達のやりたい事をしっかり見つけ、成長しすることが再興への道なんだと示してくれていて、そんなメッセージが伝わってくるようではありませんか。。。もうおじさんだけれども。


◆マクガフィン
 ・パルクール
  なぜにこの競技を彼らがしているのか。
 1.理由
  唯一残された社会との接合は飲食などの物資でそれを争う方法が必要だった。特に必要な道具もなく、一番シンプルで正当な競争だったためだろうと思います。殴り合いや殺し合いで解決しないのは、彼らがまだ社会性を残している証拠であり、ある種同じ穴の狢という仲間意識もあると考えると割と自然に納得できる競技だと思います。
 2.意味
  無理矢理にでも、意味を付けるのであれば、パルクールは簡単に言うと障害物競走である。様々な障害を乗り越え、ゴールにたどり着く。
『高ければ高い壁の方が登った時気持ちいいもんな』的なノリなのかもしれません。
 また、躍動感は生命力の表現として機能し、テーマへの絡みも少し見える。
 とはいえ、舞台装置としての競技なので、代替は効くものだろうから、あまりなぜこれなの? ってしまうことで、思考がストップし、意味が理解できない=物語が理解できないは、逆にその考え方が私には理解できないのです。

 ・歌
  主人公の名前がヒビキで、ヒロインの名前がウタである。
  歌にはシニフィアンとしての歌詞とシニフィエとしてのメロディーとして考えると、この物語内では歌詞のある歌は聞こえてきません。つまりイメージの共有をウタにのせヒビキを聞き取る。歌は彼の三半規管(渦)にしか届かない。『あなたの脳内に直接語りかけています』のようなテレパシー的な能力を説明的にするため、また、主人公を特別な存在としての説得力を持たせるための道具としてモチーフに絡めて上手く利用しているように思えます。

 このマクガフィンもつまるところ代替可能のなので、シナリオ(脚本)次第では別のものになりえる。上手いことテーマに結び付けたり、モチーフを強化したり観客に分かりやすくしたりすることが目的としてあるんじゃないかなと思っております。
 個人的にですが、今回の脚本は虚淵さんが携わっているので、整合性とかとるのやっぱり上手いなって思いました。他にも脚本として参加された方もいますので、彼一人というわけではないのでしょうが、私の知識不足のため安易にそこに結び付けるしかないのは悪しからず。

 EDにて歌詞が付いたことで、ウタが我々の世界へ召喚されたのは記号とイメージの世界(社会)が融合したことによってなのかもしれませんね。

◆映像
 映像と副題にしたのは、つまり作画だけではなく、背景、3D、撮影、音楽を総合しての話だなーと思ったからです。
 とはいえ、映像に関してはよくわかりません。作画は普通に動画で崩れることはなかったです。
 特にスゴイのはカメラワークに合わせた作画ですね。
 角度が変われば、見え方も変わるつまり、描かなければならないわけで、アニメでは横や上にPANするは割と当たり前に使うし、TU(トラックアップ)TB(トラックバック)も当たり前に使われます。
 しかし、ティルト、サークルショットのようにパースが変化すると絵の全てを書かなければならないため労力は数倍になります。
 これを多用しているのがスゴイよねって話です。
 カメラワークがあるって事はその分背景の仕事が増えるその分撮影が恐ろしく複雑な仕事をしなければならない。って事ですね。

 また、撮影に関しては昨今どんどん進化しておりますね。
 『ViVi』において気持ち悪かった(技術ではなく演出的に)ハーモニー処理。
 本来は美術の領分だったのが、おそらく撮影でやってるんじゃないかなって思います。“それらしく”が“それ”になったという点とハーモニー処理で動く…だと? という点が新技術。特殊効果の類になるんだろうとは思いますが、一枚一枚に処理入れてるって考えるとスゴイ労力だなって思います。
 実際にどうやったのかは推測の域でもしかしたら全部背景の仕事かもしれませんが…。
 また、バブルの光の反射の処理とかもそうなんじゃないなかなって思って軽く鳥肌立ちました。
 本当に光の処理が上手いですね。最近では『明日ちゃんのセーラー服』で特殊効果とか光の処理とか上手いなぁ~やるなクローバーワークスって思っておりましたが、今イケイケなスタジオ(ufotableとか)はどこも撮影が強いんですね。


【あとがき】
 大抵私がレビューを書くときは作品に興奮した時や他のサイトでのレビューが酷くて理解されていないと感じた時などなのですが、今回は両方ですね。
 タイトルにあるように、このテーマ(合ってた場合)を感じとった上で、意味が分からないなどのレビューをしているのであれば、もはや風化してしまったのだと悲しくなる。また、規定された社会(法)の中では正しく、非日常となった日常に気づく事もなく過ごしている人がここに該当するんじゃないだろうかって思ってしまいます。
 そういった人たちが多くいるという感覚を与えてくれた意味をおいても、この映画の社会に与える影響はプラスにもマイナスにも働いていて、考えさせられました。

(すとーりーで感じたもの)
 などと、偉そうに書きましたが、一番胸を抉られたのは、科学者のマコトさんが泣いたところでした。どういう事が起こっているのか一番わかっている立場でありながら、彼らに真実を告げることをせずただ見送らせ。その結果に罪悪感を覚え涙する。見ていることしかできなかった、いや見ている事を選択した。そうするしかないと分かっているから。。。
 ここまで絶賛しているように読めるかもしれませんが、実はストーリーとしては面白くないです。
 人魚姫モチーフでヒビキとウタのボーイミーツガールを主軸にしてるので、そこだけをトリミングすると、大きな変化ってヒビキくらいしかなくなんか物足りなさを感じるかもしれないなと。
 しかし、じゃあどうすればよかったのだろうかと考えても、うーん…?
 ウタが犠牲にならなければならない事へのアプローチを厚くできればという感じですかね? ヒビキは助けたいという願いがありつつでもウタを犠牲にしないとまた爆発が起こってしまう、みたいな葛藤が彼にはないですし、周りも特にないので、何となく危険を冒してでも仲間を助けるんだ! っていう尊い精神性でしか感動を呼べない仕組みになってしまっていますよね。
 ただ、先述しているようにヒビキは純粋じゃなきゃいけないわけで、葛藤より考えが行動に勝手に出てしまうプロセスが大事だったりするかなって思うんですよね。うーん、難しい。
 なので、やっぱりテーマを見せて、メッセージを発信できているので、この映画はもうそこで成功だと言えるんじゃないでしょうか(放り投げ)
 なのでラストカットでの笑顔は私に希望を見せるが、それも深く傷つけられる。お前忘れてたんじゃないか? 再生させるのはお前達なんじゃないのか? と問われているようで、痛い。


2022.05.15 少し改稿

投稿 : 2022/05/15
閲覧 : 287
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11

ネタバレ

Prospero さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

人魚は一体何を犠牲にしたのかな…

作画も音楽も素晴らしいのだけど、感動するほどウタに感情移入する間も無く終わってしまった。
映画館で見るべきかも、美しい景色とスピード感あふれるシーンを楽しむ作品。

投稿 : 2022/05/06
閲覧 : 163
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6

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2022.5.6

2022.5.6

投稿 : 2022/05/06
閲覧 : 148
サンキュー:

0

ネタバレ

esm24722 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

美しさで最後まで引っ張る

ネタバレ有で簡単にこの物語を説明すると、、地球外生命体の到来&ファーストコンタクトに上手くいかなかった人類は、その代償として東京だけに問題を抱えてしまうことになる。水没し、泡だらけになる東京。その内日本の中でさえも置き去りにされてしまう。世界的な都市としての面影も今は昔、災害孤児たちの遊び場となってしまう。パルクールのバトル、バトルクールで物資を取り合うゲームに興じる子供たち。研究の名目で子供たちを監視し、一応の義務を果たす大人達。水没してしまった東京には一部重力異常が発生し、ブラックホールさえ出現していた。これが設定ですが、要するに災害によって無法地帯と化した東京の話で、一応の政府の監視によって秩序は保たれていますが、アスレチックと化した瓦礫の山の中で限られた物資を景品として子供たちがゲームをしながら競い合い生活しているという話です。

ここにプロットポイントとして登場するのがウタで、ウタが主人公の生命の危機に現れ人魚姫的に助け、仲間になるというところから物語が駆動します。実は泡は地球外生命体でその一部が人類に興味を持ち、再度接触を図る展開です。人類としては赤ん坊のようなウタが人類から聞かされる人魚姫の話や数多の文献から得られる人類の知識に触れ、成長し、彼らを理解していくことになります。泡の中にも「一」と「全体」という構図が存在し、急に人類に近づいていくウタの存在を許せない全体としての泡がファーストコンタクトの時同様人類に牙をむきます。主人公を含むグループは泡や重力異常の真実に近づきたいわけですが、全体としての泡は強く拒絶し、ウタと主人公の初恋を引き裂く構図ですね。主人公には泡に干渉する特殊能力があるわけですが、黄金比に基づく音階を発する泡とそれを聞き取る主人公というのも面白いモチーフでした。

結局ウタが主人公と初恋に落ち、破局し(消滅)その中で人類の感情や知識を得て全体に還元することで泡と人類の共生は果たされることになります。つまりお互いの成長を持って物語が大団円を迎え次のフェーズへ突入できるのです。

展開が急なのが引っ掛かるでしょうが、物語の構造としては非常に手堅くキチンと考えられているのが分かります。超作画と音楽で100分一気に纏めた手腕も流石でしょう。SFらしく最低限の台詞と表現豊かな映像で表現したことも評価されるべきです。

しかし物語の軟着陸という意味では少し親切さや馴染み易さに欠けると言えるかもしれません。パルクール自体や超絶作画によるウタ(非人類)の初心な可愛さ、一緒に運動し成長する様などエヴァンゲリオン的なシンクロニシティを使って視聴者に感情移入を誘っているのですが、どうやらこの展開にあまり乗れないひともいるようです。理屈や台詞を導入に物語に入っていくタイプは取り残されてしまうかもしれません。そういう人たちには楽しむためのハードルがやや高いと言わざる負えません。

投稿 : 2022/05/06
閲覧 : 171
サンキュー:

6

ネタバレ

ウェブペンギン さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

素晴らしい映像美

とにかく、映像・作画がすごいです。
泡がちょっと気持ち悪いけど(集合体恐怖症かな?)

投稿 : 2022/05/03
閲覧 : 157
サンキュー:

1

ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

表現力が綺麗

パルクールと言う競技と人魚姫の物語を掛け合わせたようなストーリーですね。
パルクールの競技は中々映像も動いていたし、細かい足音や手で何かを掴んだ時の音とかも再現出来てるシーンもあり見ていて楽しかったです。
ただ、競技は割と駆け足気味でした。
この作品の見せ場だと思いますが、もっと見せて欲しかったですね。

絵や色は割と綺麗な作品です。
高校生の時に、お世話になった方が幻想的な風景が好きな方で、私も当時その景色の美しさに見せられたのでそうした景色が割と好きで、この作品のタイトルである「バブル」はそんな景色に似た綺麗な表現で泡を表していて綺麗だと思います。
色も綺麗に描かれていたと思います。

パルクール中に泡を足場にして飛んでいくシーンがありましたが、あれはなんか新鮮で良かったです。
泡なんて足場にしようなんて発想はなかったので。

残念なのはストーリーでしょうか?
少し退屈ですね…中盤寝そうになりました(*꒪꒫꒪)
ストーリーも感動する様なシーンもありますが、感情移入が、いまいち出来ずに泣けませんでした。
ですが、ウタを救う為に仲間を頼って協力していく、そう言う展開は好きです。

そんな訳で、ストーリーにも、もっと力を入れていたら凄く良かったと思いますが、この作品は色と表現と音で、耳と目を楽しませてたくれる作品です。
その辺は凄く良かったと思います。

投稿 : 2022/04/30
閲覧 : 211
サンキュー:

12

ネタバレ

ツークツワンク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

新海誠に引っ張られ過ぎ

出資者に新海誠みたいな作品を作れと言われて作ったんだろうなという作品。
真面目に脚本を書いてこの出来なら虚淵玄の才能が枯渇してしまったんだなという失望しか残らないからそう信じたいところ。


まず、この作品は冒頭からもう酷い。
「勝利条件は?」「なんで危険な競技をしているの?」
などという説明口調をモブにさせないでほしい。
一気に没入感が無くなるし、スタイリッシュパルクールすら見ていて冷めてしまう。

説明口調を省いて、パルクールで敵を倒しながら旗を取ってゴールに置いてある物資を奪う。
その後に「米取られた!」「ガソリンはもらってくからなー」ってセリフが流れて仲間で物資の山分けシーン。
これだけでスタイリッシュ感が出せるのにZ世代や世界の視聴者に対していちいち説明してあげないと分からないかもっていう制作側の意図があってほしい。無いとしたらセンスが終わってます。
テーマもド直球に作中で人魚姫の絵本を説明しながら人魚姫の物語を展開してしまうのもセンスを疑う。ベルリン国際映画祭のレベルってそんなに低いのかという。


そんなこんなで万人(幼児)でも分かり易いような作りをしながらも本筋の設定は抽象的過ぎてアンバランス。

泡とは?ウタとは?物資はどこで調達してる?他の研究者や組織は?東京以外の住人は?

いやいいんですよ。
これらのことは省いてしまっても問題のないことです。
でもね。それならもういっそ競技や世界観の説明すら放り投げてスタイリッシュパルクールを見せたいんや!っていう舵取りをすれば映像美とケレン味で洗練された作品になったのではないかって思います。

映像は背景や水も含めて美しいです。人間もこれでもかってくらいパルクールで動き回るし。ただ、そんなパルクールも真剣に見ていると無駄な前転とかしていてところどころ笑ってしまうんですけど動きに関してしっかり監修してるのかなぁと疑問も。

キャラに関しては評価低め。思春期真っただ中で他人と壁を作るイヤホン系主人公。イヤホンの理由が自閉症という掘り下げがポリコレを意識してなのか本当に必要だったのかは不明。
ここら辺の説明でもスタイリッシュポイントを下げてしまっていますし、同年代や一般人の共感は得られそうにないですね。
ヒロインは作品自体が新海誠を意識して一般層狙ってる割に、癖が強いカバネリ顔なのがところどころ気になってしまったのと野生児の性格が性に合わなかった。
他キャラは師匠とサブヒロイン以外はアイコンだけ作って中身がスカスカ。というよりは短編映画なのでそこら辺はご愛敬。
アンダーテイカーがえげつないことしてる割に終盤のデレが面白かったのでそこは加点。それが嫌って言う人の方が多いとは思う。


去年からオリジナルアニメ映画を色々見てきましたけど、いい加減ボーイミーツガールで最後はヒロインと別れるっていう流れに飽きました。
バブルは新海誠フォロワー感が一段酷いですけど。

ただ、出資者がジェネリック新海誠作品を作ってくれと言い続ける限り、このような作品を制作する流れはしばらく続くのかなぁと思います。

投稿 : 2022/04/30
閲覧 : 280
サンキュー:

2

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

セカイ系の「人魚姫」。

詳細は公式サイトでも見てください。

「進撃の巨人」「甲鉄城のカバネリ」の荒木哲郎監督、制作・WIT STUDIO、企画・プロデュースが「君の名は。」「天気の子」の川村元気氏、脚本が「まどマギ」の虚淵玄氏、音楽が澤野弘之氏という、もうこれだけで良作は約束されているような劇場版アニメです。

ただ、現在、先行してNetflixで配信されていますよ。

ここからは劇場公開前なので、ネタバレは極力避けますが、一応隠しておきますね。これから観られるという方は絶対に開かないようお願いしますね。
{netabare}
突如として空から泡が降ってきて、東京タワーを爆心地に東京全体が大きなバブルで覆われ、人が住めないようになった世界観。そこに、退去命令を無視して済み続けるアウトローな子どもたちが、パルクール(ビルとビルの間を飛ぶアレです)でバトルをしていますよ。

とにかく圧巻の映像美。そして水、バブルの描写が美しい。このへんは、「天気の子」を彷彿させるわね。そして、パルクールのアクションシーンは、さすがWIT STUDIO。このへんは「進撃の巨人」みを感じるわね。

そして見逃せない(聴き逃がせない)のは、ここぞの澤野弘之節。感動を演出しているのは間違いありません。
{/netabare}
劇場で観るのもいいなと思っていましたが、我慢できずにフライングした感じです笑

たらればですが、もし「君の名は。」よりも前に、この作品が作られていたら、同じような社会現象になったかもしれないですね。観て損はない作品だと思いますよ。

投稿 : 2022/04/29
閲覧 : 231
サンキュー:

5

ネタバレ

giwkalasge さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

すばらしかった

いやもー本当にすごかった。なんかすごすぎてうまく言葉に出来ねえや。とにかく作画がヤバい。映像が気持ちいい。切なくてエモい、みたいな。感想は以上。

感想以外で気になった点をいくつか。パクリだなんだと言われるのが鬱陶しかったからだろうか、あらかじめ本作品のモチーフを劇中で堂々とネタばらしするスタイルのシナリオ(とはいえ大抵の人は見てりゃすぐに分かるほど有名な話が元ネタ)。冒頭で世界観など簡潔に説明する親切な設計。最後はちょっと意味わかんなかったけどなんとなく雰囲気でわかった気がしたので個人的には問題なし(人によっては謎が残るとリピートする動機ができるかも)。教養のある頭のいい人なら考察とか捗るかもしれない。

この映画を観るためにネトフリに加入。自宅の安価な4K65㌅TVとそこそこバランスよく鳴るサウンドシステムを用いて本作品を鑑賞。本作品が映画館で上映されることを観終わってから知った。私が観た感じこの映画は映像のダイナミクスが半端じゃないので、できるだけデカくて鮮明に映る画面となるべく良い音響を通じて鑑賞すると面白さが増すんじゃないかと思う。ちなみにここでは「映像のダイナミクス」とかよくわからんことを書いてしまっているわけだが、他に良い表現が思い浮かばなかっただけなので大目に見てやってくださいよそこをなんとか。

投稿 : 2022/04/29
閲覧 : 223
サンキュー:

5

RX-178 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/11/13
閲覧 : 0

Ricky さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/02/27
閲覧 : 13

mfqSQ44309 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/11/04
閲覧 : 10

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/05/30
閲覧 : 12

nana さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

投稿 : 2023/03/11
閲覧 : 11

ぞろ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/02/16
閲覧 : 13

五月雨 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観たい

投稿 : 2023/01/28
閲覧 : 13

P@$$εЯ-β¥Δ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/01/19
閲覧 : 14

おふとん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/12/18
閲覧 : 14

ちーたら さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2022/11/03
閲覧 : 17

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2022/10/10
閲覧 : 12

老倉育 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/09/27
閲覧 : 14

3mei さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/09/17
閲覧 : 16

しらす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/09/06
閲覧 : 12
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バブルのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
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バブルのストーリー・あらすじ

世界に降り注いだ泡〈バブル〉で、重力が壊れた東京。
ライフラインが断たれた東京は家族を失った一部の若者たちの遊び場となり、ビルからビルに駆け回るパルクールのチームバトルの戦場となっていた。
ある日、危険なプレイスタイルで注目を集めていたエースのヒビキは無軌道なプレイで重力が歪む海へ落下してしまった。
そこに突如現れた、不思議な力を持つ少女ウタがヒビキの命を救った。そして、2人にだけ特別な音が聞こえた・・・。
なぜ、ウタはヒビキの前に現れたのか。2人の出会いは、世界を変える真実へとつながる。(アニメ映画『バブル』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2022年5月13日

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